JP3243974B2 - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

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JP3243974B2
JP3243974B2 JP16731395A JP16731395A JP3243974B2 JP 3243974 B2 JP3243974 B2 JP 3243974B2 JP 16731395 A JP16731395 A JP 16731395A JP 16731395 A JP16731395 A JP 16731395A JP 3243974 B2 JP3243974 B2 JP 3243974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属製のセパレータ
を備えることで小形化された構成とした固体高分子電解
質型燃料電池に係わり、セパレータが備える保持体の部
位において、固体高分子電解質材製の電解質膜が受ける
損傷の発生度を低減する、改良されたその構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は水素と酸素とを利用して直流
電力を発生する一種の発電装置であり、近年、内燃機関
と比較して、排気ガスによる大気汚染度が低いこと、運
転時の発生音が小さいこと等の大きな特徴を持つことか
ら、燃料電池を自動車等の車両の駆動に用いる駆動用電
動機用の車載電源として利用することが考えられるよう
になってきている。燃料電池を車載電源として利用する
際には、電源システムが可能な限り小形であることが望
ましく、このような観点から、各種の方式が有る燃料電
池の内でも固体高分子電解質型燃料電池が注目されるよ
うになってきている。
【0003】こうした特長を持っている固体高分子電解
質型燃料電池の一層の大出力化,小形化などを図るべ
く、改良された構成としたものが同じ出願人より、特願
平6−302561号、特願平6−321138号とし
てすでに出願されている。以下に、前記の改良された構
成を持つ固体高分子電解質型燃料電池の一例を従来例の
固体高分子電解質型燃料電池として説明する。なお、固
体高分子電解質型燃料電池に特有の性質・性能などにつ
いては、特願平6−302561号、特願平6−321
138号中に開示されているところに譲り、ここでの説
明を省略することが有ることを承知いただきたい。
【0004】まず、従来例の固体高分子電解質型燃料電
池が備える単位燃料電池を、図5〜図12を用いて説明
する。ここで、図5は、従来例の固体高分子電解質型燃
料電池が備える単位燃料電池の要部を模式的に示した後
記する図10におけるA−A断面図である。図6は、図
5に示した単位燃料電池の部分断面図で、(a)は後記
する図10におけるB−B断面図であり、(b)は図6
(a)中に示したセパレータの部分断面図である。図7
は、図5に示した単位燃料電池の後記する図10におけ
るC−C断面図であり、図8は、図5に示した単位燃料
電池の後記する図10におけるD−D断面図である。図
9は、図5に示した単位燃料電池が有する燃料電池セル
の斜視図であり、図10は、図5に示した単位燃料電池
が有するセパレータの斜視図であり、図11は、図5に
示した単位燃料電池が有する燃料ガス用のシール体の斜
視図であり、図12は、図5に示した単位燃料電池が有
する酸化剤ガス用のシール体の斜視図である。
【0005】図5〜図12において、5は、燃料電池セ
ル6,セパレータ7,7を用いると共に、燃料ガス用の
シール体8Aと、酸化剤ガス用のシール体8Bとを備え
る単位燃料電池(以降、単電池と略称することが有
る。)である。燃料電池セル6は、シート状とされた,
公知のパーフルオロスルホン酸樹脂膜(例えば、米国の
デュポン社製、商品名ナフィオン膜)などの固体高分子
電解質材製の電解質膜(以降、PE膜と略称することが
ある。)6Cと、シート状の燃料電極膜(アノード極で
もある。)6Aと、酸化剤電極膜(カソード極でもあ
る。)6Bとで構成されている。電極膜6A,6Bは矩
形状をなしており、その寸法は図9中に電極膜6Bにつ
いて示したようにW×HE である。PE膜6Cは、0.
1〔mm〕程度の厚さ寸法と、電極膜6A,6Bの面方
向の外形寸法よりも大きい面方向の外形寸法とを持つも
のであり、従って、電極膜6A,6Bの周辺部には、P
E膜6Cの端面との間にPE膜6Cの露出面が存在する
ことになる。
【0006】燃料電極膜6Aは、PE膜6Cの一方の主
面に密接されて積層されて、燃料ガス(例えば、水素あ
るいは水素を高濃度に含んだガスである。)の供給を受
ける電極膜である。また,酸化剤電極膜6Bは、PE膜
6Cの他方の主面に密接されて積層されて、酸化剤ガス
(例えば、空気である。)の供給を受ける電極膜であ
る。燃料電極膜6Aの外側面が,燃料電池セル6の一方
の側面6aであり、酸化剤電極膜6Bの外側面が,燃料
電池セル6の他方の側面6bである。燃料電極膜6Aお
よび酸化剤電極膜6Bは共に、触媒活物質を含む触媒層
と電極基材とを備えて構成されており、前記の触媒層側
でPE膜6Cの両主面にホットプレスにより密着させる
のが一般である。電極基材は、触媒層を支持すると共に
反応ガス(以降、燃料ガスと酸化剤ガスを総称してこの
ように言うことがある。)の供給および排出に寄与し,
集電体としての機能を有する多孔質のシート(使用材料
としては、例えば、カーボンペーパーが用いられる。)
である。
【0007】燃料電極膜6A,酸化剤電極膜6Bに反応
ガスが供給されると、それぞれの電極膜6A,6Bに備
えられた触媒層と、PE膜6Cとの界面に、気相(燃料
ガスまたは酸化剤ガス)・液相(固体高分子電解質)・
固相(燃料電極膜,酸化剤電極膜が持つ触媒)の三相界
面が形成され、公知のごとく、電気化学反応を生じさせ
ることで直流電力が発生されるのである。
【0008】PE膜6Cは、その露出面に、燃料ガス通
流用の貫通穴61,酸化剤ガス通流用の貫通穴62,熱
媒通流用の貫通穴63とからなる貫通穴群が、この事例
の場合には2群形成されている。これ等の貫通穴群は、
図9中に詳示したように、寸法Wを持つ電極膜6A,6
Bの1対の辺に平行させて、しかも、互いに対称関係と
なる位置に形成されている。一方の貫通穴群は、反応ガ
スを電極膜6A,6Bに供給する等のために用いられ、
他方の貫通穴群は、電極膜6A,6Bを通過した反応ガ
スを燃料電池セル6から排出する等のために用いられ
る。なお、それぞれの貫通穴群においては、貫通穴6
1,62,63は、図9中に詳示したように、PE膜6
Cの寸法W方向の中心線に対して面対称位置に形成され
ている。
【0009】セパレータ7は、不動態膜が大気によって
容易に生成される性質を備える金属(例えば、ステンレ
ス鋼,チタン合金等である。)の薄板材を用いて、例え
ばプレス加工によって、図5〜図8,図10に示したよ
うに形成したものである。すなわち、セパレータ7は、
溝部である中央部領域71と、平板状部である,一方の
マニホールド領域72、他方のマニホールド領域73お
よび周辺部領域74とを備えている。
【0010】中央部領域71は、燃料電池セル6が持つ
電極膜6A,6Bと対向する部位に位置し、電極膜6
A,6Bの持つ外形と同一の、W×HE の領域の寸法
