JP3221123U - 積層構造を有する渦巻部を備えた装飾用編み物 - Google Patents

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Abstract

【課題】花を模した形状の装飾用編み物であって、花を模した形状が有する利点を生かしながらも、さらなる装飾性の実現と、多様性に富んだ装飾用編み物を提供する。【解決手段】糸を編んで形成される装飾用の編み物1において、渦巻部2と、丸型コーナー部3と、角型コーナー部4と、を備え、渦巻部2は、平面視が渦巻状であって内部に配置される部分2aと、湾曲状に形成される外周部2bと、を有し、丸型コーナー部3は、湾曲状に形成され、角型コーナー部4は、2つの直線又は略直線が交差した形状であり、渦巻部2の内部に配置される部分2aは、積層構造により立体的に形成され、渦巻部の外周部2bと、丸型コーナー部3と、角型コーナー部4と、を含んで外周が形成される。【選択図】図1

Description

本考案は、糸を編むことによって形成される編み物に関するものであり、より具体的には、積層構造を有する渦巻部を備えた装飾用の編み物に関するものである。
従来、糸を編んでなる編み物は、マフラー、帽子、セーターなどの被服、かばん類、袋物、小物類に止まらず、コースター、布巾などの日用雑貨として幅広く用いられていた。このような編み物を制作するために用いられる鎖編み、中編み、長編み、細編み、引き抜き編み、増し目などの多様な編み方は、元来、その用途と対象となる編み物の部位に応じて適宜選択されるものであったが、これらの編み方を用いることによって形成される編み目の多様性と装飾性に着目し、昨今は、編み物そのものを装飾品として用いる例が見受けられる。例えば、置物、壁飾り、キーホルダー、チャーム、さらには身飾品、アクセサリーとしての編み物などが市場に流通している。
編み物を装飾用として用いる場合には、編み物そのものが需要者の目を惹くよう、様々な工夫が施されている。例えば、編み方を工夫して編地の表面に立体的な形状を形成する特許文献1のようなものが知られている。
立体的な形状を形成することにより、平面的に構成されるものと比べ目に留まりやすく、より、需要者の目を惹くと考えられる。
特許文献1の他に、図7(a)のように、花を模した形状の立体的な装飾用編み物が見受けられる。
花は古くから生活を彩るものとして、さらにはプレゼントとして、あらゆる場面で用いられており、広く人々に親しまれるものであった。また、人々に華やかさと彩りを与えるものとして、例えば、身を飾るものとしてのブローチや髪飾りなどのモチーフにもなっている。従来、このような経緯により、花を模した装飾用編み物は流通していたが、編み方を工夫することでその形状を立体的に形成するところまでは、なされていなかった。
図7(a)の装飾用編み物は、(b)の編み目記号にて示すとおり、鎖編みからなる一段目と、2目程度の長編み又は目を飛ばした鎖編み等からなる二段目とを備えることにより、一段目と二段目の間に複数の空間が生じており、その空間ごとに、複数の長編みと細編みを組み合わせて三段目を編み込むことによって、扇形又は略扇形の形状を形成する。三段目まで編んだものを(c)にて図示するとおり鎖編み方向に巻き、さらに、一段目の鎖編み部分をまとめて糸で束ね、形状を整えることにより、複数の扇形形状を花弁に見立て、(a)のような花を模した形状を制作する。
図7のような装飾用編み物は、立体的な形状を形成することによって需要者の目を惹き、また、人々に親しまれている花を模した形状を採用することによって、購買意欲を喚起させるものであると考えられる。さらに、編み物そのものを置物として、本物の花のように彩りを添えるものとして活用することができるため、この編み物は、装飾用編み物の多様性と可能性を示唆したものであるとも言える。
特開2007−107159号公報
しかしながら、図7のような編み方では、一段目と二段目の空間の大きさ、数、さらには長編みと細編みの組み合わせに変化を加えることで、花弁の大きさ、数にバリエーションを持たせることは可能であるものの、いずれにしても全体としては花の形状であり、その形状から大きく変化させることができない、という点で限界があった。
