JP3312133B2 - 極超低周波磁気計測システム - Google Patents

極超低周波磁気計測システム

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JP3312133B2
JP3312133B2 JP31710995A JP31710995A JP3312133B2 JP 3312133 B2 JP3312133 B2 JP 3312133B2 JP 31710995 A JP31710995 A JP 31710995A JP 31710995 A JP31710995 A JP 31710995A JP 3312133 B2 JP3312133 B2 JP 3312133B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲の地域内に
おいて300ヘルツ以下程度の極超低周波の微弱磁気変
動を計測しうる極超低周波磁気計測システムに関し、特
に、個々の計測点付近の環境磁気ノイズを低減しうる極
超低周波磁気計測システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】地球は、その内部に鉄を主体とする金属
からなる核を有しており、核は、液体状態の外核と、固
体状態の内核で構成されている。外核に関しては、地球
の自転力や、外核に含まれる放射性物質の崩壊による熱
エネルギにより、緩やかな流動が生じ、これに伴い外核
内部に電流が発生し、これにより磁場が生じている、と
する「ダイナモ理論(Dynamo theory )」が提唱されて
いる。実際、地球は、北極をS極とし南極をN極とする
巨大な磁石を形成している。このため、地球上には、地
磁気が分布している。地磁気は、地球座標系のx,y,
z方向の3成分を持つベクトル量であり、その値は、約
5×10-5テスラ(Wb/m2 )すなわち5万ナノテス
ラ(ナノテスラ=10-9テスラ)程度である。
【0003】最近、地震の前兆現象として、地磁気が変
動したとする例が報告されている。例えば、マグニチュ
ード5.0程度の地震の前に、5ナノテスラ程度の地磁
気の変動が観測されたという報告がある。また、岩石に
残留する磁気から、過去の巨大地震の際の地磁気変化を
算出した結果、マグニチュード8.0程度の巨大地震で
あった日本の濃尾地震(1891年)の際に10ナノテ
スラ程度の地磁気変動があったのではないか、という報
告もある。これらは、「地震地磁気効果」と呼ばれてい
る。この地震地磁気効果は、地震の発生前に地殻内で発
生する圧力により、岩石磁化が変化するためである、と
考えられている。また、地震の前兆現象としては、地電
流も知られている。これに関しては、地震の発生前に地
殻内で発生する圧力により岩石が破壊する際に、一種の
圧電効果によりピエゾ電流が発生するためである、とい
う説がある。この場合も、電流の発生により地磁気が変
化することが考えられる。
【0004】また、地殻深部のマグマは、地下の割れ目
等を経て地上に上昇し、火山の火口から溶岩として噴出
する。溶岩が冷却して固化したものが玄武岩や安山岩な
どの火山岩である。火山岩は、地球磁場により帯磁し、
岩石磁化を生ずる。したがって、火山は、それ自体が一
種の磁石となっている。マグマは、火山直下に一時滞留
する場合があり、その場合には、高い熱と圧力により、
周辺の岩石に影響を与え、その岩石磁化を変化させると
考えられている。したがって、噴火等の火山活動の前兆
として地磁気変動が起こることも考えられ、この場合の
地磁気変動も数ナノテスラ程度であろうと予想される。
また、火山地帯では、岩石磁化により地磁気が強められ
ているので、上記した地震地磁気効果も顕著に現れると
考えられている。これら地球活動に伴う地磁気変動は、
その性質上非常に緩慢であり、その周波数は10Hz以
下と考えられている。
【0005】したがって、数ナノテスラ程度の地磁気の
変動を観測することにより、地震や火山活動などの地球
規模の変動を検出しうる可能性がある。ナノテスラオー
ダーの微弱磁場を検出しうる計測器としては、磁束密度
分解能が、100ピコテスラ/Hz1/2 (ピコテスラ=1
-12 テスラ)すなわち0.1ナノテスラ程度のプロト
ン磁力計、磁束密度分解能が1ピコテスラ/Hz1/2 すな
わち1/1000ナノテスラ程度のフラックスゲート磁
力計、磁束密度分解能が2フェムトテスラ/Hz1/2 (フ
ェムトテスラ=10-15 テスラ)すなわち百万分の2ナ
ノテスラ程度のSQUID(Superconducting Quantum
Interference Device :超伝導量子干渉デバイス)磁束
計が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように通常の地磁気の値が約5万ナノテスラである
上、地磁気は一定ではなくたえず変化しており、種々の
雑音が混在する。例えば、太陽の黒点の変化により地球
に来襲する高速なプラズマ状態のイオン粒子の集団であ
る太陽風は、地球の電離層によってある程度は遮蔽され
るが、周波数1Hzにおいて20ピコテスラ/Hz1/2
度すなわち0.02ナノテスラ程度の磁気雑音を引き起
こす。さらに大きな磁気雑音を発生するのは、市街地で