(図10を参照)を持っている。中央部領域71には、
セパレータ7の素材が寸法Wの方向に連続する波板状に
成形されることで、波形溝711が形成されている。波
形溝711によって、その一方の側面側にガス通流用の
溝711aが、その他方の側面側に熱媒通流用の溝71
1bとが、互いに表裏となる関係で形成されている(図
6を参照)。この波形溝711の高さ寸法が、そのま
ま、セパレータ7の厚さ方向寸法(図6中にT1Bとして
示した。)になっている。溝711aが形成されている
部位の波形溝711のPE膜6Cと接する面である、ガ
ス通流側の最高突出高さ寸法(図6中にT11B として示
した。)となる頂部71aと、溝711bが形成されて
いる部位の熱媒通流側の最高の突出高さ寸法(図6中に
12B として示した。)となる頂部71bとには、それ
ぞれ、この部位に存在する不動態膜を除去した後、金,
銀等の貴金属の層79〔図6(b)中に一点鎖線で示し
た。〕が、例えば、電気メッキ層として形成されてい
る。
【0011】一方のマニホールド領域72は、この事例
の場合には、反応ガスが流入される側の中央部領域71
の端部に隣接されて、平板状に形成されており、矩形状
をなしたW×HM の領域の寸法(図10を参照)を持っ
ている。マニホールド領域72の反応ガスが通流される
側の側面には、後記するシール体8A,8Bの主要部の
厚さ寸法T13B と同一値である、高さ寸法T13B (図7
を参照)を持つ保持体721が、寸法Wの方向のほぼ全
幅にわたり図10中に示すごとくに配列されて、例えば
プレス加工によって、一体に形成されている。互いに隣
接する保持体721の相互間に形成される空間が、この
部位における反応ガスの通流路である。保持体721の
列は、2列形成されているが、第1列目の保持体721
の列に形成されている反応ガスの通流路の中心位置が、
第2列目の保持体721の列に形成されている保持体7
21の中心位置とが合致する関係で、それぞれの保持体
721の列が形成されている。そうして、第1列目の保
持体721の内の、反応ガスの流れに関して後記する連
通溝付きの貫通穴821,842と対向する部位に在る
保持体721については、保持体721の中心位置がこ
れら貫通穴821,842の持つ連通溝の中心位置とほ
ぼ合致する関係で形成されている。なお、保持体721
の高さ寸法T13B は、ガス通流側の最高突出高さ寸法T
11B と電極膜6A,6Bの厚さ寸法とのほぼ和となる値
に設定されている。
【0012】さらに、マニホールド領域72の熱媒が通
流される側の側面には、高さ寸法T 12B (図7を参照)
を持つ保持体722が、それぞれの保持体721の列に
形成されている保持体721の、互いに隣接する保持体
721の中間となる位置に、寸法Wの方向のほぼ全幅に
わたり配列されて、例えばプレス加工によって、一体に
形成されている。互いに隣接する保持体722の相互間
に形成される空間が、この部位における後記する熱媒9
9の通流路である。保持体722の列は、2列形成され
ているが、セパレータ7に対する反応ガス等の入口側に
近い第1列目においては、保持体722の列に形成され
ている熱媒99の通流路の中心位置が、第2列目の保持
体722の列に形成されている保持体722の中心位置
とが合致する関係で、それぞれの保持体722の列が形
成されている。そうして、第1列目の保持体722の内
の、熱媒の流れに関して後記する連通溝付きの貫通穴9
13と対向する部位に在る保持体722については、保
持体722の中心位置が貫通穴913が備える連通溝の
中心位置とがほぼ合致する関係で形成されている。
【0013】他方のマニホールド領域73は、この事例
の場合には、反応ガスが排出される側の中央部領域71
の端部に隣接されて、平板状に形成されており、マニホ
ールド領域72と同一の矩形状をなしたW×HM の領域
の寸法を持っている。マニホールド領域73にも、マニ
ホールド領域72と同一の、保持体721,722が形
成されているが、その詳細な説明は重複を避ける意味で
省略する。なお、マニホールド領域73における反応ガ
ス等の入口側に近い第1列目の保持体721,722の
列においては、マニホールド領域72における反応ガス
等の入口側に近い第1列目の保持体721,722の列
と、同一の位置関係で形成されていることを付言してお
く。
【0014】周辺部領域74は、中央部領域71,一方
のマニホールド領域72および他方のマニホールド領域
73の周囲に、それぞれのマニホールド領域72,73
と連続した同一平面をなす平板状に形成されており、そ
の外形は、燃料電池セル6の外形とほぼ同一に設定され
ている。周辺部領域74の、マニホールド領域72,7
3のそれぞれと隣接される部位には、図10中に詳示し
たように、燃料ガス通流用の貫通穴741,酸化剤ガス
通流用の貫通穴742,熱媒通流用の貫通穴743とか
らなる貫通穴群が、この事例の場合には2群形成されて
いる。これ等の貫通穴群に含まれる貫通穴は、PE膜6
Cに形成されている、貫通穴61,62,63のそれぞ
れと対向させて形成されている。そうして、それぞれの
貫通穴741,742のマニホールド領域72,73側
に隣接する部位の、反応ガスが通流される側の側面に
は、それぞれ高さ寸法T14B を持つ保持体744(図8
を参照)と、保持体745とが、例えばプレス加工によ
って一体に形成されている。
【0015】なお、保持体744,745が持つ高さ寸
法T14B は、この事例の場合には後記する理由により、
保持体721が持つ高さ寸法T13B に対して、僅かに大
きい値に設定されている。また、貫通穴743のマニホ
ールド領域72,73側に隣接する部位の、熱媒99が
通流される側の側面には、高さ寸法T12B を持つ保持体
746が、例えばプレス加工によって一体に形成されて
いる。なお、保持体744の中心位置は貫通穴741の
中心位置と、保持体745の中心位置は貫通穴742の
中心位置と、また、保持体746の中心位置は貫通穴7
43中心位置と、それぞれほぼ合致させて形成されてい
る。
【0016】燃料ガス用のシール体8Aは、反応ガス・
熱媒が、所定の通流路外に漏れ出るのを防止すると共
に、反応ガス・熱媒の通流路,および燃料ガスを燃料ガ
スの通流路から燃料電極膜6Aに供給する流路を提供す
ることが主な役目である。シール体8Aは、弾性材を用
いて薄板状に製作され、その外形をセパレータ7の外形
とほぼ同一に設定され、その主要部の厚さは、寸法T
13B に設定されている。シール体8Aは、図11に示す
ように、セパレータ7の中央部領域71,マニホールド
領域72,73とよりなる領域に対向する部位に、貫通
穴領域81が形成されている。この貫通穴領域81は、
矩形状をなしたW×HO の領域の寸法(図10,図11
を参照)を持っている。シール体8Aの、貫通穴領域8
1の周辺をなしている周辺部領域82には、セパレータ
7に形成されている貫通穴741,742,743と対
向させて、それぞれ、燃料ガス通流用の連通溝付きの貫
通穴821,酸化剤ガス通流用の貫通穴822,熱媒通
流用の貫通穴823とからなる貫通穴群が、この事例の
場合には図11中に示すように2群形成されている。そ
れぞれの貫通穴821には、貫通穴領域81の一方のマ
ニホールド領域72に対向する部位と、また、貫通穴領
域81の他方のマニホールド領域73に対向する部位と
