JP3245537U - 自己排水型ボート - Google Patents

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Abstract

【課題】インフレータブルボートの分野に属し、自己排水型ボートを提供する。【解決手段】トップサイド、ボトム、エアバルブ、調整可能なエアフットレスト17、排水孔遮蔽プレート11、フロアカバープレート15及び防水気密ファスナー14を含み、エアバルブは複数であり、ボトムは、トップサイドに接続され、トップサイドとボトムとは、自己排水型ボートのハルを構成することができる。ハルの構造に対して効果的な改善を行い、自己排水の動作原理に基づいて、ハル内に溜まった水の残り量を大幅に低減する。また、構造の改善に基づいて、ハル内に溜まった水とユーザとの接触を効果的に低減し、ユーザにより快適な使用環境を提供することができる。設計が合理的であり、構造が簡単であり、製造コストが低く、排水効果が高く、高い実用価値及び顕著な進歩を有する。【選択図】図1

Description

本考案は、船舶の分野に関し、特に、船舶設備の分野に関し、具体的には、自己排水型ボートである。従来の自己排水型ボートに比べて、本考案の自己排水型インフレータブルボートは、内部に残る水が少なく、排水効率が高く、ユーザにより快適な環境を提供することができる。
インフレータブルボートは、インフレータブル製品であり、そのハルは、防水気密材で製造され、トップサイド、ボトム、コックピット、充気及び放気用のバルブなどの部材で構成される。トップサイド及びボトムを接続して充気した後、インフレータブルボートに一定の形状を与えることができる。現在、インフレータブルボートは、旅行、漂流、体育大会、軍事測量探検、漁獲、狩猟などの様々な水上工程作業に広く適用されており、高い適用効果を達成した。
パックラフトは、携帯型インフレータブルボートとして、その構造がコンパクトで、軽量であり、折り畳んで小さいバッグに収納することができ、携帯及び輸送しやすい。パックラフトは、高い安定性及び浮力を有し、湖、河川及び海岸線などのいずれの自然環境にも使用することができる。現在、市販されているインフレータブルボートの一部は、自己排水設計を使用して、対応する自己排水型ボートとなる。
自己排水型ボートは、水に浮かんで、安定を図ることができるボートであり、ハルの内部に水が入っても、沈没することがない。自己排水型ボートの原理は、以下の2つの要因に基づくものである。
(1)ボトムは、一定の厚さがあり、15cm~30cmであり、ハルの底部が広く、ボートが水に入る場合、ハルの底部の厚さは、水をできるだけ排出することに役立つ。
(2)ハルが水に入った後、自己排水型ボート自体は、依然としてかなり大きな浮力を有する。具体的には、自己排水型インフレータブルボートのトップサイドは、空気室で構成され、トップサイドの空気室の容積がキャビンの容積を超え、キャビンの内部が水で満たされても、トップサイドの空気室の浮力は、依然としてハルを水面にうまく浮かせることができる。
普通の金属製ハル又は木製ハルに大量の水が入った後、ハルの沈没が発生する状況とは異なり、自己排水設計を使用するパックラフトは、トップサイドが防水気密材で製造される。したがって、自己排水設計を使用するパックラフトは、内部に水が入っても、空気室による浮力によって、沈没することがない。
現在、従来の自己排水型インフレータブルボートは、通常、ボトムの周囲に複数の排水孔が周方向に配置され、主にボート内の水とボート外の水との位置エネルギー差により排水を行う。
しかしながら、発明者は、従来の自己排水型インフレータブルボートを検討した後、ボトムの周囲に複数の排水孔が周方向に配置されるが、自己排水型インフレータブルボートに溜まった水が低い箇所にあるとともに、ばらばらになり、大量の溜まった水が自己排水型インフレータブルボートのキャビンの隙間に残り、溜まった水によりボートの喫水深さを増加させ、ボートの機動性を低下させることを見出した。
また、上記問題の存在により、ユーザ体験にあるの程度影響を与える。特に、寒い条件で、大量の溜まった水が自己排水型インフレータブルボートの内部に残ると、ユーザが溜まった水に接触する可能性を増加させ、ユーザの低体温症をある程度引き起こし、これは、ユーザに対して非常に不利であり、ひどい場合にはユーザの安全を脅かす可能性がある。このため、どのように従来の自己排水型インフレータブルボートを改善して、その内部の水残り量を減少させ、ユーザ体験を向上させるかということは、発明者が緊急に解決すべき技術的課題となる。
