JP3219853U - 放射性健康増進マット - Google Patents
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Abstract
【課題】放射性粉状物から放射される少量(100mSv/年に制限)の放射線を浴びることによってホルミシス効果を得ると供に、セラミックスから放射される育成光線を人の身体に安全且つ安心して使用できる健康増進に資する放射性健康増進マットを提供する。【解決手段】自然界に存在する放射性物質を含む鉱石を粉状化した放射性粉状物10を利用する健康器具であって、放射性粉状混合物30と、容体40と、包装部材50と、から構成され、容体40に放射性粉状混合物30を充填し、包装部材50は容体40を被覆し、放射性粉状混合物30が放射性粉状物10に育成光線を放出するセラミックス粉状物20を混合することにより放射性粉状物10から放射される年間の実効線量が100mSv/年未満となるように調整した。【選択図】図1
Description
本考案は健康器具に関し、詳しくは、自然界に存在する放射性物質の粉状物から放出される放射線と、セラミックスの粉状物から放出される育成光線(遠赤外線の波長領域の中で6から14μmの波長)との相乗効果から、ホルミシス効果や血行の増進など、及びマイナスイオンの発生による癒し効果などの健康増進に資する放射線粉状物を利用したマットの技術に関する。
自然界には、大地に天然の放射性物質を含み、大気中には宇宙線が窒素などにあたることで、天然の放射性物質が常に作られており、アルファ線を放出するウラン−238、トリウム−232、ラジウム−226、ラドン−222、ベータ線を放射する炭素14やトリチウム(三重水素)3、ベータ線とガンマ線を放射するカリウムなどから被爆している。
これらの天然の放射性物質の中には食品中に含まれているものもあり、最も多いのは、カリウム−40である。カリウムはすべての動植物に必須な元素で、3つの同位体があるカリウム39、41はほとんど放射線を出さないが、カリウム−40は、わずかながら(0.01%程度のベータ線とガンマ線を放出する。従って、人間の体内にも、放射性物質が常に存在しているといえる。
更に、人間は宇宙線から年間約390μSv(マイクロシーベルト、:0.39mSv)、地殻・建材などに含まれている自然放射性核種(天然放射性核種)から年間約480μSv(0.48:mSv)の外部被曝を受けているといわれている。そして体内に存在している自然放射性核種(カリウム−40炭素−14)から年間約290μSv(0.29mSv)の内部被曝を受けている。これらに加え、空気中に含まれているラドンから年間約1260μSv(1.26mSv)の被曝を受けている。これらを合わせた自然界からの年間被曝線量は世界平均で約2400μSv(2.4mSv)前後、日本においては約2100μSv(2.1mSv)とされている。
これらの被爆は、確定的影響と確率的影響の二種類の影響を受けることとなり、確定的影響は被ばく線量を下げれば障害を防止でき、確率的影響は線量を下げると障害を発生する確率を下げることができる。放射線を人体に受けると遺伝子(DNA)が傷つき、障害を発生させるおそれもあるが、これは、放射線が直接DNAを切断したり、放射線により体内の水が電離してできたラジカルでDNAを切断するからであり、DNAには修復能力があるので、完全に修復されれば問題はないといわれている。
科学上も過去に何度か「少しの被曝は体内活動を活性化するので健康に良い」という視点で研究が行われ、そういったものの1つに放射線ホルミシス仮説がある。ミズーリ大学のトーマス・D・ラッキー教授へNASAが宇宙における放射線の宇宙飛行士への身体への影響調査を依頼し、その調査結果の発表に端を発するもので、日本では電力中央研究所の放射線安全研究センターによる検証プロジェクトに繋がったという経緯がある。
そこで、係る放射線ホルミシス効果を期待して、本考案者以外にも種々の技術が提案されている。例えば、発明の名称を「天然放射性鉱石を利用した健康用具の製造方法」とする技術が提案され、公知技術となっている(特許文献1参照)。具体的には、「天然鉱石を砂状に粉砕した鉱石粉末に、元素の周期表で分類された銅族の金属を活性炭に蒸着した蒸着活性炭を体積比で5%から20%添加し混合して、軽く伸縮性があるジャージ素材に包み込んで縫製し、内包した鉱石粉末から放出される低線量の放射線刺激によるホルミシス効果と、銅属の金属が放出する金属イオンによる抗菌効果を用いてより活性効果を高める」というものである。
特許文献1に記載の発明は、ホルミシス効果と、銅属の金属を活性炭に蒸着した蒸着活性炭を混合することで銅属の金属が放出する金属イオンによる抗菌効果を用いるものであることから、本考案と近似する技術といえる。しかしながら、実効線量を安全な範囲で抑えるための手段として、本考案ではセラミックスを用いたことが大きく相違しており、また、蒸着活性炭を混合することは製造工程における煩雑であり、製造工程での製造負担が大きいといえる。また、本考案は、物の構造に基づく効果の予測が困難な技術分野に属する考案であって、係る技術は異なる概念で表現された構成要素、又は事実上若しくは形式上の選択肢で表現された構成に包含される別の構成要素で表現した考案であるが、効果が大きく異なるものである。
また、発明の名称を「装身具用合成樹脂組成物及び装身具」とする技術が提案され、公知技術となっている(特許文献2参照)。具体的には、「合成樹脂100重量%に対し、ゲルマニウム1〜30重量%、トルマリン1〜10重量%、シリカ0〜10重量%、放射性鉱物、装身具における窪みに嵌入可能な形状に形成した、用いられる合成樹脂がシリコン樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂」というものである。しかしながら、特許文献2に記載の発明は、本発明の課題と同様に、人の健康に資するものであるが、配合する放射性1〜30鉱物を、ゲルマニウム、トルマリン、といった放射性鉱物の配合を特定しているものの、これに更に放射性鉱物を1〜30%配合するという構成であり、合成樹脂に混合する放射性鉱物の種類や割合が不明確である。
