JP3225047B2 - 模様層を有する高吸光度・低反射率フェルト - Google Patents

模様層を有する高吸光度・低反射率フェルト

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JP3225047B2
JP3225047B2 JP53903497A JP53903497A JP3225047B2 JP 3225047 B2 JP3225047 B2 JP 3225047B2 JP 53903497 A JP53903497 A JP 53903497A JP 53903497 A JP53903497 A JP 53903497A JP 3225047 B2 JP3225047 B2 JP 3225047B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は抄紙用フェルトに関し、さらに詳しくは抄紙
中に紙に刻印するための模様層を有する抄紙用フェルト
に係る。
発明の背景 抄紙用フェルトは当該技術分野では公知である。抄紙
用フェルトは抄紙工程中で紙を乾燥させるのに使用され
る。しかし、従来の抄紙用フェルトは、単一領域紙しか
作り出さない。単一領域紙(single region paper)
は、単一密度のみを有し、一定の坪量をもつ紙である。
従来の抄紙フェルトへの一つの改良は模様層を抄紙フ
ェルトに適用したことである。模様層は、その模様を刻
印することにより、その模様に対応した高密度模様を紙
に形成する。対応した高密度模様は、X−Y方向、即ち
紙の平面内に作られる。一般に、紙の引張強さは紙の密
度と共に高くなる。
さらに、模様紙は、抄紙フェルトの模様層内にモール
ドすることができる。このようなモールドは有意義であ
り、これはモールドにより紙の厚さが、Z方向に、即ち
紙の平面に対して垂直に、増すためである。
抄紙フェルトに模様層を適用することは、トロカーン
(Trokhan)他の名義で1995年6月5日に出願され一般
承継された米国出願第08/461,832号に教示されており、
この出願は本出願に引用されている。模様層は、液体前
駆体、代表的なものとして硬化性樹脂、を抄紙フェルト
に塗布することにより形成される。この液体前駆体は硬
化する前に抄紙フェルトに浸透する。樹脂の所要部分
は、代表的には模様マスクを介して硬化されて固体模様
層を形成する。余分の樹脂はすべて除去される。液体前
駆体の抄紙フェルト内へのこのような浸透が硬化時に模
様層を抄紙フェルトに結合する。
しかし、この方法は、液体前駆体が、従って、硬化最
終的には模様層がどこで抄紙フェルトに浸透するかを制
御することはない。模様層を形成する液体前駆体があま
りにも多量に抄紙フェルトに浸透し、後に硬化すると、
抄紙フェルトは不浸透性となる。不浸透性の抄紙フェル
トは望ましくなく、これは、不浸透性の抄紙フェルト
は、抄紙フェルトからあるいは抄紙フェルトと接触して
いる湿潤抄紙からの水の除去ができないためである。
抄紙フェルト中の液体前駆体の配置を制御しようとす
る成功した試みは、マツクファーランド(McFarland)
他の名義で1995年2月15日に出願された一般継承された
米国出願第08/388,948号に見られ、この出願は本出願に
引用されている。マックファーランド他では、液体樹脂
を置換する異物を抄紙フェルトに塗布して液体樹脂が抄
紙フェルト内で恒久的に硬化することを防ぐことによ
り、液体前駆体が抄紙フェルト内へ浸透する深さを制御
する。異物は後で洗い流される。
マックファーランド他では、後に模様層になる液体樹
脂のZ方向の浸透を制御する。しかし、マックファーラ
ンド他では、所望されないX−Y位置での液体樹脂の模
様層内への硬化は防いでいない。
液体樹脂の異なるX−Y位置における液体樹脂の硬化
と配置の制御は、化学線放射に対して不透明の領域と透
明の領域とをもったマスクにより達成される。透明領域
と整合された液体樹脂は、硬化されて模様層を作る。不
透明領域と整合された液体樹脂は、液体のままで後に洗
い流される。液体樹脂を選択的に硬化して模様層とする
透明・不透明マスクの使用はジョンソン(Johonson)他
へ1985年4月30日に発行され一般承継された米国特許第
4,514,345、トロカーン(Trokhan)へ1985年7月9日に
