JP3226342B2 - 二次元図面データから三次元モデルを復元する装置および方法 - Google Patents
二次元図面データから三次元モデルを復元する装置および方法Info
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Description
【0001】
【技術分野】この発明は二次元図面データから三次元モ
デルを復元する装置および方法に関する。
デルを復元する装置および方法に関する。
【0002】
【背景技術】従来の二次元図面データからの三次元モデ
ル復元方法は,曲面を含まない多面体のみを対象として
おり,多面体モデルまたは曲線を多角形近似するものに
限定されていた。また,面の組合せ探索の際に,三次元
モデルを復元するのに多くの無駄な組合せを調べていた
ので無駄な処理が多く,非常に長い時間がかかってい
た。さらに,人間の想像し易い三次元モデル,すなわち
最も自然な解が優先的に得られないという問題点もあっ
た。
ル復元方法は,曲面を含まない多面体のみを対象として
おり,多面体モデルまたは曲線を多角形近似するものに
限定されていた。また,面の組合せ探索の際に,三次元
モデルを復元するのに多くの無駄な組合せを調べていた
ので無駄な処理が多く,非常に長い時間がかかってい
た。さらに,人間の想像し易い三次元モデル,すなわち
最も自然な解が優先的に得られないという問題点もあっ
た。
【0003】
【発明の開示】この発明は,処理時間を短縮化でき,し
かもより自然な解(三次元モデル)が優先的に得られる
ようにすることを目的とする。
かもより自然な解(三次元モデル)が優先的に得られる
ようにすることを目的とする。
【0004】この発明による二次元図面データから三次
元モデルを復元する装置は,正射投影法で描かれた2面
以上の二次元図形要素データを入力するための入力手
段,上記入力手段から入力された二次元図形要素データ
を格納する第1のファイル,上記第1のファイルに格納
されている二次元図形要素データから,候補面を含む三
次元候補要素を復元する第1の復元手段,上記第1の復
元手段によって復元された三次元候補要素を表わすデー
タを格納する第2のファイル,復元された候補面のそれ
ぞれを,三次元モデルに存在する真の面と三次元モデル
には存在しない偽の面とに判別するにさいして,判別す
べき候補面に優先順位を付ける指針となる第1の基準
と,木探索において枝分岐させるときの暫定的な真偽判
定の指針を与える第2の基準とがあらかじめ設定され,
上記第2のファイルに格納されている候補面ごとに上記
第1の基準および第2の基準に従って,上記第2のファ
イルからの候補面データの読出しとその候補面の真偽判
別とを行なう第2の復元手段,上記第2の復元手段によ
るすべての候補面について真偽判別が終了したときに得
られる三次元復元モデルを表わすデータを格納する第3
のファイル,ならびに上記第3のファイルに格納されて
いる三次元復元モデル・データを読出し,このデータに
よって表わされる三次元モデルを表示する表示手段を備
えている。
元モデルを復元する装置は,正射投影法で描かれた2面
以上の二次元図形要素データを入力するための入力手
段,上記入力手段から入力された二次元図形要素データ
を格納する第1のファイル,上記第1のファイルに格納
されている二次元図形要素データから,候補面を含む三
次元候補要素を復元する第1の復元手段,上記第1の復
元手段によって復元された三次元候補要素を表わすデー
タを格納する第2のファイル,復元された候補面のそれ
ぞれを,三次元モデルに存在する真の面と三次元モデル
には存在しない偽の面とに判別するにさいして,判別す
べき候補面に優先順位を付ける指針となる第1の基準
と,木探索において枝分岐させるときの暫定的な真偽判
定の指針を与える第2の基準とがあらかじめ設定され,
上記第2のファイルに格納されている候補面ごとに上記
第1の基準および第2の基準に従って,上記第2のファ
イルからの候補面データの読出しとその候補面の真偽判
別とを行なう第2の復元手段,上記第2の復元手段によ
るすべての候補面について真偽判別が終了したときに得
られる三次元復元モデルを表わすデータを格納する第3
のファイル,ならびに上記第3のファイルに格納されて
いる三次元復元モデル・データを読出し,このデータに
よって表わされる三次元モデルを表示する表示手段を備
えている。
【0005】この発明による二次元図面データからの三
次元モデルの復元方法は,正射投影法で描かれた2面以
上の二次元図形要素データのコンピュータへの入力を受
付け,上記コンピュータにおいて,受付けた二次元図形
要素データを第1のファイルに格納し,上記第1のファ
イルに格納されている二次元図形要素データから,候補
面を含む三次元候補要素を復元し,復元された三次元候
補要素を表わすデータを第2のファイルに格納し,復元
された候補面のそれぞれを,三次元モデルに存在する真
の面と三次元モデルには存在しない偽の面とに判別する
にさいして,あらかじめ設定された,判別すべき候補面
に優先順位を付ける指針となる第1の基準と,木探索に
おいて枝分岐させるときの暫定的な真偽判定の指針を与
える第2の基準とに従って,上記第2のファイルに格納
されている候補面ごとに,上記第2のファイルからの候
補面データの読出しとその候補面の真偽判別とを行い,
すべての候補面について真偽判別が終了したときに得ら
れる三次元復元モデルを表わすデータを第3のファイル
に格納し,上記第3のファイルに格納されている三次元
復元モデル・データを読出し,このデータによって表わ
される三次元モデルをコンピュータの出力手段に出力さ
せるものである。
次元モデルの復元方法は,正射投影法で描かれた2面以
上の二次元図形要素データのコンピュータへの入力を受
付け,上記コンピュータにおいて,受付けた二次元図形
要素データを第1のファイルに格納し,上記第1のファ
イルに格納されている二次元図形要素データから,候補
面を含む三次元候補要素を復元し,復元された三次元候
補要素を表わすデータを第2のファイルに格納し,復元
された候補面のそれぞれを,三次元モデルに存在する真
の面と三次元モデルには存在しない偽の面とに判別する
にさいして,あらかじめ設定された,判別すべき候補面
に優先順位を付ける指針となる第1の基準と,木探索に
おいて枝分岐させるときの暫定的な真偽判定の指針を与
える第2の基準とに従って,上記第2のファイルに格納