なお、ゲルマニウムには、B型慢性肝炎の治療に承認されている医薬品としてのプロパゲルマニウムがあるが、それ以外にも、有機ゲルマニウム食品から摂取されたゲルマニウム化合物は、体内で吸収されやすく、全身に広く分布し、脾臓に最も高濃度に存在する。そして、主に腎臓から排泄され、半減期(体内からその半分量が除去される期間)は、1〜4日であり、1日の服用量も30mg(10mg×3回)と制限されており、サプリメントとして用いられている有機ゲルマニウムの体内動態については、一般に明らかにされていないため、何れにせよ、構成が技術的に不明確である。
また、発明の名称を「健康マット」とする技術が提案され、公知技術となっている(特許文献3参照)。具体的には、「微粉末状の樹脂フレークに人工又は自然石等の微量放射性物質微粉末を均質に混合させて布帯を形成し、その間に複数の振動磁場ユニットコアを組み込んだ。振動磁場ユニットコア、中空円板の表面単極のペーパー状磁石を奇数枚互いに吸引するようにN極、S極を組合せた外郭用コア磁石と、偶数枚のペーパー磁石を互いに吸引するようにN極、S極を組み合わせた内部用コア磁石とを有し、該内部用コア磁石をその表面磁極が前記外郭用コア磁石の表面磁極と同一方向となるように該外郭用コア磁石の中心部空間に配置した」というものである。しかしながら、特許文献3に記載の発明は、放射性物質微粉末を微粉末状の樹脂フレークに混合させて布帯を形成するもの、又は磁気を用いている点において本考案と大きく相違している。
また、発明の名称を「健康用袋」とする技術が提案され、公知技術となっている(特許文献4参照)。具体的には、「カイロの保持用袋の片面又は両面に、遠赤外線放射性物質層を形成してなるもので、カイロにより発生する熱の温熱効果と遠赤外線の作用により血液の循環をよくし、健康を促進する」というものである。しかしながら、特許文献4に記載の発明は、安全性や放射性物質の特性について何ら特定しておらず、セラミックスから放射される育成光線を人の身体に安全且つ安心して使用できる健康増進に資する健康器具を提供するという本考案の課題を解決するに至っていない。
本考案は、放射性粉状物から放射される少量(100mSv/年)の放射線を浴びることによってホルミシス効果を得ると供に、セラミックスから放射される育成光線を人の身体に安全且つ安心して使用できる健康増進に資する健康器具の提供を課題とするものである。
本考案は、自然界に存在する放射性物質を含む鉱石を粉状化した放射性粉状物を利用する健康器具であって、放射性粉状混合物と、容体と、包装部材と、から構成され、前記容体に前記放射性粉状混合物を充填し、前記包装部材は前記容体を被覆し、前記放射性粉状混合物が前記放射性粉状物に育成光線を放出するセラミックス粉状物を混合することにより前記放射性粉状物から放射される年間の実効線量が100mSv/年未満となるように調整する構成を採用した。
また、本考案は、前記容体を二重に覆装する構成を採用することもできる。
また、本考案は、前記容器の内部壁の片側の一部又は全部に、放射線を遮断する放射線遮断部材を備える構成を採用することもできる。
また、本考案は、前記放射性粉状混合物に可撓性を有する粘着剤を含有させるか、若しくは該粘着剤が塗布されたシートに前記放射性粉状混合物を付着させる構成を採用することもできる。
また、本考案は、前記シートに空間部を設けて、該空間部に前記放射性粉状混合物を充填させる構成を採用することもできる。
本考案に係る放射性健康増進マットによれば、少量の放射線を浴びることによってホルミシス効果を得られるという優れた効果を発揮するものである。
また、本考案に係る放射性健康増進マットによれば、放射線の照射量を100mSv/年に制限されていることから、人の健康に害を及ぼすおそれがなく、安全且つ安心して使用できるという優れた効果を発揮するものである。
また、本考案に係る放射性健康増進マットによれば、育成光線を放出するセラミックスを粉状化したセラミックス粉状物が混合されているため、6から14μmの範囲による波長光線を照射するので、係る波長領域の光線が人間に作用すると言われている、水の酸化還元電位を下げて抗酸化作用を促すとともに、アルカリ化し、細胞、筋肉、臓器といった細胞の組織の活性化を促すという優れた効果を発揮する。
また、本考案に係る放射性健康増進マットによれば、遠赤外線領域の照射により体温が上昇し、血行が良くなることが考えられ、低線量の放射線放射の被爆に対する回復時において、体内で多く生産される癌壊死因子により、体内で生産されるがん細胞を破壊してくれるという優れた効果を発揮することが期待できるものである。
本考案に係る放射性健康増進マット1は、自然界に存在する放射性物質を粉状化した放射性粉状物10に、育成光線を放出するセラミックスを粉状化したセラミックス粉状物20を混合することで、年間の実効線量80が100mSv未満となるように調整したことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本考案の技術的思想の創作として発揮する効果が得られる範囲内で変更可能である。
図1は、本考案に係る放射性健康増進マット1の概略を説明する説明図であり、図1(a)は、本考案に係る放射性健康増進マット1全体の構成を説明するための全体説明図であり、図1(b)は、本考案に係る放射性健康増進マット1の容体40内部に充填された放射性粉状物10の混合状態を説明するための断面図である。
