JP3314802B2 - Atm空き帯域推定方法 - Google Patents

Atm空き帯域推定方法

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JP3314802B2 JP32083895A JP32083895A JP3314802B2 JP 3314802 B2 JP3314802 B2 JP 3314802B2 JP 32083895 A JP32083895 A JP 32083895A JP 32083895 A JP32083895 A JP 32083895A JP 3314802 B2 JP3314802 B2 JP 3314802B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ATM(Asynchro
nous Transfer Mode、非同期転送モード)網において、
CBR(Constant Bit Rate)、VBR(Variable Bit
Rate)等、優先クラスのGCRA(Generic Cell Rate
Algorithm) パラメータを用いることにより、ABR
(Available Bit Rate、アベイラブルビットレート)で
使用可能な空き帯域の見積りを行うATM空き帯域推定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ATM網においては、通信速度、サービ
ス品質等の特性が異なる複数種の呼(多元トラヒック)
が網設備を共用することにより、網の経済的設計と効率
的運用を実現することが期待されている。特に、ABR
サービスは、CBRやVBR等の優先クラスの未使用帯
域を有効に活用することにより、従来のLAN(LocalA
rea Network)サービスのようなバースト性の非常に強
いデータトラヒックをATM網上でサポートするための
サーピスクラスとして期待されている。
【0003】また、ABRサービスは遅延品質が緩くセ
ル損失率に関する品質が厳しいサーピスクラスであり、
網の使用状況に応じて送出レートを変化させることによ
り、CBR、VBR等の優先クラスの品質に悪影響を与
えずに、従来のLANの様なバースト性の非常に強いト
ラヒックをサポートすることを狙っている。
【0004】しかし、いかに網が混んでいても、ABR
のユーザから予め申告されるMCR(Minimum Cell Rat
e、ミニマムセルレート) でのセル送出は保証しなけれ
ばならない。従って、ABRコネクションの受付時に
は、MCRのレート送出を保証できるかどうかが受付判
断の重要な基準の一つであり、そのためには、ABRサ
ービスが利用可能な空き帯域を見積る必要がある。
【0005】従来、一般空き帯域を推定するためには、
以下に示す2つの方法が考えられている。 A.CBRやVBR等の優先クラスのユーザ申告値を用
いて平均空き帯域を算出する。 B.CBRやVBR等の優先クラスの使用帯域を実測す
ることで空き帯域を推定する。
【0006】図12の処理フローにも示すように、方法
Aは以下のようにして実現されている。 1.CBRやVBR等の優先クラスのコネクション設定
時にユーザからトラヒック記述子の申告値を得る(ステ
ップSB1)。このとき、CBRについてはPCR(Pe
ak Cell Rate、ピークセルレート) を、VBR等につ
いてはSCR(Sustainable Cell Rate、サステナブル
セルレート)を用いる。 2.CBRやVBR等の優先クラスのユーザ申告値の和
を求め(ステップSB2)、算出された和をもとにこれ
ら優先クラスが使用している平均帯域を算出して、平均
空き帯域を見積る(ステップSB3)。
【0007】一方、図13の処理フローにも示すよう
に、方法Bは以下のようにして実現されている。 1.所定の時間にわたって、ある時間間隔で帯域の使用
状況を測定し(ステップSC1)実測値を記録する(ス
テップSC2)。 2.過去の空き帯域の測定結果に基づいて空き帯域を見
積る(ステップSC3)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、方法Aによ
れば、ユーザ申告値に基づいて空き帯域を見積ることが
できるため、見積り処理に伴う負荷が小さいという利点
がある。しかしながら、得られた空き帯域の見積りは
「平均値」であって、このような平均空き帯域の情報で
は空き帯域を過大に見積ることとなり、ABRのような
極めてバースト性の高いトラヒッククラスを扱うには危
険側推定になっている。
【0009】また、方法Bによれば、平均空き帯域だけ
でなく、そのばらつきに関する情報も得ることができる
という利点はあるが、トラヒックを実測する装置が必要
となり設備コストの増加につながる。特に、平均空き帯
域以上のばらつきに関する情報を得るには更なる処理が
必要となり、設備コストの増加がより顕著となる。もと
もと、ABRのクラスは従来のLANサービスのサポー
トを念頭に置いているため、従来の構内網と同様に低コ
スト化が望まれておるところであり、本方法のようにト
ラヒックの観測に基づく方法は望ましくない。
【0010】以上のように、平均空き帯域の推定による
方法(上記の方法A)では、ATM網上で円滑にABR
サービスをサポートするのに必要な空き帯域推定処理と
しては不十分である。また、トラヒックを実測して空き
帯域を推定する処理方法(上記の方法B)では、網設備
のコスト増につながる。このような背景から、トラヒッ
クの観測を必要とせず、空き帯域のばらつきが評価でき
る空き帯域推定方法が望まれている。本発明は上記の点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、トラヒック
の実測を伴わず、ばらつきを含めた空き帯域の評価をユ
ーザ申告値のみから行い、ABRサービスを円滑にサポ
ートするためのATM空き帯域推定方法を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、ATM網におけるABR
サービスのサポートに際して、該ABRサービスよりも
高優先度の優先クラスが使用していない空き帯域の見積
りを行うATM空き帯域推定方法において、前記優先ク
ラスのユーザが申告するGCRAのパラメータから算出
される伝送路使用率の平均値および有限時間平均値の分
散、ならびに、前記ABRサービス専用のセルバッファ
の使用状態に基づいて前記空き帯域の見積りを行うこと
を特徴としている。
