JP3252311B2 - 電磁波遮蔽箱 - Google Patents

電磁波遮蔽箱

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JP3252311B2 JP24048894A JP24048894A JP3252311B2 JP 3252311 B2 JP3252311 B2 JP 3252311B2 JP 24048894 A JP24048894 A JP 24048894A JP 24048894 A JP24048894 A JP 24048894A JP 3252311 B2 JP3252311 B2 JP 3252311B2
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淳 川俣
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  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】通常の電子機器の格納容器、電子
制御機器の格納容器、航空機の航法関係電子機器の格納
容器、電力機器の制御回路の格納容器など
【0002】
【従来の技術】主に山形をした鋼あるいはアルミ材の導
体棒により機器格納容器の箱の枠組を構成し、枠組の外
側に、銅板あるいはアルミ板を設置した箱の中に、電子
機器などが一層で格納されるか、あるいはより多くの機
器が、箱の中で複数段に分けられて、箱の枠組およびそ
の外側板と導通状態のままの架台により、機械的に保持
され格納されている.
【0003】電磁波のもつエネルギーは、電界と磁界そ
れぞれのエネルギーに2分されている.従って電磁波を
遮蔽するには、それら双方のエネルギーの侵入を阻止し
なければならないことが明白である.
【0004】電界の遮蔽に関しては、前述のように箱の
外側を鋼板あるいはアルミ板で全て被覆すれば、その時
の緩和時間が極めて小さいので、極端に高い周波数に至
るまで、ほぼ100パーセントに近い電界遮蔽効果を期
待することができる.
【0005】一方磁界の遮蔽に関しては、箱の枠組を構
成する導体棒と、枠組の外側に設置する鋼板あるいはア
ルミ板との間に微少の隙間が存在するので、そこから漏
れて侵入する磁界を、箱の枠組で作られている導体棒の
ループの中を流れる電流により阻止しなければならない
ことは、あまり良く知られていない.
【0006】従来技術で最も遅れている点は、枠組の導
体ループを流れる電流によって箱の中に侵入する磁束を
最も有効に阻止する磁気遮蔽面が存在する物理現象を理
解していないため、従来技術により作られた電磁波遮蔽
箱の構造に本質的な欠陥の存在を許している点である.
すなはち、それらの箱にあっては、有効に作用する磁気
遮蔽面と静電遮蔽面とが、それぞれ離れた位置に存在し
ている構造になっている点である.
【0007】電磁波のエネルギーは、電界エネルギーと
磁界エネルギーに、常に等分される.それらの中で、一
方が減衰すれば、他方からエネルギーが補充され直ちに
両者のエネルギーが等しくなる.このような物理現象が
存在するので、先に述べた2つの面が離れて存在する構
造は、欠陥のある構造であり、2つの面を一致させる飛
躍した技術の創造がまたれている.
【0008】従来技術による電磁波遮蔽の効果を、例を
揚げて説明する.電磁波が電磁波遮蔽箱に侵入しようと
する.すると、先ず外測の静電遮蔽面で、100パーセ
ント電界エネルギーが消滅しても、磁界エネルギーはそ
のまま保存されるから、箱の内部でエネルギーが等分さ
れて、外部から侵入したときの1/4ずつのエネルギー
を、電界と磁界がもつようになる.少し電磁波が進行す
れば、磁気遮蔽面が存在する位置に達する.そこで、磁
界が1/10に減衰すると仮定すれば、そこを通過した
後の磁界のエネルギーは、(1/4)×(1/100)
=0.0025に減少するけれども、電界エネルギーは
全く減少しないので、そこを通過した後の両者のエネル
ギーは、それぞれ外部から侵入するエネルギーの0.1
2625倍ずつとなり、箱内部の電界および磁界は、い
ずれも約−6dBの減衰となる.
【0009】同一の箱を利用して、磁気遮蔽面と静電遮
蔽面の位置を、同一位置に選べばその値が約−20dB
の減衰になることから、従来技術は大いに改善余地のあ
ることが明白である.