されている候補面ごとに,上記第2のファイルからの候
補面データの読出しとその候補面の真偽判別とを行い,
すべての候補面について真偽判別が終了したときに得ら
れる三次元復元モデルを表わすデータを第3のファイル
に格納し,上記第3のファイルに格納されている三次元
復元モデル・データを読出し,このデータによって表わ
される三次元モデルをコンピュータの出力手段に出力さ
せるものである。
【0006】復元された候補面を真または偽と判定する
ために,幾何学的,局所的な拘束条件や特徴を記述した
複数のルールが用いられる。上記の第1の基準および第
2の基準は,上記の複数のルールの使用順番の指定を含
む。この使用順番は人間の経験則,すなわち人間が二次
元面図モデルから三次元モデルを想定するときには視点
に近い面から始めて経験的に正しいと思われる面の状態
決定を進めていくという経験則に基づいている。真偽判
別のしやすい候補面から判別が行なわれていくことにな
る。これにより候補面の判別についての無駄な処理が軽
減される。また,上記の第1の基準および第2の基準
は,単純なものを想像する,その他の人間が自然に三次
元モデルを想定する傾向に基づいて定められる。したが
って,候補面の真偽判別は人間のこうした自然な傾向に
したがって行なわれていくことになる。
ために,幾何学的,局所的な拘束条件や特徴を記述した
複数のルールが用いられる。上記の第1の基準および第
2の基準は,上記の複数のルールの使用順番の指定を含
む。この使用順番は人間の経験則,すなわち人間が二次
元面図モデルから三次元モデルを想定するときには視点
に近い面から始めて経験的に正しいと思われる面の状態
決定を進めていくという経験則に基づいている。真偽判
別のしやすい候補面から判別が行なわれていくことにな
る。これにより候補面の判別についての無駄な処理が軽
減される。また,上記の第1の基準および第2の基準
は,単純なものを想像する,その他の人間が自然に三次
元モデルを想定する傾向に基づいて定められる。したが
って,候補面の真偽判別は人間のこうした自然な傾向に
したがって行なわれていくことになる。
【0007】したがってこの発明によると,三次元要素
である頂点,稜線,候補面を復元したのちに,解の構築
に関与しない虚の要素(候補面)を取除くための面の組
合せ探索を行なうときに,上述した第1および第2の基
準を用いることにより,無駄な探索処理を省き効率よく
短時間で処理を完遂でき,しかも人間にとって自然と思
われる三次元モデルの解が優先的に得られるようにな
る。
である頂点,稜線,候補面を復元したのちに,解の構築
に関与しない虚の要素(候補面)を取除くための面の組
合せ探索を行なうときに,上述した第1および第2の基
準を用いることにより,無駄な探索処理を省き効率よく
短時間で処理を完遂でき,しかも人間にとって自然と思
われる三次元モデルの解が優先的に得られるようにな
る。
【0008】
【実施例の説明】二次元図面データから曲面を含む三次
元モデルを復元する方法はコンピュータ・システムによ
って実行される。コンピュータ・システムは,コンピュ
ータ本体,各種データを記憶するための外部記憶装置
(磁気ディスク装置等),キーボード,マウス等を含む
入力装置,およびCRT表示装置,プリンタ等を含む出
力装置から構成されている。
元モデルを復元する方法はコンピュータ・システムによ
って実行される。コンピュータ・システムは,コンピュ
ータ本体,各種データを記憶するための外部記憶装置
(磁気ディスク装置等),キーボード,マウス等を含む
入力装置,およびCRT表示装置,プリンタ等を含む出
力装置から構成されている。
【0009】このコンピュータ・システムによって実行
される,二次元図面データから曲面を含む三次元モデル
を復元する方法の概要が図6に示されている。
される,二次元図面データから曲面を含む三次元モデル
を復元する方法の概要が図6に示されている。
【0010】まず,二次元図形要素を表わすデータが入
力装置からコンピュータ・システムに入力される(ステ
ップ101 )。
力装置からコンピュータ・システムに入力される(ステ
ップ101 )。
【0011】入力される二次元図形の一例が図1に示さ
れている。二次元図形は平面図(z−x平面),正面図
(x−y平面)および側面図(y−z平面)からなる。
以下これらを三面図という。
れている。二次元図形は平面図(z−x平面),正面図
(x−y平面)および側面図(y−z平面)からなる。
以下これらを三面図という。
【0012】二次元図形要素には大別して点と線分と領
域とがある。
域とがある。
【0013】点は線分の端点および円,楕円の中心点を
含み,これらの点データは点番号とその点を表わす座標
データとから構成される。たとえば図1において符号
a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,m,p
等によって示されたものが点である。
含み,これらの点データは点番号とその点を表わす座標
データとから構成される。たとえば図1において符号
a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,m,p
等によって示されたものが点である。
【0014】線分には直線分と曲線分とがある。直線分
データは,線分番号,その線分の始点と終点の点を表わ
す点番号(端点番号),実/破モードおよび直線性を表
わすデータから構成されている。実/破モードは線分の
線種を表わし,実線は見える線であり,破線は隠れて見
えない線分(隠れ線)および曲面を表現するために必要
な補助線(これをシルエットと呼ぶ)を含む。たとえ
ば,bc,ci,ck,de,ef,fg,gh等が実
線,im,mk,mj,fp等が破線である。直線性と
は線分de,ef,fg,ghのように一直線上に属す
る線分を示すコードである。曲線分データは線分番号,
中心点の番号,径,始点と終点の番号,実/破モードお
よび曲線性からなる。図1に示すij,jk等が曲線分
である。
データは,線分番号,その線分の始点と終点の点を表わ
す点番号(端点番号),実/破モードおよび直線性を表
わすデータから構成されている。実/破モードは線分の
線種を表わし,実線は見える線であり,破線は隠れて見
えない線分(隠れ線)および曲面を表現するために必要
な補助線(これをシルエットと呼ぶ)を含む。たとえ
ば,bc,ci,ck,de,ef,fg,gh等が実
線,im,mk,mj,fp等が破線である。直線性と