【0012】また、請求項2記載の発明は、ATM網に
おけるABRサービスのサポートに際して、該ABRサ
ービスよりも高優先度の優先クラスが使用していない空
き帯域の見積りを行うATM空き帯域推定方法におい
て、前記優先クラスのユーザが呼設定要求時に申告する
ピークセルレート、サステナブルセルレート、バースト
トレランスの各申告パラメータと、前記ABRサービス
のユーザが呼設定要求時に申告するミニマムセルレート
を予め記憶し、前記サステナブルセルレートをもとに、
優先クラスユーザによる帯域平均使用率を算出し、前記
ミニマムセルレートから算出したABRユーザによる帯
域使用率と前記ABRサービス専用のセルバッファの容
量から測定時間間隔を決定し、前記測定時間間隔と前記
優先クラスの申告パラメータをもとに、優先クラスユー
ザによる帯域使用率の分散を算出し、前記優先クラスユ
ーザによる帯域平均使用率と前記優先クラスユーザによ
る帯域使用率の分散の総和をもとにして前記空き帯域を
算出することを特徴としている。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明において、前記優先クラスユーザによる帯域使
用率の分散をもとにして、ABRのバッファの待ちセル
数の分布にChebyshevの不等式を適用すること
により、空き帯域の有無を判断することを特徴としてい
る。また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明
において、前記優先クラスユーザによる帯域使用率の分
散をもとにして、ABRのバッファの待ちセル数に拡散
近似を適用することにより、空き帯域の有無を判断する
ことを特徴としている。
【0014】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の発明において、前記ABRバッファの待ちセル数に
拡散近似を適用する方法は、tを時間変数,qを前記A
BRバッファの待ちセル数に対応した変数,ρaとρh
それぞれ前記ABRユーザと前記優先クラスユーザによ
る伝送路の平均使用率としたときに、A(q,t)=−
(1−ρa−ρh)とし、Allan分散 σ2(t)に対
してt=1のときの値をσ2(1)として、T1
【数12】 としたときに、
【数13】 として、前記ABRバッファの待ちセル数を表わす確率
密度関数P(q,t)の時間発展を記述する線形Fok
ker−Plank方程式を
【数14】 とし、ディラックのデルタ関数δを用いて前記確率密度
関数P(q,t)の初期条件をP(q,0)=δ(q)
とし、T0 をt=0での初期条件を与えたときにセル損
失が発生する状態に達するまでに要する時間の最小値と
して、T* =max(T0,T1)を求め、輻輳検出後に
ABRコネクションのレートをミニマムセルレートまで
下げるのに必要な制御遅延を見込んだ輻輳検出からAB
Rバッファオーバーフローまでの容量をl1 #としたとき
に、前記ABRバッファの待ちセル数に対応した境界条
件をおかずに解いたときの(A)式の解P(q,t)を
用いて、前記ABRバッファの待ちセル数が一定値を越
えた状態と判定された後にセル損失が発生する状態に至
る確率P* lossを、
【数15】 として近似し、P(q,T*)を標準正規分布に変換
し、この変換に伴うl1 # の像l1 *
【数16】 により求め、前記ABRコネクションをミニマムセルレ
ートまで下げても前記ABRバッファがオーバーフロー
してしまう確率を与える標準正規分布の裾の値をq*
したときに、l1 *≧q*であれば空き帯域が十分である
と判断し、l1 *<q*であれば不十分と判断することを
特徴としている。
【0015】また、請求項6記載の発明は、請求項4記
載の発明において、前記ABRバッファの待ちセル数に
拡散近似を適用する方法は、a及びbを定数,tを時間
変数,qを前記ABRバッファの待ちセル数に対応した
変数,P(q,t)を前記ABRバッファの待ちセル数
を記述する確率密度関数としたときに、線形Fokke
r−Plank方程式を
【数17】 とし、境界条件P(±∞,t)=0を満足する(B)式
の解をPfree(q,t)とし前記ABRバッファの待ち
セル数に対応した境界条件P(0,t)=0でq=0が
吸収状態となる(B)式の解をPbc(q,t)としたと
きに、補助変数yを加えて拡張した線形Fokker−
Plank方程式を、
【数18】 とし、境界条件Q(±∞,y,t)=0 を満足する
(C)式の解 Qfree(q,y,t)=eyfree(q,
t)と、同じく(C)式の解である Rfree(q,y,
t)=Qfree(q,y,t)−Qfree(−q,−y,
t)により、前記(B)式の解Pbc(q,t)を、
【数19】 により求め、T0 をt=0での初期条件を与えたときに
セル損失が発生する状態に達するまでに要する時間の最
小値とし、Allan分散σ2(t) に対してt=1の
ときの値をσ2(1)としたときに、T1
【数20】 として、T*=max(T0,T1) を求め、セル損失が
発生する状態に至る確率P* lossを、
【数21】 と近似し、ρaとρhをそれぞれ前記ABRユーザと前記
優先クラスユーザによる伝送路の平均使用率とし、輻輳
検出後にABRコネクションのレートをミニマムセルレ
ートまで下げるのに必要な制御遅延を見込んだ輻輳検出
からABRバッファオーバーフローまでの容量をl1 #
したときに、Pfree(q,T*) を標準正規分布に変換
して、この変換に伴うl1 #の像l1 * を、
【数22】 により求め、前記ABRコネクションをミニマムセルレ
ートまで下げても前記ABRバッファがオーバーフロー
してしまう確率を与える標準正規分布の裾の値をq*
したときに、l1 *≧q*であれば空き帯域が十分である
と判断し、l1 *<q*であれば不十分と判断することを
特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。 [発明の概要]本発明では、CBR及びVBRのコネク
ション設定時に申告されるPCR、SCR、BT(Burs
t Tolerance、バーストトレランス) のユーザ申告値の
みの情報を用いて、空き容量を安全側に見積る(すなわ
ち、過小推定をする)トラヒックモデルを構成する。そ
して、このモデルに基づき、CBR及びVBRサービス
による伝送路使用率の平均ならびにAllan分散を算
出する。このAllan分散の算出にあたっては、AB
Rサービスから申告されるMCRと、ABR用セルバッ