ある。その大きな雑音源は鉄道電車、自動車等であり、
その雑音レベルは前者の場合では数十ナノテスラ、後者
では数ナノテスラに達し、太陽風の場合の地磁気雑音の
100〜数千倍である。したがって、上記した高感度の
磁束計を何らの対策も施さずに地球磁場内に設置して地
磁気計測をした場合には、市街地環境における数ナノテ
スラ〜数十ナノテスラの磁気雑音(以下、「都市ノイ
ズ」という)に埋没してしまい、たとえ地球の活動によ
る数ナノテスラ程度の地磁気変動が発生していたとして
も、それを検出することはほとんど不可能である。
【0007】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、都
市ノイズの影響を低減し、周波数が300ヘルツ以下程
度の極超低周波の微弱磁気変動を計測しうる極超低周波
磁気計測システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る極超低周波磁気計測システムは、極超
低周波磁気を3次元成分ごとに計測する第1磁気計測手
段と、極超低周波磁気を3次元成分ごとに計測する第2
磁気計測手段を有する地域計測ペアを少なくとも2個互
いに離隔させて配置し、前記第1磁気計測手段により計
測された第1磁気データと前記第2磁気計測手段により
計測された第2磁気データとの同一条件での前記3次元
成分ごとの相互相関関数を前記各地域計測ペアごとに算
出することにより、前記各地域ペアごとにその周辺環境
の磁気雑音を低減した前記3次元成分ごとの環境雑音低
減磁気データを算出し、前記環境雑音低減磁気データか
ら少なくとも6個の方程式をたてて解き、前記計測され
た磁気の発生源の位置と、前記計測された磁気の発生源
における磁気の方向と、前記計測された磁気の発生源に
おける磁気の強度を算出するデータ処理手段を備えたこ
とを特徴とする。上記の極超低周波磁気計測システムに
おいては、好ましくは、前記第1磁気計測手段は3次元
の各軸方向に対応して設けられ前記3次元磁気成分を検
出する3次元成分第1検出部を有するとともに、前記第
2磁気計測手段は3次元の各軸方向に対応して設けられ
前記3次元磁気成分を検出する3次元成分第2検出部を
有し、前記同一条件は、前記3次元成分第1計測部の前
記各軸方向と前記3次元成分第2計測部の前記各軸方向
とを地球座標系の3軸方向と平行にすることとする。ま
た、好ましくは、前記地域計測ペアは、500ないし1
000キロメートル程度の離隔を配して設置される。ま
た、好ましくは、前記第1磁気計測手段と前記第2磁気
計測手段は、都市又は地域において10ないし30キロ
メートル程度の離隔を配して設置される。また、好まし
くは、前記極超低周波磁気の周波数は概ね300ヘルツ
以下とする。また、好ましくは、前記第1磁気計測手段
及び前記第2磁気計測手段の3次元位置を検出する測位
手段と、前記第1磁気計測手段及び前記第2磁気計測手
段の方向を検出する方向検出手段を備える。また、好ま
しくは、前記第1磁気計測手段と、前記第2磁気計測手
段と、前記データ処理手段の相互間を連絡するデータ伝
送手段を備える。また、好ましくは、前記第1磁気計測
手段により計測された前記同一条件における磁気データ
の前記3次元成分をそれぞれfx (t)及びfy (t)
及びfz(t)とし、前記第2磁気計測手段により計測
された前記同一条件における磁気データの前記3次元成
分をそれぞれgx (t)及びgy (t)及びgz (t)
とした場合に、前記3次元成分ごとの相互相関関数は、
下式
【数4】
【数5】
【数6】 により算出されることを特徴とする。また、好ましく
は、前記環境雑音低減磁気データは、前記第1磁気デー
タの3次元成分の前記同一条件でのフーリエ変換と、前
記第2磁気データの3次元成分の前記同一条件でのフー
リエ変換の、各3次元成分ごとの合成積を算出し、その
フーリエ逆変換を算出することにより得る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1ないし図
3は、本発明の極超低周波磁気計測システムの一実施形
態である地磁気計測システムの全体構成を示したもので
ある。図1(A)に示すように、この地磁気計測システ
ム1は、複数の地域計測ペアA1 〜An (n:自然数)
と、集計分析センターBと、これらを連絡するデータ伝
送路L1 〜Ln を備えて構成されている。
【0010】各地域計測ペアAi (i:1からnまでの
自然数)は、それぞれ距離Dij(j:1からnまでの自
然数,i≠j)を配して設置されている。各ペア間距離
Dijは、500〜1000キロメートル程度に設定され
ている。各地域計測ペアAiと集計分析センターBとを
結ぶデータ伝送路Li は、電話回線、光ファイバ回線等
の有線回線、あるいはマイクロ波等の無線回線で構成さ
れている。
【0011】また、図1(B)に示すように、各地域計
測ペアAi は、第1計測ユニットai1と第2計測ユニッ
トai2を有している。これらの計測ユニットai1,ai2
は、距離di を配して設置されている。ユニット間距離
di は、10〜30キロメートル程度に設定されてい
る。計測ユニットai1,ai2どうしは、データ伝送路L
i0で連絡されており、このデータ伝送路Li0も、上記の
