JP3344927B2 - シングルビーム衛星通信方式 - Google Patents
シングルビーム衛星通信方式Info
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- JP3344927B2 JP3344927B2 JP19683897A JP19683897A JP3344927B2 JP 3344927 B2 JP3344927 B2 JP 3344927B2 JP 19683897 A JP19683897 A JP 19683897A JP 19683897 A JP19683897 A JP 19683897A JP 3344927 B2 JP3344927 B2 JP 3344927B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信衛星がサービ
スエリアを単一の衛星アンテナビームで照射し、サービ
スエリア内の地球局間が通信衛星に搭載されたトランス
ポンダを介する通信回線で接続されるシングルビーム衛
星通信方式に関する。
スエリアを単一の衛星アンテナビームで照射し、サービ
スエリア内の地球局間が通信衛星に搭載されたトランス
ポンダを介する通信回線で接続されるシングルビーム衛
星通信方式に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、シングルビーム衛星通信方式に
おける衛星アンテナビームの等価等方輻射電力(eir
p:effective isotoropically radiated power)のコ
ンター(等高線)の一例を示す模式図である。具体的に
は、このコンター図は、昭和62年度電気通信技術審議
会答申諮問第6号「通信衛星3号等の中継器の効率的利
用のための技術的条件及び地球局の標準化」170ペー
ジに示された通信衛星スーパーバードA号の12GHz
帯垂直偏波照射区域の図である。eirpは、地球局に
向けて放射される衛星アンテナビームの強度を表すパラ
メータとしてよく用いられるものであり、この値が大き
いほど電波の強度が強いことを表す。なお、eirp
は、衛星アンテナビームの中心において得られるピーク
利得を基準(0dB)とし、これに対する相対値のデシ
ベル表示によって表現される。
おける衛星アンテナビームの等価等方輻射電力(eir
p:effective isotoropically radiated power)のコ
ンター(等高線)の一例を示す模式図である。具体的に
は、このコンター図は、昭和62年度電気通信技術審議
会答申諮問第6号「通信衛星3号等の中継器の効率的利
用のための技術的条件及び地球局の標準化」170ペー
ジに示された通信衛星スーパーバードA号の12GHz
帯垂直偏波照射区域の図である。eirpは、地球局に
向けて放射される衛星アンテナビームの強度を表すパラ
メータとしてよく用いられるものであり、この値が大き
いほど電波の強度が強いことを表す。なお、eirp
は、衛星アンテナビームの中心において得られるピーク
利得を基準(0dB)とし、これに対する相対値のデシ
ベル表示によって表現される。
【0003】図において、コンター2〜10は、eir
pが同一利得となる点を結んだものであり、それぞれe
irp=−2dB、−4dB、−6dB、−10dB、
−20dB、−30dBに対応する。これらコンターは
同心状に形成され、上述したように、衛星アンテナビー
ムの中心に対応するコンター中心部に到るほど利得が高
くなることがわかる。
pが同一利得となる点を結んだものであり、それぞれe
irp=−2dB、−4dB、−6dB、−10dB、
−20dB、−30dBに対応する。これらコンターは
同心状に形成され、上述したように、衛星アンテナビー
ムの中心に対応するコンター中心部に到るほど利得が高
くなることがわかる。
【0004】図6は、従来のシングルビーム衛星通信方
式を説明する模式図である。図において、点線で示した
同心状閉曲線がコンター20である。eirpのコンタ
ーの形状は、衛星搭載アンテナの指向性パターンや衛星
と地球局との位置関係に依存する。衛星搭載アンテナの
送信利得コンターと受信利得コンターとは、ほぼ同一形
状を有するように設計されることが多い。よって、以
降、コンター20は衛星搭載アンテナの送信及び受信利
得のコンターとして説明する。
式を説明する模式図である。図において、点線で示した
同心状閉曲線がコンター20である。eirpのコンタ
ーの形状は、衛星搭載アンテナの指向性パターンや衛星
と地球局との位置関係に依存する。衛星搭載アンテナの
送信利得コンターと受信利得コンターとは、ほぼ同一形
状を有するように設計されることが多い。よって、以
降、コンター20は衛星搭載アンテナの送信及び受信利
得のコンターとして説明する。
【0005】例えば、図に示すように日本国内各地に地
球局を設置し、衛星通信サービスを提供する場合、衛星
搭載アンテナの利得は、日本国領土内で均一な通信品質
を確保するために領土内でできるだけ平坦であり、領土
外で他国との電波与干渉/被干渉を抑制するために急激
に低下することが望ましい。
球局を設置し、衛星通信サービスを提供する場合、衛星
搭載アンテナの利得は、日本国領土内で均一な通信品質
を確保するために領土内でできるだけ平坦であり、領土
外で他国との電波与干渉/被干渉を抑制するために急激
に低下することが望ましい。
【0006】しかし、現実には、そのような利得の位置
依存性を実現することは難しい。つまり、日本のような
細長い領土形状や複雑な領土形状に対応して、コンター
形状を設定することには限界がある。そのため、現状で
は、もっぱら本州では平坦な利得を得られるが、北海道
や九州地域では徐々に利得が低下するようなコンター形
状となっている例が多い。図6に示す例では、衛星搭載
アンテナは、送信、受信のいずれにおいても、札幌に設
置した地球局30の方向ではビーム中心での最大利得に
対し約5dB、東京設置の地球局32の方向で約1d
B、大阪設置の地球局34の方向で約1dB、那覇設定
の地球局36の方向で約5dBだけ利得が低下する。
依存性を実現することは難しい。つまり、日本のような
細長い領土形状や複雑な領土形状に対応して、コンター
形状を設定することには限界がある。そのため、現状で
は、もっぱら本州では平坦な利得を得られるが、北海道