ファの空き容量から決まる時間間隔に基づいて行う。こ
のように、CBR及びVBRサービスによる伝送路使用
率の平均ならびにAllan分散を算出することによ
り、ユーザ申告値とシステムパラメータだけから空き帯
域の平均及び分散を算出することができ、トラヒックの
実測を伴わない空き帯域の推定が可能となる。
【0017】[第1の実施形態]図1は、本実施形態に
おけるATM空き帯域の推定をモデル化した図である。
この図において、1は呼制御部である。また、空き帯域
推定処理部2は、本発明によるATM空き帯域の推定処
理を実行する。また、SW3、SW4はATMスイッチ
であり、SW3にはABRバッファが設けられている。
また、5ないし7はこれらATMスイッチに接続された
端末である。次に、このモデルに基づいたATM空き帯
域推定方法の手順を説明する。本実施形態による空き帯
域推定方法は、図1の空き帯域推定処理部2において、
図2の処理フローに示したように実現されるものであ
る。
【0018】1. CBR、VBR等の優先クラスのユ
ーザに識別子i(i=1、...、n)を付与する。図
1の(1)に示すように、ユーザiが呼の設定を要求す
る際、PCR Pi、SCR Si、BT Biが呼制御部1
から空き帯域推定処理部2へ通知され(ステップSA
1)、空き帯域推定処理部2はこれらを記憶・保持す
る。ここで、ユーザiが申告するPCR、SCR、BT
をそれぞれPi、Si、Bi とする。このとき、ユーザi
がCBRである場合にSCRはPCRと等しい(Pi
i)ものとし、BTについてはゼロ(Bi=0)とす
る。また、セル長をC,全帯域の容量(伝送路速度)を
Lとした場合に、これらの量は、1セル転送時間L/C
を1スロットとしたものを時間の単位として用いること
とする。
【0019】2. 空き帯域推定処理部2は、CBR、
VBR等の優先クラスのユーザiがATM Forum
のUNI(ユーザ網インタフェース)仕様で規定される
GCRA(Si、Bi)を満たしているものとして、申告
されたPCR Pi、SCR Si、BT Biから、以下の
トラヒックモデルを決定する。ここで、xi を、PCR
でのバースト的なセル送出の起こる間隔を支配するパラ
メータとし、繰り返しの周期Wi(xi)を、図3に示す
ように、Wi(xi)=Wi on+Wi off(xi)とする。
【0020】そして、CBR、VBR等の優先クラスの
ユーザiからのトラヒックは、PCRでのバースト的な
セル送出がWi onスロットだけ持続し、xi(0≦xi
i)のセルレートがWi off(xi)スロットだけ持続す
る過程を周期的に繰り返す過程を採る。ここで、 Wi on=(Bii+1)/(Pi−Si) であり、 Wi off(xi)=(Bii+1)/(Si−xi) である。
【0021】3. CBR、VBR等の優先クラスのユ
ーザによる帯域の平均使用率ρh
【数23】 により算出する。次に、item時間間隔T0を以下の
ように算出する。いま、ABRサービスのユーザj(j
=1、...、m)のMCRをMj とすると、全てのA
BRユーザがMCRでセル送出を行った場合の、ABR
ユーザによる帯域使用率ρa
【数24】 で与えられる。
【0022】次に、ABR用のセルバッファが図4に示
されるように用意されているものとする。ここで、同図
におけるl1 は輻輳検出からセルバッファがオーバーフ
ローするまでの容量、l2 は輻輳解除からセルバッファ
がアンダーフローを起こすまでの容量、l3 はこれら以
外の容量である。また、輻輳を検出してから各ABRコ
ネクションのレートをMCRまで下げるために必要な制
御遅延を考慮して、そのために用意しておくバッファ容
量をl1 Cとする。そして、l1からl1 C を差し引いた量
【数25】 に着目し、item時間間隔T0
【数26】 とする。従って、item時間間隔T0 は、各ABRコ
ネクションのレートがMCRになった後に、ABRバッ
ファがオーバーフローを起こすまでの最小のスロット数
を意味している。
【0023】4. CBR、VBR等の優先クラスのユ
ーザiによる帯域使用率の分散を以下のように算出す
る。連続したtスロットにわたって測定を行った場合
に、これら優先クラスのユーザiによる帯域使用率をX
i(t) とする。このとき、測定時間間隔tに依存した
帯域使用率の分散(Allan分散)σi 2(t)を σi 2(t)≡E[(Xi(t)−Si2] とする(ステップSA2)。ここで、Eは平均値ないし
は期待値である。
【0024】実際上は、この計算は以下のようにして行
う。まず、任意の時刻を0としたときに、ユーザiから
時間間隔[0、t)に到着するセルの数をNi(t;
i)とする。また、測定時間間隔tを、非負の整数C
(xi)とD(xi)<Wi(xi)を用いて、t=C
i(xi)Wi(xi)+Di(xi)と一意的に分解するこ
とで、C(xi)とD(xi)を定義する。また、N
i(t;xi)の最小値をNi min(t;xi)とすると、
これは、 Ni min(t;xi)=Ci(xi)(Pii on+xii off
(xi))+xi min(Di(xi)、Wi off(xi))
+Pi max(0、(Di(xi)−Wi off(xi))) で与えられる。ここで、minは最小値を求める関数で
ある。また、その確率はPi min=Pr[Ni=Ni min
=|Di(xi)−Wi off(xi)|/Wi(xi)とな
る。
【0025】同様に、Ni(t;xi)の最大値をNi max
とすると、これは、 Ni max(t;xi)=Ci(xi)(Pii on+xii off
(xi))+Pi min(Di(xi)、Wi on)+xi
ax(0、(Di(xi)−Wi on)) と与えられる。ここで、maxは最大値を求める関数で
ある。また、その確率はPi max=Pr[Ni=Ni max
=|Di(xi)−Wi on(xi)|/Wi(xi)となる。
【0026】以上から、トラヒックモデルのパラメータ
i が与えられたとき、測定時間間隔tに依存した帯域
使用率の分散(Allan分散)σi 2(t;xi)は σi 2(t;xi)={Pi max(Ni max2+Pi min(Ni
min2}/t2+(1−Pi max−Pi min)×{(Ni max
−Ni min2/3+(Ni min2+Ni min(Ni max−Ni
min)}/t2−Si 2 となる。そして、レートパラメータxiがσi 2(t;
i)を最大化するように、ユーザiによる帯域使用率
の分散σi 2(t)を与える。すなわち、
