JP3247732B2 - 浮上現象解析装置および磁気記録装置 - Google Patents
浮上現象解析装置および磁気記録装置Info
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- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ機器、ビデ
オ機器、コンピュータ等に用いられる磁気記録装置の浮
上現象を解析する装置に関するものであり、またテープ
・ヘッドの接触状態を常に良好に保つことが出来る走行
系を持つ磁気記録装置に関するものである。
オ機器、コンピュータ等に用いられる磁気記録装置の浮
上現象を解析する装置に関するものであり、またテープ
・ヘッドの接触状態を常に良好に保つことが出来る走行
系を持つ磁気記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VTR、DATをはじめとする回転型磁
気ヘッドとフレキシブルな磁気テープを用いる磁気記録
装置は、図2に示すように、回転ドラム11、固定ドラ
ム12、回転するドラム11上に設けられたヘッド取り
付け窓17に取り付けられた磁気ヘッド14、磁気テー
プ13及び磁気テープ走行系16から成り立っている。
そして高速で回転するドラム11と磁気テープ13の間
に空気の流体膜が発生するが、この流体膜によるドラム
11上での浮上量は数μmのオーダで制御されなけれ
ば、十分な電磁変換特性、磁気テープの互換性、走行耐
久性が得られない。
気ヘッドとフレキシブルな磁気テープを用いる磁気記録
装置は、図2に示すように、回転ドラム11、固定ドラ
ム12、回転するドラム11上に設けられたヘッド取り
付け窓17に取り付けられた磁気ヘッド14、磁気テー
プ13及び磁気テープ走行系16から成り立っている。
そして高速で回転するドラム11と磁気テープ13の間
に空気の流体膜が発生するが、この流体膜によるドラム
11上での浮上量は数μmのオーダで制御されなけれ
ば、十分な電磁変換特性、磁気テープの互換性、走行耐
久性が得られない。
【0003】従来、前記の回転ドラム11及び固定ドラ
ム12には、このような流体膜の膜厚を制御し、かつ磁
気テープ13とドラム11との間に発生する凝着摩擦を
低減するため、図2に示すように多数の溝構造(groov
e)15が形成されている。
ム12には、このような流体膜の膜厚を制御し、かつ磁
気テープ13とドラム11との間に発生する凝着摩擦を
低減するため、図2に示すように多数の溝構造(groov
e)15が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気記録装
置の構造設計では、これらのドラム上の溝構造15の形
状、配置、ヘッド取り付け窓17の形状、磁気ヘッド1
4の摺動面形状を最適化したいという要望は強い。しか
し、現状では実験結果によるトライ・アンド・エラーで
設計しており、実験結果の再現性が良くないため最適な
設計が行なわれているとはいい難い。なお、計算機シミ
ュレーションによって、これらの溝構造の最適化を行な
う試みは成されている。これらの計算手法は構造物(剛
体の回転ドラム、固定ドラム、磁気ヘッド及び弾性変形
する磁気テープ)を節点で定義し、節点から作られる三
角形、四角形等の要素中の流体についての圧力等の計算
解を得ることでシミュレートしている。
置の構造設計では、これらのドラム上の溝構造15の形
状、配置、ヘッド取り付け窓17の形状、磁気ヘッド1
4の摺動面形状を最適化したいという要望は強い。しか
し、現状では実験結果によるトライ・アンド・エラーで
設計しており、実験結果の再現性が良くないため最適な
設計が行なわれているとはいい難い。なお、計算機シミ
ュレーションによって、これらの溝構造の最適化を行な
う試みは成されている。これらの計算手法は構造物(剛
体の回転ドラム、固定ドラム、磁気ヘッド及び弾性変形
する磁気テープ)を節点で定義し、節点から作られる三
