JP3222806U

JP3222806U - 回転軸軸支構造

Info

Publication number: JP3222806U
Application number: JP2019001960U
Authority: JP
Inventors: 明緒原
Original assignee: NOAI CO.,LTD.
Current assignee: NOAI CO.,LTD.
Priority date: 2019-05-31
Filing date: 2019-05-31
Publication date: 2019-08-29
Anticipated expiration: 2025-09-07

Abstract

【課題】大重量の回転体の回転軸であっても、軸方向に作用するスラスト荷重を大幅に低減でき、回転軸を水平に安定して回転させられる簡易な回転軸軸支構造を提供する。【解決手段】略鉛直に配向される回転軸を、略水平に回転可能に軸支する回転軸軸支構造であって、回転軸１１の下部を内部に収容する略筒状のポール２１を備え、ポールの内部には、ポールの軸に略垂直な略円環状の磁石２４を固設すると共に、回転軸の下部には、回転軸に垂直な略円環状の磁性体１４を固設し、ポールに固設された略円環状の磁石の孔に、回転軸を貫通させて、回転軸の下部をポールの内部に収容し、ポールに固設された略円環状の磁石と、回転軸に固設された略円環状の磁性体とを平行、かつ、略円環状の磁石の下方に、略円環状の磁性体を配置させ、磁力によって回転軸をポールに対して上昇させる。【選択図】図４

Description

本考案は、風力発電用風車の出力軸など、略鉛直に配向される回転軸を、略水平に回転可能に軸支する回転軸軸支構造関する。

略水平に回転する回転軸の軸支構造は、その軸方向に作用するスラスト荷重を低減させることが、良好な回転特性を得るうえで不可欠である。
例えば、風車のような回転体の場合、大重量であるので、スラスト荷重の低減が特に重要であり、これを実現すれば、微風時においても回転させることができ、風力発電に有効に寄与する。

従来の回転軸軸支構造としては、特許文献１〜３が挙げられる。
特許文献１には、流水から得られる浮力を利用して、水車のスラスト軸受部分のスラスト荷重を軽減する技術が開示されている。しかし、流水から得られる浮力は不安定なため、安定した軸支は容易でない。

特許文献２には、フライホイールを有する鉛直軸の回転体を、超伝導磁石と永久磁石との間の反発力を利用して非接触状態で支持する軸受装置が開示されている。しかし、超伝導磁石を組み込むため、簡易で安価な構成ではない。

特許文献３には、液体中のフロートの浮力または磁石の反発力を利用して、回転軸を浮上させる技術が開示されている。しかし、安定した高精度の浮上状態を維持することは容易ではない。

特開平０８−０２８４２６特開平０８−２９６６４７特開２０１１−４３１７１

そこで、本考案は、大重量の回転体の回転軸であっても、その軸方向に作用するスラスト荷重を大幅に低減でき、回転軸を水平に安定して回転させられる簡易な回転軸軸支構造を提供することを課題とする。

上記課題を解決するために、本考案の回転軸軸支構造は次の構成を備える。
すなわち、略鉛直に配向される回転軸を、略水平に回転可能に軸支する回転軸軸支構造であって、その回転軸の下部を内部に収容する略筒状のポールを備え、そのポールの内部には、ポールの軸に略垂直な略円環状の磁石を固設すると共に、回転軸の下部には、回転軸に垂直な略円環状の磁性体を固設し、ポールに固設された略円環状の磁石の孔に、回転軸を貫通させて、回転軸の下部をポールの内部に収容し、ポールに固設された略円環状の磁石と、回転軸に固設された略円環状の磁性体とを平行、かつ、ポールに固設された略円環状の磁石の下方に、回転軸に固設された略円環状の磁性体を配置させ、磁力によって回転軸をポールに対して上昇させることを特徴とする。

ここで、回転軸の下方に、その回転軸と軸が平行な動力伝達軸を設け、回転軸の下端部と動力伝達軸の上端部との双方に回転伝達部材を連結し、両回転伝達部材を介して回転軸の動力を動力伝達軸に伝達し、その動力伝達軸を介して動力を発電機の入力軸に伝達して、発電に寄与させてもよい。

また、回転軸を、その上部に風車の連結された風車の出力軸として、風車に適用してもよい。

本考案によると、ポールに固設された略円環状の磁石による、回転軸に固設された略円環状の磁性体の吸着を利用するため、回転軸の安定した配置が可能であり、回転軸にかかるスラスト荷重を大幅に低減しつつ、回転軸を水平に安定して回転させられる。

本考案の原理の説明図本考案の要部の正面断面説明図本考案の要部の一部破断斜視説明図本考案の要部の正面断面図

以下に、本考案の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記の例示に限らず、本考案の趣旨から逸脱しない範囲で、前記特許文献など従来公知の技術を援用して適宜設計変更可能である。

ここでは、軸支する回転軸として、風力発電用風車の出力軸を挙げるが、水車やヘリコプター回転翼やモーターなど、略鉛直に配向される各種機器の回転軸を、略水平に回転可能に軸支する回転軸軸支構造一般に、同様に適用可能である。

図１は、本考案の原理の説明図、図２及び３は、本考案の要部の正面断面説明図及び一部破断斜視説明図である。
鉛直に配向された風車回転軸（１１）は、アーム（１２）を介してブレード（１３）が連結され、ブレード（１３）の回転に従って水平回転する。

風車回転軸（１１）の下部は、地上に鉛直に設置される略筒状のポール（２１）の内部に収容される。
なお、ポール（２１）の上部に、風車回転軸（１１）を挿通する略筒状のシャフトユニット（２２）を延設し、シャフトユニット（２２）と風車回転軸（１１）との間に、ボールベアリング構造等から成るラジアル軸受部を設けて、風車回転軸（１１）に垂直に作用するラジアル荷重の低減に寄与させてもよい。

