JP3247155B2 - 無給電素子付きラジアルラインスロットアンテナ - Google Patents

無給電素子付きラジアルラインスロットアンテナ

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JP3247155B2
JP3247155B2 JP23059092A JP23059092A JP3247155B2 JP 3247155 B2 JP3247155 B2 JP 3247155B2 JP 23059092 A JP23059092 A JP 23059092A JP 23059092 A JP23059092 A JP 23059092A JP 3247155 B2 JP3247155 B2 JP 3247155B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、衛放送の受信等に
用いて好適な平面アンテナで、ラジアル導波路を用いた
ラジアルラインスロットアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】ラジアル導波路を用いた一層構造平面ア
ンテナ(ラジアルラインスロットアンテナ)に関して
は、種々の文献等に記載されている。図8は、従来の一
層構造平面アンテナ1の構造を説明するための一部断面
斜視図である。
【0003】図8に示すように、平面アンテナ1は、厚
さが一定の低発泡誘電体板4を挟んで、所定の間隔に保
持された2枚の金属円形導体板よりなり、平面アンテナ
1の背面側の導体板がフレーム2となっており、平面ア
ンテナ1の前面側の導体板がスロットアレーを配列した
スロット板3となっている。そして、上記低発泡誘導電
体板4と、この低発泡誘導電体板4を挟むように配置さ
れたフレーム2及びスロット板3とからラジアル導波路
5が構成されている。
【0004】平面アンテナ1においては、フレーム2の
背面中央から同軸線路6により給電されるようになって
おり、同軸線路6の中心導体の先端に、整合装置1が設
けられている。このような構成により、同軸線路6内の
軸対称波であるTEM波が、整合装置1からラジアル導
波路5内に放射状かつ均等に伝送する進行波に、滑らか
に変換されるようになっている。この進行波が、ラジア
ル導波路5前面のスロット板3のスロットアレーを励振
し、給電電力を前方に放射するようになっている。そし
て、各スロットアレーから放射されて合成された放射波
は、円偏波として鋭い指向性を示す。
【0005】なお、図8において、符号8は、誘電率が
空気の誘電率に等しい高発泡誘電体板からなるスペーサ
である。また、符号9はレドームであり、スペーサ8を
介してスロット板3を低発泡誘電体4に押圧して密着さ
せ、安定したラジアル導波路5を確保すると共に、平面
アンテナ1の内部構成部品を、降雨雪、受風圧,日照等
の屋外設置に伴う各種の厳しい環境条件から保護してい
る。符号10は、運搬や、アンテナ1の据え付け時など
に、平面アンテナ1が衝撃を受けた際の保護と、平面ア
ンテナの外観を飾るための外周ゴムリングである。
【0006】スロット板3には、図9に示す如く、半径
ρ方向のピッチSρをラジアル導波路5内の進行波の管
内波長λgに等しくしたアルキメデスの渦巻線11に沿
って、基本放射素子となるスロットペア12…が配列さ
れている。スロットペア12…のそれぞれのスロット1
2A,12Bは、半径方向に対して一定の角度β,β+
π/2で斜交して配置されている。
【0007】スロットペア12のスロット12A,12
Bは、ラジアル導波路5内を中心から周辺に向けて、放
射状に伝送する進行波により生ずる磁流を一定の角度で
切る方向に鑿設されており、かつ、スロット長が等長で
あるので、各スロットからの放射量は等量で電界方向が
90°異なるものとなる。さらに、スロット12Aとス
ロット12Bとの中心点を結ぶ中心距離がλ0/4とな
っているので、各スロット12A…、12b…からの放
射波を合成したものが円偏波となる。
【0008】スロットペア12は、機械的干渉を避け、
かつスロットペア12を可能な限り多数配列するため、
スロットペア12,12同士の周方向の間隔Sφが、
0.35λ0〜0.5λ0の範囲となるように配列され、
また、スロットペア12が中心部で密に周辺部に行くに
したがって疎となるように配列されている。なお、図9
は、右旋回円偏波用のスロット板3を正面より見たスロ
ットアレー配列である。
【0009】なお、ラジアル導波路5内を放射状に伝送
する進行波の電力量は、平面アンテナ1の中心から周辺
に向かうにつれて、中心からの距離に比例して1/√ρ
の割合で減衰すると共に、スロットアレーからの放射に
よってもラジアル導波路5の中心から周辺に向かうにつ
れて減衰する。これらの減衰量を考慮して、電界の強い
中心部の放射量を抑制して開口面全体の放射波の振幅を
一様分布とするため、スロット長を、λ0/2に波長短
縮率を考慮して0.34λ0〜0.46λ0の範囲に補正
