JP3289898B2 - 心房圧の測定方法および装置 - Google Patents
心房圧の測定方法および装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は血圧の測定、より詳しくは、平均左心房血圧
(mean left atrial blood pressure)および他の左心
房血圧、並びに、これに関係する圧力を決定するための
定量的圧力値を得ることに関する。
(mean left atrial blood pressure)および他の左心
房血圧、並びに、これに関係する圧力を決定するための
定量的圧力値を得ることに関する。
背景技術 イギリスの科学者スティーヴン・ヘイルズ(Stephen
Hales)が1733年に馬の動脈に挿入した管内の血液の上
昇を観察して血圧を初めて測定した以来、科学者や医者
は人体の血圧を測定するよりよい方法を探求してきた。
Hales)が1733年に馬の動脈に挿入した管内の血液の上
昇を観察して血圧を初めて測定した以来、科学者や医者
は人体の血圧を測定するよりよい方法を探求してきた。
血圧を間接的に測定するのに一般的に用いられる機器
は血圧計で、これはひじの上方の上腕部に巻かれる膨張
可能は腕帯と、この腕帯を膨張させるゴム球と、圧力レ
ベルを測定する装置とから構成される。腕帯を心臓収縮
期圧よりも高く膨張させてからゆっくり減圧すると、心
拍数に対応する振動が腕帯圧に収縮期圧よりいくぶん上
方から現われ始める。これらの振動は典型的には最大振
幅に達してから減衰して遂には消滅する。1876年にこの
現象を発見したフランスの生理学者エ・ジ・マレイ(E.
J.Marey)は、振動の最大振幅値の平均動脈圧近くで発
生すると推論した。この仮説は、後の研究者によって確
認され、以後「オシロメータの原理(oscillometricpri
nciple)」に基づく種々の血圧測定法が開発された。
は血圧計で、これはひじの上方の上腕部に巻かれる膨張
可能は腕帯と、この腕帯を膨張させるゴム球と、圧力レ
ベルを測定する装置とから構成される。腕帯を心臓収縮
期圧よりも高く膨張させてからゆっくり減圧すると、心
拍数に対応する振動が腕帯圧に収縮期圧よりいくぶん上
方から現われ始める。これらの振動は典型的には最大振
幅に達してから減衰して遂には消滅する。1876年にこの
現象を発見したフランスの生理学者エ・ジ・マレイ(E.
J.Marey)は、振動の最大振幅値の平均動脈圧近くで発
生すると推論した。この仮説は、後の研究者によって確
認され、以後「オシロメータの原理(oscillometricpri
nciple)」に基づく種々の血圧測定法が開発された。
1905年に、コロトコフ博士(N.S.Korotkoff)が血圧
測定の聴診法を提案した。この方法においては、腕帯を
それを越える血液の循環が停止するまで膨張させ、その
後、その末梢で聴診器を用いて脈動を聴く。コロトコフ
は、最初の音が最大圧に対応し、音が消えたときに最小
圧が発生するとの仮説を立てた。後に、実験や臨床研究
によって聴診法の正確さが確認され、ついに臨床医学に
おいて広く採用されるようになった。
測定の聴診法を提案した。この方法においては、腕帯を
それを越える血液の循環が停止するまで膨張させ、その
後、その末梢で聴診器を用いて脈動を聴く。コロトコフ
は、最初の音が最大圧に対応し、音が消えたときに最小
圧が発生するとの仮説を立てた。後に、実験や臨床研究
によって聴診法の正確さが確認され、ついに臨床医学に
おいて広く採用されるようになった。
これまで上述の技術では、危篤状態の患者の心臓血圧
を適切に管理するためには測定の正確さが不十分である
と考えられてきた。また、左心房室の前荷重(preloa
d)を非侵襲的(non−invasively)に決定することは不
可能であった。この前荷重はこれまで平均左心房圧また
は肺動脈楔入圧(pulmonary capillary wedge pressur
e)を測定することによって侵襲的(invasively)に決
定していた。
を適切に管理するためには測定の正確さが不十分である
と考えられてきた。また、左心房室の前荷重(preloa
d)を非侵襲的(non−invasively)に決定することは不
可能であった。この前荷重はこれまで平均左心房圧また
は肺動脈楔入圧(pulmonary capillary wedge pressur
e)を測定することによって侵襲的(invasively)に決
定していた。
1953年にラテゴラ(Lategola)およびラーン(Rahn)
が肺動脈圧を直接測定するための血流方向肺動脈カテー
テルの効力を示した(Lategola,Rahn:A Self−Guiding
Catheter for Cardiac and Pulmonary Arterial Cathet
erization and Occulsion「心臓および肺動脈挿入およ
び閉塞用自己案内カテーテル」,84 Proc.Soc.Exp.Biol.
Med.667−668(1953))。
が肺動脈圧を直接測定するための血流方向肺動脈カテー
テルの効力を示した(Lategola,Rahn:A Self−Guiding
Catheter for Cardiac and Pulmonary Arterial Cathet
erization and Occulsion「心臓および肺動脈挿入およ
び閉塞用自己案内カテーテル」,84 Proc.Soc.Exp.Biol.
Med.667−668(1953))。
1970年に、スワン(Swan)、ガンツ(Ganz)および協
同研究者が、人体における血流方向カテーテルの使用を
報告し、さらに、この方法を臨床および肺動脈楔入圧の
直接測定に使用するために改良を加えた(Swan,Ganz,fo
rrester,Marcus,Diamond,Chonette:Catheteriza−tion
of the Heart in Man With Use of a Flow−Directed B
alloon−Tipped Catheter「血流方向バルーン付きカテ
ーテルを使用する人体心臓のカテーテル法」,283:9 Th
e New England J.Med.447(1970))。現在、このカテ
ーテルは肺および心臓疾患をもつ重症患者を扱うのに極
めて貴重な補助具である。そして、肺動脈楔入圧は(左
心室充満圧ないし前荷重の推定値として)脈管内容量管
理のための基準である。
同研究者が、人体における血流方向カテーテルの使用を
報告し、さらに、この方法を臨床および肺動脈楔入圧の
直接測定に使用するために改良を加えた(Swan,Ganz,fo
rrester,Marcus,Diamond,Chonette:Catheteriza−tion
of the Heart in Man With Use of a Flow−Directed B
alloon−Tipped Catheter「血流方向バルーン付きカテ
ーテルを使用する人体心臓のカテーテル法」,283:9 Th
e New England J.Med.447(1970))。現在、このカテ
ーテルは肺および心臓疾患をもつ重症患者を扱うのに極
めて貴重な補助具である。そして、肺動脈楔入圧は(左
心室充満圧ないし前荷重の推定値として)脈管内容量管
理のための基準である。
肺動脈カテーテル法の多くの潜在的適用例が現在認め
られている。例えば、カテーテル法は、急性心筋梗塞患
者の診断および管理、原因が容易にわからないショック
状態の患者、循環血液量低下(hypovolemia)の認識、
不確定な原因の持続性低O2血症(hypoxemia)を伴う呼
吸不全の患者の治療に広く用いられている。カテーテル
法は外科患者の心臓機能を術前、術中、術後に評価する
のに特に有効である。1970年以外、血流方向カテーテル
による肺動脈楔入圧と心拍出量の測定が可能となったの
で、ベッドの傍での血行動態監視術の発達をもたらし
た。この方法はアメリカではほとんどの病院で日常行な
われている。(J.M.Gore et al.,Handbook of Hemo−dy
namic Monitoring「血行動態監視ハンドブック」,3(19
85))。1970年のスワン−ガンツ(Swan−Ganz)カテー
テルの導入以外、数百万の肺カテーテルが急性心筋梗塞
患者に挿入されたことが報告されている。Gore et al.,
92:4 Chest,712(October 1987)。
られている。例えば、カテーテル法は、急性心筋梗塞患
者の診断および管理、原因が容易にわからないショック
状態の患者、循環血液量低下(hypovolemia)の認識、
不確定な原因の持続性低O2血症(hypoxemia)を伴う呼
吸不全の患者の治療に広く用いられている。カテーテル
法は外科患者の心臓機能を術前、術中、術後に評価する
のに特に有効である。1970年以外、血流方向カテーテル
による肺動脈楔入圧と心拍出量の測定が可能となったの
で、ベッドの傍での血行動態監視術の発達をもたらし
た。この方法はアメリカではほとんどの病院で日常行な
われている。(J.M.Gore et al.,Handbook of Hemo−dy
namic Monitoring「血行動態監視ハンドブック」,3(19
85))。1970年のスワン−ガンツ(Swan−Ganz)カテー
テルの導入以外、数百万の肺カテーテルが急性心筋梗塞
患者に挿入されたことが報告されている。Gore et al.,
92:4 Chest,712(October 1987)。
肺動脈血流方向カテーテルの広範な使用にもかかわら
ず、この方法には欠点が無いことはない。カテーテルの
使用から生じる合併症としては、例えば、肺動脈血栓症
または塞栓症、カテーテルの結節、バルーンおよび/ま
たは肺動脈の破裂、肺出血、気胸、血胸、右心房血栓、
敗血症、内頸静脈狭窄ないし血栓、心房および心室不整
脈、電気機械的解離、右側心内膜損傷、および右側心内
膜感染がある(Robin,The Cult of Swan−Ganz Cathete
r,Overuse and Abuse of Pulmonary Flow Catheters,
「スワン−ガンツ・カテーテルの流行、肺血流カテーテ
ルの使用過多と濫用」,103:3 Annals of Internal Medi
cine 445(September 1985)。近年において、肺動脈カ
テーテル法の安全性と有効性は増大する精査と関心の課
題となっている。ある研究は血流方向肺動脈カテーテル
法は患者を右側心内膜炎にかかりやすくすることを示唆
している(Rowley,Clubb,Smith,and Cabin,Right−Side
d Infective Endocarditis as a Consequence of flow
−Directed Pulmonary−Artery Catheterization「血流
方向肺動脈カテーテル法の結果としての右側感染性心内
膜炎」,311:18 The New England J.Med.1152(Novembe
r 1,1984)。この医学文献は、肺動脈カテーテル法に関
する多くの医学的合併症を扱う記事に富んでいる。例え
ば、Murray,Complications of Invasive Monitoring
「侵襲的モニターの合併症」,15:2 Medical Instrument
ation 85 p.89,March−April1981はこれに関する種々の
参考文献を掲載している。多分、現在までの最も厳しい
報告は、急性心筋梗塞の患者に肺動脈カテーテルを用い
たときの合併症が受認できないほど異常に高い死亡率を
示している(Robin,Death by Pulmonary Artery Flow−
Directed Catheter,Time for a Moratorium?「肺動脈血
流方向カテーテルによる死、使用一時停止の時期か?」
(editorial),92:4 Chest 727(October 1987))。
ず、この方法には欠点が無いことはない。カテーテルの
使用から生じる合併症としては、例えば、肺動脈血栓症
または塞栓症、カテーテルの結節、バルーンおよび/ま
たは肺動脈の破裂、肺出血、気胸、血胸、右心房血栓、
敗血症、内頸静脈狭窄ないし血栓、心房および心室不整
脈、電気機械的解離、右側心内膜損傷、および右側心内
膜感染がある(Robin,The Cult of Swan−Ganz Cathete
r,Overuse and Abuse of Pulmonary Flow Catheters,
「スワン−ガンツ・カテーテルの流行、肺血流カテーテ
ルの使用過多と濫用」,103:3 Annals of Internal Medi
cine 445(September 1985)。近年において、肺動脈カ
テーテル法の安全性と有効性は増大する精査と関心の課
題となっている。ある研究は血流方向肺動脈カテーテル
法は患者を右側心内膜炎にかかりやすくすることを示唆
している(Rowley,Clubb,Smith,and Cabin,Right−Side
d Infective Endocarditis as a Consequence of flow
−Directed Pulmonary−Artery Catheterization「血流
方向肺動脈カテーテル法の結果としての右側感染性心内
膜炎」,311:18 The New England J.Med.1152(Novembe
r 1,1984)。この医学文献は、肺動脈カテーテル法に関
する多くの医学的合併症を扱う記事に富んでいる。例え
ば、Murray,Complications of Invasive Monitoring
「侵襲的モニターの合併症」,15:2 Medical Instrument
ation 85 p.89,March−April1981はこれに関する種々の
参考文献を掲載している。多分、現在までの最も厳しい
報告は、急性心筋梗塞の患者に肺動脈カテーテルを用い
たときの合併症が受認できないほど異常に高い死亡率を
示している(Robin,Death by Pulmonary Artery Flow−
Directed Catheter,Time for a Moratorium?「肺動脈血