データ伝送路Li と同様、電話回線、光ファイバ回線等
の有線回線、あるいはマイクロ波等の無線回線で構成さ
れている。集計分析センターBとの間のデータ伝送路L
i は、片方の計測ユニットai1との間に設けられてい
る。これは、逆であってもよく、計測ユニットai2と集
計分析センターBとがデータ伝送路Li で連絡されてい
てもよい。
【0012】上記の各計測ユニットai1,ai2は、ある
地域又は都市を挟むようにその辺縁部に設置されるのが
望ましい。また、集計分析センターBは、複数の地域や
都市の中心となる都市や大学,研究所等の所在する都市
等に設置される。集計・分析センターBには、コンピュ
ータが設けられている。
【0013】次に、上記した計測ユニットai1,ai2の
構成について説明する。図2に示すように、第1計測ユ
ニットai1は、第1磁気計測手段である磁気計測ブロッ
ク10と、位置・方向算出ブロック20と、地域磁気情
報算出ブロック30を有している。一方、計測ユニット
ai2は、第2磁気計測手段である磁気計測ブロック11
0と、位置・方向算出ブロック120と、地域磁気情報
算出ブロック130を有している。
【0014】第1計測ユニットai1の磁気計測ブロック
10は、デュワー11と、SQUID磁束計12を有し
ている。デュワー11は、プラスチック等からなり、内
部に複数の殻構造を有しており、それぞれの殻と殻との
間に真空層を設けることにより断熱容器を構成してお
り、内部の空間に温度4K(K:絶対温度)程度の冷却
媒体である液体ヘリウムHを収容している。
【0015】SQUID磁束計12は、ピックアップコ
イル12aと、SQUIDチップ12bと、駆動・検出
回路12cを有している。ピックアップコイル12a
は、例えば立方体の互いに直交する面上に設置された3
つの成分検出コイルcx ,cy,cz を有している。こ
のピックアップコイル12aは、液体ヘリウムH中に浸
漬されて温度4K程度の低温状態に維持され、デュワー
11の底部付近に設置される。このような構成により、
ピックアップコイル12aは、個々の成分検出コイルc
x ,cy ,cz が、地磁気φを、その3次元成分、すな
わちx方向成分φx ,y方向成分φy ,z方向成分φz
ごとに捉える。SQUIDチップ12bも、液体ヘリウ
ムH中に浸漬されて温度4K程度の低温状態に維持さ
れ、ピックアップコイル12aの出力側に接続される。
このSQUIDチップ12bにおいては、ピックアップ
コイル12aの各成分検出コイルcx ,cy ,cz ごと
にdc−SQUIDが接続されており、ピックアップコ
イル12aが捉えた各3次元成分ごとの磁束を検出す
る。駆動・検出回路12cは、デュワー11の外部に設
けられる。駆動・検出回路12は、3個のdc−SQU
IDに対応して3系統設けられ、磁気の3次元成分ごと
にdc−SQUIDを駆動し、検出した磁束をそれぞれ
3次元成分の電気信号として出力する。これらの3次元
成分ごとの計測磁気データは第1磁気データに相当す
る。デュワー11内に設置後のピックアップコイル12
aの各成分検出コイルcx ,cy ,cz の位置と方向の
初期値、その方向ごとの感度は、測定等により予め把握
されて、ディジタルデータとして格納されている。
【0016】ここで、SQUID磁束計12における磁
束検出の原理について説明する。図3に示すように、S
QUID磁束計12は、ピックアップコイル12aと、
インプットコイル51と、SQUIDリング52と、バ
イアス電流源55と、増幅器56と、位相検波器57
と、増幅器58と、変調信号源9と、帰還抵抗60と、
帰還コイル61を有して構成されている。上記のうち、
SQUIDリング52とインプットコイル51と帰還コ
イル61はSQUIDチップ12bを構成している。ま
た、バイアス電流源55と、増幅器56と、位相検波器
57と、増幅器58と、変調信号源9と、帰還抵抗60
は、駆動・検出回路12cを構成している。上記は、磁
気の3次元成分の1つの成分、例えばx方向成分につい
ての構成であり、他のy,z方向成分についても、まっ
たく同様に、それぞれ磁束計が構成されている。
【0017】インプットコイル51はピックアップコイ
ル12aとループ状に接続されており、ピックアップコ
イル12aが捉えた外部磁束をSQUIDリング52に
結合する。SQUIDリング52は超伝導材料からな
り、その内部に2つのジョセフソン接合53,54を有
するdc−SQUIDである。これらのピックアップコ
イル12aとインプットコイル51とSQUIDリング
52は、液体ヘリウム内に浸漬され4K程度の低温状態
に維持され、超伝導状態になっている。バイアス電流源
55は、SQUIDリング52を駆動するための直流の
バイアス電流を印加する。SQUIDリング52には、
インプットコイル51を介して、外部磁束、例えば磁気
のx方向成分φx が結合されるほか、帰還抵抗60に流
れる帰還電流If と変調信号源59による帰還磁束φf
が結合される。この場合、超伝導状態にあるSQUID
リング52に、磁束の通過によりリングを周回する超伝
導電流が誘起され、リング内のジョセフソン接合53,
54における量子的な干渉効果により、電圧V1 が出力
される。この出力電圧V1 は、増幅器56で増幅され
