【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低発熱性のタイヤトレ
ッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒドラジド系の薬品等を用いてタ
イヤトレッド用ゴム組成物を低発熱化するのは既に知ら
れている。しかしながら、従来の低発熱化剤を用いると
タイヤトレッド用ゴム組成物の粘度が大幅に増加し、か
つ、ヤケ等により作業性を損なってしまうという問題点
がある。また、作業性改善のために、タイヤトレッド用
ゴム組成物にアロマオイル等の軟化剤を用いると、破壊
特性、特に高温時の破壊特性や発熱特性が損なわれると
いう問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低発
熱化剤の低発熱性を維持しながら、低発熱化剤の問題で
ある粘度大幅アップやヤケ等の作業性を大幅に改善した
タイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、天然ゴム及び
ジエン系合成ゴムよりなる群から選ばれた、少なくとも
1種のゴム成分に対し、低発熱性改良剤と特定の不飽和
脂肪酸を組み合せて配合すると、低発熱性改良効果を保
ちながら、優れた作業性を発揮することを知見し、本発
明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明のタ
イヤトレッド用ゴム組成物は、天然ゴム及びジエン系合
成ゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のゴム成
分100重量部に対し、下記(ア)〜(ウ)成分を含有
することを特徴とする。
(ア) 補強性充填剤 20〜100重量部
(イ) 低発熱性改良剤 0.1〜 10重量部
(ウ) 共役関係にある2個の炭素間二重結合の少なくとも1組を分子に含む
共役ジエン酸を10重量%以上含有する分子内に炭素間二重結合を2個
以上含む有機不飽和脂肪酸 0.1〜 20重量部
なお、本発明で規定する「低発熱性改良剤」とは、ゴム
の発熱性を改良し、より低発熱性のゴム組成物とする薬
剤をいう。
【0005】以下、本発明の内容を説明する。本発明の
タイヤトレッド用ゴム組成物に用いられるゴムとして
は、天然ゴム及びジエン系合成ゴムよりなる群から選ば
れた少なくとも1種、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴ
ム、合成イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等
から選ばれた1種のゴム、または、これらの共重合物、
混合物が挙げられる。
【0006】本発明で用いる補強性充填剤とは、ゴムの
引張強さ、引裂強さ、摩耗抵抗の少なくとも1つを増大
させる充填剤をいう。このような補強性充填剤として
は、例えば、SAF、ISAF、HAF等のカーボンブ
ラック、または、シリカ等が挙げられる。補強充填剤の
配合量は、ゴム成分100重量部に対して、20〜10
0重量部、好ましくは30〜90重量部、更に好ましく
は35〜80重量部である。補強充填剤の配合量が20
重量部未満であると、300%引張応力、硬さ共に低下
して好ましくなく、また、100重量部を超えると引張
強さ、伸び共に低下して好ましくない。
【0007】本発明で用いる低発熱性改良剤としては、
例えば、以下〜の化合物を挙げることができる。
下記式(I)
【化1】
で表されるラクタム類で、具体的には、γ−チオブチロ
ラクタム、ω−チオラウリンラクタム、N−メチル−γ
−チオブチロラクタムなどが挙げられる。
【0008】下記式(II)
【化2】
で表される4−トリフルオロメチル−2−チオウラシ
ル。
【0009】下記式(III)又は(IV)
【化3】
【化4】
〔式(III)又は(IV)中のR1は、水素原子、炭素数
1〜6のアルキル基、または2−アルキルイミノシクロ
ペンタンジチオカルボニル基、R2は炭素数1〜6のア
ルキル基または5〜6のシクロアルキル基、Mはアルカ
リ土類金属、銅またはニッケルを表わす。〕で表される
環状化合物で、具体的には、2−メチルイミノペンタン
ジチオカルボン酸、ビス(2−メチルイミノシクロペン
チルチオカルボニル)ジスルフィド、2−メチルイミノ
シクロペンタンジチオカルボン酸メチル、2−メチルイ
ミノシクロペンタンジチオカルボン酸亜鉛、2−シクロ
ヘキシルイミノシクロペンタンジチオカルボン酸、2−
メチルイミノシクロペンタンジチオカルボン酸−n−ヘ
キシル、2−メチルイミノシクロペンタンジチオカルボ
ン酸ニッケル等が挙げられる。
【0010】 2,5−ジメルカプト−1,3,4−
チアジアゾール単独及び下記式(1)〜(9)で表される化合
物の混合物が挙げられる。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
〔式(1)〜(9)中の、R3,R6,R9,R11は炭素数8〜
18のアルキル基及びアリル基、R4,R5,R7,R8,
R10は炭素数1〜2のアルキル基、R15はアリル基、シ
クロヘキシル基、R16は炭素数1〜6のアルキル基、R
17,R18は炭素数8〜18のアルキル基、ベンジル基、
水素原子であり、m,nはそれぞれ1〜3の整数を示
す。〕
【0011】 下記式(VI)
【化14】
(式中R1及び/又はR2は水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基、R3は水素原子、メチル基、エチル基、R4
は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)で表
されるジチオウラシル化合物、具体的には、ジチオウラ
シル、3−n−ブチルジチオウラシル、1−n−ブチル
ジチオウラシル、5−エチルジチオウラシル、4−n−
ヘキシルジチオウラシル等が挙げられる。
【0012】 下記式(VII)
【化15】
(式中のR1,R2,R3,R4は個々に水素原子、塩素原
子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、フェニル基
である。)で表されるベンゾキノン誘導体、具体的に
は、P−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−P−ベンゾ