流方向カテーテルによる死、使用一時停止の時期か?」
(editorial),92:4 Chest 727(October 1987))。
安全性に対する関心に加えて、危機看護侵襲的管理の
比較的高い費用があり、この費用は指示された個所での
非侵襲的方法の利用可能性によって最低にすることがで
きる。従って、人間の左心房内の血圧を正確に測定する
非侵襲的で費用のかからない改良された方法の必要性が
存在している。
比較的高い費用があり、この費用は指示された個所での
非侵襲的方法の利用可能性によって最低にすることがで
きる。従って、人間の左心房内の血圧を正確に測定する
非侵襲的で費用のかからない改良された方法の必要性が
存在している。
侵襲的血液動態測定は、やはり、臨床診断に対する重
要で実行可能な補助作業として残る。モニタが成功する
と病気の心臓の状態を正確に決定し、種々の疾病の経過
を変える治療と介入のガイダンスを提供する。最新のス
ワン−ガンツ式カテーテルは心拍出量、酸素消費量、連
続混合静脈酸素飽和量、および心臓歩調取り(ペースメ
ーキング)の測定を考慮しており、多くの重体患者はこ
の程度に精巧な監視が必要である。それでも、平均左心
房圧だけを知れば、中間治療ユニットまたは通常の看護
室で安全に扱うことができる多数の患者がいる。全身麻
酔をかけられた患者も平均左心房圧をより非侵襲的に監
視することの利益を受ける。さらに、平均左心房圧の測
定のためのより侵襲的でない技術を用いて合理的に患者
を選別して患者がスワン−ガンツ式カテーテル法の恩恵
を受けるかどうかを決定することができる。あるいは、
このようなより侵襲的でない技術によって平均左心房圧
を監視することで集中治療以外で患者を管理するのに十
分である。
要で実行可能な補助作業として残る。モニタが成功する
と病気の心臓の状態を正確に決定し、種々の疾病の経過
を変える治療と介入のガイダンスを提供する。最新のス
ワン−ガンツ式カテーテルは心拍出量、酸素消費量、連
続混合静脈酸素飽和量、および心臓歩調取り(ペースメ
ーキング)の測定を考慮しており、多くの重体患者はこ
の程度に精巧な監視が必要である。それでも、平均左心
房圧だけを知れば、中間治療ユニットまたは通常の看護
室で安全に扱うことができる多数の患者がいる。全身麻
酔をかけられた患者も平均左心房圧をより非侵襲的に監
視することの利益を受ける。さらに、平均左心房圧の測
定のためのより侵襲的でない技術を用いて合理的に患者
を選別して患者がスワン−ガンツ式カテーテル法の恩恵
を受けるかどうかを決定することができる。あるいは、
このようなより侵襲的でない技術によって平均左心房圧
を監視することで集中治療以外で患者を管理するのに十
分である。
従って、平均左心房圧を正確に測定する非侵襲的方法
に対する必要性が長い間感じられてきている。この点が
本発明の第1の課題である。
に対する必要性が長い間感じられてきている。この点が
本発明の第1の課題である。
左心房近傍に配置される一定の膨張長さと直径3.1cm
のバルーン(balloon)を有する食道カテーテルが左心
房圧の曲線の形状を提供する試みに使用された(Gordon
et al,Left Atrial,“Pulmonary Capillary",and Esop
hageal Balloon Pressure Tracings in Mitral Valve D
isease「僧帽弁疾患における左心房、肺毛細血管および
食道バルーン圧のトレーシング」,British Heart J.,1
8:327−340,1956)。
のバルーン(balloon)を有する食道カテーテルが左心
房圧の曲線の形状を提供する試みに使用された(Gordon
et al,Left Atrial,“Pulmonary Capillary",and Esop
hageal Balloon Pressure Tracings in Mitral Valve D
isease「僧帽弁疾患における左心房、肺毛細血管および
食道バルーン圧のトレーシング」,British Heart J.,1
8:327−340,1956)。
先端にバルーンを付けた食道カテーテルを用いて左心
房圧波形を検出しようとするときの関心事は、バルーン
が左心房後方に正確に配置されることを保証する問題で
ある。電極を経食道心臓歩調取り(trans−esophageal
heart pacing)のために配置する場合、位置付けバルー
ンを食道カテーテルの末梢端に付けて挿入し、カテーテ
ルを胃に定置させることが示唆された。左心房と胃(胃
−食道連結部)の間の距離は大人では比較的一定してい
るので、歩調取り電極は胃バルーンからこの距離の位置
でカテーテルに固定される(Andersen et al,Trans−Es
ophageal Pacing「経食道歩調取り」,PACE,Vol.4,July
−August,1983,p.674−679)。しかし、この方法は大人
以外での使用は適当でない。というのは、胃−食道結合
部から左心房までの距離が、新生児から子供では一定で
はなく変るからである。僧帽弁疾患で食道パルスを観察
する際に、電極を用いこの電極を食道バルーン直上でカ
テーテルに固定し、食道バルーンを左心房の背後に配置
し、左心房背後から食道心電図を測定することも提案さ
れた(Zoob,The Oesophageal Pulse in Mitral Valve D
isease「僧帽弁疾患における食道パルス」,British Hea
rt J.,Vol.16,1954,pp.39−48。Brown,A Study of the
Esophageal Lead in Clinical Electro−cardiography
「臨床心電図法における食道誘導の研究」,American He
art J.,Vol.12,No.1,July,1936,pp.1−45;Oblath,Kerpm
an,The Normal Esophageal Lead Electrocardiogram
「平常食道誘導心電図」,American Heart J.,Vol.41,19
51,pp,369−381)。
房圧波形を検出しようとするときの関心事は、バルーン
が左心房後方に正確に配置されることを保証する問題で
ある。電極を経食道心臓歩調取り(trans−esophageal
heart pacing)のために配置する場合、位置付けバルー
ンを食道カテーテルの末梢端に付けて挿入し、カテーテ
ルを胃に定置させることが示唆された。左心房と胃(胃
−食道連結部)の間の距離は大人では比較的一定してい
るので、歩調取り電極は胃バルーンからこの距離の位置
でカテーテルに固定される(Andersen et al,Trans−Es
ophageal Pacing「経食道歩調取り」,PACE,Vol.4,July
−August,1983,p.674−679)。しかし、この方法は大人
以外での使用は適当でない。というのは、胃−食道結合
部から左心房までの距離が、新生児から子供では一定で
はなく変るからである。僧帽弁疾患で食道パルスを観察
する際に、電極を用いこの電極を食道バルーン直上でカ
テーテルに固定し、食道バルーンを左心房の背後に配置
し、左心房背後から食道心電図を測定することも提案さ
れた(Zoob,The Oesophageal Pulse in Mitral Valve D
isease「僧帽弁疾患における食道パルス」,British Hea
rt J.,Vol.16,1954,pp.39−48。Brown,A Study of the
Esophageal Lead in Clinical Electro−cardiography
「臨床心電図法における食道誘導の研究」,American He
art J.,Vol.12,No.1,July,1936,pp.1−45;Oblath,Kerpm
an,The Normal Esophageal Lead Electrocardiogram
「平常食道誘導心電図」,American Heart J.,Vol.41,19
51,pp,369−381)。
左心房の活動を記録するために、ゴードン(Gordon)
他は、330頁で、左心房近傍に配置される食道バルーン
は比較的小さくなければならないし、「そうでないと、
記録線が所望の左心房レベル以外で発生する圧力または
容量変化によって変形され、」さらに、「記録がとられ
ている間、呼吸を停止することが通常必要であった」と
述べている。
他は、330頁で、左心房近傍に配置される食道バルーン
は比較的小さくなければならないし、「そうでないと、
記録線が所望の左心房レベル以外で発生する圧力または
容量変化によって変形され、」さらに、「記録がとられ
ている間、呼吸を停止することが通常必要であった」と
述べている。
しかし、ゴードンは圧力測定をせず、実際、彼のシス
テムは左心房圧の値を得ることは不可能であったと述べ
ている。すなわち、ゴードン等は、330頁で、「圧力パ
ルスの振幅はシステムの弾性、バルーン内の流体量、そ
の内部の初期圧力および心房内圧の関数であるので、こ
れらの記録から絶対圧を測定する試みをしなかった」と
述べている。さらに、ゴードン等の338頁にも示されて
いるように、ゴードン等のシステムの欠陥の一つは、絶
対左心房圧値を得られないことである。それは30年以上
も前のことであった。
テムは左心房圧の値を得ることは不可能であったと述べ
ている。すなわち、ゴードン等は、330頁で、「圧力パ
ルスの振幅はシステムの弾性、バルーン内の流体量、そ
の内部の初期圧力および心房内圧の関数であるので、こ
れらの記録から絶対圧を測定する試みをしなかった」と
述べている。さらに、ゴードン等の338頁にも示されて
いるように、ゴードン等のシステムの欠陥の一つは、絶
対左心房圧値を得られないことである。それは30年以上
も前のことであった。
本発明の一つの目的は、人の平均左心房圧を安全正確
に、かつ、信頼性高く決定する定量的圧力測定を非侵襲
的に行なうことである。
に、かつ、信頼性高く決定する定量的圧力測定を非侵襲
的に行なうことである。
本発明の他の目的は、このような測定を経済的に、か
つ、容易に行ない得ることである。
つ、容易に行ない得ることである。
本発明のさらに他の目的は、医者以外の人によって行
なえる人の平均左心房圧を測定する方法も提供すること
である。
なえる人の平均左心房圧を測定する方法も提供すること
である。
本発明のさらに他の目的は、人の平均左心房の経壁
(壁を通した)圧力を非侵襲的に容易に得ることであ
る。
(壁を通した)圧力を非侵襲的に容易に得ることであ
る。
発明の概要 本発明によれば、人の平均左心房圧を安全正確に、か
つ、信頼性高く非侵襲的に測定するために、バルーンが
人の食道に挿入され、左心房近傍に配置され、膨張させ
られる。そして、左心房圧によって生じるバルーン圧振
動の振幅がピークになったときに、平均バルーン圧が測
定される。このピーク振幅は、オシロメータの原理によ
り、平均左心房圧によって生じる圧力におけるバルーン
圧の共振を示すものである。従って、この圧力が平均左
心房圧を近似的に決定する。平均左心房経壁圧はこの値
から胸膜圧、すなわち、心臓外側にかかる圧力を減じる
ことにより決定される。この方法をさらに精密にするこ
とにより、弛緩期および収縮期の左心房圧またはこれら
に関する他の圧力のような他の左心房圧値を決定するこ
ともできる。
つ、信頼性高く非侵襲的に測定するために、バルーンが
人の食道に挿入され、左心房近傍に配置され、膨張させ
られる。そして、左心房圧によって生じるバルーン圧振
動の振幅がピークになったときに、平均バルーン圧が測
定される。このピーク振幅は、オシロメータの原理によ
り、平均左心房圧によって生じる圧力におけるバルーン
圧の共振を示すものである。従って、この圧力が平均左
心房圧を近似的に決定する。平均左心房経壁圧はこの値
から胸膜圧、すなわち、心臓外側にかかる圧力を減じる
ことにより決定される。この方法をさらに精密にするこ
とにより、弛緩期および収縮期の左心房圧またはこれら
に関する他の圧力のような他の左心房圧値を決定するこ
ともできる。
本発明の上述および他の目的、特徴および利点は添付
の図面に基づき本発明を遂行する最良の形態において明
白となるであろう。図中同一参照数字は、全図を通して
同一または類似の部材を表わす。
の図面に基づき本発明を遂行する最良の形態において明
白となるであろう。図中同一参照数字は、全図を通して
同一または類似の部材を表わす。
図面の簡単な説明 第1図はバルーンを含むカテーテルと電極を含むカテ
ーテルの組合せをバルーンを膨張させた状態で示す側面
図である。
ーテルの組合せをバルーンを膨張させた状態で示す側面
図である。
第2図は第1図のバルーンの拡大側断面図である。
第3図は正中矢状平面に沿った人体の部分左側断面図
で、第1図のバルーンを食道内の心臓の左心房近傍に示
す図である。
で、第1図のバルーンを食道内の心臓の左心房近傍に示
す図である。
第4図は心臓の位置を示す人体の正面断面図である。
第5図は第4図の5−5線に沿う人体の第7胸椎骨で
の横断面図で、第1図のバルーンを食道内に示す図であ
る。
の横断面図で、第1図のバルーンを食道内に示す図であ
る。
第6図は第1図のバルーンを含むカテーテルを含む本
発明の実施例装置の概略図である。
発明の実施例装置の概略図である。
第7図は左心房近傍に配置された第1図のバルーンに
よって検知される一心拍サイクル中の左心房圧の圧力ト
レースである。
よって検知される一心拍サイクル中の左心房圧の圧力ト
レースである。
第8図は一心拍サイクル中の左心房の食道心電図のグ
ラフである。
ラフである。
第9図は第1図のバルーンが左心房に近接配置され徐
々に加圧されるにつれて、呼吸および心臓の振動を伴な
うバルーン圧の未ろ波信号の圧力トレースである。
々に加圧されるにつれて、呼吸および心臓の振動を伴な
うバルーン圧の未ろ波信号の圧力トレースである。
第10図は第1図の圧力トレースのための平均バルーン
圧の圧力トレースである。
圧の圧力トレースである。
第11図は安定したベースライン上の増幅された心臓信
号の圧力トレースで、この信号は第9図のバルーン圧力
トレースから生じ、第9図、第10図のトレースと同じ期
間をカバーしている。
号の圧力トレースで、この信号は第9図のバルーン圧力
