JP3304136B2 - 色不良検査装置 - Google Patents

色不良検査装置

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JP3304136B2
JP3304136B2 JP25323892A JP25323892A JP3304136B2 JP 3304136 B2 JP3304136 B2 JP 3304136B2 JP 25323892 A JP25323892 A JP 25323892A JP 25323892 A JP25323892 A JP 25323892A JP 3304136 B2 JP3304136 B2 JP 3304136B2
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雅司 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は色不良検査装置に係り、
より詳しくは、工業用カラーカメラあるいはカラーセン
サ等を使用して物体の基準色に対する色の良否を判定す
る色不良検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に繊維織物の分野においては、製品
を目標とする色(目標色)に染色加工することが、重要
な技術的必要条件となっている。実際には製品の色を目
標色に完全に一致させることは困難であり、人間が見て
同一と判別できる範囲内の色を目標色として染色加工が
行われている。この目標色に対する被判別物体の色の良
否の判定は、長年の経験を持つ熟練した検査員が目視に
より行っていたが、近年では、工業用カラーカメラやカ
ラーセンサ等を使用した物体の色の良否判別が幾つかの
方法で行われている。例えば、被判別物体と基準物体と
の色差を測定し、色差値と予め設定した設定値とを比較
して色差値が設定値より大きければ不合格、小さければ
合格という2値色差判定がよく行われている。また、上
記従来技術と同様に色差を測定し、その色差値が予め設
定した色差設定値E1から色差設定値E2の所定範囲内
の値をとる被判別物体についてはファジー推論則を利用
した演算による判定を行い、所定範囲以外の値をとる被
判別物体については合格あるいは不合格の2値判定を行
う方法および装置が開示されている(特開平3−218
425号)。さらに、熟練検査員の合否判定結果を利用
して色の差の許容限界値を算出して、この限界値による
色の良否判定を行う方法も開示されている(特開平4−
55727号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、人間の
目視判定と数量化した色差とは必ずしも1対1に対応せ
ず、常に特定の色差値以下を合格、特定の色差値以上を
不合格とする2値判定では、信頼性の高い色不良判定を
行うことができない場合がある。また、予め設定した色
差設定値E1以下を合格、色差設定値E2以上を不合
格、色差設定値E1と色差設定値E2との間の色差値を
持つ被判別物体についてはファジー推論則を利用した演
算による判定を行う方法においても、被判別物体によっ
ては色差設定値E1以下でも目視で不合格、色差設定値
E2以上でも目視で合格とされるものが存在することが
あり、必ずしも信頼性の高い色の良否の判定方法ではな
い。
【0004】さらに、熟練検査員の合否判定結果を利用
する方法においても検査員の体調などによって判定が左
右されやすいために曖昧性が含まれ、また、少数の判定
結果から色の差の許容限界値を算出しているために正確
な限界値を設定できないという問題があった。
【0005】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、色差を構成する要素の差を用いることによ
って従来技術および人間の目視検査の持つ課題を解決
し、微妙な色の良否判定を精度よく行うことができる色
不良検査装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、実際の判定対象となる被判別物体の色を
測定する色測定手段と、色測定手段の測色値に基づいて
被判別物体の色と基準色との色空間における座標値の差
を演算する色演算手段と、予め実験的に求めた複数の評
価対象物体の色と基準色との色空間における座標値の差
と、目視による評価によって予め求めた該色空間におけ
る座標値の差に対する複数の評価得点と、のうち、当該
評価得点の標準偏差が所定値以下である評価対象物体に
