JP3232907B2 - 形状計測装置 - Google Patents

形状計測装置

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JP3232907B2
JP3232907B2 JP22234394A JP22234394A JP3232907B2 JP 3232907 B2 JP3232907 B2 JP 3232907B2 JP 22234394 A JP22234394 A JP 22234394A JP 22234394 A JP22234394 A JP 22234394A JP 3232907 B2 JP3232907 B2 JP 3232907B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、農産物,工業製品等
の形状に関する計測を行う装置に係わり、その計測方法
を改良するようにした装置構成に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば果物の選果を行うに当たっては、
果物の大きさの大小,その外形の凹凸や歪みの度合い等
によって、その等級付けが行われている。このような果
物等の農産物の形状の測定を行うための装置として、農
産物等の画像を基にして、画像処理技術を用いて農産物
等の形状の計測を自動的に行う形状計測装置がすでに知
られている。
【0003】図17は、このような従来例の形状計測装
置の一例を説明するブロック図である。図17におい
て、9は、形状計測装置であり、果物等の適宜の被測定
対象物である測定対象4を載置する載置台41、測定対
象4を照明する照明光42aを供給するための必要に応
じて設置される照明装置42、位置センサ49、撮像装
置5、外周点検出部6、画像外周長計測部7、信号バス
81、cpu82、表示装置83、操作卓84、入出力
インターフェイス85を備えている。載置台41は、被
測定対象物4(以降、測定対象と略称することがあ
る。)を静止した状態で載置するものや、コンベヤのご
とく、多数の測定対象4を順次移動させることが可能な
もの等がある。撮像装置5は、測定対象4の二次元画像
を取得するためのテレビカメラ等の撮像用のカメラ装置
51と、カメラ装置51で得られた測定対象4の二次元
画像の処理を行い、測定対象4の2値化された二次元画
像の信号5aを得る画像処理部52とを備えている。位
置センサ49は、載置台41がコンベヤ等の場合に、測
定対象4がカメラ装置51の視野の適切な位置に到着し
た際に、このことを検出して信号49aを画像処理部5
2に向けて送出する。カメラ装置51は測定対象4の二
次元画像を撮像し、測定対象4に関するこの二次元画像
に対応した画像信号51aを出力する。画像処理部52
は、信号49aが入力されたタイミング等における画像
信号51aの2値化処理を行い、測定対象4の2値化さ
れた画像信号である信号5aを得る回路装置である。
【0004】外周点検出部6は、前記の信号5aを入力
して、この信号5aから測定対象4の二次元画像と背景
の画像との境界、すなわち、測定対象4の外周点を検出
して、外周点に対応する端部を持つ2値化信号である信
号6aを得る回路装置である。画像外周長計測部7は、
外周点検出部6で検出された外周点のデータを入力し
て、測定対象4に関する2値化画像の周囲長および面積
とを計測し、次記する(式1)で定義される2値化像の
形状係数(α)を演算し、内蔵するメモリに格納する回
路装置である。
【0005】
【数1】 α=4π×面積/(周囲長)2 ……………(1) (式1)で定義された測定対象4の形状係数(α)は、
測定対象4の外形形状が真円の場合に最大(=1)とな
り、真円から外れに従い,順次1よりも小さくなる関係
を持つ係数である。
【0006】また、cpu82は、形状計測装置9の全
体を制御し、前記した演算のフローを実行し、かつ、画
像外周長計測部7による前記した処理で得られた形状係
数(α)を基に、測定対象4の等級付けを決定する等の
プログラムを実行するプロセッサである。表示装置83
は、画像外周長計測部7で得られた信号,外周点検出部
6で得られた外周点の像、cpu82が実施した判定結
果等を表示する装置であり、操作卓84は、形状計測装
置9が行う各処理における諸条件等の入力、運転モード
の設定等の指示を行うのに使用する装置であり、入出力
インターフェイス85は、形状計測装置9の形状計測結
果を関連する他の装置(例えば、載置台41を構成する
コンベヤ、ホストコンピュータ等である。)に伝達する
ための装置である。さらに、信号バス81は、形状計測
装置9を構成するところの、画像外周長計測部7,cp
u82,表示装置83,操作卓84,入出力インターフ
ェイス85等の相互間に信号を伝送するものである。
【0007】前記の構成を備えた一つの従来例の形状計
測装置9は、例えば測定対象4がトマト等のその外形形
状がおおむね円形の果物である場合には、形状係数
(α)が1に近いものほど真円に近いものであることか
ら、形状係数(α)が1に近いものほど品質が高いもの
とし、また、形状係数(α)が小さいものほど真円に対
して変形している度合いが高いことになるので,形状係
数(α)が小さいものほどその品質が低いものとして評
価している。
【0008】しかし、この従来例は、測定対象4が比較
的に単純な形状である場合に適用されている事例であ
り、測定対象4の形状が複雑であることの多い工業製品
の場合に適用されている従来例として、図18に示す形
状計測装置も知られている。図18は、異なる従来例の
形状計測装置9Aを説明するブロック図であり、図18
において、図17に示した一つの従来例による形状計測
装置9と同一部分には同じ符号を付し、その説明を省略
する。図18において、9Aは、形状計測装置であり、
形状計測装置9における画像外周長計測部7に替えて、
画像面積計測部7Aを備えている。画像面積計測部7A
は、測定対象4の2値化像の信号5aを一時保存するメ
モリ部71と、良品の画像を2値化像等として保持する
辞書部(テンプレートと呼ばれる場合も有る。)72
と、位置合わせ部73と、論理演算部74と、面積計測
部75とを備えている。位置合わせ部73は、論理演算
部74で求められた測定対象4の基準位置等を基に、測
定対象4の2値化像を辞書部72に保持されている良品
の画像に極力合致させるように位置合わせを行う回路装
置である。
【0009】論理演算部74は、測定対象4の2値化像
を基に測定対象4の重心位置,マーカ位置等の基準位置
を求めると共に、位置合わせ部73で位置合わせを施さ
れた後の2値化像を基にして、辞書部72に保持されて
いる良品の画像との論理積(良品の画像と一致している
部分の画像面積を求めることに等しい.)の演算、およ
び、辞書部72に保持されている良品の画像との排他的
論理積(良品の画像と一致していない部分の画像面積を
求めることに等しい.)の演算を行う回路装置である。
面積計測部75は、論理演算部74で得られた論理積値
および排他的論理積値を基にして、測定対象4の面積,
測定対象4の面積の良品の面積との差異等を演算する回
路装置である。
【0010】前記の構成を備えた異なる従来例の形状計
測装置9Aは、測定対象4の面積の良品の面積に対する
差異で測定対象4の形状の変形の度合いを求め、良品の
面積に対する一致度の高低により測定対象4の品質を評
価している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る形状計測装置9,9Aにおいては、測定対象4の外周
の形状に関する品質を自動的に計測することを可能にし
ているのであるが、代表例をあげると、次記するような
問題がある。すなわち、形状計測装置9では、測定対象
4の周囲長として測定対象4の全体の周囲長の総和で取
り扱っていることから、測定対象4が異常点を持つ場合
に、人手による選別と比較してその異常点の検出感度が
低く、特に、測定対象4の形状が真円ではない場合には
計測誤差が大きくならざるをえないものであった。ま
た、形状計測装置9Aは、測定対象4が半導体製品等の
ように外周の寸法のばらつきの少ない製品の検査には有
効なのであるが、測定対象4が農産物のように個々の測
定対象でその外周の形状,寸法が一様ではない場合に
は、個々の測定対象4によるその面積の変化は、良品の
面積に対する測定対象4の面積の変動幅の中に入ってし
まい、個々の測定対象4の外周の形状の変形度合いを計
測することが困難であった。これ等のことから、形状計
測装置には次記するような要求に対応することが求めら
れている。
【0012】測定対象4の変形度合いが、定量的かつ
高い精度で求められるものであること。 測定対象4の変形度合いを、局所的な大きな変形と、
それ以外の小さな変形とに区分して求められるものであ
ること。 円形状であるとか,だ円形状であるとかの測定対象4
の基本的な形状に基づく影響と、測定対象4の変形度合
いとを区分して求められるものであること。
【0013】変形している個所の位置を特定して求め
られるものであること。 寸法は異なっていても互いに相似形の関係にある測定
対象4の変形度合いは、同一値であるとして求めること
が可能であること。 この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑みなされたも
のであり、その目的は、測定対象の外周の形状の変形度
を高い精度でかつ定量的に得られ、また、相似形の測定
対象の場合に同一の変形度として得ることが可能な形状
計測装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明では前述の目的
は、 1)測定対象の2値化された二次元画像の信号を得る撮
像装置と、この二次元画像の信号から測定対象の形状因
子を計測する計測部を備えた形状計測装置において、形
状因子を計測する計測部は、二次元画像の信号を基にし
て,画像の持つ測定対象の外周に対応する多数の外周点
のそれぞれの座標データを求める外周点計測部と、外周
点計測部で得られた多数の画像の外周点の座標データを
入力して,それぞれが同一の長さを持ち,互いに順次連
なり合って測定対象の外周を一巡する単位ベクトルの集
合を生成する単位ベクトル生成部と、単位ベクトル生成
部で得られた単位ベクトルの集合に対して,一定の周方
向に沿って適宜の外周点を中心とする区間Dを隔てられ
た2つの単位ベクトル間の方向差を求める1次方向差演
算部とを備え、この単位ベクトル間の方向差により測定
対象の外形形状の変形度合いを計測する構成とするこ
と、または 2)前記1項に記載の手段において、計測部が備える単
位ベクトル生成部は、外周点計測部で得られた多数の画
像の外周点の座標データを,測定対象の外周の一方向に
沿った順序に並び変える座標データ整列部と、この並び