放射性健康増進マット1は、放射性粉状物10と、セラミックス粉状物20とを混合した放射性粉状混合物30を可撓性を有する容体40内に充填し、該容体40を包装部材50にて覆装することを基本構成とするものである。以下、それぞれ構成部材について説明する。
放射性粉状物10は、自然界に存在するものを使用し、例えば、世界的にはトリウムを含む砂の産地として、中国の広東省・陽江県(平均3.5mSv/年、最高5.4mSv/年)、インドのケララ州(平均3.8mSv/年、最高35mSv/年)、ブラジルのガラパリ(平均5.5mSv/年、最高35mSv/年)や、イランの温泉の噴出によるラジウム(平均10.2mSv/年、最高260mSv/年)があり、国内では、鳥取県の三朝温泉(鳥取県東伯郡三朝町三朝)や秋田県の玉川温泉(秋田県仙北市田沢湖多摩川字渋黒沢)などがラジウムを含む鉱石の採掘場所として存在しており、これらの各地域で採掘される鉱石等は、それぞれに放射線量が異なるため、ジョークラッシャーや、鉱石粉砕ミル等の粉砕機により粉砕して粉状とし、ガイガーカウンター(電磁放射線検出器)等を用いて実効線量80が年間100mSv未満となる量にとどめる。また、粉砕時の粒径は容体40が繊維質やメッシュ構造の素材等では編み目の隙間から流出しない大きさにすることが必要である。
放射性粉状物10の原料としては、中性子線を用いて人工的に作られるクリプトン−85、コバルト−60、ストロンチウム−90、或いはプルトニウム等では製造装置や生産コスト等が問題となり、トリチウムのように化合物が水であるものでは、本考案の放射性粉状物10として利用しにくく、また、大気中で宇宙線と反応して作られる炭素−14やヨウ素−129等も同様であり、更に生成量の少ないテクネチウム等は入手が困難となる。
そこで、鉱石、岩石中に含まれるか、金属等に含有して取り込み可能な原料を粉砕することによって得るものとする。下記に具体的な放射性物質の例、及びその放射性物質から放出される放射線から実効線量80を算出するための参考例を示す。
(炭素−14)
炭素−14はベータ線を放出する。放出量は10,000Bqの炭素−14を含む有機物を経口摂取した時の実効線量80は0.0058mSv、10,000Bqを含む二酸化炭素を吸入した時の実効線量80は0.000065mSvになる。二つの間には約100倍の差がある。天然に存在する炭素−14による年間被曝線量は組織などによって異なり、骨格組織で0.024mSv、生殖腺組織では0.05mSvとなっている。
炭素−14はベータ線を放出する。放出量は10,000Bqの炭素−14を含む有機物を経口摂取した時の実効線量80は0.0058mSv、10,000Bqを含む二酸化炭素を吸入した時の実効線量80は0.000065mSvになる。二つの間には約100倍の差がある。天然に存在する炭素−14による年間被曝線量は組織などによって異なり、骨格組織で0.024mSv、生殖腺組織では0.05mSvとなっている。
(カリウム−40)
カリウム−40は、ガンマ線を放出する。人の体内に4000Bq程度存在し、体内に入ると全身に広く分布する性質を有する。天然に存在する放射能として、内部被曝による線量が大きいものの一つと考えられる。内部被曝が重要で、10,000Bqを経口摂取した時の実効線量80は0.062mSvである。体内に常に同じ量が存在するので、線量は推定やすい。生殖腺や他の柔組織に対する年間線量は0.18mSv、骨に対しては0.14mSvである。ガンマ線による外部被曝も無視はできない。1kgのカリウムから1mの距離における年間線量は0.0055mSvであり、普通の場所での年間線量は0.01mSvに達することもある。
カリウム−40は、ガンマ線を放出する。人の体内に4000Bq程度存在し、体内に入ると全身に広く分布する性質を有する。天然に存在する放射能として、内部被曝による線量が大きいものの一つと考えられる。内部被曝が重要で、10,000Bqを経口摂取した時の実効線量80は0.062mSvである。体内に常に同じ量が存在するので、線量は推定やすい。生殖腺や他の柔組織に対する年間線量は0.18mSv、骨に対しては0.14mSvである。ガンマ線による外部被曝も無視はできない。1kgのカリウムから1mの距離における年間線量は0.0055mSvであり、普通の場所での年間線量は0.01mSvに達することもある。
(鉛−210)
鉛−210はベータ線を放出し、ビスマス−210になり、低エネルギーのガンマ線を放出する。また、ビスマス−210も崩壊してポロニウム−210となり、アルファ線を放出して鉛−206となる。即ち、鉛−210があればポロニウム−210もあることとなる。鉛−210は、10,000Bqを経口摂取した時の実効線量80は6.8mSvになる。自然界に存在する鉛−210と崩壊生成物による年間被曝線量は、骨髄で0.14mSv、骨表面で0.7mSvとされている。骨格に入ったものは60%が1ヶ月以内、20%が1年以内に排泄され、残りの20%は長い間そこに残るとされている。
鉛−210はベータ線を放出し、ビスマス−210になり、低エネルギーのガンマ線を放出する。また、ビスマス−210も崩壊してポロニウム−210となり、アルファ線を放出して鉛−206となる。即ち、鉛−210があればポロニウム−210もあることとなる。鉛−210は、10,000Bqを経口摂取した時の実効線量80は6.8mSvになる。自然界に存在する鉛−210と崩壊生成物による年間被曝線量は、骨髄で0.14mSv、骨表面で0.7mSvとされている。骨格に入ったものは60%が1ヶ月以内、20%が1年以内に排泄され、残りの20%は長い間そこに残るとされている。
(ポロニウム−210)
