JP3219977B2 - 管体の内径測定方法およびその装置 - Google Patents

管体の内径測定方法およびその装置

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  • A Measuring Device Byusing Mechanical Method (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は鋼管やアルミ管、
プラスチック管等の管体の内径をその一端(開口端)か
ら挿入する仕組みの接触子にて人手を煩わすことなく簡
便、かつ、正確に測定しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、管体の内径を測定するに当たって
は、図1に示すように2本の接触子eを管体pの開口端
から挿入してその内壁面にそれぞれ接触させ、接触子e
の相互間隔xを測定することによって求めていたが、と
くに重量が重くその長手方向に撓んでいるようなものに
あっては管端が上あるいは下に反っていたり、管体の配
列が悪いために装置の測定中心と管体の軸心がずれてい
ることもあり接触子を単に挿入しただけでは正確な測定
ができない不利があった。
【0003】通常、このような測定においてはその測定
誤差は許容される範囲として無視されることが多かった
が、例えば、直径が200 mm、管端における曲がりが約1
°程度あるものでは30μm 程度の誤差が生じるため、測
定誤差を10μm 以下にする必要があるものにおいてはそ
のままでは実用に供し難く、管体の内径を正確に、しか
も人手を煩わすことなく自動的に測定できる手段の開発
が望まれていた。なお、より正確な測定を目指した提案
としては実開昭55-9421 号公報や実開昭57-97206号公報
のようなものがみられるが、連続ラインでの自動計測を
実現するまでには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、管
体に反り等があってもその内径を簡便かつ正確に、しか
も自動的に測定できる新規な測定方法およびその装置を
提案するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、管体内壁面
の2箇所に接触させる一対の接触子を結ぶ直線が、該管
体の軸中心を通り、かつ該管体の軸中心に対し略直角の
径方向に延びるものであるとき、この直線と管体の内壁
面との交点における2箇所の座標を求め、この座標を基
にして下記式に従い管体の内径を決定することを特徴と
する管体の内径測定方法である。 記 d={(z−z2+(y−y21/2 d:管体の直径 z:管体の径方向における座標 y:管体の長手方向における座標
【0006】また、この発明は、管体の少なくとも一方
の開口端においてその内径を測定する装置であって、こ
の装置は、管体の開口端に接触する当金を有し該管体に
近接、離隔する向き(管体の長手方向)に個別に移動可
能な一対の移動ブロックと、この移動ブロックのそれぞ
れに保持されブロックの動きと交差する向き(管体の径
方向)に移動可能で管体の径の中心を通る直線上におい
て管体の内壁面に接触する一対の接触子と、各移動ブロ
ックおよび接触子の移動量をそれぞれ検出する検出器
と、この位置検出器にて検出された移動ブロックおよび
接触子の移動量から接触子と管体の内壁面との接触点の
存在位置を把握しその存在位置から管体の内径を算出す
る演算器からなる、ことを特徴とする管体の内径測定装
置である。
【0007】
【発明の実施の形態】複数本の管体を連続的に搬送し、
その途中で管体の開口端において内径を測定する図2に
示すようなラインにおいては、管体の自重による撓みに
よりその端部が上あるいは下に反っていたり、管体の配
列が悪いため装置の測定中心と管体の軸心がずれている
場合がほとんどであって測定誤差の発生は避けられない
が、この発明においては、管体の径の中心を通る直線と
この直線と交わる管体の内壁面との少なくとも2点にお
ける座標を求め、これを基に三平方の定理(ピタゴラス
の定理)を用いて管体の内径を決定するものであるか
ら、管体の撓み等に起因した反りの影響を受けることな
しにその内径を正確に把握できることになる。
【0008】
【実施例】図3にこの発明に従う測定装置の構成を示
す。図における番号1a,1bは管体pの開口端に接触
する当金c1 ,c2 を有する移動ブロックであって、こ
の移動ブロック1a,1bはそれぞれ液圧シリンダ
1 ,S2 によって管体pに対して近接、離隔する向き
(図中におけるz方向)に個別に移動できるようになっ
ている。
【0009】また、2a,2bは移動ブロック1a,1
bにそれぞれ保持され液圧シリンダS3 ,S4 によって
ブロックの動きと交差する向き(管体の径方向であって
図中ではy方向とする)に移動可能で管体pの径の中心
を通る直線上においてその内壁面に接触する接触子、3