変えられた座標データを基にして,互いに隣接する外周
点間を結ぶベクトルデータに変換するベクトルデータ化
部と、このベクトルデータ化された外周点座標データを
基にして,一定の沿面距離のピッチP毎に一定の沿面距
離Wの幅を持つ平均化窓により移動平均をとり,前記の
一定のピッチPのベクトル長さを持つ単位ベクトルの集
合に変換する単位ベクトル化部とを備える構成とするこ
と、または 3)前記1項に記載の手段において、計測部が備える単
位ベクトル生成部は、外周点計測部で得られた多数の画
像の外周点の座標データを,被測定対象物の外周の一方
向に沿った順序に並び変える座標データ整列部と、外周
点計測部で得られた多数の画像の外周点の座標データを
基に被測定対象物の二次元画像に対する面積を演算し,
この面積の予め保有している標準面積に対する倍率を演
算する面積倍率演算部と、座標データ整列部で並び変え
られた座標データと面積倍率演算部で得られた面積の倍
率データとを入力し,並び変えられた座標データに倍率
データを乗じて,並び変えられかつ正規化された座標デ
ータを得る正規化演算部と、この並び変えられかつ正規
化された座標データを基にして,互いに隣接する外周点
間を結ぶベクトルデータに変換するベクトルデータ化部
と、このベクトルデータ化された正規化外周点座標デー
タを基にして,一定の沿面距離のピッチP毎に一定の沿
面距離Wの幅を持つ平均化窓により移動平均をとり,前
記の一定のピッチPのベクトル長さを持つ単位ベクトル
の集合に変換する単位ベクトル化部とを備える構成とす
ること、または 4)前記1項から3項までのいずれかに記載の手段にお
いて、形状因子を計測する計測部は、1次方向差演算部
で得られた単位ベクトル間の方向差を入力し,その平均
値および/または偏差値および/または標準偏差値を求
める1次平均値等演算部を備え、この方向差の平均値お
よび/または偏差値および/または標準偏差値により測
定対象の外形形状の変形度合いを計測する構成とするこ
と、または 5)前記1項から4項までのいずれかに記載の手段にお
いて、形状因子を計測する計測部は、1次方向差演算部
が出力する単位ベクトル間の方向差を入力し,この方向
差の出力範囲を規制する閾値を1個あるいは2個以上有
する1次方向差規制部を備え、1次方向差規制部が有す
る閾値により区分された領域における方向差のみを取り
出して,単位ベクトル間の方向差として測定対象の外形
形状の変形度合いを計測する構成とすること、または 6)前記1項から4項までのいずれかに記載の手段にお
いて、形状因子を計測する計測部は、1次方向差演算部
が出力する単位ベクトル間の方向差を入力し,この方向
差の値の範囲を区分する閾値を1個あるいは2個以上有
し,これ等閾値を越える凸部および/またはこれ等閾値
を下回る凹部を区分したうえで,この区分された凸部お
よび/または凹部の中心位置を求める1次変化量中心位
置演算部を備え、1次変化量中心位置演算部で得られた
中心位置により測定対象の外形形状の変形度合いの大き
な位置を特定する構成とすること、または 7)測定対象の2値化された二次元画像の信号を得る撮
像装置と、この二次元画像の信号から測定対象の形状因
子を計測する計測部を備えた形状計測装置において、形
状因子を計測する計測部は、二次元画像の信号を基にし
て,画像の持つ測定対象の外周に対応する多数の外周点
のそれぞれの座標データを求める外周点計測部と、外周
点計測部で得られた多数の画像の外周点の座標データを
基にして,それぞれが同一の長さを持ち,互いに順次連
なり合って測定対象の外周を一巡する単位ベクトルの集
合を生成する単位ベクトル生成部と、単位ベクトル生成
部で得られた単位ベクトルの集合に対して一定の周方向
に沿って,ある外周点を中心とする区間Dを隔てられた
2つの単位ベクトル間の方向差を求める1次方向差演算
部と、この単位ベクトル間の方向差を入力して,一定の
周方向に沿って,適宜の外周点を中心とする区間Eを隔
てられた2点における前記の方向差の差を求める2次方
向差演算部とを備え、この単位ベクトル間の方向差の差
により測定対象の外形形状の変形度合いを計測する構成
とすること、または 8)前記7項に記載の手段において、計測部が備える単
位ベクトル生成部は、外周点計測部で得られた多数の画
像の外周点の座標データを,測定対象の外周の一方向に
沿った順序に並び変える座標データ整列部と、この並び
変えられた座標データを基にして,互いに隣接する外周
点間を結ぶベクトルデータに変換するベクトルデータ化
部と、このベクトルデータ化された外周点座標データを
基にして,一定の沿面距離のピッチP毎に一定の沿面距
離Wの幅を持つ平均化窓により移動平均をとり,前記の
一定のピッチPのベクトル長さを持つ単位ベクトルの集
合に変換する単位ベクトル化部とを備える構成とするこ
と、または 9)前記7項に記載の手段において、計測部が備える単
位ベクトル生成部は、外周点計測部で得られた多数の画
像の外周点の座標データを,被測定対象物の外周の一方
向に沿った順序に並び変える座標データ整列部と、外周
点計測部で得られた多数の画像の外周点の座標データを
基に被測定対象物の二次元画像に対する面積を演算し,
この面積の予め保有している標準面積に対する倍率を演
算する面積倍率演算部と、座標データ整列部で並び変え
られた座標データと面積倍率演算部で得られた面積の倍
率データとを入力し,並び変えられた座標データに倍率
データを乗じて,並び変えられかつ正規化された座標デ
ータを得る正規化演算部と、この並び変えられかつ正規
化された座標データを基にして,互いに隣接する外周点
間を結ぶベクトルデータに変換するベクトルデータ化部
と、このベクトルデータ化された正規化外周点座標デー
タを基にして,一定の沿面距離のピッチP毎に一定の沿
面距離Wの幅を持つ平均化窓により移動平均をとり,前
記の一定のピッチPのベクトル長さを持つ単位ベクトル
の集合に変換する単位ベクトル化部とを備える構成とす
ること、または 10)前記7項から9項までのいずれかに記載の手段に
おいて、形状因子を計測する計測部は、2次方向差演算
部で得られた単位ベクトル間の方向差の差を入力し,そ
の平均値および/または偏差値および/または標準偏差
値を求める2次平均値等演算部を備え、この方向差の差
の平均値および/または偏差値および/または標準偏差
値により測定対象の外形形状の変形度合いを計測する構
成とすること、または 11)前記7項から10項までのいずれかに記載の手段
において、形状因子を計測する計測部は、2次方向差演
算部で得られた2つの単位ベクトル間の方向差の差を入
力し,この方向差の差の出力範囲を規制する閾値を1個
あるいは2個以上有する2次方向差規制部を備え、2次
方向差規制部が有する閾値により区分された領域におけ
る方向差の差のみを取り出して,単位ベクトル間の方向
差の差として測定対象の外形形状の変形度合いを計測す
る構成とすること、または 12)前記7項から10項までのいずれかに記載の手段
において、形状因子を計測する計測部は、2次方向差演
算部が出力する単位ベクトル間の方向差の差を入力し,
この方向差の差の値の範囲を区分する閾値を1個あるい
は2個以上有し,これ等閾値を越える凸部および/また
はこれ等閾値を下回る凹部を区分し,この区分された凸
部および/または凹部の中心位置を求める2次変化量中
心位置演算部を備え、測定対象の外形形状の変形度合い
の大きな位置を特定する構成とすること、さらにまたは 13)前記1項から12項までのいずれかに記載の手段
において、形状因子を計測する計測部は、測定対象の外
形形状に関する等価的なだ円の長軸長さと,等価的なだ
円の短軸長さとの比率である長短軸比率を求める長短軸
比率演算部を備え、1次方向差演算部で得られた単位ベ
クトル間の方向差の偏差値または標準偏差値,または2
次方向差演算部で得られた単位ベクトル間の方向差の差
の偏差値または標準偏差値を一方の軸にとり,長短軸比
率演算部で得られた長短軸比率を他方の軸にとった直交
座標を作成し,この座標を基にして同一の変形度合いの
領域を区分し,この領域の同一の領域に含まれる測定対
象を変形度合いに関して同一等級品であるとして等級付
けを行う構成とすること、で達成される。
【0015】
【作用】この発明においては、 1)形状計測装置は、2値化された二次元画像の信号を
基にして、例えば、単位ベクトル生成部として,座標デ
ータ整列部,ベクトルデータ化部,単位ベクトル化部と
を有するものを用いることにより、外周点計測部におい
て、背景との境界に位置するそれぞれの外周点の、例え
ばxy座標の座標データがまず求められる。次にこれ等
の多数の外周点を、ベクトル値への変換を容易にするべ
く、座標データ整列部において画像外周の一方向に沿っ
た順序,例えば時計方向に整列し直す。続いてこの一方
向に沿って整列された座標データを用いて、ベクトルデ
ータ化部において、互いに隣接する外周点間を結ぶベク
トルデータ列に変換する。このベクトルデータ列に対し
て、単位ベクトル化部において、一定の沿面距離のピッ
チP毎に一定の沿面距離Wの幅を持つ平均化窓により移
動平均をとり,前記の一定のピッチPのベクトル長さを
持つ単位ベクトルの集合に変換する。さらにこの基準化
された単位ベクトル列を用いて、1次方向差演算部にお
いて、一定の周方向に沿って,ある外周点を中心とする
区間Dを隔てられた2つの単位ベクトル間の方向差を求
め、この方向差を両単位ベクトルの中間位置における測
定対象の外周の形状の1次変化量θd として得る。1次
方向差演算部においては、この1次変化量θd を二次元
画像の外周を一定の方向に沿って少なくとも一巡させて
求める。かくして得られた1次変化量θd により測定対
象の外周の変形量を高精度で求めることができる。
【0016】2)前記(1)項の作用に加えて、2値化
された二次元画像の信号を基にして,被測定対象物の二
次元画像に対する面積およびこの面積の予め保有してい
る標準面積に対する倍率を面積倍率演算部で演算する。
そうして、正規化演算部で一方向に沿って整列された座
標データにこの倍率データを乗じて,並び変えられかつ
正規化された座標データを得るようにする。ベクトルデ
ータ化部は、この並び変えられかつ正規化された座標デ
ータを用いて,互いに隣接する外周点間を結ぶベクトル
データ列に変換することになる。従って、寸法は異なっ
ていても互いに相似形の関係にある測定対象の変形度合
いは、同一値であるとして求めることが可能となる。
【0017】3)前記(1),(2)項の作用に加え
て、1次変化量θd の集合を基にして、その平均値を1
次平均値等演算部で求めることで測定対象の外周のマク
ロな変形量を求めることができる。このマクロな変形量
は、測定対象の外周の形状が真円である場合には、測定
対象の外周の曲率を示すものである。また、その偏差値
および/または標準偏差値を1次平均値等演算部で求め
ることで測定対象の外周の変形の分布量を定量的に求め