発行された一般に承継された米国特許第4,528,239、ト
ロカーン(Trokhan)へ1985年7月6日に発行され一般
継承された米国特許第4,529,480とトロカーン(Trokha
n)へ1994年8月2日に発行され一般承継された米国特
許第5,334,289号明細書にそれぞれ教示されており、こ
れらの特許の開示事項は本願に引用されている。
抄紙フェルトに照射された化学線硬化放射は、抄紙フ
ェルト内で、特に表面近くで、散乱する。このような散
乱は、模様層を有することが望ましい領域においてだけ
でなく、液体樹脂を洗い流して浸透性を維持するのが望
ましい領域においても液体樹脂を硬化させる。このよう
に、硬化過程の一重要局面は、化学線硬化放射の抄紙フ
ェルト内での無制御な散乱を防ぐことである。化学線硬
化放射の散乱は、液体樹脂が洗い流されて抄紙フェルト
が浸透性のままであるべき領域では特に望ましくない。
抄紙フェルトが硬化放射を散乱させる問題の解決の一
方法は、硬化放射におけるエネルギー量を減らすことで
ある。より少ないエネルギーを使用することは、抄紙フ
ェルトのある領域での望ましくない硬化を防ぐことが首
尾よく思い出されている。
しかし、これと引換にこの方法は望ましくない点を有
する。硬化エネルギーが減少するにつれて、硬化作用が
完了した後に残っている樹脂の力も減少する。従って、
低い強度の樹脂を所望のX−Y面模様により正確に配置
するか、より強度の高い樹脂を正確さが劣るX−Y模様
に配置するか選択できる。
従って、本発明の目的は、この先行技術と引換に制限
されることのない抄紙フェルト上の硬化性模様層を提供
することである。本発明のさらなる目的は、模様層の抄
紙フェルト内のZ−方向配置を制御することである。
発明の概要 ここに開示されているのは、抄紙中に水を紙から除去
する装置である。この装置はX−Y面と、X−Y面に直
交するZ方向を有する。この装置は、互いに対向した表
面である機械に面した表面と紙に面した表面とからなる
抄紙フェルトを備える。抄紙フェルトの少なくとも一部
は、約0.4吸光度よりも大きい反射率を有する。好まし
くは当該反射率は、365ナノメータ(nm)反射率であ
り、代りに当該反射率は、301から400ナノメータで測定
された平均反射率であってもよい。
この装置は、互いに対向した表面である抄紙フェルト
に面した表面と紙に面した表面とを有する模様層をさら
に備える。この模様層は、模様層の抄紙フェルトに面し
た表面と抄紙フェルトの紙に面した表面との間上の界面
で抄紙フェルトに結合され、その界面から外方へ延びて
いる。
図面の簡単な説明 第1図は本発明による装置の部分平面図。
第2図は第1図の装置の縦断面図。
第3図はL表色値と365nmの拡散反射率との関係を
示したグラフ。
第4図は、本発明の水透過性に対する反射率と硬化エ
ネルギーの効果を示した三次元グラフ。
発明の詳細な説明 第1図と第2図を参照すると、本発明の装置10は抄紙
フェルト14と模様層18との2個の主要部材からなる。抄
紙フェルト14と模様層18は各々に互いに対向する面を有
し、対向する面間の界面で互いに結合される。抄紙フェ
ルト14は紙に面する表面と機械に面する表面とを有す
る。模様層18は紙に面する表面と抄紙フェルトに面する
表面とを有する。
抄紙フェルト14と模様層18は、抄紙フェルト14に紙に
面する表面と模様層18の抄紙フェルトに面する表面との
間の界面20で互いに結合される。模様層18は抄紙フェル
ト14の紙に面する表面を貫通して抄紙フェルト14の全厚
みあるいは厚みの一部内へ浸透するようにしてもよいこ
とが第2図から分るであろう。
第1図と第2図を続けて参照し、この抄紙フェルト14
をさらに詳細に調べると、抄紙フェルト14は紙を脱水す
ることができなければならず、そのためには、水浸透性
であることが望ましい。抄紙フェルト14は、抄紙工程中
に紙から与えられた水を受けることができる。抄紙フェ
ルト14は、このように受けられた水が後に抄紙フェルト
14から絞り出されるか、あるいは、除去されることがで
きるように水浸透性であることが望ましい。水は抄紙フ
ェルト14の機械に面する表面から絞り出されるか除去さ
れることが望ましい。
抄紙フェルト14は基板16と基板16に結合されたバット