ついての前記色空間における座標値の差及び評価得点
と、色演算手段で演算された被判別物体の色と基準色と
色空間における座標値の差と、に基づいて、被判別物
体の色の基準色に対する評価得点を演算し演算した評価
得点から被判別物体の色の合格、不合格及び保留を判定
する判定手段と、を含んで構成されている。
【0007】
【作用】以下、本発明の作用を説明するが、本発明の作
用を説明する前に簡単に色の表示方法について説明す
る。
【0008】色を数量的に表現する方法として色相、明
度、彩度の3属性に分類して表現する方法が一般的であ
る。その方法のひとつに国際照明委員会(CIE)が推
奨する図2に示すL* * * 均等知覚色空間がある。
この色空間は、繊維工業で取り扱われる微小な色の差を
表現する場合に使用されている。ここで、L* は明度指
数と呼ばれ、物体の明度を数量化したものである。ま
た、a* 、b* はクロマティクネス指数と呼ばれ、赤、
青など色質を数量化したものである。この色空間におい
て2つの物体の色の差は、図3及び以下の(1)式に示
すように、A点の基準物体の色の座標値(L1* 、a1
* 、b1* )とB点の被判別物体の色の座標値(L
* 、a2* 、b2* )との距離ΔEで表される。
【0009】 ΔE=〔(L1* −L2* 2 +(a1* −a2* 2 +(b1* −b2* 2 1/2 (1) 一般に、この距離ΔEを色の差(色差)として取り扱っ
ている。
【0010】上記(1)式においてΔL* =L1* −L
* 、Δa* =a1* −a2* 、Δb* =b1* −b2
*とすれば、 ΔE=〔(ΔL* 2 +(Δa* 2 +(Δb* 2 1/2 (2) となる。
【0011】一般にはこの色差値が、ある一定値以下で
あれば色が同一と判定されている。しかしながら、例え
ば同じ色差値が1でもΔL* =1、Δa* =0、Δb*
=0による場合と、ΔL* =0、Δa* =1、Δb*
0による場合、つまり色差を構成する要素の数値の相違
によっては、目視判定を行うと同一と判定できない場合
が多くあり、色差だけではなく色差を構成する各要素の
差を含めて総合的に判定することが望ましい。また、
赤、青などの色の系統によっても同一の数値では判定で
きないことが知られている。
【0012】色を数量的に表現する方法としてL* 、a
* 、b* の数値を適用しているが、その他にも彩度
* 、色相角度H°などで表現することも可能であり、
本発明においても代用できる。ここでは、説明を簡略化
するために色を表現する方法として、L* 、a* 、b*
を代表として扱うものとする。
【0013】本発明は、判定手段において、予め目視に
よる評価によって実験的に求めた評価対象物体の色と基
準色との色差を構成する要素の差、及びこの色差を構成
する要素の差に対する評価得点を使用する。従って、ま
ず、評価対象物体の色と基準色との色差を構成する要素
の差に対する評価得点を求める方法の手順の例について
説明する。なお、この手順は一例であり、本発明はこの
手順に限定されるものではなく、また以下の数値は例示
したものであり、本発明はこれらの数値に限定されるも
のではない。
【0014】 任意の一つの基準物体の色(基準色)
を目標にして染色した評価対象物体を複数個(n個)用
意し、数人(m人)の色検査に熟練した検査員により基
準色に対する評価対象物体の色の評価を行う。検査員
は、一つの評価対象物体につき、合格であるとするもの
を1点、合格としてもよいとするものを0.75点、保
留とするものを0.5点、不合格とした方がよいとする
ものを0.25点、不合格であるとするものを0点とし
て評価する。この評価をn個の評価対象物全体に対して
行い、日時を替えて同様の評価を複数回(y回)行う。
さらにm人の検査員により同様の評価を行う。すなわ
ち、my回の評価をn個の評価対象物体に対して行う。
【0015】 次に、1つの評価対象物体に対するm
y回の評価の得点の平均得点xおよび評価の得点の標準
偏差sを次の(3)式、(4)式のように求める。
【0016】 x=(X1+X2+・・・+Xmy)/my (3) ただし、X1、X2、・・・Xmyはmy回の評価の各
得点である。
【0017】 s={〔(X1−x)2 +(X2−x)2 +・・・+(Xmy−x)2 〕 /my}1/2 (4) このようにして求めた標準偏差sが小さい評価対象物体
は、検査員個人の判定の曖昧性がなく、検査員間の判定
の互換性が高いことを示し、その平均得点は非常に信頼