や九州地域では徐々に利得が低下するようなコンター形
状となっている例が多い。図6に示す例では、衛星搭載
アンテナは、送信、受信のいずれにおいても、札幌に設
置した地球局30の方向ではビーム中心での最大利得に
対し約5dB、東京設置の地球局32の方向で約1d
B、大阪設置の地球局34の方向で約1dB、那覇設定
の地球局36の方向で約5dBだけ利得が低下する。
【0007】さて、従来のシングルビーム衛星通信方式
では、静止衛星軌道上の通信衛星は例えば複数のトラン
スポンダ(中継器)を搭載されている。各トランスポン
ダは、通信衛星がサービスを提供する通信帯域の各区分
をそれぞれ分担し、それらが収納する通信回線に対し
て、同一利得での中継サービスを提供する。図6におい
ては、トランスポンダ40〜44が通信衛星に搭載され
通信回線の中継を行う。このトランスポンダ40〜44
の図は、併せてトランスポンダの帯域と利得との関係も
示しており、トランスポンダの幅が帯域を、そして高さ
が利得を表現している。
では、静止衛星軌道上の通信衛星は例えば複数のトラン
スポンダ(中継器)を搭載されている。各トランスポン
ダは、通信衛星がサービスを提供する通信帯域の各区分
をそれぞれ分担し、それらが収納する通信回線に対し
て、同一利得での中継サービスを提供する。図6におい
ては、トランスポンダ40〜44が通信衛星に搭載され
通信回線の中継を行う。このトランスポンダ40〜44
の図は、併せてトランスポンダの帯域と利得との関係も
示しており、トランスポンダの幅が帯域を、そして高さ
が利得を表現している。
【0008】ここで、上記地球局30〜36が同一直径
のアンテナ、同一の送信機出力を備えた同一規模の局で
あり、同一形式の電波を用いて、例えばトランスポンダ
40〜44を介して相互に通信した場合、通信する地球
局の位置の組み合わせにより、受信レベルには差異が生
じる。
のアンテナ、同一の送信機出力を備えた同一規模の局で
あり、同一形式の電波を用いて、例えばトランスポンダ
40〜44を介して相互に通信した場合、通信する地球
局の位置の組み合わせにより、受信レベルには差異が生
じる。
【0009】従来は、衛星搭載アンテナ利得の小さい地
域の地球局は地球局アンテナ径を大きくすることによ
り、上記レベル差を補っていた。例えば、図6に示す例
においては、札幌、那覇では、東京、大阪よりも4d
B、衛星搭載アンテナ利得が小さい。この地球局の受信
レベル差4dBを補うため、札幌、那覇の地球局では東
京、大阪の地球局のアンテナより、1.58倍の大きさ
を有するアンテナを設けていた。このように札幌、那覇
の地球局のアンテナを大きくすることにより、それら地
球局からアップリンクしたときの送信eirpも4dB
増加するので、札幌、東京、大阪、那覇での受信レベル
も4dB増加し、全国で同一の通信品質が確保できるよ
うに構成されていた。
域の地球局は地球局アンテナ径を大きくすることによ
り、上記レベル差を補っていた。例えば、図6に示す例
においては、札幌、那覇では、東京、大阪よりも4d
B、衛星搭載アンテナ利得が小さい。この地球局の受信
レベル差4dBを補うため、札幌、那覇の地球局では東
京、大阪の地球局のアンテナより、1.58倍の大きさ
を有するアンテナを設けていた。このように札幌、那覇
の地球局のアンテナを大きくすることにより、それら地
球局からアップリンクしたときの送信eirpも4dB
増加するので、札幌、東京、大阪、那覇での受信レベル
も4dB増加し、全国で同一の通信品質が確保できるよ
うに構成されていた。
【0010】なお、準ミリ波帯のKa、Ku帯を使用す
る衛星通信においては、上記衛星アンテナ利得の地域差
に加え、降雨による電波の減衰量(降雨減衰量)に対す
るマージンやその地域差を考慮して地球局の設備規模、
特にアンテナ径を定める必要がある。
る衛星通信においては、上記衛星アンテナ利得の地域差
に加え、降雨による電波の減衰量(降雨減衰量)に対す
るマージンやその地域差を考慮して地球局の設備規模、
特にアンテナ径を定める必要がある。
【0011】また、他の従来技術として、特開昭61−
281726号公報、特開昭62−199130号公報
に示されるように、通信衛星のビームをシングルではな
く、マルチビームとしてサービスエリアを複数のスポッ
トビームで覆い、衛星アンテナのコンターによる地域格
差をなくし、同一規模の地球局を用いて均一な通信品質
を確保するように構成されたマルチビーム衛星通信方式
があった。
281726号公報、特開昭62−199130号公報
に示されるように、通信衛星のビームをシングルではな
く、マルチビームとしてサービスエリアを複数のスポッ
トビームで覆い、衛星アンテナのコンターによる地域格
差をなくし、同一規模の地球局を用いて均一な通信品質
を確保するように構成されたマルチビーム衛星通信方式
があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のシングルビーム
衛星通信方式は、上述のように構成されているので、全
国で均一な通信品質を確保するためには、衛星アンテナ
利得の低い地域にあっては、地球局アンテナを大型とす
る必要があり、設備費用がかさむという問題点があっ
た。
衛星通信方式は、上述のように構成されているので、全
国で均一な通信品質を確保するためには、衛星アンテナ
利得の低い地域にあっては、地球局アンテナを大型とす
る必要があり、設備費用がかさむという問題点があっ
た。
【0013】一方、上記マルチビーム衛星通信方式とす
れば、ある程度この問題は緩和されるが、隣接するスポ
ットビーム相互の境界付近ではやはり衛星搭載アンテナ
の利得低下が生じる。すなわち、それに応じて地球局ア
ンテナ径を大きくしなければならず、シングルビームの
上記問題点は完全には解消しない。また、マルチビーム
衛星通信方式には、マルチビーム衛星自体が複雑で高価
になること、及びマルチビーム衛星通信方式とシングル
ビーム衛星通信方式は根本的に衛星の構成が異なるた
め、シングルビーム衛星通信方式の既存の衛星通信シス
テムに適用できないといった問題点があった。
れば、ある程度この問題は緩和されるが、隣接するスポ
ットビーム相互の境界付近ではやはり衛星搭載アンテナ
の利得低下が生じる。すなわち、それに応じて地球局ア
ンテナ径を大きくしなければならず、シングルビームの
上記問題点は完全には解消しない。また、マルチビーム
