JP3222661B2 - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モロヘイヤ由来の多糖
類を有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】モロヘイヤという植物は、インド原産の
シナノキ科に属する多年草であり、その名はアラブ語に
由来しているといわれている。茎は1m以上に伸び、葉
は長楕円状で先が尖り、基部の両側に細い糸状の尖った
部分が突き出しているのが特徴的である。そして、秋に
なると葉の付け根に小さい黄色の花が開く。古来、モロ
ヘイヤの茎から採取した繊維はジュートの名で知られて
おり、袋として、米麦、綿花、茶、コーヒー豆などの包
装に用いられたり、束にして糸や綱としても用いられて
いる。また、モロヘイヤの葉には、粘性物質、カロチ
ン、ビタミンB群、フラボノール、ステロールなどが含
まれており、食用として強壮薬的に利用されている。
【0003】一方、これまでに抗腫瘍活性を有する多糖
類として、種々の起源のものが報告されている。古来、
コフキサルノコシカケ、メシマコブ、キコブタケなどの
担子菌類、イチヂクやタンポポなど白い樹液を分泌する
植物、ジュンサイ、アロエ、コンブなど多糖類を主要な
成分とする天然物質などが、癌に対する民間伝承薬とし
て知られている。また、抗腫瘍活性あるいは免疫増強活
性を有する物質としては、グルカンやマンナン類など多
数知られており、この中で最も良く研究が進んでいる物
質は、シイタケから得られるレンチナンや酵母由来のβ
−グルカンなどである。そして、現在までに知られてい
る幾つかの抗腫瘍活性を有する多糖類については、その
由来や一次構造などと共にザルコーマ180に対する抗
腫瘍活性も検討されている。それによると、同じβ1,
3構造を主鎖とするグルカン類にもレンチナン、シゾフ
ィラン、パヒマランなどのように強い抗腫瘍活性を有す
るものと、パヒマン、ラミナランなどのように全く抗腫
瘍活性を有しないものとが存在することが明らかとなっ
ている。また、β1,6構造を主鎖とするグルカン類に
も地衣多糖プスツランのように抗腫瘍活性を有するもの
と、そうでないものとが存在することが知られている。
したがって、多糖類であれば全て抗腫瘍活性を有すると
は必ずしも言えない。なお、現在までに、モロヘイヤの
生産する多糖類については、抗腫瘍活性を有するという
報告はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、モロヘ
イヤの成分について種々検討する過程で、モロヘイヤの
茎葉を水抽出、あるいは熱水抽出した抽出画分をアルコ
ールやアセトンなどの有機溶媒で処理し、沈澱画分とし
て得られる多糖類が抗腫瘍活性を有することを見出し、
本発明を成すに至った。したがって、本発明は、モロヘ
イヤに由来する多糖類を有効成分とする抗腫瘍剤を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、モロヘイヤ
の茎葉に、水あるいは熱水を加えて抽出処理を行った
後、メタノール、エタノール、あるいはアセトンなどの
有機溶媒を添加して沈澱を生成させ、次いでこの沈殿を
分離、採取することより、抗腫瘍活性を有する多糖類を
得ることができる。そして、常法に従い、この多糖類を
有効成分とする抗腫瘍剤を製造する。
【0006】本発明者らは、モロヘイヤからの多糖類の
抽出について種々検討した結果、モロヘイヤの葉や茎の