本考案の目的は、上記問題に対して、自己排水型ボートを提供することである。さらに、本考案は、ハルの構造に対して効果的な改善を行い、従来の自己排水の動作原理に基づいて、ハル内に溜まった水の残り量を大幅に低減する自己排水型インフレータブルボートを提供する。また、構造の改善に基づいて、ハル内に溜まった水とユーザとの接触を効果的に低減し、ユーザにより快適な使用環境を提供することができる。本考案は、構想が優れ、設計が合理的であり、構造が簡単であり、製造コストが低く、排水効果が高く、高い実用価値及び顕著な進歩を有する。本考案は、パックラフト、特に、自己排水型パックラフトの発展及び進歩の促進に対して重大な意義を有し、大規模な普及及び活用を推進するに値する。
上記目的を達成するために、本考案は、以下の技術手段を使用する。
自己排水型ボートは、トップサイド、ボトム、エアバルブ、調整可能なエアフットレスト、排水孔遮蔽プレート、フロアカバープレート、防水気密ファスナー及びバッフル板を含み、前記エアバルブは複数であり、前記ボトムは、トップサイドに接続され、トップサイドとボトムとは、自己排水型ボートのハルを構成することができ、
前記トップサイドとボトムは、それぞれ防水気密材で製造され、前記トップサイドは、空気室で構成され、空気室にエアバルブが設置され、エアバルブにより空気室を充気又は放気することができ、
前記ボトムの上方にエアフロアが設置され、前記フロアカバープレートは、エアフロアの上方に位置し、前記フロアカバープレートのバウに向かう辺は、排水空間内のバッフル板に接続され、前記フロアカバープレートの側辺とトップサイドとは、一体に接続され、前記フロアカバープレート、ボトム及びトップサイドは、エアフロアを配置する底部空間を構成し、前記エアフロアは、底部空間内に位置し、前記エアフロアにエアバルブが設置され、エアバルブによりエアフロアを充気又は放気することができ、前記防水気密ファスナーは、フロアカバープレートに設置され、底部空間を開閉するようにフロアカバープレートに対して開閉可能であり、
前記バッフル板は、トップサイドの内側に設置され、底端部がボトムに一体に接続され、前記バッフル板の上縁部は、トップサイドに接続され、バッフル板の後向きの上縁部は、フロアカバープレートの前向きの辺に接続され、フロアカバープレートのボトムに接続された側壁は、排水側壁とされ、前記排水側壁とバッフル板とは、開口部が上に向く排水空間を形成し、前記排水空間の底部は、ボトムで構成され、排水底壁とされ、
前記調整可能なエアフットレストは、排水空間内に設置されるとともに、排水空間に対して取り付けられるか又は取り外され、下表面が前方にあるバッフル板の表面と嵌合して、調整可能なエアフットレストの上表面とエアフロアの上表面がそれぞれユーザの脚部と臀部を支持し、
自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記排水底壁は、傾斜して設置され、前記排水底壁の前端部の所在する水平面は、排水底壁の後端部の所在する水平面の上方に位置し、
鉛直方向に沿って、前記排水底壁に複数の排水孔が設置され、自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記排水孔は、排水底壁の後端部に位置し、
前記排水孔遮蔽プレートは、ボトムの調整可能なエアフットレストから離れた側に設置され、排水孔の上に設置されるとともに、排水孔に対して遮蔽作用を果たすことができる。
前記トップサイドとボトムはそれぞれ、TPU(熱可塑性ポリウレタン)ナイロン布複合材料で製造される。
前記トップサイドとボトムは、別体設計又は一体設計を使用する。
前記排水孔遮蔽プレートは、可撓性材料で製造される。
前記排水孔遮蔽プレートは、TPU(熱可塑性ポリウレタン)ナイロン布複合材料で製造される。
前記ボトムの調整可能なエアフットレストから離れた側にスケグ取付溝が設置され、
自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記スケグ取付溝は、ボトムの後方に位置する。
