JP3233594U - 家具用引手 - Google Patents

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Abstract

【課題】金具や把手片等が外れてしまうという故障が起きず、前面板がそれほど厚くなくても手掛かりとなる段部の強度を確保でき、小型家具の前面板にも設置し易い家具用引手を提供すること、また、家具の前面板から出張ることなく、引っ掛かりにくく、手入れし易く、美しいデザインを施すことのできる家具用引手を提供する。【解決手段】引出し2の前面板3の中央部に形成され、前面板の外側から掘り込まれた主凹部4と、前面板の内側から掘り込まれた副凹部5を有しており、主凹部の上側の一部と副凹部の下側の一部が重複している家具用引手1で構成されている。主凹部の外側から片手の指を挿入し、指先を副凹部の底面7に掛けて手前に引っ張れば、引出しを開けることができる。【選択図】図1

Description

本考案は、家具の引出し等に設けられる家具用引手の構造に関する。
家具用引手としては、家具の引出しの前面、前側の上辺付近又は前側の下辺付近に、把手となる金具や木製又はプラスチック製の成形体を接着若しくは裏からネジ止めで取り付けたり、段差のある凹部を設けたりしたものが一般的である。
例えば、特許文献1(実公昭52−14188号公報)には、引出し(3)の前面板(4)の中央部に凹陥(5)が穿設してあり、凹陥(5)の開口部の周囲に透孔(2)を有する把手片(1)を固着して段部(6)を形成したものが記載され(特に、第1〜3図及び第1頁左欄第24〜34行を参照)、特許文献2(実開平5−4940号公報)には、引出し(2)の前板(4)の上辺部中央の縁部に凹部(5)を形成して、凹部(5)の縁部(5a)に指先が引掛かるようにするとともに、凹部(5)の背部に被覆板(6)を配置して、引出し(2)の内部が外部から見透し不能にしたものが記載され(特に、第1,3図及び段落0008を参照)、特許文献3(特許第5840085号公報)には、引出し(15)の正面板(22)の主板(29)前面の中央位置に把手窓(18)が配置され、把手窓(18)は手前側よりも奥側で広がった断面段付き形状になっている点や主板(29)の裏面側に装飾板挿入室(19)が形成され、装飾板(20)が出し入れ可能に収納される点が記載されている(特に、図2〜5及び段落0017、0018、0020、0023を参照)。
ところが、引出しの前面等に金具や木製又はプラスチック製の成形体を取り付けて把手とするものや特許文献1の引出し用把手装置は、使用中や家具を移動したり据え付けたりするときに、金具や把手片(1)が外れてしまうという故障が起きるおそれがあるという問題があり、特許文献2の取手構造は、凹部(5)の縁部(5a)に指先が引掛かるようにしているが、前板(4)が薄い場合には縁部(5a)が非常に薄くなって強度を確保できないため、適用し難いという問題があり、特許文献3の引出しも、指を把手窓(18)の縁部に引っ掛けて引っ張るようにしているため、特許文献2の取手構造と同様に主板(29)が薄い場合には適用し難いという問題があった。
実公昭52−14188号公報(実開昭47−37028号公報) 実開平5−4940号公報 特許第5840085号公報(特開2014−14419号公報)
本考案の課題は上記の問題を解決し、使用中や家具を移動したり据え付けたりするときに、金具や把手片等が外れてしまうという故障が起きるおそれがなく、かつ、前面板がそれほど厚くなくても手掛かりとなる段部の強度を確保でき、大型の家具だけでなく小型の家具の前面板にも設置し易い家具用引手の提供を第1の課題としている。
また、家具の前面板から出張ることなく、引っ掛かりにくく、手入れし易く、美しいデザインを施すことのできる家具用引手の提供を第2の課題としている。
請求項1に係る考案の家具用引手は、
引出しの前面板の外側に形成されている主凹部と、
前記前面板の内側に形成されている副凹部を備え、
前記主凹部と前記副凹部には、それぞれ一部だけに重なり部が形成されており、
前記主凹部の外側から前記重なり部に指先を挿入可能であるとともに、前記副凹部の前記重なり部と隣接する底面に前記指先を掛けることが可能であることを特徴とする。
請求項2に係る考案は、請求項1に記載されている家具用引手において、
前記主凹部の前記重なり部以外の部分に装着可能な装飾部材を有することを特徴とする。
請求項3に係る考案は、請求項1又は2記載の家具用引手において、
前記副凹部の前記重なり部より内側に閉塞部材が設けられていることを特徴とする。
