JP3247017U - 移動電源車 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気を必要としている場所まで迅速に移動して、電力供給することができる移動電源車を提供すること。【解決手段】車両本体1と、前記車両本体1に搭載された発電機2と、前記車両本体1に搭載された、LPガスを収容するLPガス容器3、23と、前記車両本体1に搭載された、LPガスを燃料として使用して前記発電機2を駆動する発電機用エンジン4と、前記車両本体に搭載された、LPガスを燃料として使用する車両走行用エンジン5と、を備える。【選択図】図1
Description
本考案は、移動電源車に関する。
移動電源車は、発電機と、発電機を駆動するエンジンとを搭載した車両である。移動電源車としては、例えば特許文献1に示すように、ガス燃料で駆動する発電用エンジンを搭載したものが知られている。このような移動電源車は、例えば、災害が発生した場合に、停電した被災地に向かい、避難所等で発電機を使って発電し、電力を供給することができる。
しかしながら、自然災害が発生した際、給油所に車が殺到し、ガソリンや軽油等の燃料が不足することが多く、特許文献1に記載の移動電源車のようなガソリン車では、燃料の確保に時間を要し、また、途中でガス欠が起こると、目的地にまで辿り着けないといった問題があった。
そこで、本考案は、電気を必要としている場所まで迅速に移動して、電力供給することができる移動電源車を提供することを目的とする。
本願で開示する移動電源車は、車両本体と、前記車両本体に搭載された発電機と、前記車両本体に搭載された、LPガスを収容するLPガス容器と、前記車両本体に搭載された、LPガスを燃料として使用して前記発電機を駆動する発電機用エンジンと、前記車両本体に搭載された、LPガスを燃料として使用する車両走行用エンジンと、を備える。
自然災害が発生した際、給油所に車が殺到し、ガソリンや軽油等の燃料が不足するが、LPガスボンベは、備蓄されており、すぐに活用することができる。そのため、この構成によると、ガソリン等の燃料の代わりに、LPガスを移動電源車の車両本体や発電機の燃料とすることで、電気を必要としている場所まで迅速に移動し、電力の供給を行うことができる。また、LPガスを燃料とするエンジンは、ガソリンや軽油等を燃料とするエンジンと比較し、排ガスがクリーンであることから、環境面においても優れている。
本考案の移動電源車は、前記車両走行用エンジンが、LPガスおよびガソリンを燃料として使用してもよい。
この構成によると、走行中に車両走行用エンジンのLPガス部品にトラブルが起きても、ガソリンのみでの走行が可能であるため、電気を必要としている場所まで移動し、電力の供給を行うことができる。
本考案の移動電源車は、前記車両本体が、普通乗用車の車両本体で構成されてもよい。
この構成によると、大型自動車免許の取得者に限定されず、普通自動者車免許の取得者であれば、移動電源車を運転することができる。また、普通自動車であれば、大型車両が通ることができない狭い道でも走行することができる。
本考案の移動電源車は、前記LPガス容器は、前記発電機用エンジンが燃料として使用するLPガスを収容する第1LPガス容器と、前記車両走行用エンジンが燃料として使用するLPガスを収容する第2LPガス容器と、で構成されてもよい。
この構成によると、車両本体に、発電機用の第1LPガス容器と車両走行用の第2LPガス容器とをそれぞれ搭載することで、車両走行用エンジンシステムと発電機用エンジンシステムとを別系統とすることができる。そのため、走行中に車両走行用エンジンのLPガス部品にトラブルが起きても、発電機用エンジンには影響がないため、電気を必要としている場所まで車両走行用エンジン5の燃料としてガソリンを使用して移動後、電力の供給を行うことができる。
前記構成の移動電源車によれば、電気を必要としている場所まで迅速に移動し、電力の供給を行うことができる。
以下、本考案を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は移動電源車の側面図であり、発電室の内部機器の左側面図を示している。図2は移動電源車の上面図であり、発電室の内部機器の上面図を示している。図4は車両走行用エンジンシステムの説明図である。図1、2、4に示すように、本実施形態の移動電源車100は、車両本体1と、車両本体1に搭載された発電機2と、LPガスを収容する第1LPガス容器3および第2LPガス容器23と、発電機用エンジン4と、車両走行用エンジン5と、を有する。