ポロニウム−210はアルファ線を放出する。ポロニウム−210は、体内摂取による内部被曝が問題になる。10,000Bqを吸入した時の実効線量80は22mSv、経口摂取した時は2.4mSvになる。
ポロニウム−210はアルファ線を放出する。ポロニウム−210は、体内摂取による内部被曝が問題になる。10,000Bqを吸入した時の実効線量80は22mSv、経口摂取した時は2.4mSvになる。
(ラドン−222)
ラドン−222はアルファ線を放出する。天然に存在する放射能による被曝の中で、ラドン−222によるものが最も大きいといえる。ラドン−222は、内部被曝よりも短寿命放射能の影響が大きく、特に吸入した粉塵に付着した放射能から放出されるアルファ線が問題になる。10,000Bqを吸入した時の実効線量80は0.065mSvとしている。
ラドン−222はアルファ線を放出する。天然に存在する放射能による被曝の中で、ラドン−222によるものが最も大きいといえる。ラドン−222は、内部被曝よりも短寿命放射能の影響が大きく、特に吸入した粉塵に付着した放射能から放出されるアルファ線が問題になる。10,000Bqを吸入した時の実効線量80は0.065mSvとしている。
国連科学委員会は、ラドン濃度を40Bq/m3、短寿命放射能との平衡達成率を0.4と想定した時のラドンによる年間実効線量80は1.0mSvと評価している(この値には±30%程度の誤差があると考える方がよい)。アメリカ環境保護庁は、室内ラドン濃度をできれば75Bq/m3以下に下げることを勧告している。アメリカなどでは、不動産取引の際のラドン濃度の測定が義務付けられている。
(ラジウム−226)
ラジウム−226はアルファ線を放出する。ラジウム−226はカルシウムと似た性質を持つ。体内に入ると、骨の内部に不均一に分布する。骨に入ると長く残留する。骨の内部に入ったラジウム−226の崩壊で生ずるラドン−222の70%が、血液を通って体外に放出される。体内に残っているラジウム−226の量は1.1Bqで骨の中に1Bqが存在し、一日のラジウム−226の摂取量は0.1Bq以下とされている。ラジウム−226は、鉱石中のウラン1tに0.32gが含まれる。玄武岩、花こう岩、及び堆積岩1kgに含まれるラジウム−226の量はそれぞれ5.2Bq、53Bq、及び37Bqである。
ラジウム−226はアルファ線を放出する。ラジウム−226はカルシウムと似た性質を持つ。体内に入ると、骨の内部に不均一に分布する。骨に入ると長く残留する。骨の内部に入ったラジウム−226の崩壊で生ずるラドン−222の70%が、血液を通って体外に放出される。体内に残っているラジウム−226の量は1.1Bqで骨の中に1Bqが存在し、一日のラジウム−226の摂取量は0.1Bq以下とされている。ラジウム−226は、鉱石中のウラン1tに0.32gが含まれる。玄武岩、花こう岩、及び堆積岩1kgに含まれるラジウム−226の量はそれぞれ5.2Bq、53Bq、及び37Bqである。
(トリウム−232)
トリウム−232はアルファ線を放出する。トリウム−232は地殻に多く含まれ、玄武岩、花こう岩、及び石灰岩1kgに含まれるトリウム−232の重量はそれぞれ1.6mg、23mg、及び17mgである(玄武岩1kg中の放射線量は6.5Bqに相当する)。
トリウム−232はアルファ線を放出する。トリウム−232は地殻に多く含まれ、玄武岩、花こう岩、及び石灰岩1kgに含まれるトリウム−232の重量はそれぞれ1.6mg、23mg、及び17mgである(玄武岩1kg中の放射線量は6.5Bqに相当する)。
(ウラン−235)
ウラン−235はアルファ線を放出する。不溶性の二酸化ウランの10,000Bqを吸入した時の実効線量80は61mSv、経口摂取した時は0.083mSvになる。可溶性の硝酸ウラニルの10,000Bqを吸入した時の実効線量80は6.1mSv、経口摂取した時は0.44mSvになる。ウラン−235は天然ウランに0.72%含まれ、ガボン共和国のオクロ鉱山で採掘されるウラン鉱の中に、ウラン−235同位体比が低いウランが存在し、現在のところ、係るオクロ鉱山以外では発見されていない。
ウラン−235はアルファ線を放出する。不溶性の二酸化ウランの10,000Bqを吸入した時の実効線量80は61mSv、経口摂取した時は0.083mSvになる。可溶性の硝酸ウラニルの10,000Bqを吸入した時の実効線量80は6.1mSv、経口摂取した時は0.44mSvになる。ウラン−235は天然ウランに0.72%含まれ、ガボン共和国のオクロ鉱山で採掘されるウラン鉱の中に、ウラン−235同位体比が低いウランが存在し、現在のところ、係るオクロ鉱山以外では発見されていない。
(ウラン−238)
ウラン−238はアルファ線を放出する。ウラン−238は代表的な天然放射性物質であり、天然ウランの99.3%を占める。地殻に多く含まれ、マントルには少ない。玄武岩、花こう岩、石灰岩1kgに含まれるウランの量はそれぞれ0.43、4.7、及び4.4mgである。同じ放射能強度のウラン−238を摂取しても、化合物の種類と吸入か経口かの区別によって予想される被曝線量は大きく異なる。不溶性の二酸化ウランの10,000Bq(ウラン量、0.8g)を吸入した時の実効線量80は57mSv、経口摂取した時の線量は0.076mSvになる。発射された劣化ウラン弾が鋼板を通過した時に生じる酸化物を摂取しても二酸化ウランの場合と同じ線量になると考えられる。
