JP3225652U - 遮熱保温構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温の炉等の容体から放射される輻射熱を遮熱するとともに保温性を高める遮熱保温構造を提供する。【解決手段】アルミホイル10cの内側にガラス等化学繊維シート12bを積層し、ガラス等化学繊維シート12bの内側にアルミホイル10dを積層し、これらを密着させて遮熱材3を構成させる。また、アルミホイル10cおよびアルミホイル10dは、アルミホイル10cとアルミホイル10dとの間の層が熱膨張したときに損傷することのない厚さを有し、アルミホイル10dの内側に電食防止層13を備えて、炉30の外壁表面に電食防止層13を密着させた。【選択図】図3

Description

本考案は、タンクや炉等の容体から放出される熱を阻止する遮熱保温構造に関する。
従来から、タンクや炉等の周囲をガラスウールやロックウール断熱材等で覆い、その上から板金加工を施した遮熱構造等がある。
例えば、断熱材の外面側をアルミ箔、ステンレス薄板などで被覆し、適当な箇所にホックを設けた遮熱カバーがある(例えば、特許文献1)。
この遮熱カバーは、排気管等の外周に巻き付けたときの重なり部分を、ホックで固定するように構成されている。
登録実用新案第3110394号公報
その為次のような問題があった。
タンクや炉等の容体は、内部で気体や液体等の流体が流れているか、又は内部に気体や液体等が保管されている。
容体の内部温度が外気温より高ければ、熱は内部から屋外側に移動する。また、容体の表面から屋外側に移動する熱は、伝導熱、対流熱、輻射熱の3形態であるが、中でも輻射熱の熱量が最も大きい。
容体から屋外に移動する熱を阻止するため、前述のようにグラスウールやロックウール等の断熱材を容体の外側に取り付けることが行われているが、上記の断熱材は、伝導熱を阻止する効果は生じるが、輻射熱の移動を阻止することは難しく、充分な遮熱を行うことは困難であった。
また、上記のグラスウールやロックウール等の断熱材は、鉱物を繊維化し、さらに綿状にしたものであるため、湿気を帯びると断熱性が大幅に低下してしまうという問題がある。
また、特許文献1のような構成では、ホックを設けた箇所において、巻き付けを固定していることから、ホックを設けていない大部分の箇所に隙間が生じる。また、巻き付けによって生じる応力が一様にならないことから、断熱材と排気管等との間に隙間が生じる場合がある。そのため、これらの隙間等から輻射熱が外側へ放射されることになり、高い遮熱効果や保温効果を得ることが困難になるという問題があった。
本考案は、これらの問題を解決するためになされたものである。
本考案に係る遮熱保温構造は、炉等の容体外壁表面に遮熱材を密着させた遮熱保温構造であって、前記遮熱材は、第1のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、前記第1のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の内側に積層されたガラス等化学繊維シートと、前記ガラス等化学繊維シートの内側に積層された第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、をそれぞれ密着させて構成され、前記第1のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材、および、前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材は、前記第1のアルミホイル等輻射熱と前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材との間の層が熱膨張したときに損傷することのない厚さを有し、前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の内側に電食防止層を備えて、前記容体外壁表面に前記電食防止層を密着させたことを特徴とする。
また、前記第1のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材、および、前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材は、それぞれ5〜50マイクロメートルの厚さを有することを特徴とする。
また、前記遮熱材の周囲を折り曲げて、該遮熱材内部に設けた各層を密封したことを特徴とする。
また、前記電食防止層は、前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と前記容体外壁表面との間に挟み込まれたガラスクロスによって形成されていることを特徴とする。