【0010】箱の外部の電磁界が箱に侵入する条件のも
とでは、箱の内部にあって格納機器を保持し、あるいは
箱の機械的強度を保持する目的で、箱の内部に筋交い、
支柱あるいはまた機器の格納架台など導電材料を使用し
た構造物を、箱を構成する金属導体と電気絶縁せずに使
用すると、それら構造物に、導体ループを流れる筈の電
流が分流し、磁気遮蔽の効果を大きく低減させるマイナ
ス効果を生ずる.この点に関しても、従来技術にあって
は何等の考慮もなされていない.
【0011】
【発明が解決しようとする課題】襲雷時に、電気計算機
やそれの端末機器、電子制御ロボットなどの作業用機
器、航空機の航法関係機器、電力機器の制御回路など、
全ての機器が、従来から金属製の箱に格納され使用され
ているにもかかわらず、外部からの雑音信号により誤動
作、あるいは機器の損傷事故を生ずることが多い.
【0012】軍用機や民間機が激しい雷雨の中で離着陸
を試みている際の事故の報道が少なくないことから、航
空機が雷撃を受けた際に航法関係の機器が雑音によって
誤動作することもあると考えられる.
【0013】上に述べた雑音が原因となる事故は、高速
処理、多機能の電子回路に使用されている電気信号が小
さく、一方では電磁波遮蔽箱に関する技術レベルが低い
ため、箱の内部に侵入する雑音信号が電気信号に比べて
大きくなることに原因がある.
【0014】電磁波遮蔽箱の内部に侵入する雑音信号を
より一層低減し、機器の誤動作を防止出来るようになれ
ば、産業界に大きく寄与できる.この目標を達成するこ
とが、解決しようとする課題である.
【0015】
【課題を解決するための手段】電磁波中の電界ベクトル
は、導体面に垂直にできるので、導体と導体が重ね合わ
さった隙間から電界が漏れたり、侵入する現象は生じな
い.
【0016】一方磁界ベクトルは、導体面に並行にでき
るので、導体と導体の重ね合わさった微小な隙間から、
漏れたり、侵入したりする.
【0017】従って、電磁波を遮蔽する手段として、箱
の外側板では静電遮蔽面を作り、箱の枠組の導体ループ
により磁気遮蔽面をつくる.
【0018】導体ループにより磁気遮蔽を可能にする物
理現象を明白にするために微分方程式を解くことが必要
である.
【0019】面積がs、ループの電気抵抗がR,その同
じループのインダクタンスがLであるである導体ループ
に、外部から侵入しようとする交番磁界がH=Hsi
nωtであるときの、導体ループを流れる電流を先ず計
算する.ここでωは角周波数である.ループとの鎖交磁
束φ(t)=μSHsinωtとなる.式中でμは
透磁率である.
【0020】ループの起電力をV(t)とすれば、導体
ループを流れる電流iに関して次の微分方程式が成立す
る. となる.この式を書き替えれば、次の式が得られる. (式2)を解き、t=0でi=0と置き、かつ過渡状態
がすぎた後の定常態の解を示せば次式となる.
【0021】(式3)に、ループのインダクタンスLを
乗ずれば、磁束が得られφ′(t)=Liで表され,こ
のφ′(t)はループ電流による磁束である.従って
φ″(t)=Li+φ(t) は、ループで鎖交する
ことを阻止できないで、箱の内部に侵入する磁束とな
る.その値は、φ=μsHであるから、 となる.
【0022】(式4)中のωt=θと置き、(式4)の
極大および極小値をもとめるために、ωt=θ置いた
(式4)の変形式を、θで微分し、整理をすれば次の式
が得られる. −(R/L)cosθ=ωsinθ (式5) この(式5)から、 −(R/L)×(1/ω)=tanθ (式6) および、θ=tan−1{−R/(Lω)}±180°
×n (式7)が得られる.式中nは整数で
ある.
