JP3217303U - 暗記学習用教材 - Google Patents

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Abstract

【課題】記憶理論に基づいてMnemonicsとして漢字一字をかるたの表面に表示して効果的な暗記学習ができる暗記学習用教材を提供する。
【解決手段】百人一首の上の句1、下の句および歌人名について、それぞれ記憶変換するMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キー2とすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首を表すそれぞれ3種類の10×10の漢字列からなる暗記カードと、これら漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示された百人一首かるた、とを備えているので、音読みで経文の如く読み上げて、親しみやすく暗誦することができる。
【選択図】図1

Description

本考案は、百人一首の上の句、下の句を漢字一字で表現し、従来の百人一首かるたの読み札、とり札にこの漢字を大きく付記して効果的な暗記学習を目的とした百人一首のかるたであり、同時に、その作成には、記憶効果を高めるために世界記憶選手権等で駆使される記憶の宮殿の手法の根底にある記憶理論が用いられた百人一首のかるたに関するものである。
小倉百人一首は天智天皇から順徳院に至る100人の歌集である。そして、日本の優れた代表的な古典であり、和歌という日本人独自の言葉遣いや季節感、花鳥風月の美的価値観等の日本文化の精神構造を表現する文芸であり、万葉集と共に人々に愛され今日に至っており、今でも教育の現場や競技かるたを中心とした多様な催しが、一年を通して全国津々浦々で行われている。
百人一首のかるたとして従来市販されているものは、読み札100枚、とり札100枚の合計200枚が1セットであり、その内容は読み札(絵札)には歌人名、上の句、下の句の全文と歌人の絵が記載され、また、とり札(字札)には下の句だけがひらがなで記載されている。
百人一首かるた遊びには色々な遊び方があるが、基本的な遊び方は、上の句(和歌の最初の五、七、五の計十七文字)が書かれた読み札を上の句から下の句へ読み手が読み上げ、上の句の読まれている間に、それに続く下の句が書かれたとり札を思い出して、これを探し求めることを競うものである。
百人一首は日本の国語文化の中心的古典であり、小中学校で暗記を義務付けている市町村もあり、文部行政の国語文化の維持や保護の観点からもより良い百人一首記憶手法の開発への潜在的な需要は極めて大きい。また、百人一首は外国人を対象とした観光、あるいは和歌や、仮名文字、漢字などの日本文化紹介への一役を担っている。
従来、百人一首の暗記学習用教材としては、上の句と下の句の対になった一覧表を使用するか、あるいは決まり字による歌の仕分けの手法に沿った学習方法のいずれかである。
後者を説明すると、百人一首は、上の句の文字が読み上げられていくとおのずと対応する下の句が決まってくる。中でも、上の句の最初のたった一文字、すなわち、「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」を読み上げただけで下の句が決まる七首があり、次に、二文字で決まる歌、三文字で決まる歌、等々と続く。中には、二つの歌が上の句の五文字まで同じで、六文字で初めて両者が鑑別できる六文字決まりの歌がある。
このような手法による分類や学習が古来から使われ、関連図書の百人一首の覚え方の解説はこの決まり字による暗記法の解説がほとんどで、競技かるたの訓練や学習に効果を上げてきた。すなわち、訓練をすると上の句を読み上げられる途中に決まり字の時点で上の句から下の句へのバイパスが脳裏に浮かび、もう上の句に長居をすることなく直ちに下の句を思い出せる仕組みである。競技かるた等で決まり字から下の句を早く判別するスピードの速さは、極限に達して子音と母音が重なって上の句の仮名文字の響きを作るが、先に来る子音に反応して目的とする下の句の札に手が伸びるとも言われ、聴覚や視覚をはじめ脳の全機能が関与している反射機能が働くとされる。
このような観点から、百人一首の暗記学習には、前述の一覧表にも増して、この決まり字による訓練が繰り返し行われてきた。