【数27】 である。
【0027】5. CBR、VBR等の優先クラスの全
てのユーザi=1、...nによる帯域使用率の分散σ
2(t)を以下のように算出する。
【数28】 6. ABRバッファのキュー長に対してChebys
hevの不等式を適用することにより、ABRの輻輳検
出からバッファオーバーフロ一に至る確率Plossは、
【数29】 と評価できる(ステップSA3)。空き帯域推定処理部
2は、図1の(2)に示すように、この結果を呼制御部
1へ通知する。以上の手続き1.〜6.によって、ユー
ザ申告値のみから空き帯域の推定ができ、さらに、空き
帯域を利用するABRサービスの品質制御が可能とな
る。
【0028】[第2の実施形態]本実施形態では、以下
に示す手続きに基づいて行う。 1. 第1の実施形態における手続き1.〜5.に従
い、CBR、VBR等の優先クラスの全てのユーザi=
1、...、nによる帯域使用率の分散σ2(t)を算
出する。 2. 与えられた数nに対して、空き帯域Coを Co=C(1−ρh−σ(t)) と評価する。ここで、Cは帯域の全容量であり、また、
σ(t)>0とする。空き帯域推定処理部2は、図1の
(2)に示すように、この結果を呼制御部1に通知す
る。以上の手続きにより、ユーザ申告値のみから空き帯
域の推定ができ、ABRコネクションの受付制御に利用
できる。
【0029】[第3の実施形態]本実施形態による空き
帯域推定方法は、図1の空き帯域推定処理部2内におい
て、図5の処理フローによって実現される。ここで、図
6に示すように、ABRバッファの端からl1 #のところ
の座標をq=0とし、ABRバッファの端をq=l1 #
するように座標系を選んでおく。また、ABRバッファ
内のセルは実数値をとるものとして扱う。
【0030】1. ABRコネクションをMCRまで下
げてもABRバッファがオーバーフローしてしまう確率
の許容ができる規定値Pが与えられるとする。この確率
を与える標準正規分布の裾の値q*
【数30】 となるように、予め決めておく。
【0031】2. CBR、VBR等の優先クラスのユ
ーザに識別子i(i=1,...,n)を付与する。図
1の(1)に示すように、ユーザiが呼の設定を要求す
る際、PCR Pi、SCR Si、BT Biが呼制御部1
から空き帯域推定処理部2へ通知される(ステップSD
1)。このとき、ユーザiがCBRである場合に、SC
RはPCRと等しい(Pi=Si) ものとし、BTにつ
いてはゼロ(Bi=0)とする。
【0032】3. 空き帯域推定処理部2は、CBR、
VBR等の優先クラスのユーザiがATM Forum
のUNI仕様で規定されるGCRA(Si,Bi)を満た
しているものとして、申告されたPCR Pi、SCR
i、BT Biから以下のトラヒックモデルを決定す
る。まず、セル長をC、全帯域の容量(伝送路速度)を
Lとし、1セルを転送するのに要する時間L/Cを1ス
ロットとする。さらに、xi を、PCRでのバースト的
なセル送出の起こる間隔を支配するパラメータとする。
また、図3に示すように、繰り返しの周期Wi(xi
を、Wi(xi)=Wi on+Wi off(xi)とする。
【0033】そして、図3に示すように、CBR、VB
R等の優先クラスのユーザiからのトラヒックは、PC
Rでのバースト的なセル送出がWi on スロットだけ持続
し、xi(0≦xi≦Si) のセルレートが W
i off(xi)スロットだけ持続する過程を周期的に繰り
返す過程を採る。ここで、 Wi on=(Bii+1)/(Pi−Si) であり、 Wi off(xi)=(Bii+1)/(Si−xi) である。
【0034】4. CBR,VBR等の優先クラスのユ
ーザによる帯域の平均使用率ρh
【数31】 で算出する。 5. 時間間隔T0を以下のように算出する。いま、A
BRサービスのユーザj(j=1,...,m)のMC
RをMj とすると、全てのABRユーザがMCRでセル
送出を行った場合に、ABRユーザによる帯域使用率ρ
a
【数32】 で与えられる。
【0035】次に、ABR用のセルバッファが図6に示
されるように用意されているものとする。同図におい
て、l1 は輻輳検出からセルがオーバーフローするまで
の容量、l2 は輻輳解除からセルバッファがアンダーフ
ローを起こすまでの容量、l3はこれら以外の容量であ
る。また、輻輳を検出してから各ABRコネクションの
レートをMCRまで下げるために必要な制御遅延を考慮
して、そのために用意しておくバッファ容量をl1 cとす
る。
【0036】そして、l1からl1 cを差し引いた量
【数33】 に着目し、時間間隔T0
【数34】 とする。従って、時間間隔T0 は、各ABRコネクショ
ンのレートがMCRになった後に、ABRバッファがオ
ーバーフローを起こすまでの最小のスロット数を意味し
ている。
【0037】6.CBR、VBR等の優先クラスのユー
ザiによる帯域使用率の分散を以下のように算出する。
連続したtスロットにわたって測定を行った場合の、こ
れら優先クラスのユーザiによる帯域使用率をX
i(t) とする。このとき、測定時間間隔tに依存した
帯域使用率の分散(Allan分散)σi 2(t)を σi 2(t)≡E[(Xi(t)−Si2] とする(ステップSD2)。
【0038】実際上は、この計算は以下のようにして行
う。まず、任意の時刻を0としたときに、ユーザiから
時間間隔[0,t)に到着するセルの数をNi(t;
i)とする。また、測定時間間隔tを、非負の整数C
(xi)とD(xi)<Wi(xi)を用いて、 t=Ci(xi)Wi(xi)+Di(xi) と一意的に分解することで、C(xi)とD(xi)を定
義する。
【0039】また、Ni(t;xi)の最小値をN
i min(t;xi)と表わすと、これは、 Ni min(t;xi)=Ci(xi)(Pii on+xii off
(xi))+xi min(Di(xi)、Wi off(xi))
+Pi max(0、(Di(xi)−Wi off(xi))) で与えられる。また、その確率は Pi min=Pr[Ni=Ni min]=|Di(xi)−Wi off
(xi)|/Wi(xi) となる。
【0040】同様に、Ni(t;xi)の最大値をNi max
(t;xi)と表わすと、これは、 Ni max(t;xi)=Ci(xi)(Pii on+xii off
(xi))+Pi min(Di(xi)、Wi on)+xi
ax(0、(Di(xi)−Wi on)) で与えられる。また、その確率は Pi max=Pr[Ni=Ni max]=|Di(xi)−W