【0023】(式7)が成立する時には、(式4)中の
第2項は0となり、φ″(t)の極大および極小値であ
るφ″は、次式であらわせる. φ″=φsin(θ±180°×n) (式8)
【0024】φ(t)とφ″(t)の間の関係を、
φ″(t)の変動が大きくなるように磁気遮蔽としては
劣悪な条件を用いて描いた図を、図1に示す.劣悪な条
件とは、R/L=3000,f=1kc,tan
−1{R/(Lω)}=−25.5227±180゜×
nの条件である.
【0025】図2には、縦軸にφ″とφの比の絶対値
を目盛り、また横軸にR/(Lω)の値を目盛った図を
示す.図1に示す例にあっては、R/(Lω)=0.4
7746であった.これまでに、角形の管状導体を使用
して平面状導体ループを試作した結果、R/Lの比を4
00まで作れることが確かめられたので、もしこの導体
ループを使用した場合を考えれば、同じ周波数の時に
も、R/(Lω)の比が0.06366となり、図2か
ら、図2の縦軸の値が、図1の場合に比べて遥かに小さ
な0.06353となることが判る.
【0026】(式1)から(式8)までの磁気遮蔽を考
察するための数理解析は、平面状導体ループを構成する
棒状導体に、一様に(式1)に示す電流が流れることが
前提であるから、そのループ電流による磁束は、全て導
体の切断面の重心を通る直線群により囲まれた面内を通
る.従ってこの面が、磁気遮蔽の効果を最も良く発揮す
ることは明瞭である.
【0027】平面状導体ループを構成する棒状導体の切
断面の形状が異なる場合には、それぞれの重心を通り棒
に並行な直線群が、同一平面上に存在し得ないので、磁
気遮蔽の効果を最も良く発揮する磁気遮蔽面が出来ない
ことは勿論である.
【0028】電磁波を遮蔽するには、進行して来る電界
と磁界を同じ面の位置で阻止すればよいことが明らかで
あるから、磁気遮蔽の効果を最もよく発揮する面の位置
が明確に出来れば、その同じ面の位置で電界を遮蔽出来
れば、本願の課題を解決出来ることもまた明白である.
【0029】図3に、本発明の実施例の概念図をしめ
す.図にあっては、箱全体が静電遮蔽板で被われている
様子を示す.図中10は静電遮蔽板である.
【0030】箱は電磁波遮蔽を必要とする目標空間を包
含する目的で、適宜の長さに切断した同じ切断面をも
つ、同じ素材の複数本の直線状導体棒それぞれの端部と
端部を、機械的および電気的に接続し、複数の平面状導
体ループからなる多面体の箱の枠組を先ず構成する.
【0031】磁気遮蔽を確実にするために、隣接する平
面導体ループ間では、導体棒が共有となる.換言すれば
箱の枠組の稜線は、導東棒一本で構成される.
【0032】箱の枠組の機械的強度を増す必要がある
か、あるいは平面状導体ループの面積が大きくなり過ぎ
る場合には、一つの平面状導体ループを細分化する目的
で、複数個の平面に間仕切りする.
【0033】多面体の箱の枠組の外側から、その外側の
面、記号40に並行な面をもつ静電遮蔽板を、その外側
の面が、枠組の導体棒から外れた導体ループの内側で
は、枠組の外側の面、記号40の位置から、枠組の導体
棒それぞれの切断面の重心、記号20を通る複数本の直
線により囲まれた仮想面、記号30の位置までの間に、
導体ループと静電遮蔽板が電気接続された状態で設置す
る.
【0034】図3に示す箱の外観の特徴は、箱の枠組で
囲まれた導体棒の内側では静電遮蔽板に凹みがある点に
ある.
【0035】図4に、図3を一点鎖線の位置で切断し矢
印の向きに見た切断面を示す.図中1は、それぞれが平
面状導体ループを構成している導体棒であり、それら全
ての導体棒の切断面が同一の角形の管である.図中10
は静電遮蔽板であり、箱に機械的な強度を持たせる様
に、板にある程度の肉厚を考慮した例を示している.図
中記号40は枠組の外側のの面を示す.
