JP3243491B2 - 排水処理装置 - Google Patents
排水処理装置Info
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- JP3243491B2 JP3243491B2 JP26534196A JP26534196A JP3243491B2 JP 3243491 B2 JP3243491 B2 JP 3243491B2 JP 26534196 A JP26534196 A JP 26534196A JP 26534196 A JP26534196 A JP 26534196A JP 3243491 B2 JP3243491 B2 JP 3243491B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的反応
(電解)により、排水中の特定の成分、とりわけ難分解
性有機化合物(例えば水酸基、ニトロ基、ハロゲン基等
を置換基に有する芳香族化合物やアゾ系を始めとする染
料など、生物化学的にも物理化学的にも分解されにくい
性質を有する物質)を分解処理する装置に関する。
(電解)により、排水中の特定の成分、とりわけ難分解
性有機化合物(例えば水酸基、ニトロ基、ハロゲン基等
を置換基に有する芳香族化合物やアゾ系を始めとする染
料など、生物化学的にも物理化学的にも分解されにくい
性質を有する物質)を分解処理する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の産業活動から排出される排水を処
理するための従来より知られているプロセスとしては、
例えば『4訂 公害防止の技術と法規 水質編』131
頁(通商産業省公害立地局監修、(社)産業公害防止協
会発行 1993年)によれば、大きく分けて生物化学
的処理、固液分離、熱処理、物理化学的処理の4種類が
ある。これら各種処理法は排水の種類と処理目的に応じ
て最適のプロセスを選択することが重要であるが、特定
の種類の排水、例えば難分解性有機化合物を含む排水に
対して適用できる従来から既知の方法は、極めて限られ
ている。ここで難分解性有機化合物とは、例えば有機合
成化学工場等から排出されるフェノール類やニトロ及び
ハロゲン化芳香族化合物、染色工場等から排出される合
成染料などをいい、これらの化合物は生物分解性がほと
んどないため活性汚泥法などの生物化学的処理に適さ
ず、凝集沈澱法などの固液分離法でも一部の疎水性化合
物が汚泥に移行するのみで分解されず、その処理は極め
て困難であった。
理するための従来より知られているプロセスとしては、
例えば『4訂 公害防止の技術と法規 水質編』131
頁(通商産業省公害立地局監修、(社)産業公害防止協
会発行 1993年)によれば、大きく分けて生物化学
的処理、固液分離、熱処理、物理化学的処理の4種類が
ある。これら各種処理法は排水の種類と処理目的に応じ
て最適のプロセスを選択することが重要であるが、特定
の種類の排水、例えば難分解性有機化合物を含む排水に
対して適用できる従来から既知の方法は、極めて限られ
ている。ここで難分解性有機化合物とは、例えば有機合
成化学工場等から排出されるフェノール類やニトロ及び
ハロゲン化芳香族化合物、染色工場等から排出される合
成染料などをいい、これらの化合物は生物分解性がほと
んどないため活性汚泥法などの生物化学的処理に適さ
ず、凝集沈澱法などの固液分離法でも一部の疎水性化合
物が汚泥に移行するのみで分解されず、その処理は極め
て困難であった。
【0003】上記の難分解性有機化合物の処理法として
既知の限られた方法の1つに、熱処理法に分類される湿
式酸化法がある。本法はしかし、高濃度の排水でなけれ
ば効率が悪く、かつ処理に当たって大量のエネルギーを
必要とすること、また装置の腐食の問題から設備費が高
いといった欠点があった(例えば、今村成一郎、水処理
技術、24巻93頁、1983年発行)。また吸着法
や、オゾンやフェントン試薬を用いる化学的酸化法は物
理化学的処理法に属する方法として知られているが、い
ずれも吸着剤や酸化剤の費用が高く、処理装置の運転費
用が高価になる短所があった。
既知の限られた方法の1つに、熱処理法に分類される湿
式酸化法がある。本法はしかし、高濃度の排水でなけれ
ば効率が悪く、かつ処理に当たって大量のエネルギーを
必要とすること、また装置の腐食の問題から設備費が高
いといった欠点があった(例えば、今村成一郎、水処理
技術、24巻93頁、1983年発行)。また吸着法
や、オゾンやフェントン試薬を用いる化学的酸化法は物
理化学的処理法に属する方法として知られているが、い
