JP3373868B2 - 発想支援方法およびその装置 - Google Patents
発想支援方法およびその装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発散的な思考を行なわ
せ創造的なアイデアを生み出すように支援する発想支援
方法およびその装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】創造的発想を行なう経験的な発想技法と
して、従来より、(i)発散的な思考を用いて、創造的
なアイデアを生み出す発散思考技法と、(ii)発散思考
で出したアイデアを実現可能な問題解決策としてまとめ
上げる集束思考技法と、(iii)心を安静にすることに
より精神統一をはかり、創造の心構えをつくるなど、創
造的態度を身につけるための思考態度技法とがある。こ
れらの経験的な発想技法を機械的に支援する発想支援方
法がそれぞれ考えられる。 【0003】上記(i)の発散思考技法の具体例として
はNM法がある。このNM法においては、発散的な思考
により創造的なアイデアを生み出すために、(a)問題
の本質を表す言葉である問題キーワードを設定すること
と、(b)前記問題キーワードに関連する、用語や出来
事や情景などの情報を集めることと、(c)集められた
情報と解決すべき問題との間でアナロジーをとることと
が必要であると述べられている。 【0004】この発想思考技法に基づいて問題解決を図
ろうとする場合、思考者は問題キーワードを思い浮か
べ、自らの記憶の中や書籍などから前記問題キーワード
に関連する情報を集め、集められた情報の中にある概念
間の関係を導き出し、それらの関係を着想の糸口として
アイデアを生成していた。または、情報検索システムを
用いて前記問題キーワードに関連する情報を機械的に検
索し、自らの思考能力を用いて検索された情報の中にあ
る概念間の関係を導き出し、それらの関係を着想の糸口
としてアイデアを生成する程度であり、高度な機械的支
援を受けることはなかった。 【0005】機械的に相当進歩した発想支援方法やその
装置としては、上記(ii)の集束思考技法に基づく発想
支援方法やその装置がほとんどであって、例えばKJエ
ディタと呼ばれ、集束思考技法の一つであるKJ法のラ
ベル作り、グループ編成、図解化および叙述化の過程を
不自由なく行なうことを目的とした図的エディタがあ
る。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来技
術として、発散思考技法の機械的で一貫的な支援方法や
その装置はなく、思考者が発想の糸口を求める過程にお
いて情報検索システムを利用する程度であった。また、
NM法に基づくものにあっては、問題の本質を表す言葉
の選定にあたっては、動詞や形容詞の方が異質性が高め
られるので良いとされるが、一般的に情報検索システム
で許される検索キーワードは名詞であり、動詞や形容詞
での検索はできなかった。また、一般的に、問題キーワ
ードとして分野限定的な語句を選ぶと、異質性の高いア
ナロジーを得ることができない。しかし、逆に、単純な
言葉を問題キーワードとして選んだ場合には、情報検索
システムによって膨大な量の関連項目が検索されてしま
い、思考者がそれらと解決すべき問題とのアナロジーを
取る作業は困難である。 【0007】本発明は上記問題点に鑑み、上記(i)の
技法、すなわち、ユーザーが問題解決時において仮説生
成する際に、ユーザーに発散的な思考を行なわせ創造的
なアイデアを生み出させるように支援する発想支援方法
およびその装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本願では下記に示す発想
支援装置により、上記課題を解決する。 【0009】本発明の発想支援装置は、解決すべき問題
をテキストとして記述した問題記述テキストおよび問題
の解決に最も役立つと看做されて与えられた検索子が入
力されるテキスト入力装置と、発想を行なうための糸口
となる知識を含んだフルテキストを格納している情報デ
ータベースと、情報データベースが格納したフルテキス
トの中から、テキスト入力装置が入力した検索子に適合
する文を含むフルテキストを抽出する情報データベース
検索装置と、テキスト入力装置が入力した問題記述テキ
ストおよび情報データベース検索装置が抽出したフルテ
キストを形態素解析する形態素解析装置と、形態素解析
装置が解析した結果を文節係り受け解析して文節係り受
け構造を抽出する文節係り受け解析装置と、文節係り受
け解析装置が抽出したフルテキストの部分文節係り受け
構造と問題記述テキストの部分文節係り受け構造との類
似性マッチングにより対応する語句や関係および類推さ
れる関係を抽出する文節係り受け構造マッチング装置
と、文節係り受け構造マッチング装置が抽出した内容を
表示する対応箇所表示装置とを有する。 【0010】 【作用】形態素解析装置が問題記述テキストと検索子に
基づいて情報データベースから抽出されたフルテキスト
とを形態素解析し、これらの文節係り受け構造を文節係
り受け解析装置が抽出する。文節係り受け解析装置が抽
出したフルテキストの部分文節係り受け構造と問題記述
テキストの部分文節係り受け構造とを文節係り受け構造
マッチング装置が比較し、類似性マッチングにより対応
する語句や関係および類推される関係を抽出し、抽出し
た内容を表示装置が表示する。表示された内容は問題記
述テキストに解答を与える事項を数多く含んでいる。 【0011】 【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の発想支援装置の一実施例を
示すブロック図、図2は図1の実施例の処理動作を示す
フローチャートである。 【0012】テキスト入力装置1(以降、入力装置1と
略記する)は、問題記述テキストおよび検索子を入力
し、問題記述テキストを形態素解析装置4に、検索子を
情報データベース検索装置2(以降、検索装置2と略記
する)にそれぞれ引き渡す。この場合、問題記述テキス
トは解決すべき問題が簡潔に表現されたテキストであ
り、検索子はアイデア発想に役立ちそうな情報を得るた
めにユーザーによって問題記述テキストの中から選択さ
れ、正規表現されている辞書項目である。もちろん検索
子は問題記述テキストの中から選択しなければならない