ることができる。
【0018】4)前記(1)〜(3)項の作用に加え
て、1次方向差規制部に,例えば閾値として,大きな値
の閾値と,この閾値よりも小さい値の閾値である小さい
値の閾値とを設けると、1次方向差演算部で得られた1
次変化量θd は、大きな値の閾値を上限とし,かつ小さ
な値の閾値を下限とする比較的に小さい1次変化量θd
と、大きな値の前記閾値を下限とする比較的に大きな凸
部の1次変化量θd と、小さな値の前記閾値を上限とす
る比較的に大きな凹部の1次変化量θd に区分して、定
量的に求めることができる。
【0019】5)形状計測装置は,前記(1)〜(4)
項の作用に加えて、測定対象の外周の形状の1次変化量
θd の集合を基にして、1次変化量中心位置演算部で、
閾値を越えていることで凸部領域が、また、閾値を下回
っていることで凹部領域が区分して取り出され、しかも
それぞれの凸部および凹部領域の中心位置が算出される
ことで、この凸部領域,凹部領域の位置を特定すること
が可能となる。
【0020】6)形状計測装置は,前記(1),(2)
項の作用に加えて、測定対象の外周の形状の1次変化量
θd の集合を基にして、2次方向差演算部において、一
定の周方向に沿って,ある外周点を中心とする区間Eを
隔てられた2点における単位ベクトル間の方向差の差,
すなわち2次変化量θddを1次変化量θd 間の差として
求める。この2次変化量θddを二次元画像の外周を一定
の方向に沿って少なくとも一巡させて求める。かくして
得られた2次変化量θddにより測定対象の外周の選択的
変形量を高精度で求めることができる。
【0021】7)前記(6)項の作用に加えて、2次変
化量θddの集合を基にして、その平均値を2次平均値等
演算部で求めることで測定対象の外周の選択的変形量を
求めることができる。また、その偏差値および/または
標準偏差値を2次平均値等演算部で求めることで測定対
象の外周の選択的変形の分布量を定量的に求めることが
できる。
【0022】8)前記(6),(7)項の作用に加え
て、2次方向差規制部に,例えば閾値として,大きな値
の閾値と,この閾値よりも小さい値の閾値である小さい
値の閾値とを設けると、2次方向差演算部で得られた2
次変化量θddは、大きな値の閾値を上限とし,かつ小さ
な値の閾値を下限とする比較的に小さい2次変化量θdd
と、大きな値の前記閾値を下限とする比較的に大きな凸
部の2次変化量θddと、および、小さな値の前記閾値を
上限とする比較的に大きな凹部の2次変化量θddに区分
して、定量的に求めることができる。
【0023】9)前記(6)〜(8)項の作用に加え
て、2次変化量θddの集合を基にして、2次変化量中心
位置演算部で、閾値を越えていることで凸部領域が、ま
た、閾値を下回っていることで凹部領域が区分して取り
出され、しかもそれぞれの凸部および凹部領域の中心位
置が算出されることで、この凸部領域,凹部領域の位置
を特定することが可能となる。
【0024】10)前記(1)〜(9)項の作用に加え
て、測定対象の外周の等価的なだ円の長軸長さと短軸長
さとの比率である長短軸比率を算出し、この長短軸比率
を一方の軸とし、他方の軸を1次変化量θd または2次
変化量θddとする二次元座標を設定する。この二次元座
標を基にして、同一の変形度合いの領域を区分し,この
領域の同一の領域に含まれる測定対象を変形度合いに関
して同一等級品であるとして等級付けを行うことで、測
定対象の変形度合いに関する等級付けを定量的かつ一義
的に行うことが可能となる。
【0025】
【実施例】以下この発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 実施例1;図1は、請求項1,2,4に対応するこの発
明の一実施例による形状計測装置を説明するブロック図
である。図2は、図1中に示した計測部で得られる被測
定対象物の画像を説明するグラフであり、(a)は、外
周点計測部で得られる画像を説明するグラフであり、
(b)は、外周点座標列を説明するグラフであり、
(c)は、周方向整列座標列を説明するグラフある。図
3は、図1中に示した計測部の要部で得られるデータを
説明する説明図であり、(a)は、外周点座標列の説明
図であり、(b)は、周方向整列座標列の説明図であ
り、(c)は、ベクトルの集合の説明図であり、(d)
は、単位ベクトルの集合の説明図であり、(e)は、1
次変化量の説明図である。図4は、単位ベクトル集合を
求める方法を説明するグラフである。図5は、被測定対
象物の基本形状が円形である場合の図1中に示した計測
部の動作を説明するグラフであり、(a)は被測定対象
物の外形形状のグラフであり、(b)は、1次変化量の
グラフである。図6は、被測定対象物の基本形状が平面
状である場合の図1中に示した計測部の動作を説明する
グラフであり、(a)は被測定対象物の外形形状のグラ
フであり、(b)は、1次変化量のグラフである。図1
において、図17,図18に示した従来例による形状計
測装置と同一部分には同じ符号を付し、その説明を省略
する。
【0026】図1において、1は、図17に示した従来
例による形状計測装置9に対して、画像外周長計測部7
に替えて形状因子を計測する計測部3を用いるようにし
た形状計測装置である。計測部3は、単位ベクトル生成
部2と、1次方向差演算部31と、1次平均値等演算部
としての単位ベクトル間の方向差の平均値を算出する平
均値演算部311、および、1次平均値等演算部として
の単位ベクトル間の方向差の偏差値を求める偏差値演算
部312とを備えている。また、単位ベクトル生成部2
は、メモリ部21と、外周点計測部22と、座標データ
整列部23と、ベクトルデータ化部24と、単位ベクト
ル化部25とを備えている。
【0027】前述したように、外周点検出部6は、前述
した信号5aを入力して、カメラ装置51の主走査方向
〔ここでは、図2(a)中のx方向がカメラ装置51の
水平走査方向であるとする。〕に対する測定対象4の二
次元画像と背景の画像との境界、すなわち、測定対象4
の外周点を検出して、図2(a)中に例示するごとき画
像データである信号6aを得る回路装置である。メモリ
部21は、この信号6aを入力して格納する回路装置で
ある。形状計測装置1では、位置センサ49から信号4
9aが出力されたタイミングでの、測定対象4の全ての
信号6aのメモリ部21への格納の終了後に、外周点計
測部22において、それぞれの外周点の座標列にまず変
換して保存する。その際、データ数を極力減らすため
に、それぞれの外周点は、図2(b)中に示すように、
信号6aにおいて、カメラ装置51の主走査方向に整列
する画素群の外周に接する両端部の画素の持つ座標とし
て整理することが好ましいものである。かくして、外周
点計測部22で、図3(a)に例示するような形に整理
することが可能な外周点座標列B(x,y)がまず求め
られて保存される。
【0028】次に、座標データ整列部23において、外
周点座標列B(x,y)から、図2(c)中に例示する
ように、最も小さいy座標の値を持ち,かつその中で最
も小さいx座標の値を持つ外周点〔図2(c)中に0点
として示してある。〕を開始点として、一定方向(この
実施例の場合では時計方向)に,しかもいわゆる一筆書
きによる順序に、図3(b)に例示するような形に図3
(a)による全外周点が並び替えられて保存される。こ
れを外周点座標列C(x,y)と呼ぶこととする。信号
6a中に穴が存在する場合には、外周点座標列C(x,
y)を求める過程で、穴の部分は一筆書きされる部分か
ら外れていることから、穴に対応する外周点は除去され
る。従って、外周点座標列C(x,y)による外周点の
点数は、外周点座標列B(x,y)による外周点の点数
よりも低減される。なお、外周点座標列C(x,y)
は、測定対象4の外周の変形量の算出を、測定対象4の
全周について完全に実施できるようにするために、測定
対象4の外周を1周する分に加えて後記する(式6)に
よるβだけ余分に求めておく必要が有る。従って、開始
点およびそれに続く外周点座標列B(x,y)の一部の
外周点は、外周点座標列C(x,y)を求めるのに際し
て2度利用されることとなる。
【0029】次に、座標データ整列部23に保存されて
いる絶対座標で表現された外周点座標列C(x,y)を
用いて、ベクトルデータ化部(以降、ベクターと略称す
ることがある。)24において、前記の開始点である0
点を起点として、互いに隣接する外周点の間を結ぶベク
トルV(Δx,Δy)の集合に変換し保存する。ここ
で、それぞれのΔx,Δyは、(式2)によるΔxn
よびΔyn として定義されるものであり、外周点座標列
C(x,y)内の相互に隣接する2点間の、それぞれの
直交成分距離である。
【0030】
【数2】 Δxn =xn+1 −xn ………………(2.1) Δyn =yn+1 −yn ………………(2.2) このようにして、長さが〔(Δxn 2 +(Δ
n 2 1/2 で,方向がarctan(Δxn /Δy
n )のベクトルの集合V(x,y)が、図3(c)に例
示した形に整理されて得られる。なお、このベクトルの
集合V(x,y)も、前述の外周点座標列C(x,y)
と同様な理由により、測定対象4の外周を1周する分に
加えて後記する(式6)によるβだけ余分に求めておく
必要が有る。
【0031】ここでベクトルの集合V(x,y)は、有
限な画素数による外周点座標列C(x,y)を基にして
得られた値であるので、ベクトルの集合V(x,y)を
そのまま用いて形状データを求めると、画像の標本化に
よる影響により、測定対象4の実際の変形よりも大きく
変形しているがごとき、実際の変形量とは異なる形状デ
ータが得られてしまう懸念が有る。これを解消するため
に、ベクター24に保存されているこのベクトルの集合
V(x,y)を用いて、単位ベクトル化部(以降、単位
ベクターと略称することがある。)25において、等し
い長さPを持つ単位ベクトルの集合Q(a,b)にさら
に変換して保存する。ベクトルの集合V(x,y)か
ら、等しい長さPを持つ単位ベクトルの集合Q(a,
b)に変換する方法としては2通りの方法が有る。な
お、これ等から得られる結果は同一である。まず第一の
方法は、ベクトルの集合V(x,y)の各要素の長さ
〔(Δxn2 +(Δyn 2 1/2 の全外周点を順次
巡る全周囲長(L=Σ〔(Δxn 2 +(Δyn 2
1/2 )をまずとり、この全周囲長Lを、一定の沿面距離
幅W(=nP、n>1)の区間における、一定の沿面距
離ピッチP毎に移動平均をとって、一定の沿面距離ピッ
チP毎に単位化すると共に、その方向を定めるものであ
る。この沿面距離ピッチP,沿面距離幅Wのとり方を、
図4に例示する。また、第二の方法は、前記全周囲長L
を、一定の沿面距離ピッチP毎に区切った後に、一定の
沿面距離幅W毎に移動平均をとるものである。これ等に