は線分de,ef,fg,ghのように一直線上に属す
る線分を示すコードである。曲線分データは線分番号,
中心点の番号,径,始点と終点の番号,実/破モードお
よび曲線性からなる。図1に示すij,jk等が曲線分
である。
【0015】領域とは線分によって囲まれた範囲を表わ
す。領域はその内部に含まれる線分によって分割され
る。分割不可能な領域を最小領域,分割可能な領域を併
合領域という。たとえば図1の平面図にハッチングで示
す領域R1,R2は最小領域である。
す。領域はその内部に含まれる線分によって分割され
る。分割不可能な領域を最小領域,分割可能な領域を併
合領域という。たとえば図1の平面図にハッチングで示
す領域R1,R2は最小領域である。
【0016】いずれにしてもこのような二次元図形要素
を表わすデータが入力され,入力されたデータはファイ
ルA(外部記憶装置)に格納される。
を表わすデータが入力され,入力されたデータはファイ
ルA(外部記憶装置)に格納される。
【0017】続いて,ファイルAに格納された二次元図
形要素データに基づいて三次元要素が復元される(ステ
ップ102 )。復元される三次元要素には頂点,稜線(ま
たは単に稜という)(直線分および曲線分を含む)なら
びに候補面(平面および二次曲面を含む)がある。図1
に示す三面図データから復元された稜線が図2に,候補
面が図3(A) および(B) にそれぞれ示されている。
形要素データに基づいて三次元要素が復元される(ステ
ップ102 )。復元される三次元要素には頂点,稜線(ま
たは単に稜という)(直線分および曲線分を含む)なら
びに候補面(平面および二次曲面を含む)がある。図1
に示す三面図データから復元された稜線が図2に,候補
面が図3(A) および(B) にそれぞれ示されている。
【0018】一般に,三次元物体の頂点は三面図におい
て点として現われる。頂点とその三面図上への投影点
は,その共通する座標系において,同じ座標値を持つ。
たとえば図1において,点aとbとcは同じx座標をも
つ。この性質を利用して、三面図において各点間の対応
をとることにより,頂点の候補をすべて求めることがで
きる。
て点として現われる。頂点とその三面図上への投影点
は,その共通する座標系において,同じ座標値を持つ。
たとえば図1において,点aとbとcは同じx座標をも
つ。この性質を利用して、三面図において各点間の対応
をとることにより,頂点の候補をすべて求めることがで
きる。
【0019】三次元物体の稜線は,三面図上では線分
(直線もしくは曲線)または点として現われる。稜線の
端点は頂点である。したがって三面図において相互に対
応する線分または頂点(端点)が検索され,それらの頂
点間を結ぶことにより稜線が復元される。複数の稜線が
交わっていれば,その交点は頂点として登録され,稜線
は分割される。上述のように図2はこのようにして復元
された稜線を示している。
(直線もしくは曲線)または点として現われる。稜線の
端点は頂点である。したがって三面図において相互に対
応する線分または頂点(端点)が検索され,それらの頂
点間を結ぶことにより稜線が復元される。複数の稜線が
交わっていれば,その交点は頂点として登録され,稜線
は分割される。上述のように図2はこのようにして復元
された稜線を示している。
【0020】稜線によって囲まれた区域が面である。あ
る区域を囲む稜線の集まりを求めることにより候補面が
復元される。上述のように,復元された候補面が図3
(A) および(B) に示されている。
る区域を囲む稜線の集まりを求めることにより候補面が
復元される。上述のように,復元された候補面が図3
(A) および(B) に示されている。
【0021】上述した最小領域の座標平面に垂直な法線
によって貫かれる候補面を最小領域の対応面という。複
数の対応面の中で視点(光源)に最も近い偽でない面を
最近面という。たとえば図1にハッチングで示す最小領
域R1の対応面は図3(A) においてS11,S12,S13で
ある。また二重のハッチングで示す最小領域R2の対応
面はS21,S22である。
によって貫かれる候補面を最小領域の対応面という。複
数の対応面の中で視点(光源)に最も近い偽でない面を
最近面という。たとえば図1にハッチングで示す最小領
域R1の対応面は図3(A) においてS11,S12,S13で
ある。また二重のハッチングで示す最小領域R2の対応
面はS21,S22である。
【0022】このようにして復元された三次元候補要素
を表わすデータはファイルB(外部記憶装置)に格納さ
れる。
を表わすデータはファイルB(外部記憶装置)に格納さ
れる。
【0023】一般に,上述のような単純な面図における
対応関係に基づいて復元された候補面の中には,実際の
3次元モデルの構築に関与しない偽要素が含まれてい
る。したがって,3次元モデルを復元するためには,3
次元モデルを構成するすべての可能な面の組合せを求め
る組合せ探索を行うことが必要である。各候補面には,
解の構築に参加する「真」の面と,解の構築に参加しな
い「偽」の面の2つの「状態」がある。3次元モデル復
元方法は,以下に詳述する知識を用いて,復元された候
補面の真偽を判定し,真と判定された候補面を張り合わ
せることにより,正しい3次元モデルの解を復元するも
のである。真,偽の2状態があるので,面の組合せ数
は,候補面数をnとすると2n 個となる。このため探索
空間は膨大となり,3次元モデルの復元にかなりの時間
がかかることになる。
対応関係に基づいて復元された候補面の中には,実際の
3次元モデルの構築に関与しない偽要素が含まれてい
る。したがって,3次元モデルを復元するためには,3
次元モデルを構成するすべての可能な面の組合せを求め
る組合せ探索を行うことが必要である。各候補面には,
解の構築に参加する「真」の面と,解の構築に参加しな
い「偽」の面の2つの「状態」がある。3次元モデル復
元方法は,以下に詳述する知識を用いて,復元された候
補面の真偽を判定し,真と判定された候補面を張り合わ
せることにより,正しい3次元モデルの解を復元するも
のである。真,偽の2状態があるので,面の組合せ数
は,候補面数をnとすると2n 個となる。このため探索
空間は膨大となり,3次元モデルの復元にかなりの時間
がかかることになる。
【0024】そこでこの発明は探索空間を縮小してでき
るだけ効率的にかつ短時間で3次元モデルを復元する方
法を提供している。組合せ探索処理において以下に示す
