JP3223947B2 - 干渉補償方法 - Google Patents

干渉補償方法

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JP3223947B2
JP3223947B2 JP17584894A JP17584894A JP3223947B2 JP 3223947 B2 JP3223947 B2 JP 3223947B2 JP 17584894 A JP17584894 A JP 17584894A JP 17584894 A JP17584894 A JP 17584894A JP 3223947 B2 JP3223947 B2 JP 3223947B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フェージング環境下
においても高い伝送品質と高い周波数利用効率が要求さ
れる通信等に用いて好適な干渉補償方法に関する。
【0002】
【従来の技術】混信や干渉等の影響を受けにくく、高い
伝送品質を得ることができる通信方法の1つとして、偏
波面が直交する2つの電波を同時に使用する方法(以
下、直交偏波通信方法と称する)がある。この直交偏波
通信方法は、以下のようなものである。偏波面が互いに
直交する2つの電波信号の間には相関がない。そこで、
互いに直交する偏波を有するアンテナ2つを組み合わ
せ、このアンテナの各々で同一の信号を送信する。一方
の受信側では、送信側のアンテナと対応した偏波面を有
するアンテナを用いて受信し、双方の偏波によって伝送
された信号を合成することによって、混信や干渉を相殺
する。ところで、単一の偏波面を有する電波は、反射や
屈折等によって偏波面が傾く。このため、直交偏波で送
信した電波であっても、受信地点では偏波面が直交しな
くなる。従って、反射や屈折の影響で選択性フェージン
グの存在する通信路に上述のような直交偏波通信方法を
用いる場合には、受信側では、各々の偏波面の信号で互
いに干渉を生じるため、干渉補償方法が必要になる。
【0003】図11は、従来の干渉補償方法を用いる受
信装置の構成を示すブロック図である。一方図12は、
図11中の補償回路3の構成を示すブロック図である。
なお、これらの図では一例として、UHF(極超短波)
帯あるいはマイクロ波帯におけるTDMA(時分割多元
接続方式)パケット通信のような、デジタルデータ通信
を扱う装置を示して説明する。また、これらの図に示す
受信装置にあっては、空間を伝播する遅延波の影響はな
いとものとする。上述の受信装置で扱うのデータの1単
位は、一例として図13に示すように構成されている
が、1単位の前半部(図では左側)は各々の通信回線に
割り当てられたトレーニング信号であり、後半部(図で
は右側)がデータ信号になっている。直交偏波通信方法
では、偏波面の直交する2つの搬送波の各々ではデータ
信号は同一のものであるが、トレーニング信号は例えば
データ周波数やデータコードが異なるデータで構成す
る。
【0004】図11に示す受信装置は、希望波受信用の
アンテナ1dと、干渉波受信用のアンテナ1uを、各々
1本ずつ備えている。これらアンテナ1d、1uは各々
単一偏波面を有するアンテナで、いま垂直偏波と、水平
偏波の両方を用いて同時送受信が行われているとものす
る。また、アンテナ1dを垂直偏波受信用アンテナ、ア
ンテナ1uを水平偏波受信用アンテナとする。検波器2
d、2uは各々アンテナ1d、1uで受けた電波を入力
し、FSK(周波数シフトキーイング)やPSK(位相
シフトキーイング)等、受信した電波に合わせた変調方
法に基づいて検波する。この検波器2d、2uから出力
される希望波信号である受信信号R1、干渉波信号であ
る受信信号R2は、同時に補償回路3に入力される。
【0005】補償回路3は、以下のように希望波信号か
ら干渉波信号成分を取り除く回路である(図12参
照)。受信信号R1は、スイッチ6aがT側の時は減算
器7a側に振り分けられ、D側の時は受信信号R1を減
算器7bに振り分ける。なお、減算器7aの出力P
1は、減算器7cと制御回路10に入力される。トレー
ニング信号発生器8は、希望波に乗せられるトレーニン
グ信号と同じ信号であるDT'を作り、信号処理回路9a
を介して減算器7aに入力する。受信信号R2は信号処
理回路9bを経て、スイッチ6bがT側の時は減算器7
cに振り分けられ、D側の時は減算器7bに振り分け
る。なお、減算器7cの出力E0は、制御回路10に入
力される。ここで、信号処理回路9a、9bは、一例と