【0036】図5には、電磁波遮蔽箱を構成する一つの
平面状導体ループに静電遮蔽板を設置した実施例の概念
図を示す.図中1は直線状の導体棒である.図の例にあ
っては導体棒により作られたループの形が長方形である
けれども、これまでに示した数理解析の結果は、直線状
の導体棒で構成され同一平面上に存在するならば、複数
の辺をもつ全ての多角形に本願が適用できることは勿論
である.
【0037】図6、図7、図8はそれぞれ、図5を一点
鎖線の位置で切断し、矢印の向きに見た断面図である.
それぞれの図中で、記号20は導体棒の切断面の重心を
示し、その点を通る一点鎖線記号30は、導体棒にのみ
電流が流れると考えられる場合の仮想面の位置を示す.
該面の位置が磁気遮蔽の効果を最も良く発揮する時期遮
蔽面の位置と同じ位置になる条件は、磁気遮蔽板として
極めて薄い金属箔や金属蒸着膜などを用いた場合に限
る.
【0038】電磁波遮蔽箱の、機械的な強度を磁気遮蔽
板に多少なりとも分担させる場合には、静電遮蔽板とし
て厚地の金属板を用いることも必要になる.その様な場
合には、静電遮蔽板を流れる電磁誘導電流は、等価的に
板の周囲、つまり箱の枠組を構成する導体棒の近くを流
れるので、磁気遮蔽の効果を最も良く発揮する磁気遮蔽
面の位置は、仮想面の位置30から枠組の外側の面40
の方向に移る.
【0039】しかしながら、その磁気遮蔽面が枠組の外
側の面記号40より外側に出ることはない.
【0040】それぞれの図の違いは、図6が角形管状導
体棒と薄い静電遮蔽板の組合わせ、図7が角形管状導体
棒と比較的厚地の静電遮蔽板の組合わせ、図8が山形状
導体棒と比較的厚地の静電遮蔽板の組合わせの違いであ
る.
【0041】これまで実施例概念図として、管状あるい
は山形状の導体棒の使用例のみを示したけれども、導体
棒の切断面が中実であっても差し支えないことは勿論で
ある.ただ外側寸法が等しい場合に重量が大になること
が問題になるだけである.
【0042】R/(Lω)の値が0.1を越える条件下
では、磁界が箱の中に1/10以上の割合で侵入するの
で、箱内部の筋交い、支柱、架台などの構造物と、箱の
外側を構成する全ての構造物、枠組の導体棒、静電遮蔽
板、との間に導体ループができる.その導体ループに電
流が流れるので、箱の枠組を構成する導体ループを流れ
る電流が減少し、磁気遮蔽の効果を減少させる.その場
合には、箱内部の構造物である筋交い、支柱、架台等の
金属は、全て箱の外側を構成する金属と電気絶縁しなけ
ればならない.
【0043】
【作用】磁気遮蔽の効果は、図2に示すように、平面状
導体ループの電気抵抗Rと,その同じループのインダク
タンスL,および外部から侵入する電気信号の角周波数
ωの組合わせである、R/(Lω)の値できまる.しか
も磁気遮蔽の効果を最も良く発揮する磁気遮蔽面の位置
も明確にすることができた.その磁気遮蔽面の位置を、
静電遮蔽面の位置とを全く同じにすることが可能、つま
り本願の発明を具体化できることも明確にすることがで
きた.
【0044】従来の技術にあっては、静電遮蔽面の位置
が箱の表面であり、磁気遮蔽面がその面から離れた箱の
内部により近い処に存在していて、磁界を阻止する面で
は磁界のみを阻止し、そこから離れた位置にある電界遮
蔽面では電界のみを阻止していた.