15の2個の部材からなる。バット15はニードル・パンチ
のようないずれかの従来の公知の手段によって基板16に
結合された天然繊維あるいは合成繊維から作られること
ができる。バット15は約3乃至約30デニールの繊維から
作られることができる。バット15は定密度あるいは可変
密度のものであってもよい。パッド15が可変密度のもの
である場合には、密度勾配は、抄紙フェルト14の紙に面
する表面から抄紙フェルト14の機械に面する表面へ高く
なって水が紙から引き出され、前述のように、抄紙フェ
ルト14から絞り出されることができるようにする。バッ
ト15は、ナイロン、ウール、ポリエステルあるいは他の
いずれの材料からなる繊維からできている。
抄紙フェルト14は水1.27センチメートル(0.5イン
チ)の差圧において約400標準立方フィート/分/平方
フィート未満の透気度を有することができる。透気度は
スウェーデン、カリスタッド(Karistad)のヴァルメッ
ト(Valmet)社販売のヴァルメット(Valmet)浸過性測
定装置、モデル・ウィゴ・タイフン(Model WIGO TAIFU
N)、型100を使用して測定されることができる。好まし
い実施例では、脱水する抄紙フェルト14は、5乃至200
標準立方フィート/分の透気度を有することができる。
脱脂用抄紙フェルト14は紙に面する表面の平方センチ
メートル面積当り少なくとも水約100ミリグラムの保水
度を有することができる。保水度は紙に面する表面の平
方センチメートル面積当り少なくとも約150ミリグラム
であることが好ましい。保水度は、ニュージャージー
州、プリンストンのTRI/プリストン社(TRI/Princeton,
Inc.)販売のTRI自動有孔度計(TRI Autoporosimeter)
のような液体有孔度計を使って測定されることができ
る。保水度の測定は論文、ミラー他(Miller et a
l.)、“液体有孔度測定:新しい方法論と応用”、コロ
イドと界面科学誌(Journal of Collard and Interface
Science)、163−70頁、162(1994)に記載された方法
に従って行なわれ、この論文は本出願に引用されてい
る。
抄紙フェルト14に入射した放射線は、反射されるか、
吸収されるかあるいは抄紙フェルト14を透過することが
できることは当該技術分野に通常の知識を有する者に認
められるであろう。ほとんどの放射線は抄紙フェルト14
を通過しないと一般に考えられている。しかし、抄紙フ
ェルト14を透過した放射線は、いずれも抄紙フェルト14
に衝突することはできないので、吸収も反射もされない
ためこの問題は議論の余地あるものである。吸光度と反
射率は共通の尺度で測定されると反比例の関係にあると
当該技術分野に通常の知識を有する者はさらに認めるで
あろう。
模様層18を抄紙フェルト14に塗布中における紫外線の
抄紙フェルト14内での望ましくない散乱を減らすため
に、抄紙フェルト14はある物理的光学的物性を有する。
特に、抄紙フェルト14の反射率は、抄紙フェルト14に入
射した化学線放射の反射を最少限にするのに十分低くし
なければならない。
ここでは、反射率はパーセント反射率あるいは吸光度
で測定され図面に吸光度で記されている。ここに使われ
ているように、反射率は−Log10{(I反射)/(I入
射)}として表わされ、ここでI入射は化学線源の強度
であり、I反射は反射された信号の強度である。吸光度
の値が大きくなる程低い反射率が発生することが分るで
あろう。特定の材料の反射率は、特定の材料に入射した
放射線の波長に、放射線が可視光線範囲にあるかあるい
は目に見えないかにかかわらず、依存すると分るであろ
う。
抄紙フェルト14の少なくとも一部は40%未満(0.4吸
光度以上)の365nm反射率、好ましくは32%未満(0.5吸
光度以上)の365nm反射率、さらに好ましくは25%未満
(0.6吸光度以上)の365nm反射率、最も好ましくは20%
未満(0.7吸光度以上)の365nm反射率をもつ。365nm反
射率は365ナノメータで測定された。
抄紙フェルト14は、また0.4吸光度以上の平均反射
率、好ましくは0.5吸光度以上の平均反射率、さらに好
ましくは0.6吸光度以上の平均反射率、最も好ましくは
0.7吸光度以上の平均反射率をもつことが望ましい。こ