し、この範囲内で中心部のスロット長を短くすることに
より結合係数を小さくして中心部の放射を抑え、周辺部
に行くにしたがってスロット長を長くすることにより結
合係数を大きくして周辺部の放射量を増加させている。
そして、平面アンテナ1の開口面全体で、放射波の振幅
が一様分布となるように考慮している。なお、ここで波
長短縮率とは、実際の動作長と理論的長さとの比を示す
ものである。
【0010】また、ラジアル導波路5の管壁の一面を構
成するスロット板3に、スロットアレーを鑿設すること
により、導波路5内の管内波長が変化することになる。
従って、アルキメデスの渦巻線のピッチを波長短縮率を
考慮し0.98λg〜0.90λgの範囲に補正し、この
範囲内で渦巻線のピッチを中心部で長くし、周辺部で短
くしている。かくすることにより放射波の位相を平面ア
ンテナ1の開口面全体にわたり一様分布として、アンテ
ナの性能を著しく向上させている。ラジアル導波路5の
伝送損失は方形導波管のそれと同等で非常に小さく、上
記手法によるラジアルラインスロットアンテナは高性能
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ラ
ジアルラインスロットアンテナには、以下のような欠点
がある。フレーム2の背面中心から給電しているため、
ラジアル導波路5において、同軸線路6の整合装置1の
前面に対向するスロット板3の中心部にまで、スロット
ペア12を鑿設すると、導波路5の前面の壁面をなし、
同軸線路6とラジアル導波路5の変換部となる導体面
(スロット板3の中心部)がスロット12A、12Bに
より不連続となる。このように導体面が不連続になる
と、導波路5内の電磁界が乱れ、不要高次姿態波が発生
する可能性がある。従って、スロット板3は、その中心
部に、スロットペア12を設けることができず、中心不
動作領域ができてしまう。
【0012】さらに、上記可能性に加えて、スロット板
3の中心部にスロットペア12を設けた場合に、導波路
5内の進行波の軸対称性が乱れて、性能が劣化すること
などから、上記ラジアルスロットアンテナは、半径ρmi
n(螺旋状に設けられたスロットペア12…のうちの最
も中心側のスロットペア12とスロット板3の中心Oと
の距離)で規制される中心不動作領域を必要とする。
【0013】一方、アンテナは一般に屋外で使用される
ので、降雨雪、受風圧、日照による表面温度上昇など、
各種の厳しい環境条件に耐える必要があり、機械的強度
の向上が要求される。従って、平面アンテナ1の外形
は、機械的共振に弱い凸部等がない点対称の円形とする
ことが望ましい。しかし、平面アンテナ1を円形とする
ことにより、スロット板3には、螺旋状に配置されたス
ロットアレイの外周部分にスロットアレイの設けられて
いない部分が形成される。例えば、図9に示すように、
スロット板3の螺旋状に設けられたスロットアレイの外
周には、−X軸側ではλg幅、−Y軸側では3λg/4
幅、X軸側ではλg/2幅、Y軸側ではλg/4幅、一周
した−X軸側で零となるスパイラル形の外周不動作領域
が生じる。
【0014】上記の両不動作領域を併せた面積は、平面
アンテナの直径が小さくなるに従って全体の開口面に対
する比率を増し、開口効率を低下させることになる。さ
らに、開口面積が小さくなると、スロットペア12…の
総数が少なくなり、ラジアル導波路5内の進行波による
励振電力が、全スロットアレーから放射しきれないうち
に周辺部に到達するので、残留電力が増えるなどの原因
により開口効率を低下させる。アンテナ開口径と開口効
率の関係を図10の実線の曲線13に示す。
【0015】いま一つの課題は、アレーアンテナの宿命
であるが、最初に励振する素子と最後に励振する素子と
の給電線路長差をLとすると、使用周波数帯域は1/L
に比例する。即ち、図9において、螺旋状にスロットペ
ア12…が配列されている最内側の同心円の半径をρmi
n、最外側の半径をρmaxとすると L=ρmax−ρmin (1) となり、使用周波数帯域幅は 1/(ρmax−ρmin)に
比例する。
【0016】即ち、アンテナの利得は、図11の実線の
曲線14に示すごとく、上に凸の曲線となり、設計周波
数(一般に使用周波数帯域の中心周波数をとる)では、
利得が高く、使用周波数帯域の上、下限では利得が低下
する。即ち、帯域内の利得低下量を規制すると、(1)
式より大形アンテナは狭帯域になり、小形アンテナの使
用帯域内の利得偏差はそれなりに少なくなる。
【0017】なお、図11の実線の曲線14は開口直径
が20cmの、小形ラジアルラインスロットアンテナの利
得周波数特性であり、使用周波数帯域の上限、下限(1
1.7GHzと12.0GHz)での利得低下量は、開口面が小径の
ため少ない筈である。実用上は、アンテナの利得を使用
周波数帯域内の最低利得で評価するので、上記の特性を
みても明らかなように、アレーアンテナの最高利得が高
くても、帯域内の上、下限の利得低下量が非常に大きけ
れば、パラボラアンテナのように利得が周波数に比例し
