JP3237220B2 - 高調波抑制装置 - Google Patents

高調波抑制装置

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JP3237220B2 JP21805892A JP21805892A JP3237220B2 JP 3237220 B2 JP3237220 B2 JP 3237220B2 JP 21805892 A JP21805892 A JP 21805892A JP 21805892 A JP21805892 A JP 21805892A JP 3237220 B2 JP3237220 B2 JP 3237220B2
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利夫 吉田
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  • Stand-By Power Supply Arrangements (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は無停電電源装置(以下
UPSと称す)を使用した高調波抑制装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図2は高調波抑制機能付UPSの概略構
成図で、この図2において、点線に囲んだ部分がUPS
1で、このUPS1は、電源母線2に遮断器3を介して
接続される順変換器4と、この順変換器4の出力で充電
されるバッテリ5と、このバッテリ5に並列接続される
電解コンデンサ6と、順変換器4の直流出力(停電時に
はバッテリ5の直流電圧)が入力側に供給され、出力側
に交流出力を得る逆変換器(インバータ)7と、このイ
ンバータ7の出力側に設けられた変圧器8と、この変圧
器8の2次側に設けられたコンデンサ9とから構成され
ている。
【0003】10はUPS1内のインバータ7が故障し
たときにUPS1をバイパス電源路11に切換える切換
スイッチである。12は半導体スイッチで、このスイッ
チ12はUPS1が故障したときに負荷群13に切換ス
イッチ10がバイパス電源路に切換わるまで停電を発生
させないようにするためのもので、切換スイッチ10に
先がけてオンするように設定されている。
【0004】上記のように構成されたUPS1の順変換
器4のスイッチング素子としてはIGBTが使用され、
電源側に高調波が発生しないように、順変換器4は高調
波抑制装置としても動作するように構成されている。次
にその原理について述べる。図3は高調波抑制装置とし
ても動作する順変換器とその周辺回路を示す構成図で、
図2と同一部分には同一符号を付して示す。図3におい
て、14はIGBTをPWM制御するための位相制御部
で、この制御部14には変流器15で検出した交流電流
と、バッテリ5への充電電流を検出器16で検出した電
流が入力される。位相制御部14はこれら電流に基づい
て順変換器4のIGBTにゲート指令を与える。位相制
御部14は順変換器4のIGBTを位相制御して得た直
流電圧(Ed)をインバータ7に与えるとともに、この
直流電圧を制御するとき、バッテリ5への充電電流が所
定の値以下(通常バッテリ容量の0.1倍、例えば20
0AHのバッテリなら200×0.1=20A)となる
よう、充電電流を制御しながら行う。
【0005】一方、交流側電流は通常の順変換器であれ
ば、図4のように正弦波と異なった波形、即ち高調波が
含有された電流が流れる(通常、コンデンサ入力形順変
換器では20〜50%程度の含有率)。そこで、交流側
に流れる電流がほぼ正弦波となるようPWM制御による
順変換器4の整流動作をコントロールする。例えば、図
5A,Bのように、高調波の搬送波(通常10〜20K
Z)に三角波の出力制御信号を重ね、図5Bのように
図6Aから幅を切りとるように制御を行うと、図5Bに
示すような直流電圧Edを切り取ったようにくし形形状
になる。
【0006】上記電圧は通常直流電圧側に現れるが、位
相制御部14の位相タイミングをずらすと、この電圧は
直流側の電解コンデンサ6又はバッテリ5を電源となみ
して、この直流電源から切り出したくし形波形として交
流側にも現れる。このまま順変換器を交流電源に接続す
ると、図6Aに示すように交流正弦波電圧ACとくし形
直流電圧Eとの差で、図6Bに示すように大きな短絡電
流が流れる。このため、交流電源と、くし形直流電圧と
の間に交流リアクトル17(図3に示す)を挿入してこ
の電流の流れを滑らかにし(図6Cのように)、あたか
も正弦波電流が交流電源に流れたかのようにする。この
ようにすることにより、高調波含有の少ない電流を交流
電源側との間に流れる。
【0007】なお、順変換器が高調波抑制に必要な容量
は例えば、UPS出力100KVAとすると、およそ2
5KVA程度となる。従って、UPS出力として必要な
容量を105KVA(5KVAは変換効率95%として
その損失分を含む)とすると順変換器の全容量は電流実
効平均値から√(1052+252)=108KVAとな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図2に示したUPS1
において、UPS1が正常運転中は特に故障がないけれ
ども、次の2つの場合に問題となる。
【0009】(1)UPS1のインバータ7が故障する
と、負荷群13へはバイパス電源路11を通して電力が
供給されるため、負荷群13は無停電で動作を継続す
る。しかし、負荷群13は主にコンピュータやその端末
機器等が多く、これら負荷からもかなりの高調波が発生
し、この高調波がバイパス電源路11を通して電源側に
流入する。即ち、UPS1の順変換器4による高調波抑
制機能が要をなさなくなる。
【0010】(2)UPS1を設置すると、上述のように
UPS1にはコンピュータやその端末装置が接続される
が、UPS1に接続された交流電源には図7に示すよう
にコンピュータ冷却水用の可変速ポンプモータM1やコ
ンピュータ室等の空調用インバータエアコンのモータM
2等がVVVFを介して接続される。このため、VVV
Fから発生した高調波はそのまま電源に流入してしま
う。