衛星通信方式には、マルチビーム衛星自体が複雑で高価
になること、及びマルチビーム衛星通信方式とシングル
ビーム衛星通信方式は根本的に衛星の構成が異なるた
め、シングルビーム衛星通信方式の既存の衛星通信シス
テムに適用できないといった問題点があった。
【0014】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、同一規模の地球局を用いながらも全国で均
質な通信品質を確保でき、また新規衛星のみならず運用
中のシングルビーム衛星にも適用できるシングルビーム
衛星通信方式を提供することを目的とする。
れたもので、同一規模の地球局を用いながらも全国で均
質な通信品質を確保でき、また新規衛星のみならず運用
中のシングルビーム衛星にも適用できるシングルビーム
衛星通信方式を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシングルビ
ーム衛星通信方式は、通信衛星が利得の異なる複数のト
ランスポンダを有し、サービスエリア内での衛星アンテ
ナビームの利得の位置依存性と、相互に通信を行う2つ
の地球局の前記サービスエリア内でのそれぞれの位置と
に基づいて前記トランスポンダのいずれかを選択し、当
該トランスポンダに収容される通信回線を当該2つの地
球局間の通信に割り当てるというものである。
ーム衛星通信方式は、通信衛星が利得の異なる複数のト
ランスポンダを有し、サービスエリア内での衛星アンテ
ナビームの利得の位置依存性と、相互に通信を行う2つ
の地球局の前記サービスエリア内でのそれぞれの位置と
に基づいて前記トランスポンダのいずれかを選択し、当
該トランスポンダに収容される通信回線を当該2つの地
球局間の通信に割り当てるというものである。
【0016】本発明に係るシングルビーム衛星通信方式
は、前記各地球局との間に前記通信衛星を介した共通信
号回線を有して、前記地球局からの接続要求に応じて、
接続要求元の前記地球局と接続先の前記地球局とに通信
回線を割り当てる要求時回線割当多元接続方式の制御を
行う制御局を有し、前記制御局は、前記接続要求元の地
球局と前記接続先の地球局とに応じたトランスポンダの
前記選択を行って前記通信回線を割り当てるというもの
である。
は、前記各地球局との間に前記通信衛星を介した共通信
号回線を有して、前記地球局からの接続要求に応じて、
接続要求元の前記地球局と接続先の前記地球局とに通信
回線を割り当てる要求時回線割当多元接続方式の制御を
行う制御局を有し、前記制御局は、前記接続要求元の地
球局と前記接続先の地球局とに応じたトランスポンダの
前記選択を行って前記通信回線を割り当てるというもの
である。
【0017】本発明に係るシングルビーム衛星通信方式
は、前記複数のトランスポンダが、それぞれ前記衛星ア
ンテナビームの前記位置依存性と前記複数の地球局の前
記サービスエリア内での分布とに基づいた収容回線数を
有するものである。
は、前記複数のトランスポンダが、それぞれ前記衛星ア
ンテナビームの前記位置依存性と前記複数の地球局の前
記サービスエリア内での分布とに基づいた収容回線数を
有するものである。
【0018】本発明に係るシングルビーム衛星通信方式
は、前記制御局が、前記地球局から当該地球局の地域が
降雨時であることを通知されると、前記複数のトランス
ポンダの中から、非降雨時に割り当てられるものよりも
高い利得を有するトランスポンダを選択して、当該トラ
ンスポンダに収容される前記通信回線を当該地球局の通
信に割り当てるというものである。
は、前記制御局が、前記地球局から当該地球局の地域が
降雨時であることを通知されると、前記複数のトランス
ポンダの中から、非降雨時に割り当てられるものよりも
高い利得を有するトランスポンダを選択して、当該トラ
ンスポンダに収容される前記通信回線を当該地球局の通
信に割り当てるというものである。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
【0020】[実施の形態1]図1は、本発明の第1の
実施の形態であるシングルビーム衛星通信方式を説明す
る模式図である。図に示すシングルビーム衛星通信方式
による通信ネットワークは、日本国内をサービスエリア
とするものであり、札幌、東京、大阪、那覇にそれぞれ
地球局50〜56が設置される。
実施の形態であるシングルビーム衛星通信方式を説明す
る模式図である。図に示すシングルビーム衛星通信方式
による通信ネットワークは、日本国内をサービスエリア
とするものであり、札幌、東京、大阪、那覇にそれぞれ
地球局50〜56が設置される。
【0021】通信衛星は3つのトランスポンダ60、6
2、64を搭載している。ここでは図示の都合上、これ
らトランスポンダ60〜64全体を通信衛星70とみな
して説明する。通信衛星70は、シングルビームでサー
ビスエリア全体を照射する。
2、64を搭載している。ここでは図示の都合上、これ
らトランスポンダ60〜64全体を通信衛星70とみな
して説明する。通信衛星70は、シングルビームでサー
ビスエリア全体を照射する。
【0022】衛星搭載アンテナから放射される衛星アン
テナビームの利得、すなわち、eirpの位置依存性
は、図において、ビーム強度が同一の点を結んだコンタ
ー(等高線)80〜84により示されている。コンター
80、82、84は、衛星アンテナビームの中心におい
て得られるピーク利得を基準(0dB)とし、これに対
しそれぞれeirp=−2dB、−4dB、−6dBの
利得差を有する地点を結んだ等高線である。具体的に
は、東京、大阪ではeirpはピーク利得に対し、約1
dB低下し、札幌、那覇では約5dB低下する。なお、
従来技術で述べたように、衛星搭載アンテナの送信利得
コンターと受信利得コンターとは、ほぼ同一形状を有す
るように設計されているものとして説明する。
テナビームの利得、すなわち、eirpの位置依存性
は、図において、ビーム強度が同一の点を結んだコンタ
ー(等高線)80〜84により示されている。コンター
80、82、84は、衛星アンテナビームの中心におい
て得られるピーク利得を基準(0dB)とし、これに対
しそれぞれeirp=−2dB、−4dB、−6dBの
利得差を有する地点を結んだ等高線である。具体的に
は、東京、大阪ではeirpはピーク利得に対し、約1
dB低下し、札幌、那覇では約5dB低下する。なお、