の間を連通する連通溝が、図11中に示すように備えら
れている。
【0017】酸化剤ガス用のシール体8Bは、反応ガス
・熱媒が、所定の通流路外に漏れ出るのを防止すると共
に、反応ガス・熱媒の通流路,および酸化剤ガスを酸化
剤ガスの通流路から酸化剤電極膜6Bに供給する流路を
提供することが主な役目である。シール体8Bは、弾性
材を用いて薄板状に製作され、その外形をセパレータ7
の外形とほぼ同一に設定され、その主要部の厚さは、寸
法T13B に設定されている。シール体8Bは、図12に
示すように、シール体8Aと同様に、矩形状をなした領
域寸法W×HO (図10,図12を参照)を持つ貫通穴
領域83が形成されている。シール体8Bの、貫通穴領
域83の周辺をなしている周辺部領域84には、セパレ
ータ7に形成されている貫通穴741,742,743
と対向させて、それぞれ、燃料ガス通流用の貫通穴84
1,酸化剤ガス通流用の連通溝付きの貫通穴842,熱
媒通流用の貫通穴843とからなる貫通穴群が、この事
例の場合には図12中に示すように2群形成されてい
る。それぞれの貫通穴842には、貫通穴領域83の一
方のマニホールド領域72に対向する部位と、また、貫
通穴領域83の他方のマニホールド領域73に対向する
部位との間を連通する連通溝が、図12中に示すように
備えられている。
【0018】単電池5は、燃料電池セル6と、燃料電池
セル6の燃料電極膜6A側のPE膜6Cの露出面にシー
ル体8Aを、燃料電池セル6の酸化剤電極膜6B側のP
E膜6Cの露出面にシール体8Bを、また、シール体8
Aの外側から一方のセパレータ7をその頂部71aを電
極膜6Aの側面6aに接触させて、さらに、シール体8
Bの外側から他方のセパレータ7を、その頂部71aを
電極膜6Bの側面6bに接触させて、それぞれ重ね合わ
されて組み立てられる。
【0019】その際、それぞれが持つ燃料ガス通流用の
貫通穴61,821,841,741は互いに連通さ
れ、燃料ガスの通流路を形成する。燃料ガスは、貫通穴
821に備えられた連通溝を通流して、燃料電極膜6A
に供給され、かつ排出される。また、それぞれが持つ酸
化剤ガス通流用の貫通穴62,822,842,742
は互いに連通され、酸化剤ガスの通流路を形成する。酸
化剤ガスは、貫通穴842に備えられた連通溝を通流し
て、酸化剤電極膜6Bに供給され、かつ排出される。さ
らに、それぞれが持つ熱媒通流用の貫通穴63,82
3,843,743は互いに連通されて、熱媒99の通
流路を形成する。
【0020】単電池5の持つ前記の構成により、一対の
セパレータ7が持つそれぞれのマニホールド領域72,
73に対向する部位のPE膜6Cの露出面は、それぞれ
のセパレータ7が持つ保持体721,722のPE膜6
Cと接する面である頂部(保持体721の場合は721
aである。)によって、その両側面を挟むようにして保
持されることになる。また、一対のセパレータ7が持つ
それぞれの周辺部領域74に対向する部位のPE膜6C
の露出面は、シール体8A,8Bと接触している部位に
ついてはシール体8A,8Bによって、また、シール体
8A,8Bの連通溝付きの貫通穴821,842による
連通溝と対向する部位については、それぞれのセパレー
タ7が持つ保持体744,745のPE膜6Cと接する
面である頂部(保持体744の場合は744aであ
る。)によって保持されることになる。これらによっ
て、この部位のPE膜6Cは、燃料ガスと酸化剤ガスの
それぞれのガス圧に大きな差が発生したような異常時に
おいても、所定の位置に保持されるのである。
【0021】ただし、保持体744,745の中心間隔
寸法,保持幅寸法(保持体721,722,744,7
45の、この部位での反応ガスの通流方向に対して垂直
となる方向の幅寸法。)と、保持体721,722の中
心間隔寸法,保持幅寸法とを比較すると、中心間隔長さ
については保持体744,745の方が長く、保持幅寸
法に関しては、保持体744,745の方が短くならざ
るをえないものである(図10参照)。このために、こ
れらの保持体によってPE膜6Cが保持される保持間隔
寸法(ほぼ、中心間隔寸法−保持幅寸法である。)は、
保持体744,745で保持される部位の方が長くな
る。このために、燃料ガスと酸化剤ガスとの差圧などに
対応してPE膜6Cを所定の位置に保持するためには、
保持体744,745においては、保持体721,72
2よりも強い力でPE膜6Cを加圧することが必要とな
るのである。このことが、保持体744,745の高さ
寸法T14B を、保持体721,722の高さ寸法T13B
よりも大きい値に設定した理由である。
【0022】ところで、1個の燃料電池セル6が発生す
る電圧は、公知のごとく、1〔V〕程度以下と低い値で
あるので、前記した構成を持つ単電池6の複数個(数十
個から数百個であることが多い。)を、燃料電池セル6
の発生電圧が互いに直列接続されるように積層した単位
燃料電池の積層体として構成し、電圧を高めて実用に供
されるのが一般である。
【0023】図13は、従来例の固体高分子電解質型燃
料電池の要部を模式的に示したその側面図であり、図1
4は、図13中に示した熱媒用のシール体の斜視図であ
る。図15は、図13に示した固体高分子電解質型燃料
電池の互いに隣接する単位燃料電池間の構成を説明する
側面断面図であり、図16は、図13に示した固体高分
子電解質型燃料電池の互いに隣接する単位燃料電池間の
構成を説明する部分断面図である。図17は、図13に
おけるQ部の詳細図である。図13〜図17において、
図5〜図12に示した従来例の単位燃料電池5と同一部
分には同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、図
13〜図17には、図5〜図12で付した符号について
は、代表的な符号のみを記した。
【0024】図13〜図17において、9は、複数の単
電池5と、熱媒用のシール体91と、単電池5で発生し
た直流電力を取り出すための,銅材等の導電材製の集電
板92,92と、単電池5,集電板92を構造体から電
気的に絶縁するための電気絶縁材製の電気絶縁板93,
93と、両電気絶縁板93の両外側面に配設される鉄材
等の金属製の加圧板94,95と、複数の締付けボルト
96とを備えた、固体高分子電解質型燃料電池(スタッ
ク)である。
【0025】シール体91は、反応ガス・熱媒が、所定
の通流路外に漏れ出るのを防止すると共に、反応ガス・
熱媒の通流路,および熱媒99を熱媒の通流路から熱媒
通流用の溝711bに供給する流路を提供することが主
な役目である。シール体91は、弾性材を用いて薄板状
に製作され、その外形をセパレータ7の外形とほぼ同一
に設定され、その主要部の厚さは、寸法T12B に設定さ
れている。シール体91は、図14に示すように、セパ
レータ7の中央部領域71,マニホールド領域72,7
3とよりなる領域に対向する部位に貫通穴領域91Bが
形成されている。この貫通穴領域91Bは、矩形状をな
したW×HO の領域の寸法(図10,図14を参照)を
持っている。
【0026】シール体91の、貫通穴領域91Bの周辺
をなしている周辺部領域91Aには、セパレータ7に形
成されている貫通穴741,742,743と対向させ
て、それぞれ、燃料ガス通流用の貫通穴911,酸化剤
ガス通流用の貫通穴912,熱媒通流用の連通溝付きの