トレースから生じ、第9図、第10図のトレースと同じ期
間をカバーしている。
第12図は第9、10、11図の圧力トレースと同時に取っ
た心電図のグラフである。
た心電図のグラフである。
第13図はライン60に接続された第6図の装置の部分を
含む本発明の他の実施例の概略図である。
含む本発明の他の実施例の概略図である。
第14図はライン60に接続された第6図の装置の部分を
含む本発明の他の実施例の概略図である。
含む本発明の他の実施例の概略図である。
第15図は第14図のカテーテル装置の第1図と同様の図
である。
である。
第16図は左心房近傍の食道バルーンの位置を検知する
ための他の手段の第3図同様の図である。
ための他の手段の第3図同様の図である。
発明を実施するための最良の形態 第1図、第2図は中空カテーテル20を含むカテーテル
装置19を概略的に示す。このカテーテル20は孔ないし管
腔23を有する適当な長さの可撓管22からなり、その一端
にバルーン24が管腔23と流通連結され、バルーンの加圧
およびその圧力検出が可能となっている。食道心電図を
得るための電極21がバルーン24の直上に配置され、この
電極に第2カテーテル27内に挿通された電線25が後に詳
述するように接続されている。
装置19を概略的に示す。このカテーテル20は孔ないし管
腔23を有する適当な長さの可撓管22からなり、その一端
にバルーン24が管腔23と流通連結され、バルーンの加圧
およびその圧力検出が可能となっている。食道心電図を
得るための電極21がバルーン24の直上に配置され、この
電極に第2カテーテル27内に挿通された電線25が後に詳
述するように接続されている。
第3図は、人体の心臓30の左心房28の平均血圧を検出
するための食道26内にバルーン24を配置した状態を示
す。カテーテル20はバルーンを先にして鼻孔32から咽頭
34、さらに食道26へと挿入される。所望なら、バルーン
は口から挿入することもできる。第3図に示すように、
左心房28の外壁は食道26の外壁に近接し、実質上直接接
触している。この関係を利用して、食道26に非侵襲的に
挿入され左心房の近傍に沿って左心房の圧力を検出する
のに十分影響されるように配置されたバルーン24によっ
て平均左心房圧を測定できる。この点については後に詳
述する。
するための食道26内にバルーン24を配置した状態を示
す。カテーテル20はバルーンを先にして鼻孔32から咽頭
34、さらに食道26へと挿入される。所望なら、バルーン
は口から挿入することもできる。第3図に示すように、
左心房28の外壁は食道26の外壁に近接し、実質上直接接
触している。この関係を利用して、食道26に非侵襲的に
挿入され左心房の近傍に沿って左心房の圧力を検出する
のに十分影響されるように配置されたバルーン24によっ
て平均左心房圧を測定できる。この点については後に詳
述する。
可撓管22はあまり膨張することなく操作圧力に耐えう
る、例えば、塩化ポリビニルのような適当な可撓性を有
し化学的に不活性で無毒な材料から作られる。好ましい
可撓管としては直径約1.27mm(約0.050インチ)の内径
を有するタイゴン(Tygon)印の塩化ポリビニル管があ
り、これはコール−パーマ(Cole−Parmer)1989−90カ
タログの6363頁に掲載されているイリノイ州60648−993
0、シカゴ、ノース・オーク・パーク・アベニュ7425の
コール−パーマ・インスツルメント・カンパニ(Cole−
Parmer Instrument Co.)の製品である。可撓管22は80c
m程度の適当な長さである。この可撓管22はバルーン24
を左心房28のほぼ近接部に最初に配置できるように長さ
方向に沿って印(図示省略)を付けてもよい。この可撓
管はバルーン24の全長にわたって延長する部分18と、バ
ルーンから延長する部分15とを含んでいる。部分15およ
び18は、可撓管に締り嵌めされたステンレススチールフ
ェノール17で互いに連結されている。バルーンの末端
は、可撓管部分18に締り嵌めされたステンレススチール
または何等の材料からなる円柱状プラグ42によって閉塞
されている。そして、バルーンの両端において、スリー
ブ43が可撓管部分18に嵌合され、バルーン素材を固定す
るための大きい直径部分を形成している。バルーンの両
端は外科用糸38および(または)シリコーン・セメント
によってシールされている。複数の孔46が閉塞端42から
バルーン長よりも短い長さにわたって可撓管(部分18)
の壁に穿設され、可撓管22とバルーン24の内部とを流通
させ、バルーンを膨張させその内圧を検知できるように
なっている。バルーン24は孔46のある可撓管部分18を覆
って取付けられており、先端部42と第2部分44において
可撓管22に固定され、第2図に示すようにこれら両部分
の間に孔46がある。後述するように加圧用と検知用ライ
ンがバルーンの先端42とは反対側の端40に付設される。
る、例えば、塩化ポリビニルのような適当な可撓性を有
し化学的に不活性で無毒な材料から作られる。好ましい
可撓管としては直径約1.27mm(約0.050インチ)の内径
を有するタイゴン(Tygon)印の塩化ポリビニル管があ
り、これはコール−パーマ(Cole−Parmer)1989−90カ
タログの6363頁に掲載されているイリノイ州60648−993
0、シカゴ、ノース・オーク・パーク・アベニュ7425の
コール−パーマ・インスツルメント・カンパニ(Cole−
Parmer Instrument Co.)の製品である。可撓管22は80c
m程度の適当な長さである。この可撓管22はバルーン24
を左心房28のほぼ近接部に最初に配置できるように長さ
方向に沿って印(図示省略)を付けてもよい。この可撓
管はバルーン24の全長にわたって延長する部分18と、バ
ルーンから延長する部分15とを含んでいる。部分15およ
び18は、可撓管に締り嵌めされたステンレススチールフ
ェノール17で互いに連結されている。バルーンの末端
は、可撓管部分18に締り嵌めされたステンレススチール
または何等の材料からなる円柱状プラグ42によって閉塞
されている。そして、バルーンの両端において、スリー
ブ43が可撓管部分18に嵌合され、バルーン素材を固定す
るための大きい直径部分を形成している。バルーンの両
端は外科用糸38および(または)シリコーン・セメント
によってシールされている。複数の孔46が閉塞端42から
バルーン長よりも短い長さにわたって可撓管(部分18)
の壁に穿設され、可撓管22とバルーン24の内部とを流通
させ、バルーンを膨張させその内圧を検知できるように
なっている。バルーン24は孔46のある可撓管部分18を覆
って取付けられており、先端部42と第2部分44において
可撓管22に固定され、第2図に示すようにこれら両部分
の間に孔46がある。後述するように加圧用と検知用ライ
ンがバルーンの先端42とは反対側の端40に付設される。
この付設のために他の適当な手段を使用することもで
きる。例えば、カテーテルの閉塞された一端にバルーン
を固定してもよい。バルーン24は破裂したり不可逆的に
変形したりせず操作圧力に耐えうる適当な可撓性の無毒
なフィルムで作ることができる。バルーン24は約2ミリ
リットルの容量を有する。平均左心房圧を測定するため
の圧力範囲内で膨張させた場合、バルーン24は第1図、
第2図に示すようにほぼ円筒状になる。バルーン24を形
成している材料の厚さは約0.0127mm(約0.0005インチ)
である。バルーン24はカテーテルの長軸のまわりのどの
ような回転方向にも適当に機能する。バルーン24は、エ
キストレル・エスエフ(Extrel SF)(商標名)のよう
な低密度ポリエチレンフィルムから作ることができる。
これはイリノイ州60047−1562、レーク・スーリック、
ノース・オークウッド・ロード341所在のエクソン・コ
ーポレイションのポリマーズ・グループのエクソン・ケ
ミカル・カンパニ(Exxon Chemical Co.)の製品であ
る。
きる。例えば、カテーテルの閉塞された一端にバルーン
を固定してもよい。バルーン24は破裂したり不可逆的に
変形したりせず操作圧力に耐えうる適当な可撓性の無毒
なフィルムで作ることができる。バルーン24は約2ミリ
リットルの容量を有する。平均左心房圧を測定するため
の圧力範囲内で膨張させた場合、バルーン24は第1図、
第2図に示すようにほぼ円筒状になる。バルーン24を形
成している材料の厚さは約0.0127mm(約0.0005インチ)
である。バルーン24はカテーテルの長軸のまわりのどの
ような回転方向にも適当に機能する。バルーン24は、エ
キストレル・エスエフ(Extrel SF)(商標名)のよう
な低密度ポリエチレンフィルムから作ることができる。
これはイリノイ州60047−1562、レーク・スーリック、
ノース・オークウッド・ロード341所在のエクソン・コ
ーポレイションのポリマーズ・グループのエクソン・ケ
ミカル・カンパニ(Exxon Chemical Co.)の製品であ
る。
第4図、第5図に示すように、食道26は左心房28と背
柱48の間に挟まれており、バルーン24が左心房28近傍に
配置されると、脊柱48が鉄床と同様に作用し、後述する
ように左心房圧がバルーン24に対し有効に作用し、その
内部の圧力に影響を与える。食道26の両側はそれぞれ左
右の肺50、52によって挟まれている。大動脈54が第5図
に示すように食道26と左肺50の間にあって脊柱48に近接
配置されている。
柱48の間に挟まれており、バルーン24が左心房28近傍に
配置されると、脊柱48が鉄床と同様に作用し、後述する
ように左心房圧がバルーン24に対し有効に作用し、その
内部の圧力に影響を与える。食道26の両側はそれぞれ左
右の肺50、52によって挟まれている。大動脈54が第5図
に示すように食道26と左肺50の間にあって脊柱48に近接
配置されている。
第6図は、バルーン24を加圧し、その内圧を検出する
装置56を示す。バルーン24を左心房28の近傍に正確に配
置するために、バルーン24にまずシリンジ58を介して約
1.4ミリリットルの予め定められた量の空気を静的に充
填する。この場合、止めコックないし弁96を適当に開い
てそこからライン60を介してその端40に接続された管22
に空気を送り込む。
装置56を示す。バルーン24を左心房28の近傍に正確に配
置するために、バルーン24にまずシリンジ58を介して約
1.4ミリリットルの予め定められた量の空気を静的に充
填する。この場合、止めコックないし弁96を適当に開い
てそこからライン60を介してその端40に接続された管22
に空気を送り込む。
バルーン圧はライン60からライン62を介して四方止め
コックないし弁64に伝達される。この弁はその圧力をラ
イン66を介して、差圧トランスデューサ68のダイアフラ
ム86の一方側74およびライン70を介してフィルタ72に伝
達する。トランスデューサ68は、例えば、カリフォルニ
ア州91324、ノースブリッジ、ウイルバー・アヴェニュ8
626のヴァリダイン・エンジニアリング・コーポレイシ
ョン(Validyne Engineering Corp.)によって供給され
るヴァリダインモデルDP7差圧トランスデューサがあ
る。フィルタ72からの圧力はライン76と止めコックない
し弁78を介してトランスデューサ68の他方側80に伝えら
れる。トランデューサ68はダイヤフラム86に作用するネ
ット圧力信号を電気信号に変換し、この信号を線82を介
して第1信号プロセッサ84に伝送する。プロセッサ84は
適当な従来の電気信号処理回路でよく、この回路は圧力
を表わす電気信号を増幅または他の方法でこれを処理調
整して、この信号を線87を介して表示器85に送る。表示
器85はデジタル表示器で、例えば、ストリップチャート
レコーダ、CRTあるいはプロセッサ84からの信号を表示
もしくは利用する他の適当な装置である。
コックないし弁64に伝達される。この弁はその圧力をラ
イン66を介して、差圧トランスデューサ68のダイアフラ
ム86の一方側74およびライン70を介してフィルタ72に伝
達する。トランスデューサ68は、例えば、カリフォルニ
ア州91324、ノースブリッジ、ウイルバー・アヴェニュ8
626のヴァリダイン・エンジニアリング・コーポレイシ
ョン(Validyne Engineering Corp.)によって供給され
るヴァリダインモデルDP7差圧トランスデューサがあ
る。フィルタ72からの圧力はライン76と止めコックない
し弁78を介してトランスデューサ68の他方側80に伝えら
れる。トランデューサ68はダイヤフラム86に作用するネ
ット圧力信号を電気信号に変換し、この信号を線82を介
して第1信号プロセッサ84に伝送する。プロセッサ84は
適当な従来の電気信号処理回路でよく、この回路は圧力
を表わす電気信号を増幅または他の方法でこれを処理調
整して、この信号を線87を介して表示器85に送る。表示
器85はデジタル表示器で、例えば、ストリップチャート
レコーダ、CRTあるいはプロセッサ84からの信号を表示
もしくは利用する他の適当な装置である。
バルーン24は心房圧を感知するだけでなく、平均呼吸
による圧力変化や嚥下による平常蠕動波をも記録する。
蠕動波は高い振幅(100cmH2Oまで)と相対的低頻度によ
って容易に識別されるので無視できる。呼吸運動(典型
的には周波数0.1〜0.8Hzで−10〜+10cmH2O)は左心房
圧波形及び測定に干渉する。従って、後述するように、
それは信号処理中にフィルタによって除去される。
による圧力変化や嚥下による平常蠕動波をも記録する。
蠕動波は高い振幅(100cmH2Oまで)と相対的低頻度によ
って容易に識別されるので無視できる。呼吸運動(典型
的には周波数0.1〜0.8Hzで−10〜+10cmH2O)は左心房
圧波形及び測定に干渉する。従って、後述するように、
それは信号処理中にフィルタによって除去される。
フィルタ72はローパス機械フィルタで、例えば、オハ
イオ州44094、ウィロビー、イースト345番ストリート48
00のヌープロ・カンパニ(Nupro Company)の製品で、
第6図に示すように連結されたNupro(商標)マイクロ
メーターニードル弁がある。左心房圧による高周波心拍
波形(一般に1.5〜9.0Hz)と低周波呼吸波形(一般に0.