キノン、2,5−ジ−t−ブチル−P−ベンゾキノン、
2,5−ジクロロ−P−ベンゾキノン、2,3−ジクロ
ロ−5,6−ジシアノ−P−ベンゾキノン、2,6−ジ
−t−ブチル−P−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−
P−ベンゾキノン、2,6−ジメトキシ−P−ベンゾキ
ノン、2−メチル−P−ベンゾキノン、2−t−ブチル
−P−ベンゾキノン、テトラシアノ−P−ベンゾキノ
ン、フェニル−P−ベンゾキノン等を挙げることができ
る。
【0013】 下記式(VIII)〜(X)
【化16】
【化17】【化18】
で表されるベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノ
ン化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物と、下記
式(10)〜(11)
【化19】
【化20】
で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物
の組み合せが挙げられる。
【0014】具体的には、ベンゾキノン類(VIII)として
は、P−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−P−ベンゾ
キノン、2,5−ジ−t−ブチル−P−ベンゾキノン、
2,5−ジクロロ−P−ベンゾキノン、2,3−ジクロ
ロ−5,6−ジシアノ−P−ベンゾキノン、2,6−ジ
−t−ブチル−P−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−
P−ベンゾキノン、2,6−ジメトキシ−P−ベンゾキ
ノン、2−メチル−P−ベンゾキノン、2−t−ブチル
−P−ベンゾキノン、テトラシアノ−P−ベンゾキノ
ン、フェニル−P−ベンゾキノン等を挙げることができ
る。ナフトキノン類(IX)としては、1,4−ナフトキノ
ン、1,2−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4
−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、
ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、ジヒドロキシ−
1,4−ナフトキノン等を挙げることができる。アント
ラキノン類(X)としては、アントラキノン、ヒドロキシ
アントラキノン、ジヒドロキシアントラキノン、アミノ
アントラキノン、ジアミノアントラキノン等である。式
(10)にて示される化合物の具体的は、ジベンゾチアジル
スルフィド、5,5′−ジチオビス(1,3,4−チア
ジアゾール−2−チオール)、テトラエチルチウラムジ
スルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テト
ラメチルチウラムジスルフィド、テトライソオクチルチ
ウラムジスルフィド等である。式(11)にて示される化合
物の具体例は、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チ
アジアゾール、メルカプトベンゾイミダゾール、メルカ
プトベンゾチアゾール、メルカプトオキサゾール、2−
メルカプトエタノール、3−メルカプト−2−プロパノ
ール、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエ
チルエーテル、2−メルカプトエチルスルフィド、2−
メルカプト−5−ニトロイミダゾール、3−メルカプト
−1,2−プロパンジオール、2−メルカプトピリジ
ン、メルカプトスクシン酸、メルカプトチアゾリン等で
ある。
【0015】[上記式(VIII)〜(X)及び(10)〜(11)中、R
1〜R10は水素原子、塩素原子、炭素数1〜4のアルキ
ル基、アルコキシ基、シアノ基、フェニル基であり、R
11〜R13は水素原子、ヒドロキシル基、エステル結合、
エーテル結合、チオエーテル結合を含む炭素数1〜4の
アルキル基、又は下記式(12)〜(20)にて示されるヘテロ
環を有する官能基を表す。]
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【0016】下記式(XI)で表されるメルカプト化合物
が挙げられる。
【化30】
(式中R1,R2は各々単独に、水素原子、炭素数1〜3
のアルキル基、あるいはR1からR2で下記化学式
【化31】
または、炭素数3乃至4のアルキレン環を形成しても良
い。)
【0017】更に、本発明で用いる低発熱性改良剤とし
ては、上記に示したものばかりでなくヒドラジド系、チ
アジアゾール系等のものが挙げられる。低発熱性改良剤
の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、0.1〜
10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の範囲で用い
られることが必要である。 低発熱性改良剤の配合量が
0.1重量部未満であると、ゴム組成物の低発熱性があ
らわれず好ましくなく、また、10重量部を超えると著
しく未加硫ゴムの作業性を低下させ好ましくない。
【0018】本発明で用いる有機不飽和脂肪酸は、共役
関係にある2個の炭素間二重結合の少なくとも1組を分
子に含む共役ジエン酸を10重量%以上含有する分子内
に炭素間二重結合を2個以上含む有機不飽和脂肪酸から
なるものである。本発明で用いる有機不飽和脂肪酸にお
いて、「共役ジエン酸」とは、その分子内に共役関係に
ある2個の炭素間二重結合を少なくとも一組含む有機不
飽和モノカルボン酸を示し、共役関係にある炭素間二重
結合が一組のものが好ましいが二組以上あってもよい。
前記共役ジエン酸を10重量%以上含有する分子内に
炭素間二重結合を二個以上含む有機不飽和脂肪酸(以
下、単に有機不飽和脂肪酸という)は、勿論共役ジエン
酸を含むが、それ以外の有機不飽和脂肪酸は炭素間二重
結合を二個以上含むが、それらが互いに共役の関係にな
いという点が異なる。
【0019】共役ジエン酸の有機不飽和脂肪酸中の含有
量は、10重量%以上が必要であり、25重量%以上が
好ましく、100重量%、即ち、有機不飽和脂肪酸がす
べて共役ジエン酸であってもよい。共役ジエン酸の含有