理由はなく、目的に叶う範囲でどのように選択しても構
わない。 【0013】検索装置2は、テキスト入力装置1から渡
された検索子をキーとして、情報データベース3(以
降、データベース3と略記する)を検索する。この検索
においては、データベース3に設けられたインデックス
部31を参照し、検索子に対応する情報項目を引き出
す。引き出された各情報項目をキーに、さらにデータベ
ース3を検索し、各情報項目に対応する「見出し」を有
するデータベース・テキストを引き出す(なお、詳しく
は後述するが、各データベース・テキストの見出しおよ
びデータベース・テキストが内容中に有する情報項目が
関連付けられてインデックス部31にまとめられてい
る)。また、検索装置2は、同義語辞書21および関連
語辞書22を参照して、渡された各検索子に対する同義
語および関連語を抽出するとともに、渡された検索子に
含められた各検索子間の関係(例えば、係り受け関係)
を、抽出された同義語および関連語間に適用し、検索用
文字列を形成する。次に、形成された検索用文字列が、
各情報項目に対応して引き出されたデータベース・テキ
ストに存在するか否かを調べ、検索用文字列が存在する
データベース・テキストのみ有効として形態素解析装置
4に引き渡す。 【0014】形態素解析装置4は、形態素解析辞書41
を参照して、問題記述テキストおよびデータベース・テ
キストを形態素解析し、各テキストに含まれる文の区切
りの決定、各文に含まれる文節の区切りの決定、各文節
に含まれる活用語単語と付属語単語の同定および単語の
品詞の同定並びに活用語単語の活用形の同定と終止形の
導出を行なう。 【0015】文節係り受け解析装置5(以降、文節解析
装置5と記す)は、形態素解析装置4の形態素解析結果
を入力し、係り受け規則51を参照して、入力した形態
素解析結果について文節係り受け解析を行い、問題記述
テキストおよびデータベース・テキストの各文における
文節間の係り受け関係を同定する。 【0016】文節係り受け構造マッチング装置6(以
降、マッチング装置6と記す)は、形態素解析装置4で
得られた問題記述テキストから抽出された文節係り受け
構造と、データベース・テキストから抽出された文節係
り受け構造とを、構造マッチングし、対応する語句や関
係および類推される関係を抽出する対応箇所表示装置7
は、マッチング装置6によって抽出された語句や関係お
よび類推される関係を表示器に表示する。 【0017】次に図1の実施例の処理動作について図2
ないし図11を参照して説明する。例えばユーザーが解
決すべき問題として、「陰イオンを多く含んだ空気は健
康に良い。そこで、空気中に多くの陰イオンを発生させ
るイオン発生器を作るにはどのようにすればよいか。」
が与えられたとする。この時に例えば、ユーザーは、こ
の問題を「イオン発生器は空気をイオン化し、多くの陰
イオンを発生する。」という問題記述テキストで表し
て、テキスト入力装置1に入力する(ステップS1)。 【0018】テキスト入力装置1は与えられた問題記述
テキストを形態素解析装置4に引き渡し、形態素解析装
置4は問題記述テキストを形態素解析する(ステップS
2)。この形態素解析の内容が図10に示されている。 【0019】形態素解析された問題記述テキストは、文
節解析装置5により、係り受け規則41に基づいて図1
1に示されるように、文節係り受け構造が同定される
(ステップS3)。この構造は文節解析装置5内で、下
記に示すようなリスト構造として記憶されており、これ
を文節係り受け構造Aと呼ぶ。なお、このリスト構造中
において連用並列や主題などの記載は係り受け種別を表
している。 一方、提起された問題の解決に役立ちそうな情報を得る
ための検索子として問題記述テキストの中から「{イオ
ン}-<発生する>」が選択されテキスト入力装置1に
入力される(ステップS4)。この検索子における”
{ }”,”〈〉”が指示する内容については、一例が
図5に示され、また、”-”が指示する内容について
は、一例が図6に示されている。 【0020】検索装置2は、{イオン}の情報項目であ
るイオンをキーにしてインデックス部31を検索し、図
4で示されるような情報項目「トランジスタ」,「避雷
針」,「コロナ」を引き出す。次に、これらの情報項目
「イオン」,「トランジスタ」,「避雷針」,「コロ
ナ」を見出しとするデータベース・テキストを引き出
す。 【0021】ここでインデックス部31の保持する内容
について説明する。インデックス部31は、データベー
ス・テキストを高速に検索するために設けられたもので
あって、あらかじめ全ての情報項目の見出しと本文とを
形態素解析して、名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞
などの自立語を抽出し、それらの終止形などの標準形か
ら前記の見出しを逆引きするためのインデックス・デー
タとしての情報項目リストを具備している。 【0022】例えば、情報項目「避雷針」の説明文は図
3に示すように、「高い建造物を落雷の被害から守るた
め、屋上などに先のとがった金属製の棒を立て、導線で
地下埋設の金属板に接続し、雷の電流を地中に放電する
装置。雷雲の下側には負の電荷が多量に溜り、地表に強
い正電荷を発生させる。このとき、電場が非常に強いた
めに、空気中にイオンと自由電子ができ、空気は導体と
なって猛烈な電流が流れる。この現象が雷である。避雷
針は雷が落ちるのを防ぐ働きをする。雷雲ができると、
避雷針の先端に強い正電荷が生じ、近くの空気をイオン
化する。陰イオンは避雷針に引きつけられて電子を奪わ
れ、陽イオンは上へ昇って雷雲の中の負電荷を減らす。
また、雷はイオンの通り道をたどる傾向があるので、落
ちる時には避雷針に落ちる。」となっている。 【0023】この説明文を形態素解析し、「避雷針,高
い,建造物,落雷,被害,守る,屋上,先,とがる,金
属製,棒,立てる,導線,地下埋設,金属板,接続,
雷,電流,地中,放電,装置,雷雲,下側,負,電荷,
多量,溜る,地表,強い,正電荷,発生,電場,非常,
強い,空気中,イオン,自由電子,できる,空気,導
体,猛烈,電流,流れる,現象,落ちる,防ぐ,働き,
先端,生ずる,近く,空気,イオン化,陰イオン,引き
つける,電子,奪う,陽イオン,上,昇る,負電荷,減