性の高い色の評価値となる。逆に標準偏差sが大きい評
価対象物体は、検査員の体調不良などによって生じる判
定の曖昧性を含んだものである。次に、標準偏差sが特
定の数値(例えば0.25)以上の評価対象物体を除い
た評価対象物体の色と基準色とを測定し、測色値から評
価対象物体の色と基準色との色差を構成する要素の差Δ
* 、Δa* 、Δb* を演算する。そして、演算された
色差を構成する要素の差ΔL* 、Δa* 、Δb* と評価
平均得点とを基準データとする。
【0018】 上記およびで説明した方法による
基準データ、すなわち色の要素の差ΔL* 、Δa* 、Δ
* および評価平均得点を、実際の判定対象となる被判
別物体の目標色それぞれについて求める。
【0019】次に上記からで求めた基準データを基
に各被判別物体の目標色に対する合格、不合格あるいは
保留を判定する方法の一例について説明する。
【0020】 目標色毎に、評価対象物体の基準色に
対する色差を構成する要素の差ΔL* 、Δa* 、Δb*
と、色差を構成する要素の差に対応した評価平均得点と
を1組の基準データとして目標色毎に作成したデータを
用いて、例えば、既によく知られ、盛んに用いられてい
る誤差逆伝搬法によって学習されたニューラルネットワ
ークを適用する。
【0021】ニューラルネットワークに実際の被判別物
体の基準色に対する色差を構成する要素の差ΔL* 、Δ
* 、Δb* を入力すると、ニューラルネットワークは
不合格を0、合格を1とした0〜1の連続値で表される
被判別物体の色の評価得点Tを出力する。
【0022】 上記方法で出力された色の評価得点T
を、例えば、 区分1 0≦T≦0.3 区分2 0.3<T<0.7 区分3 0.7≦T≦1 のように段階的に区分して区分1の評価得点を持つ被判
別物体を不合格、区分2を保留、区分3を合格として色
の良否を判定する。また、評価得点が0.75以上を合
格、その他を不合格として色の良否を判定してもよい
が、この場合は、より厳しい色の良否判定が実施でき
る。
【0023】本発明は、図1に示すように、色測定手段
10によって実際の判定対象となる被判別物体の色を測
定し、色演算手段12によって被判別物体の色と基準色
との色空間における座標値の差を演算する。また、上記
で説明したように、予め実験的に求めた複数の評価対象
物体の色と基準色との色空間における座標値の差と、目
視による評価によって予め求めた該色空間における座標
値の差に対する複数の評価得点と、から成る基準データ
を用い、この基準データと、対象となる被判別物体の測
色値とから評価得点を演算し、演算した評価得点から被
判別物体の色の合格、不合格及び保留を判定する。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。本実施例の色不良検査装置は、繊維織物の
一つである自動車用シートベルト(ウエビンブ)の色不
良検出に本発明を適用したものである。また、本実施例
では、色の異なる4本のシートベルトの色不良を順次検
出するように構成した。
【0025】図5に示すように、色不良検査装置は、少
なくとも波長380nm〜780nmの可視光領域の分光反
射率などを非接触で測定する色測定手段10を備えてい
る。色測定手段10には、色測定手段10から出力され
るシートベルトの分光反射率などから色を数量化して目
標色との色差を構成する要素の差(色の要素の差)を求
める色演算手段12が接続されている。色演算手段12
には、色演算手段12から出力される色の要素の差に基
づいて色不良を判定する色不良判定手段14が接続さ
れ、色不良判定手段14には、色不良判定手段14によ
る判定結果および色の測定結果などを表示する表示手段
16が接続されている。
【0026】色測定手段10は、ガイド26に沿って移
動する移動テーブル22に固定されており、移動テーブ
ル22は位置決め手段20によって、順次シートベルト
1〜シートベルト4の位置等へ移動される。位置決め手
段20及び色測定手段10には、位置決め手段20に移
動指令を与えると共に、色測定手段10に測色指令を出
力するように装置制御手段18が接続されている。この
装置制御手段18には色不良判定手段14が接続されて
いる。また、ベルトの近傍には校正板24が配置されて
いる。この校正板24は、色測定手段10の感度校正
(定期的に行うことが望ましい)を行うもので白色の板
である。
【0027】色不良判定手段14は、目標色毎に作成さ
れた複数のニューラルネットワークで構成されている。