このような観点に立ち、決まり字の学習を目的とした百人一首の図8、9に示すような暗記カードが知られている。かるた競技会の中での実際のニーズに対応し、競技者がとり札を見てすぐに連想しなければいけない上の句の決まり字情報をカードの表裏に表記している。図8に示すように、この暗記カードの表面Aの下の句表示欄51には、下の句52を表記し、とり札と同じ大きさのひらがなで同じ文字を配置して実際の臨場感を作り、この下の句から即座に連想したい上の句の決まり字情報を求めている。なお、カードの裏面にはそれが表記され、カードの表裏で、所謂QA形式で学習ができる方式となっている。一方、図9に示すように、暗記カードの裏面Bの上の句表示欄53には、上の句54を五・七・五と3行に分けて表記し、上の句54の中の決まり字55を強調して表記して決まり字55の暗記をし易くしている。
さらに、下方に、この札と上の句54が同一頭文字から始まる札の決まり字一覧56を表記し、類似した言葉で始まる上の句にあるこの歌の位置も強調している。この暗記カードの裏面Bを見ることにより、一目瞭然どの札の集合に属しているかを系統的に識別して暗記することができると共に、百人一首の競技かるたでは、決まり字が読まれた瞬間に前述のバイパスを頭脳は走って決まり字に対応するとり札を取ることができるので、視聴覚を繰り返して使う記憶の再生を速くすると考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−199011号公報
然しながら、こうした従来の暗記カードでは、オリジナルのかるたから離れて新しくカードを作成する必要があり、決まり字を使って暗記する手法には記憶術としての限界がある。すなわち、上の句から下の句をいかに早く連想するかという課題を考えた時、決まり字の手法を採用した場合、
(1)決まり字の手法の獲得は繰り返しによる視聴覚の訓練が必要で、百首にある程度の精通して個々の歌の言葉が脳裏に蓄積して初めてより効果が発揮できるものなので、かるた競技を直接の目的としない初心者には最初難しく感ずる。
(2)決まり字の文字数にばらつきがあり、字数が少ないと下の句を連想し難く、多いと簡便性を求めるMnemonics(用語の説明は後述)としての機能を損なう。
(3)歌番号が任意になり、途中、百首の歌の中を右往左往せねばならず、全ての歌を高いところから見下ろして順序良く流れの中で記憶することができない。
(4)百首が同じ手法で覚えられない。
(5)決まり字の手法は古くから伝わる歴史的な百人一首の記憶手法ではあるが、記憶効率上昇を目指す理論的な記憶術から見た時、必ずしも記憶術の記憶理論に基づいてはいない点もあり、このような観点から新しい百人一首の記憶方法を考えることも、歴史の中での現代のニーズであるとも言える。
また、実際の百人一首は新古今調と呼ばれる楽しい言葉遣いの多様な試みがなされており、歌の中に類似した言葉が多くあり、言葉や音韻の快いリズム感があり、変化があり新鮮な印象があって、面白くて覚え易い特徴を備えているので、これらの言葉の記憶手法にも対応した一定の工夫が必要であり、さらに、百首の歌の上の句、下の句および歌人名という合計300に及ぶ多い記憶事項の解決も課題である。このような観点から、発展してきている記憶術の知識を考慮して、まだ試みの少ない総合的な百人一首の記憶の新しい手法の開発を試みた。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、2500年前に古代ギリシャ時代から発祥し、現在でも記憶術として評価の一番高い、後述する「記憶の宮殿(Memory Palace)、または場所記憶(Method of Loci)」の手法でいわれる記憶理論を利用することに着眼し、Mnemonics(記憶キー)として漢字一字をかるたの表面に表示して効果的な暗記学習を助けることができる百人一首のかるたを提供することを目的としている。具体的には、記憶術の中でよく使われる手法に、記憶の再生を容易にするため、記憶する物を直接覚えないで、情報量を濃縮かつ簡素化して記憶の対象を暗示できる文字、言葉、あるいはヒントイメージに変換したり連結してこれを覚えていくことがなされる。例えば、数字の記憶の時に「1」という数字を電信柱に変換し、「2」という数字を白鳥に変換して「12」という数字を電信柱と白鳥を組み合わせた絵やストーリを作って記憶する手法である。
この変換した情報を暗記しておいてこの情報から記憶の対象を再生する手順を踏む、殆どの記憶術がこの手法を用いている。わが国でも同じ傾向であるが、欧米の記憶術の世界では「Acronyms」(言葉の最初の文字を連ねた単語に変換する)、「Acrostics」(言葉の最初の文字で始まる単語を探し、これを組み合わせて文に変換する)、「Peg system」(数字を同じ音の響きを持つ単語に変換する)、「Chunking」(数字や言葉をまとめて年号やリストに変換する)、「Image Mnemonics」(画像に変換する)、「Mind map」(画像や言葉を組み合わせて一枚の図の中に連結変換する。)等と呼ばれる変換手法があり、これが記憶術のキーとされていて、その総称をいわゆるMnemonicsとしている。然しながら、この言葉が日本語に訳されてしまうと単に「記憶術」になってしまい、「変換」や「連結」の意が消えてしまう。日常欧米で使うMnemonicsの言葉の意味を正しく訳せば「記憶補助変換連結手法」の如き意味であり、これが正に記憶術となる。この言葉は、わが国では馴染みがなく、記憶術の用語の使用基準がまだ確立されていない現状なので、そのニュアンスをしっかりと備え伝えられるMnemonicsの言葉を本考案ではあえて使用する。