る,通り道,たどる,傾向」などをインデックス・デー
タである情報項目として抽出する。このようにして、図
4のインデックス部31のデータは形成されたわけであ
るから、例えば、検索子「イオン」が与えられたときに
は、その検索子は、インデックス・データの一項目であ
る語句「イオン」とマッチし、マッチした語句に属する
情報項目として「トランジスタ」、「避雷針」、「コロ
ナ」を検索することができる。 【0024】さらに、検索装置2は、検索子「{イオ
ン}-<発生する>」に関し図7,図8に示すように検
索を展開する(ステップS5)。ここでステップS5に
ついて、ステップ5を詳細に示す図7,図8のフローチ
ャートを参照して説明する。検索装置2は、検索子を展
開するに際し、係り受け形式検索子フラグ(以降、検索
子フラグと記す)をオフにする(ステップS501)。
次に、与えられた検索子に、まだ関連語の求められてい
ない〈文字列〉形式の文字列が含まれているかどうか判
断する(ステップS502)。関連語の求められていな
い〈文字列〉形式の文字列が含まれている場合には、関
連語辞書21を用いて、例えば「イオン」の関連語「電
荷」を求め(ステップS507)、ステップS502に
戻る。 【0025】ステップS502において、関連語の求め
られていない〈文字列〉形式の文字列がない場合には、
検索子中に同義語が求められていない{文字列}形式の
文字列が含まれているかどうか判断する(ステップS5
03)。{文字列}形式の文字列が含まれている場合に
は、同義語辞書22を用いて、例えば「発生する」の同
義語を求める。求めた結果により、たとえば、与えられ
た検索子を「(イオン|電荷)-(発生する|生ずる|
起こる|生起する)」と展開する(ステップS50
8)。この展開検索子は、係り文節部に文字列「イオ
ン」または「電荷」をもち、受け文節部に「発生す
る」、「生ずる」、「起こる」、「生起する」のいずれ
かの動詞の活用を表す文字列をもつ文節とマッチするこ
とを意味する。 【0026】ステップS503において同義語が求めら
れていない{文字列}形式の文字列が含まれていないと
判断された場合は、検索子はR1-R2 形式またはR1-R
2-K形式 であるかどうか判断する(ステップS50
4)。本実施例の場合、検索子は、R1-R2 形式である
ので、「(イオン|電荷)&(発生する|生ずる|起こ
る|生起する)」と展開し、先にオフした検索子フラグ
をオンにし、データベース・テキストを検索する(ステ
ップS509)。この展開検索子は、文字列「イオン」
または「電荷」をもつ文字列の後ろに、「発生する」、
「生ずる」、「起こる」、「生起する」のいずれかの動
詞のいずれかの活用を表す文字列をもつデータベース・
テキストとマッチすることを意味する。すなわち、2つ
の文字列は同一文中になくてもよく、このように展開さ
れた検索子とマッチする文字列を本文テキストにもつデ
ータベース・テキストが検索されることとなる。 【0027】ステップS504の処理が終了すると、展
開検索子が単純文字列かどうか判断する(ステップS5
05)。単純文字列であればインデックス・データ項目
として検索子の文字列を持つ情報項目を取得する(ステ
ップS510)。ステップS75で単純文字列でないと
判断された場合は、展開検索子が正規表現かどうか判断
する(ステップS506)。正規表現であれば、インデ
ックス・データ項目をサーチし、マッチする情報項目を
取得する(ステップS511)。ステップS506で正
規表現でなければ、不正検索子検出とする。 【0028】ステップS510またはステップS511
の処理が終了すると、検索子フラグは、オンにされてい
るか判断する(ステップS512)。検索子フラグがオ
ンにされている場合は、検索された各データベース・テ
キストの本文を形態素解析および文節係り受け解析し、
展開される以前の「(イオン|電荷)-(発生する|生
ずる|起こる|生起する)」の係り受け関係を満足する
文を本文に含むデータベース・テキストのみを有効な検
索結果として残し、他は削除する(ステップS51
3)。例えば図9のように示される。図9においては、
図3で示される情報項目「避雷針」が見出しとなってい
る説明文に含まれる文「雷雲ができると、避雷針の先端
に強い正電荷が生じ、近くの空気をイオン化する。」の
文節係り受け構造が示され、係り文節から受け文節への
係り受けが矢印で表されている。ここで、文節「正電荷
が」は、文節「生ずる」に係っているので、前記検索子
は、この文の文字列とマッチし、ステップS5の情報デ
ータベース検索においては、有効な出力の一部として情
報項目「避雷針」が見出しとなっているデータベース・
テキストの全文が出力される。 【0029】これら一連のステップが終了すると、有効
なものとして残されたデータベース・テキストは形態素
解析装置4に引き渡され、各データベース・テキストの
全文に関し形態素解析される(ステップS6)。形態素
解析されたデータベース・テキストは文節解析装置5に
より文節係り受け構造が同定される(ステップS7)。 【0030】ここで、情報項目「避雷針」が見出しの説
明文に含まれる文「雷雲ができると、避雷針の先端に強
い正電荷が生じ、近くの空気をイオン化する。」から、
下記のようなリスト構造で示される文節係り受け構造が
抽出される。これを文節係り受け構造Bと呼ぶ(この構
造は、図9で示される文節係り受け構造である)。 次に、文節係り受け構造Aと文節係り受け構造Bのマッ
チングがとられる(ステップS8)。すなわち、解決す
べき問題と集められた情報との間でアナロジーをとる。
ここでいうアナロジーとは、既知の知識領域から対象と
なる問題領域への知識の写像であり、既知知識領域で成
り立つ関係の体系がターゲットでも成り立つことを意味
する。Gentnerの構造写像理論(Dedre Gentner,”Str
uctureーmapping: A theoretical framework for
analogy” CognitiveScience,Vol.7,pp.155〜17
0,1983)は、アナロジーの写像規則を定式化し、純粋
にシンタクティックなメカニズムでアナロジーを扱うこ
とを可能にした。この理論を用いると文節係り受け構造
Aと文節係り受け構造Bとの類推的マッチングがとれ、
対応語句・対応関係・類推的推定関係を抽出することが
