JP3374034B2 - 義歯設計用サーベイヤー装置 - Google Patents

義歯設計用サーベイヤー装置

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JP3374034B2
JP3374034B2 JP06534297A JP6534297A JP3374034B2 JP 3374034 B2 JP3374034 B2 JP 3374034B2 JP 06534297 A JP06534297 A JP 06534297A JP 6534297 A JP6534297 A JP 6534297A JP 3374034 B2 JP3374034 B2 JP 3374034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、歯科技工用の機
械器具に係るもので、特に、クラスプ(鉤)設計並びに
床設計の双方を包括的に設計処理可能になすものであ
り、スムースな装着挿入が可能であって、装着挿入後に
おけるセッティング維持力の高い義歯を設計するための
義歯設計用サーベイヤー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、歯科治療に関して、例え
ば、破損ないしは損傷したような歯に代えて、義歯を装
着して用いるような場合がある。このような義歯は、先
ず、患者の口腔内を印象採取し、採取した印象にもとづ
いて、石膏製の歯形模型を作成する作業工程を含んでい
る。この歯形石膏模型は、患者の歯茎歯肉部分と、この
歯茎歯肉部分からのびる健全な残存歯牙部分と、破損な
いしは損傷による欠損歯牙部分とを極めて忠実に印象し
て再現したものからなっている。この歯形石膏模型にも
とづいて、例えば、患者の欠損歯牙部分に対応する義歯
を作成する。
【0003】上記するような義歯は、例えば、図15に
示すように、補綴すべき歯牙FTをレジン床RF上に植
設成形したものからなっている。このようにして成形さ
れた義歯は、隣接する健全な残存歯牙(以下鉤歯STと
する)を支台歯とし、この支台歯に対し、例えば、線ク
ラスプあるいは鋳造クラスプ等でなるクラスプCをもっ
て抱き合わせ状に義歯を装着するようになっている。こ
の場合、義歯を違和感なくセッティングするためのクラ
スプ設計処理並びに床設計処理が重要な課題として提起
されてきている。
【0004】上記する歯科治療に適用されるクラスプ
は、例えば、直径1mm程度の金属製線材料でなる線クラ
スプと、蝋型にもとづいて鋳造によって成形される鋳造
クラスプとが知られている。これらのクラスプは、例え
ば、 Co-Cr合金、 Pt-Au合金、Au、Pd等の金属材料の中
から選ばれるものである。
【0005】図15BおよびCに示すように、クラスプ
Cは、治療すべき歯に対し、隣接する健全な残存歯牙S
Tのアンダーカット領域に嵌まり合う湾曲状アーム部分
APと、レジン床RFに埋め込まれる脚部分LPとを有
するものからなっている。
【0006】一方、クラスプを設計する場合、歯形石膏
模型に対して、義歯の構成部分であるレジン床並びにク
ラスプの外形線を予め描く必要がある。クラスプを設計
する場合、歯牙の豊隆部の状態を十分に考慮して、外形
線を描かなければ歯牙の豊隆部に対するアンダーカット
量の多少に応じて、義歯が装着挿入しにくくなったり、
あるいは、装着挿入後におけるセッティング維持力が弱
く、すぐに外れてしまう等の難点を有するのであった。
【0007】したがって、このクラスプ設計において、
歯形石膏模型に対するサーベイングラインの表記は、極
めて重要であり、サーベイングライン表記の良否によっ
てクラスプ設計に関連する諸工程の省力化等が決定され
てしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、この歯形石膏模
型に対するサーベイングラインの表記は、サーベイヤー
装置によって行われていた。従来のサーベイヤー装置
は、歯形石膏模型の設計方向をセッティングできるサー
ベイヤー台と、印記用芯材を垂直線に沿ってのびるよう
に取り付けたサーベイングライン印記手段とによって構
成されているものである。この従来のサーベイヤー装置
において、サーベイングラインを印記する態様を示すと
次の通りである。
【0009】まず、歯形石膏模型をサーベイヤー台上に
固定し、義歯の着脱方向を決めたのち、サーベイングラ
イン印記手段によって歯形石膏模型に対してサーベイン
グライン(歯牙や粘膜の最大豊隆部)を印記する。この
場合、アンダーカットゲージを用いて、適用するクラス
プ材料の弾力に応じたアンダーカット量を測定し、鉤尖
の位置を決定し、クラスプ外形線を手で描いていた。床
外形線の表記も同様の手順によって行っていた。
【0010】一方、一般的にエーカスタイプのクラスプ
設計において、線クラスプの場合はその湾曲状アーム部
分の開放側先端より2/3を、鋳造クラスプの場合はそ
の湾曲状アーム部分の開放側先端より1/2をアンダー
カットに入れて製作されている。しかしながら、この方
法によって成形される義歯には、装着時における横ぶれ
に対する抵抗力・補綴側の浮き上がり等の難点が認めら
れるものである。その原因は、鉤歯STに対してクラス
プCの湾曲状アーム部分APが先掴み状態であることに
よって生じる現象である。この現象は、単にアンダーカ
ット量を深くすることだけで解決する問題ではなく、ア
ンダーカット領域を長くし、鉤歯STに対して抱え込む
ようなクラスプ設計をし、拮抗作用を高める必要があ
る。
【0011】線クラスプの場合、鉤歯STの付け根に近
い弾力の少ない部分から、鉤尖までアンダーカット部に
入れ領域を長くする方法が既に紹介されているが、この
方法による場合は、義歯の装着に際して、維持力がきつ
くなり過ぎ、装着不可能になる危険性が高く、クラスプ
設計自体がオペレータの経験と勘に委ねられ、極めて不
均一に行われているものにすぎなかった。
【0012】一方、この発明に関して同一人の開発に係
るクラスプ設計用のサベイヤー装置として、特開平7−
47089号公報に記載の内容のものが知られている。
この従来のクラスプ設計用サベイヤー装置は、上記する
ようなクラスプ設計の状況下において、線クラスプ並び
に鋳造クラスプに適合するクラスプ外形線を描くことが
できるように構成されているものであった。しかしなが
ら、このクラスプ設計用サベイヤー装置は、サベイヤー
台をX軸及びY軸の2つの回転軸で支配したものにすぎ
ず、X軸及びY軸の回転軸が、模型の着脱方向の決定
と、決定後の回転とを兼ねているためX軸及びY軸のど
ちらか一方が傾いている場合の角度設定に誤差が生じる
という問題点を有していた。
【0013】そこで、この発明は、X軸とY軸の回転軸
の交点に垂直方向にのびるZ軸に沿った回転軸を新設
し、各鉤歯に対してバランスよく忠実に横開き設計並び
に縦開き設計が可能であって、床の着脱方向と鉤の着脱
方向とを分けて設計することができるようになしたサー
ベイヤー装置を提供することにある。
【0014】さらに、従来、X軸とY軸の回転軸が模型
の着脱方向の決定と、決定後の回転とを兼用していた点
に対し、着脱方向決定用のユニバーサルジョイントと、
決定後のX軸とY軸の回転軸とを分けたことによって、
従来のように兼用していた場合、X軸とY軸のどちらか
一方が傾いた状態で生じる0度設定における角度誤差の
問題を解消するサーベイヤー装置を提供することにあ
る。
【0015】さらに、この発明は、X軸座標、Y軸座標
及びZ軸座標の読み取りを可能にして、クラスプ設計並
びに床設計、さらには、着脱方向に対してのブロックア