装飾用編み物の市場においても、図7の編み物に追従するように、扇形形状を花弁に見立てて、その大きさ、数、形状の異なる花を模して制作するといった例はあるものの、花の形状から脱することのない僅かな差異でしかなかった。装飾性を高めるための新たな工夫、例えば、花の形状に他のモチーフや図形を組み合わせるといった装飾用編み物としてのさらなる可能性については何ら示唆されておらず、いずれも花の形状のバリエーションの差にとどまるものであった。
前述のとおり、図7のような編み方では、構造上、他のモチーフや図形を組み合わせることは難しく、花の形状を有しながら、他のモチーフや図形を取り入れるには、従来の花の編み方とは異なるアプローチで編む必要があった。
一方、花とは異なる他のモチーフや図形同士を組み合わせた編み物も存在はしていたが、いずれも平面的に構成されたものであり、立体的に形成されることで需要者の目を惹くといった機能までも有するものではなかった。
本考案は、かかる課題を解決するために創案されたものである。すなわち、本考案の目的は、従来とは異なるアプローチで花を模した形状を立体的に形成することにより、その装飾性と需要者への興味の喚起を維持しながら、花と別の図形とを組み合わせた新たな形状を創作することにより、装飾用編み物のさらなる可能性を示唆することにある。
上記課題を解決するために、本願請求項1に記載の考案は以下の構成を有する。すなわち、
糸を編んで形成される装飾用の編み物において、
渦巻部と、丸型コーナー部と、角型コーナー部と、を備え、
前記渦巻部は、積層構造により立体的に形成され、
前記丸型コーナー部は、湾曲状に形成され、
前記角型コーナー部は、2つの直線又は略直線が交差した形状である、
ことを特徴とする装飾用編み物。
また、本願請求項2に記載の考案は以下の構成を有する。すなわち、
前記丸型コーナー部は、前記渦巻部の外周と、中心軸に対称又は略対称に形成され、
前記角型コーナー部は、該中心軸上に形成され、
前記編み物の平面視がハート形状である、
ことを特徴とする請求項1記載の装飾用編み物。
また、本願請求項3に記載の考案は以下の構成を有する。すなわち、
前記編み物が絹糸によって形成される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の装飾用編み物。
また、本願請求項4に記載の考案は以下の構成を有する。すなわち、
前記編み物がレース糸によって形成される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の装飾用編み物。
本考案の装飾用編み物は、積層構造を有する渦巻部により立体的な形状を形成していることから、次のような効果がある。
(1)積層構造を有し立体的に形成される渦巻部が、バラなどの花弁を想起させることにより、花を模した形状の立体的な装飾用編み物と同様に、需要者の目を惹き、興味を喚起することができる。
(2)積層構造を有する渦巻部により、簡略的に花の形状を模しながら、編み物全体としては、他のモチーフや図形を形成することが可能であり、編み物のさらなる装飾性と多様性を実現することができる。
本考案の一実施形態を示す平面図である。 本考案の一実施形態を示す斜視図である。 渦巻部を示す模式図である。(a)は平面図であり、(b)は斜視図である。 丸型コーナー部を示す模式図である。 角型コーナー部を示す模式図である。 本考案の制作工程と領域を図示したものである。(a)は第一領域から第三領域までを示しており、(b)は第一領域の上層に積層された第四領域を示している。 従来の編み方で制作された花を模した形状の装飾用編み物である。(a)は編み物の斜視図であり、(b)は編み目記号を用いて前記編み物の編み方を示したものである。(c)は前記編み物の制作工程のうち、立体形状を形成する工程を示した模式図である。
以下、本考案の実施の形態の一例を図に基づいて説明する。
図1は、糸を編んで形成される装飾用の編み物1である。編み物1は、渦巻部2と、渦巻部2に連結して形成される丸型コーナー部3と、編み物1の外周上に形成される角型コーナー部4とを含んでなるものである。なお、本考案における編み物1に用いられる糸は、毛糸に限らず、例えば、レース糸、刺繍糸、ミシン糸、絹糸などでも実現することができ、すなわち編むことのできる糸であれば、名称、用途、材質、太さは問わない。また、本考案の実施形態では、鉤針を用いて手編みで制作しているが、鉤針の種類は問わず、編み棒を用いて制作してもよい。さらに、機械編みで本考案を実施できるのであれば、機械編みでも構わない。