貫通穴913とからなる貫通穴群が、この事例の場合に
は図14中に示すように2群形成されている。それぞれ
の貫通穴913には、貫通穴領域91Bの一方のマニホ
ールド領域72に対向する部位、また、貫通穴領域91
Bの他方のマニホールド領域73に対向する部位との間
を連通する連通溝が、図14中に示すように備えられて
いる。
【0027】スタック9においては、単電池5には、単
電池5が備えるそれぞれのセパレータ7に形成された周
辺部領域74の熱媒99が通流される側に、シール体9
1を介挿し、互いに隣接する単電池5が備えるセパレー
タ7と、その頂部71bを互いに接触させ、それぞれ重
ね合わされて単電池5の積層体が構成される(図15,
図16を参照)。
【0028】スタック9は、単電池5の積層体の両端部
に、単電池5で発生した直流電力をスタック9から取り
出すための集電板92,92と、単電池5、集電板92
を構造体から電気的に絶縁するための電気絶縁板93
と、両電気絶縁板93の両外側面に配設される加圧板9
4,95とを順次積層し、加圧板94,95にその両外
側面側から複数の締付けボルト96により適度の加圧力
を与えるようにして構成されている。この締付けボルト
96は、加圧板94,95に跨がって装着される六角ボ
ルト等であり、それぞれの締付けボルト96は、これ等
と嵌め合わされる六角ナット等と、安定した加圧力を与
えるための皿ばね等と協同して、単電池5をその積層方
向に加圧する。この締付けボルト96が単電池5を加圧
する加圧力は、燃料電池セル6の見掛けの表面積あたり
で、5〔kg/cm2〕内外程度であるのが一般である。
【0029】そうして、加圧板94,95のスタック9
の外側面となる側面には、それぞれの熱媒用の貫通穴に
対向させて、熱媒用の配管接続体98が装着されてい
る。また、電気絶縁板93,93の両側面の貫通穴の開
口部、および、加圧板94,95の配管接続体98が装
着される側面の,貫通穴の開口部のそれぞれには、貫通
穴を取り巻いて、凹形状の溝が形成されている。それぞ
れの溝には、熱媒99がこれ等の部位から冷却部外に漏
れ出るのを防止する役目を負う図示しない弾性材製のシ
ール体(例えば、Oリングである。)が装着されてい
る。
【0030】このように構成されたスタック9において
は、単電池の積層体の両端部に位置する単電池5が備え
るセパレータ7の頂部71bは、集電板92の側面と接
触されるように構成されている(図17を参照)。その
際、それぞれの単電池5が持つ反応ガス,熱媒の通流路
は、シール体91に形成されている貫通穴911,91
2,913によって互いに連通され、スタック9として
の反応ガス,熱媒の通流路を完成させている。そうし
て、熱媒99は、図13,図17に示す(図17中で
は、二点鎖線で示す。)ごとく、まず、加圧板94に装
着された熱媒の入口側の配管接続体98(図17中での
図示は省略した。)からスタック9に流入する。スタッ
ク9に流入した熱媒99は、セパレータ7の一方のマニ
ホールド領域72に隣接して設けられた貫通穴743
と、この貫通穴743に連通している前記の諸貫通穴を
介してスタック9内を通流する。
【0031】そうして、それぞれのシール体91が持つ
貫通穴913に備えられた連通溝において分路され、そ
れぞれの単電池5が持つセパレータ7に形成されている
波形溝711の他方の側面側の、熱媒通流用の溝711
b中を通流して、スタック9の発電運転時には、それぞ
れの単電池5,従って,燃料電池セル6を冷却する。そ
れぞれの単電池5を冷却することで温度が上昇した熱媒
99は、セパレータ7の他方のマニホールド領域73に
隣接して設けられた貫通穴743と、この貫通穴743
に連通している前記の諸貫通穴を介して順次合流され、
加圧板95に装着された熱媒の出口側の配管接続体98
からスタック9の外部に排出される。入口側および出口
側の配管接続体98の設置個数は、それぞれ、セパレー
タ7の一方のマニホールド領域72に隣接して設けられ
た貫通穴743の個数と、セパレータ7の他方のマニホ
ールド領域73に隣接して設けられた貫通穴743の個
数と同一である。従って、熱媒99は、貫通穴743の
個数による並列数を持つ並列流路によって、スタック9
内を通流することになる。
【0032】また、反応ガスのスタック9内における通
流の様子は、熱媒99の場合と基本的には同一である。
そうして、燃料電池セル6に供給される反応ガスは、そ
れぞれのガス通流路中を、図13(a)中に矢印で示し
たごとく、その供給側を重力方向に対して上側に、その
排出側を重力方向に対して下側になるように配置される
のが一般である。これは、燃料電池セル6においては、
公知のごとく発電時の副生物として水蒸気が生成される
のであるが、この水蒸気のために、下流側の反応ガスほ
ど多量に水蒸気が含有されることとなり、この結果、排
出端付近の反応ガスでは過飽和に相当する水蒸気が凝結
して液体状態の水として存在することとなる可能性が有
るためである。反応ガスの供給側を重力方向に対して上
側に,反応ガスの排出側を重力方向に対して下側になる
ように配置することで、凝結した水は、反応ガス通流路
中を重力により自力で流下できるので、それぞれの単位
燃料電池装置6からの凝結した水の除去が容易になるの
である。なお、燃料電池セル6に使用されているPE膜
6Cは、公知のごとくに飽和に含水させることにより良
好なプロトン導電性電解質として機能する膜であるの
で、反応ガスは、適度の値の湿度状態に調整されてスタ
ック9に供給されている。
【0033】ところで、燃料電池セル6で行われる電気
化学反応は、公知のごとく発熱反応である。従って、燃
料電池セル6で電気化学反応によって発電を行う際に
は、発生される直流電力値とほぼ同等値の熱が発生する
ことも避けられないものである。この損失による熱を除
去するためにスタック9に供給されるのが、例えば、市
水である熱媒99である。単電池5では、この熱媒99
が、通流路中を前述したように通流することで、燃料電
池セル6は、セパレータ7,7を介して冷却されるので
ある。また、燃料電池セル6は、公知のごとく、その発
電を行うに際しては、50〔℃〕程度を越える温度条件
に保つことが必要なものである。このために、スタック
9の起動時には、まだ常温の燃料電池セル6を昇温する
必要が有り、この役目を果たすのも熱媒99なのであ
る。スタック9では、熱媒99が外部から供給されるこ
とで、燃料電池セル6の温度を、50〔℃〕から100
〔℃〕程度の好ましい温度条件にして運転されるのが一
般である。
【0034】図5〜図17に示した固体高分子電解質型
燃料電池(スタック)9は前述の構成を備えているの
で、まず、スタック9は、それぞれの反応ガスおよび熱
媒に関して、互いに並列する複数の通流路が備えられて
いることになる。このことにより、それぞれの単電池5
に対して、この複数の通流路から反応ガスおよび熱媒を
供給することが可能であり、このことは、大面積の単電
池5においては、供給圧力値を低減することが容易にな
るという利点が得られている。
【0035】また、セパレータ7は、そのガス通流用の
溝711aと熱媒通流用の溝711bとを、波板状の波
形溝711の表裏をなす両側面に形成したので、ガス通
流用の溝711aの側壁と、熱媒通流用の溝711bの
側壁との間の厚さ寸法は、薄板の厚さ寸法とほぼ同等で
