JP3229909U - マスク用インナーフレーム - Google Patents

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Abstract

【課題】装着者が快適にマスクを装着することを可能とするマスク用インナーフレームを提供する。【解決手段】マスクの背面側と人の顔面との間に介在されるマスク用インナーフレーム1は、少なくとも人の鼻及び唇を囲む状態で顔面と当接する、所定幅を有する枠部10と、枠部の内径側に連接され、外鼻孔部及び唇の起伏に比して嵩高となる、正面側に凸状の形状を有する帯状のアーム111、112と、帯状のアームを除く部位の開口部110a〜110dと、を有するドーム部11とを備え、枠部の所定幅の部位の左右側に上下に延びる側部スリット200a、200b及び下部側に左右に延びる下部スリット200cの少なくとも一方のスリットを有する。【選択図】図2

Description

この考案は、マスク用インナーフレームに関する。
従来、マスク装着時に、マスクが装着者へ不快感を与える場合がある。例えば、マスクを装着しながら会話をしたときに、口の動きに応じてマスクが当初の装着位置からずれる場合である。この場合、マスクの装着者は、マスクのずれが発生する毎に、マスクの位置を修正する必要がある。このずれを修正する手間により、装着者は不快さを感じることがある。
そこで、特許文献1では、マスクと装着者の顔との間に挟み込む突出型マスクインナーを提案している。突出型マスクインナーは、椀状シートを主体としたもので、マスクと顔面との間に挟み込んで使用される。この場合、マスクと顔面とが接触せず、且つ、マスクと顔面との間に空間が形成される。これにより、装着者の会話時に、マスクが当初の装着位置からずれることが抑制される。
特開2000−288109
しかしながら、顔とマスクとの間に特許文献1の突出型マスクインナーを重ねて配置したとき、突出型マスクインナーが、シートを主体とするものであることから、鼻と外気との間で気体の流れが遮られて、マスクの通気性が低下する可能性がある。このとき、装着者は呼吸をしづらくなったり、マスク内が蒸れやすくなったり等の弊害が生じる虞がある。結果、装着者に対して不快感を与えてしまう可能性がある。
この考案は、装着者が快適にマスクを装着することを可能とするマスク用インナーフレームを提供することを目的とする。
この考案に係るマスクの背面側と人の顔面との間に介在されるマスク用インナーフレームは、少なくとも人の鼻及び唇を囲む状態で顔面と当接する、所定幅を有する枠部と、枠部の内径側に連接され、外鼻孔部及び唇の起伏に比して嵩高となる、正面側に凸状の形状を有する帯状のアームと、帯状のアームを除く部位の開口部と、を有するドーム部とを備え、枠部の所定幅の部位の左右側に上下に延びる側部スリット及び下部側に左右に延びる下部スリットの少なくとも一方のスリットを有する。
この構成によれば、マスク用インナーフレームは、空気の通り道であるマスクの縁の方向へ向くように形成された側部スリット及び下部スリットの少なくとも一方を備える。この場合、装着者が呼吸をした時に、気体が側部スリット又は下部スリットを介して、マスクの縁の方向に流れる。従って、呼吸時に気体がマスク外に流出しやすく、且つ、気体がマスク内に流入しやすい。結果、装着者は、快適にマスクを装着可能になる。
また、マスク用インナーフレームは、側部スリット及び下部スリットを有することが好ましい。
この構成によれば、マスク用インナーフレームは、空気の通り道であるマスクの縁の部分に向くように形成される側部スリット及び下部スリットを共に備える。この場合、装着者が呼吸をした時に、気体が側部スリット及び下部スリットを介して、マスクの縁の方向に流れる。従って、呼吸時に気体がマスク外にさらに流出しやすく、且つ、外気がマスク内にさらに流入しやすい。結果、装着者は、さらに快適にマスクを装着可能になる。
また、マスク用インナーフレームは、複数のアームが凸状の頂部で交差するように形成され、且つ、頂部で一体化されると共に、頂部の幅は帯状の幅に比して幅広である。