ウト域の測定に適合するサーベイヤー装置を提供するこ
とにある。
【0016】さらに、この発明は、サーベイヤーライン
印記手段におけるエンピツシャフトを可徹式にし、エン
ピツ芯をすばやく尖らすことができ、別の色のエンピツ
芯や測定芯の付いた印記ホルダーとの交換を簡単に行い
得るようになし、作業性の向上を図るサーベイヤー装置
を提供することにある。
【0017】さらに、この従来のクラスプ設計法(本
来、義歯の設計にあたっては、その構成部材であるクラ
スプ、床、バーなどの設計を必要とするものであるが、
上記する従来のサベイヤー装置による設計法ではクラス
プの設計のみが可能なものであった)では、そのクラス
プの設計にあって、作業用模型を、咬合面側から見て、
X軸及びY軸の2軸の内、1軸を、正中線基準に多くの
場合固定して、この2つの回転軸を回転させて、模型に
所定の傾斜角度を与えて、鉤歯にクラスプ外形線を印記
する方式のものであった。特に、横開き設計がクラスプ
設計に、審美的な面並びに維持力の面から検討すれば、
最良の設計法と考えられていた。
【0018】ところが、歯牙を観察してみると、歯の頬
側面と舌側面の中心線の位置に最大豊隆線が存在し、有
効なアンダーカットが得られることが多く、これをクラ
スプの審美的面あるいは維持力として利用する必要があ
り、この部をも考慮しなければならない。横開き設計を
行うには、先のクラスプ設計法ではX軸、Y軸合成で角
度を付けて傾斜させる必要があった。
【0019】そのことから、本発明では、X軸、Y軸の
交点を軸芯として、X軸、Y軸に対して水平に回転する
Z軸(中心軸)を設て、回転させることにより、鉤歯の
中央軸付近に対して、X軸、並びにY軸を簡単に設定で
きるので、横開き設計を容易に行い得る。これにより、
横開きの中心化が図られ、スムースな横開き設計が可能
となる。
【0020】すなわち、先のクラスプ設計法は、床と鉤
の着脱方向が同じであるため、同じ方向でしか設計でき
なかった。この発明では、鉤(鉤の着脱作用点)が鉤歯
面に接触するまで、床の着脱方向と考え、それ以後、粘
膜部に装着されるまでを、鉤の着脱方向と考えて鉤と床
との設計を行おうとするものである。
【0021】床と鉤の着脱方向の決定方法について考察
すると、それぞれは互いに影響し合うものである。床の
着脱方向の決定については、部分床義歯の場合、次に示
す通りの順序になる。 (1) 先ず、咬合平面に垂直に設定してみる。 (2) 鉤の着脱方向を考慮する。 (3) 鉤の着脱方向通りに設定する場合が多いが、床部で
のアンダーカットの存在あるいは残存歯が舌側傾斜して
いて、床やバーをそのアンダーカット領域部にいれなく
てはならない場合等については、補綴側隣残歯のブロッ
クアウト領域が比較的少なく患者が自然に装着できる。
咬合平面に対して近遠心角度15度頬舌的角度15度ま
での角度を設定することにより、舌側粘膜部アンダーカ
ット領域部に床やバーをもぐりこますことができる。も
う一つこの設計法によると、今までの方法では考えられ
なかった、鉤なしの無クラスプ義歯の設計が可能にな
る。
【0022】鉤の着脱方向の決定については、 (1) 先ず、咬合平面に垂直に設定してみる。 (2) 床の着脱方向を考慮する。 (3) 鉤歯となる歯の骨埴状態、埴立方向、アンダーカッ
ト領域部を確認の上、かかる鉤の作用力に対する鉤歯の
負担を考慮に入れて、容易に着脱可能な着脱方向を雲台
を動かして、その方向を経験で決定する。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記する目
的を達成するにあたって、具体的には、歯形石膏模型を
セッティングするサーベイヤー台と、前記歯形石膏模型
に対して床および鉤のためのサーベイングラインを印記
するためのサーベイングライン印記手段とを含み、前記
サーベイヤー台が、基台と、前記基台上に平行にのびる
第1の枢支軸、前記第1の枢支軸に直交する第2の枢支
軸、前記第1及び第2の枢支軸の水平状態における交点
位置に垂直方向に向けてのびる第3の枢支軸を介し、前
記各軸のまわりにそれぞれ個別に運動可能に且つ固定可
能に連結されている歯形石膏模型セッティング手段と、
前記歯形石膏模型セッティング手段を前記第1の枢支軸
のまわりに回動させ、所望の傾斜角度に角度設定可能に
なした第1の角度調節設定機構と、前記歯形石膏模型セ
ッティング手段を前記第2の枢支軸のまわりに回動さ
せ、所望の傾斜角度に角度設定可能になした第2の角度
調節設定機構と、前記歯形石膏模型セッティング手段を
前記第3の枢支軸のまわりに回動させ、所望の回転角度
に角度設定可能になした第3の角度調節設定機構と、前
記歯形石膏模型セッティング手段と前記第3の枢支軸と
の間にあって、前記歯形石膏模型セッティング手段にセ
ットされる作業模型の作業原点を前記第3の枢支軸の軸
芯に整合させるZ軸軸芯整合機構、及び、前記作業模型
の基準面を水平面に対して任意の角度に設定可能なユニ
バーサルジョイント機構とを備え、前記サーベイングラ
イン印記手段が、鉛直線に沿ってのびる少なくとも一本
の印記芯体を含み、前記印記芯体をX軸方向並びにY軸
方向に分離して移動させ、それぞれ個別にロック可能な
印記芯体作動機構によって支持してなる義歯設計用サー
ベイヤー装置を構成するものである。
【0024】さらに、この発明は、前記歯形石膏模型セ
ッティング手段が、歯形石膏模型を固定支持する歯形石
膏模型セッティングプレートを含み、前記歯形石膏模型
セッティングプレート上に歯形石膏模型を固定支持する
手段が、歯形石膏模型の一方の側を支持する一対の固定
ピンと、他方の側を支持する可動部材とからなり、前記
一対の固定ピンが、前記歯形石膏模型セッティングプレ
ートに設けてある複数のピン挿入孔に選択的に挿入設置
可能である義歯設計用サーベイヤー装置を構成するもの
である。さらにまた、この発明は、前記サーベイングラ
イン印記手段が、鉛直線に沿ってのびる少なくとも一本
の印記芯体を含み、前記印記芯体をX軸方向並びにY軸
方向に分離して移動させ、それぞれ個別にロック可能な
印記芯体作動機構と、所望のポールに回転可能なアーム
部材を介して鉛直線に沿ってのびるように取付けられる
少なくとも一本の印記芯体を含むものからなる義歯設計
用サーベイヤー装置を構成するものである。さらにま
た、この発明は、前記サーベイングライン印記手段が、
前記印記芯体作動機構あるいは前記アーム部材の自由端
側に設けたホルダー部材と、前記ホルダー部材に取り付
けられるシリンダー部材と、前記シリンダー部材を介し
て着脱自在に支持される印記芯体と、前記印記芯体を高
さ方向に高さ設定する高さ調節機構とを含むものからな
り、前記シリンダー部材に対して前記印記芯体を印記作
業位置と非作業位置に固定可能になした義歯設計用サー
ベイヤー装置を構成するものである。さらに、この発明
は、歯形石膏模型をセッティングするサーベイヤー台
と、前記歯形石膏模型に対して床および鉤のためのサー
ベイングラインを印記するためのサーベイングライン印
記手段とを含み、前記サーベイヤー台が、基台と、前記
基台上に平行にのびる第1の枢支軸、前記第1の枢支軸
に直交する第2の枢支軸、前記第1及び第2の枢支軸の
水平状態における交点位置に垂直方向に向けてのびる第
3の枢支軸を介し、前記各軸のまわりにそれぞれ個別に
運動可能に且つ固定可能に連結されている歯形石膏模型
セッティング手段と、前記歯形石膏模型セッティング手
段を前記第1の枢支軸のまわりに回動させ、所望の傾斜
角度に角度設定可能になした第1の角度調節設定機構
と、前記歯形石膏模型セッティング手段を前記第2の枢
支軸のまわりに回動させ、所望の傾斜角度に角度設定可