量が、10重量%未満では、耐摩耗性に対する効果が十
分ではない。また、共役ジエン酸の含有量が、25重量
%以上であると更に耐摩耗性に対する効果が向上する。
【0020】共役ジエン酸としては、例えば、2,4−
ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジエン酸、2,4−デ
カジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,11−オク
タデカジエン酸、α−エリオステアリン酸、9,11,
13,15−オクタデカテトラエン酸,9,11,13
−オクタデカトリエン酸等が挙げられる。
【0021】本発明で使用する有機不飽和脂肪酸の好ま
しい例としては、脱水ひまし油脂肪酸が挙げられる。こ
の脱水ひまし油脂肪酸は、ひまし油を脱水反応して得ら
れる。脱水の仕方により共役ジエン酸の含量を変えるこ
とができ、例えば、35重量%、60重量%のものが得
られる。この脱水ひまし油脂肪酸の場合、共役ジエン酸
としては、9,11−オクタデカジエン酸が主であり、
その他の有機不飽和脂肪酸には非共役のオクタデカジエ
ン酸が主として含まれ、その他リノール酸、リノレイン
酸なども挙げられる。また、本発明では脱水ひまし油脂
肪酸に加えて、ステアリン酸に代表される従来より使用
されている脂肪酸類を併用してもよい。
【0022】本発明で使用される有機不飽和脂肪酸は、
全不飽和脂肪酸中、炭素数が10〜22、好ましくは1
2〜22の長鎖アルキル基を有する不飽和脂肪酸が75
%以上含まれていることが望ましい。炭素数が10〜2
2であると耐破壊性に対する効果が更に向上する。ま
た、全不飽和脂肪酸の不飽和度がヨウ素価で130以上
であることが好ましい。ヨウ素価が130以上であると
ゴムの弾性率に対する効果が更に向上する。
【0023】本発明で使用する有機不飽和脂肪酸の配合
量は、ゴム成分100重量部に対して0.1〜20重量
部、好ましくは0.5〜8重量部配合させることが必要
である。有機不飽和脂肪酸の配合量が0.1重量部未満
では、作業性の改良に致らず、また、20重量部を越え
て配合した場合には、ゴム弾性率の低下を招き好ましく
ない。
【0024】本発明においては、前記ゴム成分、低発熱
性改良剤及び有機不飽和脂肪酸剤の他には、通常ゴム配
合剤として使用される、例えば、プロセスオイル、軟化
剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、亜鉛華、
硫黄、発泡剤等を適宜配合することができる。また、ゴ
ム成分100重量部に対して上記有機不飽和脂肪酸の
他、軟化剤を10重量部、好ましくは6重量部以下配合
してもよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何等限定
されるものでない。
【0026】(実施例1〜4、比較例1〜7)下記表1
の配合処方に従い、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製
した。このゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)、該
ゴム組成物の加硫後におけるゴムの破壊伸度(Eb)、
300%伸長時の弾性率、25℃ 2% tanδを測
定した結果を下記表1に示す。上記ムーニー粘度(ML
1+4)、破壊伸度(Eb)、300%伸長時の弾性率
(Mod)、25℃ 2% tanδは下記方法により
測定した。
【0027】(1) ムーニー粘度(ML1+4)
島津製作所製ムーニー粘度計を用い、130℃で測定し
た。試験法は、JIS K6300に準拠して行いML
1+4(1分予熱後、4分稼働後のムーニー値)を求め、
指数(Index)で表示した。
(2) 加硫ゴムの破壊伸度(Eb)及び300%伸長時の
弾性率(Mod)及びムーニー粘度
JIS K 6301に従い評価した。
(3) 25℃ 2% tanδ
岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用い、長さ2
0mm×幅5mm×厚み2mmの試料につき25℃、2
%歪でロスタンジェントtanδの測定を行なった。な
お、比較例1をコントロールとして、ムーニー粘度(M
L1+4)、破壊伸度(Eb)、300%伸長時の弾性率
(Mod)、25℃ 2% tanδを100とした指
数で表した。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から下記のことが判明した。実
施例1〜4は、本発明の範囲に含まれるタイヤトレッド
用ゴム組成物であり、本発明の範囲に含まれない比較例
1〜7に較べムーニー粘度(ML1+4)、破壊伸度(E
b)、300%伸長時の弾性率(Mod)及び25℃
2% tanδが著しく向上していることが判った。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、低発熱性改良効果を保
ちながら、優れた作業性を発揮するタイヤトレッド用ゴ
ム組成物が提供される。Description: BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a rubber composition for a tire tread having low heat generation. [0002] Hitherto, it has been already known to reduce the heat generation of a rubber composition for a tire tread using a hydrazide-based chemical or the like. However, there is a problem that the use of the conventional low heat generating agent greatly increases the viscosity of the rubber composition for a tire tread and impairs workability due to burns or the like. Further, when a softening agent such as aroma oil is used in the rubber