1〜0.8Hz)の両者を含む未処理信号はライン66を介して
差圧トランスデューサ68の一方側74に著節到達する。同
じ信号が可変制御弁72にも送られる。フィルタ72のオリ
フィス(図示省略)を調節することによって、本発明の
属する技術における通常の技術者に一般に知られた原理
に基づきバルーン圧力波がろ過され、呼吸(による)ア
ーティファクト(respiratory artifact)を含む低周波
成分を選択的に通過させ、ライン76と弁78を介して差動
トランスデューサ68の他方側80に与え、高周波成分は除
かれる。これによって、トランスデューサのダイヤフラ
ム86の両側にほぼ同位相で到達する呼吸アーティファク
トが相殺され、心拍波形が回復され、電気信号として線
82を介して出力され第1信号プロセッサ84に送られる。
イオ州44094、ウィロビー、イースト345番ストリート48
00のヌープロ・カンパニ(Nupro Company)の製品で、
第6図に示すように連結されたNupro(商標)マイクロ
メーターニードル弁がある。左心房圧による高周波心拍
波形(一般に1.5〜9.0Hz)と低周波呼吸波形(一般に0.
1〜0.8Hz)の両者を含む未処理信号はライン66を介して
差圧トランスデューサ68の一方側74に著節到達する。同
じ信号が可変制御弁72にも送られる。フィルタ72のオリ
フィス(図示省略)を調節することによって、本発明の
属する技術における通常の技術者に一般に知られた原理
に基づきバルーン圧力波がろ過され、呼吸(による)ア
ーティファクト(respiratory artifact)を含む低周波
成分を選択的に通過させ、ライン76と弁78を介して差動
トランスデューサ68の他方側80に与え、高周波成分は除
かれる。これによって、トランスデューサのダイヤフラ
ム86の両側にほぼ同位相で到達する呼吸アーティファク
トが相殺され、心拍波形が回復され、電気信号として線
82を介して出力され第1信号プロセッサ84に送られる。
バルーンを膨張させた状態で、第7図に88で示すよう
な典型的な左心房圧波形が第1信号プロセッサ84からの
圧力波形に見られるまで、カテーテル20を鼻から挿入し
たり引き出したりして食道26内を上下動させて左心房28
近くに正確に配置する。前述のように、この波形88は低
周波呼吸波形がろ過されたバルーン圧信号からなる。こ
の波形88は第6図に92で示す従来の心電計によって記録
された第8図に140で示す同時の食道心電図と比較する
ことによって典型的な左心房圧波形であることを確認で
きる。心電図140はバルーン24の真上でカテーテル20に
適当に固定されたステンレススチール電極21を用いるこ
とによって得られる。この電極21は他の方法でバルーン
24の近くに配置してもよい。例えば、この目的の電極は
バルーンの表面上の導電材料で構成することができよ
う。リード線25を電極に接続し、第2カテーテル27内を
延長させて、心電計92に接続し、電極21によって検出さ
れた信号を心電計に伝送して処理する。リード線25とし
ては、例えば、ニューヨーク州10701、ヨンカーズ、エ
グゼキュティブ・プラザ4のオーケー・インダストリー
ズ(OK Industries)製の銀メッキ30AWGのワイヤー−ラ
ッピングワイヤーを使用できる。カテーテル20、27は例
えばシクロヘキサノン接着剤16などの適当な結合手段に
よって結合することができる。別の方法として、予め形
成された塩化ポリビニルの複管腔カテーテルも使用でき
る。電極21はカテーテル管22を包囲するリング形状が好
ましく、これにより管22に妨害されることなく左心房の
電気的活動を検知するのに適当な位置に配置することが
できる。従来の方法によれば、皮膚電極94も被験者に取
付ける必要がある。波形140は高い電圧に達し、鋭い上
昇ストロークを伴う二相性となり(bi−phasic)、近接
効果(intrinsicoid deflection)を示す波形営部分
(これは心房脱分極(atrial depolarization)を予告
する)によって特徴づけられている。従って、第7図の
波形88に示される点A、C、Vは左心房圧波の三つの重
要な成分であり、これら三つの点は第8図の心電図140
の点P、R、Tにそれぞれ対応することが知られてお
り、従って波形88は典型的な左心房圧波形であることが
確認される。
な典型的な左心房圧波形が第1信号プロセッサ84からの
圧力波形に見られるまで、カテーテル20を鼻から挿入し
たり引き出したりして食道26内を上下動させて左心房28
近くに正確に配置する。前述のように、この波形88は低
周波呼吸波形がろ過されたバルーン圧信号からなる。こ
の波形88は第6図に92で示す従来の心電計によって記録
された第8図に140で示す同時の食道心電図と比較する
ことによって典型的な左心房圧波形であることを確認で
きる。心電図140はバルーン24の真上でカテーテル20に
適当に固定されたステンレススチール電極21を用いるこ
とによって得られる。この電極21は他の方法でバルーン
24の近くに配置してもよい。例えば、この目的の電極は
バルーンの表面上の導電材料で構成することができよ
う。リード線25を電極に接続し、第2カテーテル27内を
延長させて、心電計92に接続し、電極21によって検出さ
れた信号を心電計に伝送して処理する。リード線25とし
ては、例えば、ニューヨーク州10701、ヨンカーズ、エ
グゼキュティブ・プラザ4のオーケー・インダストリー
ズ(OK Industries)製の銀メッキ30AWGのワイヤー−ラ
ッピングワイヤーを使用できる。カテーテル20、27は例
えばシクロヘキサノン接着剤16などの適当な結合手段に
よって結合することができる。別の方法として、予め形
成された塩化ポリビニルの複管腔カテーテルも使用でき
る。電極21はカテーテル管22を包囲するリング形状が好
ましく、これにより管22に妨害されることなく左心房の
電気的活動を検知するのに適当な位置に配置することが
できる。従来の方法によれば、皮膚電極94も被験者に取
付ける必要がある。波形140は高い電圧に達し、鋭い上
昇ストロークを伴う二相性となり(bi−phasic)、近接
効果(intrinsicoid deflection)を示す波形営部分
(これは心房脱分極(atrial depolarization)を予告
する)によって特徴づけられている。従って、第7図の
波形88に示される点A、C、Vは左心房圧波の三つの重
要な成分であり、これら三つの点は第8図の心電図140
の点P、R、Tにそれぞれ対応することが知られてお
り、従って波形88は典型的な左心房圧波形であることが
確認される。
バルーンおよび食道電極が食道を上下に動かされ、波
形88に類似の典型的な左心房波形が第1信号プロセッサ
84からの圧力トレース上で検知され、これによってバル
ーン24が左心房28の近傍に適当に配置されたことが示さ
れると、鼻の直下の上唇の上でカテーテル20にテープを
貼付けることによってバルーン24を正しい位置に固定す
る。電極21の使用によって確認されるこの波形の顕著性
によって、バルーンの適当な位置付けに必要な熟練度を
下げることができる。別の方法としては、被験者に貼付
けられ心電計92に結線された電極94を用いて得た従来の
体表ないし皮膚心電図を波形88と比較してバルーンが正
しく配置されたことを決定するようにしてもよい。しか
し、この目的に食道心電図140を用いることは、より容
易に認識されるより顕著性の高い波形が得られることか
ら、好ましいと考えられる。バルーンを配置するのに食
道または皮膚電極のいずれかを使用することは、早産新
生児から大人までの人体寸法の広い範囲で好適である。
形88に類似の典型的な左心房波形が第1信号プロセッサ
84からの圧力トレース上で検知され、これによってバル
ーン24が左心房28の近傍に適当に配置されたことが示さ
れると、鼻の直下の上唇の上でカテーテル20にテープを
貼付けることによってバルーン24を正しい位置に固定す
る。電極21の使用によって確認されるこの波形の顕著性
によって、バルーンの適当な位置付けに必要な熟練度を
下げることができる。別の方法としては、被験者に貼付
けられ心電計92に結線された電極94を用いて得た従来の
体表ないし皮膚心電図を波形88と比較してバルーンが正
しく配置されたことを決定するようにしてもよい。しか
し、この目的に食道心電図140を用いることは、より容
易に認識されるより顕著性の高い波形が得られることか
ら、好ましいと考えられる。バルーンを配置するのに食
道または皮膚電極のいずれかを使用することは、早産新
生児から大人までの人体寸法の広い範囲で好適である。
検知バルーンを適当に配置する他の手段も使用でき
る。例えば、第16図に示すように、位置付け用バルーン
200をカテーテル210に取付け、大人の胃212において食
道−胃連結部204に接触させ、(位置付けバルーン200は
検知バルーン206の膨張開始前に膨張させなければなら
ないから、)別のカテーテル202に取り付けた検知バル
ーン206を位置付けバルーン200から大人の食道−胃連結
部204と左心房28間の比較的一定な距離208に配置する。
この距離208は大人の場合は比較的一定であるが、新生
児や子供の場合は一定ではない。
る。例えば、第16図に示すように、位置付け用バルーン
200をカテーテル210に取付け、大人の胃212において食
道−胃連結部204に接触させ、(位置付けバルーン200は
検知バルーン206の膨張開始前に膨張させなければなら
ないから、)別のカテーテル202に取り付けた検知バル
ーン206を位置付けバルーン200から大人の食道−胃連結
部204と左心房28間の比較的一定な距離208に配置する。
この距離208は大人の場合は比較的一定であるが、新生
児や子供の場合は一定ではない。
前述したように、圧力波形88は、その振幅が心房内圧
およびその周囲の組織圧だけでなく、システムの弾性、
バルーン内のガス量、その中の初期圧力の関数であるか
ら、平均左心房圧を決定するには不充分である。バルー
ン24を正確に位置付けて、後述するように平均左心房圧
を正確に、かつ、非侵襲的に決定する操作を開始でき
る。
およびその周囲の組織圧だけでなく、システムの弾性、
バルーン内のガス量、その中の初期圧力の関数であるか
ら、平均左心房圧を決定するには不充分である。バルー
ン24を正確に位置付けて、後述するように平均左心房圧
を正確に、かつ、非侵襲的に決定する操作を開始でき
る。
検知バルーン24の正確な位置付けが終ったあと、止め
コック96を開きシリンジ58を用いて、このバルーンを測
定されるべき予想最小圧以下の−10〜−12cmH2O程度の
圧力にまず排気する。これによって、測定開始前に、シ
ステムからいかなるガスをも排除して、圧力測定の一貫
性、正確性および信頼性を保証する。同様に、各測定操
作の間でもあらゆる残留ガスをシステムから排除する。
コック96を開きシリンジ58を用いて、このバルーンを測
定されるべき予想最小圧以下の−10〜−12cmH2O程度の
圧力にまず排気する。これによって、測定開始前に、シ
ステムからいかなるガスをも排除して、圧力測定の一貫
性、正確性および信頼性を保証する。同様に、各測定操
作の間でもあらゆる残留ガスをシステムから排除する。
バルーン24が正確に左心房28近傍に配置され排気され
た後、後述するようにして、平均左心房圧を決定するた
めに、バルーンを空気または窒素ガスのような他の不活
性ガスまたは水のような適当な液体で徐々に膨張させ
る。液体を用いると有利である。液体を使用する場合、
適当な機械式または液圧式加圧装置を連結した液充填シ
リンジによって液体をライン60に供給する。空気を使用
すると装置および使用が簡単になるので、この目的のた
めに好ましい。バルーン24を膨張させるために十分な圧
力、例えば、40psigを有する空気源を100で示す。止め
コックないし弁96および102を開いてガス供給メータリ
ング弁98をライン60に接続し、シリンジ58を弁96によっ
てライン60に対して閉止すると、ガス源100からのガス
はライン104を介してメータリング弁98に導かれ、そこ
から計測量がライン106、止めコック102および96、ライ
ン60を介して、カテーテル20に送られバルーン24を徐々
に膨張させる。本明細書および請求の範囲において、語
「ライン」ないし「線」は特に規定しない限り、圧力ま
たは電気信号を伝達するための管、カテーテル、導電線
または他の適当な手段を意味する。弁98は、オハイオ州