また、前記電食防止層は、前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の内側表面に塗布された耐熱塗料によって形成されていることを特徴とする。
本考案によれば、高温になる炉等の容体外壁外側に取り付けた場合でも損傷することなく遮熱を行うことが可能になり、大きな省エネ効果を奏することができる。
本考案の参考例1による遮熱保温構造を示す説明図である。 本考案の参考例2による遮熱保温構造を示す説明図である。 本考案の実施例による遮熱保温構造を示す説明図である。
以下、この考案の実施の一形態を説明する。
タンク、乾燥炉等、容器や炉等から屋外に移動する熱は、伝導熱、対流熱、輻射熱の3つの形態をとるが、中でも輻射熱の熱量が最も多いとされている。
この輻射熱を遮断する方法として、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を用いることが有効である。
アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材は、輻射熱を反射することが知られており、熱の照射側に空気層を設けて使用することが一般的である。即ち、タンク、乾燥炉等、容器や炉等の外壁とアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材との間にスペーサ等を取り付け、静止空気層、即ち、空間を設けることがよいとされている。
本考案は、従来とは異なる考え方によるもので、静止空気層、即ち空間の有無によらずに高性能の保温ができるようにしたものである。
物質の輻射熱に対する反射率プラス放射率の和は壱である。例えば、アルミホイルの場合は、輻射熱に対する反射率は98パーセント程度であるが、この場合の放射率は、僅か2パーセントとなる。即ち、僅かな熱しか放射されないということになる。
(参考例1)
図1は、本考案の参考例1による遮熱保温構造を示す説明図である。この図は、タンク20、配管或いは乾燥炉等容器や炉等の外壁外側に、遮熱材1を取り付けた遮熱保温構造の断面を示している。
遮熱材1は、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材の内側に熱溶着フィルム11を積層し、この熱溶着フィルム11に不織布12を積層させている。即ち、遮熱材1は、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材に、熱溶着フィルム11を介して不織布12を積層させた三層構造となっている。アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材と不織布12は、これらの間に配置された熱溶着フィルム11によって熱溶着される。この熱溶着により、不織布12の繊維に熱量着フィルム11が絡み、強度が高くなる。
遮熱材1は、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材を外側空間側に配置してタンク20、配管或いは乾燥炉等容器や炉等の容体外壁外側に取付けられる。
即ち、不織布12をタンク20、配管或いは乾燥炉等容器や炉等の容体外壁に密着させている。
遮熱材1をタンク20、配管或いは乾燥炉等容器や炉等の容体外壁に張り付けるときには、容体外壁とアルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材との間に密着させる。
図1に例示したタンク20、配管或いは乾燥炉等容器や炉等容体は、80℃位迄の温度となるもので、遮熱材1は上記の温度域(上限が80℃程度)の遮熱保温を行うように構成されている。
タンク20、配管或いは乾燥炉等容器や炉等容体の外壁の温度が上記の温度域である場合、遮熱材1を構成するアルミホイル10は、厚さ7マイクロメートル程度が適当である。
タンク20を例に本考案の遮熱のメカニズムを説明する。
タンク20内部の温度が外気温よりも高い場合は、タンク20内の熱は伝導熱、対流熱、輻射熱の形態をとってタンク20外壁に伝達される。
また、タンク20内部の物質が液体の場合には、伝導熱及び対流熱の形態をとって同様にタンク20外壁表面に移動し、再び伝導熱、対流熱、輻射熱の形態をとってタンク20外壁表面から大気に伝達される。
現在、タンク20の外側に施工されている一般的な(従来の)断熱工法は、タンク20の外壁の外側にロックウールやグラスウールを巻き付けるように取り付け、更にその外側からワイヤーメッシュ等で固定している。
しかし、そもそも、これら繊維系の断熱材は、内部に多くの空気を含ませることによって伝導熱を阻止するものである。従って、断熱材に含まれる空気が多ければ多いほど、輻射熱はより通過しやすいことになる。