従来技術で述べたように、衛星搭載アンテナの送信利得
コンターと受信利得コンターとは、ほぼ同一形状を有す
るように設計されているものとして説明する。
【0023】さて、衛星搭載アンテナ利得の地上位置に
対する依存性により、各地球局50〜56相互を接続す
る衛星通信回線には、eirpのピーク利得からの利得
低下に差が生じる。その利得変化量は、接続される地球
局の組み合わせに応じて定まる。表1は、この地球局の
組み合わせごとの利得差を示すものである。表には、左
欄に示される地点を送信位置とし上欄に示される地点を
受信位置とした場合の利得変化量が示されている。
対する依存性により、各地球局50〜56相互を接続す
る衛星通信回線には、eirpのピーク利得からの利得
低下に差が生じる。その利得変化量は、接続される地球
局の組み合わせに応じて定まる。表1は、この地球局の
組み合わせごとの利得差を示すものである。表には、左
欄に示される地点を送信位置とし上欄に示される地点を
受信位置とした場合の利得変化量が示されている。
【表1】
【0024】本発明によるシングルビーム衛星通信方式
では、各地球局50〜56はその位置に拘わらず全て同
一直径のアンテナを備えている。そのため、通信回線の
利得低下のうち衛星搭載アンテナと地球局との位置関係
に起因する成分は、上記表1に示されるようになる。
では、各地球局50〜56はその位置に拘わらず全て同
一直径のアンテナを備えている。そのため、通信回線の
利得低下のうち衛星搭載アンテナと地球局との位置関係
に起因する成分は、上記表1に示されるようになる。
【0025】本方式の通信衛星70は、異なる利得を有
したトランスポンダ60〜64を搭載し、衛星搭載アン
テナと地球局との位置関係に起因する通信回線の上記利
得低下成分を、トランスポンダ60〜64の利得の相違
により補償する。これにより、地球局の設備はその位置
によらず同等としつつ、サービスエリア全域で均質の通
信品質が提供される。このトランスポンダ60〜64に
よる利得補償の仕方を以下、詳細に説明する。
したトランスポンダ60〜64を搭載し、衛星搭載アン
テナと地球局との位置関係に起因する通信回線の上記利
得低下成分を、トランスポンダ60〜64の利得の相違
により補償する。これにより、地球局の設備はその位置
によらず同等としつつ、サービスエリア全域で均質の通
信品質が提供される。このトランスポンダ60〜64に
よる利得補償の仕方を以下、詳細に説明する。
【0026】各トランスポンダ60〜64は、通信衛星
70がサービスを提供する通信帯域の各区分をそれぞれ
分担する。図1に示されるトランスポンダ60〜64の
図は、トランスポンダの帯域と利得との関係の情報も示
しており、各トランスポンダの図の幅が帯域を、そして
高さが利得を表現している。ここでは、例えば、トラン
スポンダ60は、通信帯域のうち周波数が低い区分を分
担し、低い伝送利得を有し、トランスポンダ64は周波
数が高い区分を分担し、高い伝送利得を有し、またトラ
ンスポンダ62はそれらの中間の区分を分担し、中程度
の伝送利得を有する。なお、ここで重要なのは各トラン
スポンダが異なる伝送利得を有することであって、それ
らの利得の高低とそれらが分担する帯域の高低との組み
合わせは、ここで示すもの以外であってもよい。
70がサービスを提供する通信帯域の各区分をそれぞれ
分担する。図1に示されるトランスポンダ60〜64の
図は、トランスポンダの帯域と利得との関係の情報も示
しており、各トランスポンダの図の幅が帯域を、そして
高さが利得を表現している。ここでは、例えば、トラン
スポンダ60は、通信帯域のうち周波数が低い区分を分
担し、低い伝送利得を有し、トランスポンダ64は周波
数が高い区分を分担し、高い伝送利得を有し、またトラ
ンスポンダ62はそれらの中間の区分を分担し、中程度
の伝送利得を有する。なお、ここで重要なのは各トラン
スポンダが異なる伝送利得を有することであって、それ
らの利得の高低とそれらが分担する帯域の高低との組み
合わせは、ここで示すもの以外であってもよい。
【0027】本実施の形態では、地球局の組み合わせご
とに通信回線すなわち周波数が固定で割り当てられる。
つまりある地球局の組み合わせ間での通信は、常に同一
の周波数に設定される通信回線を用いて行われる。
とに通信回線すなわち周波数が固定で割り当てられる。
つまりある地球局の組み合わせ間での通信は、常に同一
の周波数に設定される通信回線を用いて行われる。
【0028】さて本方式の大きな特徴を具体的に説明す
る。まず、札幌、那覇といった衛星搭載アンテナ利得の
低い地域と、同様に衛星搭載アンテナ利得の低い地域と
を接続する通信回線は、伝送利得の高いトランスポンダ
64に収容された通信回線の中から選択されて固定的に
割り当てられる。また、東京、大阪といった衛星搭載ア
ンテナ利得の高い地域と、同様に衛星搭載アンテナ利得
の高い地域とを接続する通信回線は、伝送利得の低いト
ランスポンダ60に収容された通信回線の中から選択さ
れて固定的に割り当てられる。また、衛星搭載アンテナ
利得の高い地域と、衛星搭載アンテナ利得の低い地域と
を接続する通信回線は、伝送利得の中程度のトランスポ
ンダ62に収容された通信回線の中から選択されて固定
的に割り当てられる。
る。まず、札幌、那覇といった衛星搭載アンテナ利得の
低い地域と、同様に衛星搭載アンテナ利得の低い地域と
を接続する通信回線は、伝送利得の高いトランスポンダ
64に収容された通信回線の中から選択されて固定的に
割り当てられる。また、東京、大阪といった衛星搭載ア
ンテナ利得の高い地域と、同様に衛星搭載アンテナ利得
の高い地域とを接続する通信回線は、伝送利得の低いト
ランスポンダ60に収容された通信回線の中から選択さ
れて固定的に割り当てられる。また、衛星搭載アンテナ
利得の高い地域と、衛星搭載アンテナ利得の低い地域と
を接続する通信回線は、伝送利得の中程度のトランスポ
ンダ62に収容された通信回線の中から選択されて固定
的に割り当てられる。
【0029】このように通信回線の割り当てを行うこと
により、表1に示した衛星搭載アンテナ利得に起因する
アップリンク、ダウンリンクでの通信回線の利得低下成
分をキャンセルすることができる。例えば、トランスポ
ンダ60〜64の伝送利得差は、トランスポンダ60の
伝送利得を基準として、トランスポンダ62が+4d