composition for a tire tread in order to improve workability, there is a problem that the breaking characteristics, particularly the breaking characteristics at high temperature and the heat generation characteristics are impaired. [0003] An object of the present invention is to greatly improve the workability of the low heat-generating agent, such as greatly increasing the viscosity and burning, while maintaining the low heat-generating property of the low heat-generating agent. Another object of the present invention is to provide a rubber composition for a tire tread which has been improved. [0004] The present inventors have conducted intensive studies to solve the above-mentioned problems, and as a result, at least one kind selected from the group consisting of natural rubber and diene-based synthetic rubber. For the rubber component, it was found that when a low heat buildup improver and a specific unsaturated fatty acid were combined and compounded, excellent workability was exhibited while maintaining the low heat buildup improvement effect. It has been reached. That is, the rubber composition for a tire tread of the present invention contains the following components (A) to (C) based on 100 parts by weight of at least one rubber component selected from the group consisting of natural rubber and diene-based synthetic rubber. It is characterized by doing. (A) Reinforcing filler 20 to 100 parts by weight (A) Low heat buildup improver 0.1 to 10 parts by weight (C) At least one set of two carbon-carbon double bonds in a conjugate relationship is contained in the molecule Organic unsaturated fatty acid containing two or more carbon-carbon double bonds in a molecule containing 10% by weight or more of conjugated dienoic acid 0.1 to 20 parts by weight The “low heat buildup improver” defined in the present invention is , A drug that improves the heat build-up of rubber to make a rubber composition having a lower heat build-up. Hereinafter, the contents of the present invention will be described. As the rubber used in the rubber composition for a tire tread of the present invention, at least one selected from the group consisting of natural rubber and diene-based synthetic rubber, for example, natural rubber, butadiene rubber, synthetic isoprene rubber, styrene-butadiene rubber One kind of rubber selected from the above, or a copolymer thereof,
Mixtures are mentioned. [0006] The reinforcing filler used in the present invention refers to a filler that increases at least one of the tensile strength, tear strength and abrasion resistance of rubber. Examples of such a reinforcing filler include carbon black such as SAF, ISAF, and HAF, and silica. The amount of the reinforcing filler is 20 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the rubber component.