ずれも吸着剤や酸化剤の費用が高く、処理装置の運転費
用が高価になる短所があった。
【0004】前項で述べた物理化学的処理法に分類され
る方法の1つに電解酸化処理法が知られており、難分解
性有機化合物を含む排水の処理法としては前項の問題点
に答えることのできる方法である(例えば、東義昭・上
田直隆、水、34巻(No1)24頁、1992年発
行)。
る方法の1つに電解酸化処理法が知られており、難分解
性有機化合物を含む排水の処理法としては前項の問題点
に答えることのできる方法である(例えば、東義昭・上
田直隆、水、34巻(No1)24頁、1992年発
行)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、電解酸化
処理法は難分解性有機化合物を含む排水の処理の際、要
する費用が低廉でかつ処理効率の優れた方法として知ら
れる。ところが本法では電解の際、酸化剤として働く次
亜塩素酸発生を兼ねて、電解液に電導性を与えるための
電解質として塩化ナトリウムが添加される。そのため、
排水処理の過程において有機化合物の塩素化反応が副生
して起こり、より有害な有機塩素化合物が生ずる場合が
ある。これらの化合物のいくつかは水質汚濁防止法に基
づく排水基準で排出が規制されているほか、発ガン性の
可能性が指摘されている物質が含まれているため、この
ような有機塩素化合物を発生させない電解酸化処理法が
求められている。
処理法は難分解性有機化合物を含む排水の処理の際、要
する費用が低廉でかつ処理効率の優れた方法として知ら
れる。ところが本法では電解の際、酸化剤として働く次
亜塩素酸発生を兼ねて、電解液に電導性を与えるための
電解質として塩化ナトリウムが添加される。そのため、
排水処理の過程において有機化合物の塩素化反応が副生
して起こり、より有害な有機塩素化合物が生ずる場合が
ある。これらの化合物のいくつかは水質汚濁防止法に基
づく排水基準で排出が規制されているほか、発ガン性の
可能性が指摘されている物質が含まれているため、この
ような有機塩素化合物を発生させない電解酸化処理法が
求められている。
【0006】さらに電解酸化処理法においては、電極単
位面積当たりに流せる電流、すなわち電流密度の許容値
によって、一定面積の電極を用いたときの時間当たりの
電解酸化処理能力が規定される。すなわち、電極に許容
できる電流密度の大きいほど時間当たりに電解酸化処理
できる排水の量を大きくすることができる。逆に許容で
きる電流密度が小さい場合、同じ量の排水を同一時間で
処理するためには電極面積を大きくする必要があり、処
理装置の大型化が避けられなくなる。従来からの、塩化
ナトリウムを溶解させた電解液を用いる電解法ではこの
電流密度値が余り大きくできないため、例えば電極表面
を粗面化することで見かけの電極単位面積当たりの電流
値を増大させることが試みられてきた。そのためには電
極の一部に、表面微細孔を有する木炭を充填するなどの
方法が取られることがあるが、炭素系材料は電解酸化の
条件に対して弱く、激しい崩壊・消耗が起こって実用上
問題があった。
位面積当たりに流せる電流、すなわち電流密度の許容値
によって、一定面積の電極を用いたときの時間当たりの
電解酸化処理能力が規定される。すなわち、電極に許容
できる電流密度の大きいほど時間当たりに電解酸化処理
できる排水の量を大きくすることができる。逆に許容で
きる電流密度が小さい場合、同じ量の排水を同一時間で
処理するためには電極面積を大きくする必要があり、処
理装置の大型化が避けられなくなる。従来からの、塩化
ナトリウムを溶解させた電解液を用いる電解法ではこの
電流密度値が余り大きくできないため、例えば電極表面
を粗面化することで見かけの電極単位面積当たりの電流
値を増大させることが試みられてきた。そのためには電
極の一部に、表面微細孔を有する木炭を充填するなどの
方法が取られることがあるが、炭素系材料は電解酸化の
条件に対して弱く、激しい崩壊・消耗が起こって実用上
問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ナトリウ
ムのような水溶性の電解質に代えて、固体高分子電解質
を用いることで有機塩素化合物の発生を防ぎ、かつこの
固体高分子電解質に酸素過電圧の高い材料からなる陽
極、及び陰極を直接取り付けた装置によって電解におい
て許容できる電流密度値を大きくすることを可能とする
ものである。これにより本発明は上記の2つの課題を同
時に解決する装置および方法を提供する。
ムのような水溶性の電解質に代えて、固体高分子電解質
を用いることで有機塩素化合物の発生を防ぎ、かつこの