能になした第2の角度調節設定機構と、前記歯形石膏模
型セッティング手段を前記第3の枢支軸のまわりに回動
させ、所望の回転角度に角度設定可能になした第3の角
度調節設定機構と、前記歯形石膏模型セッティング手段
と前記第3の枢支軸との間にあって、前記歯形石膏模型
セッティング手段にセットされる作業模型の作業原点を
前記第3の枢支軸の軸芯に整合させるZ軸軸芯整合機
構、及び、前記作業模型の基準面を水平面に対して任意
の角度に設定可能なユニバーサルジョイント機構とを備
え、前記Z軸軸芯整合機構と前記ユニバーサルジョイン
ト機構との間に前記第1の枢支軸および第2の枢支軸に
対してそれぞれ別個の枢支軸を備えた角度微調整設定手
段を設けてなり、前記サーベイングライン印記手段が、
鉛直線に沿ってのびる少なくとも一本の印記芯体を含
み、前記印記芯体をX軸方向並びにY軸方向に分離して
移動させ、それぞれ個別にロック可能な印記芯体作動機
構によって支持してなる義歯設計用サーベイヤー装置を
構成するものである。
【0025】
【実施例の説明】以下、この発明になる義歯設計用サー
ベイヤー装置の第1の構成について、図面に示す具体的
な実施例にもとづいて詳細に説明する。図1は、この発
明の第1の構成になる義歯設計用サーベイヤー装置の具
体的な実施例のものにあって、その全体的な構成を概略
的な側面図で示すものであり、図2は、図1中におい
て、矢印F2の方向からみた該サーベイヤー装置の概略
的な側面図であり、図3は、図2中において、矢印F3
の方向からみた該サーベイヤー装置の概略的な側面図で
ある。また、図4は、該サーベイヤー装置におけるサー
ベイヤー台の基本構成を容易に理解するべく斜視図であ
らわしたものであり、図5は、該サーベイヤー装置にお
けるサーベイヤー台を分解して、内部構造の詳細を示す
概略的な斜視図である。一方、図6は、該サーベイヤー
装置において、サーベイングラインを印記するためのサ
ーベイングライン印記手段の具体的な構成例を示す概略
的な斜視図である。
【0026】この発明になる義歯設計のためのサーベイ
ヤー装置1は、基本的には、歯形石膏模型Mをセッティ
ングするサーベイヤー台2と、前記歯形石膏模型Mにサ
ーベイングライン80、83を印記するためのサーベイ
ングライン印記手段3とを含むものからなっている。
【0027】前記サーベイヤー台2は、基台4を有し、
この基台4に対して支柱部材5が回転可能なように組み
立ててある。前記支柱部材5は、図に示す実施例におい
て、水平プレート片5aと、水平プレート片5aの一端
部から垂直方向にのびる垂直プレート片5bとからな
り、水平プレート片5aの他端部の下面に回転軸6を備
えていて、該回転軸6が前記基台4の中央部に設けてあ
る孔7に回転可能に嵌まり合うように形成されている。
前記支柱部材5が、前記回転軸6のまわりに回転可能で
あるということは、作業時における作業性の観点による
ものである。前記基台4と、前記支柱部材5とは、後述
するX軸方向並びにY軸方向に操作されるサーベイング
ライン印記手段3との関係において、90度角度位置毎
にロック可能な手段を含むものからなっている。
【0028】このサーベイヤー台2は、前記支柱部材5
における垂直プレート片5bの上端側に、該支柱部材5
に交差し、X軸方向にのびる第1の枢支軸PA-1を備え
ている。前記支柱部材5における垂直プレート片5bの
上端側には、前記第1の枢支軸PA-1を介してX−Y軸
連結アーム部材8が、該軸のまわりに回動可能に且つ固
定可能に連結してある。前記X−Y軸連結アーム部材8
は、図に示す実施例において、第1のプレート片8a
と、第1のプレート片8aの一端部から直交してのびる
第2のプレート片8bとからなっている。
【0029】一方、このサーベイヤー台2は、前記X−
Y軸連結アーム部材8における第2のプレート片8bの
一端側に、前記第1の枢支軸PA-1に直交し、Y軸方向
に向けてのびる第2の枢支軸PA-2を備えている。前記
X−Y軸連結アーム部材8における第2のプレート片8
bの一端側には、前記第2の枢支軸PA-2を介してY−
Z軸連結アーム部材9が、該軸のまわりに回動可能に且
つ固定可能に連結してある。前記Y−Z軸連結アーム部
材9は、図に示す実施例において、第1のプレート片9
aと、第1のプレート片9aの一端部から直交してのび
る第2のプレート片9bとからなっている。
【0030】さらに、このサーベイヤー台2は、前記Y
−Z軸連結アーム部材9における第2のプレート片9b
の一端側に、前記第1の枢支軸PA-1および前記第2の
枢支軸PA2の水平状態における交点位置に垂直に、す
なわちZ軸方向に向けてのびる第3の枢支軸PA-3を備
えている。前記Y−Z軸連結アーム部材9における第2
のプレート片9bの一端側には、前記第3の枢支軸PA
-3を介して歯形石膏模型セッティング手段10が、該軸
のまわりに回動可能に且つ固定可能に連結してある。
【0031】一方、この発明装置において、前記歯形石
膏模型セッティング手段10と前記第3の枢支軸PA-3
との間に、前記歯形石膏模型セッティング手段10にセ
ットされる作業模型Mの作業原点CP(この発明装置に
おいて、Z軸が作用する点)を前記第3の枢支軸PA-3
の軸芯に整合させるためのZ軸整合機構11と、前記作
業模型Mを水平に対して任意の角度に設定可能なユニバ
ーサルジョイント機構12とが設けてある。
【0032】この発明において、前記歯形石膏模型セッ
ティング手段10を前記Z軸整合機構11およびユニバ
ーサルジョイント機構12を介して前記Y−Z軸連結ア
ーム部材9における第2のプレート片9b上に取り付け
る具体的な構成例について、図5に示す実施例にもとづ
いて説明する。
【0033】前記Y−Z軸連結アーム部材9における第
2のプレート片9bの自由端側には軸孔13が設けてあ
る。この軸孔13に対し、回転可能に嵌まり合う軸部1
4を下面に備えたZ軸回転目盛ディスク15が回転可能
で且つ固定可能に取り付けられている。前記Y−Z軸連
結アーム部材9における第2のプレート片9bの自由端
側周側面、および前記Z軸回転目盛ディスク15の周側
面に対して、その一方に角度目盛16が刻設してあり、
他方に基準目盛17が刻設してある。前記Z軸回転目盛
ディスク15は、回転固定用ネジ18によって固定する
ことができるようになっている。
【0034】前記Z軸回転目盛ディスク15に対し、連
結用スペーサー部材19を介してX(Y)軸方向長孔付
きディスク20が固着してある。前記連結用スペーサー
部材19は、前記Z軸回転目盛ディスク15と前記X
(Y)軸方向長孔付きディスク20との間に、Z軸点固
定用ハンドル21を回動自在に配置する可動スペースを
確保する。前記X(Y)軸方向長孔付きディスク20に
は、ディスクの中心を通過して直径方向にのびるX
(Y)軸方向長孔22が設けてある。
【0035】前記X(Y)軸方向長孔付きディスク20
の上面側に、Y(X)軸方向長孔付きディスク23が互
いに移動可能な状態に配置されている。前記Y(X)軸
方向長孔付きディスク23には、ディスクの中心を通過
して直径方向にのびるY(X)軸方向長孔24が設けて
あり、さらに、前記Y(X)軸方向長孔24に対して同
心円的に上面側に開口する長溝25が設けてある。
【0036】互いに移動可能な関係にある前記X(Y)
軸方向長孔付きディスク20と前記Y(X)軸方向長孔
付きディスク23とは、前記Y(X)軸方向長孔付きデ
ィスク23のY(X)軸方向長孔24と前記X(Y)軸
方向長孔付きディスク20のX(Y)軸方向長孔22を
貫通するボルト26と、一端側にボルト26に螺合する
ネジ孔が設けてある前記Z軸点固定用ハンドル21とに