幅が一定のアームで頂部を形成した場合、頂部における交差の角に応力が集中しやすい。従って、アームが交差した箇所に応力が集中し、アームの変形や破断を引き起こす可能性がある。しかし、この構成によれば、アームが交差する頂部の幅が広いため、アームの頂部の強度が向上する。従って、アームの変形や破断を引き起こす可能性が低減し、長期間に亘ってマスク用インナーフレームを使用することが可能となる。結果、装着者は、さらに快適にマスクを装着可能になる。
また、マスク用インナーフレームは、枠部の左右の側部に、マスクの生地の折り込み部と係合する係合部を備える。
一般的に、マスク装着者が、会話時に口を動かした場合に、口の動きに応じてマスクの位置が当初の位置からずれ、装着者に不快感を与えることがある。しかし、この構成によれば、マスクとマスク用インナーフレームとが固定されやすい。従って、会話時に装着者が口を動かした場合でも、口の動きに応じてマスクの位置が当初の位置からずれる可能性が低減する。結果、装着者がさらに快適にマスクを装着可能になる。
また、枠部及びドーム部は、弾性体である。
この構成によれば、マスク用インナーフレームは折れることなく容易に撓む。従って、装着者のマスク装着時に、装着者の顔面の形状にフィットするようにインナーフレームが変形する。結果、装着者がさらに快適にマスクを装着可能になる。
この考案によれば、装着者が快適にマスクを装着することを可能とするマスク用フレームを提供できる。
本考案に係るマスク用インナーフレームの使用状態を示す図である。 本考案に係るマスク用インナーフレームの外観斜視図である。 本考案に係るマスク用インナーフレームの正面図である。 本考案に係るマスク用インナーフレームの平面図である。 本考案に係るマスク用インナーフレームの底面図である。 本考案に係るマスク用インナーフレームの右側面図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るマスク用インナーフレーム1について図を参照して具体的に説明する。図1は、本考案に係るマスク用インナーフレーム1を例えば衛生用のマスク20に使用した場合の使用状態を示す図であり、且つ、マスク用インナーフレーム1の裏面側から見た図である。図2は、本考案に係るマスク用インナーフレーム1の外観斜視図である。図3は、本考案に係るマスク用インナーフレーム1の正面図である。図4は、本考案に係るマスク用インナーフレーム1の平面図である。図5は、本考案に係るマスク用インナーフレーム1の底面図である。図6は、本考案に係るマスク用インナーフレーム1の、右側面図である。
図1に示すように、マスク用インナーフレーム1は、マスク20の内側(装着者の顔と接触する側)に重ねられ、この状態でゴム紐21を耳に掛けてマスク20が装着される。このとき、後述するようなマスク用インナーフレーム1の形状により、装着者の顔と、マスク20との間に空間(隙間)が形成される。これにより、マスク20が装着者の口(唇)と接触しなくなる。以下、マスク用インナーフレーム1の構造について図を用いて詳述する。
まず、マスク用インナーフレーム1は、装着時に、装着者の鼻の周りの一部、頬の一部及び口の周りの一部に沿って(囲むように)装着者の顔に接触する構造を有する。マスク用インナーフレーム1は、好ましくは、左右対称である。具体的には、図3に示すように、マスク用インナーフレーム1において、装着者の鼻の周りの一部に接する面から装着者の口の周りの一部に接する面に向かう方向へ延びる直線軸に定義できる左右対称軸O−O´を中心に、左右対称となる。マスク用インナーフレーム1は、弾性体(例えば、ポリエチレン等の樹脂素材である)により構成される。これにより、マスク用インナーフレーム1の撓みを利用して装着者の顔面形状の個人差を吸収した装着が可能である。従って、マスク用インナーフレーム1は、多くの装着者の顔にフィットする。
以下、本実施形態において、正面とは、マスク20の内面と接する側の面、裏面とは、顔と接する側の面をいう。
図2及び図3に示すように、マスク用インナーフレーム1は、枠部10、ドーム部11及び必要に応じて係合部12を備える。