ポール（２１）の内部の上端部には、シャフトユニット（２２）及びハウジング（２３）を介して、磁石（２４）が固設される。
磁石（２４）は、ポール（２１）の軸に略垂直な略円環状であり、その円環形態は、完全に連続した板状でも、多数の磁石が全体として略円環状を形成する不連続な形態でもよい。なお、磁石（２４）の個数も単数でも複数でもよい。
また、磁石（２４）としては、電磁石でも、永久磁石でも、電磁石と永久磁石との混在でもよい。電磁石を含む場合は、供給電力量の制御によって磁力を調整できる利点がある。

一方、風車回転軸（１１）の下部には、磁性体（１４）が固設される。
磁性体（１４）も、磁石（２４）と同様に、風車回転軸（１１）に垂直な略円環状であり、その円環形態は、完全に連続した板状でも、多数の磁性体が全体として略円環状を形成する不連続な形態でもよい。なお、磁性体（１４）の個数も単数でも複数でもよい。また、磁性体（１４）の形態及び個数は、磁石（２４）の形態及び個数と合致しなくてもよい。
また、磁性体（１４）としては、狭義の強磁性体に限らず、磁石（２４）の磁力によって吸着する材料一般を指す。

そして、ポール（２１）に対する風車回転軸（１１）の配置は、ポール（２１）に固設された略円環状の磁石（２４）の孔を風車回転軸（１１）が貫通し、ポール（２１）に固設された略円環状の磁石（２４）と、風車回転軸（１１）に固設された略円環状の磁性体（１４）とが平行、かつ、磁性体（１４）が磁石（２４）の下方である。
これによって、磁石（２４）の磁力による磁性体（１４）の吸着で、風車回転軸（１１）が上昇し、風車回転軸（１１）にかかるスラスト荷重が低減する。

図４は、本考案の要部の正面断面図である。
風車回転軸（１１）の下端部には、その回転動力を伝達する回転伝達部材（１５）が締付結合等により連結される。回転伝達部材（１５）としては、軸間の偏芯を許容する偏芯カップリングや、軸間の偏芯及び偏角及び振れを許容するフレキシブルカップリングなどが利用でき、軸間のカップリングに柔軟性等をもたせて、発生し得るミスアライメントを吸収することが好ましい。

一方、風車回転軸（１１）の下方には、風車回転軸（１１）と平行な動力伝達軸（３１）が連なり、その動力伝達軸（３１）の上端部にも同様に、回転伝達部材（３２）が締付結合等により連結され、回転伝達部材（３２）と回転伝達部材（１５）とのカップリングによって、風車回転軸（１１）の回転動力を伝達される。
動力伝達軸（３１）は、スプライン結合等により発電機（４１）の入力軸（４２）に連結され、風車回転軸（１１）の回転動力を発電機（４１）に伝達する。

風車回転軸（１１）には、磁性体（１４）またはその近傍を介して、プローブ（１６）を突設させ、ポール（２１）には、ハウジング（２３）またはその近傍を介して、プローブ（１６）を検知するセンサー（２５）を設けることが好ましい。これにより、ポール（２１）に対する風車回転軸（１１）の位置の検知や制御、風車回転軸（１１）の回転速度等の検知を行える。

動力伝達軸（３１）には、キー結合等により回転側電磁ブレーキ（３３）を連結し、発電機（４１）の上部フレーム（４３）には、回転側電磁ブレーキ（３３）に呼応する固定側電磁ブレーキ（４４）を立設することが好ましい。これにより、発電機（４１）の入力軸（４２）への回転動力の入力制御を行える。

本考案によると、略鉛直に配向される回転軸を、水平に安定して回転させられるので、その回転軸軸支構造の諸装置への適用の他、発電設備等の新設にも寄与することができ、産業上利用価値が高い。

１１風車回転軸
１２アーム
１３ブレード
１４磁性体
１５回転伝達部材
１６プローブ
２１ポール
２２シャフトユニット
２３ハウジング
２４磁石
２５センサー
２６ヨーク
３１動力伝達軸
３２回転伝達部材
３３回転側電磁ブレーキ
３４スペーサー
４１発電機
４２入力軸
４３上部フレーム
４４固定側電磁ブレーキ

Claims

略鉛直に配向される回転軸を、略水平に回転可能に軸支する回転軸軸支構造であって、
その回転軸の下部を内部に収容する略筒状のポールを備え、
そのポールの内部には、ポールの軸に略垂直な略円環状の磁石を固設すると共に、回転軸の下部には、回転軸に垂直な略円環状の磁性体を固設し、
ポールに固設された略円環状の磁石の孔に、回転軸を貫通させて、回転軸の下部をポールの内部に収容し、
ポールに固設された略円環状の磁石と、回転軸に固設された略円環状の磁性体とを平行、かつ、ポールに固設された略円環状の磁石の下方に、回転軸に固設された略円環状の磁性体を配置させ、磁力によって回転軸をポールに対して上昇させる
ことを特徴とする回転軸軸支構造。
回転軸の下方に、その回転軸と軸が平行な動力伝達軸を備え、
回転軸の下端部と動力伝達軸の上端部との双方に回転伝達部材を連結し、両回転伝達部材を介して回転軸の動力を動力伝達軸に伝達し、
その動力伝達軸を介して動力を発電機の入力軸に伝達する
請求項１に記載の回転軸軸支構造。
回転軸が、その上部に風車の連結された風車の出力軸である
請求項１または２に記載の回転軸軸支構造。