また、タンク20外壁表面から放射された輻射熱がロックウールやグラスウールに照射されると、ロックウールやグラスウールがこの輻射熱を吸収する。ロックウールやグラスウールに吸収された熱エネルギは、再度輻射熱となって屋外側に放射される。
従って、タンク20の外壁に巻き付けるように取り付けたロックウールやグラスウールは、伝導熱に対しては効果的であるが、輻射熱に対しては殆ど阻止することが難しい。
一般的に、断熱材の輻射熱に対する反射率が5〜10パーセントと言われているのは、この事由による。
図1に示した遮熱保温構造は、タンク20外壁の外側に密着させてアルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材を取り付けており、このように密着させることで、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材の低放射の性能を充分引き出すことができる。
本考案に用いる輻射熱に対して高反射率の素材は、アルミホイルが一般的に使用されるが、純度が99.5パーセント以上で、少なくとも95パーセント以上の輻射熱に対する反射率(95〜98パーセントの反射率)を有する素材が好ましく(放射率が2〜5パーセント位の低放射のものが好ましく)、反射性能が高ければ、より高い輻射熱を遮熱する性能を引き出すことが可能である。
仮に、タンク20、乾燥炉等容器や炉等の容体外壁表面と、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材との間に空気層等が存在すると、タンク20、乾燥炉等容器や炉等からの熱がこの空気層に移動し、更にその外側のアルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材に伝導され、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材の外側表面から外側空間21の大気へ放出される。
図1に示した遮熱保温構造は、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材の内側に不織布12を熱溶着しており、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材と、タンク20、乾燥炉等容器や炉等の容体外壁とが直接接触しないように構成されている。
そのため、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材と、タンク20、乾燥炉等容器や炉等の容体とが、接触すると電食を生じる素材で構成されていても、電食の発生を防ぐことができ、遮熱材1をタンク20等に直接貼り付けることができる。また、図1の遮熱保温構造は、アルミホイル10等輻射熱に対して高反射率の素材の内側に不織布12を備えていることから、タンク20、配管或いは乾燥炉等容器や炉等の容体の保温効果を奏する。
前述のように、タンク20等の容体の温度が80℃程度までの温度域であれば、熱溶着フィルム11が溶融して発煙や異臭を発生することもない。よって、遮熱材1を備えた遮熱保温構造は、上記の温度域において用いることが適当である。
(参考例2)
図2は、本考案の参考例2による遮熱保温構造を示す説明図である。この図は、タンク20、配管或いは乾燥炉等容器や炉等の外壁外側に、遮熱材2を取り付けた遮熱保温構造の断面を示している。
遮熱材2は、アルミホイル10a等輻射熱に対して高反射率の素材の内側に熱溶着フィルム11aを積層させ、この熱溶着フィルム11aに不織布又はガラス等化学繊維シート12aを積層させている。
さらに、遮熱材2は、不織布又はガラス等化学繊維シート12aの内側に熱溶着フィルム11bを積層させ、熱溶着フィルム11bの内側にアルミホイル10b等輻射熱に対して高反射率の素材を積層させ、アルミホイル10b等輻射熱に対して高反射率の素材の内側に電食防止層13を積層させた六層構造となっている。
即ち、遮熱材2は、不織布又はガラス等化学繊維シート12aの両側(積層方向における両側)に、アルミホイル10aとアルミホイル10bとをそれぞれ配置して、不織布又はガラス等化学繊維シート12aを挟み込むように積層している。
アルミホイル10aと不織布又はガラス等化学繊維シート12aとは、熱用着フィルム11aによって熱溶着されている。アルミホイル10bと不織布又はガラス等化学繊維シート12aとは、熱溶着シート11bによって熱溶着されている。
上記の各熱溶着は、アルミホイル10a、不織布又はガラス等化学繊維シート12a、アルミホイル10bの各間を密着させている。