角形、四角形等の要素中の流体についての圧力等の計算
解を得ることでシミュレートしている。
【0005】しかしながら、多数の微少な構造をすべて
節点と要素で記述して計算機シミュレーションに取り込
むことは、多大の計算機メモリ及び計算時間を必要とす
る。従って実用的に計算機シミュレーションによってこ
れらの溝構造を計算することは従来できなかった。
節点と要素で記述して計算機シミュレーションに取り込
むことは、多大の計算機メモリ及び計算時間を必要とす
る。従って実用的に計算機シミュレーションによってこ
れらの溝構造を計算することは従来できなかった。
【0006】そこで、本発明は、このような従来の磁気
記録装置の課題を考慮し、多大の計算機メモリ、計算時
間を必要とせず、最適な、溝構造、ヘッド取り付け窓、
磁気ヘッド等を得ることが出来る浮上現象解析装置及び
磁気記録装置を提供することを目的とするものである。
記録装置の課題を考慮し、多大の計算機メモリ、計算時
間を必要とせず、最適な、溝構造、ヘッド取り付け窓、
磁気ヘッド等を得ることが出来る浮上現象解析装置及び
磁気記録装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、流体及び構造
の物理的特性を表わす各々の基礎方程式を連立させて解
く浮上現象解析装置であって、その浮上解析を行なう流
体の流路を平均隙間として扱うことにより、節点座標に
依存しない構造物の形状を扱うことを特徴とするもので
ある。
の物理的特性を表わす各々の基礎方程式を連立させて解
く浮上現象解析装置であって、その浮上解析を行なう流
体の流路を平均隙間として扱うことにより、節点座標に
依存しない構造物の形状を扱うことを特徴とするもので
ある。
【0008】また、本発明は、解析しようとする流体及
び構造物の物理的データを読み込むためのデータ入力部
と、物理的データに基づく流体及び構造物の基礎方程式
を連立させて解く浮上解析部と、その解析結果を出力す
る結果出力部を備え、浮上解析部は、解析を行なう節点
間隔及び要素より小さい構造物と構造物の間の隙間を、
平均浮上量及び構造物形状の和の算術平均と、平均浮上
量及び構造物形状の和の調和平均との和を平均隙間とし
て扱う平均隙間計算部を持つ。
び構造物の物理的データを読み込むためのデータ入力部
と、物理的データに基づく流体及び構造物の基礎方程式
を連立させて解く浮上解析部と、その解析結果を出力す
る結果出力部を備え、浮上解析部は、解析を行なう節点
間隔及び要素より小さい構造物と構造物の間の隙間を、
平均浮上量及び構造物形状の和の算術平均と、平均浮上
量及び構造物形状の和の調和平均との和を平均隙間とし
て扱う平均隙間計算部を持つ。
【0009】
【作用】本発明では、解析を行なう接点間隔及び要素よ
り小さい構造物の間の隙間を平均隙間として扱い、例え
ば有限要素法を用いて収束計算を行う。これによりVT
R等の磁気記録装置のドラム上の溝構造、窓形状、ヘッ
ド形状等の構造物の最適化を行なう。磁気記録装置の回
転ドラム、固定ドラムの形状の最適化が迅速、安価に行
える。
り小さい構造物の間の隙間を平均隙間として扱い、例え
ば有限要素法を用いて収束計算を行う。これによりVT
R等の磁気記録装置のドラム上の溝構造、窓形状、ヘッ
ド形状等の構造物の最適化を行なう。磁気記録装置の回
転ドラム、固定ドラムの形状の最適化が迅速、安価に行
える。
【0010】更に、詳しく述べると、フレキシブルな磁
気テープの浮上現象は、有限要素法を用いた構造/流体
の連成問題として扱える(小寺他、有限要素法によるV
TRのテープ浮上解析(ドラム全体におけるテープの浮
上特性)、日本機械学会講演論文集、C、597(19
92))。VTRのドラム上での浮上量は一般に100
μm以下である。従って(数1)で示すスリップ流れを
考慮した修正レイノルズ方程式で気体潤滑膜は記述でき
る。
気テープの浮上現象は、有限要素法を用いた構造/流体
の連成問題として扱える(小寺他、有限要素法によるV