あり、従って、全ての溝711aと溝711bにおい
て、両溝の側壁間の厚さ寸法は同一である。これにより
セパレータ7では、反応ガスと熱媒との間の熱伝達に影
響を与える熱伝導抵抗の主要因となる,両溝の側壁間の
厚さ寸法を極めて短いものにすることができて、燃料電
池セル6に対する熱媒99の熱交換能を向上させること
ができている。またこの構成とすることにより、セパレ
ータ7では、波形溝711が、燃料電池セル6が持つ電
極膜6A,6Bに対向する領域のほぼ全面にわたり形成
されることになるので、熱媒99により、燃料電池セル
6の均一な加熱・冷却が容易になるのである。
【0036】その上に、全ての溝711aと溝711b
において、両溝の側壁間の厚さ寸法は同一であるので、
セパレータ7の厚さ方向の寸法(図6中にT1Bとして示
した。)を薄くすることが可能となる。これによって、
スタック9の単電池5の積層方向の長さ寸法を短縮する
ことができている。また、セパレータ7は、ステンレス
鋼,チタン合金等の不動態膜が大気によって容易に生成
される性質を備える金属材を用いて形成することによっ
て、セパレータ7の層79を除く表面には、必ず不動態
膜が存在することになる。このことによって、発電時に
副生された水蒸気が凝結したものである生成水が、イオ
ン化されることによる問題の発生を防止することができ
ている。そうして、セパレータ7が金属製化できること
によって、機械的に強固なものとなり、大面積のセパレ
ータであっても、その厚さ寸法を大きくすることなく製
作することができている。
【0037】また、セパレータ7は、波形溝711の頂
部71a,71bに、この部位に存在する不動態膜を除
去した後、金,銀等の貴金属の層79が形成されている
ことによって、この部分のの電気接触抵抗値および熱接
触抵抗値を、小さい値に保持することができている。こ
のことによって、不動態膜が大気によって容易に生成さ
れる性質を備える金属材を用いて製作しながらも、長期
信頼性の高いスタック9を得ることができている。
【0038】また、セパレータ7は、マニホールド領域
72,73に保持体721を備えるようにしているの
で、燃料電池セル6が持つPE膜6Cの露出面は、その
両側から保持体721によって保持される。これによっ
て、両反応ガス間に過大な差圧が生じた異常な運転状態
の場合の,PE膜6Cの破損の発生度などを低減するこ
とができている。
【0039】また、セパレータ7は、マニホールド領域
72,73に保持体722を備えるようにしているの
で、互いに隣接して配置されるセパレータ7は、波形溝
711の頂部71bと共に、保持体722の頂部の部位
でも、互いに接合されるので、互いに接合される接合点
の面積が拡大されることになる。これにより、スタック
9において締付けボルト96により単電池5に与えられ
る加圧力を、より広い接合点の面積で分担することが可
能となり、単電池5に生じる応力を低減することができ
ている。
【0040】また、セパレータ7が備える保持体72
1,722は、その第1列目の保持体の列に形成されて
いる反応ガスの通流路の中心位置が、連通溝付きの貫通
穴821,842,913と対向する部位に在る保持体
721,722については、保持体721,722の中
心位置がこれ等に対応する前記の貫通穴がそれぞれに持
つ連通溝の中心位置とがほぼ合致する関係で形成されて
いる。
【0041】保持体721と連通溝付きの貫通穴821
との場合を例にとると、貫通穴821が持つ連通溝から
マニホールド領域72に流入した燃料ガスは、まず、保
持体721に衝突する。これにより、流入した燃料ガス
が持つ動圧が減殺される。動圧が減殺されることによ
り、波形溝711が持つ多数のガス通流用の溝711a
中をそれぞれ通流する燃料ガスの流量は、流入した燃料
ガスが持つ静圧値によって定まることになるのでほぼ均
等となる。これによって、燃料電池セル6が備える燃料
電極膜6Aには燃料ガスが均等に供給され、その全面に
おいてほぼ均等な発電反応を行うことができている。
【0042】以上のことは、酸化剤ガスにおける連通溝
付きの貫通穴821と保持体721、および、熱媒99
における連通溝付きの貫通穴913と保持体722につ
いても同様である。また、セパレータ7においては、保
持体721,722は、反応ガス,熱媒の通流方向に、
通流路の位置を変えて2列設けられている。これは、前
記した動圧を減殺する作用をさらに高めようとするもの
である。
【0043】また、セパレータ7においては、マニホー
ルド領域72とマニホールド領域73にそれぞれ保持体
721,722を備え、しかも、マニホールド領域72
の第2列目の保持体721,722と、マニホールド領
域73の第1列目の保持体721,722とは、通流路
の位置を変えて設けられている。これも、前記した動圧
を減殺する作用を一層高めようとするものである。
【0044】さらにまた、金属薄板材を用いたセパレー
タを持つ単電池の従来例として、前記の単電池5以外
に、前述の特願平6−302561号、特願平6−32
1138号には、例えば、燃料電池セルと同一の外形を
持つ部分に、その外周を囲む皿状をした保持部が一体に
形成されているセパレータを持つ単電池などが開示され
ているが、ここでの説明は省略する。
【0045】なお、セパレータ7が持つ保持体721,
722、および、保持体744,745,746は、セ
パレータ7とは別個に製作しても差し支えないものであ
るが、セパレータ7に一体に形成することによって、ス
タック9全体としての部品点数を低減することが可能と
なるとの利点が得られるものである。しかしながら、セ
パレータ7と一体に形成することによって不都合が生じ
る場合等には、別個に製作しても差し支えないことは勿
論のことである。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る固体高分子電解質型燃料電池(スタック)において
は、金属薄板材製のセパレータを用いることなどによっ
て、燃料電池セルの大面積化,スタックの小形化などを
実現することができているが、なお次記するような問題
点が存在している。すなわち、従来技術による単位燃料
電池(単電池)が備える金属薄板材製のセパレータにお
いては、前述した事例の場合では、保持体721,72
2,744,745を備えており、これらの保持体の頂
部によって、燃料電池セル6を構成している固体高分子
電解質材製の電解質膜(PE膜)6Cの露出面を、PE
膜6Cの両面を挟むようにして保持している。これによ
って、両反応ガス間に過大な差圧が生じた場合などにお
ける、PE膜6Cの破損,PE膜6Cに形成された反応
ガス通流用の貫通穴を介しての両反応ガスの混触(燃料
電池においては、一般にクロスリークと呼ばれているの
で、以降ではクロスリークと言うことにする。)などの
発生の防止、あるいは、締付けボルト96の加圧力によ
り単電池5に生じる応力値の低減を図ることができてい
る。
【0047】しかしながら、前述した事例の単電池5で
は、反応ガスが通流される連通溝付きの貫通穴821,
842のそれぞれが持つ連通溝部と対向する部位に形成
されている保持体744,745に関しては、前記のご
とく、その高さ寸法T14B を保持体721,722の高
さ寸法T13B よりも大きい値に設定して、保持体72
1,722によって保持される部位よりも強い力でPE