より、カメラ装置51の画素数が有限であることが原因
となって生じるエラーを除去することが可能となるので
ある。すなわち、単位ベクトルの集合Q(a,b)の各
要素a,bは、(式3)による値となり、図3(d)に
例示した形に整理されて求めることができる。以上によ
り、測定対象4の外周の沿面を一定の周方向に沿って、
互いに順次連なり合う単位ベクトルの集合Qが得られ
る。
【0032】
【数3】 a=ΣΔxn …………………………(3.1) b=ΣΔyn …………………………(3.2) ただし、一定の沿面距離ピッチP,一定の沿面距離幅W
毎にベクトルの集合V(x,y)の要素(Δxn ,Δy
n )を区切る際には、要素(Δxn ,Δyn )の細分化
を行って、精度の高い沿面距離ピッチP,沿面距離幅W
を得るようにすることが必要である。この細分化を行う
際には、沿面距離幅Wを沿面距離ピッチPの整数倍(す
なわち、nが整数であると言うことである。)値に設定
することで、要素(Δxn ,Δyn )の細分化等を行う
演算を簡略化することが可能となる。なお、この単位ベ
クトルの集合Q(a,b)についても、前述の外周点座
標列C(x,y)と同様な理由により、測定対象4の外
周を1周する分に加えて後記する(式6)によるβだけ
余分に求めておく必要が有る。
【0033】前述したところにより得られた基準化され
た単位ベクトルの集合Q(a,b)を用いて、測定対象
4の外周の1次変化量θd (外周点における接線の方向
と言うこともできる。)が、1次方向差演算部31で算
出されて保存される。ここで、測定対象4の外周の形状
の1次変化量θd は、ある距離D(=mP,m>1)だ
け互いに離間されている2点の外周点間における、単位
ベクトルの方向(θj)の変化として定義することがで
きるものである。距離Dの値は、対象としている外周形
状の変形度合いによって、適宜に選定することが可能で
ある。かくして1次変化量θd は、ベクトルの集合Q
(a,b)を用いて(式4)で示す値として算出され
る。
【0034】
【数4】θd =arctan{〔a(j+k) −a(j) 〕 /〔a(j+k) −a(j) 〕} ………(4) ただし、θd は、測定対象4の外周を一周する場合に、
開始点における値が0〔rad〕である場合を例にとる
と、0→π→2π→3π・・・・→2π〔rad〕(外
周を一周して開始点に戻ったということは、途中経過の
いかんに係わらず、θd の値が2π〔rad〕になるこ
とになるためである。)となるように、連続する数値と
なるように扱うものとする。
【0035】測定対象4の外周の1周+βについて求め
られた単位ベクトルの集合Q(a,b)について、その
1次変化量θd が測定対象4の全周について算出され
る。なお、単位ベクトルQ(a,b)の1次変化量θd
は、後記する実施例2で述べる2次変化量θddを求める
ためには、測定対象4の外周を1周する分に加えて後記
する(式8)によるγだけ余分に求めておく必要が有
る。このためには、外周点座標列C(x,y)も、測定
対象4の外周を1周する分に加えてβ〔(式6)を参
照〕+γだけ余分に求めておく必要が有ることになる。
【0036】1次変化量θd の算出に続いて、この1次
変化量θd の平均値M,偏差値S2を、平均値Mについ
ては平均値演算部311で、また、偏差値S2 について
は偏差値演算部312において、(式5)に示す関係に
よりそれぞれ算出して保存される。ここで、Kは、測定
対象4の外周の長さをLとすると、沿面距離ピッチPを
用いてL/Pで表すことができる外周点の点数であり、
平均値Mおよび偏差値S2 を求める際のデータ個数であ
る。
【0037】
【数5】 M =(1/K)×Σθd …………(5.1) S2 =(1/K)×Σ(θd −M)2 …(5.2) 形状計測装置1が備える計測部3では、このようにし
て、測定対象4の2値化像の信号5aを基にして、測定
対象4の外周の変形度合いを示す計測値として、1次変
化量θd およびその平均値M,その偏差値S2 とが求め
られる。これ等の量は、信号6a,外周点座標列B
(x,y)等と共に、従来例の形状計測装置9の場合と
同様に、信号バス81を介してcpu82,表示装置8
3等に伝送され、等級付けの作業用に供せられる。
【0038】ここで、前記したβについて図7を用いて
説明する。図7中では、外周点は、Q0 ,Q1 ,Q2
・・・QK-2 ,QK-1 ,QK として示されており、合計
K(≒L/P)個の外周点が存在している。K個目の外
周点は、開始点Q0 と合致しているとして描かれてい
る。1次変化量θd を、図7中に示した円形状の基本形
状を持つ測定対象4の全外周について求めるには、外周
点Q0 から開始して外周点QK までを求めることにな
る。ところで、外周点QK における1次変化量θdを求
めるには、外周点QK から前記の距離D〔図7では、D
=5P(すなわち、m=5)として描かれている。〕だ
け離れた点(図7では、Q5 として描かれている。)の
単位ベクトルが必要になる。この外周点Q5 の単位ベク
トルを求めるには、沿面距離幅W〔図7では、W=6P
(すなわち、n=6)として描かれている。〕の1/2
だけ進んだ先の外周点(図7では、Q8 として描かれて
いる。)の外周点座標C(x,y)が必要になることに
なる。すなわち必要となるβは、(式6)に示す値とな
る。
【0039】
【数6】 β=〔m+(1/2)n〕×P …………(6) 図1に示す実施例1では、前述の構成としたことによ
り、測定対象4の基本形状が図5(a)に示すように円
形である場合に、変形の全く無い理想的な外周の形状を
持つ場合(図5中に点線で示した。)と対比させて、そ
の理想的な外周に対する変形度合いを1次変化量θd
表現する図5(b)に例示したようなグラフが得られ
る。また、測定対象4の基本形状が図6(a)に示すよ
うにほぼ平面である場合に、変形の全く無い理想的な平
面を外周の形状として持つ場合(図6中に点線で示し
た。)と対比させて、その理想的な外周に対する変形度
合いを1次変化量θd で表現する図6(b)に例示した
ようなグラフが得られる。1次変化量θd は、図5
(b),図6(b)中に示すように、測定対象4の変形
度合いが顕著な部位では大きな値となり、その変形度合
いが少ない部位では小さい値となって得られるものであ
る。
【0040】また、平均値演算部311で求められた1
次変化量θd の平均値は、測定対象4の外周のマクロな
変形度合いを示すものであり、偏差値演算部312で求
められた1次変化量θd の偏差値は、測定対象4の外周
の変形度合いの分布量を示すものであり、これらによ
り、測定対象4の外周の変形度合いを、定量的にかつ高
精度で求めることができるのである。
【0041】実施例2;図8は、請求項7,8,10に
対応するこの発明の一実施例による形状計測装置を説明
するブロック図である。図9は、被測定対象物の基本形
状がだ円形である場合の図8中に示した計測部の動作を
説明するグラフであり、(a)は被測定対象物の外形形
状のグラフであり、(b)は、図9(a)に対する1次
変化量のグラフであり、(c)は、図9(a)に対する
2次変化量のグラフである。図8において、図1に示し
た請求項1,2,4に対応するこの発明の一実施例によ
る形状計測装置、および、図17,図18に示した従来
例による形状計測装置と同一部分には同じ符号を付し、
その説明を省略する。
【0042】図8において、1Aは、図1に示した請求
項1,2,4に対応するこの発明の一実施例による形状
計測装置1に対して、形状因子を計測する計測部3に替
えて計測部3Aを用いるようにした形状計測装置であ
る。計測部3Aは、計測部3から平均値演算部311お
よび偏差値演算部312を除くと共に、2次方向差演算
部32、および2次平均値等演算部としての2次平均値
演算部321,2次偏差値演算部322を備えている。
2次方向差演算部32は、実施例1で説明済の1次方向
差演算部31で求められた測定対象4の外周の1次変化
量θd を用いて、測定対象4の外周の2次変化量θdd
算出する。ここで、測定対象4の外周の形状の2次変化
量θddは、ある距離E(=qP,q>1)だけ互いに離
間されている2点の外周点間における、1次変化量θd
の変化として定義することができるものである。距離E
の値は、対象としている外周の形状の変形度によって、
適宜に選定することが可能であるが、測定対象4が、例
えば基本形状がだ円状であり、その外周にある間隔Hを
置いて局部的な変形が存在している場合に、距離Eを間
隔Hの1/2以下に定めることにより、測定対象4がだ
円状であることによる変形成分がほぼ除去されて、局部
的な変形の検出が容易になる。かくして2次変化量θdd
は、1次変化量θd を用いて(式7)に示す値として算
出される。
【0043】
【数7】 θdd(i) =θd(k+E)−θd(k) ……………(7) この2次変化量θddは、測定対象4の全周について算出
される。2次変化量θ ddを測定対象4の全外周について
算出するためには、1次変化量θd として、測定対象4
の外周の1周+γについて求められた1次変化量θd
必要である。その理由の説明を、前述したβが必要とな
る理由の説明に準じて以下で行うこととする。2次変化
量θddを測定対象4の全外周について求めるには、1周
目の外周点から前記の距離Eだけ離れた点の1次変化量
θd が必要になる。すなわち必要となるγは、(式8)
に示す値となる。
【0044】
【数8】 γ=q×P …………………………………(8) 2次変化量θddの算出に続いて、この2次変化量θdd
平均値M,偏差値S2を、平均値Mについては2次平均
値演算部321で、また、偏差値S2 については2次偏
差値演算部322において、(式9)に示す関係により
それぞれ算出される。なおiは、2次変化量θddのデー
タ個数であり、i=q/Kである。
【0045】
【数9】 M =(1/i)×Σθdd …………(9.1) S2 =(1/i)×Σ(θdd−M)……(9.2) 形状計測装置1Aが備える計測部3Aでは、このように
して、測定対象4の2値化像の信号5aを基にして、測
定対象4の変形度合いを示す計測値として、2次変化量
θddおよびその平均値M,その偏差値S2 とが求められ
る。これ等の量は、信号6a,外周点座標列B(x,
y)等と共に、従来例の形状計測装置9の場合と同様
に、信号バス81を介してcpu82,表示装置83等
に伝送され、等級付けの作業用に供せられる。
【0046】図8に示す実施例2では、前述の構成とし
たことにより、測定対象4の外周の基本形状が図9
(a)に示すようなだ円形等の,真円では無い形状を持
つ場合に、変形の全く無い理想的な外周を持つ場合(図
9中に点線で示した。)と対比させて、その理想的な外
周に対する変形度合いを2次変化量θddで表現して、図