る。その後、位相検波器57において位相検波され、V
−φ特性の1次微分値dV/dφに比例する直流値を得
る。この直流値を増幅器58で増幅することにより、印
加された外部磁束の微弱な変化を出力電圧Vout の大き
な変化に変換することができる。
【0018】上記において、位相検波器57で求められ
たV−φ特性の微分値dV/dφに比例した直流電流が
増幅器58で増幅され、帰還電流If として帰還コイル
61に流される。このフィードバック回路により、SQ
UIDリング52に加わる全磁束は、V−φ曲線の1次
微分値dV/dφが零になる点(山あるいは谷)の磁束
値に固定されるので、この状態を「ロックされた」と表
現し、上記のフィードバック回路を、FLL(Flux Loc
ked Loop:磁束ロックループ)回路と呼ぶ。このような
SQUID磁束計は、その磁束密度分解能が、10-6
10-5φ。/Hz1/2 (φ。:磁束量子,2.07×10
-15 Wb)程度、あるいは、2フェムトテスラ/Hz1/2
程度であり、非常に高感度である。
【0019】第1計測ユニットai1の位置・方向算出ブ
ロック20は、アンテナ21と、GPS受信機22と、
傾きセンサ25と、傾き算出部24と、送信機23を有
している。アンテナ21は、地球の上空約20,200
キロメートルを1周約12時間で周回する複数個(19
93年現在において23個)のナブスター(NAVSTAR )
衛星からの電波を捉える。この電波には、測位情報と絶
体時間情報が含まれている。アンテナ21で捉えられた
電波は、GPS受信機22によって検波され、この計測
ユニットai1の地球上における3次元の位置(例えばx
1 ,y1 ,z1 で表わされた座標データ)を検出し、デ
ィジタルデータとして出力する。このような測位システ
ムをGPS(Global Positioning System )という。G
PS受信機22で検出された計測ユニットai1の地球上
における3次元位置データは、送信機23に出力され
る。上記において、アンテナ21とGPS受信機22
は、測位手段を構成している。
【0020】一方、デュワー11には傾きセンサ25が
取り付けられており、デュワー11の傾きを検出する。
この傾き検出信号は、傾きセンサ25から傾き算出部2
4に送られ、デュワー11の傾き(例えば方位角ψ1 ,
天頂角θ1 で表わされた角度データ)を算出し、ディジ
タルデータとして送信機23に出力する。送信機23
は、SQUID磁束計12の位置・方向の初期値と、各
方向ごとの感度特性の既知値と、傾きセンサ25からの
デュワー11の傾き値(ψ1 ,θ1 )と、GPS受信機
22から得た計測ユニットai1の地球上における3次元
位置座標(x1 ,y1 ,z1 )とを、後述するデータ処
理部33に送る。上記において、傾きセンサ25と傾き
算出部24は、方向検出手段を構成している。
【0021】第1計測ユニットai1の地磁気情報算出ブ
ロック30は、ローパスフィルタ31と、A/Dコンバ
ータ32と、データ処理部33と、送信機34を有して
いる。ローパスフィルタ31は、SQUID磁束計12
を構成する駆動・検出回路12cから出力される磁気検
出信号のうち、高周波成分を除去し、直流(DC)から
300ヘルツ程度までの極超低周波成分を出力する。A
/Dコンバータ32は、ローパスフィルタ31からのア
ナログ出力をディジタル信号に変換する。データ処理部
33は、コンピュータにより構成され、SQUID磁束
計12からの磁気データと、位置・方向算出ブロック2
0からの位置・方向データとから、データを処理する。
【0022】次に、第2計測ユニットai2の構成と作用
について説明する。第2計測ユニットai2も、基本的に
は、第1計測ユニットai2と同じ構成を有している。す
なわち、第2計測ユニットai2の磁気計測ブロック11
0は、デュワー111と、SQUID磁束計112を有
している。SQUID磁束計112は、互いに直交する
成分検出コイル(図示せず)を含むピックアップコイル
112aを有している。デュワー111及びSQUID
磁束計112のそれぞれの構成及び作用は、上述したデ
ュワー11及びSQUID磁束計12と同様である。ま
た、第2計測ユニットai2の位置・方向算出ブロック1
20は、アンテナ121と、GPS受信機(図示せず)
と、傾きセンサ125と、傾き算出部(図示せず)と、
送信機(図示せず)を有しており、これらの構成及び作
用は、上述したアンテナ21,GPS受信機22,傾き
センサ25,傾き算出部24,送信機23と同様であ
る。
【0023】第2計測ユニットai2が第1計測ユニット
ai1と異なる点は、地磁気情報算出ブロック130が、
ローパスフィルタ131と、A/Dコンバータ132
と、送信機134のみを有し、データ処理部を持たない
点である。第2計測ユニットai2におけるピックアップ
コイル112aの位置・方向の初期値と、方向ごとの感
度特性の既知値と、位置・方向算出ブロック120内の
傾きセンサ125からのデュワー111の傾き値(ψ2
,θ2 )と、位置・方向算出ブロック120内のGP
S受信機(図示せず)から得た第2計測ユニットai2の
地球上における3次元位置(x2 ,y2 ,z2 )と、S