TRのテープ浮上解析(ドラム全体におけるテープの浮
上特性)、日本機械学会講演論文集、C、597(19
92))。VTRのドラム上での浮上量は一般に100
μm以下である。従って(数1)で示すスリップ流れを
考慮した修正レイノルズ方程式で気体潤滑膜は記述でき
る。
【0011】
【数1】
【0012】ここで、浮上量Hは(数3)で示される算
術平均で表わす平行隙間と(数4)で示される調和平均
で表わす垂直隙間の混合平均和で(数2)で表わされる
(三矢、二次元に分布したあらさをもつ面の流体潤滑特
性、日本機械学会誌、C−50、No.449、p16
8)。
術平均で表わす平行隙間と(数4)で示される調和平均
で表わす垂直隙間の混合平均和で(数2)で表わされる
(三矢、二次元に分布したあらさをもつ面の流体潤滑特
性、日本機械学会誌、C−50、No.449、p16
8)。
【0013】
【数2】
【0014】
【数3】
【0015】
【数4】
【0016】シェル方程式は磁気テープの機械的異方性
を考慮し、面内変形成分として(数5)を、まげ変形成
分として(数6)を用いる。これらの方程式を有限要素
法を用いて離散化し、連立方程式を解く。修正レイノル
ズ方程式が非線形なのでニュートン・ラフソン法を用い
て収束解を得る。
を考慮し、面内変形成分として(数5)を、まげ変形成
分として(数6)を用いる。これらの方程式を有限要素
法を用いて離散化し、連立方程式を解く。修正レイノル
ズ方程式が非線形なのでニュートン・ラフソン法を用い
て収束解を得る。
【0017】
【数5】
【0018】
【数6】
【0019】ここで、dは磁気テープ厚み、Eは磁気テ
ープのヤング率、Gは磁気テープのせん断剛性率、hは
構造物の形状関数、Hは磁気テープと回転ドラム、固定
ドラム、磁気ヘッドの間の平均隙間、H0は構造物がな
い場合の平均の隙間、pは圧力、Paは大気圧、Tは磁
気テープの走行テンション、Uは磁気テープと回転ドラ
ムのx方向の相対速度、Vは磁気テープと回転ドラムの
y方向の相対速度、αは長手方向の構造と幅方向の構造
の割合、εは磁気テープに発生する歪、λは空気の平均
自由行程、νは磁気テープのポアッソン比、σは磁気テ
ープの面内応力、ρは磁気テープの密度、τはせん断応
力、ωは磁気テープの変位である。添字のxは磁気テー
プの長手方向、yは幅方向を示す。
ープのヤング率、Gは磁気テープのせん断剛性率、hは
構造物の形状関数、Hは磁気テープと回転ドラム、固定
ドラム、磁気ヘッドの間の平均隙間、H0は構造物がな
い場合の平均の隙間、pは圧力、Paは大気圧、Tは磁
気テープの走行テンション、Uは磁気テープと回転ドラ
ムのx方向の相対速度、Vは磁気テープと回転ドラムの
y方向の相対速度、αは長手方向の構造と幅方向の構造
の割合、εは磁気テープに発生する歪、λは空気の平均
自由行程、νは磁気テープのポアッソン比、σは磁気テ
ープの面内応力、ρは磁気テープの密度、τはせん断応
力、ωは磁気テープの変位である。添字のxは磁気テー
プの長手方向、yは幅方向を示す。
【0020】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しながら説
明する。本実施例では、VTRにおけるドラム回転時の
磁気テープの浮上現象を、流体(空気膜)と構造物との
連成問題として物理的に把握し、微少な多くの構造物の
間を流れる流体を、平均隙間を流れる流体として扱い、
これらの構造物の最適値を求めれば、浮上現象を最も適
切に物理的に捉えることが出来る。この平均隙間は構造
物の凹凸と平均浮上量の和であり、流れに平行な構造は
算術平均で、流れに垂直な構造は調和平均であらわし、
構造物に応じて算術平均及び調和平均の和で表わされる
平均隙間として扱えば、最も浮上現象を適切に物理的に
捉えることが出来る。
明する。本実施例では、VTRにおけるドラム回転時の
磁気テープの浮上現象を、流体(空気膜)と構造物との
連成問題として物理的に把握し、微少な多くの構造物の