図2は、編み物1の斜視図である。この図に示されているとおり、渦巻部2の渦の中心部分2aと渦の外周部分2bとでは、高低差が生じている。この高低差は後述の積層構造によって生じるものであり、本考案では、この渦の中心部分2aと渦の外周部分2bとの高低差に基づいて、渦巻部2が立体的に形成されている、又は立体的な形状であると定義している。
図3にて示される渦巻部2は、複数のフェーズにより形成される。フェーズについては後述するが、第1及び第3フェーズで図3(a)にて示される渦の土台となる領域が形成され、後の第4フェーズではその土台となる領域の一部に積み重なるように渦巻部2の積層構造が形成される。本実施例では、この渦巻部2の積層構造は、連結部5から渦の旋回方向とは逆方向に向かって5目から10目まで行われる2目の増し目と、1目から4目まで及び11目以降に行われる細編みによって形成されている。渦巻部のどの部位から何目まで増し目を行うかについては実際に制作する編み物1の大きさ、形成する渦巻部2の大きさによっても異なる。より自然に立体的形状を形成するためには、図3(b)にて示されるとおり、渦の中心部分2aを基準にして略半周程度の編み目に増し目を施すのが望ましいが、これに限られるものではない。
例えば、1目から4目まで及び11目以降に行われる細編みを行わず、すべて増し目によって形成してもよい。さらに、積層構造を形成する2目の増し目を、3目の増し目又は長編みなど他の編み方に変更し、又は一部置き換えたとしても渦巻部2が立体的に形成されるのであれば、編み方と編み目の数は問わない。
なお、渦巻部2の渦の旋回数についても制限はない。図1及び図2で示される本実施形態のハート形状は略2周半の旋回により形成されているが、この旋回数は編み物1の形状や大きさによって変えてもよい。渦巻部2の旋回数が1周を超えるものであればおおむね本考案の効果を発揮することができる。一方、1周に満たない旋回数では、編み物1がハート形状である場合、後述する丸型コーナー部3を有する必要性に乏しく、また渦巻部2が渦巻の形状をなしていないため、本考案の効果を十分に発揮できないといった懸念がある。なお、このことは旋回数が1周以下となる渦巻部2の制作を妨げるものではない。さらに、本実施例のようなハート形状でなければ、その旋回数は何周でも構わない。
図4にて示される丸型コーナー部3は、渦巻部2の渦の土台と連結する連結部5が形成された後、形成される。本実施例では、この連結部5から渦巻部2の旋回方向とは逆方向に向かって円弧又は略円弧の形状の丸型コーナー部3が形成されている。なお、丸型コーナー部3は、円弧又は略円弧の形状であることが望ましいが、この形状に限定されるものではなく、湾曲状であればよい。
本実施例では、丸型コーナー部3は3目の長編みによって形成されるが、長編みの数は編み物1の形状や大きさ、さらに渦巻部2の大きさによっても異なるため、3目に限定されるものではない。また、長編み以外の編み方、例えば長々編みや中長編みを用いた場合でも、丸型コーナー部3の形状が湾曲状になるようであれば編み目の数や編み方は問わない。
本実施例のようにハート形状を制作する場合には、渦巻部2の渦の外周部分2bと、湾曲状に形成される丸型コーナー部3とが、連結部5と編み物1の中心部6を結ぶ中心軸7に対して対称又は略対称の配置となるように、丸型コーナー部3を形成するのが望ましい。このように形成することにより、渦巻部2の渦の外周部分2bと丸型コーナー部3の湾曲形状がいずれもハートの膨らみのように形成され、より装飾性を高めることが可能である。
図5にて示される角型コーナー部4は、丸型コーナー部3と同様の編み方向、すなわち渦巻部2の旋回方向とは逆方向に、編み物1の外周を形成するフェーズにおいて形作られる。
本実施例のように編み物1がハート形状であれば、連結部5と、編み物1の中心部6とを結ぶ中心軸7上に角型コーナー部4を形成することで、ハートの角を形成することができる。なお、厳密に中心軸7上である必要はなく、中心軸7近辺であれば構わないが、角型コーナー部4が中心軸7から離れるほどに、ハートの角が左右の膨らみのいずれかに寄って形成されるため、左右の一方が長い歪なハート形状となる。本実施例のように、中心軸7に対して対称又は略対称なハート形状を形成するためには、中心軸7上に角型コーナー部4を設けることが望ましい。
一方、編み物1がハート形状でなければ角型コーナー部4の位置は中心軸7上でなくてもよい。制作する編み物1の形状によって位置を変えても構わない。