i on(xi)|/Wi(xi) となる。
【0041】以上から、トラヒックモデルのパラメータ
i が与えられたとき、測定時間間隔tに依存した帯域
使用率の分散(Allan分散)σi 2(t;xi)は σi 2(t;xi)={Pi max(Ni max2+Pi min(Ni
min2}/t2+(1−Pi max−Pi min)×{(Ni max
−Ni min2/3+(Ni min2+Ni min(Ni max
i min)}/t2−Si 2 となる。
【0042】そして、レートパラメータxiがσ
i 2(t;xi)を最大化するように、ユーザiによる帯
域使用率の分散σi 2(t)を与える。すなわち、
【数35】 である。 7. CBR、VBR等の優先クラスの全てのユーザi
=1,...,nによる帯域使用率の分散σ2(t)を
以下のように算出する。
【数36】
【0043】8. 測定時間間隔t=0でのABRバッ
ファのキュー長が分かっているとすると、測定時間間隔
t=TでのABRバッファのキュー長の分散はσ
2(T)T2で与えられ、測定時間間隔tに関して図7の
ように振舞うことがわかっている。これに基づいて、定
数αを
【数37】 と算出する。
【0044】9. σ2(1)は
【数38】 と算出され、GCRAのBTや周期トラヒックモデルの
レートパラメータxi に依らず算出することができる。
なお、σ2(1)=ρh(1−ρh) とする方法も考えら
れる。
【0045】10. 図7においてσ2(1)t2と定数
αとの交点をt=T1とすると、T1
【数39】 と算出される。 11. ABRバッファのキュー長の分散を、t∈
[0,T1)については σ2(1)t2 … (3) とし、t∈[T1,∞)については α … (4) として近似することにする。この近似は過大(安全側)
評価である。
【0046】12. 時刻tにABRバッファのキュー
長が、区間[q,q+dq)にある確率をP(q,t)
dqとする。なお、初期状態としてP(q,0)=δ
(q)とする。ここで、δはディラックのデルタ関数で
ある。次に、P(q,t)が満たすべき方程式として、
Fokker−Plank方程式
【数40】 を考える。
【0047】この式において、右辺の第1項は決定論的
なドリフト(drift )運動を記述し、右辺の第2項は確
率論的な拡散運動を記述する。また、A(q,t)≡−
(1−ρa−ρh)とし、B(q,t)については、手続
き11.に記述したAllan分散に基づくABRバッ
ファのキュー長の分散の近似式(3)式および(4)式
から、
【数41】 とする。
【0048】そして、取り扱いを簡単にするため、AB
Rバッファ容量に対応する境界条件を置かずに(5)式
を解くと、0≦t<T1では
【数42】 となり、T1≦tでは
【数43】 という解を得る。このように、いずれの場合も、P
(q,t)がqに関して正規分布になっている。
【0049】13. 時刻t=Tのときに重輻輳状態に
陥っている確率を
【数44】 として、一般に重輻輳状態に至る確率をP*loss≡ma
tPloss(t)として近似する。T1<T0であれば、
明らかにP*loss=Ploss(T0)である。また、T1
0の場合は、(6)式を標準正規分布に変換したとき
に、l1 #→{l1 #+(1−ρa−ρh)t}/(σ(1)
t)となって、これはtが増加するにつれて減少するこ
とから、P*loss=Ploss(T1)とすればよい。
【0050】従って、実際にはT*=max(T0
1) を求めて、そこから得られるP(q,T*)を標
準正規分布に変換し、その変換に伴うl1 #の像l1 *
【数45】 として求める。 14. l1 *≧q*であれば空き帯域が十分であると判
断し、l1 *<q*であれば不十分と判断する(ステップ
SD3)。そして、図1の(2)に示すように、空き帯
域推定処理部2は、この結果を呼制御部1に通知する。
以上の手続きにより、ユーザ申告値のみから空き帯域を
推定することができ、さらに、空き帯域を利用するAB
Rサービスの品質制御が可能となる。
【0051】[第4の実施形態]本実施形態による空き
帯域推定方法は図1の空き帯域推定処理部2内で、図8
の処理フローによって実現される。第3の実施形態(図
6参照)とは異なって、本実施形態では、図9に示すよ
うにABRバッファの端のところの座標をq=0とし、
ABRバッファの端からl1 #のところの座標をq=−l
1 #とするように座標系を選んでおく。また、ABRバッ
ファ内のセルは実数値をとるものとして扱う。
【0052】1. ABRコネクションをMCRまで下
げてもABRバッファがオーバーフローしてしまう確率
の許容できる規定値Pが与えられるとする。この確率を
与える標準正規分布の裾の値q*
【数46】 となるように、予め決めておく(ステップSE1)。
【0053】2. CBR,VBR等の優先クラスのユ
ーザに識別子i(i=1,...,n)を付与する。図
1の(1)に示すように、ユーザiが呼の設定を要求す
る際、PCR Pi,SCR Si,BT Biが呼制御部1
から空き帯域推定処理部2へ通知される。このとき、ユ
ーザiがCBRである場合に、SCRはPCRと等しい
(Pi=Si)ものとし、BTについてはゼロ(Bi
0) とする(ステップSE2)。
【0054】3. 空き帯域推定処理部2は、CBR,
VBR等の優先クラスのユーザiがATM Forum
のUNI仕様で規定されるGCRA(Si,Bi)を満た
しているものとして、申告されたPCR Pi,SCR
i,BT Biから以下のトラヒックモデルを決定す
る。すなわち、図3に示すように、CBR,VBR等の
優先クラスのユーザiからのトラヒックは、PCRでの
バースト的なセル送出が Wi on=(Bii+1)/(Pi−Si) スロットだけ持続し、xi(0≦xi≦Si)のセルレー
トが Wi off(xi)=(Bii+1)/(Si−xi) スロットだけ持続する過程を周期的に繰り返す過程を採
る。
【0055】ここで、Cはセル長,Lは全帯域の容量
(伝送路速度)であり、1セルを転送するのに要する時
間L/Cを1スロットとした。また、xi はPCRでの
バースト的なセル送出の起こる間隔を支配するパラメー
タである。さらに、繰り返しの周期Wi(xi)は、 Wi(xi)=Wi on+Wi off(xi) となる。
【0056】4. CBR,VBR等の優先クラスのユ
ーザによる帯域の平均使用率ρh
【数47】 で算出する。 5. 時間間隔T0を以下のように算出する。いま、A