固体高分子電解質に酸素過電圧の高い材料からなる陽
極、及び陰極を直接取り付けた装置によって電解におい
て許容できる電流密度値を大きくすることを可能とする
ものである。これにより本発明は上記の2つの課題を同
時に解決する装置および方法を提供する。
【0008】項1. 電解に使用する電解質として固体
高分子電解質を用い、これに陽極及び陰極を直接取り付
けた構造を有することを特徴とする排水処理装置。
高分子電解質を用い、これに陽極及び陰極を直接取り付
けた構造を有することを特徴とする排水処理装置。
【0009】項2. 固体高分子電解質が、フッ素樹脂
系の骨格を有する高分子にスルホン酸基、カルボン酸基
などの解離基を導入したイオン交換体である項1記載の
排水処理装置。
系の骨格を有する高分子にスルホン酸基、カルボン酸基
などの解離基を導入したイオン交換体である項1記載の
排水処理装置。
【0010】項3. 難分解性有機化合物を含む排水を
項1又は2に記載の排水処理装置で処理することを特徴
とする排水処理方法。
項1又は2に記載の排水処理装置で処理することを特徴
とする排水処理方法。
【0011】項4. 難分解性有機化合物が染料である
項3に記載の排水処理方法。
項3に記載の排水処理方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、電解により排水
処理を行うための装置を構成する電極、すなわち陽極と
陰極の材料としては、それぞれ次のようなものを例示で
きる。
処理を行うための装置を構成する電極、すなわち陽極と
陰極の材料としては、それぞれ次のようなものを例示で
きる。
【0013】まず、陽極材料であるが、陽極においては
水の電気分解から生ずる酸素ガスの発生反応と有機化合
物の酸化反応との競争が生ずるため、できるだけ酸素の
発生を抑制することが肝要であり、そのためには酸素過
電圧のできるだけ高い材料が適する。特に好ましい材料
としてはPbO2、SnO2、MnO2、PdO、Fe3O
4などを例示できる。また、これらの材料はそれ自体で
用いられるのみならず、例えばチタン繊維焼結体、貴金
属基板、炭素系多孔体、フッ素樹脂からなる成形体な
ど、別の基材の上に被覆または分散させて使用してもよ
い。またこれらの高酸素過電圧材料にアンチモンなどの
ドーピング用元素を少量添加して電気抵抗を低減したも
のを用いてもよい。
水の電気分解から生ずる酸素ガスの発生反応と有機化合
物の酸化反応との競争が生ずるため、できるだけ酸素の
発生を抑制することが肝要であり、そのためには酸素過
電圧のできるだけ高い材料が適する。特に好ましい材料
としてはPbO2、SnO2、MnO2、PdO、Fe3O
4などを例示できる。また、これらの材料はそれ自体で
用いられるのみならず、例えばチタン繊維焼結体、貴金
属基板、炭素系多孔体、フッ素樹脂からなる成形体な
ど、別の基材の上に被覆または分散させて使用してもよ
い。またこれらの高酸素過電圧材料にアンチモンなどの
ドーピング用元素を少量添加して電気抵抗を低減したも
のを用いてもよい。
【0014】陰極材料としては、陰極反応が水の電気分
解による水素ガスの発生反応のみであることから、固体
高分子電解質を用いる水電解法において使用されるもの
と同様の常套のものを用いることができる。例えば、
『電気化学便覧 第4版』278頁(1985年 丸善
(株)発行)に記載のものを参照できる。
解による水素ガスの発生反応のみであることから、固体
高分子電解質を用いる水電解法において使用されるもの
と同様の常套のものを用いることができる。例えば、
『電気化学便覧 第4版』278頁(1985年 丸善
(株)発行)に記載のものを参照できる。
【0015】具体的な陰極材料としては、例えばPt
(白金)、Pt−Pd(白金−パラジウム)などが好適
なものとして挙げられる。これらの材料の使用態様とし
ては、カーボンブラックなど比表面積の大きな炭素系材
料の上へ微粒子状に析出させたのちフッ素系高分子樹脂
等の結着剤を用いてシート状に成形したもの、あるいは
化学メッキ法により固体高分子電解質の上に直接微粒子
を析出させて固定化したものなどを例示できる。
(白金)、Pt−Pd(白金−パラジウム)などが好適
なものとして挙げられる。これらの材料の使用態様とし
ては、カーボンブラックなど比表面積の大きな炭素系材
料の上へ微粒子状に析出させたのちフッ素系高分子樹脂
等の結着剤を用いてシート状に成形したもの、あるいは
化学メッキ法により固体高分子電解質の上に直接微粒子
を析出させて固定化したものなどを例示できる。
【0016】本発明の排水処理装置で電解を行う際の電
流密度は、陽極・陰極材料、固体高分子電解質の種類等
