JP3229739U - 撮影用背景装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】省スペースで設置と保管ができるとともに、設置と撤去を容易かつスピーディに行うことができる撮影用背景装置を提供すること。【解決手段】撮影用背景装置100を、被写体の背景を形成するスクリーン本体110と、スクリーン本体110を壁面の上方位置または天井面から吊り下げられるようにする吊下部材120とから構成する。スクリーン本体110の上端縁110aには、複数の永久磁石111を、幅方向の全長にわたって所定の間隔を空けて設ける。また、吊下部材120は、永久磁石111が吸脱着できるように磁着体を備えて形成される。これにより、吊下部材120へのスクリーン本体110の取り付けおよび取り外しを、永久磁石111の磁力を利用して行えるようする。【選択図】図1
Description
本考案は、画像や映像の撮影の際に、被写体の背景を形成するための撮影用背景装置に関し、特に、場所をとらずに設置や保管ができるとともに、設置作業および撤去作業を簡単に行うことができる撮影用背景装置に関する。
画像や映像の撮影現場においては、被写体の背後に背景を形成するスクリーンを備えた背景装置が用いられている。背景装置は、被写体を際立たせたり、被写体の背後を美しく見せたりすることを目的として用いられるが、画像や映像のデジタル処理技術が進歩した近年においては、撮影後あるいは撮影中の画像や映像の背景を別の画像や映像に置き換えるクロマキー合成を行うためのグリーンバックやブルーバックを形成する目的で用いられる機会が増えている。こうした背景装置は、インターネットでの動画配信やウェブ会議システムなどの普及に伴って、その需要が個人レベルで高まりつつある。
背景装置には、例えば、スクリーン本体を支柱やT字型のスタンドで支持するものや、屏風のように自立させるものがある。しかしながら、既存の背景装置は大型で床面に設置するものが多く、また、組み立てや分解が煩雑である等して、個人が自宅等の比較的狭いスペースで使用するには設置場所や保管場所の確保が難しく、設置や撤去に手間がかかるといった不都合が生じていた。このため、個人の自宅等の狭い場所であっても、場所をとらずに設置と保管ができるとともに、組み立てと分解を簡単に行うことができる撮影用背景装置が求められている。
こうした不都合を解消する手段として、例えば、撮影・投射面を構成する幕体を、上記幕体の裏側に、撮影・投射面の対角線上に取り付けた2本の張設フレームと、2本の張設フレームの両下端部間に撓ませて取り付けられることで、幕体及び張設フレームを外側に引っ張るように構成された底部フレームと、張設フレームの交差部分と、底部フレームとを結合することにより、上記底部フレームと幕体とを支える支柱フレームとによって、張設・保持するようにしたスクリーンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のスクリーンは、容易に持ち運んだり、収納したりすることができるといった利点を有する。
しかしながら、特許文献1のスクリーンも、床面に設置のためのスペースが必要であり、幕体の他に複数のフレームを備えるので、保管しておく際に嵩張って場所をとってしまうことが考えられる。また、使用には各フレームの組み立てと分解が伴うため、依然として、設置と撤去に手間がかかる。
そこで、本考案は、省スペースで設置と保管ができるとともに、設置と撤去とを容易かつスピーディに行うことができる撮影用背景装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本考案が採った手段は、被写体の背景を形成するスクリーン本体と、壁面の上方または天井面に予め配設されて、前記スクリーン本体を吊り下げて配置させる吊下部材とを有し、前記スクリーン本体は、上端縁の幅方向全長に亘って所定の間隔を開けて設けられる複数の永久磁石を備え、前記吊下部材は、前記スクリーン本体に設けられた前記永久磁石が着脱可能に取り付けられる磁着体を備えることを特徴とする撮影用背景装置、である。
本考案にかかる撮影用背景装置は、背景を形成するスクリーン本体と、このスクリーン本体を吊り下げて設置させるための吊下部材とから構成され、スクリーン本体の設置と撤去とを、永久磁石の磁力を利用して行えるようにしたものである。すなわち、磁着体を備える吊下部材を、予め壁面の上方や天井面の所望の位置に取り付けておき、この吊下部材の磁着体部分に、スクリーン本体に設けた複数の永久磁石を吸着させることでスクリーンを設置できるようにしている。逆に、スクリーン本体を撤去するときには、吊下部材に吸着している永久磁石を引き離して、吊下部材からスクリーン本体を取り外すことで行うことができる。このように、本考案に係る撮影用背景装置は、設置に床面スペースを使用しないので、省スペースで設置が可能である。また、使用しないときでも、吊下部材を壁面の上方や天井面に配設したままにして、スクリーン本体を畳んでおけば済むので、保管に場所をとることもない。さらに、従来の撮影用背景装置のように、支柱やフレーム等の部材の組み立てや分解が必要ないので、設置および撤去を極めて容易かつ短時間で行うことができる。