できる。 【0031】まず、各文節係り受け構造から動詞を含む
文に注目し、関係とその体系を抽出する。例えば、文節
係り受け構造Aからは、関係A1「イオン発生器は(主
題)、空気を(ヲ格)、イオン化する。」などが、文節
係り受け構造Bからは、関係B1「避雷針は(主題)、
空気を(ヲ格)、イオン化する」、関係B2「避雷針は
(主題)、先端に(ニ格)、正電荷を(ヲ格)、生ず
る。」などとさらにそれらの関係の間の高次の関係B3
「B2(連用並列)、B1」が抽出できる。関係B3
は、「避雷針は、先端に正電荷を生じ、空気をイオン化
する。」を意味する。 【0032】次にこれらの関係を構造写像理論を用いて
マッチングすると、対応語句「イオン発生器」と「避雷
針」、対応関係「避雷針は(主題)、空気を(ヲ格)、
イオン化する。」と「イオン発生器は(主題)、空気を
(ヲ格)、イオン化する。」、さらに構造Aには存在し
なかったが、構造Bからのアナロジーとして推定される
類推的推定関係「イオン発生器は、先端に正電荷を生
じ、空気をイオン化する。」を得ることができる。ステ
ップS8で検出された対応語句・対応関係・類推的推定
関係が対応箇所表示装置7に表示される。 【0033】以上の処理によりユーザーは解決すべき問
題「陰イオンを多く含んだ空気は健康に良い。そこで、
空気中に多くの陰イオンを発生させるイオン発生器を作
るにはどのようにすればよいか。」に対して、問題記述
テキスト「イオン発生器は空気をイオン化し、多くの陰
イオンを発生する。」と、検索子「{イオン}-<発生
する>」」を入力することにより、「イオン発生器」と
「避雷針」、「陰イオン」と「正電荷」、説明文の中の
記述「避雷針の先端に」、「先のとがった」、「金属製
の棒」、「強い電場」から動作原理「針に強い負の電荷
を供給すると、針の先に強い電場が生じ、それが近くの
空気をイオン化する。正イオンは針に引きつけられて、
そこで電子を奪われ、陰イオンはあたりに広がってい
く。」をもつイオン発生器をを示唆され、新しいアイデ
アに到達することが機械的に支援されることとなる。 【0034】 【発明の効果】以上述べたように、本発明は、発散思考
技法の機械的で総合的な支援方法とその装置を与える。
本発明によると、名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞
のいずれかの品詞をもつ語句や、多様な検索マッチング
を行なえる検索子をユーザーから入力し、前記キーワー
ドに関連する、用語や出来事や情景などの情報を網羅的
に集め、集められた情報と解決すべき問題との間でアナ
ロジーをとることによって、思考者であるユーザーの発
散思考における発想の効率・網羅性・異質性を高めるこ
とができる。
せ創造的なアイデアを生み出すように支援する発想支援
方法およびその装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】創造的発想を行なう経験的な発想技法と
して、従来より、(i)発散的な思考を用いて、創造的
なアイデアを生み出す発散思考技法と、(ii)発散思考
で出したアイデアを実現可能な問題解決策としてまとめ
上げる集束思考技法と、(iii)心を安静にすることに
より精神統一をはかり、創造の心構えをつくるなど、創
造的態度を身につけるための思考態度技法とがある。こ
れらの経験的な発想技法を機械的に支援する発想支援方
法がそれぞれ考えられる。 【0003】上記(i)の発散思考技法の具体例として
はNM法がある。このNM法においては、発散的な思考
により創造的なアイデアを生み出すために、(a)問題
の本質を表す言葉である問題キーワードを設定すること
と、(b)前記問題キーワードに関連する、用語や出来
事や情景などの情報を集めることと、(c)集められた
情報と解決すべき問題との間でアナロジーをとることと
が必要であると述べられている。 【0004】この発想思考技法に基づいて問題解決を図
ろうとする場合、思考者は問題キーワードを思い浮か
べ、自らの記憶の中や書籍などから前記問題キーワード
に関連する情報を集め、集められた情報の中にある概念
間の関係を導き出し、それらの関係を着想の糸口として
アイデアを生成していた。または、情報検索システムを
用いて前記問題キーワードに関連する情報を機械的に検
索し、自らの思考能力を用いて検索された情報の中にあ
る概念間の関係を導き出し、それらの関係を着想の糸口
としてアイデアを生成する程度であり、高度な機械的支
援を受けることはなかった。 【0005】機械的に相当進歩した発想支援方法やその
装置としては、上記(ii)の集束思考技法に基づく発想
支援方法やその装置がほとんどであって、例えばKJエ
ディタと呼ばれ、集束思考技法の一つであるKJ法のラ
ベル作り、グループ編成、図解化および叙述化の過程を
不自由なく行なうことを目的とした図的エディタがあ
る。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来技
術として、発散思考技法の機械的で一貫的な支援方法や
その装置はなく、思考者が発想の糸口を求める過程にお
いて情報検索システムを利用する程度であった。また、
NM法に基づくものにあっては、問題の本質を表す言葉
の選定にあたっては、動詞や形容詞の方が異質性が高め
られるので良いとされるが、一般的に情報検索システム
で許される検索キーワードは名詞であり、動詞や形容詞
での検索はできなかった。また、一般的に、問題キーワ
ードとして分野限定的な語句を選ぶと、異質性の高いア
ナロジーを得ることができない。しかし、逆に、単純な
言葉を問題キーワードとして選んだ場合には、情報検索
システムによって膨大な量の関連項目が検索されてしま
い、思考者がそれらと解決すべき問題とのアナロジーを
取る作業は困難である。 【0007】本発明は上記問題点に鑑み、上記(i)の
技法、すなわち、ユーザーが問題解決時において仮説生
成する際に、ユーザーに発散的な思考を行なわせ創造的
なアイデアを生み出させるように支援する発想支援方法
およびその装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本願では下記に示す発想
支援装置により、上記課題を解決する。 【0009】本発明の発想支援装置は、解決すべき問題