QUID磁束計112が検出し極超低周波成分が抽出さ
れた3次元成分ごとの磁気データとを、ディジタルデー
タとして、送信機134から第1計測ユニットai1のデ
ータ処理部33へ出力する。上記において、SQUID
磁束計112からの3次元成分ごとの計測磁気データ
は、第2磁気データに相当する。
【0024】次に、第1計測ユニットai1のデータ処理
部33におけるデータの処理や演算の方法について説明
する。まず、第1計測ユニットai1からの磁気データ
は、一緒に送られてきたSQUID磁束計12の傾き方
向データ(ψ1 ,θ1 )と、SQUID磁束計12の位
置・方向の初期値とから、SQUID磁束計12のピッ
クアップコイル12aの各成分検出コイルcx ,cy ,
cz のそれぞれの成分方向、すなわち成分検出コイルの
x,y,z方向が地球座標系のx,y,z方向と平行な
場合の磁気データに変換される。また、同様にして、第
2計測ユニットai2からの磁気データは、一緒に送られ
てきたSQUID磁束計112の傾き方向データ(ψ2
,θ2 )と、SQUID磁束計112の位置・方向の
初期値とから、SQUID磁束計112のピックアップ
コイル112aの各成分検出コイルのそれぞれの成分方
向、すなわち成分検出コイルのx,y,z方向が地球座
標系のx,y,z方向と平行な場合の磁気データに変換
される。したがって、この操作により、第1計測ユニッ
トai1からの磁気データと第2計測ユニットai2からの
磁気データは、各SQUID磁束計のピックアップコイ
ルの各成分検出コイルが正確なx,y,z方向を向いて
いる場合の値にそろえられる。すなわち、この操作によ
り、各計測ユニットからの磁気データは、仮に各計測ユ
ニットにおけるピックアップコイルがそれぞれ異なった
方向を向いていたとしても、同一条件の場合の磁気値、
すなわちピックアップコイルの各成分検出コイルの3次
元の各軸の方向が地球座標系の各3次元軸方向と平行と
なる場合に計測されたであろう磁気値に変換される。上
記において、ピックアップコイル12aの各成分検出コ
イルcx ,cy ,cz は3次元成分第1計測部に相当
し、ピックアップコイル112aの図示しない各成分検
出コイルは3次元成分第2計測部に相当している。
【0025】このようにして方向がそろえられた磁気デ
ータ(以下、「整合磁気データ」という)は、3次元の
方向成分を持ち、時刻tにより変化する関数である。例
えば、第1計測ユニットai1からの整合磁気データf
(t)は、x方向の成分fx (t)と、y方向の成分f
y (t)と、z方向の成分fz (t)で表わされ、第2
計測ユニットai2からの整合磁気データg(t)は、x
方向の成分gx (t)と、y方向の成分gy (t)と、
z方向の成分gz (t)で表わされる。
【0026】これら2つの計測ユニットai1,ai2から
の各整合磁気データの各成分fx (t),fy (t),
fz (t),gx (t),gy (t),gz (t)に
は、上述した大きな都市ノイズが含まれていると考えら
れる。この都市ノイズは、2つの計測ユニットai1,a
i2に挟まれる都市などから発生する磁気雑音である。こ
れに対し、2つの計測ユニットai1,ai2が狙う地磁気
源は、この都市ノイズ源に比べるとはるかに遠方にある
とみなすことができる。
【0027】各計測ユニットai1,ai2がこの都市をは
さむようにして設置されていることから、比較的近い都
市ノイズ源からのノイズを各計測ユニットai1,ai2位
置で計測した値は、大きく異なり、ばらつく。これに対
し、遠方と仮定される磁気源と各計測ユニットai1,a
i2との距離は、その値が大きいことからほぼ等しいとみ
なせる。したがって、目標とする遠方の磁気源からの信
号を各計測ユニットai1,ai2位置で計測した値は、ほ
とんど等しく値,位相ともそろう。
【0028】このような場合、各整合磁気データの各成
分fx (t),fy (t),fz (t),gx (t),
gy (t),gz (t)を確率過程とし、x方向,y方
向,z方向の成分ごとの相互相関関数
【数7】
【数8】
【数9】 を算出する。このように、各3次元成分ごとの相互相関
関数をとると、ばらつくノイズ成分は各3次元成分ごと
にキャンセルされ、値と位相のそろった磁気信号の各3
次元成分のみが抽出される。
【0029】上記の操作を数学的に処理するため、フー
リエ変換を利用する。フーリエ変換とは、時間的に変化
する波形に含まれる周波数ωの分布を示す周波数スペク
トルを算出するために行う数学的変換である。例えば、
第1計測ユニットai1からの整合磁気データのx成分f
x (t)のフーリエ変換Fx (ω)は、下式
【数10】 で表わされる。
【0030】また、第2計測ユニットai2からの整合磁
気データのx成分gx (t)のフーリエ変換Gx (ω)
は、下式
【数11】 で表わされる。
【0031】このとき、各整合磁気データのx成分fx
(t),gx (t)の相互相関関数のフーリエ変換Hx
(ω)は、フーリエ変換の「合成積の定理」より、下式
【数12】 で表わされる。このHx (ω)を整合磁気データのx成
分fx (t),gx (t)のクロススペクトルという。
【0032】図4に、スペクトルFx (ω),Gx
(ω)と、クロススペクトルHx (ω)を模式的に示