より、前記Z軸点固定用ハンドル21の回動操作によっ
てX軸、Y軸の適宜位置において固着連結されるように
なっている。前記ボルト26の六角ヘッド26aは、前
記長溝25に嵌まり合うようになっていて、前記ボルト
26の回転を阻止する。
【0037】前記ユニバーサルジョイント機構12は、
前記Y(X)軸方向長孔付きディスク23の上面側にネ
ジなどの固定手段を介して固着される基部28と、この
基部28に対して自由な回動連結関係にある連結部材2
9と、基部28および連結部材29との間の自由な回動
連結関係を固定するための締付けネジ部材30とによっ
て構成されている。前記ユニバーサルジョイント機構1
2は、模型Mの着脱方向を決定した後、前記締付けネジ
部材30によって固定される。
【0038】一方、前記歯形石膏模型セッティング手段
10は、前記ユニバーサルジョイント機構12における
連結部材29上に固着連結されている歯形石膏模型セッ
ティングプレート31を含むものからなっている。前記
歯形石膏模型セッティングプレート31は、その上面3
1A側に、歯形石膏模型Mを載置して、固定セッティン
グするためのセッティング支持部材32、33を備えて
いる。一例において、一方のセッティング支持部材32
は、一対のピンによって構成されるもので、前記歯形石
膏模型セッティングプレート31に設けてある複数の差
し込み孔34に対して選択的に差し込みにより固定され
ている。他方のセッティング支持部材33は、ピン可動
用ネジ35に連結されていて、前記ピン可動用ネジ35
の回動操作により、前記セッティング支持部材32に対
して近接・離遠可能なように組み立てられている。
【0039】これらの組み合わせによって、前記歯形石
膏模型Mは、前記歯形石膏模型セッティング手段10上
にセッティングされるようになっている。この発明にお
いては、前記歯形石膏模型Mの作業原点CPを前記第3
の枢支軸PA-3、すなわちZ軸の軸芯に整合させてセッ
ティングする必要がある。この整合セッティングは、前
記Z軸整合機構11によって行う。すなわち、前記X
(Y)軸方向長孔付きディスク20と前記Y(X)軸方
向長孔付きディスク23とを適宜移動させた状態で、各
ディスクに設けてある長孔22、24を介してボルト2
6に対しZ軸点固定用ハンドル21を締付けることによ
り、前記歯形石膏模型Mの作業原点CPを前記Z軸の軸
芯に整合させてセッティングすることができる。
【0040】この発明において、前記サーベイヤー台2
は、前記第1の枢支軸PA-1に関連する第1の角度調節
設定機構36と、前記第2の枢支軸PA-2に関連する第
2の角度調節設定機構37とを備えている。前記第1の
角度調節設定機構36は、前記歯形石膏模型セッティン
グ手段10を前記第1の枢支軸PA-1、すなわちX軸の
まわりに回動させ、該セッティング手段10を所望の傾
斜角度に角度設定可能にするためのものであり、X軸回
転目盛38、0度目盛セット用ゲージ39、締付けダイ
ヤル40とを含むものからなっている。
【0041】これに対して、前記第2の角度調節設定機
構37は、前記歯形石膏模型セッティング手段10を前
記第2の枢支軸PA-2、すなわちY軸のまわりに回動さ
せ、該セッティング手段10を所望の傾斜角度に角度設
定可能にするためのものであり、Y軸回転目盛41、0
度目盛セット用ゲージ42、締付けダイヤル43とを含
むものからなっている。
【0042】一方、この発明装置において、前記サーベ
イングライン印記手段3は、図6に示す実施例にあっ
て、基台テーブル4上に上方に向けてのびるポール部材
44を含むものからなっている。前記サーベイングライ
ン印記手段3は、図6に示すように、異なる二種類(3
Aおよび3B)のものを併用するべく構成されている
が、どちらか一方だけでもよい。第1のサーベイングラ
イン印記手段3Aは、基本的には、後述する印記芯体を
X軸方向並びにY軸方向に分離して移動させ、それぞれ
個別にロック可能な印記芯体作動機構45を含むものか
らなっている。
【0043】前記第1のサーベイングライン印記手段3
Aは、前記ポール部材44に取り付けてあるX軸方向ガ
イドレール46と、X軸方向ガイドレール46に組み合
わされていて該ガイドレール46に沿って移動可能なX
−Yクロスガイドホルダー47と、前記X−Yクロスガ
イドホルダー47に組み合わされているY軸方向ガイド
レール48とを含むものからなっている。
【0044】前記第1のサーベイングライン印記手段3
Aにおいて、前記X軸方向ガイドレール46並びにY軸
方向ガイドレール48は、それぞれ少なくとも2本のバ
ーによって構成されており、それぞれその一方のバーに
対して各軸方向の移動量を測定する目盛49、50が付
してある。
【0045】一方、前記第1のサーベイングライン印記
手段3Aにおいて、前記X−Yクロスガイドホルダー4
7と前記X軸方向ガイドレール46との間にロック手段
51が設けてあり、前記X−Yクロスガイドホルダー4
7と前記Y軸方向ガイドレール48との間にロック手段
52が設けてあって、それぞれ個別にロックすることが
できるようになっている。
【0046】前記第1のサーベイングライン印記手段3
Aは、前記Y軸方向ガイドレール48の一端側48aに
シリンダホルダー53が取り付けてある。前記シリンダ
ホルダー53には、鉛直方向にのびる複数のシリンダ挿
通孔54が設けてあり、印記芯体支持シリンダ55を挿
通支持するようになっている。前記印記芯体支持シリン
ダ55は、シリンダ上下調節ネジ56によって前記シリ
ンダホルダー53に固定支持される。
【0047】この発明装置において、印記芯体57は、
例えば両端にエンピツ芯58を装填支持するシャフト部
材によって構成されているものであり、前記印記芯体支
持シリンダ55に挿通支持されるようになっている。前
記印記芯体57の外周面には高さ設定目盛59が設けて
ある。そして、前記印記芯体57は、高さ設定ネジ60
によって前記印記芯体支持シリンダ55に固定支持され
る。前記エンピツ芯58の先端は、例えば、前記サーベ
イヤー台に予め設けてある芯先研ぎ手段によって、好ま
しくは、約75°程度に研ぐことができるようになって
いる。
【0048】前記印記芯体支持シリンダ55と、前記印
記芯体57との間には、前記印記芯体支持シリンダ55
内における前記印記芯体57の回転を阻止する手段が設
けてある。これは、具体的には、前記印記芯体支持シリ
ンダ55の内周面に母線方向に沿ってのびる回転規制ノ
ブ61と、前記印記芯体57の外周面に母線方向に沿っ
てのびる回転規制溝62とによって構成されている。前
記印記芯体支持シリンダ55は、前記シリンダホルダー
53に対し90度角度位置毎に前記シリンダ上下調節ネ
ジ56によって固定することができるようになってい
る。
【0049】さらに、前記印記芯体支持シリンダ55
と、前記印記芯体57との間には、前記印記芯体57を
ワンタッチで非作業位置に退却させた状態で引掛け支持
しておくための引掛け支持手段63が設けてある。この
引掛け支持手段63は、具体的には、前記印記芯体57
が太径部分57Aと細径部分57Bとを有していて、太
径部分57Aと細径部分57Bの段座面を傾斜段座面6
4として形成しておき、前記印記芯体支持シリンダ55
の上端に、前記傾斜段座面64に係合する引掛け部65
を設けたものによって構成される。この構造により、前
記印記芯体57は、前記印記芯体支持シリンダ55から
簡単に抜き取ることができ、上・下の異種のペン先を使
い分けたり、ペン先の交換が簡単にできる。
【0050】一方、前記第2のサーベイングライン印記
手段3Bは、前記ポール部材44に対して取り付けられ