角型コーナー部4は、本実施例ではピコット編みによって形成されている。具体的には細編み2目の引き抜きピコットを用いているが、角型コーナー部4を形成する上では細編み2目でなくてもよい。
例えば、細編みの目を増やして引き抜くことで、丸みは有するがより大きな角を形成することもできる。さらに、他の編み方、一例として中長編み、長編みを用いる場合には、細編みの引き抜きピコットよりも丸みを帯びた形状になる。本実施例では、ハートの角を強調するために細編み2目の引き抜きピコットを用いているが、前述のとおり角型コーナー部4の形状が丸みや大きさの点で異なるものの、他の編み方を用いてもよく、細編み2目の引き抜きピコットに限定されるものではない。
次に、本例を踏まえて、好ましい実施の形態について説明する。
本実施形態は、4つのフェーズからなる。なお、後述するフェーズと領域については、説明の便宜上、4つに分類したにすぎず、各領域が独立して形成されるものではない。本実施例では、編み糸を切ることなく連続してすべてのフェーズを形成することが可能である。
第1フェーズでは、図6(a)の第一領域F1に該当する、渦巻部2の土台の大部分が形成される。
まず、鉤針に糸を通し、輪を作り、立ち上がりから6目細編みを行う。6目細編みを行った後、編み目の内側を掬ってさらに6目細編みを行う。この結果、筒状の形状が形成される。
さらに、編み目の外側を掬って、1目につき2目ずつ増し目を行う。本実施形態では先に6目の細編みを行っているため、増し目により計12目となる。この増し目によって渦の原型を制作するが、このフェーズでは、渦巻の形状を形成するものであり、すなわち、平面的に中心部から外周部へと旋回する編み目を形作るものである。
なお、前述のとおり、使用する糸の種類や太さは問わず、鉤針の種類も、糸を編むことができればどのようなものでも構わない。また、鉤針ではなく編み棒を用いてもよい。さらに、機械編みで本考案が実施できるのであれば、機械編みを用いてもよい。なお、立ち上がりからの細編みの数は、本実施例の6目に限られるものではなく、制作する編み物の形状や大きさによって目の数を増減してもよい。さらに、細編みの代わりに、例えば鎖編みなど、他の編み方を用いてもよい。また、外周部へと旋回する渦の形状を形成するために、本実施例では1目につき2目の増し目を行うが、例えば長編み、長々編みなどで同様の効果が得られるのであれば、増し目以外の編み方でも構わない。
この第1フェーズでは、後の第3フェーズで角型コーナー部4を形成する部分に面した部分に、予め渦の角2cを設けておくとよい。本実施例では、細編み、長編み、細編みにより、渦の角2cを形成しており、渦の角2cを形成することによって、角型コーナー部4がより明確に、角として、すなわち2つの直線又は略直線が交差した形状として、判別できるようになる。
この渦の角2cは、本実施例では細編み、長編み、細編みにより形成しているが、この編み方に限定されるものではない。角として認識される編み方、例えば、引き抜き編み、中長編みのような編み方でもよく、他の編み方でも構わない。さらに、渦の角2cは、前述のとおり、角型コーナー部4の角の形状、すなわち2つの直線又は略直線が交差した形状をより明確にするためのものであるため、渦の角2cを設けることなく後の第3フェーズで角型コーナー部4を形成してもよい。
なお、渦の角2cを設けた場合には、本実施例では、その渦の角2cから、細編みを2回、増し目を行い、さらに細編み、同じ目に長編み、そして細編みを行う。この編み方は渦の旋回へ軌道修正するためのものであり、渦の角2cを設けない場合には組み込むことを要しない。また、他の編み方で代用できるのであればこの編み方でなくてもよい。
以上が第1フェーズであり、この編み方によってなるものが図6(a)の第一領域F1である。前述のとおり、この第一領域F1は渦巻部2の土台の大半を占める部分である。
次に第2フェーズについて説明する。第2フェーズでは、図6(a)の第二領域F2、すなわち連結部5と、丸型コーナー部3とを含む領域が形成される。
第2フェーズでは、まず、連結部5を形成する。この連結部5は、渦巻部2と丸型コーナー部3とを連結する部分である。
本実施例では、まずは細編みを行って、編み物1の裏側、すなわちこれまで編み込んだ側と反対の側にある渦の横糸を掬い、引き抜き編みを行う。さらに細編みを行うことで連結部5を形作る。
渦の横糸とは、形成される連結部5から中心部6方向を縦とした場合の横糸、すなわち中心軸7方向と垂直に表れる糸であり、この糸を用いることで、本実施例においては、ハート形状の二つの膨らみの間の窪みを明確に形成することができる。