【0045】換言すれば、従来技術では、例えば100
パーセント電界のみを遮蔽出来る静電遮蔽面と、同じく
100パーセント磁界を遮蔽出来る磁気遮蔽面とが、あ
る距離はなれて存在した場合に、どちらの面が侵入する
雑音の電磁波にさらされても、結局もとの電磁波エネル
ギーの0.5×0.5=0.25の割合のエネルギーが
箱の内部に侵入してしまう.そのうちで半分の0.12
5が電界のエネルギーである.こ値を2倍し平方根を求
めれば、0.5となるから、箱の中の減衰は、dBで表
示すれば−6dBとなる.
【0046】その値は、従来技術で到達出来る限界であ
る.メッキした銅網の場合にも、網目は編まれて作られ
ているので、網によって作られる磁気遮蔽面と静電遮蔽
面のいずれもが網目に沿ってはいるが、いずれも波状あ
るいは凸凹状になっていて、磁気遮蔽面と静電遮蔽面と
が同一位置にあるとは言いがたい.
【0047】本願にあっては、磁気遮蔽面の位置が明白
になり、その同じ位置に静電遮蔽面を設置することに特
徴があり、かつ具体化は容易である.箱の枠組の外側に
取り付ける静電遮蔽板は、ビス止めで充分で、したがっ
て、箱の内容物の修理や出し入れも容易である.
【0048】本願により電磁波を遮蔽しようとすれば、
遮蔽の効果は次に示すように、従来技術による場合に比
べ、非常に優れていることが明らかである.先ず磁気遮
蔽に関しては、R/(Lω)が1/10と仮定、次に静
電遮蔽の効果が97パーセントと仮定する.磁気遮蔽面
と静電遮蔽面とが同じ位置にあるので、その位置を通過
する磁界のエネルギーは1/100となり、同じく電界
エネルギーは、(3/100)=9×10−4とな
る.両者を加算して2で割った値が、箱の中に入つたそ
れぞれ磁界エネルギーと電界エネルギーとになるから、
その値の2倍の平方根を求めれば、磁界および電界の値
が箱の外に比べ0.104403倍に減少したことにな
る.その減少をdBで表示すれば約−19dB.
【0049】これまでの説明で分かる通り、本願の発明
は、従来技術を遥かに越えた優れた発明である.
【0050】
【実施例】図3に本発明の実施例概念図をしめす。図中
1は平面状導体ループを構成する導体棒、同じ切り口断
面をもつ複数の導体棒により箱の枠組を構成する.最も
磁気遮蔽の効果を発揮する磁気遮蔽面が、箱の枠組の外
側の面、記号40と全ての導体棒の切断面の重心を通る
直線群により囲まれた仮装面との間にできることから、
静電遮蔽板を磁気遮蔽面の位置に設置することが、従来
に無い特徴である.従って、静電遮蔽板の枠組の導体棒
から離れた中央の部分では、静電遮蔽板が枠組にビスで
取り付ける部分より凹むという外観の特徴をもってい
る.その外観を図3に示す.
【0051】導体棒としては、角形管状導体棒、図6お
よび図7、の方が山形状導体棒図8より電磁波遮蔽の見
地からは優れている.理由は、図6および図7がともに
重心の位置が角形管状導体棒の内部に存在し、その位置
には電界が生じないのに反して、山形状導体棒の場合に
は切断面の重心が導体で囲まれていないので、電界を生
ずることが可能であるからである.従って電界遮蔽の効
果が少し劣る.
【0052】角形管状導体棒として、切断面が2cm×
2cmで管の肉厚2mmの銅棒を使用し、一辺が1mの
平面状導体ループを試作し、R/Lの値を計測した結果
400であった.この値を用い、本願の発明を具体化
し、雷の対地雷撃時の雑音周波数のピーク500サイク
ルでどの程度雑音電波が低減されるかを検討すれば、次
の通りである.
【0053】先ずR/(Lω)を計算すれば、0.12
73となる.次に静電遮蔽の効果を0.95と仮定すれ
ば、磁界および電界が箱の内部で約−17dBとなる.
【0054】その同じ箱を、10kcで検討すれば、R
/(Lω)の値が0.00636619となり、静電遮
蔽の効果は周波数によって変化しないから、箱の内部の
磁界および電界の低減効果は、約−26dBとなる.