こに使われているように、平均反射率は、301乃至400ナ
ノメータの範囲で1ナノメータづつ増加されて試料が測
定された時の、吸光度での100反射率測定値の算数平均
を表す。
抄紙フェルト14の拡散反射率は、ラブスファス(Labs
phere)DRTA 9A反射率/透過部品あるいは等価物を有
するパーキン−エルマー(Perkin−Elmer)ラムダ(Lam
bda)9 UV/VIS/NIR分光光度計を使って測定される。
分光光度計は次のように設定される:拡散反射率、縦軸
は吸光度、スリットは2ナノメータ、速度は120nm/分、
集積反応は1秒、NCYCL(周期数)は1、走査範囲は250
〜400nm。抄紙フェルト14の少なくとも紙に面する表面
を試料とするが、抄紙フェルト14の両面を所望に応じて
試料としてもよい。吸光度は365nmで得られ、平均吸光
度は301乃至400nmの範囲で得られた。
所望の365nm反射率と平均反射率が得られる一態様は
特定のL表色値(color value)を抄紙フェルト14に
与えることによる。第3図に図示されているように、L
表色値と365nm反射率との間には以下に検討されるよ
うに、少なくとも一特定染料に対して(前記の範囲のほ
とんどに亘って)反比例関係がある。
従って、抄紙フェルト14の少なくとも一部は50未満の
表色値、好ましくは40未満のL表色値、さらに好
ましくは35未満のL表色値をもち、明細された反射率
を満たすようにすることができる。抄紙フェルト14の不
透明度は高過ぎないことがさらに望ましい。不透明度が
高過ぎると模様層18は抄紙フェルト14に十分に結合され
ず、使用中に抄紙フェルト14から分離するかもしれない
からである。
抄紙フェルト14のL表示色値は測色器を使って決定
される。多くの適切な測色器が当該技術分野で良く知ら
れているが、適切な測色器はヴァージニア州レストンの
ハンター・アソシェイト研究所(Hunter Associates La
boratory)によりカラークエスト45/0装置(Color QUES
T 45/0 System)として販売され、DP−9000プロセッサ
と標準45/0光学センサーとを有するものである。2゜標
準観測器とC光源が選ばれる。L表色値はL
表色系色スケールを使って測定される。このウケール
を使ってL表色値100は白を表し、L表色値0は黒
を表わす。a表色値は、正の時は赤を示し、負の時は
縁を示す。b表色値は、正の時は黄を示し、負の時は
青を示す。
前述の365nm反射率、平均反射率とL表色値は抄紙
フェルト14を染色することによって達成されてもよい。
従って、化学線硬化放射が抄紙フェルト14に当てられ、
抄紙フェルト14の紙に面した表面を透過した放射線は、
散乱されるよりもむしろ吸収される。放射線が紙に面し
た表面から機械に面した表面へ抄紙フェルト14を直接に
透過してもよい。しかし、ほとんどのフェルトは密度が
高過ぎ坪量が大き過ぎてこのような透過は起こらない。
従って、抄紙フェルト14の吸光度を高くすることにより
抄紙フェルト14の反射率を低くすることが通常は必要で
ある。
抄紙フェルト14は、抄紙フェルト14用の染料に付けさ
れている説明に従って一般的には染色されても良い。抄
紙フェルト14を染色するのに適切な染料は水溶性染料を
含む。特に適切な染料はインディアナ州、インディアナ
ポリスのCPC・スペシャリティ・プロダクト社(CPC Spe
cialty Products,Inc.)からRTT染料の商品名で販売さ
れている。
次の実施例は、特許請求されている反射率をもつよう
に染色された抄紙フェルト14を意図したものであるが、
当該技術分野で通常の知識を有する者は抄紙フェルト14
はそのように染色あるいは処理される必要はないと認識
しているであろう。抄紙フェルト14が模様層18を硬化す
る化学線放射に対して強い吸光度と低い反射率をもって
いる限り抄紙フェルト14は適切であろう。
実施例1 パイロット・マシン・ベルトは次のようにして製作さ
れた。
アムフレックス2モデルプレス・フェルト(Amflex 2
Model Pless Felt)がウィスコンシン州、アップルト
ンのアップルトン・ミルズ(Appleton Mills)で得られ
た。98.8℃(210゜F)まで加熱された113.55リットル