して入力された信号を量子化、符号化して内部の記憶部
に蓄え、制御回路10の制御により再び信号化して出力
するものである。即ち信号処理回路9a、9bは、入力
された信号を、制御回路10の制御によって、その振幅
および位相を変えて出力するのである。補償回路3で
は、制御回路10が信号処理回路9a、9bに出力する
制御情報を各々hd、hと表す。
【0006】補償回路3では、受信信号R1、R2がトレ
ーニング信号区間(以降T側時と称する、図13参照)
である場合には、スイッチ6a、6bを共にT側とす
る。このとき、減算器7aには受信信号R1と、信号処
理回路9aを介してトレーニング信号DT'が入力され
る。なお受信信号R1は、希望トレーニング信号DTと干
渉トレーニング信号uTが混在したものである。一方、
減算器7aの出力信号P1は、 P1=R1 −hd・DT' =DT+uT−hd・DT' となるが、制御回路10は、D=hd・DT'となるよう
に、最小2乗法でhdを求める。このようにして、雑音
の影響が無視できるものとすれば、信号P1には干渉ト
レーニング信号成分であるuTが得られる。
【0007】そして減算器7cには、減算器7aの出力
信号P1と、信号処理回路9bを介して受信信号R2とが
入力される。受信信号R2は、干渉トレーニング信号UT
と希望トレーニング信号dTが混在したものである。一
方、減算器7cの出力信号E0は、 E0=P1−h・R2 =uT−h・(UT+dT) となるが、制御回路10は、uT=h・UTとなるよう
に、最小2乗法でhを求める。
【0008】上述のように、T側時(図13参照)にh
が収束した後、スイッチ6a、6bを共にD側とする、
これにより減算器7bに、受信信号R1と信号制御回路
9bを介して受信信号R2が入力される。なお受信信号
1は、希望データ信号Dと干渉データ信号uが混在し
たもの、受信信号R2は、干渉データ信号Uと希望デー
タ信号dが混在したものである。この減算器7bの出力
信号C0は、次のようになる。 C0=R1−R2=D+u−h(U+d) ところで、前述のようにuT=h・UTとしているから、
u=h・Uとなるので、 C0=D+u−h(U+d)=D+u−u−h・d=D−
h・d となる。なお、D≫d、またh≪1であるのでh・dは
無視できる値となり、 C0≒D となり、受信信号から干渉信号が除去できる。なお制御
回路10は、hおよびhdを、RLS(再帰最小2乗平
均)アルゴリズムのような最小2乗法を用いて、繰返し
計算により求める。このようにして求められたC0は、
識別器4および復調器5によって連続したデジタルデー
タや、これを復調したアナログ信号等に直されて出力さ
れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術のよ
うに、垂直偏波と水平偏波の受信信号を合成することに
より混信や干渉を相殺する方法は、静的伝搬路環境には
非常に有効である。しかしながら、市街地伝搬路のよう
に動的な瞬時変動の存在する伝送路では、その補償効果
は低減する。これは、電波が構造物等によって反射する
際に偏波面が回転することに起因する。このため、単一
的な偏波受信アンテナでは、異偏波をあまり抑制できな
くなる。従って、垂直偏波と水平偏波が互いに干渉しあ
い、伝送品質が劣化する。また、市街地伝搬路では、短
周期のフェージングが大きいために、平均D/U(希望
波対干渉波保護比)が大きく変動し、安定した品質確保
が難しくなる。また従来の干渉補償方法では、1装置に
つき1希望信号しか補償できないため、2信号共補償す
ることが必要な通信方法においては、補償信号数だけの
装置が必要となり構成が複雑となる。この発明は、この
ような背景の下になされたもので、フェージング等の影
響で発生する同一チャネル内の干渉を低減させ、高い伝
送品質と高い周波数利用効率が得られる干渉補償方法を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明にあっては、各々の送信
装置にあらかじめ定められた固有の系列であるトレーニ
ング信号部分と、伝送しようとするデータ信号部分とに
よって時分割的に構成された希望信号1および希望信号
2であって、受信しようとする前記希望信号1に干渉を
与える干渉信号1が混入した受信信号1と、受信しよう
とする前記希望信号2に干渉を与える干渉信号2が混入
した受信信号2とを入力する受信装置において、受信し
ている前記希望信号1および前記希望信号2が、各々前
記トレーニング信号部分である場合には、前記希望信号
1に対応したトレーニング信号を発生させるトレーニン