遮熱材2を、例えばタンク20の外壁に貼り付けたとき、アルミホイル10aは、外側空間21側に配置されるが、アルミホイル10bは、タンク20側に配置される。アルミホイル10bが、タンク20に接触すると電食を生じる場合がある。そのため、遮熱材2は、アルミホイル10bとタンク20との間に挟み込まれるように電食防止層13を備えている。電食防止層13は、アルミホイル10bの内側に直接コーティングされた絶縁性を有するもので、例えば輻射熱を高い効率で透過させる樹脂材や塗料である。
図2に示した遮熱保温構造は、タンク20や炉等容体の外壁と、アルミホイル10aとの間に前述の各層等を密着させて構成されている。
遮熱材2を構成するアルミホイル10aおよびアルミホイル10bは、タンク20や炉等の容体の温度が、80℃程度迄の温度域であれば、通常は7マイクロメートル程度の厚さを有するものが用いられる。
図2の遮熱保温構造は、不織布又はガラス等化学繊維シート12aの両側をそれぞれアルミホイル10aとアルミホイル10bによって挟み込んでいるので、タンク20等からの輻射熱は、アルミホイル10bによって反射され、また、不織布又はガラス等化学繊維シート12aを透過した輻射熱は、アルミホイル10aによってタンク20等の側へ反射される。
そのため、アルミホイル10aの外側表面から外側空間21へ放出される熱エネルギは、タンク20から放出された熱エネルギに比べて相当小さくなる。
また、不織布又はガラス等化学繊維シート12aをアルミホイル10aおよびアルミホイル10bによって挟み込んでいることから、遮熱材2を備えた遮熱保温構造は、(図1の遮熱保温構造に比べて)火災や異常発生時の高温に耐えることができる。
(実施例)
図3は、本考案の実施例による遮熱保温構造を示す説明図である。この図は、炉30(タンクや炉等の容体)の外壁外側に遮熱材3を取り付けた遮熱保温構造の断面を示している。
遮熱材3は、アルミホイル10c等輻射熱に対して高反射率の素材の積層方向の内側(図中、炉30側)に熱溶着フィルム11cを積層させ、この熱溶着フィルム11cの積層方向の内側(図中、炉30側)にガラス等化学繊維シート12bを積層させている。
さらに、遮熱材3は、ガラス等化学繊維シート12bの積層方向内側(図中、炉30側)に熱溶着フィルム11dを積層させ、熱溶着フィルム11dの積層方向内側(図中、炉30側)にアルミホイル10d等輻射熱に対して高反射率の素材を積層させた五層構造となっている。また、図3の遮熱保温構造は、炉30の外壁外側に電食防止層13を設けて、炉30の外壁とアルミホイル10d等輻射熱に対して高反射率の素材とを直接接触しないように構成されている。
換言すると、遮熱材3は、ガラス等化学繊維シート12bの両側に、アルミホイル10cとアルミホイル10dとをそれぞれ配置して、ガラス等化学繊維シート12bを挟み込むように積層している。
ガラス等化学繊維シート12bは、繊維が幾重にも重なったもので、大幅に断熱性を向上させ、即ち、保温作用を生じることができる。
アルミホイル10cとガラス等化学繊維シート12bとは、熱溶着フィルム11cによって熱溶着されている。アルミホイル10dとガラス等化学繊維シート12bとは、熱溶着シート11dによって熱溶着されている。
上記の各熱溶着によって、アルミホイル10c、ガラス等化学繊維シート12b、アルミホイル10dの各間を密着させている。
上記の熱溶着により、ガラス等化学繊維シート12bに熱溶着フィルム11cおよび熱溶着フィルム11dが絡み、強度を高めることができる。
即ち、熱溶着フィルム11cおよび熱溶着フィルム11dは、それ自体が溶融することにより、アルミホイル10cおよびアルミホイル11dと、ガラス等化学繊維シート12bとを密着させると同時に、繊維表面に絡みつくことによってガラス等化学繊維シート12bの強度を高めている。
熱溶着フィルム11cおよび熱溶着フィルム11dは、例えば、室内であれば半永久的にその性能を維持することができる。
図3の遮熱保温構造(遮熱材3)においては、アルミホイル10c,10dとガラス等化学繊維シート12bとは、当該遮熱材3が現場(炉30)に設置完了するまで接着していれば良く、加熱時(例えば炉30の遮熱を行う際)には熱溶着フィルム11c,11dは無い方が好ましい。
即ち、熱溶着フィルム11c、11dは、アルミホイル10c,10dとガラス等化学繊維シート12bとの接着の為に使用される所謂仮止め的な役割を果たしている。
従って、熱溶着フィルム11c,11dは、例えば、極力薄いもの、或いは表面に開口部を有し、樹脂量の少ないものが適している。
勿論、仮止めであるので、熱溶着フィルム11c,11dに代えて耐熱性を有する接着材を使用することも可能である。ただし、高温になると溶融や炭化を起こし、発煙等を発生するおそれがあるので、使用量の抑制や接着剤の種類(成分等)の選択を慎重に行う必要がある。接着剤を使用する場合には、点付けにて施工してもよい。