(30ガロン)の水が染料槽に加えられた。染料槽は抄紙
フェルト14を収容し、抄紙フェルト14が水に冠水できる
大きさだった。インディアナ州、インディアナポリスの
CPC・スペシャリティ・プロダクト社(CPC Specialty P
roducts,Inc.)販売の1587.6グラム(56オンス)のPIT
黒番号15液体染料を水に加え完全に混合して14.19リッ
トル(3.75ガロン)の水当り染料226.8グラム(8オン
ス)の濃度を得た。水を85℃(185゜F)まで冷却し、抄
紙フェルト14を染料槽中に5分間浸し、さらに水/染料
混合物を約79.44℃(約175゜F)に冷却した。
次に抄紙フェルト14は染料槽から徐々に取り出され、
染料槽からの液体を染料槽から取り出された抄紙フェル
トの部分に注ぎ抄紙フェルト14の全部分が確実に染色さ
れるようにした。
抄紙フェルト14が染料槽から取り出されると染料溶液
を取り出し、染料槽に室温に水を入れる。次に染色抄紙
フェルト14を素早く染料槽内ですすいだ。抄紙フェルト
14は染料槽から取り出され、余分の水を抄紙フェルト14
から排出させた。抄紙フェルト14は室温で少なくとも24
時間空気乾燥された。前記の工程の各々は2回繰返され
た。次に、染色フェルト14は模様層18が加えられるよう
に用意された。
第4図を参照すると、365ナノメータ(nm)において
本実施例の染色されていない抄紙フェルト14は、約0.2
吸光度の365nm反射率をもっていた。約L30の表色値
に染色された抄紙フェルト14は約0.9吸光度より高い365
nm反射率を示しているが、実施例1で染色された抄紙フ
ェルト14は1.6吸光度より高い365nm反射率を示す。L
表色値(と従って吸光度)が高くなる程365ナノメータ
で反射されるエネルギーは下がることが確認されるであ
ろう。
これに代えて、抄紙フェルト14を組立体として染色す
るよりもむしろ、抄紙フェルト14のバット15を形成する
繊維を針縫と抄紙フェルト14に形成される前に染色して
もよい。同様に、抄紙フェルト14のベース16を抄紙フェ
ルト14に組入れる前に染色してもよい。
代替実施例において、抄紙フェルト14の全体が特定さ
れた365nm反射率、平均反射とL表色値をもつ必要は
ない。抄紙フェルト14の一部分のみが前述の365nm反射
率、平均反射率とL表色値をもつ必要がある。抄紙フ
ェルト14の一部のみが前述の365nm反射率、平均反射率
とL表色値をもつ場合は、その一部は、抄紙フェルト
14の紙に面する表面と並んだ、さらに好ましくは含む、
抄紙フェルト14の部分であることが好ましい。
さらに別の実施例において、模様層18の面する抄紙フ
ェルト14の表面は、0.4吸光度未満の365nm反射率をもつ
ことができる。抄紙フェルト14はこの表面領域の下に、
少なくとも約0.4吸光度の特定された365nm反射率を提供
する領域を有することができる。このレベル以下では抄
紙フェルト14は再び透明であってもよい。ここで使われ
ているように、前述の365nm反射率が提供されない限
り、透明なフェルトは白いと理解される。抄紙フェルト
14の機械に面する表面は透明であっても、特定された36
5nm反射率を有してもよいと認められることができる。
この実施例はベルトの耐久性を向上するであろう。
典型的な抄紙フェルト14は、ニードル・パンチ等によ
り基板16に結合した繊維のバット15からなる。部分的に
染色した構成は、抄紙フェルト14を形成しているバット
15を染色することによりなされる。これの代わりにある
いは好ましくは、バット15を染色するのに加えて、抄紙
フェルト14を形成する基板16も特定された365nm反射
率、平均反射率とL表色値に染色してもよい。バット
15が特定された365nm反射率、平均反射率とL表色値
をもつことが好ましいのは、模様層18が最も典型的には
基板16に結合されるよりもむしろバット15に結合される
からである。
もし所望されるなら、抄紙フェルト14のバット15は特
定された365nm反射率をもつ繊維と、特定された365nm反
射率を満たさない繊維とからなってもよい。この構成
は、抄紙14の界面を透過し抄紙14の模様層に面する表面
の下に存在する模様の骨組18の高い解像度を提供しなが
ら抄紙フェルト14の透過性の損失を最小限にする二重の
