JP3306111B2 - 最適終了点検出法 - Google Patents

最適終了点検出法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、晶析工程における最適
終了点の検出法及び該方法を用いた晶析物の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】晶析工程の問題点の1つとして終了点の
検出があり、その終了点判断を誤ると品質の低下や次工
程のトラブルを起こす。
【0003】従来、このような晶析工程における終了点
の検出は、一般に作業者独自の経験則や勘(液の表面状
態からの目視等の判断)に基づいていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
従来の技術が作業者独自の経験則や勘に基づくために生
じる、1)作業者の誤判断により品質や収率が不安定と
なる、2)作業者が特定される、3)長時間の監視を行
う必要がある等の問題点を解決し、品質の安定化、収率
の向上及び作業の自動化を目的とした、晶析工程におけ
る最適終了点の検出法及び該方法を用いた晶析物の製造
法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の検出方法は、攪
拌機を使用する晶析工程において該撹拌機の撹拌所要動
力の変動を波形解析することを特徴とする、晶析工程の
最適終了点検出法に関する。
【0006】本発明者らは、晶析工程において、晶析工
程の進行に伴い攪拌機の『軸出力電力(撹拌所要動力)
の変動幅』が増加することを見出した。
【0007】更に詳しくは、晶析工程において晶析工程
の進行に伴い、液の流動状態の変化により、瞬間的な攪
拌機の軸トルクが変化するために生じることを見出し
た。
【0008】そこで、本発明者らは上記知見に基づき、
本発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明の晶析工程における最適
終了点検出方法は、晶析の状態(すなわち、固体と液体
の混合比率)と晶析操作を行う容器に取付けられた撹拌
機の軸出力電力(撹拌所要動力及び撹拌軸トルク)の瞬
間的な変動量の間に生じる相関関係を波形解析すること
に基づいている。
【0010】具体的には、軸出力電力(撹拌所要動力)
信号をFFTアナライザに入力し、振幅確率密度関数に
変換すると、晶析状態と相関関係にある標準偏差(σ)
が算出される。このσに設定値を設け、σが設定値(し
きい値)を越えた時点をもって、晶析終了最適点とす
る。
【0011】しきい値を設定するに当たっては、あらか
じめ、経験に基づいた所望する晶析状態(すなわち、固
体と液体の混合比率)のσを測定しておけば良い。
【0012】本発明における波形解析には、種々の解析
方法が挙げられるが、好ましくは、振幅確率密度関数を
使用するものであり、更に好ましくは、振幅確率密度関
数の標準偏差を使用するものである。
【0013】振幅確率密度関数とは、変動する信号が特
定の振幅レベルに存在する確率を求める解析法である。
以下に、その概要を示す。
【0014】図1中の(c)に示すような不規則な信号
が観測され、それをA/D変換したとする。その信号を
それぞれ細分化された振幅Δx(総計M個)毎に仕分け
る。信号の振幅がa≦x≦bの範囲で、 になると仮定すると、これを基にして相対頻度が(b)
のように描かれる。図1中の長方形(斜線部)の面積
は、Ni /Mで、高さが(Ni /M)/Δxとなり、振
幅確率密度関数f(x)は、Δxを無限に小さくしたと
きの高さ(Ni /M)/Δxで与えられる。
【0015】振幅確率密度関数の標準偏差とは、変動す
る信号が特定のレベルに存在する確率を求める解析法で
あり、横軸は振幅[V]、縦軸は0〜1で正規化され
る。その標準偏差(σ)は以下の式で算出される。
【0016】
【数1】 σ:標準偏差[V]、μ:平均値[V]、xi :特定の
振幅レベル[V] P(xi ):xi に存在する信号の確率
【0017】本発明の検出法は、消費電力の変動量(標
準偏差(σ))を測定しているが、高濃度のスラリー
(塑性流体)の場合、撹拌機の撹拌翼に対して降伏応力
τy による加重、塑性変形後の抜重が瞬間的に繰り返さ
れ、電力は無秩序に変動する。
【0018】更に、τy はスラリー濃度と関係があり、
晶析工程の進行に伴い、τy は増加し、その結果、σは
増加する。溶液の場合、τy はなく、安定した剪断応力
で撹拌されるため、σは増加しない。
【0019】すなわち、本発明の検出法は、高濃度のス
ラリーとなる晶析工程(スラリー濃度(結晶/液量比
率)が高く、かつ結晶総量が多い場合)において使用さ
れるのが望ましい。
【0020】従って、晶析の前に充分濃縮を行うのが望
ましいが、濃縮と同時に晶析操作を行うことも可能であ
る。
【0021】本発明における晶析操作は、真空度や温度
により影響を受け易いので、厳重に管理するのが好まし
い。従って、所望する晶析状態を設定する際にも、真空
度や温度を厳重に設定するのが好ましい。
【0022】本発明の検出法における装置は、基本的に
撹拌機付容器、電力検出器及び波形解析器により構成さ
れ、これにより検出された最適終了点により、例えば警
報機もしくはコンピュータ等を組み合わせて、人為的に