連結部5が形成された後、再び編み物1の表側に戻り、丸型コーナー部3を形作る。
本実施例では、まずは細編みを行って、さらに、渦巻部2の渦の旋回方向とは逆方向に長編みを3目編む。この長編み3目が丸型コーナー部3となる。
前述のとおり、丸型コーナー部3が湾曲状になるのであれば、長編みの編み目の数は3目でなくてもよい。また、長編み以外の編み方、例えば長々編みや中長編みを用いてもよいが、本実施例では、丸型コーナー部3を長編み3目とすることにより、円弧又は略円弧形状に形成され、さらに渦巻部2の外周の形状と、中心軸7に対して対称又は略対称に形成される。
以上が第2フェーズであり、この編み方によってなるものが図6(a)の第二領域F2である。前述のとおり、この第二領域F2は連結部5と丸型コーナー部3とからなる領域である。
次に第3フェーズについて説明する。第3フェーズでは、図6(a)の第三領域F3、すなわち、連結部5と丸型コーナー部3を除く編み物1の外周が形成される。第三領域F3には、角型コーナー部4と、渦巻部2の外周も含まれる。
第2フェーズで形成された丸型コーナー部3から、長編みと同様の編み方向、すなわち渦巻部2の渦の旋回方向とは逆方向に、編地に沿って細編みを繰り返す。この連続した細編みが編み物1の外周を形成する。
なお、本実施例では外周を形成するために細編みを用いたが、細編みでなくてもよい。外周を形成するものであれば、他の編み方でも構わない。
細編みを繰り返し、中心軸7まで至った後、角型コーナー部4を形成する。中心軸7上に角型コーナー部4を形成することにより、中心軸7に対して対称又は略対称なハート形状を形成することができる。
本実施例では、細編み2目の引き抜きピコット編みを行い、さらに同じ穴に細編みを行うことによって角型コーナー部4を形成している。
前述のとおり、角型コーナー部4を形成する上では他の編み方を用いてもよいが、本実施例では、ハートの角を強調するために細編み2目の引き抜きピコット編みを用いている。
なお、第1フェーズにおいて、渦の角2cを形成している場合には、角型コーナー部4の角の形状、すなわち2つの直線又は略直線が交差した形状がより明確になる。
角型コーナー部4を形成した後、さらに渦巻部2の渦の外周部分2bを含む領域まで細編みを繰り返し、渦巻部2の外周を形成しながら膨らみを整える。すなわち丸型コーナー部3と中心軸7に対して対称又は略対称に形成される渦巻部2の外周において、その湾曲した形状が明確となるよう、細編みで整形する。
このように形成された渦の外周と、第1フェーズで形成された第一領域F1とは、渦巻部2の積層構造において土台となるものである。
渦巻部2の外周を形成しながら、細編みを繰り返すと、連結部5に至る。この連結部5までの外周が第3フェーズであり、この第3フェーズで形成されたものが図6(a)の第三領域F3である。前述のとおり、この第三領域F3は連結部5と丸型コーナー部3を除く編み物1の外周であり、角型コーナー部4と、渦巻部2の外周が含まれる領域である。
第3フェーズの連結部5から、さらに編み目方向、すなわち第1フェーズで形成された渦巻部2の渦の形状に沿って、渦の中心まで編み進めていくのが第4フェーズである。このフェーズでは、図6(b)の第4領域F4で示されるとおり、渦巻部2の積層構造において渦の土台に積み重なる部分が形成される。
第3フェーズで外周を形成するのと同様に、第4フェーズにおいても本実施例では編地に沿って細編みを繰り返し行う。具体的には、連結部5に面した部分から、編み目方向、すなわち第1フェーズで形成された渦の旋回とは逆方向に、渦の中心に向かって、細編みを4目行う。
次の5目から渦の中心部分2aに向かって10目まで、1目につき2目の増し目を行う。この増し目を行う部分が渦巻部2においてもっとも高い位置に形成される。
さらに渦の中心部分2aから渦の中心まで、すなわち11目から最後の目までは、編地に沿って細編みを行う。
本実施例では、1目から4目まで及び11目以降に細編みを行い、5目から10目まで増し目を行うことにより積層構造を形成しているが、前述のとおり、増し目の数はこれに限られるものではなく、第4フェーズの始めから細編みを行うことなく増し目を行ってもよい。
さらに長編みなど他の編み方を用い、又は一部置き換えたとしてもこの積層構造が形成され、渦巻部2が立体的に形成されるのであれば他の編み方でも構わない。