B、トランスポンダ64が+8dBとなるように設定す
ることができる。この場合、地球局の位置する地域差が
解消され、各地球局が同等の設備、特に同等サイズのア
ンテナを用いつつ、サービスエリア全体で均質な品質の
通信サービスが提供される。
により、表1に示した衛星搭載アンテナ利得に起因する
アップリンク、ダウンリンクでの通信回線の利得低下成
分をキャンセルすることができる。例えば、トランスポ
ンダ60〜64の伝送利得差は、トランスポンダ60の
伝送利得を基準として、トランスポンダ62が+4d
B、トランスポンダ64が+8dBとなるように設定す
ることができる。この場合、地球局の位置する地域差が
解消され、各地球局が同等の設備、特に同等サイズのア
ンテナを用いつつ、サービスエリア全体で均質な品質の
通信サービスが提供される。
【0030】なお、ここでは、通信衛星70に搭載され
るトランスポンダは、3本の例を示したが、実現すべき
通信品質等の条件に応じて、2本以上の任意の数のトラ
ンスポンダを用いて本方式を実施することができる。
るトランスポンダは、3本の例を示したが、実現すべき
通信品質等の条件に応じて、2本以上の任意の数のトラ
ンスポンダを用いて本方式を実施することができる。
【0031】[実施の形態2]図2は、本発明の第2の
実施の形態であるシングルビーム衛星通信方式を説明す
る模式図である。図に示すシングルビーム衛星通信方式
による通信ネットワークは、図1と同様、日本国内をサ
ービスエリアとするものである。通信衛星70の衛星搭
載アンテナの利得コンターは上記実施の形態と同じ形状
であり、図1同様、コンター80〜84で表す。また、
札幌、東京、大阪、那覇にそれぞれ地球局50〜56が
設置される点も上記実施の形態と同じである。
実施の形態であるシングルビーム衛星通信方式を説明す
る模式図である。図に示すシングルビーム衛星通信方式
による通信ネットワークは、図1と同様、日本国内をサ
ービスエリアとするものである。通信衛星70の衛星搭
載アンテナの利得コンターは上記実施の形態と同じ形状
であり、図1同様、コンター80〜84で表す。また、
札幌、東京、大阪、那覇にそれぞれ地球局50〜56が
設置される点も上記実施の形態と同じである。
【0032】さて、本実施の形態では、要求時回線割当
多元接続(DAMA:Demand Assignment Multiple Acc
ess)方式による回線制御を行うために、地上にDAM
A制御局90が設置される。DAMA制御局90は各地
球局との間に、通信衛星70を介した共通信号回線92
を有する。通信衛星70は、上記実施の形態と同様、伝
送利得の異なる3つのトランスポンダ60、62、64
を搭載している。上記共通信号回線92には、例えば、
伝送利得の最も高いトランスポンダ64に収容される回
線が割り当てられる。これにより、衛星搭載アンテナ利
得の低い地域に位置する地球局(例えば、地球局50、
56)であっても、他の地球局(例えば52、54)と
同様の設備で、共通信号回線92を安定して利用でき
る。
多元接続(DAMA:Demand Assignment Multiple Acc
ess)方式による回線制御を行うために、地上にDAM
A制御局90が設置される。DAMA制御局90は各地
球局との間に、通信衛星70を介した共通信号回線92
を有する。通信衛星70は、上記実施の形態と同様、伝
送利得の異なる3つのトランスポンダ60、62、64
を搭載している。上記共通信号回線92には、例えば、
伝送利得の最も高いトランスポンダ64に収容される回
線が割り当てられる。これにより、衛星搭載アンテナ利
得の低い地域に位置する地球局(例えば、地球局50、
56)であっても、他の地球局(例えば52、54)と
同様の設備で、共通信号回線92を安定して利用でき
る。
【0033】各地球局50〜56は、送信を行う要求が
ある場合、共通信号回線92を介して、回線接続要求を
DAMA制御局90に送る。DAMA制御局90は、接
続要求元の地球局及び接続先の地球局のサービスエリア
内での位置と、コンター80〜84で表されるような衛
星搭載アンテナ利得の位置依存性とに基づいて、要求元
と接続先との間での衛星搭載アンテナに起因する通信回
線の利得低下を推定する。そして、DAMA制御局90
は、その利得低下の大小に応じて、トランスポンダ60
〜64のいずれかを選択する。つまり、衛星搭載アンテ
ナと地球局との位置関係に起因する利得低下が大きいと
きは、伝送利得の大きいトランスポンダに収容された通
信回線が割り当てられ、通信回線の品質がその両端の地
球局の位置に依存せず一定レベル以上に保たれる。
ある場合、共通信号回線92を介して、回線接続要求を
DAMA制御局90に送る。DAMA制御局90は、接
続要求元の地球局及び接続先の地球局のサービスエリア
内での位置と、コンター80〜84で表されるような衛
星搭載アンテナ利得の位置依存性とに基づいて、要求元
と接続先との間での衛星搭載アンテナに起因する通信回
線の利得低下を推定する。そして、DAMA制御局90
は、その利得低下の大小に応じて、トランスポンダ60
〜64のいずれかを選択する。つまり、衛星搭載アンテ
ナと地球局との位置関係に起因する利得低下が大きいと
きは、伝送利得の大きいトランスポンダに収容された通
信回線が割り当てられ、通信回線の品質がその両端の地
球局の位置に依存せず一定レベル以上に保たれる。
【0034】DAMA方式を採用することにより、1つ
の通信回線を回線接続要求に応じてダイナミックに割り
当てることができ、回線の有効利用が図られる。つま
り、回線利用率が向上させることができるので、通信衛
星70に搭載されたトランスポンダに収容される回線数
を同じとした場合、DAMA方式によれば固定割当方式
よりも利用者の多い大規模なネットワークを構築、運用
することができる。
の通信回線を回線接続要求に応じてダイナミックに割り
当てることができ、回線の有効利用が図られる。つま
り、回線利用率が向上させることができるので、通信衛
星70に搭載されたトランスポンダに収容される回線数
を同じとした場合、DAMA方式によれば固定割当方式
よりも利用者の多い大規模なネットワークを構築、運用
することができる。
【0035】[実施の形態3]図3は、本発明の第3の
実施の形態であるシングルビーム衛星通信方式を説明す
る模式図である。図に示すシングルビーム衛星通信方式