知識1,知識2および知識3が利用される。
るだけ効率的にかつ短時間で3次元モデルを復元する方
法を提供している。組合せ探索処理において以下に示す
知識1,知識2および知識3が利用される。
【0025】知識1は候補面の真,偽を判定するための
基準となるものであり,ルール1−1〜ルール1−8の
8個のルールを含む。知識2は知識1に含まれる8個の
ルールの使用順番を付けるためのものであり,ルール2
−1〜2−3の3個のルールを含む。これにより,探索
時間が縮小され,処理時間がきわめて短縮される。知識
3は,多くの正しい解がある場合に,その中で最も人間
が考えやすい(最も自然な)ものを優先して見出すため
のものであり,ルール3−1〜3−3の3個のルールを
含む。このようにして,知識2および3を常時使用して
探索空間の縮小を図り,かつ木探索分岐の際,分岐方向
に優先順位をつけて,最も自然な3次元モデルを優先的
に復元するようにしているので,処理時間の短縮化と自
然な解の復元とを達成できる。
基準となるものであり,ルール1−1〜ルール1−8の
8個のルールを含む。知識2は知識1に含まれる8個の
ルールの使用順番を付けるためのものであり,ルール2
−1〜2−3の3個のルールを含む。これにより,探索
時間が縮小され,処理時間がきわめて短縮される。知識
3は,多くの正しい解がある場合に,その中で最も人間
が考えやすい(最も自然な)ものを優先して見出すため
のものであり,ルール3−1〜3−3の3個のルールを
含む。このようにして,知識2および3を常時使用して
探索空間の縮小を図り,かつ木探索分岐の際,分岐方向
に優先順位をつけて,最も自然な3次元モデルを優先的
に復元するようにしているので,処理時間の短縮化と自
然な解の復元とを達成できる。
【0026】知識の説明に先だち,ここで用いられる各
種記号,符号の定義について述べておく。
種記号,符号の定義について述べておく。
【0027】
【数1】
【0028】[知識1]幾何学,局所的な拘束条件や特
徴を利用して候補面の状態(真または偽)を決定するた
めのものである。三面図から三次元モデルを復元するた
めの必要十分条件をルールとして具体化すると次のよう
になる。これらのルールは,状態が未決定な候補面を真
の面と偽の面に振り分ける操作を行うために絶対的な規
則である。
徴を利用して候補面の状態(真または偽)を決定するた
めのものである。三面図から三次元モデルを復元するた
めの必要十分条件をルールとして具体化すると次のよう
になる。これらのルールは,状態が未決定な候補面を真
の面と偽の面に振り分ける操作を行うために絶対的な規
則である。
【0029】ルール1−1:
【数2】 (解Sにおいて,任意のEs内の稜線eに関して,eに
接続している面の総数は2以上の偶数個である。)
接続している面の総数は2以上の偶数個である。)
【0030】ルール1−2:
【数3】 (候補面集合Φに含まれる任意の2面f,gに関して,
もしf,gが交差(cross )するなら,f,gともに同
様に解Sに含まれるということはありえない。すなわ
ち,f,gのうち高々一つだけが真となりうる。)
もしf,gが交差(cross )するなら,f,gともに同
様に解Sに含まれるということはありえない。すなわ
ち,f,gのうち高々一つだけが真となりうる。)
【0031】ルール1−3:
【数4】 (解Sに含まれている全ての稜を三面図に正射影(pro
j)して得られる線分の全体集合は,入力三面図の線分
集合Δと一致する。)
j)して得られる線分の全体集合は,入力三面図の線分
集合Δと一致する。)
【0032】ルール1−4:
【数5】 (三面図上の任意の線分iについて,もしiが破線(br
oken)ならば,そのiに対応(proj)する稜eをiを隠
蔽する(occlude )ようなfが解S内に存在する。)
oken)ならば,そのiに対応(proj)する稜eをiを隠
蔽する(occlude )ようなfが解S内に存在する。)
【0033】ルール1−5:
【数6】 (もし領域a,bが隣接(neighbor)していて,三面図
への射影(proj)がa,bとなるような面f,gがあっ
て,さらにそれらが同一平面上(coplanar)にあるなら
ば,f,gのうち高々一つだけが解に含まれうる。)
への射影(proj)がa,bとなるような面f,gがあっ
て,さらにそれらが同一平面上(coplanar)にあるなら
ば,f,gのうち高々一つだけが解に含まれうる。)
【0034】ルール1−6:
【数7】 (三面図における領域aが最小(minimal )ならば,a
に対応(proj)する面の個数は0以上の偶数個であ
る。)
に対応(proj)する面の個数は0以上の偶数個であ
る。)
【0035】ルール1−7:
【数8】 (破線iに対応する2面f,gが同一平面上(coplana
r)にあるとき,それ以外に少なくとも一つは同一平面
上にない面hが存在しなければならない。これは,ルー
ル1−3を詳細化したものである。
r)にあるとき,それ以外に少なくとも一つは同一平面
上にない面hが存在しなければならない。これは,ルー
ル1−3を詳細化したものである。
【0036】ルール1−8:
【数9】 (候補面fに関して,三面図に射影した線iがシルエッ
ト線(silhouette)または接線の線(tangent )となる
ような稜eに接続しているならば,fは解に含まれるこ
とはない(false )。)
ト線(silhouette)または接線の線(tangent )となる
ような稜eに接続しているならば,fは解に含まれるこ
とはない(false )。)
【0037】この知識1に含まれるルールのいくつかを
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0038】ルール1−1は,任意の稜線を共有する面
の個数は,2以上の偶数個である,ということを示して
いる。この様子が図5(A) および(B) に示されている。
これらの図において,稜線を共有する面がハッチングで
表わされている。
の個数は,2以上の偶数個である,ということを示して
いる。この様子が図5(A) および(B) に示されている。
これらの図において,稜線を共有する面がハッチングで
表わされている。
【0039】ルール1−2は,稜線を介さずに交差する
複数個の面,「交差面」があるとき,それらのうちのた
かだか1つの面のみが実在し得る(すなわち真である)
ということを示している。図5(C) において,2つの交