4094、ウイロビー、イースト345番ストリート、4800の
ヌープロ・カンパニのNupro(商標名)マイクロメータ
ーニードル弁である。この弁は最大約50cmH2O(0.74ps
i)まで背圧に対して広範囲にほぼ一定の流量を許容す
るように設計されている。それは、平均約4ミリリット
ル/分までのガス流量を供給するように予め目盛られて
いる。他の適当な弁も代りに使用できる。メータリング
弁98を開いて、一定の割合で検知バルーン24に徐々に充
填するために、例えば、約1.0ミリリットル/分の流量
の適当なガス流量を提供する。
た後、後述するようにして、平均左心房圧を決定するた
めに、バルーンを空気または窒素ガスのような他の不活
性ガスまたは水のような適当な液体で徐々に膨張させ
る。液体を用いると有利である。液体を使用する場合、
適当な機械式または液圧式加圧装置を連結した液充填シ
リンジによって液体をライン60に供給する。空気を使用
すると装置および使用が簡単になるので、この目的のた
めに好ましい。バルーン24を膨張させるために十分な圧
力、例えば、40psigを有する空気源を100で示す。止め
コックないし弁96および102を開いてガス供給メータリ
ング弁98をライン60に接続し、シリンジ58を弁96によっ
てライン60に対して閉止すると、ガス源100からのガス
はライン104を介してメータリング弁98に導かれ、そこ
から計測量がライン106、止めコック102および96、ライ
ン60を介して、カテーテル20に送られバルーン24を徐々
に膨張させる。本明細書および請求の範囲において、語
「ライン」ないし「線」は特に規定しない限り、圧力ま
たは電気信号を伝達するための管、カテーテル、導電線
または他の適当な手段を意味する。弁98は、オハイオ州
4094、ウイロビー、イースト345番ストリート、4800の
ヌープロ・カンパニのNupro(商標名)マイクロメータ
ーニードル弁である。この弁は最大約50cmH2O(0.74ps
i)まで背圧に対して広範囲にほぼ一定の流量を許容す
るように設計されている。それは、平均約4ミリリット
ル/分までのガス流量を供給するように予め目盛られて
いる。他の適当な弁も代りに使用できる。メータリング
弁98を開いて、一定の割合で検知バルーン24に徐々に充
填するために、例えば、約1.0ミリリットル/分の流量
の適当なガス流量を提供する。
本明細書のここでまたは他の個所においても、理論に
よって拘束されるものではないが、検知バルーン24が加
圧されるのに応じて、以下の事態が生じると思われる。
検知バルーン24が徐々に充填されると、その内圧が緩慢
に安定した率で増加する。この率は先に論じたオシロメ
ータ効果の理論に従って、呼吸波によるだけでなく、そ
の内部に振動を生ぜしめる心房圧によっても影響され
る。平均バルーン圧が平均左心房圧に近づくにつれて、
バルーン圧の心房圧振動が強さないし振幅を増加して遂
には最大に共振し、すなわち、ピーク振幅に達し、その
とき平均バルーン圧は平均左心房圧に近似する。その
後、平均バルーン圧が増大を続けると、心房圧による振
動の振幅は減少する。より詳しくは、バルーン圧は、そ
の膨張が左心房のまわりの組織内の圧力を平均組織圧が
平均左心房圧(MLAP)に等しくなる点にまで増大させた
ときに、最大に振動する。
よって拘束されるものではないが、検知バルーン24が加
圧されるのに応じて、以下の事態が生じると思われる。
検知バルーン24が徐々に充填されると、その内圧が緩慢
に安定した率で増加する。この率は先に論じたオシロメ
ータ効果の理論に従って、呼吸波によるだけでなく、そ
の内部に振動を生ぜしめる心房圧によっても影響され
る。平均バルーン圧が平均左心房圧に近づくにつれて、
バルーン圧の心房圧振動が強さないし振幅を増加して遂
には最大に共振し、すなわち、ピーク振幅に達し、その
とき平均バルーン圧は平均左心房圧に近似する。その
後、平均バルーン圧が増大を続けると、心房圧による振
動の振幅は減少する。より詳しくは、バルーン圧は、そ
の膨張が左心房のまわりの組織内の圧力を平均組織圧が
平均左心房圧(MLAP)に等しくなる点にまで増大させた
ときに、最大に振動する。
第9図〜第12図は次の波形を記録し表示するのに使用
される四つの電子表示ないしトレーシングを示す。すす
なわち、絶対バルーン圧波形108(第9図)、平均バル
ーン圧波形110(第10図)、信号プロセッサ84からの付
加ゲインを含む差信号112(第11図)、同時心電図114
(第12図)である。第9図〜第12図の縦線116は同時点
を表わす。第8図と第12図の心電図140と114を比較する
と、第7図、第8図の時間スケールは第9図〜第12図の
時間スケールに比べて大きく拡大されているのがわか
る。すなわち、第8図の波形140は約1秒の時間をカバ
ーし、多数秒間にわたる多数のそのような波形が第12図
に示される。
される四つの電子表示ないしトレーシングを示す。すす
なわち、絶対バルーン圧波形108(第9図)、平均バル
ーン圧波形110(第10図)、信号プロセッサ84からの付
加ゲインを含む差信号112(第11図)、同時心電図114
(第12図)である。第9図〜第12図の縦線116は同時点
を表わす。第8図と第12図の心電図140と114を比較する
と、第7図、第8図の時間スケールは第9図〜第12図の
時間スケールに比べて大きく拡大されているのがわか
る。すなわち、第8図の波形140は約1秒の時間をカバ
ーし、多数秒間にわたる多数のそのような波形が第12図
に示される。
絶対バルーン圧波形108はライン120を介してライン60
に接続された適当なトランスデューサ118から得られ
る。このトランスデューサ118は、例えば、コロラド州8
0215、レイクウッド、オーク・ストリート1185のコーブ
・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド(Cobe Labor
atories,Inc.)によって提供されるコープCDX IIIトラ
ンスデューサである。このトランスデューサ118はライ
ン120中のバルーン圧信号を電気信号に変換して、ライ
ン122を介して第2信号プロセッサ124に伝送する。この
プロセッサは適当な従来の信号処理電子回路であって、
圧力を表わす電気信号を適当に処理調整し、これらの信
号をライン144を介して表示手段85と同様の適当な表示
手段142に伝送する。プロセッサ124はこの信号を増幅し
て第9図にトレーシング108で示すように表示する。信
号プロセッサ124は、また、本発明の属する技術分野に
おける通常の技術者に公知の原理に基づいて、信号を適
当に処理して第10図のトレーシング110で示すような電
子的平均を提供する。トランスデューサ118は絶対圧力
の一気圧を基準とする。
に接続された適当なトランスデューサ118から得られ
る。このトランスデューサ118は、例えば、コロラド州8
0215、レイクウッド、オーク・ストリート1185のコーブ
・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド(Cobe Labor
atories,Inc.)によって提供されるコープCDX IIIトラ
ンスデューサである。このトランスデューサ118はライ
ン120中のバルーン圧信号を電気信号に変換して、ライ
ン122を介して第2信号プロセッサ124に伝送する。この
プロセッサは適当な従来の信号処理電子回路であって、
圧力を表わす電気信号を適当に処理調整し、これらの信
号をライン144を介して表示手段85と同様の適当な表示
手段142に伝送する。プロセッサ124はこの信号を増幅し
て第9図にトレーシング108で示すように表示する。信
号プロセッサ124は、また、本発明の属する技術分野に
おける通常の技術者に公知の原理に基づいて、信号を適
当に処理して第10図のトレーシング110で示すような電
子的平均を提供する。トランスデューサ118は絶対圧力
の一気圧を基準とする。
他の適当なアナログまたはデジタル式電子信号処理手
段を信号をろ波し、増幅し、比較し、その他の処理をす
るのに用いることもできる。両圧力トランスデューサ6
8、118は使用前に水圧計で適当に校正される。
段を信号をろ波し、増幅し、比較し、その他の処理をす
るのに用いることもできる。両圧力トランスデューサ6
8、118は使用前に水圧計で適当に校正される。
適当なリリーフ弁130がライン60に設けられ、当該シ
ステム56および患者を過加圧から保護している。このリ
リーフ弁130は多分50cmH2Oの適当な圧力で開いて管とバ
ルーンの圧力を大気に逃がして、バルーンを破裂させる
恐れのある危険な高圧を防止する。
ステム56および患者を過加圧から保護している。このリ
リーフ弁130は多分50cmH2Oの適当な圧力で開いて管とバ
ルーンの圧力を大気に逃がして、バルーンを破裂させる
恐れのある危険な高圧を防止する。
絶対バルーン圧波形108は左心房圧による低振幅高周
波振動が高振幅低周波呼吸振動に重畳されたもので、こ
れがガス供給弁98によって提供される徐々に増加するバ
ルーン圧に重畳される。平均バルーン圧波形を第10図に
110で示す。本明細書及び請求の範囲において、「平均
バルーン圧(mean balloon pressure)」とは高い周波
数の(約0.8ヘルツよりも大きい)振動の各々の平均に
おけるバルーン圧である。換言すれば、「平均バルーン
圧」波形110は高周波振動が除去された絶対バルーン圧
波形108である。信号がろ波されると、除去された波は
出力にも現われず、一方、通過させられた、または、取
り出された波は出力中に現われる。圧力増加の高率から
低率への200で示す急激な傾斜変化は、バルーンの膨張
前にバルーン圧が周囲組織圧と等しくなることを表わし
ている。
波振動が高振幅低周波呼吸振動に重畳されたもので、こ
れがガス供給弁98によって提供される徐々に増加するバ
ルーン圧に重畳される。平均バルーン圧波形を第10図に
110で示す。本明細書及び請求の範囲において、「平均
バルーン圧(mean balloon pressure)」とは高い周波
数の(約0.8ヘルツよりも大きい)振動の各々の平均に
おけるバルーン圧である。換言すれば、「平均バルーン
圧」波形110は高周波振動が除去された絶対バルーン圧
波形108である。信号がろ波されると、除去された波は
出力にも現われず、一方、通過させられた、または、取
り出された波は出力中に現われる。圧力増加の高率から
低率への200で示す急激な傾斜変化は、バルーンの膨張
前にバルーン圧が周囲組織圧と等しくなることを表わし
ている。
差圧信号112は、呼吸(による)アーティファクト(r
espiratory artifact)を表わす低周波振動が差圧トラ
ンスデューサ68によってろ過され、左心房圧波形が回復
された後に、信号プロセッサ84によって提供される。さ
らに、バルーン24が徐々に膨張することにより上昇する
絶対圧(これは低周波振動としてフィルター72によって
同様に処理されトランスデューサの一方側80に送られ
る)も差動トランスデューサ68によって相殺され、信号
プロセッサ84によって処理された圧力信号112が安定ベ
ースライン上に現われる。この信号112はさらに電気的
にろ波増幅され、信号プロセッサ84によって表示器85に
表示される。
espiratory artifact)を表わす低周波振動が差圧トラ
ンスデューサ68によってろ過され、左心房圧波形が回復
された後に、信号プロセッサ84によって提供される。さ
らに、バルーン24が徐々に膨張することにより上昇する
絶対圧(これは低周波振動としてフィルター72によって
同様に処理されトランスデューサの一方側80に送られ
る)も差動トランスデューサ68によって相殺され、信号
プロセッサ84によって処理された圧力信号112が安定ベ
ースライン上に現われる。この信号112はさらに電気的
にろ波増幅され、信号プロセッサ84によって表示器85に
表示される。
波形112は、また、平均バルーン圧波形110を電気的に
反転させ、この反転波形を絶対バルーン圧波形108に加
え、得られた振動を増幅することによっても、得ること
ができる。
反転させ、この反転波形を絶対バルーン圧波形108に加
え、得られた振動を増幅することによっても、得ること
ができる。
呼吸アーティファクトを除いて信号112を得るために
バイアスバルーン150を使用する方式を第13図に示す。
バルーン24の圧力はライン60、62および66を介して第6
図に示したのと同様に差圧トランスデューサ68の一方側