スクリーン本体には、従来からグリーンバックまたはブルーバックとして使用されている編布や織布、不織布等を用いることができ、特には、クロマキー合成を効率よく行えるように、皺や折り目が付きにくいポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、形状記憶繊維等の繊維からなるものを用いることが好ましい。また、スクリーン本体の表面には、着色や防汚等のための加工を施してもよいし、同種若しくは異種の素材からなる布を複数重ねて形成してもよい。スクリーン本体の大きさや形状も特に限定されるものではなく、設置場所の広狭や撮影範囲等の各種条件に応じて適宜設定すればよい。
スクリーン本体の上端縁に設けられる永久磁石は、吊下部材の磁着体に対して確実に吸着できかつ脱着が容易に行える磁力を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、希土類磁石、柔軟磁石等の既知の永久磁石を用いることができる。
吊下部材は、上述のスクリーン本体に設けられた永久磁石が吸着可能な磁着体を備えるものであればよく、例えば、鉄やニッケル等の金属を板状や棒状、ピン状等の形状に成形し、螺子や接着剤を用いて壁面や天井面に固定するようにしてもよい。また、こうした専用部材として形成することの他に、突っ張り棒等の室内の上方に設置可能な既知の部材を利用したり、金属製のカーテンレールや照明器具等の室内に既設の部材を利用したりすることもできる。
本考案に係る撮影用背景装置によれば、スクリーン本体と、壁面や天井面に予め配設される吊下部材とから構成されるので、場所をとらずに設置および保管をすることができる。また、スクリーン本体の吊下部材への取り付けと取り外しを、上端縁に設けた永久磁石の磁力を利用して行うので、設置と撤去を極めて容易かつスピーディに行うことができる。また、付随的効果として、吊下部材には、カーテンレールや照明器具等の室内に既設の部材を利用することもできるので、安価で導入することもできる。
本考案は、被写体の背景となるスクリーン本体を、壁面や天井面から吊り下げて設置することができる撮影用背景装置である。
以下に、本考案の実施例を図に基づいて説明する。
図1には、本実施例にかかる撮影用背景装置100が示されている。撮影用背景装置100(以下、便宜上単に背景装置100という)は、スクリーン本体110と、吊下部材120とを備えており、スクリーン本体110の上端縁110aを吊下部材120に取り付けて使用される。
図2には、スクリーン本体110が示されている。スクリーン本体110は、クロマキー合成を行うときのキーイング処理に影響が出ないように、表面に皺や折り目が付きにくいPEニット生地からなる。そして、図2(a)に示すように、スクリーン本体110には、上端縁110aの幅方向に沿って細長棒状の永久磁石111が複数配置されている。図2(b)に示すように、複数の永久磁石111は、上端縁110aに間隔を空けて縫着された布製のポケット112の内部にそれぞれ収納される。こうすることで、スクリーン本体110を後に詳述する吊下部材120に取り付けるときに、永久磁石111と吊下部材120との間にポケット112の布地が介在されることとなるので、吊下部材120に対する永久磁石111の当たりをソフトにすることができるとともに、永久磁石111の引き離しが行いやすくなる。また、複数の永久磁石111を、間隔を空けて設けているので、スクリーン本体110の折り畳みに支障が出ることもない。さらに、複数の永久磁石111を上端縁110aに沿って配置しているので、吊下部材120が壁面側、天井面側のいずれにあっても、永久磁石111をしっかりと取り付けることができる。
吊下部材120は、スクリーン本体110の上端縁110aに設けられた複数の永久磁石111が吸着されて、スクリーン本体110を壁面または天井面から吊り下げて設置できるようにする部材である。図1および図3に示すように、本実施例では、室内に既に設置されている金属製のカーテンレールRを吊下部材120として利用している。すなわち、図1および図3に示すように、上端縁110aに設けた永久磁石111を、スクリーン本体110に弛みが生じないようにしながらカーテンレールRの前面に一個ずつ取り付けていくことで、スクリーン本体110を設置することができる。一方、スクリーン本体110の取り外しは、カーテンレールRから複数の永久磁石111を引き離せば行うことができる。
このように、既設のカーテンレールRを吊下部材120として利用すれば、専用の部材を別途用意せずに済むので、作製のコストと設置の手間を大幅に減らすことができる。また、設置のために床面スペースを必要としないとともに、背景装置100を使用しない場合には、吊下部材120としてのカーテンレールRはそのままにして、スクリーン本体110を折り畳んでおけば済むので、保管に場所をとることもない。