ウラン−238はアルファ線を放出する。ウラン−238は代表的な天然放射性物質であり、天然ウランの99.3%を占める。地殻に多く含まれ、マントルには少ない。玄武岩、花こう岩、石灰岩1kgに含まれるウランの量はそれぞれ0.43、4.7、及び4.4mgである。同じ放射能強度のウラン−238を摂取しても、化合物の種類と吸入か経口かの区別によって予想される被曝線量は大きく異なる。不溶性の二酸化ウランの10,000Bq(ウラン量、0.8g)を吸入した時の実効線量80は57mSv、経口摂取した時の線量は0.076mSvになる。発射された劣化ウラン弾が鋼板を通過した時に生じる酸化物を摂取しても二酸化ウランの場合と同じ線量になると考えられる。
また、放射性粉状物10は、同時にマイナスイオンを放出する。係るマイナスイオンは、空気中に含まれる僅かな電気を帯びた物質(原子、分子、又は分子集団)のことを指し、マイナスイオン効果の代表的なものとしては、ストレス軽減効果・リラックス効果などが挙げられるが、実際には他にも様々な効果の報告があり、例えば、マイナスイオンには空気中のチリ・ホコリを除去するなど空気清浄効果があり、空気清浄機やマイナスイオン発生器などにも活用され、空気環境の改善に貢献している。また、動植物に対しても成長促進効果や寿命を延ばす効果などが確かめられており、生産性の向上に貢献している。更に、マイナスイオンは生魚・生肉・野菜・青果などの鮮度保持にも活用されている。
マイナスイオンの効果について述べる。
イオンの発生は放射性粉体による空気の電離作用が主たる要因である。本考案の範疇の20μSv/hrの放射線量をもつ放射性粉状物10の周囲は、この作用によりプラスイオンとマイナスイオンが略等量に発生し、その数は各々40万〜100万個/cm3である。清流の滝の周辺のイオン量が多くて10万個/cm3であることに比べると、かなりの量が発生することが分かる。
イオンの発生は放射性粉体による空気の電離作用が主たる要因である。本考案の範疇の20μSv/hrの放射線量をもつ放射性粉状物10の周囲は、この作用によりプラスイオンとマイナスイオンが略等量に発生し、その数は各々40万〜100万個/cm3である。清流の滝の周辺のイオン量が多くて10万個/cm3であることに比べると、かなりの量が発生することが分かる。
一般的にマイナスイオンは、情緒を安定にし、癒し効果があるといわれているが、実際のところ、人体に対して直接マイナスイオンだけが寄与しているかは定かではない。マイナスイオン及びプラスイオンの発生により、浮遊している粉塵が減少し、空気が清浄化されるのは事実である。これにより呼吸が深くなり、情緒が安定するので、深い睡眠にいざなって心地よい朝の目覚めを提供したりするものと考えられる。
セラミックス粉状物20は、育成光線を放射するセラミックスをジョークラッシャーや、鉱石粉砕ミル等の粉砕機により粉砕して粉状としたものである。粒径は特に限定されるものではないが、容体40の繊維による隙間等から漏れない大きさとすることが必要である。
セラミックス粉状物20から放射される育成光線は、遠赤外線の波長領域の中で6から14μmの範囲の波長であり、9μmの波長は人の吸収波長と再放射波長が9.6μmと近似していることから人の体に吸収され易く、細胞を活性化し、人の発育成長を促す効果があるといわれている。係る育成光線の放射は、炭やトルマリンとは異なり、衝撃や摩擦、圧力を加えずとも静止状態で継続的に放射し、前記の放射線と同様に、ホルミシス効果により、生態の防御機構を活性化し、免疫向上等の有益な効果が期待できるといわれている。
育成光線の効果について述べる。
育成光線とは、目に見えない光であって、可視光より長波長の赤外線領域に含まれ、特に波長が6から14μmの近赤外線をいう。なぜこの波長の赤外線が特異な性質をもっているかというと、水の振動周波数のエネルギーと同じ周波数であることに起因する。水に育成光線を照射すると、水はその周波数のエネルギーを受けて共鳴し激しく振動しだす。その結果、水素結合により結ばれていた水の各分子が揺らぎあい、結合がゆるくなり、自由度を増した状態になってくる。この状態を所謂「活性のある水」と呼び、水本来の機能を発揮し易くなる。
育成光線とは、目に見えない光であって、可視光より長波長の赤外線領域に含まれ、特に波長が6から14μmの近赤外線をいう。なぜこの波長の赤外線が特異な性質をもっているかというと、水の振動周波数のエネルギーと同じ周波数であることに起因する。水に育成光線を照射すると、水はその周波数のエネルギーを受けて共鳴し激しく振動しだす。その結果、水素結合により結ばれていた水の各分子が揺らぎあい、結合がゆるくなり、自由度を増した状態になってくる。この状態を所謂「活性のある水」と呼び、水本来の機能を発揮し易くなる。
そもそも生命を持つ生き物は、身体の重量の大きな部分を水が占めている。人間では60〜70%が水である。生きていくことで欠くことのできない水が近赤外線の影響を受けて生命活動を活発にすることから、6から14μmの波長の光を特にその性質から育成光線と称するものである。本考案者はこの効果に着目し、育成光線を多く照射するセラミック物質を探し、それらを粉末状にして適正に配合することで、育成光線照射能力を高める組み合わせを見つけ出したものである。
育成光線セラミックは、常に照射光を出し続ける性質を持ち、また温度依存性も有している。育成光線セラミックを人体に接するほどに近づけると、その体温を受けて10℃〜20℃の温度上昇が起き、育成光線照射率も20〜30%上昇してますますその効果を発揮する。育成光線は可視光より波長が長いため、人の皮膚内に浸透していく性質も有している。これらの性質から育成光線セラミックを人体につけると、育成光線が皮膚内に浸透していき、その部分および周辺部の温度が上昇し、毛細血管が広がり、血液の流れも良くなり、ポカポカと温かく感じられる。図面には示していないが、赤外線カメラにより撮影すると、体温上昇の効果がはっきりとうかがえる。このように育成光線は人体に照射することで、より生命活動が活発化される重要な効果を有している。