て直線的に増加するものと比較して性能が劣ることにな
る。
【0018】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、上述のようなスロットアレイアンテナの特性と
しての開口効率や利得の低下にも係わらずに、高い性能
を発現することができる無給電素子付きラジアルライン
スロットアンテナを提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】以上のように、ラジアル
ラインスロットアンテナにおいては、ラジアルラインス
ロットアンテナの開口直径が小さくなるにしたがって、
不動作領域の割合の増加等で開口効率が低下すること
と、使用周波数帯域の中心周波数(設計周波数)での利
得は高いが、アレーアンテナの特長として、使用帯域の
上、下限の周波数で利得低下がみられ、実用上は最低利
得で評価されことから、パラボラアンテナより性能が劣
ってしまう可能性があった。
【0020】これらの課題を解決するため、本発明の発
明者らは、可能な限りの平面的な対策を尽くした後に、
ここに立体的取扱を導入して、ラジアルラインスロット
アンテナの前面に無給電素子を装荷し、単位アンテナで
あるスロットペアと組み合わせて2素子アンテナとして
動作させれば、アンテナの性能を向上させる条件が見い
出せるとの考えに至った。
【0021】ラジアルラインスロットアンテナは、ラジ
アル導波路5の前面のスロット板に円偏波を発生するス
ロットペア12を以下の式(2)で示されるアルキメデ
スの渦巻き線 ρ=mλgθ+δ (2) m=0.98〜0.90 δ=ρmin(≒25mm) に沿って最適周方向間隔Sφで配列してアレーを構成
し、ラジアル導波路5の背面中心より給電し、周辺方向
に放射状に均等に伝送する進行波で励振している。
【0022】ここで、円偏波対応の素子としてダイポー
ルペア、正方形パッチ、円形パッチ等の無給電素子を誘
電体薄膜上に、(2)式で示されるスロットペアと同じ
アルキメデスの渦巻き線上に沿って、同じ周方向間隔S
φで配列してアレーを構成して無給電素子板とする。こ
の無給電素子板を、スロット板の前面の最適位置に離間
対面すれば、無給電素子とスロットペアとが1対1に対
応する。
【0023】相対向する無給電素子とスロットペアとの
組み合わせは、立体的に2素子アンテナとして動作し、
それらを基本素子としてアルキメデスの渦巻き線に沿っ
て配列し、アレーを構成した平面アレーアンテナは、高
利得化、かつ、広帯域化されて性能は著しく向上するは
ずである。
【0024】基礎実験では、最初にダイポールペアを取
り上げ、ダイポールの長さをスロット長と同じλ0/2
より始めたが反応なく、徐々に切り詰め、ダイポールの
長さをλ0/4に近づけると効果が出始めた。しかし諸
元を変えるその都度ダイポールペアの方向を、スロット
ペアの各放射波の電界方向と整合させるためダイポール
の向きを変えなければ、正確な性能を把握できないこと
が判明した。正方形パッチも同様である。そこで素子の
方向とか向きに規制されない、つまり位置だけが必要な
無給電素子として円形パッチを採用した。
【0025】円形パッチの直径を4.5mmφ,5.0
mmφ,5.5mmφ,…,9.5mmφの11種類の
均等サイズとした無給電素子板の装荷による実験では、
円形パッチの径が小さい方が効果的であり、あまり大き
くなると隣接する素子の機械的干渉と隣接スロットペア
の放射波の電気的干渉が発生する。しかし、上記のよう
な円形パッチの配列では、効果的と言っても利得の改善
が0.3dB〜0.5dBで、所期の値を満たしていな
い。
【0026】前記スロット板のスロットのスロット長L
は L=aλ0 (3) a=0.34〜0.46 ラジアル導波路内の進行波による励振電界強度に応じ
て、中心部は0.34λ0と小さくして結合係数を抑え
て放射量を制限し、周辺に行くに従って大きくし最後は
0.46λ0として結合係数を大きくとり、放射量を強
くして放射波の電界の振幅を開口面全体で一様分布とし
ている。
【0027】これに準じて無給電素子の円形パッチの中
心部の直径を5.0mmφ、周辺に行くにしたがって
5.5mmφ,6.0mmφ,6.5mmφと1周期ご
とに段階的に変化させた無給電素子板を使用した場合
に、利得の改善量は、0.4dB〜0.7dBと僅かで
はあるが向上している。この実験で、スロット板と無給
電素子板の位置合わせをしている時、無給電素子板を時
計方向に回転すると、更に良好な値が得られる位置があ
ることが判明した。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1のNO.3,NO.4,NO.5につ
いて、時計方向に回転することはスロットペアに対し
て、無給電素子の円形パッチの位置をそれぞれλg
4,λg/8,λg/12,(但しこの実験ではλgρmin
の値をとった)づつ半径ρの増加する方向に偏位させる
ことである。そこで、円形パッチの位置を離間距離△h
に対して△ρだけ偏位させた円形パッチ板を作成し、対