をテキストとして記述した問題記述テキストおよび問題
の解決に最も役立つと看做されて与えられた検索子が入
力されるテキスト入力装置と、発想を行なうための糸口
となる知識を含んだフルテキストを格納している情報デ
ータベースと、情報データベースが格納したフルテキス
トの中から、テキスト入力装置が入力した検索子に適合
する文を含むフルテキストを抽出する情報データベース
検索装置と、テキスト入力装置が入力した問題記述テキ
ストおよび情報データベース検索装置が抽出したフルテ
キストを形態素解析する形態素解析装置と、形態素解析
装置が解析した結果を文節係り受け解析して文節係り受
け構造を抽出する文節係り受け解析装置と、文節係り受
け解析装置が抽出したフルテキストの部分文節係り受け
構造と問題記述テキストの部分文節係り受け構造との類
似性マッチングにより対応する語句や関係および類推さ
れる関係を抽出する文節係り受け構造マッチング装置
と、文節係り受け構造マッチング装置が抽出した内容を
表示する対応箇所表示装置とを有する。 【0010】 【作用】形態素解析装置が問題記述テキストと検索子に
基づいて情報データベースから抽出されたフルテキスト
とを形態素解析し、これらの文節係り受け構造を文節係
り受け解析装置が抽出する。文節係り受け解析装置が抽
出したフルテキストの部分文節係り受け構造と問題記述
テキストの部分文節係り受け構造とを文節係り受け構造
マッチング装置が比較し、類似性マッチングにより対応
する語句や関係および類推される関係を抽出し、抽出し
た内容を表示装置が表示する。表示された内容は問題記
述テキストに解答を与える事項を数多く含んでいる。 【0011】 【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の発想支援装置の一実施例を
示すブロック図、図2は図1の実施例の処理動作を示す
フローチャートである。 【0012】テキスト入力装置1(以降、入力装置1と
略記する)は、問題記述テキストおよび検索子を入力
し、問題記述テキストを形態素解析装置4に、検索子を
情報データベース検索装置2(以降、検索装置2と略記
する)にそれぞれ引き渡す。この場合、問題記述テキス
トは解決すべき問題が簡潔に表現されたテキストであ
り、検索子はアイデア発想に役立ちそうな情報を得るた
めにユーザーによって問題記述テキストの中から選択さ
れ、正規表現されている辞書項目である。もちろん検索
子は問題記述テキストの中から選択しなければならない
理由はなく、目的に叶う範囲でどのように選択しても構
わない。 【0013】検索装置2は、テキスト入力装置1から渡
された検索子をキーとして、情報データベース3(以
降、データベース3と略記する)を検索する。この検索
においては、データベース3に設けられたインデックス
部31を参照し、検索子に対応する情報項目を引き出
す。引き出された各情報項目をキーに、さらにデータベ
ース3を検索し、各情報項目に対応する「見出し」を有
するデータベース・テキストを引き出す(なお、詳しく
は後述するが、各データベース・テキストの見出しおよ
びデータベース・テキストが内容中に有する情報項目が
関連付けられてインデックス部31にまとめられてい
る)。また、検索装置2は、同義語辞書21および関連
語辞書22を参照して、渡された各検索子に対する同義
語および関連語を抽出するとともに、渡された検索子に
含められた各検索子間の関係(例えば、係り受け関係)
を、抽出された同義語および関連語間に適用し、検索用
文字列を形成する。次に、形成された検索用文字列が、
各情報項目に対応して引き出されたデータベース・テキ
ストに存在するか否かを調べ、検索用文字列が存在する
データベース・テキストのみ有効として形態素解析装置
4に引き渡す。 【0014】形態素解析装置4は、形態素解析辞書41
を参照して、問題記述テキストおよびデータベース・テ
キストを形態素解析し、各テキストに含まれる文の区切
りの決定、各文に含まれる文節の区切りの決定、各文節
に含まれる活用語単語と付属語単語の同定および単語の
品詞の同定並びに活用語単語の活用形の同定と終止形の
導出を行なう。 【0015】文節係り受け解析装置5(以降、文節解析
装置5と記す)は、形態素解析装置4の形態素解析結果
を入力し、係り受け規則51を参照して、入力した形態
素解析結果について文節係り受け解析を行い、問題記述
テキストおよびデータベース・テキストの各文における
文節間の係り受け関係を同定する。 【0016】文節係り受け構造マッチング装置6(以
降、マッチング装置6と記す)は、形態素解析装置4で
得られた問題記述テキストから抽出された文節係り受け
構造と、データベース・テキストから抽出された文節係
り受け構造とを、構造マッチングし、対応する語句や関
係および類推される関係を抽出する対応箇所表示装置7
は、マッチング装置6によって抽出された語句や関係お
よび類推される関係を表示器に表示する。 【0017】次に図1の実施例の処理動作について図2
ないし図11を参照して説明する。例えばユーザーが解
決すべき問題として、「陰イオンを多く含んだ空気は健
康に良い。そこで、空気中に多くの陰イオンを発生させ
るイオン発生器を作るにはどのようにすればよいか。」
が与えられたとする。この時に例えば、ユーザーは、こ
の問題を「イオン発生器は空気をイオン化し、多くの陰
イオンを発生する。」という問題記述テキストで表し
て、テキスト入力装置1に入力する(ステップS1)。 【0018】テキスト入力装置1は与えられた問題記述
テキストを形態素解析装置4に引き渡し、形態素解析装
置4は問題記述テキストを形態素解析する(ステップS
2)。この形態素解析の内容が図10に示されている。 【0019】形態素解析された問題記述テキストは、文
節解析装置5により、係り受け規則41に基づいて図1
1に示されるように、文節係り受け構造が同定される
(ステップS3)。この構造は文節解析装置5内で、下
記に示すようなリスト構造として記憶されており、これ
を文節係り受け構造Aと呼ぶ。なお、このリスト構造中
において連用並列や主題などの記載は係り受け種別を表
している。 一方、提起された問題の解決に役立ちそうな情報を得る
ための検索子として問題記述テキストの中から「{イオ
ン}-<発生する>」が選択されテキスト入力装置1に