百人一首の記憶術をまず考えた時、どのような変換手法を選ぶのかが問題となるが、百首という記憶量の多さから、また、日本語、和歌の言葉としてMnemonicsを決めるには一定の試行錯誤が必要であった。一般に、情報量の多い記憶対象は、記憶を再生するためのヒント情報をとしてイメージや絵画などに変換されることが多く、百人一首でも歌の作る情景を画像にして覚えた画像から歌を思い出す手法が和歌の持つ特性を考えても自然で極めて有効であるが、連想する画像に個人差があったり、簡明に表記できないという難点があるため、これに代わり簡素に、かつ客観的に情報を表現できる「漢字」を採用することとした。何故なら、アルファベットやひらがなが発音だけを表現しているのに対し、漢字は発音だけでなく所望の意味を表現すると共に、単語として、名詞、動詞、形容詞等の機能表現ができ、多様な情報を表現することが可能であるからである。また、連続して用いると、経文や四字熟語に見られるように、音や響きを持って複雑な内容を濃縮して簡明に伝達することができる。さらに、漢字から二次的に記憶術で一番よく使われるイメージ記憶も作り出すことができる。そこで、上の句、下の句、歌人名を漢字で表現してこれを組み合わせることにより、経文、四字熟語のような暗誦文を作成して百人一首の暗記の強化を試みた。例えば、日本の記憶術の分野でも、太陽系の惑星を順に表現する「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」は世界に冠たる、漢字を使ったMnemonicsを使用した記憶手法の典型例と言える。この手法は前述の「Chunking」という手法の一つで数字や文字をまとめて数字列や言葉にして短期記憶を長期記憶に変換する手法であり、同時に文字情報だけでなく記憶に重要な音韻情報を作り記憶効率を上げる機能がある。経文や四字熟語のこの音韻効果による記憶を容易にする機能が隠されている。
また、漢字を組み合わせた経文や暗誦文は二次的に一定の音韻イメージを作り出し、これもさらに記憶の強化を可能とした。情報量の多い記憶の難しい事項の記憶は、一般にイメージを使って記憶されることが多く、百人一首は典型なその対象である一つ一つの歌にイメージとしての後述のトピックスがあり、漢字のMnemonicsは、歌の記憶や再生を促す情景および音韻ヒントイメージを連想させる効果があり、漢字から画像やMind (image) memoryを連想させ、これが第2、第3のMnemonicsとして記憶の再生を容易にした。さらに漢字Mnemonicsは各歌のトピックスの情景の連想を展開する源となり、かつ記憶再生のためのヒント情報を濃縮して保持できる利点がある。
次に、利用した記憶術の基本手法は記憶事項を空間配置して、地図や表にして覚えるとよく覚えられるという記憶理論である。記憶世界選手権の出場者で記憶の宮殿の手法を使う人々について、脳科学的な臨床検査が行われた結果、普通の人が使わない空間識別をする脳の一部を共通して利用していることがfMRI(Functional-MRI)によって知られている。これは記憶の宮殿の手法により記憶するものを、地図や宮殿の建物の部屋や廊下等に配置することにより記憶物の順番や前後関係を空間の中に具現化することを可能にし、番号や順番を間違えるリスクを減らすことを可能にすると考えられる。人は、旅先や知らない土地での初経験は印象的で、鮮明な記憶を作り、良く覚えていることがある。同時に、場所の移動を認知する前述の脳の空間識別センターがその記憶を順序立てたり、より強化しているものと言われている。すなわち、印象的で鮮明な情報を、場所の移動の中で覚えて行くことが記憶の鍵のようである。記憶の宮殿の手法も脳のこの特性を利用していると言われている。記憶の宮殿の歴史をたどると遠くギリシャ時代に遡り、その発祥は場所記憶と言う手法から始まっていて、一つ一つの場所(トポス・ギリシャ語)に場所特有のイメージを作ってこれを利用して記憶していく手法であり、英語のトピックスと言う言葉はこのトポスに由来して現在に至っているとされる。したがって、場所に、印象的で忘れられないイメージを作ることが大切で、記憶の宮殿の手法の大切な要点となっている。