ている。前記第2のサーベイングライン印記手段3B
は、前記ポール部材44に、回動可能な状態でアーム部
材66が取り付けられており、上下調節ネジ67によっ
て位置決めされるようになっている。前記アーム部材6
6の端部側66aに、連結枢支軸68を介して印記芯体
支持部材69が回動自在に連結されている。前記印記芯
体支持部材69には、少なくとも1本、図に示す実施例
において2本の印記芯体支持シリンダ55(上記する実
施例のものと同一構成)が、鉛直線に沿ってのびるよう
に取り付けられている。前記印記芯体支持シリンダ55
は、シリンダ上下調節ネジ70によって前記印記芯体支
持部材69に固定支持される。
【0051】この発明装置において、前記第2のサーベ
イングライン印記手段3Bに対して適用される印記芯体
57は、上記する第1のサーベイングライン印記手段3
Aに対して適用されているものと同一のものでよく、前
記印記芯体支持シリンダ55に対する前記印記芯体57
の着脱取り付け機構についても、上記する構成のものと
全く同一に構成することができる。前記印記芯体支持シ
リンダ55を共用もしくは、一時的に共用する第1のサ
ーベイングライン印記手段3Aおよび第2のサーベイン
グライン印記手段3Bが一体あるいは、一時的に一体と
なった機能にすることもできる。
【0052】この発明装置では、前記サーベイングライ
ン印記手段3における棒状のエンピツ芯58が、鉛直線
にそってのびるように構成されている点、並びに前記サ
ーベイヤー台2における歯形石膏模型セッティング手段
10が、前記第1の枢支軸PA-1、すなわちX軸のまわ
りに、および前記第2の枢支軸PA-2、すなわちY軸の
まわりに、さらには、前記第3の枢支軸PA-3、すなわ
ちZ軸のまわりに、それぞれ個別に回動させることがで
き、第1の角度調節設定機構36、第2の角度調節設定
機構37、前記Z軸整合機構11およびユニバーサルジ
ョイント機構12を介して、セッティング手段10を所
望の角度に傾斜させることができるので、前記棒状の印
記芯58の側周面によって、歯形石膏模型セッティング
手段10上の、歯形石膏模型Mにおける歯牙の傾き角度
の概略を測定することもできる。すなわち、歯形石膏模
型Mにおける歯牙の舌側、頬側を含む外側周面の傾き度
合いを概略的に測定することができる。
【0053】次いで、この発明になる義歯設計のための
サーベイヤー装置の使用手順について説明する。この発
明の一つの特徴としては、従来の第1のブロックアウト
域に加え、第2のブロックアウト域を形成して、スムー
スな装着操作が可能で、且つ装着維持力の高い義歯を供
することである。ここで、ブロックアウト域とは、義歯
を着脱する時に、アンダーカット領域に存在するクラス
プアーム(鉤腕)の干渉を受けるので、その応力を和ら
げるべく、あらかじめ義歯と鉤歯の間にスペースをこし
らえるために、石膏あるいはワックスなどで作業模型M
上に盛り足しておくことをいう。
【0054】以下、図9に示すもののように、両側Iバ
ークラスプの金属床義歯を設計する具体的な実施例にも
とづいて説明する。図9Aは、両側Iバークラスプの金
属床義歯の平面図であり、図9Bは、義歯の主要部を拡
大して示す側面図である。この義歯構造体71は、金属
フレーム72と、プラスチックで製作されるプラスチッ
ク床73と、既製の人工歯74とによって構成されてい
る。
【0055】一方、図10は、義歯構造体71に関し
て、金属フレーム72の内部の形状を説明するべくあら
わしたものであり、図10Aは、当該義歯構造体71の
平面図であり、図10Bは、その主要部を拡大して示す
側面図である。この実施例の場合、左右が同じ形状のク
ラスプであるので、図中、左側のIバークラスプ設計に
ついて説明する。このクラスプは、レスト75、床の隣
接面板76、クラスプアーム77とを含むものからなっ
ている。図中、参照符号78は、鉤歯の隣接面板を示す
ものである。
【0056】義歯構造体における義歯の維持力は、前記
クラスプアーム77の先端部が歯面と接触する点79に
関係して、当該接触点79が、最大豊隆線80からどれ
だけの深さで入り込んでいるかで決まる。従来は、アン
ダーカットゲージを用いて、その深さを決定していた
が、歯面の曲率半径の違いで維持力の異なったクラスプ
ができあがるという難点を有していた。
【0057】この発明では、上記する接触点79が、最
大豊隆線80からどれだけの深さで入り込んでいるかを
次の手順に従って求めようとするものであり、これを図
11〜図13にもとづいて説明する。 (1) 咬合平面に垂直に模型Mを一時的に設定する。 (2) 鉤歯の隣接面板の方向、歯牙の豊隆度等を参考とし
て、ユニバーサルジョイント機構12にて着脱方向ライ
ン81を合わせる。 (3) 模型MのX軸、Y軸、Z点を水平移動させて設定
し、X軸を、ほぼ正中線に合わせることが設計上望まし
い。 (4) 着脱方向81で、鉤歯面に対しては、最大豊隆線8
0を印記し、粘膜面に対しては、その延長ライン82を
印記する。X軸芯として、模型を矢印の方向に10度傾
斜させて、鉤歯面にサーベイヤーライン83を印記す
る。 (5) Y軸芯として、模型を矢印の方向に10度傾斜させ
て、鉤歯面にサーベイヤーライン84を印記する。 (6) サーベイヤーライン83とサーベイヤーライン84
との交差した点を交点85とする。この交点85におい
て、クラスプアーム77の先端を鉤歯面に接触させるべ
く設計することにより、上記(2) で設定した着脱方向に
対しての維持力が確保される。 (7) 着脱方向ライン81の鉤歯側内側のスペース部86
および鉤碗非接触部のアンダーカット部を、ブロックア
ウト処理する。このブロックアウト域は、第1のブロッ
クアウト域であって、従来の場合はこのブロックアウト
域の処理だけで済ませていた。
【0058】図12は、義歯着脱の途中の状態を示すも
のであって、この図によれば、義歯装着後には維持力を
得るのは交点85であるが、着脱途中においては、その
作用方向は、交点85に対して突出点87、87’とな
る。この作用力はどのくらいの力なのか、α・β方向
を、Z回転軸を回転させて、それぞれX軸もしくはY軸
のうちのどちらかに合わせて、その傾斜角度α度・β度
を読み取ることでその作用力がわかる。この傾斜角度を
利用して第2のブロックアウト域の処理に利用する。以
下、突出点87について述べる。 (1) 着脱方向ライン81によって得られたブロックアウ
ト域86を、第1ブロックアウト処理した模型に対し
て、着脱方向ライン81に対して、等高点85’を求め
る。この等高点を求めるには、例えば、治具88を用い
る。 (2) 模型をZ軸回転させて、α方向それぞれを、X軸、
Y軸方向のどちらかに合わせてα度傾斜させる。 (3) 等高点85’から治具88を使用して矢印方向に回
転させて、等高点85’と粘膜面に点89を印記する。 (4) α度の傾斜線と等高点85’との交点の垂直線90
を描く。 (5) 点91との垂直域を、第2ブロックアウト域92と
して、剣状にブロックアウト処理する。 (6) この第2ブロックアウト域92を設けて、金属フレ
ームを、通例法により製作する。この第2ブロックアウ
ト域92を設けて製作された義歯は、着脱時には、スム
ースに、しかも装着後の維持力も十分なものである。
【0059】次いで、前記サーベイングライン印記手段
3Aのように、印記芯体をX軸方向とY軸方向に分離し
て可動させ、且つそれぞれ個別にロックする構成の必要
性について説明する。この発明装置では、床を咬合平面
に対して傾斜させた状態で着脱をスムースに行い得る義
歯を製作設計しようとするものである。この点に関して
