JP3330504B2 - ボイラ−等用脱硝方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はボイラ−等用脱硝方
法、より詳細には、工場等において用いられるボイラ−
等から出る排ガス中のＮＯｘを除去するための方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の脱硝装置として、メインコントロ
−ラ２１、ボイラ−の燃焼室２２内に尿素水溶液を噴霧
するインジェクタ−２３、インジェクタ−２３からの尿
素水溶液噴霧量を設定するミキシングユニット２４、尿
素水溶液タンク２５、ガス分析計等から構成されるもの
がある（図３）。この装置においては、ボイラ−の排気
ガス中のＮＯｘの濃度、ボイラ−内の温度等を測定し、
メインコントロ−ラ２１においてＮＯｘを除去（脱硝）
するのに必要な尿素水溶液の最適量が計算され、その量
を噴霧すべくミキシングユニット２４の制御が行われ
る。

【０００３】上記従来の脱硝装置の場合、インジェクタ
−２３はボイラ−燃焼室２２の上部壁面に配置され、尿
素水溶液を高温排ガス（ 850℃〜1050℃）中に水滴とし
て直接インジェクションし、排ガス中のＮＯｘと直接還
元反応を行わせるが、インジェクタ−２３は高温の排ガ
ス中に晒されると共に、燃料中の不純物の影響を受けて
腐食したり詰まったりしやすく、寿命が短い。そのため
にインジェクタ−２３を頻繁に交換しなければならない
煩わしさがあり、その分余分なコストがかかっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述したように上記従
来の脱硝装置の場合には、インジェクタ−を頻繁に交換
しなければならない煩わしさがあり、その分余分なコス
トがかかるという問題があったので、本発明はそのよう
な問題のない、即ち、尿素水溶液供給手段の腐食が少な
く且つパイプ詰まりの問題が起きず、寿命が長くて度々
の交換が必要なく、低コストにて供給且つ維持管理し得
るボイラ−等用脱硝方法を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、ボイラ−等の
燃焼室の下部に耐熱資材製の釜を１ないし複数配し、前
記釜内に尿素水溶液を供給し、これを前記燃焼室内の温
度を利用して蒸発させることにより脱硝処理することを
特徴とするボイラ−等用脱硝方法、ないし、ボイラ−等
の燃焼室の下部に耐熱資材製の釜を１ないし複数配し、
前記釜内に尿素水溶液及び空気を供給し、前記空気によ
って尿素水溶液を噴霧することにより脱硝処理すること
を特徴とするボイラ−等用脱硝方法、を以て上記課題を
解決した。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
依拠して説明する。本発明に係る脱硝方法においては、
ボイラ−等の燃焼室１内部の下方に、セラミック、耐火
煉瓦等の耐熱資材製の釜２が配置され、釜２の中に供給
パイプ３によって尿素水溶液６が供給される。尿素水溶
液６は燃焼室１内の温度を利用して自然蒸発させるか、
釜２内にエアノズル４から空気圧を供給して噴霧させ
る。釜２は燃焼室１の大きさに応じて複数配備される。

【０００７】図２は釜２の構成例を示すもので、図２
（Ａ）に示す釜２は上面に蒸発穴５を有し、底は平坦に
されている。供給パイプ３は側壁に差し込まれ、そこか
ら内底に尿素水溶液６が供給される。釜２の内底に鉄板
等を配置し、その上に尿素水溶液を供給することもあ
る。

【０００８】図２（Ｂ）に示す釜２は２つの釜を二段に
連結したもので、供給パイプ３は下段釜２ａの底面に配
置され、下段釜２ａの上面開口部に逆止弁７が設置され
る。この逆止弁７は、下方の供給パイプ３から供給され
る尿素水溶液の水勢（ポンプ圧）によって開き、ポンプ
停止によって閉じて、上段釜２ｂ内に入った尿素水溶液
の逆流を防止する機能を果たす。上段釜２ｂは図２
（Ａ）に示すものと同様の形状で、上面に蒸発穴５を有
する。上段釜２ｂ内に蒸発板６を配することもある。

【０００９】図１において８は尿素コントロ−ルユニッ
トで、これに尿素を供給する尿素ライン９及び希釈水を
供給する希釈水ライン１０が接続され、また、尿素コン
トロ−ルユニット８に供給パイプ３につながる尿素水溶
液ライン１１が設置される。また、必要に応じ、エアノ
ズル４につながるエアライン１２が設置される。１３は
燃焼室１に連設された煙道１４内におけるＮＯｘ濃度を
検出するＮＯｘ計で、ＮＯｘ濃度及び酸素濃度に関する
情報を尿素コントロ−ルユニット８に供給する。

【００１０】尿素コントロ−ルユニット８においては、
ＮＯｘ計１３からの情報に基づいて釜２内へ供給すべき
尿素水溶液の量が算出され、その構成要素である尿素と
希釈水とを混合するミキシングユニットが制御され、以
て釜２内への尿素水溶液供給量の調整が行われる。釜２
内へ供給された尿素水溶液６は、燃焼室１内において自
然蒸発するが、室内は高温であるために蒸発が促進され
る。エアノズル４を備える場合は、エア圧によって噴霧
される。

【００１１】

【発明の効果】本発明は上述した通りであって、本発明
に係る方法によれば、尿素水溶液供給手段である釜が比
較的温度の低い（600 ℃程度）燃焼室の下部に配置され
るため、供給パイプ（インジェクタ−）が腐食しにく
く、パイプ詰まりも起こらず、耐久性に富むためにパイ
プ交換の煩わしさがなく、維持管理が容易で低コスト化
に資するところ大なる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る脱硝方法を示す図である。

【図２】 本発明に係る脱硝方法において用いる釜の形
状例を示す図である。

【図３】 従来の脱硝装置の例を示す図である。

【符号の説明】

１ 燃焼室 ２ 釜 ３ 供給パイプ ４ エアノズル ５ 蒸発穴 ６ 尿素水溶液 ７ 逆止弁 ８ 尿素コントロ−ルユニット ９ 尿素ライン 10 希釈水ライン 11 尿素水溶液ライン 12 エアライン 13 ＮＯｘ計 14 煙道

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボイラ−等の燃焼室の下部に耐熱資材製
   の釜を１ないし複数配し、前記釜内に尿素水溶液を供給
   し、これを前記燃焼室内の温度を利用して蒸発させるこ
   とにより脱硝処理することを特徴とするボイラ−等用脱
   硝方法。
2. 【請求項２】 ボイラ−等の燃焼室の下部に耐熱資材製
   の釜を１ないし複数配し、前記釜内に尿素水溶液及び空
   気を供給し、前記空気によって尿素水溶液を噴霧するこ
   とにより脱硝処理することを特徴とするボイラ−等用脱
   硝方法。