による通信ネットワークは、図1と同様、日本国内をサ
ービスエリアとするものである。通信衛星70の衛星搭
載アンテナの利得コンターは上記実施の形態と同じ形状
であり、図1同様、コンター80〜84で表す。また、
地球局の一例として札幌、東京、大阪、那覇に設置され
る地球局50〜56が示されている。
実施の形態であるシングルビーム衛星通信方式を説明す
る模式図である。図に示すシングルビーム衛星通信方式
による通信ネットワークは、図1と同様、日本国内をサ
ービスエリアとするものである。通信衛星70の衛星搭
載アンテナの利得コンターは上記実施の形態と同じ形状
であり、図1同様、コンター80〜84で表す。また、
地球局の一例として札幌、東京、大阪、那覇に設置され
る地球局50〜56が示されている。
【0036】さて、本実施の形態では通信衛星70に
は、3つのトランスポンダ100〜104が搭載され
る。これらトランスポンダ100〜104は、上記実施
の形態と同様、異なる伝送利得を有するが、さらにこれ
らトランスポンダ100〜104は、各伝送利得に対す
るニーズに対応した帯域幅、すなわち通信回線数を有す
る。
は、3つのトランスポンダ100〜104が搭載され
る。これらトランスポンダ100〜104は、上記実施
の形態と同様、異なる伝送利得を有するが、さらにこれ
らトランスポンダ100〜104は、各伝送利得に対す
るニーズに対応した帯域幅、すなわち通信回線数を有す
る。
【0037】図3に示されるトランスポンダ100〜1
04の図は、図1と同様、トランスポンダの帯域と利得
との関係の情報も示しており、各トランスポンダの図の
幅が帯域を、そして高さが利得を表現している。ここで
は、例えば、トランスポンダ100は、低い伝送利得を
有するとともに、広い帯域を有し収容回線数も多い。ト
ランスポンダ104は、高い伝送利得を有するととも
に、狭い帯域を有し収容回線数が少ない。またトランス
ポンダ102は、中程度の伝送利得を有し、帯域幅はト
ランスポンダ100、104の中間の大きさである。な
お、ここで示す各トランスポンダの帯域幅の大小関係は
一例であり、各トランスポンダが有する異なる伝送利得
に対するニーズに応じて変わりうる。
04の図は、図1と同様、トランスポンダの帯域と利得
との関係の情報も示しており、各トランスポンダの図の
幅が帯域を、そして高さが利得を表現している。ここで
は、例えば、トランスポンダ100は、低い伝送利得を
有するとともに、広い帯域を有し収容回線数も多い。ト
ランスポンダ104は、高い伝送利得を有するととも
に、狭い帯域を有し収容回線数が少ない。またトランス
ポンダ102は、中程度の伝送利得を有し、帯域幅はト
ランスポンダ100、104の中間の大きさである。な
お、ここで示す各トランスポンダの帯域幅の大小関係は
一例であり、各トランスポンダが有する異なる伝送利得
に対するニーズに応じて変わりうる。
【0038】各地球局間に通信回線を固定的に割り当て
る本実施の形態では、トランスポンダ100〜104の
それぞれの収容回線数は、衛星搭載アンテナの利得の位
置依存性と、各地球局のサービスエリア内での分布とに
基づいて定められる。つまり、まず、各地球局間の通信
において使用されるトランスポンダは、上記実施の形態
で述べたように、衛星搭載アンテナの利得の位置依存性
と当該地球局のサービスエリア内での位置とに応じて選
択される。
る本実施の形態では、トランスポンダ100〜104の
それぞれの収容回線数は、衛星搭載アンテナの利得の位
置依存性と、各地球局のサービスエリア内での分布とに
基づいて定められる。つまり、まず、各地球局間の通信
において使用されるトランスポンダは、上記実施の形態
で述べたように、衛星搭載アンテナの利得の位置依存性
と当該地球局のサービスエリア内での位置とに応じて選
択される。
【0039】よって、例えば、東京の地球局52、大阪
の地球局54が属するコンター80内にこれら以外に多
くの地球局が存在する場合、それらコンター80内の地
球局同士を接続する組み合わせが増加し、伝送利得が低
い通信回線が多く必要となる。一方、衛星搭載アンテナ
利得のコンター80〜84は、その利得が低下するサー
ビスエリアの周辺部分、例えばコンター82の外側に位
置する地球局がなるべく少なくなるように設定される。
そのため、札幌−那覇間のように伝送利得の高いトラン
スポンダ104を利用する回線の数は少なく、札幌−大
阪間のように中程度の伝送利得のトランスポンダ102
を利用する回線の数は、トランスポンダ100、104
をそれぞれ利用する回線の数の中間程度となりうる。
の地球局54が属するコンター80内にこれら以外に多
くの地球局が存在する場合、それらコンター80内の地
球局同士を接続する組み合わせが増加し、伝送利得が低
い通信回線が多く必要となる。一方、衛星搭載アンテナ
利得のコンター80〜84は、その利得が低下するサー
ビスエリアの周辺部分、例えばコンター82の外側に位
置する地球局がなるべく少なくなるように設定される。
そのため、札幌−那覇間のように伝送利得の高いトラン
スポンダ104を利用する回線の数は少なく、札幌−大
阪間のように中程度の伝送利得のトランスポンダ102
を利用する回線の数は、トランスポンダ100、104
をそれぞれ利用する回線の数の中間程度となりうる。
【0040】本実施の形態では、このような各トランス
ポンダ100〜104を利用する回線の数に応じて、そ
れぞれの帯域を増減して収容回線数を定める点に大きな
特徴がある。
ポンダ100〜104を利用する回線の数に応じて、そ
れぞれの帯域を増減して収容回線数を定める点に大きな
特徴がある。
【0041】なお、実施の形態2に示したようなDAM
A方式の回線制御のように、通信回線がダイナミックに
割り当てられる場合には、上述した地球局の組み合わせ
だけでなく、さらにそれらの間の通信トラフィックを考
慮して各トランスポンダ100〜104の収容回線数を
定めることにより、一層の各トランスポンダの有効利用
が図られる。
A方式の回線制御のように、通信回線がダイナミックに
割り当てられる場合には、上述した地球局の組み合わせ
だけでなく、さらにそれらの間の通信トラフィックを考
慮して各トランスポンダ100〜104の収容回線数を
定めることにより、一層の各トランスポンダの有効利用
が図られる。
【0042】例えば、通信衛星70を利用したネットワ