遮熱材3は、一般的な遮熱材に比べると格段に少量であるが、熱溶着フィルム11c,11d等を使用している。また、熱溶着されない部分には空気層が存在する可能性がある。
熱溶着フィルムを含み、また、空気層が存在する遮熱材を、非常に高温となる環境で使用した場合、熱溶着フィルム等や空気が熱膨張し、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を破壊させることがある。勿論、熱溶着フィルムに代えて無機質の接着剤を使用しても同様な問題が発生する。
図3の遮熱保温構造(遮熱材3)は、例えば、80℃以上の高温遮熱を可能にしたもので、遮熱材3のアルミホイル10c,10d等輻射熱に対して高反射率の素材は、輻射熱を反射する作用だけでなく、内部圧力(アルミホイル10cとアルミホイル10dとの間の層の熱膨張等)に耐える強度を確保するために厚く構成されている。
一般的な遮熱材は、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の厚みが5マイクロメートルから7マイクロメートル程度で十分であるが、遮熱材3は、80℃以上の高温の環境においても使用可能とするため、アルミホイル11cおよびアルミホイル11d等の輻射熱に対して高反射率の素材は、最低でも5マイクロメートル以上の厚さを有するものが用いられ、通常は20〜50マイクロメートル程度の厚さを有するものが用いられる。
具体的には、アルミホイル11cおよびアルミホイル11d等の輻射熱に対して高反射率の素材は、例えば、200℃程度であれば厚さ30マイクロメートル、400℃程度まで耐用可能とする場合には厚さ50マイクロメートル程度のものが好ましい。
ガラス等化学繊維シート12bならびに熱溶着フィルム11c,11dは、アルミホイル10cとアルミホイル10dとの間に挟み込まれており、サンドイッチ構造となっている。遮熱材3の周囲、即ち、アルミホイル10c,10cの周囲を折り曲げると、ガラス等化学繊維シート12b、ならびに、熱溶着フィルム11c,11dは、アルミホイル10c,10dによって包み込まれた状態になる。
遮熱材3は、例えば、アルミホイル10cおよびアルミホイル10dの周囲、或いは、アルミホイル10c又はアルミホイル10dの周囲を折り曲げて、ガラス等化学繊維シート12aならびに熱溶着シート11c,11dを、アルミホイル10cおよびアルミホイル10dによって密封している。
このようにアルミホイル10c、10dを折り曲げて遮熱材3を密封構造にすることにより、(炉30からの熱伝導によって)遮熱材3が高温となり、遮熱材3の内部に設けた各層(熱溶着フィルム11c,11dや接着剤等)が溶融や炭化を起こしても、匂い(異臭)や発煙の外部放出を極めて少なく抑えることができる。
遮熱材3は、前述のように高温に対応するように構成されており、また、アルミホイル10dを炉30側に配置するように構成されている。
図3の遮熱保温構造は、炉30の外壁が、アルミホイル10dと接触すると電食を生じる素材によって構成されている場合であり、アルミホイル10d(遮熱材3)等の電食を防ぐため、即ち、アルミホイル10d(積層方向の内側の表面)と炉30の外壁表面が直接接触しないように、アルミホイル10dと炉30の外壁表面との間に電食防止層13を設けている。
炉30は、輻射熱を高い効率で透過させる樹脂等を接触させると溶融する程の高温になるため、このような素材を図3の遮熱保温構造に用いることはできない。
図3の電食防止層13は、例えば、ガラスクロスを炉30の外壁と遮熱材3のアルミホイル10dとの間に挟み込んで形成されている。なお、この電食防止層13を形成する素材は、耐熱性ならびに絶縁性を有するものであれば、上記のガラスクロス以外でも使用することができる。
また、炉30の外壁と対向する部分、即ち、遮熱材3のアルミホイル10dの積層方向内側の表面に耐熱塗料を塗布して電食防止層13を形成してもよい。この耐熱塗料として、例えば、シリコン系樹脂を主材とする耐熱塗料などが使用可能である。
この電食防止層13は、炉30の外壁表面に密着されている。
図3の遮熱保温構造は、ガラス等化学繊維シート12bの両側をそれぞれアルミホイル10cとアルミホイル10dによって挟み込んでいるので、炉30等からの輻射熱は、アルミホイル10dによって反射され、また、ガラス等化学繊維シート12bを透過した輻射熱は、アルミホイル10cによってタンク20等の側へ反射される。
そのため、アルミホイル10cの外側表面から外側空間21へ放出される熱エネルギは、炉30から放出された熱エネルギに比べて相当小さくなる。
また、ガラス等化学繊維シート12bは、前述のように断熱性を有し、保温作用を生じることから、図3の遮熱保温構造は、炉30の温度を保温する効果を奏する。
1〜3 遮熱材
10 アルミホイル
10a アルミホイル
10b アルミホイル