により異なり特に限定されないが、通常最大0.5Ac
m-2程度まで通電することができる。また電解に必要な
直流加電圧は通常3.5V程度である。電解は通常定電
流条件で行うが、過大電流に対する保護回路等があれば
定電圧条件で行うことも可能である。
流密度は、陽極・陰極材料、固体高分子電解質の種類等
により異なり特に限定されないが、通常最大0.5Ac
m-2程度まで通電することができる。また電解に必要な
直流加電圧は通常3.5V程度である。電解は通常定電
流条件で行うが、過大電流に対する保護回路等があれば
定電圧条件で行うことも可能である。
【0017】本発明において、「固体高分子電解質を用
い、これに陽極及び陰極を直接取り付けた構造」とは、
例えば以下のような構造が例示される。
い、これに陽極及び陰極を直接取り付けた構造」とは、
例えば以下のような構造が例示される。
【0018】すなわち、膜状の固体高分子電解質の片面
に上述の陽極を、またもう一方の面に陰極を直接取り付
ける。この場合、それぞれの電極材料はホットプレス法
または化学メッキ法を用いて固体高分子電解質上に薄膜
として固定化してもよく、あるいは既述のように別の基
材を用いて薄板状に成形した電極を用意し、固体高分子
電解質に直接押し当てたのち外側から締め付けて密着さ
せる方法などを適用できる。さらに、これらの電極に電
流を供給するための給電体(例えばグラファイトなどの
電導性材料から成り、多孔質薄板、メッシュなどに加工
して通気性及び通液性を確保した部材)を固体高分子電
解質に接していない方の面から押し当てる。このように
積層したものを、フランジ状の容器、すなわち電極ハウ
ジングに収容・固定し、ボルトで締め付けることにより
電解に使用するセルを構成することができる。このセル
内に固定されている、固体高分子電解質に陽極及び陰極
を直接取り付けたものが電解作用を行う部分であり、処
理されるべき排水は陽極側ハウジング内へ溝切り加工を
施すことなどにより設けられた陽極室に直接導入して電
解酸化処理を受ける。
に上述の陽極を、またもう一方の面に陰極を直接取り付
ける。この場合、それぞれの電極材料はホットプレス法
または化学メッキ法を用いて固体高分子電解質上に薄膜
として固定化してもよく、あるいは既述のように別の基
材を用いて薄板状に成形した電極を用意し、固体高分子
電解質に直接押し当てたのち外側から締め付けて密着さ
せる方法などを適用できる。さらに、これらの電極に電
流を供給するための給電体(例えばグラファイトなどの
電導性材料から成り、多孔質薄板、メッシュなどに加工
して通気性及び通液性を確保した部材)を固体高分子電
解質に接していない方の面から押し当てる。このように
積層したものを、フランジ状の容器、すなわち電極ハウ
ジングに収容・固定し、ボルトで締め付けることにより
電解に使用するセルを構成することができる。このセル
内に固定されている、固体高分子電解質に陽極及び陰極
を直接取り付けたものが電解作用を行う部分であり、処
理されるべき排水は陽極側ハウジング内へ溝切り加工を
施すことなどにより設けられた陽極室に直接導入して電
解酸化処理を受ける。
【0019】以上のような構造が本発明の排水処理装置
を特徴づける構造の一例であるが、当業者であれば上記
の記載から適宜設計変更を行い、本発明の特徴を有する
適切な構造の排水処理装置を製造することができ、その
ような変更された装置も本発明の範囲内である。
を特徴づける構造の一例であるが、当業者であれば上記
の記載から適宜設計変更を行い、本発明の特徴を有する
適切な構造の排水処理装置を製造することができ、その
ような変更された装置も本発明の範囲内である。
【0020】従来の技術における塩化ナトリウムなどの
電解質の代わりに本発明において使用する固体高分子電
解質とは、通常フッ素樹脂系の骨格を有する高分子にス
ルホン酸基、カルボン酸基などの解離基を導入したイオ
ン交換体のことをいう。使用に好ましいものの一例とし
て米国イー・アイ・デュポン・ド・ヌムール社の登録商
標であるナフィオンのうち”117”と称する品番のも
のを例示できるが、これに限定されず、同様の特性を得
られるものであれば、ナフィオンの他の品番のもの、あ
るいは他社より供給される固体高分子電解質を適宜用い
ることができる。
電解質の代わりに本発明において使用する固体高分子電
解質とは、通常フッ素樹脂系の骨格を有する高分子にス
ルホン酸基、カルボン酸基などの解離基を導入したイオ
ン交換体のことをいう。使用に好ましいものの一例とし
て米国イー・アイ・デュポン・ド・ヌムール社の登録商
標であるナフィオンのうち”117”と称する品番のも