このニューラルネットワークの1つは、図4に示すよう
に、3個のユニットiから成る入力層L1と、10個の
ユニットjから成る中間層L2と、1個のユニットkか
ら成る出力層L3で構成された3層の階層型ニューラル
ネットワークで構成されている。
【0028】入力層L1の各ユニットi(i=1〜3)
には、ユニットiへの入力値をIi、ユニットiからの
出力値をOiとすると、式(5)で表される線形関数が
出力関数として与えられている。
【0029】 Oi=Ii (5) 中間層L2の各ユニットj(j=1〜10)には、ユニ
ットjへの入力値をIj、ユニットjからの出力値をO
jとすると、式(6)で表されるシグモイド関数が出力
関数として与えられている。
【0030】 Oj=1/(1+exp(−Ij)) (6) 出力層L3の各ユニットk(k=1)には、ユニットk
への入力値をIk、ユニットkからの出力値をOkとす
ると、式(7)で表されるシグモイド関数が出力関数と
して与えられている。
【0031】 Ok=1/(1+exp(−Ik)) (7) 入力層L1と中間層L2との間、中間層L2と出力層L
3との間は、各ユニットが前段の層の出力から後段の入
力に向かって結合されている。各結合には、ユニット相
互の結合の強さを表す結合の重み(結合係数)Wji、
Wkjが与えられている。そして、後述する基準データ
の色の要素の差ΔL* 、Δa* 、Δb*を上記のニュー
ラルネットワークの入力層L1に入力し、誤差逆伝搬法
による学習によって、入力された基準データの色の要素
の差ΔL* 、Δa* 、Δb* に対する出力層の出力とこ
の色の要素の差ΔL* 、Δa* 、Δb* に対する基準デ
ータの評価得点とが対応するように、結合の重みWj
i、Wkjの値を決定する。
【0032】この、ニューラルネットワークによれば、
入力層L1の各ユニットiに色演算手段12から出力さ
れたシートベルトの目標色に対する色の要素の差Δ
* 、Δa* 、Δb* を対応するニューラルネットワー
クの入力層に入力すると、結合の重みWji、Wkjに
従って重み付けすると共に各ユニットに与えられた出力
関数で演算した出力値が入力層L1、中間層L2、出力
層L3の順に各ユニットi、j、kから出力される。そ
して、出力層L3のユニットkからは、不合格を0、合
格を1とした0〜1の連続値で表される色の評価得点T
が出力される。このニューラルネットワークは、目標色
毎に作成されているので、目標色毎に評価得点Tを求め
ることになる。
【0033】色不良判定手段14では、上記のように構
成されたニューラルネットワークを用いて、予め任意に
定められる評価得点Tの区分によってベルトの目標色に
対する色の合格、不合格あるいは保留を判定する。
【0034】次に、基準データの作成について説明す
る。なお、以下では本実施例に支障のない数値を用いて
説明するが、本実施例はこれに限定されるものではな
い。
【0035】まず、色不良検査に熟練した数人の検査員
の目標色に対するシートベルトの色の評価を基に基準デ
ータを作成する。すなわち、目標色になるように染色し
かつ長さ20cm程度に裁断したシートベルト(図示せ
ず)を200本用意し、5人の検査員によりそれぞれの
色の評価を日時を替えて5回行う。検査員は、1本のシ
ートベルトに付き合格とするものを1点、合格としても
よいとするものを0.75点、保留とするものを0.5
点、不合格としたほうがよいとするものを0.25点、
不合格であるとするものを0点として得点を与え評価す
る。この評価を全てのシートベルトに対して行う。
【0036】次に、それぞれのシートベルトに対する5
人の検査員の各5回の評価の平均得点xおよび標準偏差
sを上記(3)、(4)式より求める。表1に求めた平
均得点xおよび標準偏差sの一例を示す。表1に示すよ
うにNo1のベルトでは5人の検査員が5回ともに合格
(1.00点)か合格としてもよい(0.75点)と判
定しており、平均点も0.94と高く標準偏差は0.1
07と小さく判定に曖昧性がないことが認められる。ま
た、No2のベルトでは検査員Aが1回目の判定で合格
としているだけで他の評価は全て不合格である。この検
査員Aの1回目の判定は、体調などによる評価ミスに基
づいたものと考えられ、評価ミスに基づいたデータを採
用すると誤った色不良検査となることは明確である。こ
こに示す方法によるように、同一の検査員が同じベルト
に対して数回の評価を行い、さらに数人の検査員による
評価を平均することで上記に示すような問題を未然に避
けることができる。