自己排水型ボートは、スケグ取付溝と嵌合するスケグをさらに含む。
自己排水型ボートは、ベルトグリップ、トーイングリング、バックレスト固定ベース及び脚ベルトベースのうちの1種又は複数種をさらに含み、前記ベルトグリップ、トーイングリング、バックレスト固定ベース及び脚ベルトベースはそれぞれ、トップサイドに設置される。
自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記排水孔は、排水底壁の後端部の凹部に位置する。
前記排水孔は、3つであり、
自己排水型ボートの前進方向は、第1方向とされ、前記排水孔は、第1方向に垂直な方向に均一に分布する。
前記底部空間と排水空間はそれぞれ、N個であり、前記Nは、自然数であり、N≧1である。
自己排水型ボート(2人乗り)において、前記エアフロアと排水空間はそれぞれ、2つであり、
自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記排水空間、底部空間、排水空間及び底部空間は、トップサイド内に順に設置される。
前記排水孔遮蔽プレートは、3つの辺がボトムに固定接続され、他の辺がボトムに対して自由に移動可能であり、
排水孔遮蔽プレートのボトムに固定接続された側は、遮蔽固定側とされ、排水孔遮蔽プレートのボトムに対して自由に移動可能な側は、遮蔽可動側とされ、
自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記遮蔽固定側は、遮蔽可動側の前方に位置する。
発明者は、検討した結果、従来の自己排水型インフレータブルボートのボトムの周囲に複数の排水孔が周方向に配置されることを見出した。ハルの排水量を増加させるために、通常、1)ハルの排水孔の数を増加させ、2)外部補助装置を使用して排水を行うという2つの方式を使用する。
発明者は、試験により以下のことを見出した。第1種の方式を使用して、単にハルの排水孔の数を増加させると、キャビン内に溜まった水の残り量を効果的に低減することができず、即ち、キャビン内に溜まった水の残り量とハルの排水孔の数との間に明らかな対応関係がなく、排水孔の数を持続的に増加させるという方式によりキャビン内に溜まった水の残り量をさらに低減することができない。第2種の方式、即ち、外部補助装置により、例えば、排水ポンプ、移動電源などを増設して排水を行うという方式を使用する場合、装置のコストを増加させ、装置の防水、配置などの問題を解決する必要があるだけでなく、自己排水型インフレータブルボートの排水孔を除去する必要があり(外部補助装置を使用して排水を行う場合、依然としてハルに排水孔を設置する必要があり、排水孔がかえって入水孔になる)、自己排水型インフレータブルボートの設計初志に矛盾する。
このため、発明者は、自己排水型インフレータブルボートの構造に対して十分な検討及び試験を行い、全く新しい自己排水構造を提供し、ハルの排水効率を大幅に向上させることができる。本考案は、エアフロアが取り付けられた底部空間を使用してボトムの大部分の領域を閉鎖し、エアフロアの高さが15cm~18cmであり(カバー領域は、気密ファスナーで閉鎖され、水が溜まらない)、また、水を排水専用空間に収集して集中排水する。排水空間の底部に排水孔を設置して排水を行うことにより、排水効率が向上し、水の残りが低減され、これによる利点は、排水孔の数がさらに減少し、ボトムの流線形が向上することである。また、流線形の向上の面では、排水孔の下に排水孔遮蔽プレートを設置することは、排水流量をある程度低減するが、水の逆流を防止することができ、ボトムの流線形の向上に役立つ。
従来の自己排水パックラフトに比べて、本考案は、より高い排水効果を有し、ボート内に溜まった水の残り量が非常に少なく、水をより完全に排出でき、排水孔の流線形がより良くなり、走行効率の向上に役立つ。また、全体の改善により、ユーザの座った姿勢がより快適になり、ユーザの使用体験がより良くなる。本考案の自己排水型ボートは、異なる水面条件により迅速に適応し、より高い操作性及び安全性を提供することができる。また、本考案の自己排水型ボートは、利便性が高く、使用及び保守しやすく、より高い柔軟性及び適応性を有する。