【0055】箱の内部に設置した機器の発熱を放出する
ための換気窓、外部との電気接続のために、静電遮蔽の
効果は100パーセントにはならない.面積の割合から
勘案して、97から95パーセントが限度であると考え
られる.
【0056】
【発明の効果】従来技術の物理的な内容を0044なら
びに
【0046】に、またそれによる技術上の限界を004
5に説明した.
【0056】本願の特徴である物理的な内容の要約を0
047に示し、従来技術を遥かに越える新しい技術の内
容を0048および0052、0053、0054に具
体的な数値で示した通り、本願の発明は、産業に大きく
寄与する優れた発明である.
【図面の簡単な説明】
【図1】図1のグラフは、縦軸にφ(t)およびφ″
(t)を、横軸にθ=ωtを示す図である.
【図2】図は縦軸にφ″/φの比の絶対値を、横軸に
R/(Lω)を示す図である.
【図3】図は本発明の実施例概念図である.
【図4】図3を一点鎖線の位置で切断し、矢印の向きに
見た切断面である.
【図5】電磁波遮蔽箱を構成する一つの平面状導体ルー
プに静電遮蔽板を設置した実施例の概念図である.
【図6】図5を一点鎖線の位置で切断し、矢印の向きに
見た断面図である.角形管状導体棒に薄い静電遮蔽板を
設置した実施例である.
【図7】図6と同じ位置の切断面.角形管状導体棒に厚
地の静電遮蔽板を設置した実施例である.
【図8】図6と同じ位置の切断面.山形状導体棒に厚地
の静電遮蔽板を設置した実施例である.
【符号の説明】
記号1は、平面状導体ループおよび箱の枠組を構成する
直線状導体棒. 記号10は、箱の外側に設置される静電遮蔽板. 記号20は、導体棒の切断面の重心. 記号30は、導体棒の切断面の重心を通る直線により囲
まれた仮装面の位置を示す. 記号40は、複数の導体棒により構成された、箱の枠組
の外側の面の位置を示す.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川俣 修一郎 埼玉県浦和市領家7−29−15 (72)発明者 川俣 淳 静岡県裾野市稲荷82番地の1 (72)発明者 川俣 健 埼玉県浦和市領家7−29−15 (72)発明者 永井 洋治 神奈川県平塚市東中原1−17−10 三伊 ビル 305 (72)発明者 倉田 博司 神奈川県横浜市港南区下永谷 2−1− 26 アルカデイア 下永谷 304号 審査官 内田 博之 (56)参考文献 特開 平3−136398(JP,A) 特開 平2−308599(JP,A) 特開 昭63−166295(JP,A) 実開 平1−133797(JP,U) 実開 平2−58399(JP,U) 特表 平3−503467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁波遮蔽を必要とする目標空間を包含
    する目的に応じ、適宜の長さに切断した同じ切断面をも
    つ同じ素材の複数本の導体棒それぞれの、端部と端部を
    機械的および電気的に接続し、平面状導体ループを構成
    し、また必要に応じ該導体棒により複数個の平面に間仕
    切りされた平面状導体ループを構成し、隣接する平面状
    導体ループ間では導体棒が共有となる複数の平面状導体
    ループ面により、多面体の箱の枠組を構成し、枠組とな
    るそれぞれの平面状導体ループ面に、箱の外側から、そ
    の面と並行な静電遮蔽板の、その外側の面が、枠組を構
    成する導体棒より外れた導体ループの内側では、枠組の
    面と一致する位置から、平面状導体ループを構成する導
    体棒それぞれの、切断面の重心を通る直線により囲まれ
    た仮想面の位置までの間に、導体ループと静電遮蔽板が
    電気接続された状態で設置され、多面体の各々の面にお
    いて磁気遮蔽の効果を最も良く発揮する磁気遮蔽面の位
    置に静電遮蔽板が設置されることを特徴とする電磁波遮
    蔽箱.
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