なお、本実施例で積層構造を形成するために5目から10目まで増し目を行う意図としては、渦巻部2の積層構造を実際の花弁の形状に近づけるためである。
本実施例が想定したバラのような花では、めしべ、おしべなどが含まれる中心部近辺では、花弁が密集し屹立しているのに対し、周辺部に至るにつれて花弁が自重により曲折している。
そこで、渦の中心部分2aに向かって、増し目を略半周程度施すことにより、花の中心部近辺の様を模しているのである。この増し目の数が少なすぎると花を模しているようには見えず、さらに多すぎると、渦の土台に細編みが積み重なる段階を経ることなく増し目が行われることで、渦の土台と比べて突如高く積層構造が形成されることとなり、需要者に不自然な印象を与える。本実施例のように、細編みを4目行い、さらに増し目を5目行うことにより、段階的に積層構造を形成していくことが望ましい。
しかしながら、本考案では渦巻部2に積層構造を有していればよく、前述のとおり、本実施例のような編み方に限定されるものではない。
以上が第4フェーズであり、このように形成された領域が図6(b)の第四領域F4である。前述のとおり、この第四領域F4は渦巻部2の積層構造において渦の土台に積み重なる領域である。
このようにして渦の中心まで編み終えたら、編み目を出し編み糸を処理する。編み糸の処理は、糸が解けない方法であればどのようなものでも構わない。
本考案の装飾用編み物は、積層構造を有し立体的に形成される渦巻部と、丸型コーナー部と、角型コーナー部と、を備えることで、花を模した形状の装飾用編み物と同様に需要者への興味を喚起しながら、さらに編み物全体としては他のモチーフや図形を形作ることが可能となっている。これにより、編み物の装飾性をさらに高め、装飾用編み物の多様性とさらなる可能性を示唆することで、編み物及びニット業界の産業の発達に寄与している。
1 編み物
2 渦巻部
2a 渦の中心部分
2b 渦の外周部分
2c 渦の角
3 丸型コーナー部
4 角型コーナー部
5 連結部
6 中心部
7 中心軸
F1 第一領域
F2 第二領域
F3 第三領域
F4 第四領域
上記課題を解決するために、本願請求項1に記載の考案は以下の構成を有する。すなわち、
糸を編んで形成される装飾用の編み物において、
渦巻部と、丸型コーナー部と、角型コーナー部と、を備え、
前記渦巻部は、平面視が渦巻状であって内部に配置される部分と、湾曲状に形成される外周部と、を有し、
前記丸型コーナー部は、湾曲状に形成され、
前記角型コーナー部は、2つの直線又は略直線が交差した形状であり、
前記渦巻部であって、前記内部に配置される部分は、積層構造により立体的に形成され、
前記渦巻部の外周部と、前記丸型コーナー部と、前記角型コーナー部と、を含んで外周が形成された、
ことを特徴とする装飾用編み物。
また、本願請求項2に記載の考案は以下の構成を有する。すなわち、
前記渦巻部と前記丸型コーナー部とが連結する連結部と、前記編み物の中心部と、を結ぶ中心軸に対して、前記丸型コーナー部及び前記渦巻部の外周部が対称又は略対称に形成され、
前記角型コーナー部は、前記中心軸上に形成され、
前記渦巻部の外周部と、前記丸型コーナー部と、前記角型コーナー部と、を含んでなる外形の平面視がハート形状である、
ことを特徴とする請求項1記載の装飾用編み物。

Claims (4)

  1. 糸を編んで形成される装飾用の編み物において、
    渦巻部と、丸型コーナー部と、角型コーナー部と、を備え、
    前記渦巻部は、積層構造により立体的に形成され、
    前記丸型コーナー部は、湾曲状に形成され、
    前記角型コーナー部は、2つの直線又は略直線が交差した形状である、
    ことを特徴とする装飾用編み物。
  2. 前記丸型コーナー部は、前記渦巻部の外周と、中心軸に対称又は略対称に形成され、
    前記角型コーナー部は、該中心軸上に形成され、
    前記編み物の平面視がハート形状である、
    ことを特徴とする請求項1記載の装飾用編み物。
  3. 前記編み物が絹糸によって形成される
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の装飾用編み物。
  4. 前記編み物がレース糸によって形成される
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の装飾用編み物。
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