JP3240034U - トルク値を検出する螺合部材 - Google Patents

Abstract

【課題】トルク値を検出する螺合部材を提供する。【解決手段】トルク値を検出する螺合部材２０は、互いに接続された頭部２２と棒部２４を有し、棒部の周面はねじ２６を有しており、さらに、棒部の一端と頭部との連接部に形成されたネック部２８と、ネック部に設けられた少なくとも１つのセンサ素子３０及び密封部材４０と、を有し、センサ素子はネック部の変形量を検出し、密封部材はセンサ素子を密封する。またさらに、被覆部材５０が密封部材を被覆することができる。螺合部材の変形量は安定しており、センサ素子に正確な検出値を取得させることができる。【選択図】図２

Description

本考案は物体を螺合する螺合部材に関し、具体的には、トルク値の検出が可能な螺合部材に関する。

ボルトなどの螺合部材は、物体を螺合するのに用いられる。螺合部材が物体に締付けられるトルク値を知るために、特許文献１では螺合部材１０が開示されており、図１に示す通り、そのねじ部１１と頭部１２の連接部には凹部１３が設けられ、凹部１３内には歪ゲージ１４が取り付けられている。螺合部材１０が物体に締付けられるとき、歪ゲージの変形量に基づき、螺合部材１０が物体に締付けられるトルク値を取得することができる。

上述の特許文献は、螺合部材１０のトルク値の情報を取得できるものの、その構造設計には幾らかの欠点があり、改善が期待されている。まず、図１に示す通り、凹部１３が螺合部材１０に非対称な形状を形成させており、螺合部材１０の左側は凹部１３が造られた構造であるが、螺合部材の右側は凹部がなく完全な構造になっている。螺合部材１０の構造が非対称であるゆえに、その変形量は不正確であり、測定されるトルク値も正確ではない。

次に、凹部１３がねじ部１１から頭部１２に向かって凹設されているが、旋削やフライス加工、研磨などの既存の機械加工技術では、連接部で頭部１２に向かって内側に凹む凹部１３を製作することは難しく、加工コストが高くなる。

また、凹部１３が頭部１２とねじ部１１の連接部の内に凹んだ部分に形成され、構造破壊が生じやすい断裂箇所となっており、螺合部材１０の強度が悪くなる。

また、歪ゲージ１４が露出しており、何の防護もないため、衝突によって破損しやすく、使用機能が失われてしまう。

特開平６－２２１３１５号公報

本考案は、上述の欠点を解決することを意図しており、螺合部材に精確な検出値を得させる、トルク値を検出する螺合部材を提供することを主な目的としている。

本考案の別の目的は、螺合部材の製造が容易になる、トルク値を検出する螺合部材を提供することである。

本考案はもう１つの目的は、螺合部材に優れた構造強度を持たせる、トルク値を検出する螺合部材を提供することである。

本考案のさらに別の目的は、螺合部材のセンサ素子の破損を回避し、耐用年数を延ばすことが可能な、トルク値を検出する螺合部材を提供することである。

上述の目的を達成するために、本考案はトルク値を検出する螺合部材を提供するが、その螺合部材は、頭部と、頭部の一端面に接続された棒部と、を含み、棒部の周面はねじを有しており、さらに、
ネック部であって、棒部の一端と頭部との連接部に形成され、ネック部の外周面にはねじがない、ネック部と、
ネック部に設置され、ネック部の変形量を検出する、少なくとも１つのセンサ素子と、
ネック部に設けられて、センサ素子を密封する、少なくとも１つの密封部材と、を含む。

上述の構造的特徴により、螺合部材の頭部と棒部との連接部にセンサ素子を設置するための内に凹んだ部分を一切無くし、変形量を安定・整合させて、センサ素子が正確な検出値を取得できるようにさせる。また、センサ素子を設置するための内に凹んだ部分を設ける必要がないため、螺合部材が優れた構造強度を有するようになり、製造も容易になる。密封部材は、センサ素子を保護し、センサ素子が破損する状況を減らすことができる。

本考案の１つの実施形態では、ネック部の直径が棒部の直径よりも小さく、螺合部材により敏感な変形量を生じさせて、より精確な検出値を取得する。

本考案の１つの実施形態では、ネック部に設けられて上述の密封部材を被覆し、密封部材が露出しないようにする、被覆部材をさらに含む。

本考案の１つの実施形態では、密封部材は延性を有する材質であり、これによって良好な密封効果を提供する。

本考案の１つの実施形態では、密封部材はネック部に周設される。

本考案の１つの実施形態では、本考案の被覆部材は、ネック部と上述の密封部材に被せられる。好適には、被覆部材は被覆部と皿部を有し、皿部は被覆部の一端に位置し、被覆部はネック部と上述の密封部材を被覆し、皿部は頭部の一端面に当接する。