間を流れる流体を、平均隙間を流れる流体として扱い、
これらの構造物の最適値を求めれば、浮上現象を最も適
切に物理的に捉えることが出来る。この平均隙間は構造
物の凹凸と平均浮上量の和であり、流れに平行な構造は
算術平均で、流れに垂直な構造は調和平均であらわし、
構造物に応じて算術平均及び調和平均の和で表わされる
平均隙間として扱えば、最も浮上現象を適切に物理的に
捉えることが出来る。
【0021】図1は本発明の浮上現象解析装置の概略構
成図である。浮上現象解析装置は、データを読み込むた
めのデータ入力部1と浮上解析部2と浮上解析部2で得
られた解析結果情報を出力する結果出力部3からなる。
浮上解析部2は、入力されたデータに基づき流体及び構
造物の連立方程式の係数マトリックス部を構築するマト
リックス構築部4、流体の流路を混合平均隙間として求
める平均隙間の計算部5、非線形の繰り返し計算を行な
う非線形収束計算部6からなる。
成図である。浮上現象解析装置は、データを読み込むた
めのデータ入力部1と浮上解析部2と浮上解析部2で得
られた解析結果情報を出力する結果出力部3からなる。
浮上解析部2は、入力されたデータに基づき流体及び構
造物の連立方程式の係数マトリックス部を構築するマト
リックス構築部4、流体の流路を混合平均隙間として求
める平均隙間の計算部5、非線形の繰り返し計算を行な
う非線形収束計算部6からなる。
【0022】すなわち、データ入力部1は、磁気テー
プ、ドラム等の解析対象領域を、複数個の簡単な形状の
要素に分割してできる節点及び要素と、平均隙間として
扱う微細な構造物の形状データ、空気膜、磁気テープ等
の各種物性値、境界条件等の物理的データを入力する処
理装置である。
プ、ドラム等の解析対象領域を、複数個の簡単な形状の
要素に分割してできる節点及び要素と、平均隙間として
扱う微細な構造物の形状データ、空気膜、磁気テープ等
の各種物性値、境界条件等の物理的データを入力する処
理装置である。
【0023】浮上解析部2のマトリックス構築部4は、
データ入力部1で入力された、物理的データに基づき、
流体及び構造物の連立方程式の係数マトリクスを構築す
る処理装置である。空気膜による圧力pは上記(数1)
の修正レイノルズ方程式によって表わされる。また磁気
テープの変位wは上記(数5)、上記(数6)のシェル
方程式で表わされる。
データ入力部1で入力された、物理的データに基づき、
流体及び構造物の連立方程式の係数マトリクスを構築す
る処理装置である。空気膜による圧力pは上記(数1)
の修正レイノルズ方程式によって表わされる。また磁気
テープの変位wは上記(数5)、上記(数6)のシェル
方程式で表わされる。
【0024】浮上解析部2の平均隙間の計算部5では、
各節点、要素ごとに、初期条件あるいは繰り返し計算で
与えられる微細構造を持たない構造物間の隙間に構造物
の形状データから得られる微少な摂動による隙間を上記
(数3)を用いて1次から3次の算術平均隙間の項を、
(数4)を用いて1次から3次の調和平均隙間の項を求
め、混合平均隙間Hの1次から3次の項を得る処理装置
である。
各節点、要素ごとに、初期条件あるいは繰り返し計算で
与えられる微細構造を持たない構造物間の隙間に構造物
の形状データから得られる微少な摂動による隙間を上記
(数3)を用いて1次から3次の算術平均隙間の項を、
(数4)を用いて1次から3次の調和平均隙間の項を求
め、混合平均隙間Hの1次から3次の項を得る処理装置
である。
【0025】浮上解析部2の非線形収束部は、(数
1)、(数5)、(数6)を有限要素法で解析するた
め、例えば重み付き残作法等で離散化し、ニュートン・
ラフソン法等で非線形連立方程式の収束計算を行なう処
理装置である。
1)、(数5)、(数6)を有限要素法で解析するた
め、例えば重み付き残作法等で離散化し、ニュートン・
ラフソン法等で非線形連立方程式の収束計算を行なう処
理装置である。
【0026】例えば、繰り返し計算の過程で得られた溝