図2及び図3に示すように、マスク用インナーフレーム1は、正面視で略楕円形状を有し、外枠となる枠部10と、枠部10の内径側のドーム部11と、枠部10の左右両側の適所に形成された係合部12とを備える。すわなち、枠部10は、装着者の鼻及び口のほぼ全体を覆う楕円形状の枠である。枠部10は、ここでは、正面視で卵型の輪郭を有する。また、枠部10の上部101は、鼻根乃至鼻筋の起伏に沿うように裏面が多少の凹凸形状を有する(図4及び図5参照)。さらに、枠部10の下部102は、顎の高さに沿うように形成され、枠部10の側部103は、頬の高さに沿うように形成されている。これにより、枠部10は装着者の顔に可及的にフィットする。結果、マスク用インナーフレーム1は、装着者の顔からずれにくくなる。
図3、図4、図5及び図6に示すように、ドーム部11は、ドーム形の構造を有する。具体的には、ドーム部11は、枠部10に対して、正面方向へ向かって凸状となるように形成されるアーチ形状のアーム111及び112を有する。図3に示すように、縦へ帯状に延びるアーム111及び横へ帯状に延びるアーム112は、枠部10の上下左右の部位間に掛け渡され、それらの頂部11Aが交点となるように一体形成されている。帯状のアーム111及び112の間には、上下左右にそれぞれ仕切られた、4つの開口110a、110b、110c及び110dが形成される。アーム111及び112と、顔面との間には数cm、例えば2cm程度の隙間が形成される(嵩高に形成される)。従って、ドーム部11と、装着者の顔とは、鼻筋部分の一部を除いて接触せず、さらに、ドーム部11は、装着者の鼻及び唇部分を覆う。開口110aから110dにより、マスク用インナーフレーム1は、通気性が高くなる。従って、マスク用インナーフレーム1を介してマスク20を装着した場合でも、装着者へ呼吸のし辛さを感じさせることが抑制される。なお、本実施形態では、ドーム部11は、帯状のアーム111及び112を残して、ドーム部11を切り欠くことにより、開口110aから110dが形成されているが、好ましくは射出成型により一度で作製する。
マスク用インナーフレーム1には、枠部10の一部にスリット200が形成されている。スリット200は、右スリット200a、左スリット200b及び下スリット200cを含む。右スリット200aは、枠部10の右側部で上下方向に長尺に延びる切り欠きである。左スリット200bは、枠部10の左側部で上下方向に長尺に延びる切り欠きである。下スリット200cは、枠部10の下部102で左右方向に長尺に延びる切り欠きである。これらの各スリット200a、200b、200cは、枠部10の所定幅の部分に長尺形状に形成することで、可及的に隙間空間を広くしている。また、各スリット200a、200b、200cは、1つの長尺形状でなく、複数個の開口が並ぶようにして全体として長尺とみなすように形成してもよい。
右スリット200a、左スリット200b及び下スリット200cにより、マスク用インナーフレーム1の通気性が向上する。以下、本考案に係るマスク用インナーフレーム1と、右スリット200a、左スリット200b及び下スリット200cを備えていないマスク用インナーフレーム(以下、比較例と称す)とを比較して説明する。比較例のマスク用インナーフレームの場合、呼吸時に吐いた息は、開口を通過する。しかし、開口を通過した息は、マスクの中央付近で外方に流動する。この場合、息の一部はマスクから外方へ排出されるが、息の残りの一部はマスクにより阻まれる。従って、開口を通過した息の一部は、マスクに阻まれてマスクの外に排出されず、こもる可能性がある。
一方、本考案に係るマスク用インナーフレーム1の場合、呼吸時に吐いた息は、開口110aから110d及びスリット200(右スリット200a、左スリット200b及び下スリット200c)を通過する。右スリット200aを通過した息は、裏面方向から見て右方向に向かって流動する。この場合、息は、マスクの右端と装着者の顔との間に形成された微小な隙間から、マスクの外へ排出される。同様にして、左スリット200bを通過した息は、裏面方向から見て、マスクの左端と装着者の顔との間に形成された微小な隙間から、マスクの外へ排出される。同様にして、下スリット200cを通過した息は、裏面方向から見て、マスクの下端と装着者の顔との間に形成された微小な隙間から、マスクの外へ排出される。このように、比較例と比較して、マスク用インナーフレーム1は、通気性が向上する。これにより、マスク装着時の蒸れ等の不快感を低減することが可能である。結果、装着者が快適にマスクを装着することを可能とする。