す。このグラフ上で、例えば、Fx (ω)上の点P1 と
Gx (ω)上の点P2 は、都市ノイズによる磁気計測値
を示している。この場合は、クロススペクトルは点P3
に示すように零となりキャンセルされる。一方、Fx
(ω)上の点P4 とGx (ω)上の点P5 は、目標とす
る磁気信号による磁気計測値を示している。この場合
は、クロススペクトルは点P6 に示すように大きな値と
なって表れる。上記は、整合磁気データのx成分fx
(t),gx (t)についてであり、整合磁気データの
y成分fy (t),gy (t)、整合磁気データのz成
分fz (t),gz (t)についても、まったく同様の
ことがいえる。
【0033】第1計測ユニットai1のデータ処理部33
は、図示しないFFT(高速フーリエ変換)アナライザ
等を備えており、2つの計測ユニットai1,ai2からの
ディジタル磁気データを用いて、磁気の各3次元成分ご
とに近傍の都市ノイズをキャンセルし、各3次元成分ご
とに新たなディジタルデータとして送信機34に出力す
る。すなわち、第1計測ユニットai1からのx方向の磁
気データfx (t)と、第2計測ユニットai2からのx
方向の磁気データgx (t)とから、これらの中の都市
ノイズ成分を除去し、地域計測ペアAi における新たな
x方向磁気データとして、例えばhx (t)を送信機3
4に出力するのである。この場合、都市ノイズ成分を除
去して得た新たなx方向磁気データhx (t)は、下式
【数13】 に示すように、上記のx方向のクロススペクトルHx
(ω)をフーリエ逆変換することによって算出すること
ができる。他のy,z成分についても同様である。フー
リエ逆変換とは、フーリエ変換の逆変換である。送信機
34は、都市ノイズを除去した各3次元成分ごとの磁気
データhx (t),hy (t),hz (t)をこの都市
又はこの地域の磁気計測データとしてデータ伝送路Li
により集計分析センターBへ送る。上記の都市ノイズを
除去した各3次元成分ごとの磁気データhx (t),h
y (t),hz (t)は、環境雑音低減磁気データに相
当している。
【0034】上記のようにして、集計分析センターBに
は、各地域計測ペアAi から磁気データhx (t),h
y (t),hz (t)が集められる。この磁気データ
は、時間tにより変化する関数であり、時間tのほか
に、磁場の位置を示す3次元座標x,y,zと、磁場の
方向を示すψ,θと、磁気の強度を示すiの6個のパラ
メータが含まれている。一般に、変数の個数と同数の方
程式が立てられれば、それらの方程式を解くことによ
り、各変数を決定することが可能である。したがって、
例えば、図5に示すように、2個の地域計測ペアA3 ,
A4 を配置し、上記の方法により、各地域計測ペアA3
,A4 において地磁気φを測定し、都市ノイズ成分を
キャンセルした地域計測ペアA3 の整合磁気データhx3
(t),hy3(t),hz3(t)を集計分析センターB
に集めるとともに、都市ノイズ成分をキャンセルした地
域計測ペアA4 の整合磁気データhx4(t),hy4
(t),hz4(t)を集計分析センターBに集め、これ
ら6つのデータからコンピュータ数値計算等を行って6
個の変数を解けば、磁気発生源Xの位置、磁気の方向、
及びその磁気の強度をつきとめることが可能となる。ま
た、地域計測ペアの数が3以上となり、変数の個数6よ
りも方程式の数が多くなった場合は、線形計画法(OR
法:Operation Research Method )等により、これらの
方程式を満足する各変数の最適解を決定することが可能
であるし、磁気発生源探求の精度が一層向上する。ま
た、磁気発生源が1個の場合は、上記したように変数の
個数は6個であるが、仮に磁気発生源が2個とすると、
変数の個数は12個となり、地域計測ペアAi の個数は
4個必要となる。したがって、地域計測ペアAi の個数
を増やせば、種々の条件の磁気発生源を探求することが
可能となり、またその精度はさらに向上する。
【0035】したがって、目標とする磁気発生源を地震
の予想される地域、あるいは火山活動の予想される地域
等とし、地域計測ペアAi を目標を中心とする半径10
00キロメートル程度の地域内に配置し、地磁気の監視
を行うことにより、地震や火山活動等の予測も可能にな
ると考えられる。
【0036】上記において、第1計測ユニットai1のデ
ータ処理部33と集計分析センターBは、データ処理手
段を構成している。また、上記において、データ伝送路
Li及びLi0と、送信機34,134はデータ伝送手段
を構成している。
【0037】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】例えば、上記実施形態においては、計測す
る極超低周波磁気として地磁気を例に挙げて説明した
が、本発明はこれには限定されず、他の磁気源から発生
し、x,y,z方向の3成分を持つベクトル量の磁気、
例えば、人為的な極超低周波磁気源からの磁気を計測対
象としてもよい。
【0039】また、上記実施形態においては、磁気の計
測器としてdc−SQUIDを備えたSQUID磁束計
を用いる例について説明したが、本発明はこれには限定
されず、他の高感度磁束計、例えば、プロトン磁力計、