10c アルミホイル
10d アルミホイル
11 熱溶着フィルム
11a 熱溶着フィルム
11b 熱溶着フィルム
11c 熱溶着フィルム
11d 熱溶着フィルム
12 不織布
12a 不織布又はガラス等化学繊維シート
12b ガラス等化学繊維シート
13 電食防止層
20 タンク
21 外側空間
30 炉
本考案は、タンクや炉等の容体から放出される熱を阻止する遮熱保温構造に関する。
本考案に係る遮熱保温構造は、炉等の容体外壁表面に遮熱材を密着させた遮熱保温構造であって、前記遮熱材は、アルミホイルからなる第1の輻射熱に対して高反射率の素材と、前記第1輻射熱に対して高反射率の素材の内側に積層されたガラス等化学繊維シートと、前記ガラス等化学繊維シートの内側に積層されたアルミホイルからなる第2の輻射熱に対して高反射率の素材と、をそれぞれ密着させて構成され、前記第1輻射熱に対して高反射率の素材、および、前記第2輻射熱に対して高反射率の素材は、前記第1輻射熱に対して高反射率の素材と前記第2輻射熱に対して高反射率の素材との間の層が熱膨張したときに損傷することのない厚さを有し、前記第2輻射熱に対して高反射率の素材の内側に電食防止層を備えて、前記容体外壁表面に前記電食防止層を密着させたことを特徴とする。
また、前記第1輻射熱に対して高反射率の素材、および、前記第2輻射熱に対して高反射率の素材は、それぞれ5〜50マイクロメートルの厚さを有することを特徴とする。
また、前記電食防止層は、前記第2輻射熱に対して高反射率の素材と前記容体外壁表面との間に挟み込まれたガラスクロスによって形成されていることを特徴とする。
また、前記電食防止層は、前記第2輻射熱に対して高反射率の素材の内側表面に塗布された耐熱塗料によって形成されていることを特徴とする。
本考案の参考例1による遮熱保温構造を示す説明図である。 本考案の参考例2による遮熱保温構造を示す説明図である。 本考案の実施例による遮熱保温構造を示す説明図である。
(実施例)
図3は、本考案の実施例による遮熱保温構造を示す説明図である。この図は、炉30(タンクや炉等の容体)の外壁外側に遮熱材3を取り付けた遮熱保温構造の断面を示している。
遮熱材3は、アルミホイル10c等輻射熱に対して高反射率の素材の積層方向の内側(図中、炉30側)に熱溶着フィルム11cを積層させ、この熱溶着フィルム11cの積層方向の内側(図中、炉30側)にガラス等化学繊維シート12bを積層させている。
さらに、遮熱材3は、ガラス等化学繊維シート12bの積層方向内側(図中、炉30側)に熱溶着フィルム11dを積層させ、熱溶着フィルム11dの積層方向内側(図中、炉30側)にアルミホイル10d等輻射熱に対して高反射率の素材を積層させた五層構造となっている。また、図3の遮熱保温構造は、炉30の外壁外側に電食防止層13を設けて、炉30の外壁とアルミホイル10d等輻射熱に対して高反射率の素材とを直接接触しないように構成されている。
図3の遮熱保温構造(遮熱材3)においては、アルミホイル10c,10dとガラス等化学繊維シート12bとは、当該遮熱材3が現場(炉30)に設置完了するまで接着していれば良く、加熱時(例えば炉30の遮熱を行う際)には熱溶着フィルム11c,11dは無い方が好ましい。
即ち、熱溶着フィルム11c、11dは、アルミホイル10c,10dとガラス等化学繊維シート12bとの接着の為に使用される所謂仮止め的な役割を果たしている。
図3の遮熱保温構造(遮熱材3)は、例えば、80℃以上の高温遮熱を可能にしたもので、遮熱材3のアルミホイル10c,10d等輻射熱に対して高反射率の素材は、輻射熱を反射する作用だけでなく、内部圧力(アルミホイル10cとアルミホイル10dとの間の層の熱膨張等)に耐える強度を確保するために厚く構成されている。
一般的な遮熱材は、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の厚みが5マイクロメートルから7マイクロメートル程度で十分であるが、遮熱材3は、80℃以上の高温の環境においても使用可能とするため、アルミホイル11cおよびアルミホイル11d等の輻射熱に対して高反射率の素材は、最低でも5マイクロメートル以上の厚さを有するものが用いられ、通常は20〜50マイクロメートル程度の厚さを有するものが用いられる。
具体的には、アルミホイル11cおよびアルミホイル11d等の輻射熱に対して高反射率の素材は、例えば、200℃程度であれば厚さ30マイクロメートル、400℃程度まで耐用可能とする場合には厚さ50マイクロメートル程度のものが好ましい。
遮熱材3は、前述のように高温に対応するように構成されており、また、アルミホイル10dを炉30側に配置するように構成されている。
