JP3319824B2 - 膜重量測定装置 - Google Patents
膜重量測定装置Info
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Description
等において、捕集板上に凝縮・堆積した蒸発物質の膜重
量を連続して測定する膜重量測定装置に関するものであ
る。
質の膜重量を測定する装置としては、例えば日電アネル
バ社カタログ「真空機器総合カタログ」1989年版第
189頁〜第192頁に示されている水晶振動子を、捕
集板として用いるものが一般的である。この水晶振動子
を捕集板とした膜重量測定装置は、水晶振動子の表面に
凝縮・堆積する蒸発物質の膜重量が変化すると、水晶振
動子の共振周波数がそれに対応して変化するという現象
を利用して、蒸発物質の膜重量を直接測定する。
来例においては、捕集板でありながら、なお計測電気回
路の構成要素である水晶振動子の温度が、設定温度より
も数℃程度でも偏位すると、水晶振動子の電気的特性か
ら共振周波数が無秩序に変動して安定せず、更には水晶
振動子の温度が400℃以上になると水晶振動子の発振
が停止してしまい、精密な重量測定ができなくなるとい
う欠点がある。
Hzの一般的な水晶振動子であるATカット水晶振動子
で、測定可能な最大重量は数mg程度、つまり共振周波
数変化で約300kHz程度と小さいため、積算の膜重量
が大きく変化するような測定対象には適用できないとい
う欠点がある。
解消し、温度変動の影響を受けずに、積算の膜重量が大
きく変化するような測定対象に対しても、高精度に連続
して膜重量変化を測定できる膜重量測定装置を提供する
ことにある。
めの本発明に係る膜重量測定装置は、捕集板に凝縮・堆
積した蒸発物質の膜重量を測定する膜重量測定装置であ
って、前記蒸発物質を凝縮・堆積させる捕集板と、該捕
集板に凝縮・堆積した前記蒸発物質の重量を検知する天
秤機構部と、該天秤機構部を設置する恒温機構付台座
と、前記天秤機構部と前記捕集板とを所要距離だけ遠去
けかつ機械的に連結する連結棒と、前記捕集板、天秤機
構部、連結棒を収容する密閉容器と、該密閉容器外に設
け前記天秤機構部を制御し重量を表示するための制御電
源部とを備えたことを特徴とする。
と恒温機構付台座上に設置した天秤機構部とを連結棒を
用いて所要距離だけ遠去けて連結し、更にこれらを同一
密閉容器内に設けて気体の流通を極力減らすと共に、天
秤機構部の温度を所要温度に制御維持した状態で、捕集
板に凝縮・堆積した蒸発物質の重量を測定する。
する。図1は実施例の構成図であり、真空環境下で加熱
蒸発した蒸発物質の膜重量測定装置を示すものである。
この実施例に係る膜重量測定装置は、共にステンレス鋼
などの金属材料で造られた蒸発源容器1と密閉容器2の
2つの部分から成り、これらは配管部3により連結され
気密が保持されている。
る蒸発源4及び加熱ヒータ5が設けられ、更に蒸発源4
上の離隔した位置には捕集板6が設けられている。捕集
板6には図示しない加熱ヒータが設けられており、捕集
板6は配管部3内を貫通する連結棒7を介して密閉容器
2内に設けられた天秤機構部8から吊り下げられてい
る。天秤機構部8は一部に連結棒7を通すための貫通孔
9を設けた台座10上に載置されており、台座10内に
は電熱ヒータ11が設けられ、水などの冷媒12が充填
されている。そして、台座10から天秤機構部8への熱
伝導によって天秤機構部8の温度を所望の温度に保つこ
とが可能とされている。
及び密閉容器2に貫設された端子14を介して密閉容器
2外に設けられた制御電源部15に接続されている。ま
た、密閉容器2には天秤機構部8を密閉容器2内に出し
入れするための開口部16が設けられており、開口部1
6は蓋17により閉塞されている。蒸発源容器1には弁
18を介して真空ポンプ19が接続されており、配管部
3と蒸発源容器1との連結は、締結金具20a、20b
によりなされている。
ることにより、捕集板6から蒸発源4内の蒸発物質Mが
直接見込める位置に設置されている。台座10は電熱ヒ
ータ11及び冷媒12を用いて加熱・冷却することによ
り、所望の温度に維持できるように構成され、制御電源
部15は天秤機構部8を密閉容器2の外部から制御す
る。
の膜重量は、以下のような手順で測定される。先ず、弁
18を開け真空ポンプ19によって蒸発源容器1及び密
閉容器2の内部を所要の真空状態にし、台座10の温度
を天秤機構部8の動作にとって最適な温度、例えば25
℃に制御・維持する。その後に、制御電源部15により
天秤機構部8を作動・制御して、真空状態での捕集板6
及び連結棒7の合算重量WOを前もって計測・記録してお
く。次いで、加熱ヒータ5を通電加熱すると、蒸発源4
に載置されている蒸発物質Mが矢印方向へ蒸発気化し、
捕集板6の下面に凝縮・堆積するので、この堆積した蒸
発物質Mと捕集板6及び連結棒7の合算重量W1を上記と
同様に計測・記録する。
WOは変化しないので、蒸発物質Mの捕集板6上への堆積
前後の値から凝縮・堆積した蒸発物質Mの膜重量ΔW
を、次式のように算出して測定することができる。 ΔW=W1−WO ・・・(1)
重量ΔWの算出方法について、区切って説明したが、連
続的に膜重量Wを測定できることは云うまでもない。
置を動作させている環境下で、その重量が変化すると正
確な膜重量を計測できなくなるので、白金、ステンレス
鋼、石英などの耐熱性が高くかつ化学的に不活性な材質
のものを用いることが好適である。更に、捕集板6及び
連結棒7の面積及び長さは、配管部3の形状寸法及び配
管部3に結合される蒸発源容器1など他の機器の形状寸
法に合わせて、それぞれ適当な面積及び長さに調整する
ことが好ましい。
囲は、使用する天秤機構部8が計測できる重量範囲内で
あれば制限はない。また、捕集板6の使用可能温度範囲
は、膜重量の測定前後で捕集板6の幾何学的形状及び重
量が変化しない温度範囲であれば特に制限はない。更
に、動作可能な密閉容器2内の雰囲気気体の圧力範囲
は、前もって実施するブランクテストによって、天秤機
構部8の計測動作に誤差を生じさせる原因となる雰囲気