差する面のうちの多くてもいずれか一方のみが真であ
り,他方または両方は偽である。
複数個の面,「交差面」があるとき,それらのうちのた
かだか1つの面のみが実在し得る(すなわち真である)
ということを示している。図5(C) において,2つの交
差する面のうちの多くてもいずれか一方のみが真であ
り,他方または両方は偽である。
【0040】以下,同じようにしてルール1−3〜1−
8を分りやすく書き下すと次のように表現される。
8を分りやすく書き下すと次のように表現される。
【0041】ルール1−3三面図を構成する全ての線分
について対応する稜線が必ず存在する。
について対応する稜線が必ず存在する。
【0042】ルール1−4破線を境界とする領域に対応
する面は,その破線位置において,面を隠ぺいする,視
点により近い面が存在する。つまり,破線に対応する稜
線を覆い隠す面が存在する。
する面は,その破線位置において,面を隠ぺいする,視
点により近い面が存在する。つまり,破線に対応する稜
線を覆い隠す面が存在する。
【0043】ルール1−5隣合う2つの領域の対応する
最近面が同一面上に存在するとき,実線を介して領域が
接していればそれらの面のうちたかだか1つが真の面で
あり,破線を介して接していれば,それらは1個の面で
ある。
最近面が同一面上に存在するとき,実線を介して領域が
接していればそれらの面のうちたかだか1つが真の面で
あり,破線を介して接していれば,それらは1個の面で
ある。
【0044】ルール1−6投影図の各面図において,最
小領域の対応面は0以上の偶数個であり,輪郭を境界成
分として含む領域の対応面が2個だけのときは,そのい
ずれもが真である。
小領域の対応面は0以上の偶数個であり,輪郭を境界成
分として含む領域の対応面が2個だけのときは,そのい
ずれもが真である。
【0045】たとえば,図1および図3を参照して,最
小領域R1の対応面はS11,S12,S13の3個存在する
が,これらの対応面のうちで真と判定されるべきものは
0個または2個である。最小領域R2の対応面はS21と
S22の2個であるから,これらの対応面S21,S22はい
ずれも真である。
小領域R1の対応面はS11,S12,S13の3個存在する
が,これらの対応面のうちで真と判定されるべきものは
0個または2個である。最小領域R2の対応面はS21と
S22の2個であるから,これらの対応面S21,S22はい
ずれも真である。
【0046】ルール1−7破線を含む領域に対応する面
のうち,破線に対応する稜線を介して併合されない面が
少なくとも1つは存在する。
のうち,破線に対応する稜線を介して併合されない面が
少なくとも1つは存在する。
【0047】ルール1−8ある面図に線分として現われ
る面において,その線分が補助線であれば,その面は実
際の3次元モデルには存在しない補助面である。
る面において,その線分が補助線であれば,その面は実
際の3次元モデルには存在しない補助面である。
【0048】[知識2]上述した知識1のルール1−1
〜ルール1−8の使用順番(探索順番)を決定するため
のものである。探索順序に関するヒューリスティクスを
ルールとして具体化すると次のようになる。人間が2次
元面図モデルから3次元モデルを解釈するときは,視点
に近い面,つまり可視面から始めて,経験的に正しいと
思われる面の状態決定を進めていくという経験則をルー
ル化している。
〜ルール1−8の使用順番(探索順番)を決定するため
のものである。探索順序に関するヒューリスティクスを
ルールとして具体化すると次のようになる。人間が2次
元面図モデルから3次元モデルを解釈するときは,視点
に近い面,つまり可視面から始めて,経験的に正しいと
思われる面の状態決定を進めていくという経験則をルー
ル化している。
【0049】ルール2−1:
【数10】 (A内の最小領域のうち,そこへ射影される面(すなわ
ち,対応する面)の個数が最も少ないような領域を最初
にチェックする。)対応面の少ない最小領域のほうが,
知識1を使いやすいからである。
ち,対応する面)の個数が最も少ないような領域を最初
にチェックする。)対応面の少ない最小領域のほうが,
知識1を使いやすいからである。
【0050】ルール2−2:
【数11】Search in the sequence of FRONT-VIEW,TOP
-VIEW and SIDE-VIEW.(探索チェックを行う優先順序
は,正面図,平面図,側面図の順である。)三面図を描
く場合,経験的に正面図,平面図,側面図の順で,各面
図にその物体の特徴をよく表している形を配置すること
が多いからである。
-VIEW and SIDE-VIEW.(探索チェックを行う優先順序
は,正面図,平面図,側面図の順である。)三面図を描
く場合,経験的に正面図,平面図,側面図の順で,各面
図にその物体の特徴をよく表している形を配置すること
が多いからである。
【0051】ルール2−3:
【数12】Check first a nearest-face whose coordin
ate is the smallest.(最近面(nearest-face)すなわ
ち他のどの面によっても隠されていない面のうち,投影
面に最も近い(つまり,投影方向の座標値が最も小さ
い)面を最初にチェックする。)座標原点に近い最近面
の方が情報量が多い傾向にある。なぜなら,最近面が各
面図への投影図を適切に表しており,原点に近い位置で
は,他の図面の領域への接続関係が分りやすいからであ
る。
ate is the smallest.(最近面(nearest-face)すなわ
ち他のどの面によっても隠されていない面のうち,投影
面に最も近い(つまり,投影方向の座標値が最も小さ
い)面を最初にチェックする。)座標原点に近い最近面
の方が情報量が多い傾向にある。なぜなら,最近面が各
面図への投影図を適切に表しており,原点に近い位置で
は,他の図面の領域への接続関係が分りやすいからであ
る。
【0052】知識2のすべてが正しいとは限らないが,
そして知識2がなくても探索処理は可能ではあるが,知
識2を使用することにより探索処理を大幅にスピード・
アップすることができる。
そして知識2がなくても探索処理は可能ではあるが,知
識2を使用することにより探索処理を大幅にスピード・
アップすることができる。
【0053】[知識3]木探索における分岐の際の枝に
優先度をつけるためのものであり,人間は,単純なもの
を想像するという傾向があるという事実(経験則)を基