のを例示できるが、これに限定されず、同様の特性を得
られるものであれば、ナフィオンの他の品番のもの、あ
るいは他社より供給される固体高分子電解質を適宜用い
ることができる。
【0021】
【作用】本発明において、排水中の成分としては難分解
性有機化合物を主たる処理対象とするが、これに限定さ
れず、含有成分としてそれ以外の成分、例えば易分解性
有機化合物が共存してもよく、もちろん易分解性有機化
合物のみからなる排水をも処理対象とすることは可能で
ある。
性有機化合物を主たる処理対象とするが、これに限定さ
れず、含有成分としてそれ以外の成分、例えば易分解性
有機化合物が共存してもよく、もちろん易分解性有機化
合物のみからなる排水をも処理対象とすることは可能で
ある。
【0022】次に、これらの有機化合物の分解の様式
を、難分解性有機化合物の1つである、アゾ系染料に属
するアマランスを例に取り説明する。アマランスはスル
ホン酸基及び水酸基で置換された2つのナフタレン環が
発色基であるアゾ基で結合した化学構造を有する。電解
酸化処理によりアゾ基は開裂され、またナフタレン環は
何段階かの反応を経て低級脂肪酸または低級二塩基酸と
なり、一部は無機炭酸にまで酸化される。これらの反応
により、もとの染料が示す赤色の着色は脱色され、かつ
通常の生物化学的処理法では分解が極めて困難なナフタ
レン環も分解処理される。
を、難分解性有機化合物の1つである、アゾ系染料に属
するアマランスを例に取り説明する。アマランスはスル
ホン酸基及び水酸基で置換された2つのナフタレン環が
発色基であるアゾ基で結合した化学構造を有する。電解
酸化処理によりアゾ基は開裂され、またナフタレン環は
何段階かの反応を経て低級脂肪酸または低級二塩基酸と
なり、一部は無機炭酸にまで酸化される。これらの反応
により、もとの染料が示す赤色の着色は脱色され、かつ
通常の生物化学的処理法では分解が極めて困難なナフタ
レン環も分解処理される。
【0023】このような分解反応は陽極が示す酸化作用
によってもたらされるが、既に述べた通り、高酸素過電
圧材料からなる陽極を用いることによって酸素ガス発生
反応を抑制しつつ有機化合物の酸化反応を優先的に進行
させることができる。
によってもたらされるが、既に述べた通り、高酸素過電
圧材料からなる陽極を用いることによって酸素ガス発生
反応を抑制しつつ有機化合物の酸化反応を優先的に進行
させることができる。
【0024】以上のような陽極における電解酸化反応を
進行させるためには、陽極・陰極間に流れる電流を運ぶ
役割をする電解質が必要である。本発明においては、固
体高分子電解質中の移動できる水素イオンが電荷を運ぶ
役割を果たす。従って従来技術の場合のごとく塩化ナト
リウムを添加する必要が全くないため、望ましくない副
反応である有機物の塩素化反応が起きて有機塩素化合物
を発生させる心配がないという利点を有する。
進行させるためには、陽極・陰極間に流れる電流を運ぶ
役割をする電解質が必要である。本発明においては、固
体高分子電解質中の移動できる水素イオンが電荷を運ぶ
役割を果たす。従って従来技術の場合のごとく塩化ナト
リウムを添加する必要が全くないため、望ましくない副
反応である有機物の塩素化反応が起きて有機塩素化合物
を発生させる心配がないという利点を有する。
【0025】また本発明においては、固体高分子電解質
を用いる水電解法の場合に知られているのと同様、固体
高分子電解質を用いない従来法に比べて電極間の内部抵
抗が小さくなるため、許容できる電流密度を大きくでき
る。そのため、同一の処理能力の装置を作製する場合、
電極面積が小さくて済むことから、装置を小型化できる
という第2の利点を有する。
を用いる水電解法の場合に知られているのと同様、固体
高分子電解質を用いない従来法に比べて電極間の内部抵
抗が小さくなるため、許容できる電流密度を大きくでき
る。そのため、同一の処理能力の装置を作製する場合、
電極面積が小さくて済むことから、装置を小型化できる
という第2の利点を有する。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例について詳細に説明す
る。なお、本実施例では陽極材料としてPbO2を、ま
た固体高分子電解質としてナフィオン(登録商標)11
7を用いているが、特にこれに限定されない。
る。なお、本実施例では陽極材料としてPbO2を、ま
た固体高分子電解質としてナフィオン(登録商標)11
7を用いているが、特にこれに限定されない。
【0027】本実施例の装置のうち、電極を収容する部
分すなわち電解セルの構成の詳細を図1に示した。この
電解セルは陽極側ハウジング1および陰極側ハウジング