実施例1における自己排水型ボートの全体構造の概略図である。 図1の底面図である。 本考案の自己排水型ボートの動作原理図である。 自己排水型ボート内に溜まった水を排出する場合の概略図である。 ボトムの排水原理図である。 実施例2の概略構成図である。図6において、見やすくするために、調整可能なエアフットレストが示されていない。
以下、図面を参照しながら、本考案を詳細に説明する。
本考案の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照しながら、本考案をさらに詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は、本考案を解釈するためのものに過ぎず、本考案を限定するものではない。
単一のエアフロアの設計
図面に示すように、本実施例に係る自己排水型ボートは、トップサイド、ボトム、充気及び放気用のエアバルブ、調整可能なエアフットレスト、排水孔遮蔽プレート、フロアカバープレート、防水気密ファスナー及びバッフル板を含む。図面に示すように、ボトムは、トップサイドに接続され、トップサイドとボトムとは、自己排水型ボートのハルを構成する。本実施例では、トップサイドとボトムはそれぞれ、防水気密材で製造され、トップサイドとボトムは、一体設計を使用し、即ち、接着及び高周波熱融着プロセスにより加工され製造される。1つの具体的な例では、トップサイドとボトムはそれぞれ、TPU(熱可塑性ポリウレタン)ナイロン布複合材料で製造されることにより、ハルは、高い気密性及び耐摩耗性を有する。
トップサイドは、空気室で構成され、エアバルブは、空気室に設置される。図面に示すように、本実施例の自己排水型ボートは、単一のエアフロアの設計を使用する。ボトムの上方にエアフロアが設置され、フロアカバープレートは、エアフロアの上方に位置し、エアバルブは、エアフロアに設置される。エアバルブは、複数であり、エアバルブにより空気室又はエアフロアを充気又は放気することができる。
前記ボトムの上方にエアフロアが設置され、前記フロアカバープレートは、エアフロアの上方に位置し、前記フロアカバープレートのバウに向かう辺は、排水空間内のバッフル板に接続され、前記フロアカバープレートの側辺とトップサイドとは、一体に接続され、前記フロアカバープレート、ボトム及びトップサイドは、エアフロアを配置する底部空間を構成し、前記エアフロアは、底部空間内に位置し、前記エアフロアにエアバルブが設置され、エアバルブによりエアフロアを充気又は放気することができ、前記防水気密ファスナーは、フロアカバープレートに設置され、底部空間を開閉するようにフロアカバープレートに対して開閉可能である。
前記バッフル板は、トップサイドの内側に設置され、底端部がボトムに一体に接続され、フロアカバープレートのボトムに接続された側壁は、排水側壁とされ、前記バッフル板の上縁部は、トップサイドに接続され、バッフル板の後向きの上縁部は、フロアカバープレートの前向きの辺に接続され、前記排水側壁とバッフル板とは、開口部が上に向く排水空間を形成し、前記排水空間の底部は、ボトムで構成され、排水底壁とされる。
前記調整可能なエアフットレストは、排水空間内に設置されるとともに、排水空間に対して取り付けられるか又は取り外され、下表面が前方にあるバッフル板の表面と嵌合して、調整可能なエアフットレストの上表面とエアフロアの上表面がそれぞれユーザの脚部と臀部を支持する。
自己排水型ボートの前進方向に沿って、排水底壁は、傾斜して設置され、排水底壁の前端部の所在する水平面は、排水底壁の後端部の所在する水平面の上方に位置する。鉛直方向に沿って、排水底壁に複数の排水孔が設置される。自己排水型ボートの前進方向に沿って、排水孔は、排水底壁の後端部に位置する。また、排水孔遮蔽プレートは、ボトムの調整可能なエアフットレストから離れた側に設置され、排水孔の上に設置されるとともに、排水孔に対して遮蔽作用を果たすことができる。本実施例では、排水孔遮蔽プレートは、可撓性材料で製造され、さらに、排水孔遮蔽プレートは、TPU(熱可塑性ポリウレタン)ナイロン布複合材料で製造される。
本実施例では、排水孔遮蔽プレートは、一側がボトムに固定接続され、他側がボトムに対して自由に移動可能である。排水孔遮蔽プレートのボトムに固定接続された側は、遮蔽固定側とされ、排水孔遮蔽プレートのボトムに対して自由に移動可能な側は、遮蔽可動側とされ、自己排水型ボートの前進方向に沿って、遮蔽固定側は、遮蔽可動側の前方に位置する。