グ信号発生手段1と、前記希望信号2に対応したトレー
ニング信号を発生させるトレーニング信号発生手段2
と、前記トレーニング信号発生手段1の出力の振幅及び
位相を制御する各々制御手段1および制御手段2と、前
記トレーニング信号発生手段2の出力の振幅及び位相を
制御する各々制御手段3および制御手段4と、前記受信
信号1から前記制御手段1の出力を減ずる減算手段1
と、前記減算手段1の出力から前記制御手段3の出力を
減ずる減算手段2と、前記受信信号2から前記制御手段
2の出力を減ずる減算手段3と、前記減算手段3の出力
から前記制御手段4の出力を減ずる減算手段4と、前記
制御手段1における制御値を1行1列成分とし、前記制
御手段2における制御値を2行1列成分とし、前記制御
手段3における制御値を1行2列成分とし、前記制御手
段4における制御値を2行2列成分とする2行2列行列
の行列Hの、逆行列である行列hを計算する逆行列計算
手段と、を有する係数演算手段において、前記減算手段
2および前記減算手段4の出力の2乗値が各々最小にな
るように前記制御手段1ないし制御手段4の各々を制御
して行列hを求め、受信している前記希望信号1および
前記希望信号2が、各々データ信号部分である場合に
は、前記行列hの1行1列成分と前記受信信号1との積
と、前記行列hの1行2列成分と前記受信信号2との積
とを加算する加算手段1と、前記行列hの2行1列成分
と前記受信信号1との積と、前記行列hの2行2列成分
と前記受信信号2との積とを加算する加算手段2とを有
する合成手段により希望信号1および希望信号2を出力
することを特徴とする。
【0011】また、請求項2に記載の発明にあっては、
単一もしくは複数の送信装置と、前記送信装置の信号を
受信する受信装置とから構成された無線通信回線の受信
装置であって、送受信する希望信号及び干渉信号は、各
々の送信装置にあらかじめ定められた固有の系列である
トレーニング信号部分と、部分伝送しようとするデータ
信号部分とによって時分割的に構成され、受信しようと
する前記希望信号と、前記希望信号に干渉を与えるN−
1種類の前記干渉信号が混入した、整数N個の受信信号
1〜受信信号Nまでを入力する受信装置において、受信
している前記希望信号および前記干渉信号が、各々前記
トレーニング信号部分である場合には、前記希望信号あ
るいは、前記干渉信号のそれぞれに対応するトレーニン
グ信号を発生させる、前記Nと同数であるM個のトレー
ニング信号発生手段1〜トレーニング信号発生手段Mま
でと、前記受信信号1〜受信信号Nまでの各々に対し、
前記トレーニング信号発生手段1〜トレーニング信号発
生手段Mまでの出力の振幅および位相を制御する各々位
相制御手段1〜位相制御手段Mまでと、前記受信信号N
から、前記位相制御手段1〜位相制御手段Mまでを介し
て各々前記トレーニング信号発生手段1〜トレーニング
信号発生手段Mまでの出力を減ずる各々減算手段1〜減
算手段Mまでと、前記受信信号1〜受信信号Nまでの各
々に対する前記制御手段1〜制御手段Mまでの各々制御
量をN行M列の行列Hとする行列Hの、逆行列であるM
行N列の行列hを計算する逆行列計算手段とを有する係
数演算手段において、前記受信信号1〜受信信号Nまで
の各々に対し、前記減算手段Mの出力の2乗値が最小に
なるように前記制御手段1〜制御手段Mまでの各々を制
御して行列hを求め、受信している前記希望信号および
前記干渉信号が、各々データ信号部分である場合には、
M行N列を構成し、前記受信信号1〜受信信号Nまでの
各々に対して該受信信号Nの振幅および位相を制御して
各々出力する受信信号制御手段1〜受信信号制御手段M
と、該当するM行の全ての前記受信信号制御手段の出力
を加算して、整数M個の補償出力を得る加算手段1〜加
算手段Mとを有する合成手段において、前記行列hの要
素の各々によって、対応する前記受信信号制御手段の各
々を制御することを特徴とする。
【0012】
【作用】この発明によれば、異なるトレーニング信号が
付加された2つ以上の信号を同時に送受信する。受信側
では受信したトレーニング信号に混在する干渉信号から
干渉の度合いを示すタップ係数を計算し、このタップ係
数に基づいて受信したデータ信号から干渉信号を除去す
る。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
いて説明する。図1は、本発明が適用される通信回線の
構成の一例を示したものである。図1における通信回線
では、送信装置59は、垂直偏波のアンテナ61dと水
平偏波のアンテナ61uとを有している。一方受信装置