図1、2、4に示す車両本体1は、普通乗用車である。ここで、普通乗用車とは、普通自動車第一種免許で運転な可能な乗用車であり、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満、乗車定員10人以下の自動車である。具体的には、TOYOTA HIACE(登録商標)(トヨタ自動車株式会社)やNISSAN CARAVAN(登録商標)(日産自動車株式会社)を使用することが好ましい。本実施形態においては、TOYOTA HIACE(登録商標)(2WD スーパーDX ハイルーフ、寸法4695(長さ)×1695(幅)×1590(高さ))を使用した例が示されている。
車両本体1は、隔壁8によって、キャブ1a(運転室)と発電室1bとに仕切られている。本実施形態のように、車両本体1にTOYOTA HIACE(登録商標)を使用する場合、発電室1bの寸法は、3000(長さ)×1545(幅)×1590(高さ)であり、キャブ1a(運転室)の乗車定員は3人以下である。発電機用エンジン4の燃料として使用されるLPガスを収容した第1LPガス容器3は、発電室1bの前側に載置されている。
発電室1bの前側の下には、車両走行用エンジン5が配置される。なお、第1LPガス容器3、車両走行用エンジン5の位置は、これに限らない。車両本体1には、前タイヤ7Fおよび後タイヤ7Rが取り付けられる。
発電室1bには、第1LPガス容器3から供給されるLPガスを燃焼させることによって作動可能な発電機用エンジン4と、発電機用エンジン4の動力によって発電する発電機2と、制御盤10と、配電盤11と、マフラ12(サイレンサ)とが収容される。発電機2と発電機用エンジン4との接続部分には、フライホイールハウジング13が設置されている。フライホイールハウジング13は、発電機用エンジン4のアイドリングを安定させる装置である。また、発電機用エンジン4の前方には、ラジエータ14が設置されている。ラジエータ14は、発電機用エンジン4を冷却するための装置である。
制御盤10は、発電機2、および発電機用エンジン4の運転を制御するための盤である。また、制御盤10は、車内の各部を電子的に制御することが可能なECU基盤である。この制御盤10は、車両本体1の中央であって、その幅方向左方に配置されている。発電室1bの後側に、制御盤10を操作するための操作面15が取り付けられており、作業者は、制御盤10を操作することができ、制御盤10が有する各種計器を確認することができる。
発電機2は、発電機用エンジン4の動力で駆動される三相交流発電機である。発電機2の出力は、60kVAとすることができ、好ましくは、40kVAである。これによれば、普通乗用車に搭載可能な発電機であり、かつ、必要な電力の供給を行うことができる。
図示しないが、発電機2による発電を行う際には、第1LPガス容器3は車外に出される。第1LPガス容器3とガスライン接続部9とが、ガス供給管で接続され、LPガスがガス供給管を介して発電機用エンジン4に供給される。発電機用エンジン4が駆動し、発電機2で発電された電力は専用の充電器に充電される。
発電室1bの左右両側面の上部には、発電室1b内に空気を取り込むための吸気口6aが設けられている。吸気口6aは、車両本体1に設けられた窓であり、当該窓は開閉可能に構成される。発電室1bの前側の天井部には、排気口6bを有する排気ダクト16が取り付けられる。
発電機用エンジン4は、ガスエンジンであり、発電機用エンジン4からの排ガスは、マフラ12、排気管6を経て、排気ダクト16に形成された上記排気口6bから外部へ排出される。
図3は、発電機用エンジンシステムの説明図である。発電機用エンジンシステムは、燃料供給系統と排気系統を有する。LPガスは、まず、第1LPガス容器3から6~8kPaの圧力でガス供給管18に供給される。ガス供給管18に設置された調圧器V(調節弁)で圧力制御が行われ、LPガスは、0.5kPaの圧力でガスライン接続部9から発電機用エンジン4に供給される。第1LPガス容器3と調圧器V(調節弁)との間には、電磁弁S(安全弁)が設置され、ガス漏れが検知器(不図示)によって検知されると、電磁弁Sによって、ガスの供給が遮断される。図3において、電磁弁Sはガス供給管18に一つ設置されているが、二つ以上設置してもよい。