9(c)に例示したようなグラフを得ることができる。
ここで図9(b)は、だ円形の外周の形状を持つ測定対
象4の、1次方向差演算部31で算出されたその外周の
1次変化量θd のグラフである。測定対象4の基本形状
が例えばだ円形である場合には、円形に近い形状を持つ
測定対象4の外周の1次変化量θd 〔図5(b)を参
照。〕の場合と異なり、1次方向差演算部31で得られ
る測定対象4の外周の形状の1次変化量θd のグラフ
は、その基本形状が真円ではないことが原因となって、
図9(b)中に点線で示すような大きな脈動成分が含ま
れたものとなる。この1次変化量θd に対して、(式
9)による2次変化量θddを求めて、この量で評価する
ことで、測定対象4の外周の基本形状がだ円形等であっ
ても、その変形度合いを適切に評価することが可能とな
るのである。このように、2次変化量θddで評価を行う
方法は、測定対象4の基本形状がだ円のごとき対象に用
いて有効である。
【0047】また、平均値演算部321で求められた2
次変化量θddの平均値は、測定対象4の外周の選択的マ
クロな変形度合いを示すものであり、偏差値演算部32
2で求められた2次変化量θddの偏差値は、測定対象4
の外周の選択的変形度合いの分布量を示すものであり、
これ等により、測定対象4の外周の変形度合いを、定量
的にかつ高精度で求めることができるのである。
【0048】実施例2における今までの説明では、計測
部3Aは、平均値演算部311および偏差値演算部31
2を除いたものであるとしてきたが、これに限定される
ものではなく、例えば、平均値演算部311および偏差
値演算部312も一体に設置して、測定対象4の形状に
よって、測定対象4に関する変形量として、1次変化量
θd と、2次変化量θddとのいずれかを選択できるよう
にしてもよいものである。
【0049】実施例3;図10は、請求項1,2,4,
5および7,8,10,11に対応するこの発明の一実
施例による形状計測装置を説明するブロック図である。
図10において、図1に示した請求項1,2,4に対応
するこの発明の一実施例による形状計測装置、図8に示
した請求項請求項7,8,10に対応するこの発明の一
実施例による形状計測装置、および、図17,図18に
示した従来例による形状計測装置と同一部分には同じ符
号を付し、その説明を省略する。
【0050】図10において、1Bは、図1に示した請
求項1,2,4に対応するこの発明の一実施例による形
状計測装置1に対して、形状因子を計測する計測部3に
替えて計測部3Bを用いるようにした形状計測装置であ
る。計測部3Bは、計測部3に対して、凸部1次方向差
規制部314,中間部1次方向差規制部315,凹部1
次方向差規制部316と、凸部2次方向差規制部32
4,中間部2次方向差規制部325,凹部2次方向差規
制部326と、実施例2で説明済の2次方向差演算部3
2、および2次平均値等演算部としての2次平均値演算
部321,2次偏差値演算部322を備えている。
【0051】ところで、1次方向差演算部31で算出さ
れた1次変化量θd は、図11に例示するように、測定
対象4の外周の変形が凸部を呈する部位では山形をな
し、外周の凹部を呈する部位では谷形をなすものであ
る。また、これらの山形,谷形の高さあるいは深さは、
外周の変形度合いが大きいほど大きいものとなる。凸部
1次方向差規制部314は、上限用閾値(l1 a)を有
しており、1次方向差演算部31で算出された1次変化
量θd を入力して、上限用閾値(l1 a)より大きい部
分(図11中に右ハッチングを付した部分。)のみを区
分して出力する。また、中間部1次方向差規制部315
は、上限用閾値(l1 a)とこの上限用閾値(l1 a)
より小さい値の下限用閾値(l1 b)とを有しており、
1次変化量θ d を入力して、上限用閾値(l1 a)と下
限用閾値(l1 b)との間の部分のみを区分して出力す
る。さらに、凹部1次方向差規制部316は、下限用閾
値(l 1 b)を有しており、1次変化量θd を入力し
て、下限用閾値(l1 b)より小さい部分(図11中に
左ハッチングを付した部分。)のみを区分して出力す
る。
【0052】また、2次方向差演算部32で算出された
2次変化量θddも、測定対象4の外周の変形度合いに関
して、前述した1次変化量θd と同様の関係を持つもの
であるので、上限用閾値(l2 a)を有する凸部2次方
向差規制部324と、上限用閾値(l2 a)とこの上限
用閾値(l2 a)より小さい値の下限用閾値(l2 b)
とを有する中間部2次方向差規制部325と、下限用閾
値(l2 b)を有する凹部2次方向差規制部326を備
えることで、2次方向差演算部32で算出された2次変
化量θddから、上限用閾値(l2 a)より大きい部分、
上限用閾値(l 2 a)と下限用閾値(l2 b)の間の部
分、下限用閾値(l2 b)より小さい部分とに区分して
出力する。
【0053】これ等により、上限用閾値(l1 a),
(l2 a)を下限とする比較的に大きな凸部の1次変化
量θd ,2次変化量θdd、および、下限用閾値(l
1 b),(l2 b)を上限とする比較的に大きな凹部の
1次変化量θd ,2次変化量θddを、上限用閾値(l1
a)と下限用閾値(l1 b)との間、あるいは、上限用
閾値(l2 a)と下限用閾値(l2 b)との間の、比較
的その変形度合いの小さい1次変化量θd ,2次変化量
θdd成分から区分して求めることが可能となるのであ
る。
【0054】実施例3における今までの説明では、凸部
1次方向差規制部314,中間部1次方向差規制部31
5が備える上限用閾値、および、中間部1次方向差規制
部315,凹部1次方向差規制部316が備える下限用
閾値は、それぞれ同一値であるとしてきたが、これに限
定されるものではなく、例えば、凸部1次方向差規制部
314,中間部1次方向差規制部315が備える上限用
閾値は異なる値であってもよいものである。その場合、
中間部1次方向差規制部315が備える上限用閾値が、
凸部1次方向差規制部314が備える上限用閾値よりも
小さいことが好ましい。また、中間部1次方向差規制部
315,凹部1次方向差規制部316が備える下限用閾
値は、それぞれ異なる値であってもよいものである。そ
の場合、凹部1次方向差規制部316が備える下限用閾
値が、中間部1次方向差規制部315が備える下限用閾
値小さいことが好ましい。以上のことは、凸部2次方向
差規制部324,中間部2次方向差規制部325,凹部
2次方向差規制部326が備える上限用閾値,下限用閾
値にあっても、同様である。
【0055】実施例4;図12は、請求項1,3〜7,
9〜12に対応するこの発明の一実施例による形状計測
装置を説明するブロック図である。図13は、図12中
に示した形状計測装置の動作内容を説明するグラフであ
り、(a)は、大きい被測定対象物の画像データを模型
的に示すグラフであり、(b)は、小さい被測定対象物
の画像データを模型的に示すグラフであり、(c)は、
正規化された被測定対象物の画像データを模型的に示す
グラフである。図12において、図1に示した請求項
1,2,4に対応するこの発明の一実施例による形状計
測装置、および、図17,図18に示した従来例による
形状計測装置と同一部分には同じ符号を付し、その説明
を省略する。
【0056】図12において、1Cは、図1に示した請
求項1,2,4に対応するこの発明の一実施例による形
状計測装置1に対して、形状因子を計測する計測部3に
替えて計測部3Cを用いるようにした形状計測装置であ
る。計測部3Cは、計測部3に対して、面積倍率演算部
26と、正規化演算部27とを備えている。ところで、
測定対象4には、互いに相似形ではあるがその寸法が異
なるという場合が、図13中に例示したように存在す
る。図13(a)に示した測定対象4Aは比較的に大き
い寸法を持ち、図13(b)に示した測定対象4Bは、
測定対象4Aと相似形ではあるが、比較的に小さい寸法
を持っている。
【0057】このような形状・寸法を持つ測定対象4
A,4Bを前記の形状計測装置1によって計測する場合
には、次記する問題が発生することが有り得る。すなわ
ち、形状計測装置1では、座標データ整列部23で求め
られた外周点座標列C(x,y)を用いて、単位ベクタ
ー25において等しい長さPを持つ単位ベクトルpの集
合Q(a,b)に変換し、この単位ベクトルの集合Q
(a,b)を用いて、測定対象4の外周の1次変化量θ
d を1次方向差演算部31で算出している。従って、形
状計測装置1によって得られる測定対象4A,4Bの1
次変化量θd は、測定対象4A,4Bの寸法が互いに異
なるために、図13中に示した(図13中には、測定対
象4A,4Bそれぞれの頂部における1次変化量θ
d を、1次変化量θd4A ,θd4B と表示している。)よ
うに異なった値になる。このことは、寸法は異なってい
ても互いに相似形の関係にある測定対象4の変形度合い
を、同一値であるとして求めたい場合に不都合なことに
なる。形状計測装置1Cは、この問題を解決するもので
ある。
【0058】すなわち、形状計測装置1Cでは、面積倍
率演算部26は、標準の大きさを持つ測定対象4等の,
測定対象4に関する標準の大きさを持つ物体の二次元画
像の外周点のデータを用いてその面積を予め演算し、こ
の値を標準面積値AQ として保存している。そうして、
測定対象4の実測時においては、実施例1で説明済の外
周点計測部22で求められた外周点座標列B(x,y)
による外周点の座標データを用いて、まず、測定対象4
の二次元画像に対する面積Aを演算する。その際、測定
対象4の二次元画像に穴等が存在している場合には、穴
等を除いた外周点の座標データから測定対象4の二次元
画像に対する面積値Aを演算することとする。
【0059】面積倍率演算部26では、この面積値Aと
標準面積値AQ とを用いて、測定対象4の標準の大きさ
を持つ物体に対する倍率kが、例えば、(式10)で示
す値として算出されて保存される。(式10)によって
求められる倍率kは、測定対象4の二次元画像の面積値
Aが標準面積値AQ よりも大きい場合にはk<1とな
り、測定対象4の二次元画像の面積値Aが標準面積値A
Q よりも小さい場合にはk>1となる。なお、(式1
0)において開平値を採った理由は、倍率kを長さの次
元の値に変換するためである。
【0060】
【数10】 k=(AQ /A)1/2 …………………(10) 計測部3Cでは、正規化演算部27において、実施例1
で説明済の座標データ整列部23で求められた外周点座
標列C(x,y)に対して、前記した倍率kを乗じて、
測定対象4の二次元画像の正規化された座標データが得
られて保存される。計測部3Cでは、外周点座標列C
(x,y)の正規化処理を、倍率kを乗じるという1回
の乗算処理で済ますことが可能である。ベクター24以
降の形状計測装置1Cにおいては、ベクター24では正