【0037】一方、No200のベルトでは平均点は
0.75と高いが検査員Dを除いて評価が曖昧になって
いる。この曖昧性が多く含まれたデータを採用すると誤
った色不良検査となることも明確であり、本実施例では
標準偏差が0.25以下のベルトの評価の平均得点とし
て各ベルトの目標色に対する色の要素の差ΔL* 、Δa
* 、Δb* を基準データとする。このとき、各目標色に
ついて標準偏差が0.25以下のベルトが200本ずつ
になるようにベルト本数を増やして基準データを作成し
た。
【0038】
【表1】
【0039】次に本実施例の色不良検査装置の動作につ
いて説明する。検査が開始されると、装置制御手段18
は位置決め手段20を制御し、移動テーブル22、すな
わち移動テーブル22に固定された色測定手段10を校
正板24の位置に移動させて停止させる。装置制御手段
18は、校正板24の位置において色測定手段10を制
御して感度校正を行う。感度校正が終了した後に再び装
置制御手段28は、位置決め手段20を制御してベルト
1の位置に色測定手段10を移動させて停止させる。ベ
ルト1の位置において装置制御手段28の指令によって
色測定手段10がベルト1を測色し、その結果が色演算
手段12に入力される。色演算手段12では入力された
分光反射率などからベルト1の色をL* 、a* 、b*
数量化し、予め登録されているベルト1の目標色との色
の差の要素ΔL* 、Δa* 、Δb * を求めて色不良判定
手段14に出力する。色不良判定手段14では予め組み
込まれたベルト1の目標色に対応するニューラルネット
ワークに上記ΔL* 、Δa * 、Δb* を出力し、ニュー
ラルネットワークからベルト1の評価得点Tを得る。さ
らに色不良判定手段14では、予め任意に区分された評
価得点の判定方法、本実施例では評価得点Tが0.75
以上を合格、0.25以下を不合格、その他を保留とす
る3段階の判定を行う。色不良判定手段14によって判
定された結果は、表示手段16に表示されて作業者に報
知される。
【0040】上記のようにしてベルト1の色不良の検査
が終了すると、色不良判定手段14からの信号によって
装置制御手段18が再び位置決め手段20を制御してベ
ルト1とは異なる色に染色されたベルト2の位置に色測
定手段10を移動させる。以下、色測定手段10は上記
と同様に測色し、色不良判定手段12は上記と同様に色
を数値化し、色不良判定手段14はベルト2の目標色に
応じたニューラルネットワークを用いて処理を行う。こ
のようにしてベルト4までの色不良の検査が自動で行わ
れる。ベルトの製造工程において、ベルトは順次移動方
向qに移動するので、ベルトの長さ方向の色不良の管理
を連続して実施することができる。
【0041】なお、本実施例においては、ベルトの長さ
方向と色測定手段10の移動方向とが直交するように位
置決め手段20を配置し、色測定手段10と各ベルトと
の隙間が2mmとなるように色測定手段10を移動テーブ
ル22に固定している。さらに色測定手段10の測定径
が小さいとベルトの織柄などによる反射特性の相違に基
づく測色誤差を招く可能性があるため、本実施例に使用
している色測定手段10の測定径はベルトの幅50mmか
らはみ出さない程度の大きさである40mmに定められて
いる。
【0042】本実施例の装置を用いた測定結果例を以下
に簡単に説明する。但し、この結果例はライトグレーと
呼ばれる薄いネズミ色のシートベルトによる測定結果で
ある。表2に各ベルトのサンプルに対する目標色の色の
要素の差ΔL* 、Δa* 、Δb* 、色差ΔEab* 、熟
練検査員による目視判定結果及びニューラルネットワー
クの判定値を示す。表2から明確なようにニューラルネ
ットワークの判定値が高いもの(0.75以上)につい
ては目視判定も合格(○)、判定値が低いもの(0.2
5以下)については目視判定も不合格(×)、判定値が
中間的なものについては目視判定も保留(△)とされて
おり、よく対応している。また、おおよそ色差が小さい
ほどネットワークの判定値が高い傾向にあるが、サンプ
ルのNo4では色差ΔEab* が0.72で合格である
のに対してNo8では色差ΔEab* が0.57と小さ
くても不合格となっている。このことから本実施例で
は、従来の色差値による2値判定を行う方法での問題点
を十分に補っていることがわかる。
【0043】
【表2】
【0044】次に目視判定と本実施例でのニューラルネ
ットワークの判定値との整合性について簡単に説明す
る。ここでは、ニューラルネットワークの判定値が0.