60は、垂直偏波アンテナの1dと水平偏波のアンテナ
1uとを有している。この通信回線では、直交する2つ
の偏波の信号では、それぞれ異なるデータ信号(図13
参照)を伝送するが、市街地等のフェージングの影響
で、垂直偏波の希望信号Dを受信する際には、垂直偏波
アンテナ1dによる受信電信号に干渉信号uが混在し、
水平偏波の希望信号Uを受信する際には、水平偏波アン
テナ1uによる受信信号に干渉信号dが混在する。
【0014】図2は、本発明を用いる受信装置の構成の
一例を示したブロック図である。図2に示す受信装置で
扱う通信も、一例としてUHF帯あるいはマイクロ波帯
におけるTDMAパケット通信のような、デジタルデー
タ通信であり、扱うデータの1単位は、一例として図1
3に示すように構成されている。なお、図2において、
図11の各部と対応する部分には同一の符号を付し、そ
の説明は省略する。図2に示す受信装置では、補償回路
30が、受信信号R1と受信信号R2を同時に入力し、信
号C1とC2とを出力する。
【0015】図3および図4は、補償回路30の構成の
一例を示す図である。まず、スイッチ36a、36bが
T側の時は以下のようになる。受信信号R1は減算器3
7aに入力され、この減算器37aの出力は、減算器3
7bに入力される。また、減算器37bの出力E1は、
制御回路40に入力される。受信信号R2は減算器37
cに入力され、この減算器37cの出力は、減算器37
dに入力される。また、減算器37dの出力E2は、制
御回路40に入力される。トレーニング信号発生器38
aは、希望波に乗せられるトレーニング信号と同じ信号
であるDT'を作り、信号処理回路39aを介して減算器
37aに入力し、また信号処理回路39cを介して減算
器37cに入力する。トレーニング信号発生器38b
は、干渉波に乗せられるトレーニング信号と同じ信号で
あるUT'を作り、信号処理回路39bを介して減算器3
7bに入力し、また信号処理回路39dを介して減算器
37dに入力する。
【0016】一方、前述のスイッチ36a、36bがD
側である場合には、以下のようになる。受信信号R1
信号処理回路31aおよび信号処理回路31cに入力さ
れ、受信信号R2は信号処理回路31bおよび信号処理
回路31dに入力される。加算器34aには信号処理回
路31aの出力と信号処理回路31bの出力が入力さ
れ、加算器34bには信号処理回路31cの出力と信号
処理回路31dの出力が入力される。これら加算器34
aの出力C1は識別器4a(図2参照)に入力され、加
算器34bの出力C2は識別器4b(図2参照)に入力
される。
【0017】なお、信号処理回路31a〜31dおよび
39a〜39dは、一例として入力された信号を量子
化、符号化して内部の記憶部に蓄え、制御回路40の制
御により再び信号化して出力するものである。即ち信号
処理回路31a〜31dおよび39a〜39dは、入力
された信号を、制御回路40の制御によって、その振幅
および位相を変えて出力するのである。補償回路30で
は、制御回路40が信号処理回路31a、31b、31
c、31dに出力する制御情報を各々H11、H12
21、H22と表し、制御回路40が信号処理回路39
a、39b、39c、39dに出力する制御情報を各々
11、h12、h21、h22(以降hnnを、各タップ係数と
称す)と表す。
【0018】次に、前述の制御回路40が出力する制御
情報H11、H12、H21、H22の決定方法を説明する。図
2ないし図4に示す構成の受信装置において、アンテナ
1d、1uにより受信された電波は、各々検波器2d、
2uによって検波され、各々受信信号R1、R2となり、
補償回路30に入力される。まず、受信信号R1、R2
T側時(図13参照)である場合には、スイッチ36
a、36bを共にT側とする。ここで受信信号R1は、
希望トレーニング信号DTと干渉トレーニング信号uT
混在したもの、また受信信号R2は、干渉データ信号U
と希望データ信号dが混在したものである。このとき、
減算器37bの出力信号E1は、 E1=R1 −h11・DT'−h12・UT' =DT+uT−h11・DT'−h12・UT' また、減算器37dの出力E2は、 E2=R2 −h21・DT'−h22・UT' =dT+UT−h21・DT'−h22・UT' となるが、制御回路40は、E1およびE2が0になるよ
うに、RLSアルゴリズムのような最小2乗法で各タッ
プ係数を求める。
【0019】受信信号のトレーニング信号区間が終了
後、制御回路40は、各タップ係数からなるタップ係数