構造を持たないドラム上の磁気テープとドラムの隙間
(テープ浮上量)に溝構造部分を加えた隙間の算術平
均、調和平均の1次から3次の項をそれぞれ求め、混合
平均隙間Hとして修正レイノルズ方程式(数1)に代入
する。この混合平均隙間の計算を繰り返し計算すること
により収束解を得る。
構造を持たないドラム上の磁気テープとドラムの隙間
(テープ浮上量)に溝構造部分を加えた隙間の算術平
均、調和平均の1次から3次の項をそれぞれ求め、混合
平均隙間Hとして修正レイノルズ方程式(数1)に代入
する。この混合平均隙間の計算を繰り返し計算すること
により収束解を得る。
【0027】結果出力部3は、浮上解析部3は浮上解析
部2によって得られた磁気テープの形状、応力分布、空
気膜の圧力分布、構造物ち磁気テープの隙間(例えば磁
気ギャップ上のテープ浮上量)等のデータを出力する処
理装置であって、プリンタ、CRT、プロッタ等であ
る。
部2によって得られた磁気テープの形状、応力分布、空
気膜の圧力分布、構造物ち磁気テープの隙間(例えば磁
気ギャップ上のテープ浮上量)等のデータを出力する処
理装置であって、プリンタ、CRT、プロッタ等であ
る。
【0028】回転する上ドラム11及び固定された下ド
ラム12には多数の溝が構成されている。VHS−VT
Rを例に取ると上ドラム11の溝構造は100μm幅、
深さ50μmのV字状の形状が1.5mm間隔で6本設
けられたものが使われることがある。この構造を用いた
解析結果を図3に磁気テープ変形量の斜視図として示
す。計算に用いたパラメータを表1に示す。
ラム12には多数の溝が構成されている。VHS−VT
Rを例に取ると上ドラム11の溝構造は100μm幅、
深さ50μmのV字状の形状が1.5mm間隔で6本設
けられたものが使われることがある。この構造を用いた
解析結果を図3に磁気テープ変形量の斜視図として示
す。計算に用いたパラメータを表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上ドラム11上で磁気テープ15が浮上し
流入端18から流出端19にかけて磁気テープ11浮上
量が低下する様子がわかる。計算に用いた節点間隔は幅
方向で約400μmであり、上記のような溝構造を節点
で表わすことは不可能である。
流入端18から流出端19にかけて磁気テープ11浮上
量が低下する様子がわかる。計算に用いた節点間隔は幅
方向で約400μmであり、上記のような溝構造を節点
で表わすことは不可能である。
【0031】溝間隔は1.5mmで、溝の幅を200μ
m、深さを100μmにした場合と溝の幅400μm、
深さ200μmの解析結果を、回転する上ドラム上11
の磁気テープの最大浮上量の変化として図4に示す。溝
幅が200μmの場合は100μmの場合より浮上量が
低下し、浮上量の傾斜が小さくなることがわかる。従っ
て溝幅を広げることにより、磁気テープと磁気ヘッドの
接触が均一化される。しかし、溝幅が400μmになる
と磁気テープとドラムが接触する。これは、走行耐久性
の劣化を予想させる。この計算を各種溝形状、配置に対
して行なうことにより、溝形状、配置の最適化が可能と
なる。ちなみに、これを実験で行なうには、各種溝形状
のドラムを多数作成し、浮上量の測定を光マイクロメー
タで行なう等、多大の労力と費用を必要する。また、こ
のような測定は、工作精度のばらつき、磁気テープのば
らつき、テープ走行系の不安定さ等のため、再現性のよ
い実験を行なうことは極めて困難である。従って計算機
シミュレーションで溝構造の最適化が行えれば、その価
値は極めて大である。ところが、このような溝構造の計
算を、溝を節点及び要素で定義して行なうには、非常に
多くの節点数、要素数を必要とし、計算機の容量が多大
かつ計算時間も多大となる。さらに、溝構造を変化する
度に節点、要素を作成しなおさなければならず、実用的
でない。しかし、本発明を用いれば、上述のように、平
均隙間の計算部5で構造データを参照し計算するので、