a,3bは移動ブロック1a,1bの原点oに対するz
方向の移動量を検出する位置検出器、また、4a,4b
は接触子2a,2bの原点oに対すy方向の移動量を検
出する位置検出器であって、位置検出器3a,3b、4
a,4bにて検出された移動ブロック1a,1bおよび
接触子2a,2bの移動量から接触子2a,2bと管体
pの内壁面との接触点p1 ,p2 の存在位置を、原点o
を基準にした座標(za ,ya ),(zb ,yb )とし
てそれぞれ演算器によって把握し、これに基づきd=
{( za −zb ) 2 + (ya −yb) 2 1/2 から管体
pの内径dを算出する。
【0010】上記の構成になる装置にて管体pの内径を
測定するには、管体pを装置の前面まで搬送し、ここで
管体pの搬送を一たん停止しその状態で移動ブロック1
a,1bおよび接触子2a,2bを移動させ接触子2
a,2bの先端を管体pの内壁面に接触させる。
【0011】接触子2a,2bが管体pの内壁面に接触
すると位置検出器3a,3b、4a,4bによる位置の
検出と検出された位置に基づく演算器での演算にて管体
pの内径dが即座に算出される。
【0012】内径測定装置を構成する接触子2a,2b
は少なくとも2方向(z方向、y方向)に移動可能であ
って、管体pに反りが生じていたり装置の測定中心と管
体pの軸心がずれていても接触点p1 ,p2 と管体pの
径の中心を常に一直線上にあるようにすることにより、
図3に示すy1 寸法、z1 寸法から内径が求められるこ
とになり、測定誤差に関しては通常の30μm 程度から8
μm 程度と極めて小さくすることができる。
【0013】この発明においては管体pの内径を2つの
接触子を用いて求める場合について説明したが、接触子
を複数個使用すれば内径の測定だけでなく管体pの変形
状況も把握できる利点がある。また、各種のサイズにな
る管体の測定に対応させるべく、液圧シリンダS1 ,S
2 を保持するベースB1 ,B2 の相互間隔Aを変更可能
な構造にしておき、各種のセンサーを利用して管体pの
搬送、停止に合わせて装置を作動させるようにすれば人
手に頼らない自動測定が可能になる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
管体が撓んでいたり測定装置の測定中心と管体の軸心が
ずれていても簡便に、しかも正確に管体の内径を測定す
ることが可能で測定作業の自動化によって省力化が可能
であるし品質管理の改善を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の内径測定要領の説明図である。
【図2】管体の内径の測定状況を示した図である。
【図3】この発明に従う測定装置の構成説明図である。
【符号の説明】
1a 移動ブロック 1b 移動ブロック 2a 接触子 2b 接触子 3a 位置検出器 3b 位置検出器 4a 位置検出器 4b 位置検出器 c1 当金 c2 当金 p 管体 S1 液圧シリンダ S2 液圧シリンダ S3 液圧シリンダ S4 液圧シリンダ d 内径 o 原点 B1 ベース B2 ベース A 間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 5/00 - 5/30 G01B 21/00 - 21/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管体内壁面の2箇所に接触させる一対の接
    触子を結ぶ直線が、該管体の軸中心を通り、かつ該管体
    の軸中心に対し略直角の径方向に延びるものであると
    き、この直線と管体の内壁面との交点における2箇所の
    座標を求め、この座標を基にして下記式に従い管体の内
    径を決定することを特徴とする管体の内径測定方法。 記 d={(z−z2+(y−y21/2 d:管体の直径 z:管体の径方向における座標 y:管体の長手方向における座標
  2. 【請求項2】 管体の少なくとも一方の開口端において
    その内径を測定する装置であって、この装置は、管体の
    開口端に接触する当金を有し該管体に近接、離隔する向
    きに個別に移動可能な一対の移動ブロックと、この移動
    ブロックのそれぞれに保持されブロックの動きと交差す
    る向きに移動可能で管体の径の中心を通る直線上におい
    て管体の内壁面に接触する一対の接触子と、各移動ブロ
    ックおよび接触子の移動量をそれぞれ検出する検出器
    と、この位置検出器にて検出された移動ブロックおよび
    接触子の移動量から接触子と管体の内壁面との接触点の
    存在位置をそれぞれ把握しその存在位置から管体の内径
    を算出する演算器からなる、ことを特徴とする管体の内
    径測定装置。
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