そこで本考案でも採用した記憶キーの空間配置を試みた。具体的には、個々の漢字を歌番号に沿って10×10の漢字列(マトリクス)の中に配置して漢字に空間の中の位置、すなわち、住所を与えて記憶がし易いようにした。マトリクス内に置かれた漢字列は、あたかも書物で言えば最初の目次や検索のページに相当し、すべての漢字で全体を大きく見渡すことができる。併せて、歌番号がマトリクスの中で二次平面のX軸、Y軸の座標を示すことになり、歌番号に沿った連続的な漢字への平滑な記憶や再生の処理を可能にし、記憶処理に順序が狂わないという極めて大切な要素を確定することができた。
コンピュータの中ではFATという記憶装置があり、これが、すべての情報がどこにあるかを参照できる内部装置で、ここの情報を参照して必要な記憶の媒体に飛んで情報処理を行うのであるが、これをなくしては全くコンピュータが動かせない重要な記憶装置である。これは、書物で言えば情報がどこにあるかを示す一番大切な目次や索引に相当する。述べてきた10×10のマトリクスは、百人一首のFATとして、百人一首の歌を漢字に濃縮して記憶処理の利便性を作り、空間処理を容易にする機能を発揮した。なお、FATとは、ファイル・アロケーション・テーブル(File Allocation Table)の略で、MS−DOS(登録商標)のファイルシステム、およびその前身となったMicrosoft(登録商標)DISK−BASICのファイルシステムにおけるディスク内のファイルの位置情報を記録するための領域をいい、これなくしてはコンピュータの高速処理はないとされる、言わば心臓部にあたると理解されている。
さらに、FATは、目的とする情報の所在位置を提供するので、情報がどこにあるかを探す手間を省略することができる。一般の業務においても、精通した人は必要な道具や物品を定位置において、それが頭の中であたかも記憶チップに保存されいるかの如く振る舞い業務の高速処理を可能としている。良く力説される整理整頓は、将に至適な物品の空間配置であり、ものを探さなくても良いというストレスの解消や作業時間の短縮をもたらすのであるが、コンピュータではFATがその役割を担う。一方、記憶のような頭脳の活動においてもやはり整理整頓が大切で、頭脳の中でも前述のFATや記憶チップのような機能を果たすものが潜在的に求められている。本考案の漢字Mnemonicsが二次的に作る10×10の漢字列は前述のような観点から百人一首の情報を提供するFATまたは記憶チップとして働き、この漢字列を詠みあげたり耳にしたり、また書き下す五感経験を積むことにより、脳裏に自然とFATに相当するものが完成して高速かつ平易な記憶処理が可能になると考えられた。このような観点から漢字列の作成とその利用は有効であった。また、今後、人工知能(AI)の開発やメモリーの省略、あるいは高速処理のために、前述してきた記憶の宮殿の手法の根底にある情報の空間配置等の記憶理論と、その具体的なAIやその実践結果の比較検討がこの分野で重要となる。
Mnemonicsとして漢字を決定する手法は、例えば、上の句を例にとれば、上の句を直接覚えないで、上の句を連想あるいは暗示できる漢字を上の句の言葉の中から選びだしてこれを記憶し、後に再生の時には記憶したこの漢字から上の句を思い出すようにした。すなわち、記憶の時には上の句を漢字に変換して記憶し、再生の時には記憶した漢字を変換して上の句を思い出す方式であり、この両方向の変換の手法は記憶術に共通で、他のMnemonicsを使っても同じである。漢字は、上の句、下の句の最初の言葉の持つ音や意味から変換に好ましい該当漢字を決定した。該当漢字の決定には必ずしも必然性はなく任意で自由であるが、上の句、下の句が始まる言葉の音や意味が決まると、大半は適当な漢字が決まり、その漢字から上の句が連想できる。中には、単に音だけを表現する必要がある万葉仮名のような使い方が必要な漢字決定もあるが、候補は複数個あるが決定は自由で任意である。また、言葉が二つの意味を持つ掛詞(例えば、まつ、松、待)や、かな文字を漢字(例えば、ほととぎすを不如帰、時鳥)にする時、複数の漢字が候補に挙がるが、この決定も任意とした。本考案の特徴は、Mnemonicsとしての漢字一文字を決めることに主眼が置かれ、漢字決定についての国語学上の文字遣いについての煩雑な論議は避けることとした。一般に、Mnemonicsの決定や選択は当事者の五感や連想から由来する内的な要素も必要な時もあり、一番使いやすい候補を決定すれば良く、多変量解析の主成分分析的な観点に立って、ほぼ満足できる割合で適当な漢字が決定できればよしとした。
係る目的を達成すべく、本考案のうち請求項1に記載の考案は、百人一首の上の句、下の句および歌人名のうち、少なくとも前記上の句を表すMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キーとすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首の上の句を表す10×10の漢字列を作り、この漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示されている。