規化された外周点座標列C(x,y)が用いられること
が、形状計測装置1の場合と異なるのみである。この正
規化処理された外周点座標列C(x,y)が用いられる
ことで、形状計測装置1Cにおいては、測定対象4Aお
よび測定対象4Bのそれぞれの正規化された外周点座標
列C(x,y)に対応する二次元画像は、両測定対象が
互いに相似形であることから、図13(c)中に示した
ごとく両者同一の二次元画像4Nとなる。また、二次元
画像4Nの頂部における1次変化量θd は、図13
(c)中に示したごとく1次変化量θdn(この事例の場
合には、θdnは、θd4A <θdn<θd4B の関係とな
る。)である。
【0061】前記したところにより、形状計測装置1C
では、相似形の関係にある測定対象4に対しては、その
寸法の如何に係わらず同一の変形度合いであるとして計
測されるのである。実施例4における今までの説明で
は、計測部3Cは、2次方向差演算部32、2次平均値
演算部321,2次偏差値演算部322とを、また、凸
部1次方向差規制部314,中間部1次方向差規制部3
15,凹部1次方向差規制部316,凸部2次方向差規
制部324,中間部2次方向差規制部325,凹部2次
方向差規制部326とを備えていないとしてきたが、こ
れに限定されるものではなく、これ等の演算部等は、必
要に応じて備えるようにしてもよいものである。
【0062】実施例5;図14は、請求項1〜4,6〜
10,12および13に対応するこの発明の一実施例に
よる形状計測装置を説明するブロック図である。図15
は、図14中に示した形状計測装置の動作内容を説明す
るグラフであり、(a)は、被測定対象物の外形形状を
模型的に示すグラフであり、(b)は、図15(a)に
対応する1次変化量と閾値との関係を説明するグラフで
あり、(c)は、図15(b)に対応する凹凸部の中心
位置を求める方法を説明するグラフである。また、図1
6は、図14中に示した形状計測装置で得られる二次元
座標を説明するグラフである。
【0063】図14において、図1に示した請求項1,
2,4に対応するこの発明の一実施例による形状計測装
置、図10に示した請求項1,2,4,5および7,
8,10,11に対応するこの発明の一実施例による形
状計測装置、および、図17,図18に示した従来例に
よる形状計測装置と同一部分には同じ符号を付し、その
説明を省略する。
【0064】図14において、1Dは、図1に示した請
求項1,2,4に対応するこの発明の一実施例による形
状計測装置1に対して、形状因子を計測する計測部3に
替えて計測部3Dを用いるようにした形状計測装置であ
る。計測部3Dは、計測部3に対して、凸部1次変化量
中心位置演算部318,凹部1次変化量中心位置演算部
319と、凸部2次変化量中心位置演算部328,凹部
2次変化量中心位置演算部329と、等価だ円径比演算
部33と、実施例2で説明済の2次方向差演算部32、
および2次平均値等演算部としての2次平均値演算部3
21,2次偏差値演算部322を備えている。
【0065】ここでは、外周に変形を持つ測定対象4の
外周の形状が、図15(a)に示したような場合を例に
とり説明を行うこととする。凸部1次変化量中心位置演
算部318は、上限用閾値(l8 a)を有しており、実
施例3で述べた関係を持っているところの、1次方向差
演算部31で算出された図15(a)による測定対象4
に対する1次変化量θd を入力して、上限用閾値(l8
a)より大きい成分〔図15(b)中に右ハッチングを
付した部分。〕のみをいったん区分する。また、凹部1
次変化量中心位置演算部319は、上限用閾値(l
8 a)より小さい値の下限用閾値(l8 b)を有してお
り、1次方向差演算部31で算出された1次変化量θd
を入力して、下限用閾値(l8 b)より小さい成分〔図
15(b)中に左ハッチングを付した部分。〕のみをい
ったん区分する。〔図15(b)を参照。〕 これ等の変形量1次変化量θd から区分された上限用閾
値(l8 a)よりも大きい成分、および、下限用閾値
(l8 b)よりも小さい成分を用いて、まずその区分さ
れた部分の面積の中心点を求め、さらにこの中心点の絶
対座標を算出することにより、2値化像の信号5aを基
にして、測定対象4の外周の変形位置の沿面距離に沿っ
た位置を、図15(c)中に例示したようにP1 ,P2
〜P12として特定する。
【0066】なお、この実施例により得られた測定対象
4の外周の変形位置は、その中心点を求める方法が前記
した方法であるので、凹状の変形部である場合〔図15
中のP1 ,P3 等である。〕には、図15(a)による
変形を持つ測定対象4の凹部の最深部ではなく、この最
深部の近傍に在って最深部の外側に在る点として示され
る。また、凸状の変形部である場合〔図15中のP2
4 等である。〕には、凸部の最高部ではなく、この最
高部の近傍に在って最高部の内側に在る点として示され
る。等価だ円径比演算部33は、信号6aを入力して、
測定対象4の外周に関しての等価だ円の長径と短径との
比率δを算出する。この長径/短径比δは、測定対象4
のMθmax とMθmin 〔機械工学便覧(改訂第6版)
(日本機械学会編)の3−15頁を参照。〕を用いるこ
とにより、(式11)に示す関係により算出される。長
径/短径比δは、測定対象4のマクロ的な円形度を示す
ものであり、測定対象4が真円の場合に1であり、測定
対象4がだ円である場合には、長いだ円である程大きな
数値になる。
【0067】
【数11】 δ={Mθmax /Mθmin 1/2 ………(11) ここで、Mθmax は、測定対象4の最大二次モーメント
であり、Mθmin は、測定対象4の最小二次モーメント
である。測定対象4の外周の変形度合いに関する等級分
けは、長径/短径比δと、偏差値演算部312,あるい
は2次偏差値演算部322で得られた偏差値S2 を用い
ることで、一括して取扱うことが可能となる。
【0068】図16は、直角座標のX軸に長径/短径比
δをとり、Y軸に偏差値S2 をとった事例である。図1
6による長径/短径比δと偏差値S2 とによる2次元空
間を利用して、図16中に点線で示した区分線により区
分することで、X,Y座標軸と、区分線で囲まれたそれ
ぞれの領域内に存在する変形度合いのものを、同一の等
級のものとして一括して評価する作業が容易に行えるよ
うになる。この評価方法は、概ね円形である測定対象4
に用いて特に有効である。なお、図16は、前記により
得られた長径/短径比δと偏差値S2 のデータを用い
て、cpu82、あるいは、入出力インターフェイス8
5を経由して、外部のホストコンピュータ等により作成
される。また、図16中に点線で示した区分線は、形状
計測装置1Dの導入の初期は、まず、人手により選別作
業を実施していた際における選別基準に従って設定し、
その後、形状計測装置1Dの運転実績を基にして修正変
更を行うことがよい。区分線の設定,およびその修正変
更は、形状計測装置1Dの操作員が、表示装置83,操
作卓84を使用して、cpu82あるいは、外部のホス
トコンピュータにより実行される。
【0069】実施例5における今までの説明では、図1
6に事例を示した長径/短径比δと偏差値S2 とによる
2次元空間は、cpu82,あるいは,外部のホストコ
ンピュータ等により作成されるとしてきたが、これに限
定されるものではなく、例えば、計測部3Dに、この2
次元空間を作成するための演算部等の専用のハードを備
えるようにしてもよいものである。
【0070】実施例1〜5における今までの説明では、
測定対象4の外周の変形の分布量を示す計測値は、偏差
値S2 であるとしてきたが、これに限定されるものでは
なく、例えば、標準偏差値Sであってもよいものであ
る。また、実施例1〜5における今までの説明では、各
実施例で説明してきたこの発明は,それぞれが別個に構
成されているものであるとしてきたが、これに限定され
るものではなく、例えば、各実施例で説明したこの発明
は、互いに組み合わせて構成してもよいし、また、全実
施例の内容を一体にして構成してもよいものである。
【0071】また、実施例1〜5における今までの説明
では、計測部3,3A,3B,3C,3Dが備える外周
点計測部22,座標データ整列部23,面積倍率演算部
26,正規化演算部27,1次方向差演算部31,平均
値演算部311等の回路装置は、それぞれが個別に形成
されたものであるとしてきたが、これに限定されるもの
ではなく、例えば、前記のそれぞれの回路装置は、適宜
に一体化させて構成してもよいし、また、必要によって
は、全体を一体のものとして構成してもよいものであ
る。
【0072】さらにまた、実施例1〜5における今まで
の説明では、計測部3,3A,3B,3C,3Dはハー
ドであるとしてきたが、これに限定されるものではな
く、例えば、計測部3,3A,3B,3C,3Dは、必
ずしもその全てがハードである必要は無く、例えば、そ
の一部をcpu82が実行するプログラムとして形状計
測装置に搭載されてもよいものである。
【0073】
【発明の効果】この発明においては、次記する効果が有
る。 形状因子を計測する計測部は、二次元画像の信号を基
にして,画像の持つ被測定対象物の外周に対応する多数
の外周点のそれぞれの座標データを求める外周点計測部
と、例えば、外周点計測部で得られた多数の画像の外周
点の座標データを,被測定対象物の外周の一方向に沿っ
た順序に並び変える座標データ整列部,この並び変えら
れた座標データを基にして,互いに隣接する外周点間を
結ぶベクトルデータに変換するベクトルデータ化部,こ
のベクトルデータ化された外周点座標データを基にし
て,一定の沿面距離のピッチP毎に一定の沿面距離Wの
幅を持つ平均化窓により移動平均をとり,前記の一定の
ピッチPのベクトル長さを持つ単位ベクトルの集合に変
換する単位ベクトル化部,とを備えた単位ベクトル生成
部と、単位ベクトル生成部で得られた単位ベクトルの集
合に対して一定の周方向に沿って,適宜の外周点を中心
とする区間Dを隔てられた2つの単位ベクトル間の方向
差を求める1次方向差演算部と、1次方向差演算部で得
られた単位ベクトル間の方向差の平均値または/および
偏差値を求める1次平均値等演算部とを備え、この単位
ベクトル間の方向差の値により,被測定対象物の外形形
状の変形度合いを計測する構成とすることにより、測定
対象の基本形状が円形状,平面状のような場合に、測定
対象の外周の形状,寸法に係わらず、その外周の変形
度,すなわち外周の形状に関する品質を、定量的にかつ
高い精度で求めることが可能となる。
【0074】前記項において、1次方向差演算部で
得られた単位ベクトル間の方向差の平均値または/およ
び偏差値を求める1次平均値等演算部を備え、この単位
ベクトル間の方向差の平均値および/または偏差値によ
り,被測定対象物の外形形状の変形度合いを計測する構