発電機用エンジン4において、発生した排ガスは、プライマリマフラ12a、セカンダリマフラ12b、キャタライザ12c、排気管6を経由して外部へ排出される。各マフラ12a、12bは、発電機用エンジン4の排気の騒音を低減する装置である。キャタライザ12cは、発電機用エンジン4からの排ガスに含まれる、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の有害な成分を、酸化・還元して無害化する装置である。LPガスを燃料とするエンジンは、ガソリンや軽油等を燃料とするエンジンと比較し、排ガスがクリーンであることから、環境面においても優れている。
図4は、車両本体1に搭載された車両走行用エンジンシステムの説明図である。車両本体1のトランクルームの下の空間に、第2LPガス容器23が搭載されている。第2LPガス容器23には、車両走行用エンジン5の燃料として使用されるLPガスが収容される。また、図示しないが、車両走行用エンジン5の燃料として使用されるガソリンを収容する容器も搭載されている。車両走行用エンジン5は、走行中において、第2LPガス容器23内のLPガスを燃料として、使用することができ、ガソリンを燃料として、使用することもできる。つまり、車両本体1は、LPガスとガソリンとを車両走行用エンジン5に夫々切換えて供給することができる、LPG Bi-Fuelシステムの自動車として構成されている。
図4に示されるように、第2LPガス容器23には、充填口20から高圧ガスが補充される。まず、約1MPaの高圧でLPガスが第2LPガス容器23から高圧ガス供給経路31を介してベーパライザー21(プレッシャレギュレータ)に送られる。ベーパライザー21(プレッシャレギュレータ)では、圧力制御が行われ、0.14~0.15MPaの低圧でLPガスが低圧ガス供給経路32とフィルタ22とを介して、インジェクタ25に送られ、さらにインテークマニホールド26に送られる。インジェクタ25は、燃料噴霧を電子制御によって調整し、最適な燃料を供給する部品であり、空気の流量計などのさまざまなセンサーを用い、最適なエンジンの状況を解析し、噴霧量や噴霧のタイミングを制御する装置である。インテークマニホールド26は、車両走行用エンジン5に空気を送り込むパイプであり、燃料と空気との混合気をエンジンの各気筒に均等に送り込む装置である。車両走行用エンジン5は、空気と、インジェクタ25が噴射する燃料とを混ぜた混合気を、より多くシリンダー(不図示)に送ることでパワーを得ることができる。
車両走行用エンジン5を冷却するための冷却水の温度が35℃以下の場合、初回のエンジン始動は、必ずガソリンまたは軽油を燃料として使用する。その後、冷却水の温度が35℃を超え、エンジン回転数が1600rpm以上になると、車両走行用エンジン5がLPガスを燃料として走行するように切り換えられる。LPガスを燃料として走行するように切り換えられた後、冷却水の温度が35℃以下に低下しない限り、走行中は、すべてLPガスを燃料として使用することができる。また、LPガス部品のトラブルが発生した場合は、ガソリンのみでの走行も可能である。
図示しないが、車両走行用エンジンシステムは、安全装置として、燃料遮断弁、安全弁、過流防止弁、過充填防止装置を備えることが望ましい。燃料遮断弁および安全弁は、いずれも第2LPガス容器23とベーパライザー21とのそれぞれに取り付けられる。燃料遮断弁は、ガス圧力の異常などを検知した場合に自動的に燃料供給を遮断することができる。また、安全弁は、ガスの圧力が一定以上になると、圧力を一定に保つために、LPガスを大気中に放散させることができる。過流防止弁は、事故等でガス配管が損傷を受け、LPガスが大量に流出した際に、自動的にLPガスの流出を遮断することができる。また、過充填防止装置は、LPガスの充填量が規定以上に達すると、自動的に注入口を閉じて、過充填を防ぐことができる。
(効果)
本実施形態の移動電源車100は、車両本体1と、前記車両本体に搭載された発電機2と、前記車両本体1に搭載された、LPガスを収容するLPガス容器3、23と、前記車両本体1に搭載された、LPガスを燃料として使用して前記発電機2を駆動する発電機用エンジン4と、前記車両本体1に搭載された、LPガスを燃料として使用する車両走行用エンジン5と、を備える。