応する離間距離Δhで対面させて測定した結果、表1に
示すNO.3〜NO.5の利得向上値と同等の値が得ら
れた。
【0030】離間距離Δhに対してΔρだけ偏位させた
場合、無給電素子板を正負いずれの方向に回転しても、
利得が低下することを確認している。なお、無給電素子
板をスロット板3からλ0/2以上離間して対面させた
場合には、無給電素子板の回転による効果は殆ど認めら
れない。即ち、λ0/2以上離間させれば、放射波の中
心は放射素子の中心と一致する。
【0031】マイクロストリップ線路給電の方形パッチ
アレー、円形パッチアレー等による円偏波アンテナの無
給電素子の最適位置が、励振素子の前面真上に離間対面
するのに対して、ラジアルラインスロットアンテナでは
少し異なることになる。上記の実験でラジアル導波路で
励振されるスロットペアの放射波の中心は、遠方界領域
ではスロットペアの機械的中心に立てた垂直線上にある
が、λ0/2以内の至近界領域では離間距離に対応して
半径方向に僅かづつ偏位していることが判明した。
【0032】即ち、スロットペアは(2)式のアルキメ
デスの渦巻線上に配列されてアレーを構成しているが、
無給電素子を有効に動作させるためには、上記に△ρだ
け偏位した次式のアルキメデスの渦巻き線上に、同じS
φで無給電素子を配列しなければならない。 ρ=m(λg+△ρ)θ+δ (4) ただし、△ρ=f(△h);△ρはスロット板と無給電
素子板との離間距離△hの関数である。
【0033】
【作用】従来の平面アンテナの無給電素子は励振素子の
前面真上に、ほぼ同等の諸元の素子を離間対面してき
た。ラジアル導波路内の放射状の進行波で前面のスロッ
トアレーを励振し、円偏波を放射する本発明のラジアル
ラインスロットアンテナでは、励振素子のスロットペア
のスロット長がλ0/2に波長短縮率を乗じた0.36
λ0〜0.46λ0の値に対して、無給電素子の円形パッ
チの直径がλ0/2に短縮率を乗じた0.15λ0〜0.
35λ0の値となっている。
【0034】さらに至近界領域では、励振素子のスロッ
トペアと無給電素子の円形パッチと離間距離△hに対応
して、円形パッチをスロットペアの位置から半径方向に
△ρだけ偏位した位置に配置することにより、スロット
ペアから放射される放射波の中心と円形パッチの中心が
一致する位置に、スロットペアと円形パッチとを離間対
面させることができる。つまり、放射素子のスロットペ
アは(2)式に示すアルキメデスの渦巻き線上に、無給
電素子の円形パッチは(4)式に示すアルキメデスの渦
巻き線上に同じSφで配列し、アレーを構成することに
より、スロットペアから放射される放射波の中心と円形
パッチの中心を一致させることができる。かくして円形
パッチとスロットペアは1対1に対応し、立体的に2素
子アンテナとして動作するので、ラジアルラインスロッ
トアンテナの高利得化、かつ、広帯域化がより効果的に
実現される。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の第1の実施例
を説明する。図1は、この第1の実施例の無給電素子付
きラジアルラインスロットアンテナ20の一部断面構造
を示す斜視図である。図2は、本発明の請求項1による
第1の実施例の詳細構造および動作を説明するための図
面である。図3は、後述する円形パッチ板17を示す図
面である。なお、これら図面において上記従来例と同様
の構成要素については、同一の符号を付して、その説明
を簡略化もしくは省略する。
【0036】図1において、符号2はフレーム、符号3
はスロット板、符号4は低発泡誘電体板を示し、外周が
円形のこれらフレーム2、低発泡誘電体4、スロット板
3を重ね合せたものがラジアル導波路5である。平面ア
ンテナAの前面のスロット板3には、図9に示す従来例
と同様にラジアル導波路5の半径方向に対して、β、β
+π/2で斜交する等長のスロット12A,12Bが鑿
設され、スロットペア12…を構成している。これらス
ロット12A、スロット12Bの中心距離はλ0/4で
あるので、放射波は等量で電界方向が90゜異なるもの
となり、さらに、位相差がπ/2であるので、合成され
た放射波は円偏波となる。
【0037】これらのスロットペア12…を基本素子と
し、これら基本素子が上記従来例と同様(図9に示すよ
うに)に、(2)式に示すアルキメデスの渦巻き線11
に沿って最適Sφで配列され、アレーを構成している。
【0038】また、第1の実施励の平面アンテナAにお
いては、スロット板3の前面に誘電体薄膜からなる円形
パッチ板17が配置されている。この誘電体薄膜とし
て、ポリオレフィン系樹脂フィルムを好適に用いること
ができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(PET)、ポリエチレンフィルム(PE)、ポリテ
トラフルオロエチレンフィルム(PTFF)等である。
円形パッチ板17とスロット板3との間には、誘電率が
空気の誘電率に等しい高発泡誘電体板のスペーサ8aが