BRサービスのユーザj(j=1,...,m)のMC
RをMj とすると、全てのABRユーザがMCRでセル
送出を行ったときの、ABRユーザによる帯域使用率ρ
a
【数48】 で与えられる。
【0057】次に、ABR用のセルバッファが図9に示
されるように用意されているものとする。同図におい
て、l1 は輻輳検出からセルがオーバーフローするまで
の容量,l2は輻輳解除からセルバッファがアンダーフ
ローを起こすまでの容量,l3はこれら以外の容量とす
る。さらに、輻輳を検出してから各ABRコネクション
のレートをMCRまで下げるために必要な制御遅延を考
慮して、そのために用意しておくバッファ容量をl1 c
する。
【0058】そして、l1からl1 cを差し引いた量
【数49】 に着目し、
【数50】 とする。T0 は、各ABRコネクションのレートがMC
Rになった後に、ABRバッファがオーバーフローを起
こすまでの最小のスロット数を意味する。
【0059】6. CBR,VBR等の優先クラスのユ
ーザiによる帯域使用率の分散を以下のように算出す
る。連続したtスロットにわたって測定を行った場合
の、CBR,VBR等の優先クラスのユーザiによる帯
域使用率をXi(t) とする。このとき、測定時間間隔
tに依存した帯域使用率の分散(Allan分散)σi 2
(t)を σi 2(t)≡E[(Xi(t)−Si2] とする(ステップSE3)。
【0060】この計算は実際には以下のように行われ
る。まず、トラヒックモデルのパラメータxi が与えら
れたとき、測定時間間隔tに依存した帯域使用率の分散
(Allan分散)σi 2(t;xi)は σi 2(t;xi)={Pi max(Ni max2+Pi min(Ni
min2}/t2+(1−Pi max−Pi min)×{(Ni max
−Ni min2/3+(Ni min2+Ni min(Ni max−Ni
min)}/t2−Si 2 となる。
【0061】ここで、この式において使用される記号の
意味を以下に説明する。まず、任意の時刻を0としたと
きに、ユーザiから時間間隔[0,t)に到着するセル
の数をNi(t;xi)とする。また、測定時間間隔t
を、非負の整数C(xi)とD(xi)<Wi(xi)を用
いて t=Ci(xi)Wi(xi)+Di(xi) と一意的に分解することで、C(xi)とD(xi)を定
義する。
【0062】また、Ni(t;xi)の最小値をN
i min(t;xi)と表わすと、これは Ni min(t;xi)=Ci(xi)(Pii on+xii off
(xi))+xi min(Di(xi),Wi off(xi))
+Pi max(0,(Di(xi)−Wi off(xi))) で与えられる。また、その確率は Pi min=Pr[Ni=Ni min]=|Di(xi)−Wi off
(xi)|/Wi(xi) となる。
【0063】同様に、Ni(t;xi)の最大値をNi max
と表わすと、これは Ni max(t;xi)=Ci(xi)(Pii on+xii off
(xi))+Pi min(Di(xi),Wi on)+xi
ax(0,(Di(xi)−Wi on)) と与えられる。また、その確率は Pi max=Pr[Ni=Ni max]=|Di(xi)−W
i on(xi)|/Wi(xi) とする。
【0064】そして、レートパラメータxiがσ
i 2(t;xi)を最大化するように、ユーザiによる帯
域使用率の分散σi 2(t)を与える。すなわち、
【数51】 である。7. CBR,VBR等の優先クラスの全ての
ユーザi=1,...,nによる帯域使用率の分散σ2
(t)を以下のように算出する。
【数52】
【0065】8. 測定時間間隔t=0でのABRバッ
ファのキュー長が分かっているとすると、測定時間間隔
t=TでのABRバッファのキュー長の分散はσ
2(T)T2で与えられる。これは測定時間間隔tに関し
て図7のように振舞うことがわかっている。これに基づ
いて、定数αを
【数53】 と算出する。
【0066】9. σ2(1)を
【数54】 と算出すると、これはGCRAのBTや周期トラヒック
モデルのレートバラメータxi に依らず算出することが
できる。なお、σ2(1)=ρh(1−ρh) とする方法
も考えられる。
【0067】10. 図7に示すように、σ2(1)t2
と定数αとの交点をt=T1とすると、
【数55】 と算出される。 11. ABRバッファのキュー長の分散を、t∈
[0,T1)については σ2(1)t2 … (10) とし、t∈[T1,∞)については α … (11) として近似することとする。この近似は過大(安全側)
評価である。
【0068】12. 時刻tにABRバッファのキュー
長が区間[q,q+dq)にある確率をP(q,t)d
qとする。なお、初期状態としてP(q,0)=δ(q
+l1 #)とする。次に、P(q,t)が満たすべき方程
式としてFokker−Plank方程式
【数56】 を考える。
【0069】ここで、A(q,t)≡−(1−ρa
ρh)とし、B(q,t)については手続き11.に記
述したAllan分散に基づくABRバッファのキュー
長の分散の近似式(10),(11)から
【数57】 とする。
【0070】次に、ABR用セルバッファに先述した図
9の座標系を導入する。そして、境界条件P(±∞,
t)=0の解Pfree(q,t)を用いて、ABRサービ
ス専用のセルバッファの容量に対応してq≦0,0<t
≦T1 の範囲の解のうち、境界条件がP(0,t)=0
でq=0が吸収状態となる解Pbc(q,t)を求める。
ここで、
【数58】 である。
【0071】そのために、補助変数yを加えて拡張した
線形Fokker−Plank方程式
【数59】 を考える。そして、境界条件Q(±∞,y,t)=0の
解Qfree(q,y,t)=eyfree(q,t)を考え
ると、 Rfree(q,y,t)=Qfree(q,y,t)−Qfree
(−q,−y,t) も(13)式の解である。そこで、このことを用いて、
ABRサービス専用のセルバッファの容量に対応した境
界条件P(0,t)=0のもとでの(12)式の解Pbc
(q,t)を、
【数60】 とする。
【0072】したがって、T0<T1のとき、q≦0の範
囲の解で、境界条件がP(0,t)=0である(12)
式の解Pbc(q,t)は、0≦t<T1では、 Pbc(q,t)=Pfree(q,t)−Pfree(−q,t) … (14) である。また、その後のT1≦tでは、拡散がないの