膜6Cを加圧できるようにしている。ところがこのこと
によって、予想外に大きな値の応力がPE膜6Cに働く
ことが分かってきた。すなわち、保持体744,745
の高さ寸法T14Bは、保持体744,745が製作され
る際の加工精度によってはその値が大きくなり、これが
主原因となって大きな値の応力がPE膜6Cに働くので
ある。
【0048】PE膜6Cは、公知のごとく、その素材と
しての性質は、軟質のプラスチック材と同様であるの
で、大きな値の応力が加え続けられと、この応力値が小
さくなる方向に変形をする。この結果、保持体744,
745の頂部によって加圧される部位のPE膜6Cに貫
通穴が発生し、この貫通穴を介してのクロスリークが発
生することが起こり得るのである。また、これを避ける
ために、高さ寸法T14Bの製作誤差を小さく抑えようと
すると、保持体744,745やセパレータ7全体を高
い寸法精度で加工を行うことが必要になることで、その
製造原価が高価になるのである。
【0049】この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑
みなされたものであり、その目的は、保持体を介して加
圧される部位においても、固体高分子電解質材製の電解
質膜に加わる応力値を低減することが可能な固体高分子
電解質型燃料電池を提供することにある。
【0050】
【課題を解決するための手段】この発明では前述の目的
は、 1)複数の単位燃料電池を互いに積層した単位燃料電池
の積層体と、この積層体の両端の部位のそれぞれに配置
され,それぞれの単位燃料電池をその積層方向に加圧す
る加圧力を与える加圧板とを備え、単位燃料電池は、燃
料電池セルと、燃料ガス用および酸化剤ガス用のセパレ
ータと、燃料ガス用および酸化剤ガス用のシール体とを
有し、燃料電池セルは、シート状の固体高分子電解質材
製の電解質膜と、この電解質膜の両主面のそれぞれに,
その周縁部分に露出面を残して接合されたシート状の燃
料電極膜およびシート状の酸化剤電極膜とを持ち、燃料
ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて直流電力を発生す
るものであり、セパレータは、金属材で形成され、電解
質膜の露出面とほぼ同形に形成された平板状部と、燃料
電池セルのいずれかの電極膜と対向する部位に,いずれ
かの前記のガスを通流させるガス通流用の溝と,燃料電
池セルで発生した熱を除去するなどの役目を果たす熱媒
を通流させる熱媒通流用の溝とが,互いに表裏となる関
係で波板状に形成された溝部とを持ち、平板状部には、
前記の両ガスをそれぞれに通流させる貫通穴が形成され
ており、波板状をなす溝部の頂部を燃料電池セルのいず
れかの主面に接触させて配置されるものであり、シール
体は、平板状の弾性材により燃料ガスと酸化剤ガスとの
混触を防止できるように形成され、前記の両ガスをそれ
ぞれに通流させる貫通穴と、この貫通穴の内の一方のガ
スを通流させる各貫通穴と,セパレータのガス通流用の
溝との間を連通する連通溝とを持ち、前記の露出面とセ
パレータとの間に介挿されるものであり、セパレータの
平板状部は、電解質膜の露出面と対向する部位に保持体
を備え、この保持体は、いずれかのガスを通流させる流
路を形成するための複数の突起体を有し、この突起体
は、前記の溝部のいずれかのガス通流用の溝の最高突出
高さ寸法と、前記の燃料電極膜または酸化剤電極膜の厚
さ寸法との和とほぼ同等の高さ寸法を持つものである、
固体高分子電解質型燃料電池において、セパレータが備
える保持体は、前記の電解質膜と接する側に、応力緩和
用の構造体を備える構成とすること、または、 2)前記1項に記載の手段において、保持体が備える応
力緩和用の構造体は、平板状の部材である構成とするこ
と、または、 3)前記1項に記載の手段において、セパレータが備え
る保持体は、セパレータとは別個の部材として形成さ
れ、平板状部と、この平板状部の一方の面側に形成さ
れ,燃料ガスまたは酸化剤ガスのいずれかを通流させる
流路を形成するための複数の突起体とを備え、前記の平
板状部を応力緩和用の構造体として用いる構成とするこ
と、さらにまたは、 4)前記3項に記載の手段において、保持体が備える突
起体は、燃料ガスまたは酸化剤ガスのいずれかが通流さ
れる方向に対し、断続させて形成されてなる構成とする
こと、により達成される。
【0051】
【作用】この発明においては、固体高分子電解質型燃料
電池において、 (1)セパレータが備える保持体を、前記の電解質膜と
接する側に、例えば、平板状の部材である、応力緩和用
の構造体を備える構成とすることにより、保持体を介し
て加圧される部位の固体高分子電解質材製の電解質膜
(PE膜)の露出面に加えられる応力の値は、PE膜と
接触し合う面積が、前記の構造体の存在によって増大さ
れることによって低減される。これにより、保持体を介
して加圧される部位のPE膜に貫通穴が発生する度合い
を低減することが可能となるのである。
【0052】(2)セパレータが備える保持体を、セパ
レータとは別個の部材として形成され、平板状部と、こ
の平板状部の一方の面側に形成され,燃料ガスまたは酸
化剤ガスのいずれかを通流させる流路を形成するための
複数の突起体とを備え、前記の平板状部を応力緩和用の
構造体として用いる構成とすることにより、保持体の平
板状部が、前記の(1)項における平板状の部材と同一
の作用を発揮するので、前記の(1)項の作用を得るに
当たり、平板状の部材を不要とすることができる。
【0053】(3)前記の(2)項において、保持体が
備える突起体を、燃料ガスまたは酸化剤ガスのいずれか
が通流される方向に対し、断続させて形成されてなる構
成とすることにより、平板状部の一方の面側に形成され
た突起体が、筒状をなす場合であっても、PE膜と接触
する平板状部の面積の減少度を抑制することが可能とな
る。
【0054】
【実施例】以下この発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 実施例1;図1は、請求項1,2に対応するこの発明の
一実施例による固体高分子電解質型燃料電池が備える単
位燃料電池の要部を模式的に示した前記の図5と同等部
位の断面図であり、図2は、(a)は図1におけるE−
E断面図であり、(b)は図1におけるセパレータの要
部とその周辺部のR矢視図である。図1,図2におい
て、図5〜図12に示した従来例による固体高分子電解
質型燃料電池が備える単位燃料電池と同一部分には同じ
符号を付し、その説明を省略する。なお、図1,図2中
には、図5〜図12で付した符号については、代表的な
符号のみを記した。
【0055】図1,図2において、1は、図5に示した
従来例による固体高分子電解質型燃料電池が備える単位
燃料電池(単電池)に対して、セパレータ7に替えてセ
パレータ2を用いるようにした単電池である。セパレー
タ2は、図5中に示した従来例の単電池5が備えるセパ
レータ7に対して、この発明の特徴的な構成として、そ
れぞれの保持体744,745の頂部に応力緩和用の構
造体である平板体21を備えている。
【0056】平板体21は、例えば、保持体744,7
45と同一種類の金属材を用いて製作され、保持体74
4,745の頂部に、溶接などを用いて固着されてい
る。そうして、セパレータ2の保持体744,745部