ークが電話回線網である場合には、各地球局の配下の各
種の利用者通信端末数などが通信トラフィックに影響を
与える要因として考えられる。この利用者通信端末数や
これまでの通信の実績などに基づいて各トランスポンダ
100〜104を利用する通信トラフィックをそれぞれ
推定し、それが大きいトランスポンダに対しては広い帯
域を与え、逆に小さい場合には狭い帯域を与える。
ークが電話回線網である場合には、各地球局の配下の各
種の利用者通信端末数などが通信トラフィックに影響を
与える要因として考えられる。この利用者通信端末数や
これまでの通信の実績などに基づいて各トランスポンダ
100〜104を利用する通信トラフィックをそれぞれ
推定し、それが大きいトランスポンダに対しては広い帯
域を与え、逆に小さい場合には狭い帯域を与える。
【0043】[実施の形態4]図4は、本発明の第4の
実施の形態であるシングルビーム衛星通信方式を説明す
る模式図である。図に示すシングルビーム衛星通信方式
による通信ネットワークは、図2と同様、日本国内をサ
ービスエリアとし、DAMA制御局90を有するもので
ある。通信衛星70の衛星搭載アンテナの利得コンター
は上記実施の形態と同じ形状であり、図1同様、コンタ
ー80〜84で表す。また、地球局の一例として札幌、
東京、大阪、那覇に設置される地球局50〜56が示さ
れている。
実施の形態であるシングルビーム衛星通信方式を説明す
る模式図である。図に示すシングルビーム衛星通信方式
による通信ネットワークは、図2と同様、日本国内をサ
ービスエリアとし、DAMA制御局90を有するもので
ある。通信衛星70の衛星搭載アンテナの利得コンター
は上記実施の形態と同じ形状であり、図1同様、コンタ
ー80〜84で表す。また、地球局の一例として札幌、
東京、大阪、那覇に設置される地球局50〜56が示さ
れている。
【0044】本実施の形態では、ある地球局が降雨地域
にある場合、降雨によるミリ波等の電波の減衰を補償す
るため、当該地球局が使用する通信回線を伝送利得の高
いトランスポンダの回線に切り替える。具体的には、各
地球局は、DAMA方式の制御に用いる共通信号回線を
介してDAMA制御局90に対し、自局が降雨地域にあ
るか否かを通知する。DAMA制御局90は、この通知
に基づいて、通信回線の割り当てを行う。
にある場合、降雨によるミリ波等の電波の減衰を補償す
るため、当該地球局が使用する通信回線を伝送利得の高
いトランスポンダの回線に切り替える。具体的には、各
地球局は、DAMA方式の制御に用いる共通信号回線を
介してDAMA制御局90に対し、自局が降雨地域にあ
るか否かを通知する。DAMA制御局90は、この通知
に基づいて、通信回線の割り当てを行う。
【0045】図には、通常は、伝送利得の低いトランス
ポンダ100を用いた東京−大阪間の通信回線110
が、東京の地球局52と通信衛星70との間に降雨があ
る場合に伝送利得の高いトランスポンダ104を用いた
通信回線112に切り替えられることが例示されてい
る。
ポンダ100を用いた東京−大阪間の通信回線110
が、東京の地球局52と通信衛星70との間に降雨があ
る場合に伝送利得の高いトランスポンダ104を用いた
通信回線112に切り替えられることが例示されてい
る。
【0046】
【発明の効果】本発明のシングルビーム衛星通信方式に
よれば、通信衛星が異なる伝送利得のトランスポンダを
搭載し、衛星アンテナビームの利得の位置依存性と地球
局の位置とに基づいて、いずれのトランスポンダを使用
するかが選択される。これにより、構成がシンプルで経
済的なシングルビーム衛星を用いて、例えばその衛星ア
ンテナビームの利得が低いサービスエリアの周辺部の地
球局に対しては、衛星アンテナビームの利得低下を補償
するように伝送利得の高いトランスポンダに収容された
通信回線が割り当てられる。よって、衛星アンテナビー
ムの利得の低い地域における地球局の設備を他の地球局
と同等とすることができ、特にアンテナサイズの大型化
を防止することができるので、設備投資を抑制すること
ができるという効果が得られる。
よれば、通信衛星が異なる伝送利得のトランスポンダを
搭載し、衛星アンテナビームの利得の位置依存性と地球
局の位置とに基づいて、いずれのトランスポンダを使用
するかが選択される。これにより、構成がシンプルで経
済的なシングルビーム衛星を用いて、例えばその衛星ア
ンテナビームの利得が低いサービスエリアの周辺部の地
球局に対しては、衛星アンテナビームの利得低下を補償
するように伝送利得の高いトランスポンダに収容された
通信回線が割り当てられる。よって、衛星アンテナビー
ムの利得の低い地域における地球局の設備を他の地球局
と同等とすることができ、特にアンテナサイズの大型化
を防止することができるので、設備投資を抑制すること
ができるという効果が得られる。
【0047】また、本発明のシングルビーム衛星通信方
式によれば、通信回線が要求時回線割当多元接続方式に
より、異なる伝送利得を有したトランスポンダに収容さ
れた通信回線の割り当てがダイナミックに行われるの
で、通信回線の有効利用が図られ、より大規模なネット
ワークの構築、運用が可能となるという効果がある。
式によれば、通信回線が要求時回線割当多元接続方式に
より、異なる伝送利得を有したトランスポンダに収容さ
れた通信回線の割り当てがダイナミックに行われるの
で、通信回線の有効利用が図られ、より大規模なネット
ワークの構築、運用が可能となるという効果がある。
【0048】他の本発明のシングルビーム衛星通信方式
によれば、異なる伝送利得を有した複数のトランスポン
ダの収容回線数が、衛星アンテナビームの位置依存性と
地球局のサービスエリア内での分布とに基づいて定めら
れるので、トランスポンダの帯域を有効利用することが
できるという効果が得られる。
によれば、異なる伝送利得を有した複数のトランスポン
ダの収容回線数が、衛星アンテナビームの位置依存性と
地球局のサービスエリア内での分布とに基づいて定めら
れるので、トランスポンダの帯域を有効利用することが
できるという効果が得られる。
【0049】また、本発明のシングルビーム衛星通信方
式によれば、通信を行う地球局の少なくとも一方の地域
が降雨時である場合、制御局が当該地球局間の通信回線
として、通常より高い伝送利得を有したトランスポンダ
の回線を割り当てる。これにより、降雨時における降雨