74に伝達される。この圧力はライン120を介してトラン
スデューサ118にも送られ、電気信号に変換され処理さ
れて表示器142に表示されるが、心房圧のほか呼吸アー
ティファクトの影響をも含んでいる。バイアスバルーン
150はバルーン24と同様で、カテーテル20と同様のカテ
ーテル152によって同様に挿入され、後述するようにラ
イン60を介して加圧される。
バイアスバルーン150を使用する方式を第13図に示す。
バルーン24の圧力はライン60、62および66を介して第6
図に示したのと同様に差圧トランスデューサ68の一方側
74に伝達される。この圧力はライン120を介してトラン
スデューサ118にも送られ、電気信号に変換され処理さ
れて表示器142に表示されるが、心房圧のほか呼吸アー
ティファクトの影響をも含んでいる。バイアスバルーン
150はバルーン24と同様で、カテーテル20と同様のカテ
ーテル152によって同様に挿入され、後述するようにラ
イン60を介して加圧される。
バイアスバルーン150は食道に左心房の位置と鼻孔ま
たは口腔の中間、すなわちバルーン24の位置の上方多分
3ないし4cmまたはそれより上まで挿入されるので、バ
イアスバルーン内の圧力は左心房の圧力によって影響さ
れない。しかし、バイアスバルーン150は呼吸アーティ
ファクト、すなわち、呼吸によって生じる圧力変動を感
知するので。食道の圧力を反映し、呼吸によって誘起さ
れた食道圧力の変動を記録するものといえる。バイアス
バルーンの圧力は、ライン154および156を介して差圧ト
ランスデューサ68の他方側80に伝達される。従って、絶
対左心房圧と呼吸アーティファクトによって生じる圧力
がトランスデューサ68の一方側74に加えられ、呼吸アー
ティファクトによって生じる圧力がトランスデューサの
他方側80に加えられる。その差は呼吸アーティファクト
を除く左心房圧を表わすが、これが電気信号としてライ
ン82を介して信号プロセッサ84に出力され、このプロセ
ッサ84が得られた差圧波の適当に処理された信号をライ
ン87を介して表示器142と同様の信号表示器85に伝達す
る。
たは口腔の中間、すなわちバルーン24の位置の上方多分
3ないし4cmまたはそれより上まで挿入されるので、バ
イアスバルーン内の圧力は左心房の圧力によって影響さ
れない。しかし、バイアスバルーン150は呼吸アーティ
ファクト、すなわち、呼吸によって生じる圧力変動を感
知するので。食道の圧力を反映し、呼吸によって誘起さ
れた食道圧力の変動を記録するものといえる。バイアス
バルーンの圧力は、ライン154および156を介して差圧ト
ランスデューサ68の他方側80に伝達される。従って、絶
対左心房圧と呼吸アーティファクトによって生じる圧力
がトランスデューサ68の一方側74に加えられ、呼吸アー
ティファクトによって生じる圧力がトランスデューサの
他方側80に加えられる。その差は呼吸アーティファクト
を除く左心房圧を表わすが、これが電気信号としてライ
ン82を介して信号プロセッサ84に出力され、このプロセ
ッサ84が得られた差圧波の適当に処理された信号をライ
ン87を介して表示器142と同様の信号表示器85に伝達す
る。
バイアスバルーン150の一つの利点は、これを使用す
ることによって呼吸アーティファクトをその振動数に関
係なく除去できることである。所望ならば、バイアスバ
ルーン150は同時食道圧を独立して測定するのにも使用
できる。この場合、バイアスバルーン圧力をライン154
からライン158を介してトランスデューサ118と同様のト
ランスデューサ160に伝達し、このトランスデューサが
その圧力を電気信号に変換し、ライン162を介してプロ
セッサ124と同様の信号プロセッサ164に伝送し、このプ
ロセッサ164においてその信号が適当に処理されライン1
66を介して表示器142と同様に表示器168に伝送される。
ることによって呼吸アーティファクトをその振動数に関
係なく除去できることである。所望ならば、バイアスバ
ルーン150は同時食道圧を独立して測定するのにも使用
できる。この場合、バイアスバルーン圧力をライン154
からライン158を介してトランスデューサ118と同様のト
ランスデューサ160に伝達し、このトランスデューサが
その圧力を電気信号に変換し、ライン162を介してプロ
セッサ124と同様の信号プロセッサ164に伝送し、このプ
ロセッサ164においてその信号が適当に処理されライン1
66を介して表示器142と同様に表示器168に伝送される。
第9図、第10図に示すように、バルーン24の圧力が増
大するにつれて呼吸アーティファクトを表わす低周波振
動の振幅が減少する。各時間点において同じ振幅の呼吸
波形が圧力トランスデューサ68の両側に加えられ、呼吸
アーティファクトが効果的に相殺されるようにするため
に、バルーン150と24の両方がライン60を介してガス供
給源100に連結される。かくして、ライン61、155がライ
ン60をライン154に接続しバルーン24を膨張させる。心
臓信号がバイアスバルーン信号上に現われるのを阻止す
るために、フィルター72と同様の適当なローパスフィル
ター157が接続され、これによって、ライン61がライン6
0から延長して、圧力源100からの圧力をフィルター157
に導入する。フィルター157の出力は心臓波が除去さ
れ、ライン155、154を介してバルーン150に伝送され
る。他の実施例(図示省略)によれば、バルーン24と15
0のための二つの別々のガス源を設け、適当な圧力トラ
ンスデューサと電子フィードバック手段によって、バイ
アスバルーン150の平均圧力を検知バルーン24の平均圧
力に自動的に等しく維持することによって信号の汚染を
阻止することができる。他の実施例(図示省略)によれ
ば、二つの別々のガス源を設け、バイアスバルーン側に
平均検知バルーン圧を基準とした圧力調整装置を設け、
心臓振動が調節装置を越えて伝わらないようにすること
もできる。
大するにつれて呼吸アーティファクトを表わす低周波振
動の振幅が減少する。各時間点において同じ振幅の呼吸
波形が圧力トランスデューサ68の両側に加えられ、呼吸
アーティファクトが効果的に相殺されるようにするため
に、バルーン150と24の両方がライン60を介してガス供
給源100に連結される。かくして、ライン61、155がライ
ン60をライン154に接続しバルーン24を膨張させる。心
臓信号がバイアスバルーン信号上に現われるのを阻止す
るために、フィルター72と同様の適当なローパスフィル
ター157が接続され、これによって、ライン61がライン6
0から延長して、圧力源100からの圧力をフィルター157
に導入する。フィルター157の出力は心臓波が除去さ
れ、ライン155、154を介してバルーン150に伝送され
る。他の実施例(図示省略)によれば、バルーン24と15
0のための二つの別々のガス源を設け、適当な圧力トラ
ンスデューサと電子フィードバック手段によって、バイ
アスバルーン150の平均圧力を検知バルーン24の平均圧
力に自動的に等しく維持することによって信号の汚染を
阻止することができる。他の実施例(図示省略)によれ
ば、二つの別々のガス源を設け、バイアスバルーン側に
平均検知バルーン圧を基準とした圧力調整装置を設け、
心臓振動が調節装置を越えて伝わらないようにすること
もできる。
他の手段、例えば、アナログあるいはデジタルフィル
ター技術を絶対バルーン圧に直接適用して、例えば、呼
吸または蠕動などによる低周波アーティファクトを除去
する手段を用いて、絶対バルーン圧からの波形112を得
るようにすることもできる。このような手段も本発明の
範囲に含まれる。
ター技術を絶対バルーン圧に直接適用して、例えば、呼
吸または蠕動などによる低周波アーティファクトを除去
する手段を用いて、絶対バルーン圧からの波形112を得
るようにすることもできる。このような手段も本発明の
範囲に含まれる。
波形112はかくして安定したベースライン上で変化す
る振幅を有する振動信号である。絶対バルーン圧からの
これらの振動は左心房の駆動圧に応答している。
る振幅を有する振動信号である。絶対バルーン圧からの
これらの振動は左心房の駆動圧に応答している。
波形112(第11図)のピーク共振振幅に注目し、これ
を同時平均バルーン圧110(第10図)と比較することに
よって、平均左心房圧を決定することができる。かくし
て、オシロメータの原理に従って、平均バルーン圧は波
形112の振動がピークにあるとき平均左心房圧に近似す
る。すなわち、波形112中のピークないし最高振幅振動
は、バルーン圧が平均左心房圧に等しくなる時点116で
発生する。平均左心房圧は第9図〜第12図の例から128
で示される約3cmH2Oの圧力と決定される。
を同時平均バルーン圧110(第10図)と比較することに
よって、平均左心房圧を決定することができる。かくし
て、オシロメータの原理に従って、平均バルーン圧は波
形112の振動がピークにあるとき平均左心房圧に近似す
る。すなわち、波形112中のピークないし最高振幅振動
は、バルーン圧が平均左心房圧に等しくなる時点116で
発生する。平均左心房圧は第9図〜第12図の例から128
で示される約3cmH2Oの圧力と決定される。
平均左心房圧は絶対バルーン圧波形108を参照するこ
とによって近似させてもよい。すなわち、波形108上の
高周波振動の比較的小さい振幅により、平均バルーン圧
を評価することができ、この圧力から平均左心房圧の評
価を得ることができる。
とによって近似させてもよい。すなわち、波形108上の
高周波振動の比較的小さい振幅により、平均バルーン圧
を評価することができ、この圧力から平均左心房圧の評
価を得ることができる。
第9図〜第12図の波形が、実際にグラフあるいはトレ
ーシングの形で得られることが本発明に必須ではないこ
とを理解すべきである。例えば、電子ピーク検出器を用
いて、最大ないしピーク振幅を検知し、関連する電子機
器により、本発明が関係する技術分野における通常の技
術者に公知の原理に基づいて対応する平均左心房圧を決
定し表示することもできる。
ーシングの形で得られることが本発明に必須ではないこ
とを理解すべきである。例えば、電子ピーク検出器を用
いて、最大ないしピーク振幅を検知し、関連する電子機
器により、本発明が関係する技術分野における通常の技
術者に公知の原理に基づいて対応する平均左心房圧を決
定し表示することもできる。
通常の大人の食道の弛緩時直径は約2.5cmである。膨
張したバルーンの直径は食道を拡張させるのを回避する
ためにこの寸法よりも小さくなければならない。何故な
ら、もし食道の拡張が生じると、バルーン圧のすべてが
左心房壁に加わるとは限らなくなり、その結果ピーク振
動でのバルーン圧が平均左心房圧よりも高くなるからで
ある。さらに、バルーンが大きすぎると、その膨張が二
次的蠕動を発生させる可能性がある。他方、膨張したバ
ルーン直径が小さすぎると、膨張中に左心房に対して十
分な圧力を加えることができず、また、パルスの伝達を
最適にする最適の接触域も得られない。バルーン長は、
左心房および平均圧力が平均左心房圧に等しい肺静脈と
の最適の接触長さが得られるのに十分でなければならな
いが、左心房を越えてあまり遠くまで延長し大動脈また
は下方食道括約筋からの圧力アーティファクトを検出す
る長さであってはならない。上述の要件に従って、大人
に使用する場合に、バルーン24は第2図で132で示す膨
張直径約0.9と1.5cmの間、第1図に134で示す膨張長さ
約3.0と4.0cmの間であるのが好ましい。より好ましく
は、バルーン24は約1cmの膨張直径132及び約3.5cmの膨
張長さ134を有し、約2ミリリットルの容積である。食
道は通常つぶれるので、この直径でなお脊柱を鉄床とし
て作用させることができる。子供や新生児に対しては、
上述の寸法を適当に小さくする。
張したバルーンの直径は食道を拡張させるのを回避する
ためにこの寸法よりも小さくなければならない。何故な
ら、もし食道の拡張が生じると、バルーン圧のすべてが
左心房壁に加わるとは限らなくなり、その結果ピーク振
動でのバルーン圧が平均左心房圧よりも高くなるからで
ある。さらに、バルーンが大きすぎると、その膨張が二
次的蠕動を発生させる可能性がある。他方、膨張したバ
ルーン直径が小さすぎると、膨張中に左心房に対して十
分な圧力を加えることができず、また、パルスの伝達を
最適にする最適の接触域も得られない。バルーン長は、
左心房および平均圧力が平均左心房圧に等しい肺静脈と
の最適の接触長さが得られるのに十分でなければならな