本実施例では、調整可能なエアフットレストは、ユーザの脚部に適合し、ユーザの臀部は、底部空間の上方にあるフロアカバープレートに位置し、即ち、調整可能なエアフットレストは、自己排水型ボートの前進方向の前方(前進前方と略記する)に位置し、底部空間は、自己排水型ボートの前進方向の後方(前進後方と略記する)に位置する。排水底壁の前端部の所在する水平面は、排水底壁の後端部の所在する水平面の上方に位置し、即ち、排水空間の下方にある排水底壁は、前部が高く、後部が低いように傾斜して設置される。さらに、自己排水型ボートの前進方向に沿って、排水孔は、排水底壁の後端部の凹部に位置する。1つの例では、図面に示すように、排水孔は、3つであり、自己排水型ボートの前進方向は、第1方向とされ、排水孔は、第1方向に垂直な方向に均一に分布する。
また、排水孔遮蔽プレートは、ボトムの底壁に位置し、その前進前方にある端部がボトムに固定接続され(即ち、遮蔽固定側)、その前進後方にある端部がボトムに接続される(当該端部がボトムに対して自由に揺動可能であり、即ち、遮蔽可動側)。
本実施例では、ボトムの調整可能なエアフットレストから離れた側にスケグ取付溝が設置される。自己排水型ボートの前進方向に沿って、スケグ取付溝は、ボトムの後方に位置する。さらに、自己排水型ボートは、スケグ取付溝と嵌合するスケグをさらに含む。本考案では、スケグは、ガイド作用を果たすことができ、スターンに設置されたモールドスタビライザーとして、スターンを安定させ、スターンの横方向の移動を防止し、走行方向を安定させ、走行安定性を向上させることができる。実際の必要に応じて、大型スケグ又は小型スケグを選択することができる。大型スケグは、ボトムに対してより高い横方向走行安定性を与えることができ、より多くの抵抗力をもたらすこともあり、より激しい速度で走行することに適し、ボートの走行効率を大幅に向上させる。ボトムに小型スケグを使用すると、ボトムがより柔軟になり、様々な水域に適し、急流がぶつかることに耐え、多くの旋回半径を増加させることがなく、機動性を維持する。
自己排水型ボートは、ベルトグリップ、トーイングリング、バックレスト固定ベース及び脚ベルトベースのうちの1種又は複数種をさらに含み、ベルトグリップ、トーイングリング、バックレスト固定ベース及び脚ベルトベースはそれぞれ、トップサイドに設置される。
本実施例の自己排水型インフレータブルボートは、使用されない場合、未充気状態にあり、全体が折り畳まれて収納することができる。使用する必要がある場合、エアバルブにより空気室又はエアフロアを充気し、充気後に使用することができる。自己排水型インフレータブルボートの使用が完了した後、折り畳む必要がある場合、エアバルブにより放気し、放気後に折り畳むと、キャリーバッグ内に入れることができる(これは、本実施例の自己排水型ボートをパックラフトと呼ぶ原因である)。
自己排水型ボートが充気状態にある場合、エアフロアの上表面と排水底壁との間に一定の高度差がある。また、調整可能なエアフットレストは、排水空間内に位置し、上表面がエアフロアの上表面と嵌合する。調整可能なエアフットレストは、ユーザの脚部を支持する作用を果たす一方、排水空間を占めて埋めることにより、溜まった水を高い高さに維持することができる。溜まった水の体積が一定である場合、溜まった水の高さが高いほど、ボート内の水とボート外の水との位置エネルギー差が大きくなる。従来の設計は、ボトムの周囲に複数の排水孔を周方向に配置することであり、このような多点配置の方式を使用すると、ボート内の水とボート外の水との位置エネルギー差が小さく、溜まった水が低い箇所にあるとともに、ばらばらになり、大量の溜まった水が自己排水型インフレータブルボートのキャビンの隙間に残り、溜まった水によりボートの喫水深さを増加させ、ボートの機動性を低下させ、これも従来の設計において排水孔を大量に設置することの根本的原因である。
本考案は、排水空間の設計を使用し、エアフロアが取り付けられた底部空間を使用してボトムの大部分の領域を閉鎖し、エアフロアの高さが15cm~18cmであり(カバー領域は、気密ファスナーで閉鎖され、水が溜まらない)、また、水を排水専用空間に収集して集中排水する。排水空間の底部に排水孔を設置して排水を行うことにより、排水効率が大幅に向上し、水の残りが低減され、排水孔の数がさらに減少し、ボトムの流線形が向上する。また、流線形の向上の面では、排水孔の下に排水孔遮蔽プレートを設置することは、排水流量をある程度低減するが、水の逆流を防止することができ、ボトムの流線形の向上に役立つ。本考案の技術手段を使用すると、最も直接的な表現は、ボート内に溜まった水の量が大幅に減少し、ユーザの快適さが大幅に向上することである。