配置されている。そして、レドーム9がスペーサ8、円
形パッチ板17、スペーサ8a、スロット板3、低発泡
誘電体4をフレーム2に押圧して密着させている。
【0039】図2において、スロット板3上のスロット
12Aの中心O2と12Bの中心O3を結ぶ線分O23
中点O1を通る垂直2等分線と、離間距離△hの誘電体
薄膜に円形パッチ15を配列した円形パッチ板17との
交点をP1とする。P1を中心とする破線で示す円形パッ
チ15’はスロット12Aの電界方向16’Aと、スロ
ット12Bの電界方向16’Bに共振し、両者は互いに
直交し、かつ、等長であり、その2次放射量は互いに等
しい。
【0040】上記のように円形パッチ15’を設けれ
ば、ラジアル導波路5の中心0から放射状に伝送する進
行波で、先ず、スロット12Aを励振し、続いてλ0
4離れたスロット12Bを励振し、それらの放射波に共
振する16’A,16’Bの位相差はπ/2となり、円
形パッチ15’の2次放射波はスロットペア12A,1
2Bの放射線と同じ旋回方向の円偏波となる。
【0041】ここで、スロット板3と円形パッチ板17
との離間距離△hが至近界領域にある場合は、スロット
12A,12Bの放射波の中心は、01の垂線と円形パ
ッチ板17と交わるP1ではなく、スロット板3の中心
0から半径ρが増加する方向に△ρだけ偏位した04
垂線と円形パッチ板17との交点P4となる。従って、
上記円形パッチ15’の配置位置では、スロット板3と
円形パッチ板17が至近距離にある場合に、放射波の中
心からずれてしまうことになる。上記交点P4を中心と
する実線で示す円形パッチ15を装荷すれば、2次放射
波が円形バッチ15’に比較して強くなり、導波素子と
してはより効果的である。 従って、この第1の実施励
においては、交点P4を中心とする円形パッチ15が設
けられている(円形パッチ15’は設けられていな
い)。
【0042】上記従来例の図9において、放射素子のス
ロットペア12A,12Bは、(2)式で示されるアル
キメデスの渦巻き線11に沿って周方向間隔Sφを0.
35λ0〜0.45λ0として配列され、アレーを構成し
ている。これと離間距離△hで対面する円形ッチ板1
7の円形パッチ15の中心は、図3に示すように、半径
方向に△ρ偏位した(4)式で示すアルキメデスの渦巻
き線18に沿って前者と同じ周方向間隔Sφで配列さ
れ、アレーを構成している。
【0043】放射素子のスロットペア12A,12Bと
偏位対面する導波素子の円形パッチ15は1対1に対応
し、両者は立体的に2素子アンテナとして動作する。無
給電素子の円形パッチ15の直径dは d=bλ0 b=0.15λ0〜0.35λ0 (5) となっており、λ0/2に波長短縮率を乗じた値であ
る。
【0044】スロットペア12A,12Bと同様に中心
部の直径は小さく2次放射量を抑え、周辺に行く従って
直径を大きく2次放射量を強くし、開口面で電界の振幅
を一様分布としている。また、(4)式のアルキメデス
の渦巻き線上に設置することにより、上記スロットペア
12…と同様に、半径方向のピッチSρは中心部が大
で、周辺に行くに従って小さくされている。即ち、半径
方向のピッチSρを、中心部を大きくし周辺部に行くに
従って小さくすることで開口面内の位相も一様分布にし
ている。
【0045】以上のようなスロット板3及び円形パッチ
板17は、例えば、以下のようにして製造することがで
きる。まず、スロット板3を製作する際に、スロット板
3のスロットペア12…の位置を示す原版は、スロット
ペア12…の中心位置、スロット12A、12Bの中心
位置、スロット12A、12Bの長手方向の長さと幅、
Sρ、Sφ等の諸元を物理的に計算することにより得ら
れる。
【0046】これを熱的にも機械的にも強い感光性のP
ETフィルムにスキャニング転写し、エッチング成形す
ることによりスロットペア12…を有するスロット板3
を得ることができる。これに対する無給電素子板である
円形パッチ板17の原版は、スロット板3の計算値の一
部を補正するだけで簡単、かつ、正確に求められる。そ
して、円形パッチ板17の実用版は、アルミ箔PETフ
ィルムをエッチング加工することにより得られる。
【0047】円形パッチ15…とスロットペア12…は
1対1に対応し、前者は導波素子、後者は放射素子の2
素子アンテナとして動作し、それらのアレーを構成して
いる。この場合の利得測定値を図11の破線19に示
す。図11に示すように、無給電素子なしの場合は、利
得最大点で25.9dB(開口能率63%)である。それ
に対して、無給電素子付きでは、同点で前者からの利得
向上は1dBで、開口効率は80%である。使用帯域内
の上、下限でも略同等の開口効率を示し、帯域内の利得
変動が少なく実質的に使用帯域は広くなっている。
【0048】図4及び図5は、本発明の請求項2に基づ
く、第2の実施例を示す図面である。この第2の実施例
においては、上記の円形パッチ15…の代わりに、円偏
波に共鳴するダイポールペア20…を設けたダイポール
板21を無給電素子板として用いている。なお、第2の