いが、左心房を越えてあまり遠くまで延長し大動脈また
は下方食道括約筋からの圧力アーティファクトを検出す
る長さであってはならない。上述の要件に従って、大人
に使用する場合に、バルーン24は第2図で132で示す膨
張直径約0.9と1.5cmの間、第1図に134で示す膨張長さ
約3.0と4.0cmの間であるのが好ましい。より好ましく
は、バルーン24は約1cmの膨張直径132及び約3.5cmの膨
張長さ134を有し、約2ミリリットルの容積である。食
道は通常つぶれるので、この直径でなお脊柱を鉄床とし
て作用させることができる。子供や新生児に対しては、
上述の寸法を適当に小さくする。
バルーン圧の最大振動は、バルーンがその最大容積に
達する直前に発生し、その後、第10図の196で示すよう
にバルーン圧が急上昇する。時々、この急上昇は最大バ
ルーン振動点を不明瞭にすることがある。最大振動点近
くのバルーンのより円滑な膨張のためのバルーンの加圧
のよりよい制御のために、第14図第15図に示した好まし
い実施例によれば、人体の外でバルーンの排気のための
排気ラインを設けたバルーンを用いて前述のような圧力
の急上昇を遅らせる。この実施例において、管腔171、1
73をそれぞれ含む一対のカテーテル170、172が食道バル
ーン174に取付けられる。カテーテル170はライン60に連
結される。図示を容易にするために第14図では示されせ
いないが、第6図のライン60に連結された装置が第14図
のライン60にも連結されている。カテーテル172はライ
ン176を介して四方止めコック178または他の適当に連結
され、さらに、ライン180を介して“Nupro"被制御排気
弁182に連結される。この排気弁はライン184を介して大
気に排気する。排気弁182としては、例えば、制御弁98
と同様の適当なタイプのものでよい。
達する直前に発生し、その後、第10図の196で示すよう
にバルーン圧が急上昇する。時々、この急上昇は最大バ
ルーン振動点を不明瞭にすることがある。最大振動点近
くのバルーンのより円滑な膨張のためのバルーンの加圧
のよりよい制御のために、第14図第15図に示した好まし
い実施例によれば、人体の外でバルーンの排気のための
排気ラインを設けたバルーンを用いて前述のような圧力
の急上昇を遅らせる。この実施例において、管腔171、1
73をそれぞれ含む一対のカテーテル170、172が食道バル
ーン174に取付けられる。カテーテル170はライン60に連
結される。図示を容易にするために第14図では示されせ
いないが、第6図のライン60に連結された装置が第14図
のライン60にも連結されている。カテーテル172はライ
ン176を介して四方止めコック178または他の適当に連結
され、さらに、ライン180を介して“Nupro"被制御排気
弁182に連結される。この排気弁はライン184を介して大
気に排気する。排気弁182としては、例えば、制御弁98
と同様の適当なタイプのものでよい。
第6図の実施例に関して先に述べたように、排気弁が
使用されないときは、制御弁98が一定流量に設定され、
バルーンを徐々に充満させるのにまかせる。しかし、止
めコック178を開いて排気弁182をバルーン174に連結す
ると、排気弁182が経験によって決定された位置、すな
わち、本発明が関係する技術分野における通常の技術者
によって過度な実験なしに決定される位置にセットさ
れ、制御弁98がバルーン圧制御に使用される。バルーン
174は、制御弁98を確実に開き、排気弁182を背圧を生ぜ
しめるように固定状態にセットし維持することによっ
て、加圧される。制御弁98をこのように継続して開きバ
ルーン174を通る流量を増すと、圧力が徐々に上昇す
る。ある点において、オシロメータの原理に従って、バ
ルーンが左心房圧によって最大に振動し、その後バルー
ン圧がさらに増大するにつれてこの振動は減少する。排
気弁182が設けられより精密なガス供給制御をするの
で、振動のピークをより正確に決定できる。かくして、
バルーン174内の圧力が増大すると、排気弁182を通る流
量が増大し、左心房圧による振動の相対的振幅に影響を
与えることなく、圧力上昇を遅らせ安定させ、これによ
って、このような振動のピークが、平均左心房圧を決定
することができる同じバルーン圧の値においてなお生じ
うると考えられる。
使用されないときは、制御弁98が一定流量に設定され、
バルーンを徐々に充満させるのにまかせる。しかし、止
めコック178を開いて排気弁182をバルーン174に連結す
ると、排気弁182が経験によって決定された位置、すな
わち、本発明が関係する技術分野における通常の技術者
によって過度な実験なしに決定される位置にセットさ
れ、制御弁98がバルーン圧制御に使用される。バルーン
174は、制御弁98を確実に開き、排気弁182を背圧を生ぜ
しめるように固定状態にセットし維持することによっ
て、加圧される。制御弁98をこのように継続して開きバ
ルーン174を通る流量を増すと、圧力が徐々に上昇す
る。ある点において、オシロメータの原理に従って、バ
ルーンが左心房圧によって最大に振動し、その後バルー
ン圧がさらに増大するにつれてこの振動は減少する。排
気弁182が設けられより精密なガス供給制御をするの
で、振動のピークをより正確に決定できる。かくして、
バルーン174内の圧力が増大すると、排気弁182を通る流
量が増大し、左心房圧による振動の相対的振幅に影響を
与えることなく、圧力上昇を遅らせ安定させ、これによ
って、このような振動のピークが、平均左心房圧を決定
することができる同じバルーン圧の値においてなお生じ
うると考えられる。
電極21と同様の電極188に接続される食道電極線186が
排気ラインカテーテル172に挿通され、これにより線186
を通す別のカテーテルの必要をなくする。第15図に示す
ように、カテーテル172はバルーン174の内部に適当に延
長しており、排気のための開口端190を有している。止
めコック178を閉じることによって、第14図の実施例は
所望ならば第6図の実施例について説明したと同様に、
排気ラインなしに用いることもできる。
排気ラインカテーテル172に挿通され、これにより線186
を通す別のカテーテルの必要をなくする。第15図に示す
ように、カテーテル172はバルーン174の内部に適当に延
長しており、排気のための開口端190を有している。止
めコック178を閉じることによって、第14図の実施例は
所望ならば第6図の実施例について説明したと同様に、
排気ラインなしに用いることもできる。
所望ならば、管腔171、173を単一カテーテル内に設け
ることもできる。他の変形実施例によれば、単一管腔カ
テーテルに側孔を設け、これに排気弁を設けてバルーン
充填中には一定の背圧を提供するが、バルーンがその最
大容積に達したときは圧力の急上昇を減ずることもでき
る。この圧力の急上昇を減ずるさらに他の手段として
は、バルーンが最大容積に達したときに流量制御弁を絞
って、最終段階での充填を遅らせるようにすることがで
きる。
ることもできる。他の変形実施例によれば、単一管腔カ
テーテルに側孔を設け、これに排気弁を設けてバルーン
充填中には一定の背圧を提供するが、バルーンがその最
大容積に達したときは圧力の急上昇を減ずることもでき
る。この圧力の急上昇を減ずるさらに他の手段として
は、バルーンが最大容積に達したときに流量制御弁を絞
って、最終段階での充填を遅らせるようにすることがで
きる。
仰向きや半分もたれた状態のような体位では心臓の重
みが食道に加わる。立ったり、座ったり、横向きにねた
り、あるいは俯向きのような他の体位においては、心臓
の重みは食道に加わらない。現在、患者の体位いかんに
かかわらず、食道に対する心臓の重み自体の圧力作用
は、ピークバルーン振動圧力に対して影響があるとして
も少ないと思われる。しかし、心臓の重みによって影響
されないピークバルーン振動圧力の測定を保証するため
に、前述のように、患者が立ったり、座ったり、横向き
にねたり、俯向きあるいは心臓の重さが食道に加わらな
い他の体位にあるときに、平均左心房圧を決定するのが
望ましい。
みが食道に加わる。立ったり、座ったり、横向きにねた
り、あるいは俯向きのような他の体位においては、心臓
の重みは食道に加わらない。現在、患者の体位いかんに
かかわらず、食道に対する心臓の重み自体の圧力作用
は、ピークバルーン振動圧力に対して影響があるとして
も少ないと思われる。しかし、心臓の重みによって影響
されないピークバルーン振動圧力の測定を保証するため
に、前述のように、患者が立ったり、座ったり、横向き
にねたり、俯向きあるいは心臓の重さが食道に加わらな
い他の体位にあるときに、平均左心房圧を決定するのが
望ましい。
生理学的および医学的に重要な圧力である平均左心房
経壁圧力もカテーテルから得られる情報によって決定で
きる。この圧力は平均左心房圧と胸膜圧(心臓を囲む直
近の組織の圧力)との差である。この経壁圧力を知るこ
とは重要である。何故ならそれは流体が肺の毛細血管を
出て、肺組織に入って肺浮腫ないし「ぬれた肺」を生ぜ
しめる度合に影響を与えるからである。
経壁圧力もカテーテルから得られる情報によって決定で
きる。この圧力は平均左心房圧と胸膜圧(心臓を囲む直
近の組織の圧力)との差である。この経壁圧力を知るこ
とは重要である。何故ならそれは流体が肺の毛細血管を
出て、肺組織に入って肺浮腫ないし「ぬれた肺」を生ぜ
しめる度合に影響を与えるからである。
胸膜圧は、食道内において心臓から離れた上方の位
置、すなわち、少なくとも約3ないし4cm心臓から離れ
た上方で心臓の圧力によって影響されない位置で、本発
明が属する技術分野における通常の技術者に公知の原理
を用いて平均食道圧を測定することによって決定でき
る。
置、すなわち、少なくとも約3ないし4cm心臓から離れ
た上方で心臓の圧力によって影響されない位置で、本発
明が属する技術分野における通常の技術者に公知の原理
を用いて平均食道圧を測定することによって決定でき
る。
平均食道圧は、ピーク振動の測定後、心臓の下方から
離れるように検知バルーンを動かすことによって、ある
いは、先端にバルーンを付けた第2カテーテルを用いる
ことによって決定することができる。例えば、第13図の
バイアスバルーン150を用いて心臓の重さに影響されず
に食道圧を得ることができる。すなわち、この圧力はバ
ルーン膨張前にバルーン圧と周囲組織の圧力、すなわ
ち、平均食道圧との均一化を示す、傾斜変化200と同様
の、圧力の急速な増加率から緩慢な増加率への傾斜変化
点においてバルーン圧を測定することによって、決定さ
れる。他の方法として、平均食道圧は、バルーン150を
排気してから少量のガス(カテーテルおよび連結管のデ
ッドスペース容積よりも僅かに大きい量)を加え、得ら
れた食道圧波形の平均をとることによって、決定するこ
ともできる。
離れるように検知バルーンを動かすことによって、ある
いは、先端にバルーンを付けた第2カテーテルを用いる
ことによって決定することができる。例えば、第13図の
バイアスバルーン150を用いて心臓の重さに影響されず
に食道圧を得ることができる。すなわち、この圧力はバ
ルーン膨張前にバルーン圧と周囲組織の圧力、すなわ
ち、平均食道圧との均一化を示す、傾斜変化200と同様
の、圧力の急速な増加率から緩慢な増加率への傾斜変化
点においてバルーン圧を測定することによって、決定さ
れる。他の方法として、平均食道圧は、バルーン150を
排気してから少量のガス(カテーテルおよび連結管のデ
ッドスペース容積よりも僅かに大きい量)を加え、得ら
れた食道圧波形の平均をとることによって、決定するこ
ともできる。
本発明の方法および装置は、呼吸装置に連結された患
者の平均左心房圧を正確に決定するのに使用することが
できる。しかし、患者が呼気終末陽圧(positive end e
xpiratory pressure:PEEP)を用いる呼吸装置に連結さ
れている場合は、患者の肺動脈楔入圧(PCWP)及び平均
左心房圧(mean left atrial pressure:MLAP)は結果的
に高められる。何故なら全ての胸内組織はこの圧力に種
々の程度に露呈されているからである。平均食道圧は胸
膜内圧(胸部内の圧力環境の良い尺度)を反映するの
で、平均食道圧は胸部組織に対するPEEPの作用の尺度を
提供する。かくして、カテーテルによって提供される平
均左心房圧の経壁圧力は心臓と肺に対するPEEPの生理学
的及び臨床的影響を理解する優れた手段を提供する。何
故なら、それはPEEPが加わることによって左心房と食道