一例を挙げれば、図14に示すように、中間義歯を、遠
心方向から15度の傾斜で着脱する義歯を設計しようと
した場合、従来の自由可動型のアーム式のサーベイング
ライン印記手段3Bによると、参照符号93で示すライ
ンしか描けなかった。前記サーベイングライン印記手段
3Aによれば、X軸、Y軸を個々にロックすることがで
きるので、その一方をロックした座標点から、X軸、あ
るいはY軸に平行にラインを簡単に描くことができる。
この平行ラインを引くには、可動する鉛筆をロックし
て、模型台を平行にずらして描く方法、若しくは仮想し
て描く方法が考えられる。
【0060】図14に示すように、最大豊隆線93a
と、Y軸に15度傾斜させたサーベイヤーライン93
a’とは、それぞれの方向の最大豊隆部の延長線上にフ
リーに、模型粘膜面に描いた線である。このサーベイヤ
ーライン93a、93a’で描いた通りブロックアウト
して製作すれば、当該義歯の装着は、一方向で大変着脱
のし難い義歯となる。要するに、図14中、ライン93
aは、X、Yとも角度を変えずに最大豊隆域を歯牙部と
粘膜部とに描いた線であり、ライン93a’は、X方向
に15度傾斜させフリーに描いた線である。
【0061】この発明装置によって描いた最大突出部位
の延長ライン94A、94B、94Cを床のブロックア
ウト領域線とすることにより、スムースな着脱が可能と
なった。それは、頬舌的着脱角度が、ア方向とは限ら
ず、イ方向から入ることも考えられるからである。つま
り、遊び領域を設定することによって、スムースに着脱
が行えるようになったのである。図14中、ライン94
Aは、Y方向に角度を変えずに最大突出点においてX方
向に線を引いた場合を示すものであり、ライン94B
は、15度傾斜させて最大突出部位でY方向に線を引い
た場合を示すものであり、ライン94Cは、X、Yとも
角度を変えずに最大突出点からY方向に線を引いた場合
を示してある。
【0062】次いで、この発明の第2の構成になるサー
ベイヤー装置について、図16〜図19にもとづいて詳
細に説明する。上記する第1の構成になるサーベイヤー
装置は、X軸、Y軸、Z軸を使った鉤外形線の印記法に
かかるものであって、床(バー部)をアンダーカット領
域にもぐりこます方法について作用するものである。一
方、これに対して、第2の構成になるサーベイヤー装置
は、X軸、Y軸、Z軸に加えて、模型の鉤と床の設計方
向におけるX軸、Y軸の角度微調整設定機構を組み合わ
せたものである。
【0063】以下、この発明の第2の構成になるサーベ
イヤー装置の具体的な構成について説明する。説明の重
複を避けるため、前記第1の構成になるサーベイヤー装
置と同一部分についてはその説明を省略する。
【0064】図16は、第1の構成になるサーベイヤー
装置と第2の構成になるサーベイヤー装置とを比較した
それぞれの構成の原理を説明するための概略的な原理図
である。図16Aは、第1の構成になるサーベイヤー装
置の原理図であって、Y軸−X軸−Z軸−ユニバーサル
ジョイント機構−歯形石膏模型セッティング手段によっ
て組み合わせた構成を図示するものであり、図16B
は、第2の構成になるサーベイヤー装置の原理図であっ
て、Y1 軸−X1 軸−Z軸−Y2 軸−X2 軸−ユニバー
サルジョイント機構−歯形石膏模型セッティング手段に
よって組み合わせた構成を図示するものである。
【0065】この第2の構成になるサーベイヤー装置の
具体的装置例を図17および図18にもとづいて説明す
る。第2の構成になるサーベイヤー装置は、図18に示
すように、第1の構成になるサーベイヤー装置における
Z軸整合機構11とユニバーサルジョイント機構12と
の間に角度微調整設定機構100が組み合わされたもの
からなっている。
【0066】前記角度微調整設定機構100は、前記Z
軸整合機構11におけるY(X)軸方向長孔付ディスク
23に固着されるX2 軸目盛り付き軸受け部材101
と、前記ユニバーサルジョイント機構12における基部
28に固着されるY2 軸目盛り付き軸受け部材102
と、前記X2 軸目盛り付き軸受け部材101に対してX
2軸固定ボルト103、X2 軸固定ナット104の軸形
成手段によって枢支連結され、前記Y2 軸目盛り付き軸
受け部材102に対してY2 軸固定ボルト105、Y2
軸固定ナット106の軸形成手段によって枢支連結され
るX2 軸−Y2 軸連結アーム部材107とを含むものか
らなっている。
【0067】この角度微調整設定機構100において、
前記X2 軸目盛り付き軸受け部材101には、X2 軸角
度目盛り108が設けてあって、Y2 軸目盛り付き軸受
け部材102には、Y2 軸角度目盛り109が設けてあ
る。これに対して、前記X2軸−Y2 軸連結アーム部材
107に、X2 軸およびY2 軸の角度を読み取る基線目
盛り110、111が設けてある。
【0068】図17は、この第2の構成になるサーベイ
ヤー装置の全体的な外観図であり、図18に示す角度微
調整設定機構100を組み合わせてある具体的な装置例
である。この具体的な装置例では、第1のX軸(X1
および第1のY軸(Y1 )の構成について異なる構成例
を示してある。この例において、X1 軸−Y1 軸形成手
段は、プレート台112に固定してある円弧状ガイド1
13を有する支柱部材114と、この円弧状ガイド11
3の部分に摺動可能に且つ固定可能に支持されているY
1 軸形成部材115と、該Y1 軸形成部材115の自由
端側に回動可能に且つ固定可能に支持されているX1
形成部材116とを含むものからなっていて、前記X1
軸形成部材116の自由端側にY−Z軸連結アーム部材
9が連結されている。前記Y−Z軸連結アーム部材9
は、前記軸形成部材116に対して図中、上下方向に移
動可能であって固定可能な連結手段117によって連結
してある。
【0069】以上の構成になる角度微調整設定機構10
0を備えたサーベイヤー装置では、Y1 、X1 、Z軸の
使用により鉤外形線と床外形参考線を描く機能と、Y2
軸、X2 軸、ユニバーサルジョイントによって、着脱方
向を設定する機能を分けることにより、これら2つの作
業が正確に実行できるようになった。その実行例を示
す。
【0070】鉤を設計する場合 図19Aの模型M(舌顎右6左67欠損、バー連結によ
る欠損部補綴の症例) 両側5が舌側傾斜のきつい(図19B)鉤歯にエーカス
鉤を設計したい場合。第2の構成装置の必要性について
説明する。まず、X1 、Y1 、Z、X2 、Y2 の全ての
角度設定が、0度であることを確認した後、模型Mを模
型台10にセットする。ユニバーサルジョイント機構1
2で、仮の着脱方向を設定する(図19B)。しかしこ
の着脱方向では、B部にはアンダーカットが存在せず、
左右の鉤歯に対するアンダーカットの捕えかたがアンバ
ランスである。そこで、着脱方向の設定をY軸をα度傾
斜させる(図19C)とA部とB部のアンダーカット量
を左右バランスのとれた、左右均等な維持力を有するエ
ーカス設計が可能となった。このY軸α度傾斜をユニバ
ーサルジョイント機構12で行うのではなく、Y2軸で
実行することにより、X軸に影響を与えることもなく確
実に実行することができるようになった。
【0071】床(バー)設計の場合 上記する症例において、バー設計を施す場合、図19D
に示すように着脱方向を一方向と考えている従来の設計
法では、アンダーカット領域に潜り込ました設計は不可
能であって、バーの設定位置はA部となる。この発明に
よる設計理論とサーベイヤー装置によってこのような症
例にあってそのバーの位置をB部に設定可能となった。
これは、この設計法での定義である「近遠心方向(X