0 parts by weight, preferably 30 to 90 parts by weight, more preferably 35 to 80 parts by weight. 20 reinforcing fillers
If it is less than 100 parts by weight, both 300% tensile stress and hardness decrease, which is not preferable. If it exceeds 100 parts by weight, both tensile strength and elongation decrease, which is not preferable. The low heat buildup improver used in the present invention includes:
For example, the following compounds can be mentioned. The following formula (I) And specifically, γ-thiobutyrolactam, ω-thiolaurin lactam, N-methyl-γ
-Thiobutyrolactam and the like. The following formula (II): 4-trifluoromethyl-2-thiouracil represented by: The following formula (III) or (IV): Embedded image [R 1 in the formula (III) or (IV) is a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms, or a 2-alkyliminocyclopentanedithiocarbonyl group, and R 2 is an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms or 5 to 6 cycloalkyl groups, M represents an alkaline earth metal, copper or nickel. And specifically, 2-methyliminopentanedithiocarboxylic acid, bis (2-methyliminocyclopentylthiocarbonyl) disulfide, methyl 2-methyliminocyclopentanedithiocarboxylate, 2-methylimino Zinc cyclopentanedithiocarboxylate, 2-cyclohexyliminocyclopentanedithiocarboxylic acid,
Examples include n-hexyl methyliminocyclopentanedithiocarboxylate and nickel 2-methyliminocyclopentanedithiocarboxylate. 2,5-dimercapto-1,3,4-
Examples include thiadiazole alone and a mixture of compounds represented by the following formulas (1) to (9). Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image [In the formulas (1) to (9), R 3 , R 6 , R 9 , and R 11 have a carbon number of 8 to
18 alkyl groups and allyl groups, R 4 , R 5 , R 7 , R 8 ,
R 10 is an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms, R 15 is an allyl group, a cyclohexyl group, R 16 is an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms,
17 , R 18 is an alkyl group having 8 to 18 carbon atoms, a benzyl group,
A hydrogen atom, and m and n each represent an integer of 1 to 3. The following formula (VI): (Wherein R 1 and / or R 2 are a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, R 3 is a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group, a R 4
Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms. ), Specifically, dithiouracil, 3-n-butyldithiouracil, 1-n-butyldithiouracil, 5-ethyldithiouracil, 4-n-
Hexyldithiouracil and the like. The following formula (VII): (Wherein R 1 , R 2 , R 3 , and R 4 are independently a hydrogen atom, a chlorine atom, an alkyl group, an alkoxy group, a cyano group, and a phenyl group). , P-benzoquinone, 2,5-dimethyl-P-benzoquinone, 2,5-di-t-butyl-P-benzoquinone,
2,5-dichloro-P-benzoquinone, 2,3-dichloro-5,6-dicyano-P-benzoquinone, 2,6-di-t-butyl-P-benzoquinone, 2,6-dichloro-
P-benzoquinone, 2,6-dimethoxy-P-benzoquinone, 2-methyl-P-benzoquinone, 2-t-butyl-P-benzoquinone, tetracyano-P-benzoquinone, phenyl-P-benzoquinone and the like can be mentioned. The following formulas (VIII) to (X) Embedded image Embedded image And at least one compound selected from benzoquinone, naphthoquinone and anthraquinone compounds represented by the following formulas (10) to (11): Embedded image And a combination of at least one compound selected from the compounds represented by Specifically, benzoquinones (VIII) include P-benzoquinone, 2,5-dimethyl-P-benzoquinone, 2,5-di-t-butyl-P-benzoquinone,
2,5-dichloro-P-benzoquinone, 2,3-dichloro-5,6-dicyano-P-benzoquinone, 2,6-di-t-butyl-P-benzoquinone, 2,6-dichloro-
P-benzoquinone, 2,6-dimethoxy-P-benzoquinone, 2-methyl-P-benzoquinone, 2-t-butyl-P-benzoquinone, tetracyano-P-benzoquinone, phenyl-P-benzoquinone and the like can be mentioned. Examples of the naphthoquinones (IX) include 1,4-naphthoquinone, 1,2-naphthoquinone, and 2,3-dichloro-1,4.