もしくは自動的に晶析を終了させることができる。従っ
て、このような構成により、晶析工程の省力化もしくは
自動化が可能となる。
【0023】本発明における撹拌機の撹拌翼としては、
V型変形翼等が挙げられるが、本発明においては、特に
撹拌翼の種類に限定されるものではない。
【0024】このようにして、晶析を終了した後に、濾
過等の通常の手段により、晶析物を単離することがで
き、これを更に、通常の手段を用いて、精製してもよ
い。
【0025】
【効果】本発明の検出法においては、品質の安定化、収
率の安定化及び向上、並びに作業の自動化ができるのみ
ならず、本発明にかかる装置は、従来の設備に極めて容
易に付加することができ、設備のコスト面からみて、極
めて有利である。また、本発明の検出法はスケールの大
小を問わないので、実験室レベルから化学プラント等に
容易にスケールアップすることが可能である。
【0026】以下に、本発明を実施例により具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
【実施例】圧力300torr、温度80℃、攪拌回転数3
0rpm にて、10000lの容器にトラネキサム酸と不
純物の混合物1422kgを仕込み、総液量約3000l
から約2500lまで、約1時間30分晶析操作を行っ
た。
【0028】以下に、本発明方法にかかる標準偏差と晶
析時間の関係を図2に、晶析の結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】仕込量におけるトラネキサム酸及び不純物
の量は理論値を示す。
【0031】
【試験例】実施例における、標準偏差と晶析時間の関係
の結果に基づいて、所望の晶析状態のしきい値(標準偏
差(σ))を求め、収率及び品質について従来方法と比
較したところ、以下のようになった。
【0032】
【表2】
【0033】更に、本発明方法と従来方法にかかる省力
効果(マンパワー/1日当りの労働時間)について従来
方法と比較したところ、以下のようになった。
【0034】
【表3】
【0035】従って、本発明は従来法と比較して、品質
の向上及び収率の安定化に優れているのみならず、省力
効果にも優れているものである。
【0036】
【参考例】
1.スケールエフェクト 圧力310torr、温度90℃、攪拌回転数30rpm に
て、200l、7600l及び10000lの容器サイ
ズが異なった3種の容器にトラネキサム酸を仕込み、晶
析操作を行ったときの標準偏差の推移を図3に示した。
【0037】容器サイズの違いにかかわらず、標準偏差
は増大した。従って、本発明はスケールの大小を問わな
いものである。
【0038】2.NaCl水溶液の晶析 圧力310torr、温度90℃、攪拌回転数60rpm 、1
00rpm にて、200lの容器にNaCl76kgを仕
込み、晶析操作を行った。標準偏差の推移を図4に示し
た。
【0039】晶析工程の進行に従い、標準偏差は増大し
た。従って、本発明は晶析工程全般に適用可能であるも
のである。
【0040】3.装置例 本発明における最適終了点検出装置の一例を図5に示し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】振幅密度確率関数を示すものである。
【図2】本発明方法にかかる標準偏差と晶析時間の関係
を示すものである。
【図3】スケールの異なった晶析操作における標準偏差
の推移を示すものである。
【図4】NaCl水溶液の晶析操作における標準偏差の
推移を示すものである。
【図5】本発明における最適終了点検出装置の一例を示
すものである。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 攪拌機を使用する晶析工程において、該
    攪拌機の攪拌所要動力の変動を振幅確率密度関数の標準
    偏差を使用して波形解析し、該標準偏差が設定値を越え
    た時点を晶析終了最適点とすることを特徴とする晶析工
    程の最適終了点検出法。
  2. 【請求項2】 攪拌機を使用する晶析工程において、該
    攪拌機の攪拌所要動力の変動を電力検出器により波形に
    し、次いで波形解析器により抽出した波形解析信号を電
    気回路により晶析終了最適点としての判別処理を行うこ
    とを特徴とする晶析工程の最適終了点検出法。
  3. 【請求項3】 波形解析が振幅確率密度関数の標準偏差
    を使用する請求項2記載の晶析工程の最適終了点検出
    法。
  4. 【請求項4】 高濃度のスラリーから晶析させる請求項
    1及び2記載の晶析工程の最適終了点検出法。
  5. 【請求項5】 攪拌機の攪拌所要動力の変動を波形解析
    し、最適終了点を検出することからなる晶析法を用いる
    ことを特徴とする晶析物の製造法。
  6. 【請求項6】 攪拌機付容器、電力検出器及び波形解析
    器からなる晶析工程の最適終了点検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の最適終了点検出
    法を用いた請求項6記載の最適終了点検出装置。
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