入力する微細構造物の形状データのみを変更すればよく
極めて短時間に各種の構造物の影響を計算機シミュレー
ションすることができる。
m、深さを100μmにした場合と溝の幅400μm、
深さ200μmの解析結果を、回転する上ドラム上11
の磁気テープの最大浮上量の変化として図4に示す。溝
幅が200μmの場合は100μmの場合より浮上量が
低下し、浮上量の傾斜が小さくなることがわかる。従っ
て溝幅を広げることにより、磁気テープと磁気ヘッドの
接触が均一化される。しかし、溝幅が400μmになる
と磁気テープとドラムが接触する。これは、走行耐久性
の劣化を予想させる。この計算を各種溝形状、配置に対
して行なうことにより、溝形状、配置の最適化が可能と
なる。ちなみに、これを実験で行なうには、各種溝形状
のドラムを多数作成し、浮上量の測定を光マイクロメー
タで行なう等、多大の労力と費用を必要する。また、こ
のような測定は、工作精度のばらつき、磁気テープのば
らつき、テープ走行系の不安定さ等のため、再現性のよ
い実験を行なうことは極めて困難である。従って計算機
シミュレーションで溝構造の最適化が行えれば、その価
値は極めて大である。ところが、このような溝構造の計
算を、溝を節点及び要素で定義して行なうには、非常に
多くの節点数、要素数を必要とし、計算機の容量が多大
かつ計算時間も多大となる。さらに、溝構造を変化する
度に節点、要素を作成しなおさなければならず、実用的
でない。しかし、本発明を用いれば、上述のように、平
均隙間の計算部5で構造データを参照し計算するので、
入力する微細構造物の形状データのみを変更すればよく
極めて短時間に各種の構造物の影響を計算機シミュレー
ションすることができる。
【0032】上記実施例では、VTRの回転ドラムの溝
構造についての最適化について述べたが、固定ドラム上
の溝構造、回転ドラム上に回転軸と平行でないテーパ部
分を設ける場合の最適化についても、本発明は有効であ
る。また、固定ドラムに設けられる溝構造、磁気ヘッド
と磁気テープの接触を滑らかに行なうため、固定ドラム
の磁気テープ流入端、流出端に設けられる突出部形状の
最適化にも本発明は有効である。上ドラム回転のみなら
ず、中ドラム回転の回転ドラムについても本発明が適用
できることは自明である。固定ドラムにテープ搬送速度
を考慮し、通常再生、特殊再生時の溝構造の最適化も行
える。
構造についての最適化について述べたが、固定ドラム上
の溝構造、回転ドラム上に回転軸と平行でないテーパ部
分を設ける場合の最適化についても、本発明は有効であ
る。また、固定ドラムに設けられる溝構造、磁気ヘッド
と磁気テープの接触を滑らかに行なうため、固定ドラム
の磁気テープ流入端、流出端に設けられる突出部形状の
最適化にも本発明は有効である。上ドラム回転のみなら
ず、中ドラム回転の回転ドラムについても本発明が適用
できることは自明である。固定ドラムにテープ搬送速度
を考慮し、通常再生、特殊再生時の溝構造の最適化も行
える。
【0033】磁気ヘッド及び、磁気ヘッド取り付け窓を
回転ドラム上の微細構造物として扱い、これらの形状を
上記混合平均隙間として形状の最適化を行なうことは、
良好なヘッド・テープ接触状態、良好な電磁変換特性を
得る上で非常に効果的である。
回転ドラム上の微細構造物として扱い、これらの形状を
上記混合平均隙間として形状の最適化を行なうことは、
良好なヘッド・テープ接触状態、良好な電磁変換特性を
得る上で非常に効果的である。
【0034】なお、上記実施例では、VTRを例として
述べたが、DAT等の回転ドラムを持つ磁気記録装置、
あるいはハードディスク装置、フロッピディスク装置等
の回転する磁気媒体を持つ磁気記録装置、オーデーィオ
カセットテープ装置、コンピュータ用ストリーマ磁気記
録装置等の固定ヘッドに磁気テープが高速で摺動する磁
気記録装置に適用できることは言うまでもない。
述べたが、DAT等の回転ドラムを持つ磁気記録装置、
あるいはハードディスク装置、フロッピディスク装置等