さらに、排水空間の下方にある排水底壁は、前部が高く、後部が低いように傾斜して設置されることにより、溜まった水が排水孔へ集まることにも役立ち、排水効率の向上に有利である。また、排水孔遮蔽プレートの設計は、自己排水型ボートの動作状態に基づくものである。ボトムが前向きに移動する場合、ボトムの下方の流速が高いが、ボトムの上方の溜まった水が相対静止状態にあるため、排水孔遮蔽プレートの両端の圧力差に基づいて、ボトムの上方の溜まった水が一定の量になる場合、排水孔遮蔽プレートの遮蔽可動側が下向きに揺動すれば、ボート内に溜まった水は、排水孔及び排水孔遮蔽プレートを順に通過した後、ボトムの下方から排出することができる。ボトムの上方の溜まった水が一定の程度になった後、排水孔遮蔽プレートの両端の圧力差が等しい場合、排水孔遮蔽プレートは、ボトムの底壁に自動的に密着され、排水を停止することができる。
従来技術に比べて、本考案は、以下の相違点を有する。1)、傾斜面である排水底壁の設計を使用し、ボトム全体が傾斜して設置される。2)、排水空間を設計し、排水孔の位置を再設定し、大部分の領域を閉鎖し、溜まった水の集まり効率及び排出効率が大幅に向上する。3)、本考案は、排水孔遮蔽プレートの構造設計を提供し、排水孔遮蔽プレートは、排水孔の下表面に設置された可撓性バッフル板であり、水が排出できるとともに、逆流が防止でき、排水孔の位置の流線形を向上させ、ユーザの快適さを向上させる。4)、また、調整可能なエアフットレストの構造設計を使用し、ユーザは、足を調整可能なエアフットレストに置き、足元の高さが調整可能な座った姿勢を実現する。
以上より、従来の自己排水型パックラフトに比べて、本考案のボート内に溜まった水の残り量が非常に少なく、水がより完全に排出することができる。また、排水孔の流線形がより良くなる。さらに、構造全体の改善により、ユーザの座った姿勢がより快適になり、ユーザの使用体験を向上させることに役立つ。
ダブルエアフロアの設計
本実施例では、自己排水型ボートは、ダブルの底部空間及び排水空間の設計を使用し、2つのフロアカバープレート及び2つの調整可能なエアフットレストを含む。図面に示すように、自己排水型ボートの前進方向に沿って、排水空間、底部空間、排水空間及び底部空間は、トップサイド内に順に設置される。当該構造において、バウに近接する側のフロアカバープレートとトップサイドとは、1番目の排水空間を形成し、当該構造において、スターンに近接する側のフロアカバープレート、トップサイド及びバウに近接する側のフロアカバープレートは、2番目の排水空間を形成する。2つの調整可能なエアフットレストは、排水空間内に対応して設置される。
他は、実施例1のものと同じである。
以上の記載は、本考案の好ましい実施例に過ぎず、本考案を限定するものではなく、本考案の構想及び原則内に行われた全ての修正、等価置換及び改善などは、いずれも本考案の保護範囲内に含まれる。
11 排水孔遮蔽プレート
12 排水孔
13 エアフロア
14 防水気密ファスナー
15 フロアカバープレート
16 バッフル板(外周を一回り囲む)
17 調整可能なエアフットレスト

Claims (10)

  1. 自己排水型ボートであって、
    トップサイド、ボトム、エアバルブ、調整可能なエアフットレスト、排水孔遮蔽プレート、フロアカバープレート、防水気密ファスナー及びバッフル板を含み、前記エアバルブは複数であり、前記ボトムは、トップサイドに接続され、トップサイドとボトムとは、自己排水型ボートのハルを構成することができ、
    前記トップサイドとボトムは、それぞれ防水気密材で製造され、前記トップサイドは、空気室で構成され、空気室にエアバルブが設置され、エアバルブにより空気室を充気又は放気することができ、