成とすることにより、測定対象の基本形状が円形状,平
面状のような場合に、測定対象の外周のマクロな変形量
および/またはミクロな変形の分布量を高精度で求める
ことができることで、測定対象の外周の形状,寸法に係
わらず、その外周の変形度合い,すなわち外周の形状に
関する品質を、定量的にかつさらに高い精度で求めるこ
とが可能となる。 形状因子を計測する計測部は、二次元画像の信号を基
にして,画像の持つ被測定対象物の外周に対応する多数
の外周点のそれぞれの座標データを求める外周点計測部
と、例えば、外周点計測部で得られた多数の画像の外周
点の座標データを,被測定対象物の外周の一方向に沿っ
た順序に並び変える座標データ整列部,この並び変えら
れた座標データを基にして,互いに隣接する外周点間を
結ぶベクトルデータに変換するベクトルデータ化部,こ
のベクトルデータ化された外周点座標データを基にし
て,一定の沿面距離のピッチP毎に一定の沿面距離Wの
幅を持つ平均化窓により移動平均をとり,前記の一定の
ピッチPのベクトル長さを持つ単位ベクトルの集合に変
換する単位ベクトル化部,とを備えた単位ベクトル生成
部と、単位ベクトル生成部で得られた単位ベクトルの集
合に対して一定の周方向に沿って,適宜の外周点を中心
とする区間Dを隔てられた2つの単位ベクトル間の方向
差を求める1次方向差演算部と、この単位ベクトル間の
方向差を基にして,一定の周方向に沿って,ある外周点
を中心とする区間Eを隔てられた2点における前記の方
向差の差を求める2次方向差演算部とを備え、この単位
ベクトル間の方向差の差の値により,被測定対象物の外
形形状の変形度合いを計測する構成とすることにより、
測定対象の基本形状がだ円形のような場合であっても、
測定対象の外周の測定対象の外周の形状,寸法に係わら
ず、その外周の変形度,すなわち外周の形状に関する品
質を、定量的にかつ高い精度で求めることが可能とな
る。
【0075】前記項において、2次方向差演算部で
得られた単位ベクトル間の方向差の差の平均値および/
または偏差値を求める2次平均値等演算部を備え、この
単位ベクトル間の方向差の差の平均値および/または偏
差値により,被測定対象物の外形形状の変形度合いを計
測する構成とすることにより、測定対象の基本形状がだ
円形のような場合であっても、測定対象の外周のマクロ
な変形量および/またはミクロな変形の分布量を高精度
で求めることができることで、測定対象の外周の形状,
寸法に係わらず、その外周の変形度合い,すなわち外周
の形状に関する品質を、定量的にかつさらに高い精度で
求めることが可能となる。
【0076】前記項,項において、1次方向差演
算部が出力する単位ベクトル間の方向差を入力し,この
方向差の出力範囲を規制する閾値を1個あるいは2個以
上有する1次方向差規制部、あるいは、2次方向差演算
部で得られた2つの単位ベクトル間の方向差の差を入力
し,この方向差の差の出力範囲を規制する閾値を1個あ
るいは2個以上有する2次方向差規制部を備え、それぞ
れの1次,2次方向差規制部が有する閾値により規定さ
れた領域における方向差,あるいは,方向差の差のみを
取り出して,単位ベクトル間の方向差,あるいは,単位
ベクトル間の方向差の差として被測定対象物の外形形状
の変形度合いを計測する構成とすることにより、閾値を
越えていることで大きな凸部の領域が,また,閾値を下
回っていることで大きな凹部の領域が,区分されて摘出
されるので、測定対象の変形度合いを、局所的な大きな
変形と、それ以外の小さな変形とに区分して明確に求め
ることが可能となる。
【0077】前記項,項において、1次方向差演
算部が出力する単位ベクトル間の方向差を入力し,この
方向差の値の範囲を区分する閾値を1個あるいは2個以
上有し,これ等閾値を越える凸部および/またはこれ等
閾値を下回る凹部を区分したうえで,この区分された凸
部および/または凹部の中心位置を求める1次変化量中
心位置演算部、あるいは、2次方向差演算部が出力する
単位ベクトル間の方向差の差を入力し,この方向差の差
の値の範囲を区分する閾値を1個あるいは2個以上有
し,これ等閾値を越える凸部および/またはこれ等閾値
を下回る凹部を区分したうえで,この区分された凸部お
よび/または凹部の中心位置を求める2次変化量中心位
置演算部を備え、1次,2次変化量中心位置演算部で得
られた中心位置により、被測定対象物の外形形状の変形
度合いの大きな位置を特定する構成とすることにより、
凸部領域,凹部領域の中心位置を定量的に得ることが可
能となり、変形している個所の位置を明確かつ定量的に
求めることが可能となる。
【0078】前記項〜項において、単位ベクトル
生成部を、外周点計測部で得られた多数の画像の外周点
の座標データを基に被測定対象物の二次元画像に対する
面積を演算し,この面積の予め保有している標準面積に
対する倍率を演算する面積倍率演算部と、座標データ整
列部で並び変えられた座標データと面積倍率演算部で得
られた面積の倍率データとを入力し,並び変えられた座
標データに倍率データを乗じて,並び変えられかつ正規
化された座標データを得る正規化演算部とを備え、この
並び変えられかつ正規化された座標データをベクトルデ
ータ化部に供給する構成とすることにより、測定対象の
座標データが正規化されることによって、互いに異なる
寸法であっても相似形の関係に有る測定対象の場合に
は、測定対象の外周の変形度を、測定対象の外周のマク
ロな変形量および/またはミクロな変形の分布量等を含
めて、同一値であるとして求めることが可能となる。
【0079】前記項〜項,項において、測定対
象の外形形状に関する等価的なだ円の長軸長さと,等価
的なだ円の短軸長さとの比率である長短軸比率を求める
長短軸比率演算部を備え、1次方向差演算部で得られた
単位ベクトル間の方向差の偏差値,または2次方向差演
算部で得られた単位ベクトル間の方向差の差の偏差値等
を一方の軸にとり,長短軸比率演算部で得られた長短軸
比率を他方の軸にとった直交座標を作成し,この座標を
基にして同一の変形度合いの領域を区分し,この領域の
同一の領域に含まれる被測定対象物を変形度合いに関し
て同一等級品であるとして等級付けを行う構成とするこ
とにより、この2次元座標中に区分された領域内に存在
する変形度合いのものを、同一の等級のものとして一括
して評価することが可能となり、測定対象の変形度合い
に関する等級付けを定量的かつ一義的に行うことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2,4に対応するこの発明の一実施
例による形状計測装置を説明するブロック図
【図2】図1中に示した計測部で得られる被測定対象物
の画像を説明するグラフであり、(a)は、外周点計測
部で得られる画像を説明するグラフ、(b)は、外周点
座標列を説明するグラフ、(c)は、座標データ整列部
で得られる周方向整列座標列を説明するグラフ
【図3】図1中に示した計測部の要部で得られるデータ
を説明する説明図であり、(a)は、外周点座標列の説
明図、(b)は、周方向整列座標列の説明図、(c)
は、ベクトル集合の説明図、(d)は、単位ベクトル集
合の説明図、(e)は、1次変化量の説明図
【図4】単位ベクトル集合を求める方法を説明するグラ
【図5】被測定対象物の基本形状が円形である場合の図
1中に示した計測部の動作を説明するグラフであり、
(a)は被測定対象物の外形形状のグラフ、(b)は、
1次変化量のグラフ
【図6】被測定対象物の基本形状が平面状である場合の
図1中に示した計測部の動作を説明するグラフであり、
(a)は被測定対象物の外形形状のグラフ、(b)は、
1次変化量のグラフ
【図7】βを説明するための説明図
【図8】請求項7,8,10に対応するこの発明の一実
施例による形状計測装置を説明するブロック図
【図9】被測定対象物の基本形状がだ円形である場合の
図8中に示した計測部の動作を説明するグラフであり、
(a)は被測定対象物の外形形状のグラフ、(b)は、
図9(a)に対する1次変化量のグラフ、(c)は、図
9(a)に対する2次変化量のグラフ
【図10】請求項1,2,4,5および7,8,10,
11に対応するこの発明の一実施例による形状計測装置
を説明するブロック図
【図11】図10中に示した形状計測装置の動作内容を
説明するグラフ
【図12】請求項1,3〜7,9〜12に対応するこの
発明の一実施例による形状計測装置を説明するブロック
【図13】図12中に示した形状計測装置の動作内容を
説明するグラフであり、(a)は、大きい被測定対象物
の画像データを模型的に示すグラフであり、(b)は、
小さい被測定対象物の画像データを模型的に示すグラフ
であり、(c)は、正規化された被測定対象物の画像デ
ータを模型的に示すグラフ
【図14】請求項1〜4,6〜10,12および13に
対応するこの発明の一実施例による形状計測装置を説明
するブロック図
【図15】図14中に示した形状計測装置の動作内容を
説明するグラフであり、(a)は、被測定対象物の外形
形状を模型的に示すグラフ、(b)は、図15(a)に
対応する1次変化量と閾値との関係を説明するグラフ、
(c)は、図15(b)に対応する凹凸部の中心位置を
求める方法を説明するグラフ
【図16】図14中に示した形状計測装置で得られる二
次元座標を説明するグラフ
【図17】従来例の形状計測装置の一例を説明するブロ
ック図
【図18】異なる従来例の形状計測装置を説明するブロ
ック図
【符号の説明】
1 形状計測装置 2 単位ベクトル生成部 21 メモリ部 22 外周点計測部 23 座標データ整列部 24 ベクトルデータ化部 25 単位ベクトル化部 3 計測部 31 1次方向差演算部 311 平均値演算部 312 偏差値演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 102 G06T 1/00 G06T 7/60

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定対象物の2値化された二次元画像の
    信号を得る撮像装置と、この二次元画像の信号から被測
    定対象物の形状因子を計測する計測部を備えた形状計測
    装置において、 形状因子を計測する計測部は、二次元画像の信号を基に
    して,画像の持つ被測定対象物の外周に対応する多数の
    外周点のそれぞれの座標データを求める外周点計測部
    と、外周点計測部で得られた多数の画像の外周点の座標
    データを入力して,それぞれが同一の長さを持ち,互い
    に順次連なり合って被測定対象物の外周を一巡する単位
    ベクトルの集合を生成する単位ベクトル生成部と、単位
    ベクトル生成部で得られた単位ベクトルの集合に対し
    て,一定の周方向に沿って適宜の外周点を中心とする区
    間Dを隔てられた2つの単位ベクトル間の方向差を求め