図3の遮熱保温構造は、炉30の外壁が、アルミホイル10dと接触すると電食を生じる素材によって構成されている場合であり、アルミホイル10d(遮熱材3)等の電食を防ぐため、即ち、アルミホイル10d(積層方向の内側の表面)と炉30の外壁表面が直接接触しないように、アルミホイル10dと炉30の外壁表面との間に電食防止層13を設けている。
炉30は、輻射熱を高い効率で透過させる樹脂等を接触させると溶融する程の高温になるため、このような素材を図3の遮熱保温構造に用いることはできない。
図3の電食防止層13は、例えば、ガラスクロスを炉30の外壁と遮熱材3のアルミホイル10dとの間に挟み込んで形成されている。なお、この電食防止層13を形成する素材は、耐熱性ならびに絶縁性を有するものであれば、上記のガラスクロス以外でも使用することができる。
また、炉30の外壁と対向する部分、即ち、遮熱材3のアルミホイル10dの積層方向内側の表面に耐熱塗料を塗布して電食防止層13を形成してもよい。この耐熱塗料として、例えば、シリコン系樹脂を主材とする耐熱塗料などが使用可能である。
この電食防止層13は、炉30の外壁表面に密着されている。
図3の遮熱保温構造は、ガラス等化学繊維シート12bの両側をそれぞれアルミホイル10cとアルミホイル10dによって挟み込んでいるので、炉30等からの輻射熱は、アルミホイル10dによって反射され、また、ガラス等化学繊維シート12bを透過した輻射熱は、アルミホイル10cによってタンク20等の側へ反射される。
そのため、アルミホイル10cの外側表面から外側空間21へ放出される熱エネルギは、炉30から放出された熱エネルギに比べて相当小さくなる。
また、ガラス等化学繊維シート12bは、前述のように断熱性を有し、保温作用を生じることから、図3の遮熱保温構造は、炉30の温度を保温する効果を奏する。

Claims (5)

  1. 炉等の容体外壁表面に遮熱材を密着させた遮熱保温構造であって、
    前記遮熱材は、
    第1のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、
    前記第1のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の内側に積層されたガラス等化学繊維シートと、
    前記ガラス等化学繊維シートの内側に積層された第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、
    をそれぞれ密着させて構成され、
    前記第1のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材、および、前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材は、前記第1のアルミホイル等輻射熱と前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材との間の層が熱膨張したときに損傷することのない厚さを有し、
    前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の内側に電食防止層を備えて、前記容体外壁表面に前記電食防止層を密着させた、
    ことを特徴とする遮熱保温構造。
  2. 前記第1のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材、および、前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材は、それぞれ5〜50マイクロメートルの厚さを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮熱保温構造。
  3. 前記遮熱材の周囲を折り曲げて、該遮熱材内部に設けた各層を密封した、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮熱保温構造。
  4. 前記電食防止層は、前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と前記容体外壁表面との間に挟み込まれたガラスクロスによって形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遮熱保温構造。
  5. 前記電食防止層は、前記第2のアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材の内側表面に塗布された耐熱塗料によって形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遮熱保温構造。
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