気体圧力による浮力、対流、熱遷移等の悪影響を、補正
・除去さえすれば特に制約はない。
1等が密閉構造であり、一体化した密閉容器2と蒸発源
容器1内の空間が外界から隔離された密閉閉鎖空間を形
成するので、必要に応じてこの空間内を任意の気体組成
と圧力の状態にして膜重量を測定することもできる。
品を用いて確認した。天秤機構部8に新光電子株式会社
製FB−20S(秤量20g、精度±2μg)を用い、
連結棒7に直径1mmの白金(Pt)線を用い、捕集板
6に10mm×10mm×1mmの石英板を用い、更に
蒸発源4にアルミナ(Al2 O3)製坩堝を用いた。ま
た、蒸発物質Mとして純銀(Ag)を用い、雰囲気気体
として窒素(N)及びヘリウム(He)を用いた。
を、5×10-8Torrから760Torr未満の範囲で、また
捕集板6の温度を加熱ヒータを用いて室温から800℃
未満の範囲でそれぞれ任意に選定し変化させて、膜重量
の計測精度及び計測可能最大積算重量つまり秤量を測定
したところ、膜重量計測値に対する雰囲気気体圧力によ
る浮力、対流、熱遷移の悪影響をその都度補正・除去さ
えすれば、計測精度は±2μg、秤量は20gになると
いう結果を得た。この計測精度及び秤量は、今回用いた
新光電子株式会社製FB−20Sの天秤機構部の性能値
と同一である。
窒素ガス及びヘリウムガスを用いて測定したものである
が、気体圧力値は気体の種類を問わないので、浮力等に
ついて必要な補正さえ施せば、これら以外の雰囲気気体
を使用しても上記試験結果が適用できることは明らかで
ある。
銀を用い、それを蒸発気化させることによって、捕集板
6に銀を移送し堆積させたが、捕集板6に移送・堆積で
きる物質であれば、蒸発物質Mの材質及びその輸送手段
の種類に依らずに、同様な測定結果が得られる。更に、
捕集板6として石英板を用いたが、測定する蒸発物質M
が堆積し、測定の前後で当初の幾何学的形状及び重量が
最後まで変化しないものであれば、その材質に特段の制
限はない。
囲気温度が頻繁に変動したり或いは雰囲気温度が高温に
なり過ぎたりすると、機械的振動を受けたり、熱膨張或
いは熱収縮を起して機械的に変形してしまう。その結
果、天秤機構部8の天秤による計測値に無秩序な零点変
動が発生したり、或いは測定感度及び測定精度が低下し
たりする。
7で機械的に連結するだけで、捕集板6を膜重量を計測
する計測電気回路の一部とはしていないので、天秤機構
部8は捕集板6の熱的、電気的状態とは無関係に、捕集
板6に凝縮・堆積した蒸発物質Mの膜重量を測定でき
る。
測定装置は、測定時の捕集板温度及び雰囲気の気体圧力
が広い範囲で変化しても、温度変動及び気体圧力の変動
の影響を受けずに、積算の膜重量が大きく変化するよう
な測定対象に対しても、高精度にかつ連続して膜重量変
化を測定できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 捕集板に凝縮・堆積した蒸発物質の膜重
量を測定する膜重量測定装置であって、前記蒸発物質を
凝縮・堆積させる捕集板と、該捕集板に凝縮・堆積した
前記蒸発物質の重量を検知する天秤機構部と、該天秤機
構部を設置する恒温機構付台座と、前記天秤機構部と前
記捕集板とを所要距離だけ遠去けかつ機械的に連結する
連結棒と、前記捕集板、天秤機構部、連結棒を収容する
密閉容器と、該密閉容器外に設け前記天秤機構部を制御
し重量を表示するための制御電源部とを備えたことを特
徴とする膜重量測定装置。 - 【請求項2】 前記連結棒は前記補集板と天秤機構部と
を遠去ざける配管部内に設けた請求項1に記載の膜重量
測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18700593A JP3319824B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 膜重量測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18700593A JP3319824B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 膜重量測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0719936A JPH0719936A (ja) | 1995-01-20 |
JP3319824B2 true JP3319824B2 (ja) | 2002-09-03 |
Family
ID=16198541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18700593A Expired - Lifetime JP3319824B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 膜重量測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3319824B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5035832B2 (ja) * | 2007-02-09 | 2012-09-26 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 | 溶融金属の重量測定装置 |
JP2012189425A (ja) * | 2011-03-10 | 2012-10-04 | Japan Atomic Energy Agency | 元素の吸着・脱着量の測定装置 |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP18700593A patent/JP3319824B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0719936A (ja) | 1995-01-20 |
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