本考案の１つの実施形態では、被覆部材は弾性を有する。

本考案の目的、特徴及び達成される効果は、下記の好ましい実施例の説明及び図面から理解することができる。

既知の螺合部材の部分断面図である。 本考案の好ましい実施例である螺合部材の部分断面図である。 本考案の好ましい実施例である螺合部材本体の断面図である。 図２の４－４断面の断面図である。 図２の５－５断面の断面図である。 本考案の螺合部材が物体に固定された使用概念図である。

図２を参照して、本考案の好ましい実施例で提供する螺合部材２０は、螺合部材が物体に締付けられる際に加えられるトルク値を検出することができる。螺合部材２０には、少なくとも１つのセンサ素子３０、密封部材４０及び被覆部材５０が設けられている。

螺合部材２０は、頭部２２と、頭部２２の底面に接続された棒部２４を有する。頭部２２は、レンチ類の手工具を套接又は噛合接続して、手工具が螺合部材を回転せしめるようにするためのものであり、頭部２２の形態は本実施例が示すものに限定されず、様々な型式の形態に製造することができ、様々な型式のレンチ、手工具類に係合するものであればよい。棒部２４の周面にはねじ２６が設けられている。

図３を参照して、棒部２４の一端と頭部２２との連接部はネック部２８であり、ネック部２８の箇所にはねじが設けられていないか、又はねじが取り除かれており、且つネック部２８の周面はねじ２６のねじ溝２６１である。即ち、ネック部２８の元の直径は、上述のねじ溝２６１の直径Ｄ２と等しい。

本考案は、ネック部２８の直径を棒部２４の直径よりも小さくしており、具体的には、本実施例はネック部２８を旋削し、ネック部２８の直径を縮小させて、ネック部２８を実線２８が示す寸法から点線２８１が示す寸法まで縮小し、図３の点線２８１が示す直径Ｄ１にして、ねじ２６のねじ溝２６１が形成する直径Ｄ２よりも小さくさせている。直径を縮小した後のネック部２８は、伸びやねじれの変形を一層受けやすくなり、歪がより敏感になる。

図４を参照して、複数のセンサ素子３０はネック部２８の周面に等間隔に設置されるが、本実施例では、２つのセンサ素子３０が接着剤によってネック部２８に１８０度間隔で設置されている。センサ素子３０は、張力ゲージ、歪みゲージ又はセンサチップを有するセンサ素子でよく、さらに、限定しないが例えば、赤外線、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ、電磁波、無線周波数又は類似技術などの方式で検出したデータを無線送信するなど、有線又は無線送信方式を利用して検出したデータを送信することができる。

密封部材４０は、変形性及び延性を有する軟性材質であり、棒部２４のネック部２８上に設けられて、２つのセンサ素子３０を密封し、センサ素子３０が密封部材４０の保護を受け且つ外界と隔絶するようにさせる。密封部材４０は、ネック部２８を環状に取り囲んでいる。本実施例では、シリコーンゴムを密封部材４０として採用しており、８０℃～零下５０℃の温度範囲において使用することができ、極端な気候や過酷な環境下でも螺合部材２０を使用できるようにしている。軟質且つ伸縮性を有する密封部材４０は、センサ素子３０に良好な密封効果を提供し、その密封性は螺合部材がねじれた状態でも影響を受けることがない。密封部材４０は、センサ素子３０を密封することができ、センサ素子３０を外界と隔絶できる任意の構造形態でよく、ネック部２８を完全に被覆するものに限定されない。例えば、密封部材は、全体を囲む形態か又は全体を囲まない形態でセンサ素子を密封することができる。

被覆部材５０は、ネック部２８に設けられて密封部材４０上を被覆し、密封部材４０と２つのセンサ素子３０を保護して、密封部材の完全性を保たせる。被覆部材５０は、プラスチック材料又はゴムなどの高分子材料（ポリマー）で製造されるのが好ましい。本実施例は、弾性を有するポリウレタン（ＰＵ）材質で製造されることにより、耐候、耐摩耗、耐亀裂、断熱、防音、耐薬品などの効果を有している。図５を参照して、被覆部材５０は、被覆部５２と皿部５４を含み、皿部５４は被覆部５２の一端から外に向かって延在している。本実施例において、被覆部５２は、ネック部２８を完全に被覆することで密封部材４０と２つのセンサ素子３０を被覆しており、皿部５４は、頭部２２の底面に密着しており、皿部５４は、被覆部材５０の構造強度と安定性を高めることができる。被覆部５２の外径は、ねじ２６のねじ山２６２が形成する外径を上回らないのが好ましい。本実施例の被覆部５２は、中空状を呈する部材であり、ネック部２８と密封部材４０を弾性的に被覆している。被覆部５２の外形は、円柱状又は多角形の柱状でよい。