係合部12は、図1に示すように、マスクへマスク用インナーフレーム1を掛け止めるための部分である。係合部12は、一対の右係合部12a及び左係合部12bを備える。右係合部12aは、裏面方向から見て、枠部10の外枠の右側からさらに右方向に突出して形成される部分である。右係合部12aは、ホルダーを有する。ホルダーは、マスクの折り目の間に挟むことが可能である。これにより、右係合部12aが、マスクに固定される。従って、マスク用インナーフレーム1が、マスクから外れたり、位置がずれたりする可能性を低減できる。結果、マスク用インナーフレーム1と、マスクとがずれることなく、装着者に不快感を与える可能性を低減できる。なお、左係合部12bは、枠部10の外枠の左側から左方向に突出する以外は、右係合部12aと同様であるため、説明を省略する。
(その他の形態)
なお、マスク用インナーフレーム1は、左右対称に限定されない。例えば、右スリット200a及び左スリット200bの一方の形状を変えてもよいし、一方がなくてもよい。
なお、アーム111及び112は、十字形状の他、斜めクロス形状やその他の形状でもよい。このとき、開口110a、110b、110c及び110dは、アーム111及び112の形状によって、種々の形状、個数が採用可能である。
なお、マスク用インナーフレーム1は、弾性材で構成されていなくてもよい。例えば、マスク用インナーフレーム1は、吸水性のある素材(例えば、厚紙等)で構成されていてもよい。この場合、マスク用インナーフレーム1が、装着者の顔から発せられた汗を吸収する。従って、マスク内の環境を衛生的に保つことが可能である。結果、装着者はさらに快適に感じる。
なお、マスク用インナーフレーム1は、係合部12を必ずしも備えなくてよい。
なお、マスク用インナーフレーム1の各部を、別の物材を組み合わせて作成してもよいが、樹脂成型部品として作成することが好ましい。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。本考案の範囲は、上述の実施形態ではなく、実用新案登録請求の範囲によって示される。さらに、本考案の範囲には、実用新案登録請求の範囲と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
1…マスク用インナーフレーム
10…枠部
11…ドーム部
11A…頂部
110a、110b、110c、110d…開口
111、112…アーム
200a…右スリット
200b…左スリット
200c…下スリット
12a…右係合部
12b…左係合部
20…マスク
21…ゴム紐
O−O´…左右対称軸

Claims (5)

  1. マスクの背面側と人の顔面との間に介在されるマスク用インナーフレームにおいて、
    少なくとも人の鼻及び唇を囲む状態で顔面と当接する、所定幅を有する枠部と、
    前記枠部の内径側に連接され、外鼻孔部及び唇の起伏に比して嵩高となる、正面側に凸状の形状を有する帯状のアームと、前記帯状のアームを除く部位の開口部と、を有するドーム部と、
    を備え、
    前記枠部の前記所定幅の部位の左右側に上下に延びる側部スリット及び下部側に左右に延びる下部スリットの少なくとも一方のスリットを有する、
    マスク用インナーフレーム。
  2. 前記側部スリット及び前記下部スリットを有する、
    請求項1に記載のマスク用インナーフレーム。
  3. 複数の前記アームが凸状の頂部で交差するように形成され、且つ、前記頂部で一体化されると共に、前記頂部の幅は前記帯状の幅に比して幅広である、
    請求項1又は2に記載のマスク用インナーフレーム。
  4. 前記枠部の左右の側部に、前記マスクの生地の折り込み部と係合する係合部を備える、
    請求項1から3のいずれかに記載のマスク用インナーフレーム。
  5. 前記枠部及び前記ドーム部は、弾性体である、
    請求項1から4のいずれかに記載のマスク用インナーフレーム。
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