で、−(t−T1)(1−ρa−ρh)<q≦0では Pbc(q,t)=0 … (15) であり、q≦−(t−T1)(1−ρa−ρh)では Pbc(q,t)=Pfree(q−(t−T1)(1−ρa−ρh),T1)−Pfree (q−(t−T1)(1−ρa−ρh),T1) … (16) という解を得る。
【0073】また、T0≧T1のとき、実際にはt<T0
では重輻輳状態に達しないので、q≦0の範囲の解で境
界条件がP(0,t)=0である(12)式の解P
bc(q,t)は、−(t−T0)(1−ρa−ρh)<q
≦0では Pbc(q,t)=0 … (17) とし、q≦−(t−T0)(1−ρa−ρh)では Pbc(q,t)=Pfree(q−(t−T0)(1−ρa−ρh),T1)−Pfree (q−(t−T0)(1−ρa−ρh),T1) … (18) とする。
【0074】13. 時刻t=T(T>T0) までに重
輻輳状態に陥いる確率は、(15),(16),(1
7),(18)の各式から
【数61】 とし、一般に重輻輳状態に至る確率を
【数62】 として近似する。ここで、T*=max(T0,T1)で
ある。
【0075】したがって、ABRサービス専用のセルバ
ッファの容量に対応して境界条件Q(±∞,y,t)=
0を考慮した場合の確率P* loss は、境界条件P(±
∞,t)=0の解Pfree(q,t)を用いて表わすこと
ができる。なお実際には、Pfree(q,T*) を標準正
規分布に変換し、その変換に伴うl1 # の像l1 *
【数63】 として求める。
【0076】14. l1 *≧q*であれば空き帯域が十
分であると判断し、l1 *<q*であれば不十分と判断す
る(ステップSE4)。そして、図1の(2)に示すよ
うに、空き帯域推定処理部2はこの結果を呼制御部1に
通知する。以上の手続きにより、ユーザ申告値のみから
空き帯域を推定でき、さらに、空き帯域を利用するAB
Rサービスの品質制御が可能となる。
【0077】最後に、本実施形態による効果を精度の観
点から具体的に説明することとする。図10及び図11
には、優先クラスとABRのコネクション数をそれぞれ
10本十10本および20本十10本としたときの重輻
輳状態に陥る確率P* loss を、第1,第3,第4の各実
施形態とシミュレーション結果とを対比させて示してあ
る。ここで、伝送路容量を150Mbps (Mega bit
per second),優先クラスのコネクションとしてピーク
セルレートを50Mbps,サステナブルセルレートを
5Mbps,セルレートバラメータxi =0とし、AB
Rコネクションのミニマムセルレートを1.5Mbps
としている。また、優先クラスのセルバッファは十分長
いとし、ABR用セルバッファのl1 #=50であり、l
1 c+l2は十分長いものとしている。この図から、本実
施形態の手法によれば、第1の実施形態や第3の実施形
態に比べて、より高い精度の性能を発揮することがわか
る。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
優先クラスのユーザの申告パラメータから算出された伝
送路使用率の平均値および有限時間平均値の分散と、A
BRサービス専用のセルバッファの使用状態に基づいて
空き帯域の見積りを行うようにしたので、空き帯域を過
大に見積ることがなく、また、トラヒックの実測を必要
としないため観測装置が不要であって、少ない処理で空
き帯域の推定を行うことが可能となるという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による空き帯域の推定のモデルを示す
図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態による空き帯域推定
処理部2の処理フローを説明する図である。
【図3】 GCRAに従うトラヒックのモデルを説明す
る図である。
【図4】 ABR用のセルバッファの構成を説明する図
である。
【図5】 本発明の第3の実施形態による空き帯域推定
処理部2の処理フローを説明する図である。
【図6】 同実施形態におけるABR用のセルバッファ
の構成とその座標系を説明する図である。
【図7】 同実施形態において、ABRバッファのキュ
ー長の分散 σ2(t)t2の振る舞いを説明するグラフ
である。
【図8】 本発明の第4の実施形態による空き帯域推定
処理部2の処理フローを説明する図である。
【図9】 本発明の第4の実施形態におけるABR用の
セルバッファの構成とその座標系を説明する図である。
【図10】 優先クラスコネクション10本,ABRコ
ネクション10本の場合において、重輻輳状態に陥る確
率の推定値の精度を説明する図である。
【図11】 優先クラスコネクション20本,ABRコ
ネクション10本の場合において、重輻輳状態に陥る確
率の推定値の精度を説明する図である。
【図12】 ユーザ申告値から空き帯域の平均値の算出
を行う処理フローを説明する図である。
【図13】 トラヒックの実測によって空き帯域の推定
を行う処理フローを説明する図である。
【符号の説明】
1…呼制御部、2…空き帯域推定処理部、3,4…AT
Mスイッチ、5,6,7…端末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−46624(JP,A) 特開 平8−125657(JP,A) 特開 平7−221769(JP,A) 特開 平7−183888(JP,A) 特開 平7−177149(JP,A) 特開 平6−77985(JP,A) 特開 平6−30030(JP,A) 特開 平5−122242(JP,A) 特開 平4−178044(JP,A) 信学技報,SSE95−20 信学技報,SSE95−71 1995信学総合大会,B−848 1995信学通信大会,B−491 1995信学総合大会,B−763 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/56

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ATM網におけるABRサービスのサポ
    ートに際して、該ABRサービスよりも高優先度の優先
    クラスが使用していない空き帯域の見積りを行うATM
    空き帯域推定方法において、 前記優先クラスのユーザが申告するGCRAのパラメー
    タから算出される伝送路使用率の平均値および有限時間
    平均値の分散、ならびに、前記ABRサービス専用のセ