請求項1に係る考案の家具用引手は、引出しの前面板の外側に形成されている主凹部、 前面板の内側に形成されている副凹部及び主凹部と副凹部の一部だけに形成されている重なり部から構成されており、前面板から出張ることなく、引っ掛かりにくいので、使用中や家具を移動したり据え付けたりするときに、取れたり、外れたり、抜けたり、折れたり、割れたりすることがなく、故障が起きるおそれがない。
また、主凹部の外側から重なり部に指先を挿入可能であるとともに、副凹部の重なり部と隣接する底面に指先を掛けることが可能であるので、前面板の厚さがそれほど厚くなくても手掛かりとなる部分の強度を確保でき、大型の家具だけでなく小型の家具の前面板にも設置し易い家具用引手を提供することができる。
さらに、金具や成形体同士が擦れ合ったり、金具や成形体が引出しの前面板にぶつかったりすることで音が発生することもない。
請求項2に係る考案によれば、請求項1に係る考案の家具用引手による効果に加えて、主凹部の重なり部以外の部分に装着可能な装飾部材を有しているので、シンプルな構成にもかかわらず、美しいデザインを施すことができ、見た目に美しく、かつ、風格を感じさせることができる。
また、複数の引出しを有する家具である場合に、装飾部材を複数用意しておき、各引出しに異なる装飾部材を装着すれば、複数の引出しを装飾部材によって区別し易くなる。
請求項3に係る考案によれば、請求項1又は2に係る考案の家具用引手による効果に加えて、副凹部の重なり部より内側に閉塞部材が設けられているので、引出しの外部と内部を遮断することができ、ほこりや虫等が引出しの内部に進入することを防止できる。
実施例に係る家具用引手の一部を切り欠いた斜視図。 実施例に係る家具用引手の正面図、背面図及び側断面図。 各種変形例に係る家具用引手の側断面図。
以下、実施例によって本考案の実施形態を説明する。
図1は実施例に係る家具用引手1の一部を切り欠いた斜視図であり、図2は実施例に係る家具用引手1の正面図(a)、背面図(b)及び側断面図(c)である。
実施例に係る家具用引手1は、図1のように引出し2の前面板3(縦約70mm、横約250mm、厚さ約20mm)の中央部に形成されており、図2(a)及び(c)に示すように、前面板3の外側からルーターを用いて掘り込まれた直径約40mm、深さ約15mmの球体の一部からなる主凹部4を有するとともに、図2(b)及び(c)に示すように、前面板3の内側からルーターを用いて掘り込まれた縦約17mm、横約25mm、深さ約15mmの直方体状の副凹部5を有しており、主凹部4の上側の一部と副凹部5の下側の一部は重複し、重なり部6が形成されている。
そして、図2(a)及び(c)から分かるように、重なり部6を正面から見ると上側は弧状、下側は直線状で高さ約10mm、幅約25mmとなり、指先が通過する部分の間隔は約15mmとなるので、片手の指2〜3本を挿入するのに程良い形状となる。
さらに、重なり部6の周囲に位置する前面板3の角部には面取りが施してあり、主凹部4の外側から重なり部6に指を挿入した時、副凹部5における重なり部6の上方に位置する底面7に対してスムーズに指先を掛けることができる。
主凹部4の中央部のやや下側には、図2(a)及び(c)に示すように、直径約18mm、深さ約4mmの円形状の装飾用凹部8が形成されており、装飾用凹部8には中央部が膨らんでおり最も厚い部分が約4mmの装飾板9が装着されている。
また、図2(c)から分かるように、装飾用凹部8及び装飾板9の底面は前面板3の背面に対して約8度傾けてあり、装飾板9の上部が背面側に引っ込んでいる。
そのため、家具用引手1に指を挿入した時、指先が装飾板9に当たることなく底面7に掛かるので、スムーズに引出し2を開けることができる。
そして、複数の色やデザインの装飾板9を用意しておけば、利用者の好みに応じたものを装着することができ、複数の引出しを有する家具の場合には、各引出しに異なる種類の装飾板9を装着することで、複数の引出しが装飾板9によって区別し易くなる。
さらに、通常は接着剤等によって装飾用凹部8に装飾板9を固着させるが、装飾板9を嵌合させたり、裏側からネジ止めしたりすれば、使用後に装飾板9を変更したり、入れ替えたりすることが可能となる。
実施例の変形例を列記する。
なお、図3(a)〜(j)は、各種変形例に係る家具用引手の側断面図である。
(1)実施例の主凹部4は、直径約40mm、深さ約15mmの球体の一部からなっていたが、サイズは前面板3の大きさや厚さに応じて適宜変更可能であり、形状も球体の一部に限らず、図3(a)に示すような直方体状であっても良く、さらに、多角柱状、円錐台状又は角錐台状であっても良い。
(2)実施例の副凹部5は、縦約17mm、横約25mm、深さ約15mmの直方体状であったが、サイズは前面板3の大きさや厚さに応じて適宜変更可能であり、形状も直方体状に限らず、球体の一部、多角柱状、円錐台状又は角錐台状であっても良い。