の回転する磁気媒体を持つ磁気記録装置、オーデーィオ
カセットテープ装置、コンピュータ用ストリーマ磁気記
録装置等の固定ヘッドに磁気テープが高速で摺動する磁
気記録装置に適用できることは言うまでもない。
【0035】また、上記実施例は、修正レイノルズ方程
式による解析例を示したが、ナビエストーク方程式、ボ
ルツマン方程式を用いてもよい。シェル方程式は1次の
弾性変形方程式であるが、高次の応力成分を考慮しても
よい。
式による解析例を示したが、ナビエストーク方程式、ボ
ルツマン方程式を用いてもよい。シェル方程式は1次の
弾性変形方程式であるが、高次の応力成分を考慮しても
よい。
【0036】また、数値解析の手法として有限要素法に
よる解析例を示したが、差分法、境界積分法、境界要素
法等を用いてもよい。有限要素法の解法として重み付き
残差法以外に、変分法、ガラーキン法、ペナルティ法等
を用いてもよい。
よる解析例を示したが、差分法、境界積分法、境界要素
法等を用いてもよい。有限要素法の解法として重み付き
残差法以外に、変分法、ガラーキン法、ペナルティ法等
を用いてもよい。
【0037】また、本発明における浮上解析部は、ハー
ドウェア的に実現することは勿論のこと、コンピュータ
を用いてソフトウエア的、あるいはファームウエア的に
実現してもかまわない。
ドウェア的に実現することは勿論のこと、コンピュータ
を用いてソフトウエア的、あるいはファームウエア的に
実現してもかまわない。
【0038】また、本発明の出力結果をニューロ処理
し、学習することによりドラム構造等を最適化すること
も効果的である。
し、学習することによりドラム構造等を最適化すること
も効果的である。
【0039】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明の浮上現象解析装置を用いることにより磁気記録
装置の構造の最適化を安価に迅速に行なうことができ、
このような高度に構造物が最適化された磁気記録装置を
作成できることは産業上の利用価値が極めて高いもので
ある。
本発明の浮上現象解析装置を用いることにより磁気記録
装置の構造の最適化を安価に迅速に行なうことができ、
このような高度に構造物が最適化された磁気記録装置を
作成できることは産業上の利用価値が極めて高いもので
ある。
【図1】本発明にかかる浮上現象解析装置の一実施例の
概略構成図である。
概略構成図である。
【図2】VTRのドラム周辺部特に溝構造を示す斜視図
である。
である。
【図3】磁気テープの浮上の様子を示す斜視図である。
【図4】回転する上ドラム上の磁気テープの浮上量の分
布を示す図である。
布を示す図である。
1 データ入力部1 2 浮上解析部 3 結果出力部 4 マトリックス構築部 5 平均隙間の計算部 6 非線形収束計算部 11 回転ドラム 12 固定ドラム 13 磁気テープ 14 磁気ヘッド 15 溝構造 16 テープ走行系 17 ヘッド取り付け窓 18 テープ流入端 19 テープ流出端
フロントページの続き (72)発明者 喜多 洋三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−21962(JP,A) 三矢,”二次元に分布した粗さをもつ 面の流体潤滑特性”,日本機械学会論文 集(C編),日本機械学会,昭和59年, 50巻,449号,p.168−178 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 15/61 G06F 17/00
Claims (5)
- 【請求項1】 解析しようとする流体及び構造物の物理
的特性を表わす各々の基礎方程式を連立させて解く浮上
現象解析装置であって、解析しようとする流体及び構造物の物理的データ及び節
点座標上の構造データと、前記節点間隔より小さい構造
物を平均隙間として扱う微細な構造物の形状データとを
入力するデータ入力部と、前記物理的データに基づく流
体及び構造物の基礎方程式を連立させて解く浮上解析部