-Naphthoquinone, 2-methyl-1,4-naphthoquinone,
Hydroxy-1,4-naphthoquinone, dihydroxy-
1,4-naphthoquinone and the like can be mentioned. Examples of the anthraquinones (X) include anthraquinone, hydroxyanthraquinone, dihydroxyanthraquinone, aminoanthraquinone, diaminoanthraquinone and the like. formula
Specific examples of the compound represented by (10) include dibenzothiazyl sulfide, 5,5'-dithiobis (1,3,4-thiadiazole-2-thiol), tetraethylthiuram disulfide, tetrabutylthiuram disulfide, and tetramethylthiuram. Disulfide, tetraisooctylthiuram disulfide and the like. Specific examples of the compound represented by the formula (11) include 2,5-dimercapto-1,3,4-thiadiazole, mercaptobenzimidazole, mercaptobenzothiazole, mercaptooxazole,
Mercaptoethanol, 3-mercapto-2-propanol, 3-mercaptopropionic acid, 2-mercaptoethylether, 2-mercaptoethylsulfide, 2-mercaptoethylsulfide
Mercapto-5-nitroimidazole, 3-mercapto-1,2-propanediol, 2-mercaptopyridine, mercaptosuccinic acid, mercaptothiazoline and the like. In the above formulas (VIII) to (X) and (10) to (11), R
1 to R 10 are a hydrogen atom, a chlorine atom, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, an alkoxy group, a cyano group or a phenyl group;
11 to R 13 are a hydrogen atom, a hydroxyl group, an ester bond,
It represents an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms containing an ether bond or a thioether bond, or a heterocyclic functional group represented by the following formulas (12) to (20). ] Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image A mercapto compound represented by the following formula (XI) is exemplified. Embedded image (Wherein R 1 and R 2 each independently represent a hydrogen atom,
Or an alkyl group of R 1 to R 2 represented by the following chemical formula: Alternatively, an alkylene ring having 3 to 4 carbon atoms may be formed. Further, examples of the low heat buildup improver used in the present invention include not only those described above but also hydrazide-based and thiadiazole-based ones. The compounding amount of the low heat generation improving agent is 0.1 to 100 parts by weight of the rubber component.
It must be used in an amount of 10 parts by weight, preferably 0.5 to 8 parts by weight. If the compounding amount of the low heat build-up improver is less than 0.1 part by weight, the low heat build-up of the rubber composition is not preferred, and if it exceeds 10 parts by weight, the workability of the unvulcanized rubber is significantly reduced. It is not preferable. The organic unsaturated fatty acid used in the present invention is a compound containing at least 10% by weight of a conjugated dienoic acid containing at least one pair of two conjugated carbon-carbon double bonds in a molecule. It consists of an organic unsaturated fatty acid containing two or more bonds. In the organic unsaturated fatty acid used in the present invention, “conjugated dienoic acid” refers to an organic unsaturated monocarboxylic acid containing at least one pair of two carbon-carbon double bonds in a conjugate relationship in the molecule. Is preferably one set of carbon-carbon double bonds, but may be two or more sets.