    前記ボトムの上方にエアフロアが設置され、前記フロアカバープレートは、エアフロアの上方に位置し、前記フロアカバープレートのバウに向かう辺は、排水空間内のバッフル板に接続され、前記フロアカバープレートの側辺とトップサイドとは、一体に接続され、前記フロアカバープレート、ボトム及びトップサイドは、エアフロアを配置する底部空間を構成し、前記エアフロアは、底部空間内に位置し、前記エアフロアにエアバルブが設置され、エアバルブによりエアフロアを充気又は放気することができ、前記防水気密ファスナーは、フロアカバープレートに設置され、底部空間を開閉するようにフロアカバープレートに対して開閉可能であり、
    前記バッフル板は、トップサイドの内側に設置され、底端部がボトムに一体に接続され、フロアカバープレートのボトムに接続された側壁は、排水側壁とされ、前記バッフル板の上縁部は、トップサイドに接続され、バッフル板の後向きの上縁部は、フロアカバープレートの前向きの辺に接続され、前記排水側壁とバッフル板とは、開口部が上に向く排水空間を形成し、前記排水空間の底部は、ボトムで構成され、排水底壁とされ、
    前記調整可能なエアフットレストは、排水空間内に設置されるとともに、排水空間に対して取り付けられるか又は取り外され、下表面が前方にあるバッフル板の表面と嵌合して、調整可能なエアフットレストの上表面とエアフロアの上表面がそれぞれユーザの脚部と臀部を支持し、
    自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記排水底壁は、傾斜して設置され、前記排水底壁の前端部の所在する水平面は、排水底壁の後端部の所在する水平面の上方に位置し、
    鉛直方向に沿って、前記排水底壁に複数の排水孔が設置され、自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記排水孔は、排水底壁の後端部に位置し、
    前記排水孔遮蔽プレートは、ボトムの調整可能なエアフットレストから離れた側に設置され、排水孔の上に設置されるとともに、排水孔に対して一方向排水時の遮蔽作用を果たすことができる
    ことを特徴とする自己排水型ボート。
  2. 前記排水孔遮蔽プレートは、可撓性材料で製造される
    請求項1に記載の自己排水型ボート。
  3. 前記ボトムの調整可能なエアフットレストから離れた側にスケグ取付溝が設置され、
    自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記スケグ取付溝は、ボトムの後方に位置する
    請求項1に記載の自己排水型ボート。
  4. スケグ取付溝と嵌合するスケグをさらに含む
    請求項3に記載の自己排水型ボート。
  5. ベルトグリップ、トーイングリング、バックレスト固定ベース及び脚ベルトベースのうちの1種又は複数種をさらに含み、前記ベルトグリップ、トーイングリング、バックレスト固定ベース及び脚ベルトベースはそれぞれ、トップサイドに設置される
    請求項1に記載の自己排水型ボート。
  6. 自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記排水孔は、排水底壁の後端部の凹部に位置する
    請求項1に記載の自己排水型ボート。
  7. 前記排水孔は、3つ~5つであり、
    自己排水型ボートの前進方向は、第1方向とされ、前記排水孔は、第1方向に垂直な方向に均一に分布する
    請求項1に記載の自己排水型ボート。
  8. 前記底部空間と排水空間はそれぞれ、N個であり、前記Nは、自然数であり、N≧1である
    請求項1に記載の自己排水型ボート。
  9. 前記エアフロアと排水空間はそれぞれ、2つであり、
    自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記排水空間、底部空間、排水空間及び底部空間は、トップサイド内に順に設置される
    請求項8に記載の自己排水型ボート。
  10. 前記排水孔遮蔽プレートは、3つの辺がボトムに固定接続され、他の辺がボトムに対して自由に移動可能であり、
    排水孔遮蔽プレートのボトムに固定接続された側は、遮蔽固定側とされ、排水孔遮蔽プレートのボトムに対して自由に移動可能な側は、遮蔽可動側とされ、
    自己排水型ボートの前進方向に沿って、前記遮蔽固定側は、遮蔽可動側の前方に位置する
    請求項1ないし9のいずれかに記載の自己排水型ボート。
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