と、その結果を出力する結果出力部を備え、 前記浮上解析部は、解析を行なう節点間隔及び要素より
小さい構造物と構造物の間の隙間を、平均浮上量及び構
造物形状の和の算術平均と、平均浮上量及び構造物形状
の調和平均との和を平均隙間として扱う平均隙間計算部
を持つ ことを特徴とする浮上現象解析装置。 - 【請求項2】構造物が回転ドラム、固定ドラム、磁気ヘ
ッド、磁気テープであり、前記流体が前記磁気テープと
前記回転ドラムまたは前記固定ドラムまたは前記磁気ヘ
ッドの間の空気膜であることを特徴とする請求項1記載
の浮上現象解析装置。 - 【請求項3】請求項2に記載された浮上現象解析装置を
用いて製造された溝形状またはヘッド取り付け窓形状を
持つ回転ドラムまたは固定ドラムを用いることを特徴と
する磁気記録装置。 - 【請求項4】請求項2に記載された浮上現象解析装置を
用いて製造された突起物あるいは凹み部構造を持つ回転
ドラムまたは固定ドラムを用いることを特徴とする磁気
記録装置。 - 【請求項5】請求項2に記載された浮上現象解析装置を
用いて製造された摺動面形状を持つ磁気ヘッドを用いる
ことを特徴とする磁気記録装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20928192A JP3247732B2 (ja) | 1992-08-05 | 1992-08-05 | 浮上現象解析装置および磁気記録装置 |
US08/323,606 US5508945A (en) | 1992-08-05 | 1994-10-17 | Levitation phenomenon analyzer and magnetic recording apparatus including levitation phenomenon analyzer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20928192A JP3247732B2 (ja) | 1992-08-05 | 1992-08-05 | 浮上現象解析装置および磁気記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0660502A JPH0660502A (ja) | 1994-03-04 |
JP3247732B2 true JP3247732B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=16570350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20928192A Expired - Fee Related JP3247732B2 (ja) | 1992-08-05 | 1992-08-05 | 浮上現象解析装置および磁気記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3247732B2 (ja) |
-
1992
- 1992-08-05 JP JP20928192A patent/JP3247732B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
三矢,"二次元に分布した粗さをもつ面の流体潤滑特性",日本機械学会論文集(C編),日本機械学会,昭和59年,50巻,449号,p.168−178 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0660502A (ja) | 1994-03-04 |
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Legal Events
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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