フラックスゲート磁力計、あるいはrf−SQUIDを
備えたSQUID磁束計を使用してもよい。また、SQ
UID磁束計の場合においても、高温超伝導体により形
成し維持温度を4Kよりも高い温度にしてもよい。そし
て、上記実施形態においては、冷却媒体として液体ヘリ
ウムを用いる例について説明したが、本発明はこれには
限定されず、他の冷却媒体、例えば液体窒素等を用いて
もよい。さらに、上記実施形態においては、ピックアッ
プコイル,インプットコイル,SQUIDチップを冷却
媒体中に浸漬して低温状態とし、超伝導状態を維持する
例について説明したが、本発明はこれには限定されず、
他の方法、例えば冷却装置内に保持することにより低温
状態として超伝導状態にしてもよい。
【0040】また、上記実施形態においては、磁束計の
地球上における3次元位置を検出する手段としてGPS
を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定され
ず、他の測位システム、例えば、ロラン、オメガ等の測
位システムなどであってもよい。
【0041】また、上記実施形態においては、各計測ユ
ニットは、その地点に固定的に設置される例について説
明したが、本発明はこの例には限定されず、各計測ユニ
ットには、自己の現在位置を正確に知りうるGPSによ
る測位手段と、SQUID磁束計の傾きを検出しうる傾
きセンサが備えられているので、各計測ユニットを自動
車等の移動体に搭載し、測定位置を変えて磁気計測を行
うことも可能である。
【0042】また、上記実施形態においては、同一の計
測ペア内の計測ユニットで計測された磁気データの相互
相関関数をとるデータ処理を、一方の計測ユニット内の
データ処理部が行う例について説明したが、本発明はこ
の例には限定されず、すべての生データを集計分析セン
ターに送り、集計分析センターでデータ処理を一元的に
行うようにしてもよい。このような一元的な集計・分析
の場合は、計測ペア内の各ユニットのいずれもが、デー
タ伝送路によって集計・分析センターと結ばれる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る極超
低周波磁気計測システムによれば、極超低周波の磁気を
3次元成分ごとに計測する1対の磁気計測手段からなる
地域計測ペアを少なくとも2個互いに離隔させて配置
し、各ペアの各成分ごとの磁気データの相互相関関数を
同一条件でとることにより、地域計測ペアの配置された
都市や地域での磁気雑音をキャンセルし、各成分ごとの
磁気信号を抽出することができる。また、この抽出デー
タから、磁気発生源を記述する方程式を解き、磁気発生
源の位置と、その磁気の方向と、磁気発生源における磁
気の強度等を算出することができる。したがって、従来
は都市や地域での磁気雑音に埋没して抽出できなかった
地磁気変動を観測することが可能となり、地磁気変動か
ら逆に地震や火山活動等の地球活動を予測する可能性を
探ることができる、等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である地磁気計測システ
ムの構成を示す概念図である。
【図2】図1に示す地磁気計測システムにおける地域計
測ペアのさらに詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す地域計測ペアにおけるSQUID磁
束計のさらに詳細な構成を示す回路図である。
【図4】図1に示す地磁気計測システムのデータ処理部
における演算を説明する概念図である。
【図5】図1に示す地磁気計測システムの作用を説明す
る概念図である。
【符号の説明】
1,1a 地磁気計測システム 10 磁気計測ブロック 11 デュワー 12 SQUID磁束計 12a ピックアップコイル 12b SQUIDチップ 12c 駆動・検出回路 20 位置・方向算出ブロック 21 アンテナ 22 GPS受信機 23 送信機 24 傾き算出部 25 傾きセンサ 30 地域磁気情報算出ブロック 31 ローパスフィルタ 32 A/Dコンバータ 33 データ処理部 34 送信機 51 インプットコイル 52 SQUIDリング 53,54 ジョセフソン接合 55 バイアス電流源 56 増幅器 57 位相検波器 58 増幅器 59 変調信号源 60 帰還抵抗 61 帰還コイル 110 磁気計測ブロック 111 デュワー 112 SQUID磁束計 112a ピックアップコイル 112b SQUIDチップ 112c 駆動・検出回路 120 位置・方向算出ブロック 121 アンテナ 125 傾きセンサ 130 地域磁気情報算出ブロック 131 ローパスフィルタ 132 A/Dコンバータ 134 送信機 Ai 地域計測ペア aij 計測ユニット B 集計分析センター cx x成分検出コイル cy y成分検出コイル cz z成分検出コイル H 液体ヘリウム Li データ伝送路 S ナブスター衛星 X 磁気発生源 φ 地磁気
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 3/08 G01R 33/035 ZAA G01V 1/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極超低周波磁気を3次元成分ごとに計測