The organic unsaturated fatty acid containing two or more carbon-carbon double bonds in a molecule containing 10% by weight or more of conjugated dienoic acid (hereinafter, simply referred to as organic unsaturated fatty acid) naturally contains conjugated dienoic acid. Organic unsaturated fatty acids have two or more carbon-carbon double bonds, except that they are not conjugated to each other. The content of the conjugated dienoic acid in the organic unsaturated fatty acid must be 10% by weight or more, preferably 25% by weight or more, and more preferably 100% by weight, that is, all the organic unsaturated fatty acids are conjugated dienoic acids. You may. If the content of the conjugated dienoic acid is less than 10% by weight, the effect on abrasion resistance is not sufficient. When the content of the conjugated dienoic acid is 25% by weight or more, the effect on abrasion resistance is further improved. As the conjugated dienoic acid, for example, 2,4-
Pentadienoic acid, 2,4-hexadienoic acid, 2,4-decadienoic acid, 2,4-dodecadienoic acid, 9,11-octadecadienoic acid, α-eryostearic acid, 9,11,
13,15-octadecatetraenoic acid, 9,11,13
-Octadecatrienoic acid and the like. Preferred examples of the organic unsaturated fatty acid used in the present invention include dehydrated castor oil fatty acid. This dehydrated castor oil fatty acid is obtained by a dehydration reaction of castor oil. The content of the conjugated dienoic acid can be changed by the method of dehydration, and for example, 35% by weight and 60% by weight can be obtained. In the case of this dehydrated castor oil fatty acid, the conjugated dienoic acid is mainly 9,11-octadecadienoic acid,
Other organic unsaturated fatty acids mainly contain non-conjugated octadecadienoic acid, and also include linoleic acid, linoleic acid, and the like. In the present invention, conventionally used fatty acids such as stearic acid may be used in addition to the dehydrated castor oil fatty acid. The organic unsaturated fatty acid used in the present invention is
Among all unsaturated fatty acids, those having 10 to 22 carbon atoms, preferably 1
75 to 22 unsaturated fatty acids having a long-chain alkyl group
% Is desirable. 10 to 2 carbon atoms
When it is 2, the effect on the fracture resistance is further improved. Further, the degree of unsaturation of the total unsaturated fatty acids is preferably 130 or more in iodine value. When the iodine value is 130 or more, the effect on the elastic modulus of the rubber is further improved. The amount of the organic unsaturated fatty acid used in the present invention must be 0.1 to 20 parts by weight, preferably 0.5 to 8 parts by weight, per 100 parts by weight of the rubber component. When the amount of the organic unsaturated fatty acid is less than 0.1 part by weight, the workability is not improved, and when the amount exceeds 20 parts by weight, the rubber elastic modulus is lowered, which is not preferable. In the present invention, in addition to the rubber component, the low heat build-up improving agent and the organic unsaturated fatty acid agent, for example, a process oil, a softening agent, an antioxidant, Sulfur accelerator, vulcanization accelerator, zinc white,
Sulfur, a foaming agent and the like can be appropriately blended. Further, in addition to the organic unsaturated fatty acid, 10 parts by weight, preferably 6 parts by weight or less may be added to 100 parts by weight of the rubber component. EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples. (Examples 1 to 4, Comparative Examples 1 to 7)
A rubber composition for a tire tread was prepared according to the compounding formula of Mooney viscosity (ML 1 + 4 ) of the rubber composition, elongation at break (Eb) of rubber after vulcanization of the rubber composition,
The results of measuring the elastic modulus at 300% elongation and 2% tan δ at 25 ° C. are shown in Table 1 below. Mooney viscosity (ML
1 + 4 ), elongation at break (Eb), elastic modulus at 300% elongation (Mod), and 2% tan δ at 25 ° C. were measured by the following methods. (1) Mooney viscosity (ML 1 + 4 ) Measured at 130 ° C. using a Mooney viscometer manufactured by Shimadzu Corporation. The test method is performed according to JIS K6300 and ML
1 + 4 (1 minute after preheating, 4 minutes running Mooney value)
Expressed as an index (Index). (2) Elongation at break (Eb), modulus at 300% elongation (Mod) and Mooney viscosity of the vulcanized rubber were evaluated according to JIS K6301. (3) 25 ° C 2% tan δ Using a viscoelastic spectrometer manufactured by Iwamoto Seisakusho, length 2
25 ° C for a sample of 0 mm x width 5 mm x thickness 2 mm, 2
The lossant tan δ was measured at% strain. In addition, the Mooney viscosity (M
L 1 + 4 ), elongation at break (Eb), elastic modulus at 300% elongation (Mod), and an index with 100 at 25 ° C. and 2% tan δ. [Table 1] From the results shown in Table 1, the following was found. Examples 1 to 4 are rubber compositions for a tire tread included in the scope of the present invention, and have a Mooney viscosity (ML 1 + 4 ) and elongation at break as compared with Comparative Examples 1 to 7 not included in the scope of the present invention. (E
b), modulus at 300% elongation (Mod) and 25 ° C.
It was found that 2% tan δ was significantly improved. According to the present invention, there is provided a rubber composition for a tire tread which exhibits excellent workability while maintaining the effect of improving low heat build-up.
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08L 9/00 - 21/00
C08K 3/00
C08K 5/00 Continuation of front page (58) Field surveyed (Int. Cl. 7 , DB name) C08L 9/00-21/00 C08K 3/00 C08K 5/00