減衰による受信レベルの低下が軽減され、安定した通信
品質が実現されるという効果が得られる。
式によれば、通信を行う地球局の少なくとも一方の地域
が降雨時である場合、制御局が当該地球局間の通信回線
として、通常より高い伝送利得を有したトランスポンダ
の回線を割り当てる。これにより、降雨時における降雨
減衰による受信レベルの低下が軽減され、安定した通信
品質が実現されるという効果が得られる。
【図1】 本発明の第1の実施の形態であるシングルビ
ーム衛星通信方式を説明する模式図である。
ーム衛星通信方式を説明する模式図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態であるシングルビ
ーム衛星通信方式を説明する模式図である。
ーム衛星通信方式を説明する模式図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態であるシングルビ
ーム衛星通信方式を説明する模式図である。
ーム衛星通信方式を説明する模式図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態であるシングルビ
ーム衛星通信方式を説明する模式図である。
ーム衛星通信方式を説明する模式図である。
【図5】 シングルビーム衛星通信方式における衛星ア
ンテナビームの等価等方輻射電力のコンターの一例を示
す模式図である。
ンテナビームの等価等方輻射電力のコンターの一例を示
す模式図である。
【図6】 従来のシングルビーム衛星通信方式を説明す
る模式図である。
る模式図である。
50,52,54,56 地球局、60,62,64,
100,102,104 トランスポンダ、80,8
2,84 コンター、90 DAMA制御局。
100,102,104 トランスポンダ、80,8
2,84 コンター、90 DAMA制御局。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/14 - 7/22
Claims (4)
- 【請求項1】 地球上の所定のサービスエリアを1つの
衛星アンテナビームで照射する通信衛星を介し、前記サ
ービスエリア内にそれぞれ配置された複数の地球局間で
の通信を行うシングルビーム衛星通信方式において、 前記通信衛星は、利得の異なる複数のトランスポンダを
有し、 前記サービスエリア内での前記衛星アンテナビームの利
得の位置依存性と、相互に通信を行う2つの前記地球局
の前記サービスエリア内でのそれぞれの位置とに基づい
て前記トランスポンダのいずれかを選択し、当該トラン
スポンダに収容される通信回線を当該2つの地球局間の
通信に割り当てること、 を特徴とするシングルビーム衛星通信方式。 - 【請求項2】 前記各地球局との間に前記通信衛星を介
した共通信号回線を有して、前記地球局からの接続要求
に応じて、接続要求元の前記地球局と接続先の前記地球
局とに通信回線を割り当てる要求時回線割当多元接続方
式の制御を行う制御局を有し、 前記制御局は、前記接続要求元の地球局と前記接続先の
地球局とに応じたトランスポンダの前記選択を行って前
記通信回線を割り当てること、 を特徴とする請求項1記載のシングルビーム衛星通信方
式。 - 【請求項3】 前記複数のトランスポンダは、それぞれ
前記衛星アンテナビームの前記位置依存性と前記複数の
地球局の前記サービスエリア内での分布とに基づいた収
容回線数を有すること、を特徴とする請求項1記載のシ
ングルビーム衛星通信方式。 - 【請求項4】 前記制御局は、前記地球局から当該地球
局の地域が降雨時であることを通知されると、前記複数
のトランスポンダの中から、非降雨時に割り当てられる
ものよりも高い利得を有するトランスポンダを選択し
て、当該トランスポンダに収容される前記通信回線を当
該地球局の通信に割り当てること、を特徴とする請求項
2記載のシングルビーム衛星通信方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19683897A JP3344927B2 (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | シングルビーム衛星通信方式 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19683897A JP3344927B2 (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | シングルビーム衛星通信方式 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1141160A JPH1141160A (ja) | 1999-02-12 |
JP3344927B2 true JP3344927B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=16364514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19683897A Expired - Fee Related JP3344927B2 (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | シングルビーム衛星通信方式 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3344927B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2254266A1 (en) * | 2009-05-20 | 2010-11-24 | Astrium Limited | Content broadcast |
-
1997
- 1997-07-23 JP JP19683897A patent/JP3344927B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1141160A (ja) | 1999-02-12 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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