入力される(ステップS4)。この検索子における”
{ }”,”〈〉”が指示する内容については、一例が
図5に示され、また、”-”が指示する内容について
は、一例が図6に示されている。 【0020】検索装置2は、{イオン}の情報項目であ
るイオンをキーにしてインデックス部31を検索し、図
4で示されるような情報項目「トランジスタ」,「避雷
針」,「コロナ」を引き出す。次に、これらの情報項目
「イオン」,「トランジスタ」,「避雷針」,「コロ
ナ」を見出しとするデータベース・テキストを引き出
す。 【0021】ここでインデックス部31の保持する内容
について説明する。インデックス部31は、データベー
ス・テキストを高速に検索するために設けられたもので
あって、あらかじめ全ての情報項目の見出しと本文とを
形態素解析して、名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞
などの自立語を抽出し、それらの終止形などの標準形か
ら前記の見出しを逆引きするためのインデックス・デー
タとしての情報項目リストを具備している。 【0022】例えば、情報項目「避雷針」の説明文は図
3に示すように、「高い建造物を落雷の被害から守るた
め、屋上などに先のとがった金属製の棒を立て、導線で
地下埋設の金属板に接続し、雷の電流を地中に放電する
装置。雷雲の下側には負の電荷が多量に溜り、地表に強
い正電荷を発生させる。このとき、電場が非常に強いた
めに、空気中にイオンと自由電子ができ、空気は導体と
なって猛烈な電流が流れる。この現象が雷である。避雷
針は雷が落ちるのを防ぐ働きをする。雷雲ができると、
避雷針の先端に強い正電荷が生じ、近くの空気をイオン
化する。陰イオンは避雷針に引きつけられて電子を奪わ
れ、陽イオンは上へ昇って雷雲の中の負電荷を減らす。
また、雷はイオンの通り道をたどる傾向があるので、落
ちる時には避雷針に落ちる。」となっている。 【0023】この説明文を形態素解析し、「避雷針,高
い,建造物,落雷,被害,守る,屋上,先,とがる,金
属製,棒,立てる,導線,地下埋設,金属板,接続,
雷,電流,地中,放電,装置,雷雲,下側,負,電荷,
多量,溜る,地表,強い,正電荷,発生,電場,非常,
強い,空気中,イオン,自由電子,できる,空気,導
体,猛烈,電流,流れる,現象,落ちる,防ぐ,働き,
先端,生ずる,近く,空気,イオン化,陰イオン,引き
つける,電子,奪う,陽イオン,上,昇る,負電荷,減
る,通り道,たどる,傾向」などをインデックス・デー
タである情報項目として抽出する。このようにして、図
4のインデックス部31のデータは形成されたわけであ
るから、例えば、検索子「イオン」が与えられたときに
は、その検索子は、インデックス・データの一項目であ
る語句「イオン」とマッチし、マッチした語句に属する
情報項目として「トランジスタ」、「避雷針」、「コロ
ナ」を検索することができる。 【0024】さらに、検索装置2は、検索子「{イオ
ン}-<発生する>」に関し図7,図8に示すように検
索を展開する(ステップS5)。ここでステップS5に
ついて、ステップ5を詳細に示す図7,図8のフローチ
ャートを参照して説明する。検索装置2は、検索子を展
開するに際し、係り受け形式検索子フラグ(以降、検索
子フラグと記す)をオフにする(ステップS501)。
次に、与えられた検索子に、まだ関連語の求められてい
ない〈文字列〉形式の文字列が含まれているかどうか判
断する(ステップS502)。関連語の求められていな
い〈文字列〉形式の文字列が含まれている場合には、関
連語辞書21を用いて、例えば「イオン」の関連語「電
荷」を求め(ステップS507)、ステップS502に
戻る。 【0025】ステップS502において、関連語の求め
られていない〈文字列〉形式の文字列がない場合には、
検索子中に同義語が求められていない{文字列}形式の
文字列が含まれているかどうか判断する(ステップS5
03)。{文字列}形式の文字列が含まれている場合に
は、同義語辞書22を用いて、例えば「発生する」の同
義語を求める。求めた結果により、たとえば、与えられ
た検索子を「(イオン|電荷)-(発生する|生ずる|
起こる|生起する)」と展開する(ステップS50
8)。この展開検索子は、係り文節部に文字列「イオ
ン」または「電荷」をもち、受け文節部に「発生す
る」、「生ずる」、「起こる」、「生起する」のいずれ
かの動詞の活用を表す文字列をもつ文節とマッチするこ
とを意味する。 【0026】ステップS503において同義語が求めら
れていない{文字列}形式の文字列が含まれていないと
判断された場合は、検索子はR1-R2 形式またはR1-R
2-K形式 であるかどうか判断する(ステップS50
4)。本実施例の場合、検索子は、R1-R2 形式である
ので、「(イオン|電荷)&(発生する|生ずる|起こ
る|生起する)」と展開し、先にオフした検索子フラグ
をオンにし、データベース・テキストを検索する(ステ
ップS509)。この展開検索子は、文字列「イオン」
または「電荷」をもつ文字列の後ろに、「発生する」、
「生ずる」、「起こる」、「生起する」のいずれかの動
詞のいずれかの活用を表す文字列をもつデータベース・
テキストとマッチすることを意味する。すなわち、2つ
の文字列は同一文中になくてもよく、このように展開さ
れた検索子とマッチする文字列を本文テキストにもつデ
ータベース・テキストが検索されることとなる。 【0027】ステップS504の処理が終了すると、展
開検索子が単純文字列かどうか判断する(ステップS5
05)。単純文字列であればインデックス・データ項目
として検索子の文字列を持つ情報項目を取得する(ステ
ップS510)。ステップS75で単純文字列でないと
判断された場合は、展開検索子が正規表現かどうか判断
する(ステップS506)。正規表現であれば、インデ
ックス・データ項目をサーチし、マッチする情報項目を
取得する(ステップS511)。ステップS506で正
規表現でなければ、不正検索子検出とする。 【0028】ステップS510またはステップS511
の処理が終了すると、検索子フラグは、オンにされてい
るか判断する(ステップS512)。検索子フラグがオ
ンにされている場合は、検索された各データベース・テ
キストの本文を形態素解析および文節係り受け解析し、
展開される以前の「(イオン|電荷)-(発生する|生