部分に等量の水あるいは熱水を加え、ホモミキサーで磨
砕して抽出処理を行った後、遠心分離して上清を回収
し、この上清に30%濃度以上となるようメタノール、
エタノール、あるいはアセトンなどの有機溶媒を加える
ことにより沈澱として多糖類を回収した。そして、この
多糖類について、種々生理活性を検討したところ、抗腫
瘍活性を有することを見出した。
【0007】なお、このようにして得られたモロヘイヤ
由来の多糖類について、トリフルオロ酢酸で加水分解し
た後、アルジトールアセテート化し、高速液体クロマト
グラフィーでその構成糖を分析したところ、表1に示し
た通りの糖組成を有することが明らかとなった。
【0008】
【表1】 このように、モロヘイヤ由来の多糖類は、ラムノース、
ガラクトース、アラビノース及びグルコースを主体と
し、マンノース及びキシロースを含むことが判明した。
【0009】次に、モロヘイヤから多糖類を調製する方
法について説明する。モロヘイヤからは比較的簡単に多
糖類を抽出することができるので、一般に行われている
抽出法を用いることができる。通常、水あるいは熱水で
30分〜3時間程度処理することにより、充分多糖類を
抽出することが可能であるが、アルカリ抽出、例えば、
低濃度の苛性ソーダ溶液を加え均質化し、10〜30分
間室温で抽出処理を行った後、低濃度の酢酸溶液で中和
し、遠心分離して上清を得ることで多糖類を抽出するこ
ともできる。ただし、その後の操作を考えると、水ある
いは熱水でモロヘイヤから多糖類を抽出する方が有利で
ある。したがって、モロヘイヤの葉や茎の部分に水ある
いは熱水を加え、ミキサー、ポリトロン、ガラスホモジ
ナイザー、ワーリングブレンダー、海砂磨砕、乳鉢、超
音波など通常行われる植物体組織の破砕法により、モロ
ヘイヤを破砕して抽出処理を行った後、遠心分離などの
処理を行い、上清として多糖類を含む画分を回収すれば
良い。
【0010】そして、この上清に、メタノール、エタノ
ール、あるいはアセトンなどの有機溶媒を30%以上の
濃度、好ましくは60%以上の濃度となるように加え、
生成する沈澱を回収することにより、モロヘイヤ由来の
多糖類を得ることができる。なお、このように沈澱とし
て得られたモロヘイヤの多糖類は、必要に応じて乾燥処
理を行い、粗粉末として利用することができる。また、
沈澱として得られたモロヘイヤの多糖類については、さ
らに、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィー、高速
液体クロマトグラフィー、電気泳動などの処理により、
精製して利用することもできる。本発明では、モロヘイ
ヤの茎や葉から抽出した多糖類の粗抽出物を用いても良
いし、この粗抽出物を精製した多糖類を用いても良い。
【0011】上述のようにして得たモロヘイヤの多糖類
は、糖衣錠やタブレット、もしくはカプセルなどの経口
抗腫瘍剤として用いることができる。また、各種飲食
品、例えば、清涼飲料水、果汁飲料、発酵飲料、ゼリ
ー、アイスクリームなどに添加することにより、抗腫瘍
活性を賦与した食品として用いることもできる。さらに
はガムやキャンディーなどの菓子類に添加することも可
能である。
【0012】なお、本発明の構成成分である多糖類は、
食用のモロヘイヤに由来するものであり、経口的に摂取
する場合には人体に何ら悪影響を及ぼさず、その摂取量
について特に制限は無いが、0.1〜1,000mg/
kg体重/日程度の摂取量が適当であり、望ましくは、
1〜100mg/kg体重/日である。すなわち、0.