目的を満たす。
抄紙フェルト14も、X−Y面に配置された模様に従っ
て変わる365nm反射率、平均反射率とL表色値をもつ
ことができると予測される。抄紙フェルト14の365nm反
射率、平均反射率とL表色値がX−Y面模様に従って
変わる場合、抄紙フェルト14の不透明部分が、抄紙工程
中に紙を刻印しない模様層18の部分と整合された、以下
に検討される、X−Y面模様内に配置されることが望ま
しい。
模様層18は抄紙フェルト14に液体状で塗布され、好ま
しくは樹脂からなる。樹脂は好ましくは感光性で化学線
放射に曝されると硬化する。光学線放射は約365nmの波
長をもつことができる。硬化は架橋によって行なわれ
る。適切な樹脂は前述した、ジョンソンに発行された米
国特許第4,514,345明細書に開示されており、デラウェ
ア州、ウィルミントンのマックダーミッド社(McDermi
d,Inc.)から樹脂のメリグラフ(Merigraph)シリーズ
の一部として販売されている。この樹脂は、硬化されて
模様層となった時、約2.54cm(1インチ)×5.08cm(2
インチ)×0.635cm(0.25インチ)厚さの樹脂試験片
で、85℃において測定されると、約60以下のショアDデ
ェロメーター硬度をもっていなければならない。その表
示はデュロメータの針の樹脂との最初の接触後10秒後に
読まれる。
後に模様層18を形成する液体は、硬化前に適正に抄紙
フェルト14に浸透するために21.1℃(70゜F)において
約5,000乃至15,000センチポアズの粘性をもつことがで
きる。液体、好ましくは液体樹脂は次の様に抄紙フェル
ト14に塗布される。抄紙フェルト14は連続ベルトの形で
提供されることができる。抄紙フェルト14は、抄紙フェ
ルト14の紙に面する表面に対して位置されたノズルを通
って搬送される。ノズルは液体フィルム、好ましくは液
体樹脂を抄紙フェルト14の紙に面する表面に均一に押出
す。
液体塗膜の厚さはニップを使って機械的に制御するこ
とができる。ここに記載された実施例では、適切な塗膜
は抄紙フェルト14の紙に面した表面から、約2.5ミリメ
ータまで最も外方へ延びた樹脂の部分までで測定された
厚さをもつ。どのような所望の模様にも配置される、不
透明部分と透明部分とをもつマスクが抄紙フェルト14上
の液体塗膜上に置かれる。適切な良く知られた模様は不
連続の不透明領域と必須に連続した網目からなる透明領
域とを含むが、いかなる所望の模様もその模様がX−Y
面にあれば使われることができる。
後に模様層18を形成する液体は活性化用波長の化学線
放射に曝される。化学線放射はマスクを通して当てら
れ、マスクは化学線放射源と抄紙フェルト14上の液体塗
膜との間に置かれる。化学線放射はランプから当てられ
ることができる。化学線放射は、マスクの透明部分に整
合された樹脂を部分的に硬化あるいは予備硬化する。マ
スクの透明部分と整合された樹脂は硬化されないままで
あろう。
平方センチメートル当り少なくとも約300ミリジュー
ルの予備硬化エネルギーが化学線放射を使って抄紙フェ
ルト14が当てられることが好ましい。さらに好ましく
は、平方センチメートル当り少なくとも約1,200ミリジ
ュールの予備硬化エネルギーがマスクの透明部分を通し
て少紙フェルト14に当てられる。予備硬化エネルギーは
紫外線エネルギー強度測定装置、マサチューセッツ州、
ニューバリポートのインターナショナル・ライト社(In
ternational Light,Inc.)販売のモデルIL390−B・ラ
イト・バグ(Light Bug)により測定されることができ
る。
次に、硬化されなかった樹脂が抄紙フェルト14から除
去される。樹脂は抄紙フェルト14層をオハイオ州、シン
シナティのザ・プロクタ・アンド・ギャンブル社(The
Proctor & Gamble Co.)により製造された洗剤、商品
名トップ・ジョブ(Top Job)のような界面活性剤と水
との混合物で洗うことにより除去される。界面活性剤と
水は抄紙フェルト14上へシャワーから噴霧されることが
できる。洗浄は、約90℃の温度において、約0.15748セ
ンチメートル(0.062インチ)の開口直径、30゜の入射
角と500psiの排出圧力をもつファン・ジェット・ノズル
を使って行われることができる。2回目の洗浄は約160