実施例は、第1の実施例の円形パッチ15…をダイポー
ルペア20…に代えたものであり、第1の実施例と同様
の構成要素については、その説明を簡略化もしくは省略
する。第2の実施例は、上述のように第1の実施例の円
形パッチ15…をダイポールペア20…に代えたもので
あり、円形パッチ板17に代わり、かつ円形パッチ板1
7と同様の誘電体薄膜からなるダイポール板21に、円
形パッチ15…と同様の配置でダイポールペア20…を
設けたものである。
【0049】また、ダイポールペア20は、円形パッチ
15と異なり方向性があるので、ダイポールペア20の
各ダイポールの長手方向は、スロットペア12A,12
Bの各スロットの放射波の電界方向とそれぞれ一致する
ようにされている。また、個々のダイポール20A,2
0Bの長手方向に沿った長さは、円形パッチの直径dと
同様のものとなっており、前記(5)式のdと同等でλ
0/2に短縮率を乗じた値である。
【0050】そして、図4に示すように、これらを
(4)式のアルキメデスの渦巻線18に沿って、スロッ
トペア12…と同じ周方向間隔Sφで配列し、アレーを
構成したのがダイポール板21である。ダイポール板2
1とスロット板3を離間距離△hで対面すれば、両素子
は1対1に対応する。
【0051】各ダイポールペア20…は、上記渦巻線1
8上に上記周方向間隔Sφで配列されることにより、ス
ロットペア12…に対してΔρだけ半径方向に偏位した
位置に配置される。導軸線路6より給電すれば、ダイポ
ールペア20…を導波素子、スロットペア12…を放射
素子とする2素子アンテナとして動作し、それらのアレ
ーアンテナは上記円形パッチ15を用いた平面アンテナ
Aと同様に高利得、広帯域となり、帯域内の利得変動は
少なくなっている。
【0052】図6及び図7は、本発明の請求項3に基づ
く、第3の実施例を示す図面である。この第3の実施例
においては、上記の円形パッチ15…の代わりに、円偏
波に共鳴する正方形パッチ22…を設けた正方形パッチ
板24を無給電素子板として用いている。なお、第3の
実施例は、第1の実施例の円形パッチ15…を正方形パ
ッチ22…に代えたものであり、第1の実施例と同様の
構成要素については、その説明を簡略化もしくは省略す
る。
【0053】第3の実施例は、上述のように第1の実施
例の円形パッチ15…を正方形パッチ22…に代えたも
のであり、円形パッチ板17に代わり、かつ円形パッチ
板17と同様の誘電体薄膜からなる正方形パッチ板24
に、円形パッチ15…と同様の配置で正方形パッチ22
…を設けたものである。
【0054】また、正方形パッチ22は、円形パッチ1
5と異なり方向性があるので、正方形パッチ22の相隣
る2辺23A,23Bの方向は、スロットペア12A,
12Bそれぞれの放射波の電界の方向と一致するように
されている。個々の正方形パッチ22の辺の長さは、円
形パッチ15の直径dと同様のものとなっており、
(5)式のdと同等で、λ0/2に波長短縮率を乗じた
値である。
【0055】図6に示すように、これらを(4)式のア
ルキメデスの渦巻き線18に沿って、スロットペア12
…と同じ周方向間隔Sφで配列し、アレーを構成したの
が正方形パッチ板24である。正方形パッチ板24とス
ロット板3を離間距離△hで対面させれば、両素子は1
対1に対応する。各正方形パッチ22…は、上記渦巻線
18上に上記周方向間隔Sφで配列されることにより、
スロットペア12…に対してΔρだけ半径方向に偏位し
た位置に配置される。以上のような正方形パッチ22…
を有する平面アンテナにおいて、同軸線路6から給電す
れば、正方形パッチ22…を導波素子、スロットペア1
2…を放射素子とする2素子アンテナとして動作し、上
記第1の実施例の平面アンテナAと同様に高利得、広帯
域となり、帯域内の利得変動が少なくなっている。
【0056】
【発明の効果】円偏波を放射するスロットペアを(2)
式のアルキメデスの渦巻き線に沿って最適周方向間隔S
φで配列したラジアルラインスロットアンテナにおい
て、スロットペアの放射波の中心は至近界領域では半径
方向に少し偏位した位置にある。ここに円偏波に共鳴す
る最適諸元の円形パッチ、ダイポールペア、正方形パッ
チ等の無給電素子を(4)式のアルキメデスの渦巻き線
上に上記と同じ周方向間隔Sφで配列して無給電素子板
とし、スロット板の前面に△hだけ離間対面させれば、
無給電素子とスロットペアは1対1に対応し、スロット
ペアを放射素子、無給電素子を導波素子とする2素子ア
ンテナとして動作し、利得を向上することができる。
【0057】これを基本素子としてアレーを構成し、無
給電素子の形状に応じて各諸元を最適化し、スロット板
の放射波と同様に2次放射波の電界の振幅と位相を制御
して共に一様分布とすれば、図9の破線の曲線19の如
く高利得、広帯域、かつ、帯域内の利得変動が少ないこ
とを特長とする無給電素子付きラジアルラインスロット
アンテナとなる。
【0058】スロット板を製作する時の原版はスロット