行列の逆行列であるH11、H12、H21、H22を計算し、
図2ないし図4中の合成回路33の制御情報とする。従
って、合成回路33の出力C1、C2は各々次のようにな
る。 C1=H11・R1+H12・R2 また、 C2=H21・R1+H22・R2 こうして得られた出力C1およびC2は、それぞれ識別器
4a、4bおよび復調器5a、5bによって連続したデ
ジタルデータや、これを復調したアナログ信号等に直さ
れて出力される。
【0020】本実施例の評価の一例として、図5に示す
よう結果が得られた。図5は、fd(フェージングの要
因となる最大ドップラー周波数)を15Hz、XPD
(交鎖偏波識別度)を5dB、Eb/N0(1ビット中り
の平均信号エネルギーEbと1Hz当たりの雑音電力N0
の比)を40dBとして、D/Uに対するBER(ビッ
ト誤り比)を評価したものである。ここで、50および
51は干渉補償を実施しない場合の評価例であり、50
は干渉信号の評価例、51は希望信号の評価例である。
また、52および53は、本発明の干渉補償方法を用い
た場合の評価例であり、52は干渉信号の評価例、53
は希望信号の評価例である。この図に示す評価例よる
と、希望信号と干渉信号では、0dBを軸に折り返した
ような特性となっているが、直交する偏波を同時に送受
信し、干渉を補償する本発明によれば、かなりBERを
改善できることがわかる。
【0021】またさらに、本実施例と従来技術とのBE
R特徴を比較した図を図6に示す。この図におけるfd
等の評価条件は、図5の評価条件と同様である。なお図
6において、55は干渉補償を施さない場合の評価例、
56は従来の干渉補償方法による評価例、57は本発明
の干渉補償方法の評価例である。従来の干渉補償方法
と、本発明の干渉補償方法の評価例を比べると、D/U
が−5〜10dBの範囲では、本発明の干渉補償方法で
は、従来技術と比較してBERが低減できることがわか
る。
【0022】なお、本発明の干渉補償方法は、以下に示
すような通信回線にあっても適用される。 A.適用例1 図7に示す通信回線では、送信装置59および受信装置
60には、周波数fの垂直偏波であるDを割り当て、送
信装置12および受信装置14には、周波数fの水平偏
波であるU割り当てることにより、周波数と直交偏波を
空間的に再利用している。いま受信装置60に設けられ
た垂直偏波アンテナ1dには、希望信号であるDだけで
なく、送信装置12からの干渉信号であるuも混入し、
干渉を受ける。(また、受信装置60に設けられた水平
偏波アンテナ1uには、干渉信号であるuだけでなく、
送信装置59からの希望信号であるdも混入する。)こ
のようにフェージング環境では構造物等の反射に起因す
る偏波面の回転から、偏波受信用アンテナを用いても異
偏波をあまり抑制できないために、受信装置60ではア
ンテナのXPDが低下し、その結果伝送品質が劣化す
る。しかし、受信装置60において送信装置59からの
希望信号だけでなく、送信装置12からの干渉信号であ
るuが良く受信できる場合には、本発明の干渉補償方法
により、希望信号であるDの品質劣化を補償することが
可能である。
【0023】B.適用例2 図8に示す通信回線では、送信装置59に垂直偏波のア
ンテナ61dを設け、送信装置12に水平偏波のアンテ
ナ13uを設ける。受信装置60では垂直偏波のアンテ
ナ1dと水平偏波のアンテナ1uとを設け、アンテナ1
d、1uはそれぞれアンテナ61d、13uからの電波
を受信する。受信装置60のアンテナ1d、1uによる
受信信号は、適用例1と同様な理由で伝送品質が劣化す
る。しかし、この場合にあっても、本発明の干渉補償方
法により、希望信号であるDおよびUの共に品質劣化を
補償することが可能である。
【0024】C.適用例3 図9に示す通信回線では、指向性アンテナ23dを備え
た送信装置22、指向性アンテナ25uを備えた送信装
置24および指向性アンテナ21d、21uを備えた受
信装置20から構成される。これらの構成では、アンテ
ナ21d、21u、23dおよび25uは、全て周波数
fの垂直偏波アンテナであり、さらに指向性を有してい
る。また、アンテナ21dと23d、およびアンテナ2
1uと25uは、それぞれ互いに指向性を向け合ってい
る。この図の通信回線でも、アンテナ21dが受信する
希望波信号Dには干渉波信号uが混入し、アンテナ21
uが受信する希望波信号Uには干渉波信号dが混入す
る。この結果、適用例1あるいは適用例2と同様な理由
で伝送品質が劣化する。しかし、この場合にあっても、