(3)実施例においては、重なり部6を正面から見ると上側は弧状、下側は直線状で高さ約10mm、幅約25mmであり、開口部の最大長さは約17mmであったが、これらは、前面板3の厚さ並びに主凹部4及び副凹部5のサイズや形状に応じて変化する。
ただし、指先を底面7に掛けて引出しを開けるためには、重なり部6に指を最低1本挿入しなければならないので、重なり部6の幅は15mm以上、指先が通過する部分の間隔は12mm以上必要であり、同幅は20mm以上、同間隔は15mm以上が望ましい。
また、引出しが大きく重い場合には、指を3本掛けられる大きさとする必要があるため、同幅は50〜70mm、同間隔は20〜25mmとした方が良い。
(4)実施例においては、主凹部4の中央部のやや下側に、円形状の装飾用凹部8が形成され、装飾用凹部8に装飾板9が装着されていたが、これらは、指を挿入し指先を底面7に掛けて引出しを開ける操作に直接関係する構成ではないので、設けなくても良い。
また、装飾用凹部8及び装飾板9のサイズや形状は主凹部4の大きさや形状に応じて適宜変更可能である。
さらに、図3(b)のように、装飾用凹部8を設けずに装飾部材10を主凹部4の奥に直接取り付けても良く、図3(c)のように、主凹部4の内側に前面板3を貫通する装飾用孔部11を形成し、装飾体12を装着しても良い。
(5)実施例においては、副凹部5を主凹部4の上方に設け、主凹部4の上側の一部と副凹部5の下側の一部を重複させて重なり部6を形成したが、図3(d)のように、副凹部13を主凹部4の下方に設け、主凹部4の下側の一部と副凹部13の上側の一部を重複させて重なり部14を形成しても良い。そうした場合、主凹部4の下側において指先を下に向けて挿入し、副凹部13の底面に指先を掛けて引出しを引っ張ることができる。
また、図3(e)のように、実施例の重なり部6に加えて、副凹部13を主凹部4の下方に設け、2つの重なり部6、14を形成しても良い。
(6)実施例においては、主凹部4と副凹部5が重なり部6を介してつながり、前面板3を貫通する通路が形成されるため、ほこりや虫等が引出し内部に進入するおそれがある。
そのため、図3(f)〜(h)のように、副凹部5又は副凹部13の内側に閉塞部材15を設けたり、図3(i)及び(j)のように、前面板3の内側に閉塞板16を設けたりして、前面板3を貫通する通路を塞ぎ、引出しの外部と内部を遮断した方が良い。
なお、図3(f)及び(g)では、それぞれ実施例及び変形例(c)の副凹部5の最も内側に閉塞部材15を設け、図3(h)では変形例(d)の副凹部13の最も内側に閉塞部材15を設けたが、閉塞部材15は重なり部6、14より内側に設けてあれば良い。
また、図3(i)及び(j)は、それぞれ実施例及び変形例(d)の前面板3の内側全面に閉塞板16を設けたものであるが、特に、変形例(d)の場合には、副凹部5及び装飾用孔部11を合わせて塞ぐことができるので作業上有利である。そして、その有利さは前面板3を貫通する通路が複数形成される変形例(e)の場合等でも同様である。
(7)変形例(f)〜(h)においては閉塞部材15を用い、変形例(i)及び(j)においては閉塞板16を用いて前面板3を貫通する通路を塞いだが、図3(k)のように、主凹部4の内側の面から副凹部5の内部に延び、副凹部5を塞ぐことのできる装飾兼閉塞板17を設けても良い。そして、変形例(k)によれば、装飾兼閉塞板17の表面に適当な色やデザインを設けるだけで、装飾板9、装飾部材10又は装飾体12の機能と、閉塞部材15や閉塞板16の機能を合わせて発揮することができる。
1 家具用引手 2 引出し 3 前面板 4 主凹部 5 副凹部
6 重なり部 7 底面 8 装飾用凹部 9 装飾板
10 装飾部材 11 装飾用孔部 12 装飾体 13 副凹部
14 重なり部 15 閉塞部材 16 閉塞板 17 装飾兼閉塞板

Claims (3)

  1. 引出しの前面板の外側に形成されている主凹部と、
    前記前面板の内側に形成されている副凹部を備え、
    前記主凹部と前記副凹部には、それぞれ一部だけに重なり部が形成されており、
    前記主凹部の外側から前記重なり部に指先を挿入可能であるとともに、前記副凹部の前記重なり部と隣接する底面に前記指先を掛けることが可能である
    ことを特徴とする家具用引手。
  2. 前記主凹部の前記重なり部以外の部分に装着可能な装飾部材を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の家具用引手。
  3. 前記副凹部の前記重なり部より内側に閉塞部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の家具用引手。
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