分の平板体21を含む高さ寸法は、図1中に示したごと
く、従来例のセパレータ7の場合と同一のT14B に設定
されている。
【0057】図1,図2に示す実施例では前述の構成と
したので、保持体744,745を介して加圧される固
体高分子電解質材製の電解質膜(PE膜)6Cの露出面
と接触し合う部位は、単電池1では平板体21となる。
この平板体21が直接にPE膜6Cの露出面と接触し合
い、PE膜6Cの露出面をその両面から支持する。これ
により、PE膜6Cの露出面と平板体21とが接触し合
う面積値は、保持体744,745の頂部が直接にPE
膜6Cの露出面に接触される従来例の場合よりも増大さ
れる。
【0058】ところで、接触された外部の物体によって
加圧される部位に発生する応力の値は、周知のごとく接
触面積値に逆比例する関係の値であるので、保持体74
4,745の頂部よりも広い面積を持つ平板体21によ
って加圧されるPE膜6Cの露出面に加えられる応力の
値は、従来例の場合よりも低減されるのである。この結
果、この部位のPE膜6Cに貫通穴が発生するというこ
とは解消されるのである。また、このことによって、高
さ寸法T14B の値が多少増大したとしても、この部位に
加えられる応力値を、PE膜6Cに貫通穴を発生させな
い限界値以下に抑制することが可能となるのである。
【0059】実施例2;図3は、請求項1,3に対応す
るこの発明の一実施例による固体高分子電解質型燃料電
池が備える単位燃料電池の要部を模式的に示した図で、
(a)は前記の図5と同等部位の断面図であり、(b)
は図3(a)におけるU部詳細図であり、(c)は図3
(a)におけるF−F断面図であり、(d)は図3
(a)における保持体の要部とその周辺部のS矢視図で
ある。図3において、図5〜図12に示した従来例によ
る固体高分子電解質型燃料電池が備える単位燃料電池と
同一部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。な
お、図3中には、図5〜図12で付した符号について
は、代表的な符号のみを記した。
【0060】図3において、3は、図5に示した従来例
による固体高分子電解質型燃料電池が備える単電池に対
して、セパレータ7に替えてセパレータ2Aを用いるよ
うにすると共に、保持体4を用いるようにした単電池で
ある。セパレータ2Aは、図5中に示した従来例の単電
池5が備えるセパレータ7に対して、それぞれの保持体
744,745を形成しないようにしたセパレータであ
る。したがって、セパレータ2Aは、従来例のセパレー
タ7の保持体744,745が形成されていた部位は、
平板状となっている。
【0061】保持体4は、セパレータ2Aとは別個に、
例えば、セパレータ2Aに使用されているものと同一の
金属材の薄板材を用いて、例えばプレス加工によって、
図3中に示したように形成したものである。保持体4
は、平板状をした平板状部41と、この平板状部41の
一方の面側にのみ形成された、それぞれが有底の筒状と
した複数の突起体42とで構成されている。複数の突起
体42は、これらの突起体42の相互間に、いずれかの
反応ガスを通流させる流路が形成されるように配置され
ている。
【0062】この保持体4の高さ寸法と、保持体4が装
着される部位のセパレータ2Aの厚さ寸法との和である
総高さ寸法は、図3中に示したごとく、従来例のセパレ
ータ7の場合と同一のT14B に設定されている。そうし
て、この保持体4は、平板状部41の、突起体42が形
成された一方の面側とは反対側の面で、PE膜6Cの露
出面と接触し合うようにして、単電池3に組み込まれる
のである。なお、この保持体4は、単電池3に組み込ま
れる前に、例えば突起体42でセパレータ2Aに固着さ
れるようにしてもよいものである。
【0063】図3に示す実施例では前述の構成としたの
で、保持体4の平板状部41が、実施例1による単電池
1が持つ平板体21と同一の作用を発揮する部材であ
り、応力緩和用の構造体であることになる。したがっ
て、単電池3では、単電池1が持つ作用・効果を、平板
状の部材を準備すること無しに得ることができるのであ
る。
【0064】実施例3;図4は、請求項1,3,4に対
応するこの発明の一実施例による固体高分子電解質型燃
料電池が備える単位燃料電池の要部を模式的に示した図
で、(a)は前記の図5と同等部位の断面図であり、
(b)は図4(a)におけるV部詳細図であり、(c)
は図4(a)におけるG−G断面図であり、(d)は図
4(a)における保持体の要部とその周辺部のT矢視図
である。図4において、図3に示した請求項1,3に対
応するこの発明の一実施例による固体高分子電解質型燃
料電池が備える単位燃料電池、および、図5〜図12に
示した従来例による固体高分子電解質型燃料電池が備え
る単位燃料電池と同一部分には同じ符号を付し、その説
明を省略する。なお、図4中には、図5〜図12で付し
た符号については、代表的な符号のみを記した。
【0065】図4において、3Aは、図3に示したこの
発明による固体高分子電解質型燃料電池が備える単電池
に対して、保持体4に替えて保持体4Aを用いるように
した単電池である。保持体4Aは、平板状をした平板状
部41と、この平板状部41の一方の面側にのみ形成さ
れた、それぞれが有底の筒状とした複数の突起体43と
で構成されている。複数の突起体43は、この実施例の
特徴的な構成として、これらの突起体43の相互間に、
いずれかの反応ガスを通流させる流路が形成されるよう
にすると共に、反応ガスの通流方向に沿う方向にも間隔
が設けられるようにして、図4中に示したごとく碁盤目
状に配置されている。
【0066】図4に示す実施例では前述の構成としたの
で、保持体4Aの平板状部41が、PE膜6Cの露出面
と接触し合う面積値を、図3に示した保持体4の場合よ
りも増大することが可能となる。この結果、平板状部4
1によって加圧されるPE膜6Cの露出面に加えられる
応力の値を、保持体4の場合よりも低減することが可能
となる。
【0067】実施例3における今までの説明では、保持
体4Aが備える突起体43は碁盤目状に配置されている
としてきたが、これに限定されるものではなく、例え
ば、千鳥状に配置されてもよいものである。また、実施
例2,3における今までの説明では、保持体4,4Aが
備える突起体42,43は有底の筒状であるとしてきた
が、これに限定されるものではなく、例えば、中実状で
あってもよいものである。これによって、平板状部41
が、PE膜6Cの露出面と接触し合う面積値を、さらに
増大することが可能となる。
【0068】さらにまた、実施例1〜3における今まで
の説明では、応力緩和用の構造体は、保持体744,7
45が配置されていた部位にのみ備えられるとしてきた
が、これに限定されるものではなく、保持体721,7
22などの他の保持体が配置されている部位に備えられ
てもよいものである。応力緩和用の構造体を保持体72
1,722などにも備えることによって、保持体によっ
て加圧される部位におけるPE膜6Cに発生する応力値
を低減することが可能となり、固体高分子電解質型燃料
電池の信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0069】なお、実施例1〜実施例3の説明の中では
触れてこなかったが、実施例1〜実施例3などによって