本発明の干渉補償方法により、希望信号であるDおよび
Uの共に品質劣化を補償することが可能である。
【0025】ところで、本発明の干渉補償方法は、フェ
ージング環境下においては互いに干渉し合う直交偏波を
互いの信号を用いて補償できるため、直交偏波同時送受
信が可能となり、無線通信の周波数利用効率を大幅に向
上できる。またさらに、指向性アンテナを利用すれば2
波だけでなく3波、4波の同時補償についても係数決定
部、補償回路を拡張することにより対応できる。その1
例として、3波の干渉について同時に補償する場合の係
数計算部32aを図10に示す。係数計算部32aは、
図4の係数計算部32を拡張したものである。
【0026】なお本実施例では、UHF(極超短波)帯
あるいはマイクロ波帯周波数における受信装置に本発明
の干渉補償方法を用いたが、この他、単一偏波面を有す
るアンテナ、あるいは一定の指向性を有するアンテナが
使用できる周波数であれば、本発明は適用される。また
本実施例では、TDMAパケット通信のようなデジタル
データ通信を扱う通信への適用例を示したが、本発明の
適用範囲は、この通信方法に限定したものではない。さ
らに、本実施例の制御回路40では、RLSアルゴリズ
ムを用いてタップ係数を求めたが、タップ係数を収束さ
せるアルゴリズムは、これに限らない。
【0027】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、フ
ェージング等の影響で発生する同一チャネル内の干渉を
低減させ、高い伝送品質と高い周波数利用効率が得られ
る干渉補償方法が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の干渉補償方法が適用される通信系の構
成の一例を示す図である。
【図2】本発明の干渉補償方法が適用される受信装置の
構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施例の補償回路30の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図4】本実施例の補償回路30の構成と、信号および
制御情報の流れの一例を示す概略構成図である。
【図5】本実施例の干渉補償方法による、希望信号と干
渉信号のそれぞれのD/Uに対するBER特性の評価例
を示す図である。
【図6】従来の干渉補償方法および本実施例の干渉補償
方法のそれぞれによる、D/Uに対するBER特性の評
価例を示す図である。
【図7】本発明の干渉補償方法が適用される通信回線の
構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の干渉補償方法が適用される通信回線の
構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の干渉補償方法が適用される通信回線の
構成の一例を示す図である。
【図10】3波の干渉について同時に補償する場合の、
係数計算部の構成の一例を示す図である。
【図11】従来の干渉補償方法を適用する受信装置の構
成例を示すブロック図である。
【図12】従来の干渉補償方法による補償回路3の構成
例と、信号および制御情報の流れを示す概略構成図であ
る。
【図13】従来の干渉補償方法、および本発明の干渉補
償方法が適用される通信回線で扱われる信号の1単位の
構成例を示す図である。
【符号の説明】
20 受信装置 30 補償回路 31a〜31d 信号処理回路 32、32a 係数計算部 33 合成回路 34a、34b 加算器 37a〜37d 減算器 38a、38b トレーニング信号発生器 39a〜39d 信号処理回路 40 制御回路 60 受信装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/10 H04B 7/08 H04B 7/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々の送信装置にあらかじめ定められた
    固有の系列であるトレーニング信号部分と、伝送しよう
    とするデータ信号部分とによって時分割的に構成された
    希望信号1および希望信号2であって、 受信しようとする前記希望信号1に干渉を与える干渉信
    号1が混入した受信信号1と、受信しようとする前記希
    望信号2に干渉を与える干渉信号2が混入した受信信号
    2とを入力する受信装置において、 受信している前記希望信号1および前記希望信号2が、