にしている。
優先度をつけるためのものであり,人間は,単純なもの
を想像するという傾向があるという事実(経験則)を基
にしている。
【0054】探索過程は,面の真偽を決定しながら二分
岐してゆく木探索となっている。この処理において,ど
の面に注目して分岐を進めてゆくかが,処理効率に大き
く影響する。知識3は,分岐にあたって,・優先して注
目すべき面の選び方,・注目する面に関して,真/偽の
どちらの枝を先に調べるか,ということについての指針
を与えるヒューリスティクスである。
岐してゆく木探索となっている。この処理において,ど
の面に注目して分岐を進めてゆくかが,処理効率に大き
く影響する。知識3は,分岐にあたって,・優先して注
目すべき面の選び方,・注目する面に関して,真/偽の
どちらの枝を先に調べるか,ということについての指針
を与えるヒューリスティクスである。
【0055】知識3は処理の効率化をねらいかつ自然な
解を先に得るためのものであり,単純化の原理に基づく
ヒューリスティクスをルールとして具体化すると次のよ
うになる。
解を先に得るためのものであり,単純化の原理に基づく
ヒューリスティクスをルールとして具体化すると次のよ
うになる。
【0056】ルール3−1:
【数13】 すなわち,対応面の少ない面や,最近面などを分岐面と
する。
する。
【0057】ルール3−2:
【数14】cross (f,g)となるような面,すなわち
交差している面は,どちらも(木探索の)分岐ノードし
ては採用しない。すなわち,交差面は偽である場合が多
いので分岐面に適さない(ルール1−2参照)。
交差している面は,どちらも(木探索の)分岐ノードし
ては採用しない。すなわち,交差面は偽である場合が多
いので分岐面に適さない(ルール1−2参照)。
【0058】ルール3−3:
【数15】次の(1) 〜(7) のような面は,(木探索の)
分岐ノードとして採用する場合は,まず「偽(false
)」の枝を先に探索する。これらの面は偽となること
が多いからである。(1)cross(f,g)となるような
面,すなわち交差している面(2) 座標平面に平行でない
面より一つ視点から遠い面(座標平面に平行でない面の
1つ奥の面)(3) ルール1−8を満たす最近面より一つ
視点に近い(座標平面に)平行な面(4) 最近面でなく,
かつ座標平面に平行でない面(5) 最近面でなく,かつそ
の全ての境界稜線において同一平面上にある隣接面が存
在するような面(6) 最近面でなく,かつ他の真の最近面
と隣接している面(7) 最近面でなく,かつ対応面のうち
真のものが奇数個有り,さらに状態(真/偽)未決定の
ものが(自分を含めて)2個あるような面上記の場合以
外は,「真(true)」の枝を先に探索する。
分岐ノードとして採用する場合は,まず「偽(false
)」の枝を先に探索する。これらの面は偽となること
が多いからである。(1)cross(f,g)となるような
面,すなわち交差している面(2) 座標平面に平行でない
面より一つ視点から遠い面(座標平面に平行でない面の
1つ奥の面)(3) ルール1−8を満たす最近面より一つ
視点に近い(座標平面に)平行な面(4) 最近面でなく,
かつ座標平面に平行でない面(5) 最近面でなく,かつそ
の全ての境界稜線において同一平面上にある隣接面が存
在するような面(6) 最近面でなく,かつ他の真の最近面
と隣接している面(7) 最近面でなく,かつ対応面のうち
真のものが奇数個有り,さらに状態(真/偽)未決定の
ものが(自分を含めて)2個あるような面上記の場合以
外は,「真(true)」の枝を先に探索する。
【0059】図6に戻って,ファイルBから三次元候補
要素,とくに候補面を表わすデータを取出しながら,上
述した知識1,2および3を用いて木探索を行ない,三
次元モデルを復元する処理が行なわれる(ステップ103
)。
要素,とくに候補面を表わすデータを取出しながら,上
述した知識1,2および3を用いて木探索を行ない,三
次元モデルを復元する処理が行なわれる(ステップ103
)。
【0060】このステップ103 における復元処理の詳細
が図7に示されている。木探索を実行する手続の基本的
方針は次の2つに要約される。
が図7に示されている。木探索を実行する手続の基本的
方針は次の2つに要約される。
【0061】(1) 全候補面の真偽を決定する。(2) 真偽
判定が(知識1を用いても)進められなくなった場合に
は,知識3に基づいて強制的に1つの候補面を選び,真
または偽のいずれかの枝に分岐する。
判定が(知識1を用いても)進められなくなった場合に
は,知識3に基づいて強制的に1つの候補面を選び,真
または偽のいずれかの枝に分岐する。
【0062】コンピュータ本体に付随するメモリのワー
ク・エリアには図9に示すような真偽判定テーブル,お
よび図10に示すような木探索補助テーブルが設けられて
いる。真偽判定テーブル(図9)にはすべての候補面に
ついてその真偽判定結果が記憶される。木探索補助テー
ブルについては後述する。
ク・エリアには図9に示すような真偽判定テーブル,お
よび図10に示すような木探索補助テーブルが設けられて
いる。真偽判定テーブル(図9)にはすべての候補面に
ついてその真偽判定結果が記憶される。木探索補助テー
ブルについては後述する。
【0063】図7を参照して,まず知識1および2を用
いて,真偽判定が容易に可能な候補面について順次それ
らの真偽判定を行い,その結果を真偽判定テーブルに書
込んでいく(ステップ111 ,112 )。
いて,真偽判定が容易に可能な候補面について順次それ
らの真偽判定を行い,その結果を真偽判定テーブルに書
込んでいく(ステップ111 ,112 )。
【0064】ここでは,たとえばルール1−1のような
決定的なルールのみが用いられる。ルール1−1による
と,ある稜線を共有する面の個数は2以上の偶数個であ
るから,ある稜線をキーとして,その稜線を共有する候
補面を読出したときに,候補面の数が2個であれば,読
出された2個の候補面は明らかに真である。また,情況
によっては,たとえばルール1−4のように,決定的な
ものとして使用できるものもあるので,そのようなルー
ルを用いることもできる。
決定的なルールのみが用いられる。ルール1−1による
と,ある稜線を共有する面の個数は2以上の偶数個であ
るから,ある稜線をキーとして,その稜線を共有する候
補面を読出したときに,候補面の数が2個であれば,読