2とも純チタン金属製で、最大部直径80mmである。
1、2においてそれぞれ内側になる面3、4に深さ2m
m、幅1.5mmの溝切り加工を施し、処理されるべき
排水が電極と接しながら通過するための流路を設けた。
処理されるべき排水は細管7から1を通して3の面まで
開けた孔5を通り、電解酸化分解を受けた後、細管8か
ら出る。陰極側では発生する水素ガスが細管9から出
る。電解電流は陽極、陰極それぞれ1、2から直接取り
出したリード端子10、11を通して流した。陽極12
はチタン繊維焼結膜(直径36mm、厚さ0.5mm)
にPbO2を電気メッキで被覆したものである。また陰
極13はガス拡散性を有するカーボンブラック分散ポリ
(テトラフルオロエチレン)基材の上に白金のアンミン
錯体から化学還元法による還元で白金微粒子を析出させ
たものである。陰極側には給電体として多孔質カーボン
板14を使用した。さらに固体高分子電解質としてナフ
ィオン(登録商標)117(厚さ0.18mm)を直径
60mmに切り抜いたもの15を使用した。最終的に1
と2の間に12〜15をはさみ込んだ状態で1と2を重
ね合わせ、ボルトで締め付けて電解セルを完成させた。
分すなわち電解セルの構成の詳細を図1に示した。この
電解セルは陽極側ハウジング1および陰極側ハウジング
2とも純チタン金属製で、最大部直径80mmである。
1、2においてそれぞれ内側になる面3、4に深さ2m
m、幅1.5mmの溝切り加工を施し、処理されるべき
排水が電極と接しながら通過するための流路を設けた。
処理されるべき排水は細管7から1を通して3の面まで
開けた孔5を通り、電解酸化分解を受けた後、細管8か
ら出る。陰極側では発生する水素ガスが細管9から出
る。電解電流は陽極、陰極それぞれ1、2から直接取り
出したリード端子10、11を通して流した。陽極12
はチタン繊維焼結膜(直径36mm、厚さ0.5mm)
にPbO2を電気メッキで被覆したものである。また陰
極13はガス拡散性を有するカーボンブラック分散ポリ
(テトラフルオロエチレン)基材の上に白金のアンミン
錯体から化学還元法による還元で白金微粒子を析出させ
たものである。陰極側には給電体として多孔質カーボン
板14を使用した。さらに固体高分子電解質としてナフ
ィオン(登録商標)117(厚さ0.18mm)を直径
60mmに切り抜いたもの15を使用した。最終的に1
と2の間に12〜15をはさみ込んだ状態で1と2を重
ね合わせ、ボルトで締め付けて電解セルを完成させた。
【0028】図2に本実施例の装置の全体の構成を模式
的に示した。電解セル16から取り出した陽極側、陰極
側それぞれのリード端子17、18をそれぞれ直流電源
の+、−極に接続して印加電圧を与えた。この直流電源
としては、電圧範囲0〜20V、電流範囲0〜50Aの
一般的に市販されている定電圧定電流電源器を用いた。
内容積1000mlのガラス容器19、20、21はそ
れぞれ、水素ガス用の陰極側気液分離器、処理対象の排
水を入れる容器、陽極側気液分離器である。21は陽極
側で酸素あるいはオゾン及びそれらの混合ガスが副生す
る場合があるため設けてあり、オゾンの場合はそのまま
排出できないのでトラップ22を経てオゾン分解触媒器
23を通過させて酸素に分解させた後大気中に排気す
る。処理対象の排水は接液部にポリ(テトラフルオロエ
チレン)を用いたポンプ24で16、20及び冷却器2
5の間を循環させて電解処理した。26は2方コック、
27は3方コックで、それぞれ流路の開閉、流路分岐箇
所での方向切り替え用である。
的に示した。電解セル16から取り出した陽極側、陰極
側それぞれのリード端子17、18をそれぞれ直流電源
の+、−極に接続して印加電圧を与えた。この直流電源
としては、電圧範囲0〜20V、電流範囲0〜50Aの
一般的に市販されている定電圧定電流電源器を用いた。
内容積1000mlのガラス容器19、20、21はそ
れぞれ、水素ガス用の陰極側気液分離器、処理対象の排
水を入れる容器、陽極側気液分離器である。21は陽極
側で酸素あるいはオゾン及びそれらの混合ガスが副生す
る場合があるため設けてあり、オゾンの場合はそのまま
排出できないのでトラップ22を経てオゾン分解触媒器
23を通過させて酸素に分解させた後大気中に排気す
る。処理対象の排水は接液部にポリ(テトラフルオロエ
チレン)を用いたポンプ24で16、20及び冷却器2
5の間を循環させて電解処理した。26は2方コック、
27は3方コックで、それぞれ流路の開閉、流路分岐箇
所での方向切り替え用である。
【0029】図1、2に示した本実施例の装置を用い
て、難分解性有機化合物の一例としてアゾ系染料のアマ