゜の温度において、約0.15748センチメートル(約0.062
インチ)の開口直径30゜の入射角と140psiの排出圧力を
もつファン・ジェット・ノズルを使って、他の全てのパ
ラメータは一定にして行なわれることができる。
抄紙フェルト14と残っている樹脂は、今は模様層18を
形成しているが、真空シュー上を移動するかあるいは真
空シューと接近して配置される。真空状態が抄紙フェル
ト14の機械に面した側に付与されて抄紙フェルト14に残
っている未硬化樹脂をすべて除去する。洗浄と真空除去
の工程は必要に応じて繰返されることができる。未硬化
液体が抄紙フェルト14から除去されると抄紙フェルト14
は再び洗浄されてすべての界面活性剤が抄紙フェルト14
から除去される。
部分的に硬化された樹脂は、次に水槽に浸漬され、硬
化化学線放射が再び当てられる。槽内の水は化学線放射
を化学線放射源から模様層18へ透過させるが遊離酸素が
模様層18に達するのを防ぐ。遊離酸素は、模様層18の全
硬化を達成するのに望まれる共重合反応を急冷すること
ができる。バスは界面活性剤を含まないことが望まし
く、化学線放射が模様層18に達する前に減衰されないよ
うにするためである。バスは亜硫酸ナトリウムのような
強い還元剤を含み微量の酸素をバスから除去することが
好ましい。
硬化された模様層18は、ジョンソン他(Johnson et a
l.)に発行され一般承継された米国特許第4,514,345明
細書に開示されているように、本質的に連続した網目内
に配置された不連続の開口を有する本質的に連続した網
目をもつことができる。この代りにジョンソン他(John
son et al.)の米国特許4,514,345明細書に開示された
不連続模様が使われることができる。
模様層18は界面20において抄紙フェルト14に結合され
た中央端から末端へ外方向に延びている。模様層18の末
端は抄紙中に紙を刻印して刻印された区域を高密度化
し、よって多領域紙を形成する。このような模様層18は
界面20と抄紙フェルト14から外方へ延びることにより密
度の異なる紙を抄紙中に形成することができる。
模様層18は抄紙フェルト14を、抄紙フェルト14の紙に
面する表面から抄紙フェルト14の機械に面する表面に向
って測定した約0.1乃至0.5ミリメートルの深さに透過す
ることが好ましい。模様層18は、抄紙フェルト14の紙に
面した面を透過した透過がこの量未満の場合は、模様層
18が抄紙フェルト14に十分に結合されないかもしれず、
分離が使用中に起きるかもしれない。模様層18が余りに
も大きな深さにまで抄紙フェルト14を透過する場合は、
浸透性が犠牲にされるかもしれない。
本発明に従って作成される装置10の典型的、非限定的
な例が従来装置10と対比される。両装置10は、抄紙フェ
ルト14の紙に面する表面の表面積の約35パーセントの表
面積をもつ本質的に連続した網目からなる模様層18を用
いた。模様層18は、抄紙フェルト14の紙に面した表面か
ら約0.25ミリメートル外方へ延びていた。365nm反射率
の抄紙フェルト14に当てせられた硬化エネルギーと衰透
過性は下記の表1に示されている。脂肪酸のナトリウム
塩のゲルのゼラチン状塗膜が抄紙フェルト14全体に均一
に付与された。抄紙フェルト14の樹脂に面した表面は軽
くシャワーを浴びせられて模様層18に対する適切な界面
とした。この塗膜の残りは、模様層18が予備硬化された
後に洗い流された。
表1から分かるように、本発明の装置10は従来技術に
対して有意義に改良された透過性を示した。抄紙におい
ては、少なくとも6立方センチメートル/秒、好ましく
は少なくとも9立方センチメートル/秒の最低透過率を
もった抄紙フェルト14が望まれることが認められた。
さらに、本発明による1200mJ/平方センチメートルの
予備硬化エネルギーを受ける装置10は満足な透過性をも
ち、満足なベルト耐久性を実証した。ベルトの耐久性が
不満足な場合は余分な回数のベルトの交換が必要となる
であろう。本発明の範囲はこの実施例に限定されず添付