【0011】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、UPSから発生する高調波だけでなく、他の端末
機器群から発生した高調波も抑制可能として高調波抑制
装置を提供することを目的とする。
【0012】この発明は上記の目的を達成するために、
バイパス電源路を有するとともに順変換部、バッテリ、
電解コンデンサおよび位相制御部から構成された高調波
抑制機能部を備えた無停電電源装置と、この無停電電源
装置とバイパス電源路に接続される電源母線と、無停電
電源装置の出力が供給される複数の負荷群と、これら負
荷群で発生した高調波電流をバイパス電源路で検出し
て、この検出電流で前記高調波抑制機能部の位相制御部
を動作させて高調波を抑制するようにした装置におい
て、 前記電源母線に複数の端末機器群を設け、これら複
数の端末機器群から発生した高調波電流を検出して、そ
の検出電流を前記高調波抑制機能部の位相制御部に供給
してこれら端末機器群からの高調波電流を抑制するよう
にしたことを特徴とするものである。
【0013】
【0014】
【作用】無停電電源装置から負荷に電力を供給している
とき、無停電電源装置のインバータの故障でバイパス電
源路から負荷に電力を供給するようになったとき、負荷
で発生した高調波や複数の端末機器群で発生した高調波
を検出して、その検出出力を位相制御部に与えて高調波
を抑制する。これにより、無停電電源装置以外の端末機
器などで発生した高調波を抑制できる。
【0015】
【実施例】以下この発明の実施例を図面に基づいて説明
するに、図2と同一部分には同一符号を付して述べる。
図1において、バイパス電源路11には変流器21を設
け、この変流器21の出力を位相制御部14に入力す
る。22は高調波を発生する端末器で、この端末器22
は線路23を介して電源母線2に接続される。線路23
には変流器24が設けられ、この変流器24の出力は位
相制御部14に入力される。25,26はVVVFで、
このVVVF25,26は線路27,28を介して電源
母線2に接続される。この線路27,28には変流器2
9,30が設けられ、この変流器29,30の出力は位
相制御部14に入力される。なお、VVVF25の出力
はポンプを駆動するモータM1に供給され、VVVF2
6の出力は空調を制御するモータM2に供給される。3
1〜34は遮断器である。
【0016】次に上記実施例の動作について述べる。順
変換器4は位相制御部14からの制御信号により高調波
抑制装置としても動作するので、高調波が発生している
端末器22やVVVF25,26およびバイパス電源路
11の電流を変流器21,24,29,30で検出して
位相制御部14に入力すると、位相制御部14からは順
変換器4を高調波抑制装置として動作させる信号が与え
られる。順変換器4が高調波抑制装置として動作する
と、前述のような個所で発生した高調波は抑制された
り、あるいは制御命令によっては無効電力も抑制して力
率の改善も図るこができるようになる。
【0017】ここで、上記実施例のようにUPSに高調
波抑制機能を持たせて上記のように種々の負荷の高調波
を抑制できるようにしたときと、別途高調波抑制装置を
用いて上記と同様に高調波を抑制するようにしたときと
の違いを比較して見る。比較計算のため、次表のように
各々容量を設定する。
【0018】
【表1】
【0019】上記表からUPSのみの高調波抑制の場合
にはCVCF500KVAのη=95%とすると、入力
容量は500KVA/0.95=526KVAであるか
ら全容量は√(5262+1502)=547KVAとな
る。一方、UPSで負荷種々の端末機器群の高調波を抑
制する場合の全容量は上記表から電流実効平均値√(5
262+1502+302+232)=548KVAとなる
から負荷や種々の端末機器群の高調波抑制を行っても順
変換器4の容量は殆ど変えないで実現できる。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
次のような効果が得られる。
【0021】(a)UPS本体のインバータ部の故障によ
り、負荷に供給する電流路がバイパス電源路に切換って
も高調波対策を正常運転時と同様に維持できる。
【0022】(b)種々の端末機器群から高調波も簡単な
電流検出器を設けるだけでUPS本体で除去できる。
【0023】(c)UPS本体の順変換器の容量を変えな
いでも、種々の端末機器群の高調波抑制が可能である。
また、高調波抑制のみならず制御対象を拡大して力率改
善も行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す概略構成図である。
【図2】高調波抑制機能付UPSの概略構成図である。
【図3】順変換器とその周辺回路を示す構成図である。
【図4】波形図である。
【図5】A,Bは波形図である。
【図6】A,B,Cは波形図である。
【図7】負荷や種々の端末機器群が電源母線に接続され
たときの概略構成図である。
【符号の説明】
1…UPS 4…順変換器 11…バイパス電源路 14…位相制御部 21,24,29,30…変流器 22…端末器 25,26…VVVF

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイパス電源路を有するとともに順変換
    部、バッテリ、電解コンデンサおよび位相制御部から構
    成された高調波抑制機能部を備えた無停電電源装置と、
    この無停電電源装置とバイパス電源路に接続される電源
    母線と、無停電電源装置の出力が供給される複数の負荷
    群と、これら負荷群で発生した高調波電流をバイパス電
    源路で検出して、この検出電流で前記高調波抑制機能部
    の位相制御部を動作させて高調波を抑制するようにした
    装置において、 前記電源母線に複数の端末機器群を設け、これら複数の
    端末機器群から発生した高調波電流を検出して、その検
    出電流を前記高調波抑制機能部の位相制御部に供給して
    これら端末機器群からの高調波電流を抑制するようにし
    ことを特徴とする高調波抑制装置。
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