ずる|起こる|生起する)」の係り受け関係を満足する
文を本文に含むデータベース・テキストのみを有効な検
索結果として残し、他は削除する(ステップS51
3)。例えば図9のように示される。図9においては、
図3で示される情報項目「避雷針」が見出しとなってい
る説明文に含まれる文「雷雲ができると、避雷針の先端
に強い正電荷が生じ、近くの空気をイオン化する。」の
文節係り受け構造が示され、係り文節から受け文節への
係り受けが矢印で表されている。ここで、文節「正電荷
が」は、文節「生ずる」に係っているので、前記検索子
は、この文の文字列とマッチし、ステップS5の情報デ
ータベース検索においては、有効な出力の一部として情
報項目「避雷針」が見出しとなっているデータベース・
テキストの全文が出力される。 【0029】これら一連のステップが終了すると、有効
なものとして残されたデータベース・テキストは形態素
解析装置4に引き渡され、各データベース・テキストの
全文に関し形態素解析される(ステップS6)。形態素
解析されたデータベース・テキストは文節解析装置5に
より文節係り受け構造が同定される(ステップS7)。 【0030】ここで、情報項目「避雷針」が見出しの説
明文に含まれる文「雷雲ができると、避雷針の先端に強
い正電荷が生じ、近くの空気をイオン化する。」から、
下記のようなリスト構造で示される文節係り受け構造が
抽出される。これを文節係り受け構造Bと呼ぶ(この構
造は、図9で示される文節係り受け構造である)。 次に、文節係り受け構造Aと文節係り受け構造Bのマッ
チングがとられる(ステップS8)。すなわち、解決す
べき問題と集められた情報との間でアナロジーをとる。
ここでいうアナロジーとは、既知の知識領域から対象と
なる問題領域への知識の写像であり、既知知識領域で成
り立つ関係の体系がターゲットでも成り立つことを意味
する。Gentnerの構造写像理論(Dedre Gentner,”Str
uctureーmapping: A theoretical framework for
analogy” CognitiveScience,Vol.7,pp.155〜17
0,1983)は、アナロジーの写像規則を定式化し、純粋
にシンタクティックなメカニズムでアナロジーを扱うこ
とを可能にした。この理論を用いると文節係り受け構造
Aと文節係り受け構造Bとの類推的マッチングがとれ、
対応語句・対応関係・類推的推定関係を抽出することが
できる。 【0031】まず、各文節係り受け構造から動詞を含む
文に注目し、関係とその体系を抽出する。例えば、文節
係り受け構造Aからは、関係A1「イオン発生器は(主
題)、空気を(ヲ格)、イオン化する。」などが、文節
係り受け構造Bからは、関係B1「避雷針は(主題)、
空気を(ヲ格)、イオン化する」、関係B2「避雷針は
(主題)、先端に(ニ格)、正電荷を(ヲ格)、生ず
る。」などとさらにそれらの関係の間の高次の関係B3
「B2(連用並列)、B1」が抽出できる。関係B3
は、「避雷針は、先端に正電荷を生じ、空気をイオン化
する。」を意味する。 【0032】次にこれらの関係を構造写像理論を用いて
マッチングすると、対応語句「イオン発生器」と「避雷
針」、対応関係「避雷針は(主題)、空気を(ヲ格)、
イオン化する。」と「イオン発生器は(主題)、空気を
(ヲ格)、イオン化する。」、さらに構造Aには存在し
なかったが、構造Bからのアナロジーとして推定される
類推的推定関係「イオン発生器は、先端に正電荷を生
じ、空気をイオン化する。」を得ることができる。ステ
ップS8で検出された対応語句・対応関係・類推的推定
関係が対応箇所表示装置7に表示される。 【0033】以上の処理によりユーザーは解決すべき問
題「陰イオンを多く含んだ空気は健康に良い。そこで、
空気中に多くの陰イオンを発生させるイオン発生器を作
るにはどのようにすればよいか。」に対して、問題記述
テキスト「イオン発生器は空気をイオン化し、多くの陰
イオンを発生する。」と、検索子「{イオン}-<発生
する>」」を入力することにより、「イオン発生器」と
「避雷針」、「陰イオン」と「正電荷」、説明文の中の
記述「避雷針の先端に」、「先のとがった」、「金属製
の棒」、「強い電場」から動作原理「針に強い負の電荷
を供給すると、針の先に強い電場が生じ、それが近くの
空気をイオン化する。正イオンは針に引きつけられて、
そこで電子を奪われ、陰イオンはあたりに広がってい
く。」をもつイオン発生器をを示唆され、新しいアイデ
アに到達することが機械的に支援されることとなる。 【0034】 【発明の効果】以上述べたように、本発明は、発散思考
技法の機械的で総合的な支援方法とその装置を与える。
本発明によると、名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞
のいずれかの品詞をもつ語句や、多様な検索マッチング
を行なえる検索子をユーザーから入力し、前記キーワー
ドに関連する、用語や出来事や情景などの情報を網羅的
に集め、集められた情報と解決すべき問題との間でアナ
ロジーをとることによって、思考者であるユーザーの発
散思考における発想の効率・網羅性・異質性を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発想支援装置の一実施例を示すブロッ
ク図である。 【図2】図1の実施例の処理動作を示すフローチャート
である。 【図3】情報データベースにフルテキスト形状で情報項
目別に記憶されているデータベース・テキストの一部を
示す図である。 【図4】情報データベースのインデックス・データの内
容の一部を示す図である。 【図5】発想支援装置に用いられる検索子の単純正規表
現の記述規則を示す図である。 【図6】発想支援装置に用いられる検索子の複合正規表
現の記述規則を示す図である。 【図7】図2で示されるステップS5の詳細を示すフロ
ーチャートである。 【図8】図2で示されるステップS5の詳細を示すフロ
ーチャートである。 【図9】情報データベースの一情報項目の中の一文の文
節係り受け構造を説明する図である。 【図10】問題記述テキストの形態素解析結果の一例を
示す図である。 【図11】図10で示される形態素解析結果を文節係り