ペアの中心位置、スロットの中心位置、スロットの長手
方向と幅、Sρ、Sφ等の諸元を物理的に計算する。こ
れを熱的にも機械的にも強い感光性のPETフィルムに
スキャニング転写し、エッチング成形することによりス
ロット板を得ることができる。これに対する無給電素子
板の原版は、スロット板の計算値の一部を補正するだけ
で簡単、かつ、正確に得られる。そして、無給電素子板
の実用版は、アルミ箔PETフィルムをエッチング加工
することで量産が容易であり、かつ、経済的に優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した上記第1の実施例の無給電素
子付きラジアルラインスロットアンテナの構造を説明す
るための断面斜視図である。
【図2】上記第1の実施例のスロットペアと円形パッチ
の詳細構造と、動作説明の為の断面斜視図である。
【図3】上記円形パッチ板上の円形パッチの配列構造を
示す平面図である。
【図4】上記第2の実施例のダイポールパッチ板上のダ
イポールペアの配列構造を示す平面図である。
【図5】上記第2の実施例のスロットペアとダイポール
ペアの詳細構造を説明するための断面斜視図である。
【図6】上記第3の実施例の正方形パッチ板上の正方形
パッチの配列構造を示す平面図である。
【図7】上記第3の実施例のスロットペアと正方形パッ
チの詳細構造を説明するための断面斜視図である。
【図8】従来のラジアルラインスロットアンテナを示す
一部断面斜視図である。
【図9】従来のラジアルラインスロットアンテナのスロ
ットペアの配列を示す平面図である。
【図10】ラジアルラインスロットアンテナの直径と開
口効率の関係を示すグラフである。
【図11】ラジアルラインスロットアンテナの利得の周
波数特性を示すグラフである。実線14の曲線は無給電
素子無しの特性を示し、破線19の曲線は無給電素子付
きの特性を示す。
【符号の説明】
2 フレーム 3 スロット板 4 低発泡誘電体板 5 ラジアル導波路 11 アルキメデスの渦巻線(第1のアルキメデスの渦
巻線) 12 スロットペア 12A スロット 12B スロット 15 円形パッチ 17 円形パッチ板(無給電素子板) 18 アルキメデスの渦巻線(第2のアルキメデスの渦
巻線) 20 ダイポールペア 20A ダイポール 20B ダイポール 22 正方形パッチ 22A 正方形パッチの辺 22B 正方形パッチの辺 O スロット板の中心点(第1のアルキメデスの渦巻線
の中心点) O1 スロットペアの中心点 O2 スロットの中心点 O3 スロットの中心点 O4 スロットペアの中心点よりΔρだけ偏位した点 P4 交点
フロントページの続き (72)発明者 岡崎 康弘 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (72)発明者 吉本 尚志 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−74006(JP,A) 特開 平3−184402(JP,A) 特開 昭64−101705(JP,A) 特開 平4−213203(JP,A) 特開 平3−283902(JP,A) 特開 平2−302106(JP,A) 特開 平1−223806(JP,A) 特開 昭53−8546(JP,A) 特開 平3−4604(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 13/22 H01Q 21/20 H01Q 21/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形導体板よりなるスロット板とフレー
    ムとが所定の間隔で配置され、かつ、これらスロット板
    とフレームとからラジアル導波路が形成され、 上記スロット板には、ピッチSρが、Sρ=mλgθ
    (λg:ラジアル導波路内の進行波の管内波長,m=
    0.98〜0.90)で示される第1のアルキメデスの
    渦巻線上に、スロットペアが該スロットペア同士の周方
    向間隔Sφを0.35λ0〜0.50λ0(λ0は空間波
    長)として多数配設され、これらスロットペアからスロ
    ットアレーが構成され、 上記第1のアルキメデスの渦巻線は、ピッチSρが、上
    記mの範囲内で上記渦巻線の中心部から周辺部に向かう
    につれて狭くなるようにされ、 上記スロットペアは、互いに直角に配置され、かつ互い
    の中心距離が励振波方向にλ0/4とされた2つのスロ
    ットからなり、これらスロットは、スロット長Lがaλ
    0(a=0.34〜0.46)に形成され、各スロット
    からの放射波の放射量が等しくされ、各スロットからの
    放射波の位相差がπ/2とされ、円偏波を放射するラジ
    アルラインスロットアンテナにおいて、 上記スロット板の前方の至近界領域に、該スロット板と
    平行に誘電体薄膜からなる無給電素子板が設けられ、 上記スロット板と無給電素子板との離間距離Δhが0.