1mg/kg体重/日以下の摂取量では効果が認められ
ず、また、1,000mg/kg体重/日以上の摂取量
では副作用は無いものの効果の顕著な上昇は見られな
い。
【0013】また、上述のようにして得たモロヘイヤの
多糖類をさらに精製し、高純度の多糖類を得てから、注
射液や製剤などの医薬品として用いることもできる。注
射液としての投与量は、0.01〜100mg/kg体
重/日程度、望ましくは、0.1〜50mg/kg体重
/日である。すなわち、0.01mg/kg体重/日以
下の投与量では効果が認められず、また、100mg/
kg体重/日以上の投与量では副作用は認められず何ら
障害は無いものの、特に効果の上昇は見られない。
【0014】経口投与の場合も注射による投与の場合
も、1日1回投与しても良いし、また数回に分けて投与
しても良い。以下に、実施例を示し、本発明を詳しく説
明する。
【0015】
【実施例1】モロヘイヤの茎葉100gに水120ml
を加え、ミキサーで3分間攪拌した後、遠心分離して上
清を回収し、抽出液160mlを得た。次に、この抽出
液に濃度80%となるようエタノールを加えて沈澱を生
成させ、この沈澱を遠心分離して集めた後、エタノール
で洗浄し、さらにエーテルで洗浄して風乾し、モロヘイ
ヤ由来の多糖類92mgを得た。
【0016】
【実施例2】モロヘイヤの茎葉を細かく切り、80℃の
乾燥機中で3時間乾燥した後、50〜80メッシュ程度
に粉砕した。この粉砕物8gに熱水100mlを加え、
沸騰湯浴中で2時間抽出した後、遠心分離して上清を回
収し、抽出液83mlを得た。次に、この抽出液に濃度
80%となるようにメタノールを加えて沈澱を生成さ
せ、この沈澱を遠心分離して集めた後、乾燥し、モロヘ
イヤ由来の多糖類83mgを得た。
【0017】
【試験例1】ICRマウス(6週令、雄)を用い、腹水
腫瘍に対する効果を調べた。1群を15匹として、それ
ぞれのICRマウスの腹腔内に、腫瘍細胞であるザルコ
ーマ180(S−180)を1×106 個移植した。腫
瘍細胞移植後、実施例1で得たモロヘイヤの多糖類を静
脈注射用生理食塩水に溶解し、10mg/kg及び50
mg/kgとなるよう腹腔内に5日間連続投与した。
【0018】腫瘍細胞移植後のマウスの生残数を図1に
示す。S−180を移殖した対照マウス群では18日目
以降生存しなかったが、10mg/kg投与群では約半
数が、また、50mg/kg投与群では15匹中10匹
が21日目以降も生存した。
【0019】なお、S−180を10%牛胎児血清含有
E−MEM培地で培養し、インビトロでの直接細胞傷害
性を検討したが、モロヘイヤの多糖類に腫瘍細胞に対す
る直接の傷害性は認められなかった。
【0020】
【試験例2】ICRマウス(6週令、雄)を用い、固形
腫瘍に対する効果を調べた。1群を12匹として、それ
ぞれのICRマウスの腋下部皮下に、腫瘍細胞であるザ
ルコーマ180(S−180)を1×106 個移植し
た。腫瘍細胞移植後、実施例1で得たモロヘイヤの多糖
類を静脈注射用生理食塩水に溶解し、10mg/kg及
び50mg/kgとなるよう腹腔内に投与した。投与は
腫瘍細胞移植前6日間及び腫瘍細胞移植後10日間とし
た。そして、腫瘍細胞移植後28日目に固形腫瘍を取り
出し、湿重量を測定した。
【0021】腫瘍が完全に退縮したものを除いた腫瘍の
平均湿重量と腫瘍が完全退縮したマウスの数を表2に示
す。
【0022】
【表2】 ──────────────────────────────────── 平均腫瘍重量(g) 完全退縮(匹) ──────────────────────────────────── 対照群 2.56±0.43 0 10mg/kg投与群 0.71±0.33 2 50mg/kg投与群 0.33±0.23 4 ──────────────────────────────────── S−180を移殖した対照マウスでは固形腫瘍が完全退
縮したものは無かったが、10mg/kg投与群では平
均腫瘍湿重量が82%程度退縮し、13%のマウスでは
固形腫瘍が完全退縮した。また、50mg/kg投与群
では平均腫瘍湿重量が87%程度退縮し、33%のマウ
スでは固形腫瘍が完全退縮した。なお、試験期間中に死
亡したマウスは無かった。
【0023】
【発明の効果】本発明の抗腫瘍剤の有効成分であるモロ
ヘイヤの多糖類は、モロヘイヤから極めて簡便な方法で
製造でき、安価にかつ大量に取得できるので、有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1におけるマウスの生存数を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モロヘイヤ由来の多糖類を有効成分とす
    る抗腫瘍剤。
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