出された2個の候補面は明らかに真である。また,情況
によっては,たとえばルール1−4のように,決定的な
ものとして使用できるものもあるので,そのようなルー
ルを用いることもできる。
【0065】一般にはステップ111 ,112 の処理のみに
よってはファイルBのすべての候補面について真偽判定
が完了しないので(ステップ113 でNO),ステップ114
および115 の木探索に進む。
よってはファイルBのすべての候補面について真偽判定
が完了しないので(ステップ113 でNO),ステップ114
および115 の木探索に進む。
【0066】木探索は図8に示すように.ある1つの候
補面C7について真または偽と仮定し,次に他の候補面
C5を読出して真または偽と仮定しながら処理を進めて
いくやり方である。このように処理を進めていって,あ
る候補面C8において矛盾が生じたときには,その1つ
前の候補面C9またはそれ以上前の候補面C5もしくは
C7まで戻り,先にこれらの候補面で仮定したものとは
反対の状態(真と仮定したときには偽)を仮定して,同
じように進んでいく。木探索補助テーブルはこのような
木探索処理において,探索された候補面の順序にしたが
って,各候補面で仮定した状態(真または偽)を憶えて
おくための一種のスタック・レジスタである。木探索を
続けていって矛盾なく最終的に解が得られた場合にその
解をまとめるときに,または木探索を続けていって矛盾
が生じたので途中までまたは元まで戻って反対の状態を
仮定してやり直すときに,このテーブルが役立つ。
補面C7について真または偽と仮定し,次に他の候補面
C5を読出して真または偽と仮定しながら処理を進めて
いくやり方である。このように処理を進めていって,あ
る候補面C8において矛盾が生じたときには,その1つ
前の候補面C9またはそれ以上前の候補面C5もしくは
C7まで戻り,先にこれらの候補面で仮定したものとは
反対の状態(真と仮定したときには偽)を仮定して,同
じように進んでいく。木探索補助テーブルはこのような
木探索処理において,探索された候補面の順序にしたが
って,各候補面で仮定した状態(真または偽)を憶えて
おくための一種のスタック・レジスタである。木探索を
続けていって矛盾なく最終的に解が得られた場合にその
解をまとめるときに,または木探索を続けていって矛盾
が生じたので途中までまたは元まで戻って反対の状態を
仮定してやり直すときに,このテーブルが役立つ。
【0067】未決定(未判定)の候補面の1つを取出す
ときに(ステップ114 ),どのような候補面を優先して
処理するかの指針が上述した知識2および3によって与
えられる。また,取出された候補面の状態(真または
偽)を仮定するときには知識3が用いられる。このよう
にして,できるだけ早く正しい解に到達するように候補
面の選択とその候補面についての真偽の仮定(暫定的な
判定)とが行なわれるので,無駄な探索が行なわれずに
短時間で木探索処理が終了する。
ときに(ステップ114 ),どのような候補面を優先して
処理するかの指針が上述した知識2および3によって与
えられる。また,取出された候補面の状態(真または
偽)を仮定するときには知識3が用いられる。このよう
にして,できるだけ早く正しい解に到達するように候補
面の選択とその候補面についての真偽の仮定(暫定的な
判定)とが行なわれるので,無駄な探索が行なわれずに
短時間で木探索処理が終了する。
【0068】このようにして,ファイルB内のすべての
候補面について真偽の判定が完了すると,その判定結果
が1つの解としてファイルC(外部記憶装置)に格納さ
れる(ステップ116 )。
候補面について真偽の判定が完了すると,その判定結果
が1つの解としてファイルC(外部記憶装置)に格納さ
れる(ステップ116 )。
【0069】木構造のすべての枝について探索を行なわ
なくても1つの解が得られることがある。ということ
は,他に解がありうるということである。未チェックの
枝がまだあれば(ステップ117 でYES ),その枝に戻っ
て(ステップ118 ),再びステップ111 から始まる処理
が行なわれる。そして他の解が得られればこの解もまた
ファイルCに格納される。
なくても1つの解が得られることがある。ということ
は,他に解がありうるということである。未チェックの
枝がまだあれば(ステップ117 でYES ),その枝に戻っ
て(ステップ118 ),再びステップ111 から始まる処理
が行なわれる。そして他の解が得られればこの解もまた
ファイルCに格納される。
【0070】すべての枝についてチェックが終了すれ
ば,面の組合せ探索による3次元モデルの復元処理が終
了する。
ば,面の組合せ探索による3次元モデルの復元処理が終
了する。
【0071】この後,同一面上において隣り合う候補面
が存在するときにこれらの面を併合する処理,面のどち
ら側に表わす物体があるかを識別する各面の方向付け処
理等が行なわれることにより3次元モデルが復元され,
復元された3次元モデルが表示装置に表示され,または
3次元モデルを表わすデータがプリンタから出力される
(ステップ104 )。
が存在するときにこれらの面を併合する処理,面のどち
ら側に表わす物体があるかを識別する各面の方向付け処
理等が行なわれることにより3次元モデルが復元され,
復元された3次元モデルが表示装置に表示され,または
3次元モデルを表わすデータがプリンタから出力される
(ステップ104 )。
【0072】復元された3次元モデルの例が図4(A) ,
(B) および(C) に示されている。のこようにいくつかの
解がありうるが,知識3を用いて木探索を行う結果,最
も自然な解(図4(A) )がまず得られ,順次自然と考え
られる解から得られていく(図4(B) の次に図4(C) が
得られる)。
(B) および(C) に示されている。のこようにいくつかの
解がありうるが,知識3を用いて木探索を行う結果,最
も自然な解(図4(A) )がまず得られ,順次自然と考え
られる解から得られていく(図4(B) の次に図4(C) が
得られる)。
【図1】入力データの一例を表わす三面図を示す。
【図2】復元された稜線を示す斜視図である。
【図3】(A) および(B) は復元された候補面を示す斜視
図である。
図である。
【図4】(A) ,(B) および(C) は復元された3次元モデ
ルを示す斜視図である。
ルを示す斜視図である。
【図5】(A) および(B) はルール1−1を説明するため
の斜視図,(C) はルール1−2を説明するための斜視図