75以上を合格、0.25以下を不合格とし、判定値が
0.75以上のベルトを100本、0.25以下のベル
トを100本用意し、目標色との比較を熟練検査員が実
施するようにした。各ベルトに対して熟練検査員が判定
した結果は、表3に示す通りである。表3から明確なよ
うに、例えば判定値が合格の領域では、検査員が確実に
合格にするのが94本、保留とするのが4本、不合格と
するのが2本であり、その整合性は94〜98%程度と
見なすことができる。判定値が不合格の領域においても
同様に91〜98%の整合性が得られている。
【0045】
【表3】
【0046】上記結果はベルトの目標色によって若干差
異が生じるが、熟練検査員の判定と従来にない高精度で
対応した色不良判定が本実施例によって実現されてい
る。また、整合性をさらに高めるには、ニューラルネッ
トワークを構成する際に基準データをさらに増やすこと
によって実施できる。
【0047】本実施例によれば、色相の異る複数の目標
色それぞれについて、多数の評価対象物体の基準色に対
する色の評価値を検査員の曖昧性を削除して実験的に求
めるようにし、この評価値および色の要素の差を基にニ
ューラルネットワークを構成して、ニューラルネットワ
ークに実際に判別すべき被判別物体の目標色に対する色
の差の要素を入力した時のニューラルネットワークの出
力、すなわち色の評価得点によって色の良否を判定して
いるので、曖昧性のない目視による色の判定と結果が良
く一致するようになる。
【0048】なお、上記実施例ではニューラルネットワ
ークを用いた例について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、通常のコンピュータを用いても
よい。
【0049】
【発明の効果】本発明における色不良検査装置では、被
判別物体の目標色に対する色の評価を、予め熟練した多
数の検査員等による曖昧性を削除した基準データに基づ
いて処理すると共に色差を構成する要素の差を用いてい
るので、精度よく色の不良の検査が実現できる、という
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するためのブロック図である。
【図2】色の数量化の説明図である。
【図3】色の差の数量化の説明図である。
【図4】ニューラルネットワークの構成図である。
【図5】実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 色測定手段 12 色演算手段 14 色不良判定手段 16 表示不良判定手段 18 装置制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼田 浩之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小川 雅司 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 伊藤 実 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (72)発明者 永崎 隆夫 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田 紡織株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−55727(JP,A) 特開 平4−95732(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/46 - 3/50 H04N 1/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実際の判定対象となる被判別物体の色を
    測定する色測定手段と、 色測定手段の測色値に基づいて被判別物体の色と基準色
    との色空間における座標値の差を演算する色演算手段
    と、 予め実験的に求めた複数の評価対象物体の色と基準色と
    色空間における座標値の差と、目視による評価によっ
    て予め求めた該色空間における座標値の差に対する複数
    の評価得点と、のうち、当該評価得点の標準偏差が所定
    値以下である評価対象物体についての前記色空間におけ
    る座標値の差及び評価得点と、色演算手段で演算された
    被判別物体の色と基準色との色空間における座標値の差
    と、に基づいて、被判別物体の色の基準色に対する評価
    得点を演算し演算した評価得点から被判別物体の色の合
    格、不合格及び保留を判定する判定手段と、 を含む色不良検査装置。
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