ランスを115mgl-1含む模擬排水を電解酸化処理し
たときの結果を図3に示した。このとき電解は3Aの定
電流条件で行ったが、定電流電解の間の印加電圧は3.
5Vでほぼ一定であった。本実施例では電極の有効面積
は10cm2であるので、このときの電流密度は0.3
Acm-2である。この電流密度の値は従来技術による場
合に比べ5倍程度高いため、処理装置をよりコンパクト
にすることができる。従って本発明による進歩性が明か
である。図3から分かる通り、可視域の極大吸収波長5
10nmでの吸光度は電解開始から減少し、60分で染
料の示す赤い着色は肉眼では蒸留水と区別できない程度
に脱色・分解されている。
て、難分解性有機化合物の一例としてアゾ系染料のアマ
ランスを115mgl-1含む模擬排水を電解酸化処理し
たときの結果を図3に示した。このとき電解は3Aの定
電流条件で行ったが、定電流電解の間の印加電圧は3.
5Vでほぼ一定であった。本実施例では電極の有効面積
は10cm2であるので、このときの電流密度は0.3
Acm-2である。この電流密度の値は従来技術による場
合に比べ5倍程度高いため、処理装置をよりコンパクト
にすることができる。従って本発明による進歩性が明か
である。図3から分かる通り、可視域の極大吸収波長5
10nmでの吸光度は電解開始から減少し、60分で染
料の示す赤い着色は肉眼では蒸留水と区別できない程度
に脱色・分解されている。
【0030】さらに、上記のアマランスの分解処理の際
の化学的酸素消費量(COD)の減少の時間経過を図4
に示した。60分後で原排水の示すCODの48%が除
去された。図3において、紫外域の吸光度が時間と共に
低下していることから、アゾ基の開裂のみならず、芳香
環の分解も順調に進行していることが分かるので、図4
において残存するCOD成分は主として低級脂肪酸や低
級2価有機酸等の易分解性有機物であり、これはイオン
クロマトグラフの測定からも確認されている。
の化学的酸素消費量(COD)の減少の時間経過を図4
に示した。60分後で原排水の示すCODの48%が除
去された。図3において、紫外域の吸光度が時間と共に
低下していることから、アゾ基の開裂のみならず、芳香
環の分解も順調に進行していることが分かるので、図4
において残存するCOD成分は主として低級脂肪酸や低
級2価有機酸等の易分解性有機物であり、これはイオン
クロマトグラフの測定からも確認されている。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、難分解
性有機化合物を含む排水の電解酸化処理において、従来
の技術が有する2点の課題を解決することができる。す
なわち、本発明によれば、電解にあたって固体高分子電
解質を使用しているため外部から電解質を添加する必要
が全くなく、そのために有害な有機塩素化合物が発生す
る可能性がない。また、電解の際に流すことのできる電
流密度を従来技術による場合に比べ高くできるため、処
理装置の小型化が可能である。そのため、各種産業にお
いて工程ごとに生ずる排水の性質が異なる場合に、排水
の生ずるオンサイトに処理装置を設置してそれぞれの排
水の性質に適した処理を行う場合、装置がコンパクトで
添加剤を必要としないことは極めて有利な利点である。
性有機化合物を含む排水の電解酸化処理において、従来
の技術が有する2点の課題を解決することができる。す
なわち、本発明によれば、電解にあたって固体高分子電
解質を使用しているため外部から電解質を添加する必要
が全くなく、そのために有害な有機塩素化合物が発生す
る可能性がない。また、電解の際に流すことのできる電
流密度を従来技術による場合に比べ高くできるため、処
理装置の小型化が可能である。そのため、各種産業にお
いて工程ごとに生ずる排水の性質が異なる場合に、排水
の生ずるオンサイトに処理装置を設置してそれぞれの排
水の性質に適した処理を行う場合、装置がコンパクトで
添加剤を必要としないことは極めて有利な利点である。
【図1】本発明において電極を収容する部分、すなわち
電解セルの構成を模式的に示した分解斜視図。
電解セルの構成を模式的に示した分解斜視図。
【図2】本発明の実施例で用いた装置の全体を模式的に
示す図。
示す図。
【図3】本発明の実施例においてアマランスを含む模擬
排水を電解酸化処理したときの分解結果。
排水を電解酸化処理したときの分解結果。
【図4】図3のときの化学的酸素消費量(COD)の減
少。
少。
1…陽極側ハウジング、2…陰極側ハウジング、3…陽
極側溝切り加工、4…陰極側溝切り加工、5…陽極側通
水孔、6…陰極側孔、7…排水導入用細管、8…処理水