である。
の斜視図,(C) はルール1−2を説明するための斜視図
である。
【図6】3次元モデル復元方法の全体的処理手順を示す
フロー・チャートである。
フロー・チャートである。
【図7】面の組合せ探索処理の詳細を示すフロー・チャ
ートである。
ートである。
【図8】木探索の様子を示す。
【図9】真偽判定テーブルを示す。
【図10】木探索補助テーブルを示す。
フロントページの続き (56)参考文献 人工知能学会誌 6巻 1号 96− 104頁 西田淳ほか「面の組合せ探索に よる三面図の解釈」 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 624 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 正射投影法で描かれた2面以上の二次元
図形要素データを入力するための入力手段, 上記入力手段から入力された二次元図形要素データを格
納する第1のファイル, 上記第1のファイルに格納されている二次元図形要素デ
ータから,候補面を含む三次元候補要素を復元する第1
の復元手段, 上記第1の復元手段によって復元された三次元候補要素
を表わすデータを格納する第2のファイル, 復元された候補面のそれぞれを,三次元モデルに存在す
る真の面と三次元モデルには存在しない偽の面とに判別
するにさいして,判別すべき候補面に優先順位を付ける
指針となる第1の基準と,木探索において枝分岐させる
ときの暫定的な真偽判定の指針を与える第2の基準とが
あらかじめ設定され,上記第2のファイルに格納されて
いる候補面ごとに上記第1の基準および第2の基準に従
って,上記第2のファイルからの候補面データの読出し
とその候補面の真偽判別とを行なう第2の復元手段, 上記第2の復元手段によるすべての候補面について真偽
判別が終了したときに得られる三次元復元モデルを表わ
すデータを格納する第3のファイル,ならびに上記第3
のファイルに格納されている三次元復元モデル・データ
を読出し,このデータによって表わされる三次元モデル
を表示する表示手段, を備えた二次元図面データからの三次元モデルの復元装
置。 - 【請求項2】 正射投影法で描かれた2面以上の二次元
図形要素データのコンピュータへの入力を受付け, 上記コンピュータにおいて, 受付けた二次元図形要素データを第1のファイルに格納
し, 上記第1のファイルに格納されている二次元図形要素デ
ータから,候補面を含む三次元候補要素を復元し, 復元された三次元候補要素を表わすデータを第2のファ
イルに格納し, 復元された候補面のそれぞれを,三次元モデルに存在す
る真の面と三次元モデルには存在しない偽の面とに判別
するにさいして,あらかじめ設定された,判別すべき候
補面に優先順位を付ける指針となる第1の基準と,木探
索において枝分岐させるときの暫定的な真偽判定の指針
を与える第2の基準とに従って,上記第2のファイルに
格納されている候補面ごとに,上記第2のファイルから
の候補面データの読出しとその候補面の真偽判別とを行
い, すべての候補面について真偽判別が終了したときに得ら
れる三次元復元モデルを表わすデータを第3のファイル
に格納し, 上記第3のファイルに格納されている三次元復元モデル
・データを読出し,このデータによって表わされる三次
元モデルをコンピュータの出力手段に出力させる, 二次元図面データからの三次元モデルの復元方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22360192A JP3226342B2 (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 二次元図面データから三次元モデルを復元する装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22360192A JP3226342B2 (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 二次元図面データから三次元モデルを復元する装置および方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0652264A JPH0652264A (ja) | 1994-02-25 |
JP3226342B2 true JP3226342B2 (ja) | 2001-11-05 |
Family
ID=16800743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22360192A Expired - Fee Related JP3226342B2 (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 二次元図面データから三次元モデルを復元する装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3226342B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5805858A (en) * | 1994-04-28 | 1998-09-08 | Omron Corporation | Apparatus and method of automatically creating supplemental segment in two-dimensional drawings, and CAD/CAM system having function of automatically creating supplemental segment in two-dimensional drawings |
-
1992
- 1992-07-31 JP JP22360192A patent/JP3226342B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
人工知能学会誌 6巻 1号 96−104頁 西田淳ほか「面の組合せ探索による三面図の解釈」 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0652264A (ja) | 1994-02-25 |
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