の特許請求の範囲に記載されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オステンドルフ、ワード、ウィリアム アメリカ合衆国 オハイオ州、ウエスト チェスター、オレゴン パス 6331番 (72)発明者 マーラット、ヘンリー、ルイス アメリカ合衆国 ペンシルバニア州、タ ンクハンノック、アール アール 1、 ボックス 225A (56)参考文献 特開 平4−65594(JP,A) 特表 平5−508452(JP,A) 国際公開91/14558(WO,A1) 敷島カンバス株式会社”ドライヤーカ ンバス”,紙パ技協紙,紙パルプ技術協 会,1995年10月1日,第49巻10号,p. 103−108 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21F 1/00 - 13/12 D21H 27/00 - 27/42

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抄紙中に水を紙から除去する装置におい
    て、前記装置はX−Y面と、X−Y面に直交のZ−方向
    とを有し、前記装置が、 互いに対向する機械に面する表面と紙に面する表面とを
    有し、かつ、少なくとも一部が40%未満の365nm反射率
    を有する抄紙フェルトと、 互いに対向する抄紙フェルトに面する表面と紙に面する
    表面とを有し、前記抄紙フェルトに面する表面と前記紙
    に面する表面との界面において前記抄紙フェルトに結合
    され、かつ、感光性で化学線放射に曝されると硬化する
    樹脂からなる模様層と、を備えた装置。
  2. 【請求項2】40%未満の365nm反射率を有する前記抄紙
    フェルトが前記紙に面する表面に近接して配置され、か
    つ、40%未満の365nm反射率を有する前記抄紙フェルト
    が前記紙に面する表面から前記機械に面する表面に延び
    る請求の範囲第1項に記載の装置。
  3. 【請求項3】前記模様層がX−Y面模様の2領域である
    前記紙に刻印した第一領域と前記紙に刻印しない第二領
    域とからなり、40%未満の365nm反射率を有する前記抄
    紙フェルトの部分がX−Y面模様内に配置され、かつ、
    40%未満の365nm反射率を有する部分の前記X−Y面模
    様が、前記紙に刻印しない前記模様層の部分と整合され
    る請求の範囲第1項及び第2項に記載の装置。
  4. 【請求項4】前記抄紙フェルトが32%未満の365nm反射
    率を有する請求の範囲第1,2及び3のいずれか1項に記
    載の装置。
  5. 【請求項5】前記抄紙フェルトが、基板と前記基板に結
    合されたバットとからなり、前記バットがL50以下の
    表色値を有する前記抄紙フェルトの部分からなる請
    求の範囲第1,2,3および4のいずれか1項に記載の装
    置。
  6. 【請求項6】前記模様層が40%未満の365nm反射率を有
    する前記抄紙フェルトの部分を透過しない請求の範囲1,
    2,3,4及び5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 【請求項7】抄紙工程中に水を紙から除去する装置にお
    いて、前記装置がX−Y面と、X−Y面に直交のZ−方
    向とを有し、前記装置が、互いに対向する機械に面する
    表面と紙に面する表面とを有し、基板に結合された繊維
    のバットからなり、かつ前記バットの前記繊維の第一部
    分が40%未満の365nm反射率を有し、前記バットの前記
    繊維の第二部分が40%以上の365nm反射率を有し、前記
    繊維の前記第一及び第二部分が混在する抄紙フェルト
    と、 互いに対向する抄紙フェルトに面する表面と紙に面する
    表面とを有し、前記抄紙フェルトに面する表面と前記紙
    に面する表面との界面において前記抄紙フェルトに結合
    され、かつ、前記界面から外方へ延びて、さらに、感光
    性で化学線放射に曝されると硬化する樹脂からなる模様
    層と、を備えた装置。
  8. 【請求項8】前記抄紙フェルトの前記紙に面する表面が
    40%以上の365nm反射率を有する繊維からなる請求の範
    囲第7項に記載の装置。
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