    10λ0〜0.25λ0とされ、 上記無給電素子板には、ピッチS’ρがS’ρ=m(λ
    g+Δρ)θ(Δρはスロット板と無給電素子板との離
    間距離Δhに関連し、アルキメデスの渦巻線のピッチ
    ρに比例する)で示される第2のアルキメデスの渦巻線
    上に、無給電素子が該無給電素子同士の周方向間隔を上
    記周方向間隔Sφと同様にして多数配設され、 上記無給電素子は、上記スロットペアの中心点(二つの
    スロットの中心を結ぶ線分の2等分点)と上記第1のア
    ルキメデスの渦巻線の中心点とを結ぶ線分の延長線に沿
    って、Δρだけ上記スロット板の周辺方向に偏位した位
    置から前方に延びる垂線と、上記無給電素子板との交点
    に、上記スロットペアに1対1で対応するように設けら
    れ、 上記無給電素子は、該無給電素子の配置位置が、上記第
    2のアルキメデスの渦巻線の中心部から周辺部に向かう
    につれて大きくなるように形成されたことを特長とする
    無給電素子付きラジアルラインスロットアンテナ。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載の無給電素子付きラジ
    アルラインスロットアンテナにおいて、 上記無給電素子板には、ピッチS’ρS’ρ=m(λ
    g+Δρ)θで示される第2のアルキメデスの渦巻線上
    に、上記無給電素子として円形パッチが該円形パッチ同
    士の周方向間隔を上記周方向間隔Sφと同様にして多数
    配設され、 上記円形パッチは、上記スロットペアの中心点(二つの
    スロットの中心を結ぶ線分の2等分点)と上記第1のア
    ルキメデスの渦巻線の中心点とを結ぶ線分の延長線に沿
    って、Δρだけ上記スロット板の周辺方向に偏位した位
    置から前方に延びる垂線と、上記無給電素子板との交点
    に、上記スロットペアに1対1で対応するように設けら
    れ、 上記円形パッチは、その直径dが0.15λ0〜0.3
    5λ0(λ0/2に波長短縮率を乗じた値)とされ、かつ
    円形パッチの直径dは、該円形パッチの配置位置が、上
    記第2のアルキメデスの渦巻線の中心部から周辺部に向
    かうにつれて上記の範囲内で大きくなるように形成され
    たことを特長とする無給電素子付きラジアルラインスロ
    ットアンテナ。
  3. 【請求項3】 上記請求項1記載の無給電素子付きラジ
    アルラインスロットアンテナにおいて、 上記無給電素子板には、ピッチS’ρがS’ρ=m(λ
    g+Δρ)θで示される第2のアルキメデスの渦巻線上
    に、上記無給電素子としてダイポールペアが該ダイポー
    ルペア同士の周方向間隔を上記周方向間隔Sφと同様に
    して多数配設され、 上記ダイポールペアは、上記スロ
    ットペアの中心点と上記スロット板の中心点とを結ぶ線
    分の延長線に沿って、Δρだけ上記スロット板の周辺方
    向に偏位した位置から前方に延びる垂線と、上記無給電
    素子板との交点に、上記スロットペアに1対1で対応す
    るように設けられ、 上記ダイポールペアは、その長手方向の長さが0.15
    λ0〜0.35λ0(λ0/2に波長短縮率を乗じた値)
    とされ、かつダイポールペアの長手方向の長さは、該ダ
    イポールペアの配置位置が、上記アルキメデスの渦巻線
    の中心部から周辺部に向かうにつれて上記の範囲内で長
    くなるように形成され、 上記ダイポールペアの個々のダイポールは、それらの長
    手方向が対応するスロットペアの個々のスロットの放射
    波の電界方向と整合されたことを特長とする無給電素子
    付きラジアルラインスロットアンテナ。
  4. 【請求項4】 上記請求項1記載の無給電素子付きラジ
    アルラインスロットアンテナにおいて、 上記無給電素子板には、ピッチS’ρがS’ρ=m(λ
    g+Δρ)θで示される第2のアルキメデスの渦巻線上
    に、上記無給電素子として正方形パッチが該正方形パッ
    チ同士の周方向間隔を上記周方向間隔Sφと同様にして
    多数配設され、 上記正方形パッチは、上記スロットペアの中心点と上記
    スロット板の中心点とを結ぶ線分の延長線に沿って、Δ
    ρだけ上記スロット板の周辺方向に偏位した位置から前
    方に伸びる垂線と、上記無給電素子板との交点に、上記
    スロットペアに1対1で対応するように設けられ、 上記正方形パッチは、その辺の長さが0.15λ0
    0.35λ0(λ0/2に波長短縮率を乗じた値)とさ
    れ、かつ上記正方形パッチの辺の長さは、該正方形パッ
    チの配置位置が、上記アルキメデスの渦巻線の中心部か
    ら周辺部に向かうにつれて上記の範囲内で長くなるよう
    に形成され、 上記正方形パッチの方向が対応するスロットペアの個々
    のスロットの放射波の電解方向と整合されたことを特長
    とする無給電素子付きラジアルラインスロットアンテ
    ナ。
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