    ルバッファの使用状態に基づいて前記空き帯域の見積り
    を行うことを特徴とするATM空き帯域推定方法。
  2. 【請求項2】 ATM網におけるABRサービスのサポ
    ートに際して、該ABRサービスよりも高優先度の優先
    クラスが使用していない空き帯域の見積りを行うATM
    空き帯域推定方法において、 前記優先クラスのユーザが呼設定要求時に申告するピー
    クセルレート、サステナブルセルレート、バーストトレ
    ランスの各申告パラメータと、前記ABRサービスのユ
    ーザが呼設定要求時に申告するミニマムセルレートを予
    め記憶し、 前記サステナブルセルレートをもとに、優先クラスユー
    ザによる帯域平均使用率を算出し、 前記ミニマムセルレートから算出したABRユーザによ
    る帯域使用率と前記ABRサービス専用のセルバッファ
    の容量から測定時間間隔を決定し、 前記測定時間間隔と前記優先クラスの申告パラメータを
    もとに、優先クラスユーザによる帯域使用率の分散を算
    出し、 前記優先クラスユーザによる帯域平均使用率と前記優先
    クラスユーザによる帯域使用率の分散の総和をもとにし
    て前記空き帯域を算出することを特徴とするATM空き
    帯域推定方法。
  3. 【請求項3】 前記優先クラスユーザによる帯域使用率
    の分散をもとにして、ABRのバッファの待ちセル数の
    分布にChebyshevの不等式を適用することによ
    り、空き帯域の有無を判断することを特徴とする請求項
    2記載のATM空き帯域推定方法。
  4. 【請求項4】 前記優先クラスユーザによる帯域使用率
    の分散をもとにして、ABRのバッファの待ちセル数に
    拡散近似を適用することにより、空き帯域の有無を判断
    することを特徴とする請求項2記載のATM空き帯域推
    定方法。
  5. 【請求項5】 前記ABRバッファの待ちセル数に拡散
    近似を適用する方法は、 tを時間変数,qを前記ABRバッファの待ちセル数に
    対応した変数,ρa とρh をそれぞれ前記ABRユーザ
    と前記優先クラスユーザによる伝送路の平均使用率とし
    たときに、A(q,t)=−(1−ρa−ρh)とし、 Allan分散 σ2(t)に対してt=1のときの値を
    σ2(1)として、T1を 【数1】 としたときに、 【数2】 として、 前記ABRバッファの待ちセル数を表わす確率密度関数
    P(q,t)の時間発展を記述する線形Fokker−
    Plank方程式を 【数3】 とし、 ディラックのデルタ関数δを用いて前記確率密度関数P
    (q,t)の初期条件をP(q,0)=δ(q)とし、
    0 をt=0での初期条件を与えたときにセル損失が発
    生する状態に達するまでに要する時間の最小値として、
    * =max(T0,T1)を求め、 輻輳検出後にABRコネクションのレートをミニマムセ
    ルレートまで下げるのに必要な制御遅延を見込んだ輻輳
    検出からABRバッファオーバーフローまでの容量をl
    1 #としたときに、 前記ABRバッファの待ちセル数に対応した境界条件を
    おかずに解いたときの(A)式の解P(q,t)を用い
    て、前記ABRバッファの待ちセル数が一定値を越えた
    状態と判定された後にセル損失が発生する状態に至る確
    率P* lossを、 【数4】 として近似し、 P(q,T*)を標準正規分布に変換し、この変換に伴
    うl1 #の像l1 *を 【数5】 により求め、前記ABRコネクションをミニマムセルレ
    ートまで下げても前記ABRバッファがオーバーフロー
    してしまう確率を与える標準正規分布の裾の値をq*
    したときに、 l1 *≧q*であれば空き帯域が十分であると判断し、l1
    *<q*であれば不十分と判断することを特徴とする請求
    項4記載のATM空き帯域推定方法。
  6. 【請求項6】 前記ABRバッファの待ちセル数に拡散
    近似を適用する方法は、 a及びbを定数,tを時間変数,qを前記ABRバッフ
    ァの待ちセル数に対応した変数,P(q,t)を前記A
    BRバッファの待ちセル数を記述する確率密度関数とし
    たときに、線形Fokker−Plank方程式を 【数6】 とし、 境界条件P(±∞,t)=0を満足する(B)式の解を
    free(q,t)とし前記ABRバッファの待ちセル数
    に対応した境界条件P(0,t)=0でq=0が吸収状
    態となる(B)式の解をPbc(q,t)としたときに、
    補助変数yを加えて拡張した線形Fokker−Pla
    nk方程式を、 【数7】 とし、 境界条件Q(±∞,y,t)=0 を満足する(C)式
    の解 Qfree(q,y,t)=eyfree(q,t) と、同じく(C)式の解である Rfree(q,y,t)=Qfree(q,y,t)−Qfree
    (−q,−y,t) により、前記(B)式の解Pbc(q,t)を、 【数8】 により求め、 T0 をt=0での初期条件を与えたときにセル損失が発
    生する状態に達するまでに要する時間の最小値とし、A
    llan分散σ2(t) に対してt=1のときの値をσ
    2(1)としたときに、T1を 【数9】 として、T*=max(T0,T1) を求め、 セル損失が発生する状態に至る確率P* lossを、 【数10】 と近似し、 ρaとρhをそれぞれ前記ABRユーザと前記優先クラス
    ユーザによる伝送路の平均使用率とし、輻輳検出後にA
    BRコネクションのレートをミニマムセルレートまで下
    げるのに必要な制御遅延を見込んだ輻輳検出からABR
    バッファオーバーフローまでの容量をl1 #としたとき
    に、Pfree(q,T*) を標準正規分布に変換して、こ
    の変換に伴うl1 #の像l1 * を、 【数11】 により求め、 前記ABRコネクションをミニマムセルレートまで下げ
    ても前記ABRバッファがオーバーフローしてしまう確
    率を与える標準正規分布の裾の値をq* としたときに、 l1 *≧q*であれば空き帯域が十分であると判断し、l1
    *<q*であれば不十分と判断することを特徴とする請求
    項4記載のATM空き帯域推定方法。
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