しかしながら、スクリーン本体110を設置したい場所に、カーテンレールRのような既設の部材がない場合も当然あり得る。こうした場合には、図4(a)〜(c)に示すような形態の吊下部材120を作製して、壁面または天井面に設けることが可能である。
図4(a)では、金属製の伸縮ロッドを備えた既知の突っ張り棒Bを対向する壁面W1、W2間に設け、これを吊下部材120としている。これによれば、突っ張り棒Bの位置を調整して、スクリーン本体110の高さや角度等の配置を容易に変更することができる。
図4(b)では、吊下部材120を、金属製の細長矩形のプレートPとして形成している。そして、このプレートPからなる吊下部材120を木ネジで天井面に固定させて、スクリーン本体110の永久磁石111を取り付けできるようにしている。
また、図4(c)では、吊下部材120を、ネジ部と、その一端に形成された磁着体からなる頭部とを備えたネジ体Sとして形成している。このネジ体Sを複数個用意し、スクリーン本体110の上端縁110aに設けた複数の永久磁石111と同程度の間隔を空けて天井面にねじ込んで固定させる。そして、それぞれのネジ体Sの頭部に、スクリーン本体110の永久磁石111を取り付けできるようにしている。
なお、本考案は、上記実施例の形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせも権利範囲に含むものである。
例えば、上記実施例では、永久磁石110に、細長棒状に形成したものを用いているが、この形状に替えて、板状、ボタン状等に形成したものを用いてもよい。また、永久磁石111をポケット112に収納せずに、スクリーン本体110の上端縁110aに接着剤を使って直接接着させて設けてもよい。
また、プレートPおよびネジ体Sとして形成された吊下部材120を、天井面ではなく壁面の上方位置に取り付けるようにしてもよい。
本考案に係る撮影用背景装置は、画像や映像を撮影するときの被写体の背景形成に用いることができ、クロマキー合成処理に必要なグリーンバックやブルーバックを形成するのに適している。また、簡素な構成を採用して、作製や取り扱いが簡単であることから、個人が自宅等で手軽に使用することができるので、産業上の利用可能性が高い。
100 撮影用背景装置
110 スクリーン本体
110a 上端縁
111 永久磁石
120 吊下部材
110 スクリーン本体
110a 上端縁
111 永久磁石
120 吊下部材
Claims (1)
- 被写体の背景を形成するスクリーン本体と、
壁面の上方位置または天井面に予め配設されて、前記スクリーン本体を吊り下げて配置させる吊下部材とを有し、
前記スクリーン本体は、上端縁の幅方向全長に亘って所定の間隔を開けて設けられる複数の永久磁石を備え、
前記吊下部材は、前記スクリーン本体に設けられた前記永久磁石が着脱可能に取り付けられる磁着体を備えることを特徴とする撮影用背景装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020004319U JP3229739U (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | 撮影用背景装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020004319U JP3229739U (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | 撮影用背景装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3229739U true JP3229739U (ja) | 2020-12-17 |
Family
ID=73740659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020004319U Active JP3229739U (ja) | 2020-10-06 | 2020-10-06 | 撮影用背景装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3229739U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7351559B1 (ja) | 2022-06-03 | 2023-09-27 | 良介 川原 | 背景布 |
-
2020
- 2020-10-06 JP JP2020004319U patent/JP3229739U/ja active Active
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