螺合部材２０には検出回路ユニットが設置されており、必要に応じて電源（例えば電池、太陽電池）やディスプレイ（例えば液晶ディスプレイ）、アンテナなどの部材を設置することができる。検出回路ユニットは、センサ素子３０の変形量又は検出された歪値に基づいて螺合部材のトルク値に変換する。ディスプレイは、螺合部材のトルク値、数値単位などの情報を表示することができ、アンテナは、データの送信又は受信の用に供することができる。電池は、関連部材の作動時に必要な電気を提供する。

図６の概念図を参照して、本考案の螺合部材２０で物体６０を台座７０に締結する例では、螺合部材２０の棒部２４が物体６０の穴６２に貫設されて台座７０のねじ穴７２に螺合され、レンチ又は適当な工具で頭部２２から螺合部材２０を回転させることにより、物体６０が固定される。

螺合部材２０が物体６０を締結するとき、棒部２４のねじ２６とねじ穴７２のねじが緊密に当接し、頭部２２が物体上に緊締され、ネック部２８の部分に頭部２２と棒部２４間のねじり歪及び引張歪が生じ、複合的な歪が形成される。センサ素子３０は、上述の複合的な歪の変形量を検出し、且つ検出回路ユニットによってそのトルク値を算出することができる。使用者は、無線読取又はその他の方式で螺合部材２０のトルク値を取得することができる。

本考案が提供する螺合部材２０は、頭部２２と棒部２４のネック部２８を含む連接部が対称構造であるため、螺合部材の変形量が均一で整合され、安定した変形量を取得することができ、且つセンサ素子３０に正確な検出値を取得させることができる。本実施例は、２つのセンサ素子３０がネック部２８に対称且つ等間隔に設置され、２つのセンサ素子３０の異なる位置における検出データにより、螺合部材のトルク値を精確に算出することができる。

本実施例は、螺合部材２０の直径を小さく旋削したネック部２８に一層大きな変形量を生じさせることにより、敏感な検出値を取得することができ、加工技術が簡単で、本考案の螺合部材の製造を容易にすることができる。

螺合部材２０の頭部２２と棒部２４の間は、センサ素子３０を設置するための内に凹んだ部分が一切無く、螺合部材に良好な構造強度を持たせている。

本考案のセンサ素子３０は、密封部材４０と被覆部材５０の保護を受け、センサ素子が衝突によって破損する機会が減り、螺合部材の耐用年数が延びる。

上述の実施例は本考案の技術的特徴の説明に過ぎず、限定するものではない。本考案の等価的修正はすべて本考案の保護範囲に属すると解釈されるべきである。本考案は同類の物品において新規の構造であり、実用的効果の向上を有しており、実用新案の要件に適うものである。

［既知］
１０ 螺合部材
１１ ねじ部
１２ 頭部
１３ 凹部
１４ 歪ゲージ
［本考案］
２０ 螺合部材
２２ 頭部
２４ 棒部
２６ ねじ
２６１ ねじ溝
２６２ ねじ山
２８ ネック部
２８１、２８２ ネック部の辺線
Ｄ１、Ｄ２ 直径
３０ センサ素子
４０ 密封部材
５０ 被覆部材
５２ 被覆部
５４ 皿部
６０ 物体
６２ 穴
７０ 台座
７４ ねじ穴

Claims (10)

1. トルク値を検出する螺合部材であって、前記螺合部材は、
   頭部と、前記頭部の一端面に接続された棒部と、を含み、前記棒部の周面にはねじが設けられており、さらに、
   ネック部であって、前記棒部の一端と前記頭部との連接部に形成され、前記ネック部の外周面にはねじがない、ネック部と、
   前記ネック部に設置され、前記ネック部の変形量を検出する、少なくとも１つのセンサ素子と、
   前記ネック部に設けられて、前記センサ素子を密封する、少なくとも１つの密封部材と、を含む、トルク値を検出する螺合部材。
2. 前記ネック部の直径は前記棒部の直径よりも小さい、請求項１に記載の螺合部材。
3. 前記ネック部の直径は前記ねじのねじ溝が形成する直径よりも小さい、請求項１に記載の螺合部材。
4. 前記ネック部に設けられて前記密封部材を被覆する、被覆部材をさらに含む、請求項１～３のいずれか１項に記載の螺合部材。
5. 前記密封部材は延性を有する材質である、請求項１～３のいずれか１項に記載の螺合部材。
6. 前記密封部材が前記ネック部を取り囲んでいる、請求項１～３のいずれか１項に記載の螺合部材。
7. 前記被覆部材が前記ネック部と前記密封部材を被覆する、請求項４に記載の螺合部材。
8. 前記被覆部材は弾性を有する、請求項７に記載の螺合部材。
9. 前記被覆部材は被覆部と皿部を有し、前記皿部は前記被覆部の一端に位置し、且つ外に向かって延在しており、前記被覆部は前記ネック部と前記密封部材を被覆し、前記皿部は前記頭部の一端面に当接する、請求項７に記載の螺合部材。
10. 前記ネック部に等間隔に設置された複数のセンサ素子を含む、請求項１に記載の螺合部材。

Images