排出用細管、9…水素ガス排出用細管、10…陽極側リ
ード端子、11…陰極側リード端子、12…陽極、13
…陰極、14…多孔質カーボン板、15…固体高分子電
解質、16…電解セル、17…陽極側リード端子、18
…陰極側リード端子、19…陰極側気液分離器、20…
排水容器、21…陽極側気液分離器、22…トラップ、
23…オゾン分解触媒器、24…ポンプ、25…冷却
器、26…2方コック、27…3方コック。
極側溝切り加工、4…陰極側溝切り加工、5…陽極側通
水孔、6…陰極側孔、7…排水導入用細管、8…処理水
排出用細管、9…水素ガス排出用細管、10…陽極側リ
ード端子、11…陰極側リード端子、12…陽極、13
…陰極、14…多孔質カーボン板、15…固体高分子電
解質、16…電解セル、17…陽極側リード端子、18
…陰極側リード端子、19…陰極側気液分離器、20…
排水容器、21…陽極側気液分離器、22…トラップ、
23…オゾン分解触媒器、24…ポンプ、25…冷却
器、26…2方コック、27…3方コック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−28493(JP,A) 特開 平7−157301(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/46 - 1/461
Claims (4)
- 【請求項1】 電解に使用する電解質として固体高分子
電解質を用い、これに高酸素過電圧材料からなる陽極、
及び陰極を直接取り付けた構造を有することを特徴とす
る排水処理装置であって、排水が難分解性有機化合物
(水酸基、ニトロ基、ハロゲン基を置換基に有する芳香
族化合物、染料)を含む装置。 - 【請求項2】固体高分子電解質が、フッ素樹脂系の骨格
を有する高分子にスルホン酸基、カルボン酸基などの解
離基を導入したイオン交換体である請求項1記載の排水
処理装置。 - 【請求項3】高酸素過電圧材料がPbO2、SnO2、M
nO2、PdO及びFe3O4からなる群から選ばれるい
ずれかまたはそれらの組み合わせからなる請求項1記載
の排水処理装置。 - 【請求項4】難分解性有機化合物を含む排水を請求項1
〜3のいずれかに記載の排水処理装置で処理することを
特徴とする排水処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26534196A JP3243491B2 (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 排水処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26534196A JP3243491B2 (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 排水処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1085753A JPH1085753A (ja) | 1998-04-07 |
JP3243491B2 true JP3243491B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=17415841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26534196A Expired - Lifetime JP3243491B2 (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 排水処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3243491B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4000508B2 (ja) | 2001-10-22 | 2007-10-31 | 株式会社オメガ | 廃液又は排水の処理方法 |
CN107162124A (zh) * | 2017-05-19 | 2017-09-15 | 河海大学 | 一种电镀废水的无污泥处理方法 |
-
1996
- 1996-09-12 JP JP26534196A patent/JP3243491B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1085753A (ja) | 1998-04-07 |
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