の両方に誘起される同時圧力変化を考慮に入れるからで
ある。
者の平均左心房圧を正確に決定するのに使用することが
できる。しかし、患者が呼気終末陽圧(positive end e
xpiratory pressure:PEEP)を用いる呼吸装置に連結さ
れている場合は、患者の肺動脈楔入圧(PCWP)及び平均
左心房圧(mean left atrial pressure:MLAP)は結果的
に高められる。何故なら全ての胸内組織はこの圧力に種
々の程度に露呈されているからである。平均食道圧は胸
膜内圧(胸部内の圧力環境の良い尺度)を反映するの
で、平均食道圧は胸部組織に対するPEEPの作用の尺度を
提供する。かくして、カテーテルによって提供される平
均左心房圧の経壁圧力は心臓と肺に対するPEEPの生理学
的及び臨床的影響を理解する優れた手段を提供する。何
故なら、それはPEEPが加わることによって左心房と食道
の両方に誘起される同時圧力変化を考慮に入れるからで
ある。
第6図に示したような本発明の方法を使用し、かつ、
バルーン24を位置付けるのに表面心電図を用いて、カテ
ーテルを付けた二人の健康な大人を直率に座らせ、乾燥
状態または首まで熱的中性の水に入った状態で平均左心
房圧測定平均値(average mean left atrial pressure
measurements)を得た。その結果を次に示す。
バルーン24を位置付けるのに表面心電図を用いて、カテ
ーテルを付けた二人の健康な大人を直率に座らせ、乾燥
状態または首まで熱的中性の水に入った状態で平均左心
房圧測定平均値(average mean left atrial pressure
measurements)を得た。その結果を次に示す。
被験者 平均左心房圧平均値 乾燥 水中 No.1 −3.5cm H2O +13cm H2O No.2 0cm H2O +15cm H2O Aerospace Medicine,June,1972,pp.592−598の“Hemo
dynamic Changes in Man during Immersion with the H
ead Above Water「頭部を出して水中にいる人間の血液
動態変化」”と題する論文は、同様の条件の下で心臓を
監視された被験者から得られたデータを開示している。
この論文は平均左心房圧は測定されなかったことを示し
ているが、平均右心房圧および肺動脈拡張期圧は測定さ
れた。これらの圧力は若い健康な大人では平均左心房圧
とほぼ類似であることが知られている。同論文の594頁
の表1に示されるように、平均値は、 乾燥 水中 平均右心房圧 −2mm Hg +16mm Hg 肺動脈拡張期圧 +3mm Hg +20mm Hg 1mm Hgは1.3cm H2Oである。これらの結果は、本発明
によって得られた平均左心房圧平均値は予想された範囲
内にあることを示している。すなわち、両研究とも対応
する測定単位における1気圧、1000cm H2Oまたは760mm
Hgを基準としたとき、水中で2%の圧力増加を示した。
dynamic Changes in Man during Immersion with the H
ead Above Water「頭部を出して水中にいる人間の血液
動態変化」”と題する論文は、同様の条件の下で心臓を
監視された被験者から得られたデータを開示している。
この論文は平均左心房圧は測定されなかったことを示し
ているが、平均右心房圧および肺動脈拡張期圧は測定さ
れた。これらの圧力は若い健康な大人では平均左心房圧
とほぼ類似であることが知られている。同論文の594頁
の表1に示されるように、平均値は、 乾燥 水中 平均右心房圧 −2mm Hg +16mm Hg 肺動脈拡張期圧 +3mm Hg +20mm Hg 1mm Hgは1.3cm H2Oである。これらの結果は、本発明
によって得られた平均左心房圧平均値は予想された範囲
内にあることを示している。すなわち、両研究とも対応
する測定単位における1気圧、1000cm H2Oまたは760mm
Hgを基準としたとき、水中で2%の圧力増加を示した。
本発明を詳細に述べたが、本発明はその原理を逸脱す
ることなく他の態様においても実施することができるこ
とが理解されるべきである。他の実施態様も付属の請求
の範囲に規定された本発明の範囲に入るものである。
ることなく他の態様においても実施することができるこ
とが理解されるべきである。他の実施態様も付属の請求
の範囲に規定された本発明の範囲に入るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 昭57−500317(JP,A) 特表 平2−503523(JP,A) 米国特許4706688(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/00 - 5/0488 JICSTファイル(JOIS)
Claims (10)
- 【請求項1】バルーンを含み左心房近傍に前記バルーン
を配置するために食道に挿入可能なカテーテルと、前記
バルーンを膨張させる手段と、前記バルーンが左心房近
傍にあるときの左心房圧によって生じるバルーン圧振動
の振幅がピークに達したことを検知する手段と、検知さ
れたそのピーク時におけるバルーン圧を測定する手段と
からなる装置。 - 【請求項2】左心房近傍の前記バルーンの位置を検知す
る手段を備え、前記バルーン位置検知手段が、左心房の
食道心電図を得るための、前記バルーン近傍の前記カテ
ーテル手段上の電極手段からなる請求項1による装置。 - 【請求項3】前記バルーンが約0.9cmと1.5cmの間の膨張
直径を有する請求項1による装置。 - 【請求項4】前記バルーンが約3cmと4cmの間の膨張長さ
を有する請求項1による装置。 - 【請求項5】前記バルーンが約1cmの膨張直径を有する
請求項1による装置。 - 【請求項6】バルーンを含み、前記バルーンを左心房近
傍に配置するために食道に挿入可能なカテーテルと、前
記バルーンを徐々に膨張させ、これによって左心房近傍
で前記バルーンが膨張させられるにつれて、左心房圧と
呼吸波がバルーン圧振動を生じさせるようにする手段
と、平均バルーン圧を測定する手段と、バルーン圧をフ
ィルタ処理して左心房圧によって生じる振動を通過させ
る手段とからなり、これによって左心房圧によって生じ
た振動の振幅がピークに達したことを検知し、検知され
たそのピーク時における平均バルーン圧を参照すること
により、オシロメータの原理に従って平均左心房圧を決
定するようにした平均左心房圧を決定する装置。 - 【請求項7】バルーンを含み、前記バルーンを左心房近
傍に配置するために食道に挿入可能なカテーテルと、左
心房近傍の前記バルーンの位置を検知する手段と、前記
バルーンを徐々に膨張させ、これによって左心房近傍で
前記バルーンが膨張させられるにつれて、左心房圧と呼
吸圧波がバルーン圧振動を発生させるようにする手段
と、バルーン圧を電気信号に変換するトランスデューサ
手段と、前記電気信号を平均バルーン圧の電気信号に変
換する手段と、両側に圧力が加わるダイヤフラムを有
し、加えられた圧力の差を電気信号に変換する差動トラ
ンスデューサ手段と、バルーン圧を前記ダイヤフラムの
一方側に加える手段と、約0.8ヘルツより小さい振動数
を有するバルーン圧振動を前記ダイヤフラムの他方側に
加える手段とからなり、これによって左心房圧によって
生じる約0.8ヘルツより大きい振動数を有するバルーン
圧振動が差動トランスデューサ手段によって安定なベー
スラインを有する電気信号に変換され、これによって左
心房圧によって生じる前記バルーン圧振動の振幅がピー
クに達したことを検知し、検知されたそのピーク時にお
ける平均バルーン圧を参照することによりオシロメータ
の原理に従って平均左心房圧を決定するようにした平均
左心房圧を決定する装置。 - 【請求項8】バルーンを含み、前記バルーンを左心房近
傍に配置するために食道に挿入可能なカテーテルと、前
記バルーンを膨張させ、これによって左心房近傍で前記
バルーンが膨張させられるにつれて、左心房圧と呼吸波
がバルーン圧振動を生じさせるようにする手段と、バル
ーン圧をフィルタ処理した左心房圧によって生じる振動
を除去し、これによって左心房圧によって生じる振動が
呼吸波の作用に影響されずに通過させられるようにする
手段と、左心房圧によって生じるバルーン圧振動の振幅
がピークに達したことを検知する手段と、検知さされた
そのピーク時における平均バルーン圧を測定する手段と
からなる装置。 - 【請求項9】バルーンを含み、前記バルーンを左心房近
傍に配置するために食道に挿入可能なカテーテルと、前
記バルーンを膨張させる手段と、バルーン圧をろ過して
約0.8ヘルツより小さい振動数を有する振動を除き、こ
れによって約0.8ヘルツより小さい振動数を有する振動
のない左心房圧による振動波形が得られるようにする手
段と、左心房圧によるバルーン圧振動がピークに達した
ことを検知する手段と、検知されたそのピーク時におけ
る平均バルーン圧を測定する手段とからなる装置。 - 【請求項10】膨張可能なバルーンと、前記バルーンを
左心房近傍の食道部位に挿入する手段と、膨張した前記
バルーンに対する左心房圧の影響を測定して平均左心房
圧を決定する手段とから構成される平均左心房圧を決定
する装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/US1991/004504 WO1993000037A1 (en) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | Method and apparatus for the measurement of atrial pressure |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3289898B2 true JP3289898B2 (ja) | 2002-06-10 |
Family
ID=22225630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50060992A Expired - Fee Related JP3289898B2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 心房圧の測定方法および装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3289898B2 (ja) |
AT (1) | ATE188858T1 (ja) |
DE (1) | DE69131931T2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110448314A (zh) * | 2019-09-06 | 2019-11-15 | 安徽阳光心健科技发展有限公司 | 一种用于心理评估的无线压触式呼吸采集器 |
-
1991
- 1991-06-24 AT AT92902569T patent/ATE188858T1/de not_active IP Right Cessation
- 1991-06-24 JP JP50060992A patent/JP3289898B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1991-06-24 DE DE69131931T patent/DE69131931T2/de not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110448314A (zh) * | 2019-09-06 | 2019-11-15 | 安徽阳光心健科技发展有限公司 | 一种用于心理评估的无线压触式呼吸采集器 |
CN110448314B (zh) * | 2019-09-06 | 2024-04-02 | 安徽阳光心健科技发展有限公司 | 一种用于心理评估的无线压触式呼吸采集器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69131931D1 (de) | 2000-02-24 |
DE69131931T2 (de) | 2000-06-29 |
ATE188858T1 (de) | 2000-02-15 |
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