放射線は、人体に重篤な障害をもたらすものとして恐れられているが、それはあくまでも被爆量に関係する現象である。必ずしも悪弊だけをもたらすものではなく、適正な実効線量80内であれば、むしろ人間に多大な好ましい効果を供与することが近年の研究で分かってきた。本考案者はその適正な範囲内(100mSv/年)での放射性粉状物10及びセラミックス粉状物20を使用し、人体に有益な効果を発揮する構成の健康増進マット1を提供するものである。
人間は酸素を取り込んで生命活動を維持している。その生命活動の中で酸素の一部が活性化され、所謂活性酸素となり、人体に有害な菌や異物を破壊消滅させる役割を果たしている。ところが、この活性酸素は有益な働き以外に、人間の細胞内のDNAを破壊する強大な力も有しており、癌をはじめ様々な病変をきたすことでも知られている。
通常、正常な時は体内で作られる酵素(SOD(Superoxide dismutase)やGPX(glutathione peroxidase))が活性酸素を抑えることで健康体を維持できている。ところが、老化や体の衰弱によりこの酵素の生産能力が落ちてくると、活性酸素による細胞の癌化が加速され、癌により臓器が侵され、障害が出てくるのである。放射線には活性酸素撲滅効果のある酵素(SODやGPX)の生産性を上げる働きがあることが知られており、癌治療や予防に活用されている。この他、癌抑制遺伝子P53の活性化にも効果がある。玉川温泉や三朝温泉などが湯治場として昔から療養効果があることが知られており、それはその温泉場がそれぞれ高い放射線を発する鉱石で囲まれていることが療養予防効果に寄与しているものである。
放射線にはこの他、免疫系の活性化、過酸化脂質の減少、LDLコレステロール(low-density lipoprotein cholesterol)の減少、各種ホルモン(糖尿病に効くといわれるインシュリン、積極的になるといわれるアドレナリン、痛みを忘れさせるというメチオニンエンケファリン、そして幸せを感じさせる幸福ホルモンと呼ばれるベータエンドルフィンなど)の増加などが報告されている。このように、適量の放射線は、人間が健康な活動をしていく上で無くてはならないものなのである。
このように人の生活に有用な放射線であるが、一般的な生活空間における存在量はきわめて微量であり、0.01μSv/hから0.1μSv/hとごく微量であることが多い。そこで、本考案では係る育成光線を放出するセラミックスの粉状物を用いて、放射性物質の粉状物から放射される放射線の実効線量80が設定される閾値を超えないように調整部材として用いることとした。
放射性粉状混合物30は、上記何れか若しくは組み合わせに係る放射性粉状物10と、セラミックス粉状物20とを混合した混合粉状物であり、人体に影響のない実効線量80となるように、それぞれの配合比率を考慮して配合される。
本考案は、放射線を発する鉱石を粉砕した放射性粉状物10と、育成光線を発するセラミックス粉状物20を混合することにより、前記の通り、人体に影響のない実効線量80となるように、それぞれの配合比率を考慮して配合されるものであるが、本考案に係る放射性健康増進マット1を身体につけることにより、容体40内に包まれた育成光線を発するセラミックス粉状物20が体温によって温められると、放射率の上がった育成光線を人体に向かって放射し、育成光線を受けた部分、及びその周辺部の体温が上昇し、毛細血管が開いて血液の流れが良くなる。この活発化した部分に、混合されて容体40内に含まれる放射性粉状混合物30から放射線が照射され、前述したセラミックス粉状物20の効果が相乗的に発揮される。
容体40は、放射性粉状混合物30が漏れない布、紙、ビニール、高分子シート、薄膜金属フィルムなどの可撓性を有する平面的な包装部材50であればよく、特にこれらに限定されるものではない。但し、アルファ線を透過させない紙、ベータ線を透過させないアルミニウム、中性子線を透過させない水、ガンマ線を吸収する鉄、鉛を用いる場合は、放射性粉状物10によって放射される放射線の種類に応じて反射又は吸収するものを避けることが必要となる。
包装部材50は、放射性粉状混合物30が漏れない布、紙、ビニール、又は高分子シート、薄膜樹脂フィルムなどの可撓性を有する平面的な包装部材50か、若しくはこれらにクッション材を充填し、人の体型に応じて変形する部材であれば特に限定されるものではない。但し、放射される放射線の種類によって反射又は吸収するものを避けることが必要となることは容体40と同様である。
例えば、放射性粉状混合物30を内包する容体40を直接肌に接触させ続けると、低温やけど現象を起こし肌が赤くはれ上がるほどになってしまうという強烈な効果と、行き過ぎた障害を起こす場合がある。このような障害を防ぐためにも、容体40の上に包装部材50や放射線遮断部材70を当てることが効果的である。
図2は、本考案に係る放射性健康増進マット1において、放射性粉状混合物30を二重に包装する構成を示す説明図である。
二重覆装部材60は、容体40から放射性粉状混合物30が漏れた場合の安全性を確保するため、容体40の外側に二重に包装する部材である。素材には繊維質の布状部材や高分子ポリマー等の包装部材50などが考えられる。基本的に容体40と同様の構成としてもよく、亀裂が生じた場合でも放射性粉状物10が漏れることがないように、放射性粉状物10又はセラミックス粉状物20の粒径よりも細かいメッシュで構成された布状、若しくは平面状のポリマーシート等とすることが望ましい。
図3は、本考案に係る放射性健康増進マット1に放射線遮断部材70を使用した例を示している。本考案に係る放射性健康増進マット1は、放射線を受けることによる被爆から得られるホルミシス効果を期待するものである。しかしながら、係るホルミシス効果は、実効線量80が大きくなるとかえって人の健康を害する恐れがある。そのため、放射線の放射量を規制する手段を用いることが望ましい。特に放射線の種類や強さによって特定の種類の放射線、或いは特定の波長領域のみを通過させた場合などに有効な手段を採用したものである。