    る1次方向差演算部とを備え、この単位ベクトル間の方
    向差により被測定対象物の外形形状の変形度合いを計測
    することを特徴とする形状計測装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の形状計測装置において、 計測部が備える単位ベクトル生成部は、外周点計測部で
    得られた多数の画像の外周点の座標データを,被測定対
    象物の外周の一方向に沿った順序に並び変える座標デー
    タ整列部と、この並び変えられた座標データを基にし
    て,互いに隣接する外周点間を結ぶベクトルデータに変
    換するベクトルデータ化部と、このベクトルデータ化さ
    れた外周点座標データを基にして,一定の沿面距離のピ
    ッチP毎に一定の沿面距離Wの幅を持つ平均化窓により
    移動平均をとり,前記の一定のピッチPのベクトル長さ
    を持つ単位ベクトルの集合に変換する単位ベクトル化部
    とを備えることを特徴とする形状計測装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の形状計測装置において、 計測部が備える単位ベクトル生成部は、外周点計測部で
    得られた多数の画像の外周点の座標データを,被測定対
    象物の外周の一方向に沿った順序に並び変える座標デー
    タ整列部と、外周点計測部で得られた多数の画像の外周
    点の座標データを基に被測定対象物の二次元画像に対す
    る面積を演算し,この面積の予め保有している標準面積
    に対する倍率を演算する面積倍率演算部と、座標データ
    整列部で並び変えられた座標データと面積倍率演算部で
    得られた面積の倍率データとを入力し,並び変えられた
    座標データに倍率データを乗じて,並び変えられかつ正
    規化された座標データを得る正規化演算部と、この並び
    変えられかつ正規化された座標データを基にして,互い
    に隣接する外周点間を結ぶベクトルデータに変換するベ
    クトルデータ化部と、このベクトルデータ化された正規
    化外周点座標データを基にして,一定の沿面距離のピッ
    チP毎に一定の沿面距離Wの幅を持つ平均化窓により移
    動平均をとり,前記の一定のピッチPのベクトル長さを
    持つ単位ベクトルの集合に変換する単位ベクトル化部と
    を備えることを特徴とする形状計測装置。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかに記載の形
    状計測装置において、 形状因子を計測する計測部は、1次方向差演算部で得ら
    れた単位ベクトル間の方向差を入力し,その平均値およ
    び/または偏差値および/または標準偏差値を求める1
    次平均値等演算部を備え、この方向差の平均値および/
    または偏差値および/または標準偏差値により被測定対
    象物の外形形状の変形度合いを計測することを特徴とす
    る形状計測装置。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかに記載の形
    状計測装置において、 形状因子を計測する計測部は、1次方向差演算部が出力
    する単位ベクトル間の方向差を入力し,この方向差の出
    力範囲を規制する閾値を1個あるいは2個以上有する1
    次方向差規制部を備え、1次方向差規制部が有する閾値
    により区分された領域における方向差のみを取り出し
    て,単位ベクトル間の方向差として被測定対象物の外形
    形状の変形度合いを計測することを特徴とする形状計測
    装置。
  6. 【請求項6】請求項1から4までのいずれかに記載の形
    状計測装置において、 形状因子を計測する計測部は、1次方向差演算部が出力
    する単位ベクトル間の方向差を入力し,この方向差の値
    の範囲を区分する閾値を1個あるいは2個以上有し,こ
    れ等閾値を越える凸部および/またはこれ等閾値を下回
    る凹部を区分したうえで,この区分された凸部および/
    または凹部の中心位置を求める1次変化量中心位置演算
    部を備え、1次変化量中心位置演算部で得られた中心位
    置により被測定対象物の外形形状の変形度合いの大きな
    位置を特定することを特徴とする形状計測装置。
  7. 【請求項7】被測定対象物の2値化された二次元画像の
    信号を得る撮像装置と、この二次元画像の信号から被測
    定対象物の形状因子を計測する計測部を備えた形状計測
    装置において、 形状因子を計測する計測部は、二次元画像の信号を基に
    して,画像の持つ被測定対象物の外周に対応する多数の
    外周点のそれぞれの座標データを求める外周点計測部
    と、外周点計測部で得られた多数の画像の外周点の座標
    データを基にして,それぞれが同一の長さを持ち,互い
    に順次連なり合って被測定対象物の外周を一巡する単位
    ベクトルの集合を生成する単位ベクトル生成部と、単位
    ベクトル生成部で得られた単位ベクトルの集合に対して
    一定の周方向に沿って,ある外周点を中心とする区間D
    を隔てられた2つの単位ベクトル間の方向差を求める1
    次方向差演算部と、この単位ベクトル間の方向差を入力
    して,一定の周方向に沿って,適宜の外周点を中心とす
    る区間Eを隔てられた2点における前記の方向差の差を
    求める2次方向差演算部とを備え、この単位ベクトル間
    の方向差の差により被測定対象物の外形形状の変形度合
    いを計測することを特徴とする形状計測装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の形状計測装置において、 計測部が備える単位ベクトル生成部は、外周点計測部で
    得られた多数の画像の外周点の座標データを,被測定対
    象物の外周の一方向に沿った順序に並び変える座標デー
    タ整列部と、この並び変えられた座標データを基にし
    て,互いに隣接する外周点間を結ぶベクトルデータに変
    換するベクトルデータ化部と、このベクトルデータ化さ
    れた外周点座標データを基にして,一定の沿面距離のピ
    ッチP毎に一定の沿面距離Wの幅を持つ平均化窓により
    移動平均をとり,前記の一定のピッチPのベクトル長さ
    を持つ単位ベクトルの集合に変換する単位ベクトル化部
    とを備えることを特徴とする形状計測装置。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の形状計測装置において、 計測部が備える単位ベクトル生成部は、外周点計測部で
    得られた多数の画像の外周点の座標データを,被測定対
    象物の外周の一方向に沿った順序に並び変える座標デー
    タ整列部と、外周点計測部で得られた多数の画像の外周
    点の座標データを基に被測定対象物の二次元画像に対す
    る面積を演算し,この面積の予め保有している標準面積
    に対する倍率を演算する面積倍率演算部と、座標データ
    整列部で並び変えられた座標データと面積倍率演算部で
    得られた面積の倍率データとを入力し,並び変えられた
    座標データに倍率データを乗じて,並び変えられかつ正
    規化された座標データを得る正規化演算部と、この並び
    変えられかつ正規化された座標データを基にして,互い
    に隣接する外周点間を結ぶベクトルデータに変換するベ
    クトルデータ化部と、このベクトルデータ化された正規
    化外周点座標データを基にして,一定の沿面距離のピッ
    チP毎に一定の沿面距離Wの幅を持つ平均化窓により移
    動平均をとり,前記の一定のピッチPのベクトル長さを
    持つ単位ベクトルの集合に変換する単位ベクトル化部と
    を備えることを特徴とする形状計測装置。
  10. 【請求項10】請求項7から9までのいずれかに記載の
    形状計測装置において、 形状因子を計測する計測部は、2次方向差演算部で得ら
    れた単位ベクトル間の方向差の差を入力し,その平均値
    および/または偏差値および/または標準偏差値を求め
    る2次平均値等演算部を備え、この方向差の差の平均値
    および/または標準偏差値により被測定対象物の外形形
    状の変形度合いを計測することを特徴とする形状計測装
    置。
  11. 【請求項11】請求項7から10までのいずれかに記載
    の形状計測装置において、 形状因子を計測する計測部は、2次方向差演算部で得ら
    れた2つの単位ベクトル間の方向差の差を入力し,この
    方向差の差の出力範囲を規制する閾値を1個あるいは2
    個以上有する2次方向差規制部を備え、2次方向差規制
    部が有する閾値により区分された領域における方向差の
    差のみを取り出して,単位ベクトル間の方向差の差とし
    て被測定対象物の外形形状の変形度合いを計測すること
    を特徴とする形状計測装置。
  12. 【請求項12】請求項7から10までのいずれかに記載
    の形状計測装置において、 形状因子を計測する計測部は、2次方向差演算部が出力
    する単位ベクトル間の方向差の差を入力し,この方向差
    の差の値の範囲を区分する閾値を1個あるいは2個以上
    有し,これ等閾値を越える凸部および/またはこれ等閾
    値を下回る凹部を区分し,この区分された凸部および/
    または凹部の中心位置を求める2次変化量中心位置演算
    部を備え、被測定対象物の外形形状の変形度合いの大き
    な位置を特定することを特徴とする形状計測装置。
  13. 【請求項13】請求項1から12までのいずれかに記載
    の形状計測装置において、 形状因子を計測する計測部は、被測定対象物の外形形状
    に関する等価的なだ円の長軸長さと,等価的なだ円の短
    軸長さとの比率である長短軸比率を求める長短軸比率演
    算部を備え、1次方向差演算部で得られた単位ベクトル
    間の方向差の偏差値または標準偏差値,または2次方向
    差演算部で得られた単位ベクトル間の方向差の差の偏差
    値または標準偏差値を一方の軸にとり,長短軸比率演算
    部で得られた長短軸比率を他方の軸にとった二次元座標
    を作成し,この座標を基にして同一の変形度合いの領域
    を区分し,この領域の同一の領域に含まれる被測定対象
    物を変形度合いに関して同一等級品であるとして等級付
    けを行うことを特徴とする形状計測装置。
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