軸)に傾斜せせて装着する義歯は、頬舌的(Y軸)に同
角度文アンダーカット領域に潜り込ますことができる」
にしたがって、実行することにある。
【0072】その実施例を示す。先の鉤設計と同じよう
に、まず、X1 、Y1 、Z、X2 、Y2 の全ての角度設
定が、0度であることを確認した後、模型Mを模型台1
0にセットする。ユニバーサルジョイント機構12で、
仮の着脱方向を設定する。頬舌的(Y軸)に何度潜り込
ましたらよいか測定し左右のアンダーカット領域が、均
等になるようにY2 軸にて調整を行うとともに、近遠心
(X軸)に何度の傾斜で着脱する場合の影響を考慮にい
れて、着脱角度を決定する必要がある。装着に支障のな
い着脱方向を、Y2 軸、X2 軸を使って、微調整を行な
った後、Y1 軸、X1 軸をそれぞれの設定角度で傾斜さ
して、バー外形線を描くための参考線を描く。これらの
線により、潜り込ます限界域を知り、バー外形線を描く
ことができる。
【0073】この症例では、15度のX軸方向での着脱
方向となり、Y軸方向にラインAとX軸方向によるライ
ンB、垂直方向のラインDを引き、これらのラインを参
考にバー外形線Cを手で描く。この設計法によりアンダ
ーカット領域にバーを潜り込ます設計が可能になるので
ある。
【0074】
【発明の効果】この発明になる義歯設計用サーベイヤー
装置は、X軸、Y軸、Z軸座標が読み取れるうえに、高
さも読み取れる装置なので、クラスプおよび床の設計に
対して、極めて有効に作用するものである。
【0075】この発明の義歯設計用サーベイヤー装置
は、簡略化された装置により構成されるものであり、極
めて簡単に且つ省力的な操作で、クラスプ並びに床を含
む義歯の設計が可能であり、従来の方法に認められる欠
点を可及的に解消し、義歯を均一性高く製作し得るよう
になした点において極めて有効に作用する。
【0076】さらに、この発明になる義歯設計用サーベ
イヤー装置は、歯形石膏模型MをX軸、Y軸およびZ軸
の3軸に関して操作することができ、且つ、それぞれ個
別にロックして角度設定し得るようになした点におい
て、歯形石膏模型Mを任意な傾斜角度にセットしたのち
にあっても各軸毎に個別に回転操作することができ、サ
ーベイングラインの印記作業の確実性並びに省力性に関
して極めて有効に作用するものといえる。
【0077】さらに、この発明になる義歯設計用サーベ
イヤー装置によれば、角度設定して描いたサーベイング
ラインにより、正確な着脱作用力と、維持力を得た鉤外
形指導線が得られるので、誰にでも均一な鉤設計が可能
となった。また、患者からの要望である、審美的、ある
いは把持力の強い鉤設計も可能となった。歯牙表面の微
妙な起伏に対応した設計法でもある。さらにまた、床の
設計においては、スムースな着脱を行うために、遊び領
域をもった第1ブロックアウト域の形状および鉤腕の干
渉に対応すべく第2ブロックアウト域の形成ができるこ
とで、本法鉤設計と相まって、今まで経験と勘でしか設
計し得なかった、回転あるいは多段階で着脱することの
できる義歯設計が、このサーベイヤー装置の各部の設定
角度によって描かれたサーベイングラインを参考にする
ことで、簡単に誰にでも設計可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明になる義歯設計用サーベイヤ
ー装置の具体的な実施例のものにあって、その全体的な
構成を示す概略的な側面図である。
【図2】図2は、図1中において、矢印F2の方向から
みた該サーベイヤー装置の概略的な側面図である。
【図3】図3は、図2中において、矢印F3の方向から
みた該サーベイヤー装置の概略的な側面図である。
【図4】図4は、該サーベイヤー装置におけるサーベイ
ヤー台の基本構成を容易に理解するべく示した概略的な
斜視図である。
【図5】図5は、該サーベイヤー装置におけるサーベイ
ヤー台を分解して、内部構造の詳細を示す概略的な斜視
図である。
【図6】図6は、該サーベイヤー装置において、サーベ
イングラインを印記するためのサーベイングライン印記
手段の具体的な構成例を示す概略的な斜視図である。
【図7】図7は、歯形石膏模型の一例において、模型の
設計回転軸の態様を示す概略的な平面図である。
【図8】図8Aは、歯形に対しサーベイヤー線(最大豊
隆線)と鉤外形指導線の描画位置を示す概略的な頬側面
図であり、図8Bは、概略的な隣接面図である。
【図9】図9は、両側Iバークラスプの金属床義歯を設
計する具体的な実施例を示すものであって、図9Aは、
両側Iバークラスプの金属床義歯の概略的な平面図であ
り、図9Bは、義歯の主要部を拡大して示す概略的な側
面図である。
【図10】図10は、義歯構造体71に関して、金属フ
レーム72の内部の形状を説明するべくあらわしたもの
であり、図10Aは、当該金属フレーム72の概略的な
平面図であり、図10Bは、その主要部を拡大して示す
概略的な側面図である。
【図11】図11は、接触点85(79)が、最大豊隆
線80からどれだけの深さで入り込んでいるかを求める
手順について説明するものであって、図11Aは、設計
するときのX、Y、Zの模型の設定位置を示す概略的な
平面図であり、図11Bは、接触点85(79)の求め
方を示す概略的な側面図である。
【図12】図12は、義歯装着の途中の状態を示すもの
であって、図12Aは、金属フレームの概略的な平面図
であり、図12Bは、金属フレームの主要部を拡大して
示す概略的な側面図である。
【図13】図13A〜Eは、義歯の着脱作用方法とブロ
ックアウト域形成の手順について説明するための説明図
である。
【図14】図14A〜Cは、中間義歯を、遠心方向から
15度の傾斜で着脱する義歯を設計しようとする場合の
説明図である。
【図15】図15Aは、歯形石膏模型の一例を示す概略
的な斜視図であり、図15Bは、線クラスプの一例を示
す概略的な平面図であり、図15Cは、線クラスプを歯
形石膏模型(仮想線で示す)にセットした状態を示す概
略的な側面図である。
【図16】図16は、第1の構成になるサーベイヤー装
置と第2の構成になるサーベイヤー装置とを比較したそ
れぞれの構成の原理を説明するための概略的な原理図で
あり、図16Aは、第1の構成になるサーベイヤー装置
の原理図であって、Y軸−X軸−Z軸−ユニバーサルジ
ョイント機構−歯形石膏模型セッティング手段によって
組み合わせた構成を図示するものであり、図16Bは、
第2の構成になるサーベイヤー装置の原理図であって、
1 軸−X1 軸−Z軸−Y2 軸−X2 軸−ユニバーサル
ジョイント機構−歯形石膏模型セッティング手段によっ
て組み合わせた構成を図示するものである。
【図17】図17は、第2の構成になるサーベイヤー装
置の具体的装置例を示す概略的な側面図である。
【図18】図18は、第2の構成になるサーベイヤー装
置におけるサーベイヤー台を分解して、内部構造の詳細
を示す概略的な斜視図である。
【図19】図19Aないしは図19Fは、右6、左67
欠損の症例になる模型例において舌側傾斜がきつい症例
についてその作業態様を示す概略的な説明図である。
【符号の説明】