得られるこの発明によるいずれの単電池も、図13に示
した従来例の単電池5の場合と同様な方法によって積層
されて、スタックを構成することは勿論のことである。
【0070】
【発明の効果】この発明においては、前記の課題を解決
するための手段の項で述べた構成とすることにより、次
記する効果を奏する。 保持体を介して加圧されるPE膜の露出面と接触し合
う加圧面の面積値が増大されるので、保持体を介して加
圧される部位においても、PE膜に加わる応力値を低減
することが可能となる。これにより、クロスリークの発
生を抑制することが可能になると共に、保持体部分を主
体に、その寸法精度を緩和することが可能となるので、
固体高分子電解質型燃料電池の製造原価を低減すること
が可能となる。また、 前記の課題を解決するための手段の項の、3項または
4項に記載した構成とすることにより、平板状の部材を
準備すること無しに前記の項による効果を得ることが
できるので、固体高分子電解質型燃料電池の製造原価を
一層低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2に対応するこの発明の一実施例に
よる固体高分子電解質型燃料電池が備える単位燃料電池
の要部を模式的に示した後記の図5と同等部位の断面図
【図2】(a)は図1におけるE−E断面図、(b)は
図1におけるセパレータの要部とその周辺部のR矢視図
【図3】請求項1,3に対応するこの発明の一実施例に
よる固体高分子電解質型燃料電池が備える単位燃料電池
の要部を模式的に示した図で、(a)は後記の図5と同
等部位の断面図、(b)は図3(a)におけるU部詳細
図、(c)は図3(a)におけるF−F断面図、(d)
は図3(a)における保持体の要部とその周辺部のS矢
視図
【図4】請求項1,3,4に対応するこの発明の一実施
例による固体高分子電解質型燃料電池が備える単位燃料
電池の要部を模式的に示した図で、(a)は後記の図5
と同等部位の断面図、(b)は図4(a)におけるV部
詳細図、(c)は図4(a)におけるG−G断面図、
(d)は図4(a)における保持体の要部とその周辺部
のT矢視図
【図5】従来例の固体高分子電解質型燃料電池が備える
単位燃料電池の要部を模式的に示した後記する図10に
おけるA−A断面図
【図6】図5に示した単位燃料電池の部分断面図で、
(a)は後記する図10におけるB−B断面図、(b)
は図6(a)中に示したセパレータの部分断面図
【図7】図5に示した単位燃料電池の後記する図10に
おけるC−C断面図
【図8】図5に示した単位燃料電池の後記する図10に
おけるD−D断面図
【図9】図5に示した単位燃料電池が有する燃料電池セ
ルの斜視図
【図10】図5に示した単位燃料電池が有するセパレー
タの斜視図
【図11】図5に示した単位燃料電池が有する燃料ガス
用のシール体の斜視図
【図12】図5に示した単位燃料電池が有する酸化剤ガ
ス用のシール体の斜視図
【図13】従来例の固体高分子電解質型燃料電池の要部
を模式的に示したその側面図
【図14】図13中に示した熱媒用のシール体の斜視図
【図15】図13に示した固体高分子電解質型燃料電池
の互いに隣接する単位燃料電池間の構成を説明する側面
断面図
【図16】図13に示した固体高分子電解質型燃料電池
の互いに隣接する単位燃料電池間の構成を説明する部分
断面図
【図17】図13におけるQ部の詳細図
【符号の説明】
1 単位燃料電池(単電池) 2 セパレータ 21 平板体 744 保持体 T14B 高さ寸法

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の単位燃料電池を互いに積層した単位
    燃料電池の積層体と、この積層体の両端の部位のそれぞ
    れに配置され,それぞれの単位燃料電池をその積層方向
    に加圧する加圧力を与える加圧板とを備え、 単位燃料電池は、燃料電池セルと、燃料ガス用および酸
    化剤ガス用のセパレータと、燃料ガス用および酸化剤ガ
    ス用のシール体とを有し、 燃料電池セルは、シート状の固体高分子電解質材製の電
    解質膜と、この電解質膜の両主面のそれぞれに,その周
    縁部分に露出面を残して接合されたシート状の燃料電極
    膜およびシート状の酸化剤電極膜とを持ち、燃料ガスお
    よび酸化剤ガスの供給を受けて直流電力を発生するもの
    であり、 セパレータは、金属材で形成され、電解質膜の露出面と
    ほぼ同形に形成された平板状部と、燃料電池セルのいず
    れかの電極膜と対向する部位に,いずれかの前記のガス
    を通流させるガス通流用の溝と,燃料電池セルで発生し
    た熱を除去するなどの役目を果たす熱媒を通流させる熱
    媒通流用の溝とが,互いに表裏となる関係で波板状に形
    成された溝部とを持ち、平板状部には、前記の両ガスを
    それぞれに通流させる貫通穴が形成されており、波板状
    をなす溝部の頂部を燃料電池セルのいずれかの主面に接
    触させて配置されるものであり、 シール体は、平板状の弾性材により燃料ガスと酸化剤ガ
    スとの混触を防止できるように形成され、前記の両ガス
    をそれぞれに通流させる貫通穴と、この貫通穴の内の一
    方のガスを通流させる各貫通穴と,セパレータのガス通
    流用の溝との間を連通する連通溝とを持ち、前記の露出
    面とセパレータとの間に介挿されるものであり、 セパレータの平板状部は、電解質膜の露出面と対向する
    部位に保持体を備え、この保持体は、いずれかのガスを
    通流させる流路を形成するための複数の突起体を有し、
    この突起体は、前記の溝部のいずれかのガス通流用の溝
    の最高突出高さ寸法と、前記の燃料電極膜または酸化剤
    電極膜の厚さ寸法との和とほぼ同等の高さ寸法を持つも
    のである、固体高分子電解質型燃料電池において、 セパレータが備える保持体は、前記の電解質膜と接する
    側に、応力緩和用の構造体を備えることを特徴とする固
    体高分子電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料
    電池において、 保持体が備える応力緩和用の構造体は、平板状の部材で
    あることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料
    電池において、 セパレータが備える保持体は、セパレータとは別個の部
    材として形成され、平板状部と、この平板状部の一方の
    面側に形成され,燃料ガスまたは酸化剤ガスのいずれか
    を通流させる流路を形成するための複数の突起体とを備
    え、前記の平板状部を応力緩和用の構造体として用いる
    ことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の固体高分子電解質型燃料
    電池において、 保持体が備える突起体は、燃料ガスまたは酸化剤ガスの
    いずれかが通流される方向に対し、断続させて形成され
    てなることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
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