放射線の透過特性として、アルファ線は約2cm、ベータ線は数m、ガンマ線では約数十mと透過性が異なり、使用者のみならず周囲まで影響を及ぼすこととなるため、特にベータ線とガンマ線とについては透過性が大きいため、例えば妊婦の近くでは放射線の放出を控えた方が良い場合がある。このような場合に対応できるよう、放射線遮断部材70を設けることは有効である。なお、係る放射線遮断部材70は、包装部材50に差込み、引き抜き等により容易に着脱可能としておくことが望ましい。
放射線遮断部材70は、素材に紙、アルミニウム、樹脂、鉄、鉛、水、セメントなどを用い、アルファ線を遮断するのは紙でよく、ベータ線はアルミニウムや樹脂で遮断することができる。鉄、鉛、セメントでは何れの放射線も遮断又は吸収することができるため、これらの素材を用いることとなる。但し、中性子線では、紙、アルミニウム、鉄、鉛を透過してしまうため、水又はセメントで遮断することが必要となる。
図4は、本考案に係る放射性健康増進マット1が放射する放射線量を、区画化することで調整しやすくした構成を示す実施例説明図である。充填領域を容体40の内部において一つの領域としてしまうと、放射性粉状物10とセラミックス粉状物20の配合状態に偏りが生ずる場合があり、区画化することで係る偏りを防止する構成を示したものである。
区画41は、放射線量を調整し易くするために、1年間当たりの実効線量80を単位化し、係る区画41の数に応じて実効線量80を把握するために区分けした領域を意味するものである。
例えば、1つの区画41当たりを1.0mSv/年とした場合、図面には示していないが、10区画で10.0mSv/年、100区画で100.0mSv/年と分かり易くするものである。なお、図4に示す例では、9つの区画41では9.0mSv/年となるが、係る例では6つの区画41に対して放射線遮断部材70により放射線の放出を遮断しているため、3.0mSv/年の実効線量80と規制されることを示している。
図5は本考案に係る放射性健康増進マットの製造方法2を示すフローチャート図である。以下、図5に基づいて、本考案に係る放射性健康増進マットの製造方法2について説明する。
混合工程Aは、放射線を発する鉱石を粉砕した放射性粉状物10と、育成光線を発するセラミックスを粉砕したセラミックス粉状物20を混合し、人体に影響のない実効線量80(100mSv/年)となるように、それぞれの配合比率を考慮して配合して放射性粉状混合物30を製造する工程である。具体的には、放射性粉状物10の放射線量を、ガイガーカウンター(電磁放射線検出器)等を用いて実効線量80が年間100mSv未満となる量に留め、残部をセラミックス粉状物20となるように配合する。なお、容体40が繊維質やメッシュ構造の素材等の場合では、粉砕時の粒径を編み目の隙間から流出しない大きさにすることが必要である。
充填工程Bは、混合工程Aで製造された放射性粉状混合物30を容体40内に充填する工程である。容体40は、放射性粉状混合物30が漏れない布、紙、ビニール、高分子シート、薄膜金属フィルムなどの可撓性を有する平面的な包装部材50であればよく、特にこれらに限定されるものではない。但し、アルファ線を透過させない紙、ベータ線を透過させないアルミニウム、中性子線を透過させない水、ガンマ線を吸収する鉄、鉛を用いる場合は、充填される放射性粉状混合物30から放射される放射線の種類に応じて反射又は吸収するので、係る特性を十分考慮して容体40の素材を選択することが必要となる。
また、充填工程Bにおいて、容体40内に放射性粉状混合物30を充填後、ローラーで平坦に形状を成形し、容体40内を真空にして該成形後の形状を安定化させる構成とすることも有効である。通常、容体40内に放射性粉状混合物30を充填しただけでは、使用中に粉状体が下方へ移動してしまい、偏った充填状態となり、厚みを増してしまうなど、形状変形を起こす原因となるからである。
被装工程Cは、充填工程Bで製造された容体40を包装部材50で被装する工程である。包装部材50は、前記の通り、放射性粉状混合物30が漏れない布、紙、ビニール、又は高分子シート、薄膜樹脂フィルムなどの可撓性を有する平面的な包装部材50か、若しくはこれらにクッション材を充填したもので、放射される放射線の種類によって反射又は吸収するものを避けることが必要となる。
また、放射線遮断部材70を用いて、更に被装する構成の放射性健康増進マット1とする場合には、放射線を遮断する素材となる紙、アルミニウム、樹脂、鉄、鉛、水、セメントなどを粉状又はシート状に加工されたものを用いて、所望する実効線量80となるよう、例えば片面の全面や、人体に作用する側の照射量を規制するために部分的に被装するなど、人体への影響を考慮しつつ、その面積等を決定して調整を図ることが必要である。
図6は、本考案に係る放射性健康増進マット1に粘着剤42を含有した実施例を説明する作用説明図である。
粘着剤42は、増粘剤や粘着付与剤、或いは感触改善剤といった添加剤を用いて放射性粉状混合物30をゲル化若しくは可撓性を有する薄膜状に形成するために用いられる高分子ポリマー等であって、例えば水溶性エマルジョン芯地剤や架橋型アクリル系水溶性ポリマーなどを用いることが考えられ、特に可撓性と成形性を有する状態を維持できるものであれば良い。但し、溶剤を用いるものは、人の体に影響を及ぼすため好ましくない。