1 サーベイヤー装置 2 サーベイヤー台 3 サーベイングライン印記手段 4 基台 5 支柱部材 6 回転軸 PA-1 X軸方向にのびる第1の枢支軸 PA-2 Y軸方向にのびる第2の枢支軸 PA-3 Z軸方向にのびる第3の枢支軸 8 X−Y軸連結アーム部材 9 Y−Z軸連結アーム部材 10 歯形石膏模型セッティング手段 11 Z軸整合機構 12 ユニバーサルジョイント機構 13 軸孔 14 軸部 15 Z軸回転目盛ディスク 19 連結用スペーサー部材 20 X(Y)軸方向長孔付きディスク 21 Z軸点固定用ハンドル 23 Y(X)軸方向長孔付きディスク 26 貫通ボルト 31 歯形石膏模型セッティングプレート 32 一対のピンによるセッティング支持部材 33 可動セッティング支持部材 35 ピン可動用ネジ 36 第1の角度調節設定機構 37 第2の角度調節設定機構 44 ポール部材 45 印記芯体作動機構 46 X軸方向ガイドレール 47 X−Yクロスガイドホルダー 48 Y軸方向ガイドレール 51、52 ロック手段 57 印記芯体 58 エンピツ芯 59 高さ設定目盛 100 角度微調整設定機構 FT 補綴すべき歯牙 RF レジン床 ST 鉤歯 C クラスプ AP 湾曲状アーム部分 LP 脚部分
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−47089(JP,A) 特開 平6−292694(JP,A) 特開 昭63−161954(JP,A) 特開 昭55−19197(JP,A) 特開 平8−196555(JP,A) 特開 平6−262556(JP,A) 特開 昭62−262123(JP,A) 特開 平4−319090(JP,A) 特開 昭59−209796(JP,A) 実開 平4−11012(JP,U) 実開 昭54−159798(JP,U) 実開 昭62−108912(JP,U) 実公 昭46−7833(JP,Y1) 特公66092(大正14年)(JP,B1 T) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61C 19/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯形石膏模型をセッティングするサーベ
    イヤー台と、前記歯形石膏模型に対して床および鉤のた
    めのサーベイングラインを印記するためのサーベイング
    ライン印記手段とを含み、 前記サーベイヤー台が、基台と、 前記基台上に平行にのびる第1の枢支軸、前記第1の枢
    支軸に直交する第2の枢支軸、前記第1及び第2の枢支
    軸の水平状態における交点位置に垂直方向に向けてのび
    る第3の枢支軸を介し、前記各軸のまわりにそれぞれ個
    別に運動可能に且つ固定可能に連結されている歯形石膏
    模型セッティング手段と、 前記歯形石膏模型セッティング手段を前記第1の枢支軸
    のまわりに回動させ、所望の傾斜角度に角度設定可能に
    なした第1の角度調節設定機構と、 前記歯形石膏模型セッティング手段を前記第2の枢支軸
    のまわりに回動させ、所望の傾斜角度に角度設定可能に
    なした第2の角度調節設定機構と、 前記歯形石膏模型セッティング手段を前記第3の枢支軸
    のまわりに回動させ、所望の回転角度に角度設定可能に
    なした第3の角度調節設定機構と、 前記歯形石膏模型セッティング手段と前記第3の枢支軸
    との間にあって、前記歯形石膏模型セッティング手段に
    セットされる作業模型の作業原点を前記第3の枢支軸の
    軸芯に整合させるZ軸軸芯整合機構、及び、前記作業模
    型の基準面を水平面に対して任意の角度に設定可能なユ
    ニバーサルジョイント機構とを備え、 前記サーベイングライン印記手段が、鉛直線に沿っての
    びる少なくとも一本の印記芯体を含み、前記印記芯体を
    X軸方向並びにY軸方向に分離して移動させ、それぞれ
    個別にロック可能な印記芯体作動機構によって支持して
    なることを特徴とする義歯設計用サーベイヤー装置。
  2. 【請求項2】 前記歯形石膏模型セッティング手段が、
    歯形石膏模型を固定支持する歯形石膏模型セッティング
    プレートを含み、前記歯形石膏模型セッティングプレー
    ト上に歯形石膏模型を固定支持する手段が、歯形石膏模
    型の一方の側を支持する一対の固定ピンと、他方の側を
    支持する可動部材とからなり、前記一対の固定ピンが、
    前記歯形石膏模型セッティングプレートに設けてある複
    数のピン挿入孔に選択的に挿入設置可能であることを特
    徴とする請求項1に記載の義歯設計用サーベイヤー装
    置。
  3. 【請求項3】 前記サーベイングライン印記手段が、鉛
    直線に沿ってのびる少なくとも一本の印記芯体を含み、
    前記印記芯体をX軸方向並びにY軸方向に分離して移動
    させ、それぞれ個別にロック可能な印記芯体作動機構
    と、所望のポールに回転可能なアーム部材を介して鉛直
    線に沿ってのびるように取付けられる少なくとも一本の
    印記芯体を含むものからなることを特徴とする請求項1
    あるいは請求項2に記載の義歯設計用サーベイヤー装
    置。
  4. 【請求項4】 前記サーベイングライン印記手段が、前
    記印記芯体作動機構あるいは前記アーム部材の自由端側
    に設けたホルダー部材と、前記ホルダー部材に取り付け
    られるシリンダー部材と、前記シリンダー部材を介して
    着脱自在に支持される印記芯体と、前記印記芯体を高さ
    方向に高さ設定する高さ調節機構とを含むものからな
    り、前記シリンダー部材に対して前記印記芯体を印記作
    業位置と非作業位置に固定可能になしたことを特徴とす
    る請求項1〜請求項3のいずれかに記載の義歯設計用サ
    ーベイヤー装置。
  5. 【請求項5】 歯形石膏模型をセッティングするサーベ
    イヤー台と、前記歯形石膏模型に対して床および鉤のた
    めのサーベイングラインを印記するためのサーベイング
    ライン印記手段とを含み、 前記サーベイヤー台が、基台と、 前記基台上に平行にのびる第1の枢支軸、前記第1の枢
    支軸に直交する第2の枢支軸、前記第1及び第2の枢支
    軸の水平状態における交点位置に垂直方向に向けてのび
    る第3の枢支軸を介し、前記各軸のまわりにそれぞれ個
    別に運動可能に且つ固定可能に連結されている歯形石膏
    模型セッティング手段と、 前記歯形石膏模型セッティング手段を前記第1の枢支軸
    のまわりに回動させ、所望の傾斜角度に角度設定可能に
    なした第1の角度調節設定機構と、 前記歯形石膏模型セッティング手段を前記第2の枢支軸
    のまわりに回動させ、所望の傾斜角度に角度設定可能に
    なした第2の角度調節設定機構と、 前記歯形石膏模型セッティング手段を前記第3の枢支軸
    のまわりに回動させ、所望の回転角度に角度設定可能に
    なした第3の角度調節設定機構と、 前記歯形石膏模型セッティング手段と前記第3の枢支軸
    との間にあって、前記歯形石膏模型セッティング手段に
    セットされる作業模型の作業原点を前記第3の枢支軸の
    軸芯に整合させるZ軸軸芯整合機構、及び、前記作業模
    型の基準面を水平面に対して任意の角度に設定可能なユ
    ニバーサルジョイント機構とを備え、 前記Z軸軸芯整合機構と前記ユニバーサルジョイント機
    構との間に前記第1の枢支軸および第2の枢支軸に対し
    てそれぞれ別個の枢支軸を備えた角度微調整設定手段を
    設けてなり、 前記サーベイングライン印記手段が、鉛直線に沿っての
    びる少なくとも一本の印記芯体を含み、前記印記芯体を
    X軸方向並びにY軸方向に分離して移動させ、それぞれ
    個別にロック可能な印記芯体作動機構によって支持して
    なることを特徴とする義歯設計用サーベイヤー装置。
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