    各々前記トレーニング信号部分である場合には、 前記希望信号1に対応したトレーニング信号を発生させ
    るトレーニング信号発生手段1と、 前記希望信号2に対応したトレーニング信号を発生させ
    るトレーニング信号発生手段2と、 前記トレーニング信号発生手段1の出力の振幅及び位相
    を制御する各々制御手段1および制御手段2と、 前記トレーニング信号発生手段2の出力の振幅及び位相
    を制御する各々制御手段3および制御手段4と、 前記受信信号1から前記制御手段1の出力を減ずる減算
    手段1と、 前記減算手段1の出力から前記制御手段3の出力を減ず
    る減算手段2と、 前記受信信号2から前記制御手段2の出力を減ずる減算
    手段3と、 前記減算手段3の出力から前記制御手段4の出力を減ず
    る減算手段4と、 前記制御手段1における制御値を1行1列成分とし、 前記制御手段2における制御値を2行1列成分とし、 前記制御手段3における制御値を1行2列成分とし、 前記制御手段4における制御値を2行2列成分とする2
    行2列行列の行列Hの、逆行列である行列hを計算する
    逆行列計算手段と、 を有する係数演算手段において、 前記減算手段2および前記減算手段4の出力の2乗値が
    各々最小になるように前記制御手段1ないし制御手段4
    の各々を制御して行列hを求め、 受信している前記希望信号1および前記希望信号2が、
    各々データ信号部分である場合には、 前記行列hの1行1列成分と前記受信信号1との積と、 前記行列hの1行2列成分と前記受信信号2との積とを
    加算する加算手段1と、 前記行列hの2行1列成分と前記受信信号1との積と、 前記行列hの2行2列成分と前記受信信号2との積とを
    加算する加算手段2とを有する合成手段により希望信号
    1および希望信号2を出力することを特徴とする干渉補
    償方法。
  2. 【請求項2】 単一もしくは複数の送信装置と、 前記送信装置の信号を受信する受信装置とから構成され
    た無線通信回線の受信装置であって、 送受信する希望信号及び干渉信号は、各々の送信装置に
    あらかじめ定められた固有の系列であるトレーニング信
    号部分と、部分伝送しようとするデータ信号部分とによ
    って時分割的に構成され、 受信しようとする前記希望信号と、前記希望信号に干渉
    を与えるN−1種類の前記干渉信号が混入した、整数N
    個の受信信号1〜受信信号Nまでを入力する受信装置に
    おいて、 受信している前記希望信号および前記干渉信号が、各々
    前記トレーニング信号部分である場合には、 前記希望信号あるいは、前記干渉信号のそれぞれに対応
    するトレーニング信号を発生させる、前記Nと同数であ
    るM個のトレーニング信号発生手段1〜トレーニング信
    号発生手段Mまでと、 前記受信信号1〜受信信号Nまでの各々に対し、 前記トレーニング信号発生手段1〜トレーニング信号発
    生手段Mまでの出力の振幅および位相を制御する各々位
    相制御手段1〜位相制御手段Mまでと、 前記受信信号Nから、前記位相制御手段1〜位相制御手
    段Mまでを介して各々前記トレーニング信号発生手段1
    〜トレーニング信号発生手段Mまでの出力を減ずる各々
    減算手段1〜減算手段Mまでと、 前記受信信号1〜受信信号Nまでの各々に対する前記制
    御手段1〜制御手段Mまでの各々制御量をN行M列の行
    列Hとする行列Hの、逆行列であるM行N列の行列hを
    計算する逆行列計算手段とを有する係数演算手段におい
    て、 前記受信信号1〜受信信号Nまでの各々に対し、前記減
    算手段Mの出力の2乗値が最小になるように前記制御手
    段1〜制御手段Mまでの各々を制御して行列hを求め、 受信している前記希望信号および前記干渉信号が、各々
    データ信号部分である場合には、 M行N列を構成し、前記受信信号1〜受信信号Nまでの
    各々に対して該受信信号Nの振幅および位相を制御して
    各々出力する受信信号制御手段1〜受信信号制御手段M
    と、 該当するM行の全ての前記受信信号制御手段の出力を加
    算して、整数M個の補償出力を得る加算手段1〜加算手
    段Mとを有する合成手段において、 前記行列hの要素の各々によって、対応する前記受信信
    号制御手段の各々を制御することを特徴とする干渉補償
    方法。
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