本実施形態の移動電源車100は、車両本体1と、前記車両本体に搭載された発電機2と、前記車両本体1に搭載された、LPガスを収容するLPガス容器3、23と、前記車両本体1に搭載された、LPガスを燃料として使用して前記発電機2を駆動する発電機用エンジン4と、前記車両本体1に搭載された、LPガスを燃料として使用する車両走行用エンジン5と、を備える。
上記処理方法によると、次のような効果が得られる。
自然災害が発生した際、給油所に車が殺到し、ガソリンや軽油等の燃料が不足するが、LPガスボンベは、備蓄されており、すぐに活用することができる。そのため、ガソリン等の燃料の代わりに、LPガスを移動電源車100の車両本体1や発電機2の燃料とすることで、電気を必要としている場所まで迅速に移動し、電力の供給を行うことができる。LPガスを燃料とするエンジンは、ガソリンや軽油等を燃料とするエンジンと比較し、排ガスがクリーンであることから、環境面においても優れている。
前記車両走行用エンジン5が、LPガスおよびガソリンを燃料として使用することが好ましい。これによれば、走行中にLPガス部品にトラブルが起きても、ガソリンのみでの走行が可能であるため、電気を必要としている場所まで移動し、電力の供給を行うことができる。
また、前記車両本体1が、普通乗用車の車両本体で構成されていることが好ましい。これによれば、大型自動車免許の取得者に限定されず、普通自動者車免許の取得者であれば、移動電源車100を運転することができる。また、普通自動車であれば、大型車両が通ることができない狭い道でも走行することができる。
前記LPガス容器が、前記発電機用エンジン4が燃料として使用するLPガスを収容する第1LPガス容器3と、前記車両走行用エンジン5が燃料として使用するLPガスを収容する第2LPガス容器23と、で構成されることが好ましい。これによれば、車両本体1に、発電機用の第1LPガス容器3と車両走行用の第2LPガス容器23とをそれぞれ搭載することで、発電機用エンジンシステムと車両走行用エンジンシステムとを別系統とすることができる。そのため、走行中に車両走行用エンジン5のLPガス部品にトラブルが起きても、発電機用エンジン4には影響がないため、電気を必要としている場所まで車両走行用エンジン5の燃料としてガソリンを使用して移動後、電力の供給を行うことができる。
上記の実施形態は次のように変更可能である。
上記の実施形態の移動電源車100では、発電機用の第1LPガス容器3と車両走行用の第2LPガス容器23とを搭載していたが、発電機用エンジン4と車両走行用エンジン5とが同じLPガス容器内のLPガスを共用してもよい。
上記の実施形態の移動電源車100を2台用意し、自動同期投入装置を使用して、並列運転することができる。これによれば、1台の移動電源車100で発電して得られる電力の2倍の電力を同じ時間で発電して供給することができる。
1:車両本体
2:発電機
3:LPガス容器(第1LPガス容器)
4:発電機用エンジン
5:車両走行用エンジン
23:LPガス容器(第2LPガス容器)
100:移動電源車
2:発電機
3:LPガス容器(第1LPガス容器)
4:発電機用エンジン
5:車両走行用エンジン
23:LPガス容器(第2LPガス容器)
100:移動電源車
Claims (4)
- 車両本体と、
前記車両本体に搭載された発電機と、
前記車両本体に搭載された、LPガスを収容するLPガス容器と、
前記車両本体に搭載された、LPガスを燃料として使用して前記発電機を駆動する発電機用エンジンと、
前記車両本体に搭載された、LPガスを燃料として使用する車両走行用エンジンと、
を備える移動電源車。 - 前記車両走行用エンジンが、LPガスおよびガソリンを燃料として使用する請求項1に記載の移動電源車。
- 前記車両本体が、普通乗用車の車両本体で構成されている請求項1又は2に記載の移動電源車。
- 前記LPガス容器は、
前記発電機用エンジンが燃料として使用するLPガスを収容する第1LPガス容器と、
前記車両走行用エンジンが燃料として使用するLPガスを収容する第2LPガス容器と、
で構成される請求項2に記載の移動電源車。
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