    する第1磁気計測手段と、極超低周波磁気を3次元成分
    ごとに計測する第2磁気計測手段を有する地域計測ペア
    を少なくとも2個互いに離隔させて配置し、前記第1磁
    気計測手段により計測された第1磁気データと前記第2
    磁気計測手段により計測された第2磁気データとの同一
    条件での前記3次元成分ごとの相互相関関数を前記各地
    域計測ペアごとに算出することにより、前記各地域ペア
    ごとにその周辺環境の磁気雑音を低減した前記3次元成
    分ごとの環境雑音低減磁気データを算出し、前記環境雑
    音低減磁気データから少なくとも6個の方程式をたてて
    解き、前記計測された磁気の発生源の位置と、前記計測
    された磁気の発生源における磁気の方向と、前記計測さ
    れた磁気の発生源における磁気の強度を算出するデータ
    処理手段を備えたことを特徴とする極超低周波磁気計測
    システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の極超低周波磁気計測シス
    テムにおいて、前記第1磁気計測手段は3次元の各軸方
    向に対応して設けられ前記3次元磁気成分を検出する3
    次元成分第1検出部を有するとともに、前記第2磁気計
    測手段は3次元の各軸方向に対応して設けられ前記3次
    元磁気成分を検出する3次元成分第2検出部を有し、前
    記同一条件は、前記3次元成分第1計測部の前記各軸方
    向と前記3次元成分第2計測部の前記各軸方向とを地球
    座標系の3軸方向と平行にすることであることを特徴と
    する極超低周波磁気計測システム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の極超低周波
    磁気計測システムにおいて、前記地域計測ペアは、50
    0ないし1000キロメートル程度の離隔を配して設置
    されることを特徴とする極超低周波磁気計測システム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうちのいずれ
    か1項記載の極超低周波磁気計測システムにおいて、前
    記第1磁気計測手段と前記第2磁気計測手段は、都市又
    は地域において10ないし30キロメートル程度の離隔
    を配して設置されることを特徴とする極超低周波磁気計
    測システム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のうちのいずれ
    か1項記載の極超低周波磁気計測システムにおいて、前
    記極超低周波磁気の周波数は概ね300ヘルツ以下であ
    ることを特徴とする極超低周波磁気計測システム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のうちのいずれ
    か1項記載の極超低周波磁気計測システムにおいて、前
    記第1磁気計測手段及び前記第2磁気計測手段の3次元
    位置を検出する測位手段と、前記第1磁気計測手段及び
    前記第2磁気計測手段の方向を検出する方向検出手段を
    備えたことを特徴とする極超低周波磁気計測システム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のうちのいずれ
    か1項記載の極超低周波磁気計測システムにおいて、前
    記第1磁気計測手段と、前記第2磁気計測手段と、前記
    データ処理手段の相互間を連絡するデータ伝送手段を備
    えたことを特徴とする極超低周波磁気計測システム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のうちのいずれ
    か1項記載の極超低周波磁気計測システムにおいて、前
    記第1磁気計測手段により計測された前記同一条件にお
    ける磁気データの前記3次元成分をそれぞれfx (t)
    及びfy (t)及びfz (t)とし、前記第2磁気計測
    手段により計測された前記同一条件における磁気データ
    の前記3次元成分をそれぞれgx (t)及びgy (t)
    及びgz (t)とした場合に、前記3次元成分ごとの相
    互相関関数は、下式 【数1】 【数2】 【数3】 により算出されることを特徴とする極超低周波磁気計測
    システム。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のうちのいずれ
    か1項記載の極超低周波磁気計測システムにおいて、前
    記環境雑音低減磁気データは、前記第1磁気データの3
    次元成分の前記同一条件でのフーリエ変換と、前記第2
    磁気データの3次元成分の前記同一条件でのフーリエ変
    換の、各3次元成分ごとの合成積を算出し、そのフーリ
    エ逆変換を算出することにより得ることを特徴とする極
    超低周波磁気計測システム。
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