受け構造で説明する図である。 【符号の説明】 1 テキスト入力装置 2 情報データベース検索装置(検索装置) 3 情報データベース(データベース) 4 形態素解析装置 5 文節係り受け解析装置(文節解析装置) 6 文節係り受け構造マッチング装置(マッチング装
置) 7 対応箇所表示装置 21 同義語辞書 22 関連語辞書 31 インデックス部 41 形態素解析辞書 51 係り受け規則 S1〜S9,S501〜S513 ステップ
ク図である。 【図2】図1の実施例の処理動作を示すフローチャート
である。 【図3】情報データベースにフルテキスト形状で情報項
目別に記憶されているデータベース・テキストの一部を
示す図である。 【図4】情報データベースのインデックス・データの内
容の一部を示す図である。 【図5】発想支援装置に用いられる検索子の単純正規表
現の記述規則を示す図である。 【図6】発想支援装置に用いられる検索子の複合正規表
現の記述規則を示す図である。 【図7】図2で示されるステップS5の詳細を示すフロ
ーチャートである。 【図8】図2で示されるステップS5の詳細を示すフロ
ーチャートである。 【図9】情報データベースの一情報項目の中の一文の文
節係り受け構造を説明する図である。 【図10】問題記述テキストの形態素解析結果の一例を
示す図である。 【図11】図10で示される形態素解析結果を文節係り
受け構造で説明する図である。 【符号の説明】 1 テキスト入力装置 2 情報データベース検索装置(検索装置) 3 情報データベース(データベース) 4 形態素解析装置 5 文節係り受け解析装置(文節解析装置) 6 文節係り受け構造マッチング装置(マッチング装
置) 7 対応箇所表示装置 21 同義語辞書 22 関連語辞書 31 インデックス部 41 形態素解析辞書 51 係り受け規則 S1〜S9,S501〜S513 ステップ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G06F 17/21 - 17/28
JICSTファイル(JOIS)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 解決すべき問題をテキストとして記述し
た問題記述テキストおよび問題の解決に最も役立つと看
做されて与えられた検索子が入力されるテキスト入力装
置と、 発想を行なうための糸口となる知識を含んだフルテキス
トを格納している情報データベースと、 情報データベースが格納したフルテキストの中から、テ
キスト入力装置が入力した検索子に適合する文を含むフ
ルテキストを抽出する情報データベース検索装置と、 テキスト入力装置が入力した問題記述テキストおよび情
報データベース検索装置が抽出したフルテキストを形態
素解析する形態素解析装置と、 形態素解析装置が解析した結果を文節係り受け解析して
文節係り受け構造を抽出する文節係り受け解析装置と、 文節係り受け解析装置が抽出したフルテキストの部分文
節係り受け構造と問題記述テキストの部分文節係り受け
構造との類似性マッチングにより対応する語句や関係お
よび類推される関係を抽出する文節係り受け構造マッチ
ング装置と、 文節係り受け構造マッチング装置が抽出した内容を表示
する対応箇所表示装置とを有する発想支援装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24092392A JP3373868B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 発想支援方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24092392A JP3373868B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 発想支援方法およびその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0696118A JPH0696118A (ja) | 1994-04-08 |
JP3373868B2 true JP3373868B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=17066663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24092392A Expired - Fee Related JP3373868B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 発想支援方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3373868B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6019303B1 (ja) * | 2015-12-21 | 2016-11-02 | ジャパンモード株式会社 | 問題解決支援システム |
JP6019304B1 (ja) * | 2016-01-22 | 2016-11-02 | ジャパンモード株式会社 | 問題解決支援システム |
JP2018055605A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | ジャパンモード株式会社 | 創作支援プログラム |
JP6614501B2 (ja) * | 2016-09-30 | 2019-12-04 | ジャパンモード株式会社 | 創作支援プログラム |
-
1992
- 1992-09-09 JP JP24092392A patent/JP3373868B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
田中一男,アナロジーを用いた着想支援方式,情報処理学会研究報告92−AI−84−5,日本,1992年 9月10日,Vol.92,No.70,p.41−p.50,「参考文献」の欄 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0696118A (ja) | 1994-04-08 |
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