本考案に係る放射性健康増進マット1では、実施例として腰の下や身体の下に敷設する敷物のみならず、下着や腹巻等に用いる利用形態も考えられ、この場合、体の形状に沿って変形する可撓性を有することが望ましく、また、放射性粉状混合物30が容体40内で偏らないように形状が安定していることも必要である。そこで、粘着剤42を放射性粉状混合物30に混合させ、形成した状態を安定させることが望ましい。
図7は、本考案に係る放射性健康増進マット1にシート43を使用した実施例を説明する作用説明図である。図7(a)は、容体40内に充填される放射性粉状混合物30を薄膜状のシート43に粘着剤42を塗布したものによって付着させる構成を示し、図7(b)は、シート43に空間部44を設けて、該空間部44内に放射性粉状混合物30を充填した構成を示している。
シート43は、可撓性を有する薄膜状のシート部材であればよく、架橋によって粘着剤42を付着させることが可能な樹脂シート等を用いる。例えば、ウレタン樹脂や多孔性物質であるゴムスポンジやプラスチックフォームなどでもよい。係る多孔性物質や発泡体を用いる場合、粉状の放射性粉状混合物30が付着し易く、剥離しにくいという特徴を備えることが可能となる。
また、粘着剤42は、放射性粉状混合物30に含有させる構成のみならず、シート43に塗布し、係るシート43に放射性粉状混合物30を付着させる構成も有効である。この場合、粘着剤42は、シート43の形状に沿って塗布されるため、付着する放射性粉状混合物30の層も平面的となり、図7(a)に示すような薄型の放射性健康増進マット1を形成することも可能となる。
空間部44は、シート43に設けられる貫通穴等で形成された溝部であり、放射性健康増進マット1を薄型に形成するための領域である。また、シート43は、図7(b)に示すような空間部44を設けることで、放射性粉状混合物30を保持することを可能とするものであり、図面には示していないが、充填後に両面をフィルム状のシート43でもれないように保持することも有効である。なお、係る構成では、一つの空間部44に充填できる放射性粉状混合物30から放射される実効線量80を測定し、その数に応じて放射線の放射量を調整することが可能となる。
本考案に係る放射性健康増進マット1は、従来あまり利用されていなかった放射性物質を含む鉱石等の利用の途を開き、人の健康に資する健康器具を提供するという点において、産業上の利用可能性は高いものと思慮されるものである。
1 放射性健康増進マット
2 放射性健康増進マットの製造方法
10 放射性粉状物
20 セラミックス粉状物
30 放射性粉状混合物
40 容体
41 区画
42 粘着剤
43 シート
44 空間部
50 包装部材
60 二重覆装部材
70 放射線遮断部材
80 実効線量
A 混合工程
B 充填工程
C 被装工程
2 放射性健康増進マットの製造方法
10 放射性粉状物
20 セラミックス粉状物
30 放射性粉状混合物
40 容体
41 区画
42 粘着剤
43 シート
44 空間部
50 包装部材
60 二重覆装部材
70 放射線遮断部材
80 実効線量
A 混合工程
B 充填工程
C 被装工程
Claims (5)
- 自然界に存在する放射性物質を含む鉱石を粉状化した放射性粉状物(10)を利用する健康器具であって、
放射性粉状混合物(30)と、
容体(40)と、
包装部材(50)と、
から構成され、
前記容体(40)に前記放射性粉状混合物(30)を充填し、
前記包装部材(50)は前記容体(40)を被覆し、
前記放射性粉状混合物(30)が前記放射性粉状物(10)に育成光線の波長領域である6μmから14μmの範囲内に放射率のピークを有するセラミックス粉状物(20)を混合することにより、前記放射性粉状物(10)から放射される放射線から人体に対する年間の実効線量(80)が100mSv/年未満となるように調整したことを特徴とする放射性健康増進マット(1)。 - 前記容体(40)を二重に覆装することを特徴とする請求項1に記載の放射性健康増進マット(1)。
- 前記容器(40)の内部壁の片側の一部又は全部に、放射線を遮断する放射線遮断部材(70)を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射性健康増進マット(1)。
- 前記放射性粉状混合物(30)に硬化後にも可撓性を有する粘着剤(42)を含有させた
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の放射性健康増進マット(1)。 - 前記シート(43)に空間部(44)を設けて、該空間部(44)に前記放射性粉状混合物(30)を充填させたことを特徴とする請求項4に記載の放射性健康増進マット(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018003886U JP3219853U (ja) | 2018-10-05 | 2018-10-05 | 放射性健康増進マット |
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JP2017251657 Continuation | 2017-12-27 |
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6808114B1 (en) * | 2000-02-23 | 2004-10-26 | Datalogic S.P.A. | Apparatus and method for acquiring and reading optical codes with result indication |
-
2018
- 2018-10-05 JP JP2018003886U patent/JP3219853U/ja active Active
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