このように、百人一首の上の句、下の句および歌人名のうち、少なくとも前記上の句を表すMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キーとすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首の上の句を表す10×10の漢字列を作り、この漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示されているので、上の句や下の句を漢字にすることを覚え、また逆に漢字から上の句や下の句を思い出すことにより、変換という記憶術の基本を体得することができると共に、直接覚えるよりも漢字を介して変換して覚える方が覚え易いことが判ってくると、記憶術や百人一首の興味が一層増してくる。FATを備えた漢字列を百字よりなる百人一首経文として暗記することにより経文が覚えられて百人一首の暗誦が易しくなると共に、暗記歌100文の暗記により和歌への愛着が普及し、今までに多数出版されている出版物にこの漢字の記憶キーが作る漢字による100個の韻文を付加することにより、出版物の理解が容易になる。また、教育への効果、算数の掛算九九のように、言わば百人一首漢字経文の暗誦が普及展開され、日本文学古典の教育の便利な小道具として利用され、また、和歌俳句等の普及の一助となり、さらには、西洋文化にはない日本の漢字や和歌に興味のある外国人の方にとってはこの漢字列はよい小道具となり日本語文化、漢字文化、和歌等のひらがな文化紹介の有力な手法となり、百人一首への興味や理解が外国人の間でも展開が期待される。
好ましくは、請求項2に記載の考案のように、前記記憶キーが、歌の言葉が名詞や形容詞で始まる場合にはその名に該当する漢字から選択されていても良い。
また、請求項3に記載の考案のように、前記漢字キーが、複数の漢字からなる場合には認知度がより高く解りやすい漢字から選択されていても良い。
また、請求項4に記載の考案のように、前記漢字キーが、歌の言葉が副詞、助詞、感嘆詞で始まる場合には言葉に該当する名詞や形容詞のように具体的な意味をもたない言葉には、万葉仮名のような読みを表す漢字から選択されていても良い。
また、請求項5に記載の考案のように、記憶キーが、前記上の句、下の句および歌人名をそれぞれ表わす三つの漢字キーからなり、当該記憶キーに読み上げ用の仮名文字が付記された韻文を備えていれば、歌の連想や暗誦がし易くなると共に、上の句、下の句、歌人名を示唆する漢字から受ける視覚効果と仮名文字の日本語の音の響きやリズムの作る聴覚効果を併せ持つことができる。
本考案に係る百人一首のかるたでは、百人一首の上の句、下の句および歌人名のうち、少なくとも前記上の句を表すMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キーとすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首の上の句を表す10×10の漢字列を作り、この漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示されているので、上の句や下の句を漢字にすることを覚え、また逆に漢字から上の句や下の句を思い出すことにより、変換という記憶術の基本を体得することができると共に、直接覚えるよりも漢字を介して変換して覚える方が覚え易いことが判ってくると、記憶術や百人一首の興味が一層増してくる。FATを備えた漢字列暗記によって百人一首の暗誦が易しくなると共に、暗記歌100文の暗記により和歌への愛着が普及し、今までに多数出版されている出版物にこの漢字の記憶キーが作る漢字による100個の韻文を付加することにより、出版物の理解が容易になる。また、教育への効果、算数の掛算九九のように、言わば百人一首漢字経文と、さらに経文から派生する漢字3言詩様韻文の暗誦が普及展開され、日本文学古典の教育の便利な小道具として利用され、また、和歌俳句等の普及の一助となり、さらには、西洋文化にはない日本の漢字や和歌に興味のある外国人の方にとってはこの漢字列はよい小道具となり日本語文化、漢字文化、和歌等のひらがな文化紹介の有力な手法となり、百人一首への興味や理解が外国人の間でも展開が期待される。
本考案に係る百人一首のかるたにおける上の句の漢字Mnemonics(記憶キー)の一実施形態を示す説明図 上の句の漢字列を示す説明図 図2aの経文読みを示す説明図 下の句の漢字列を示す説明図 歌人名の漢字列を示す説明図 上の句、下の句および歌人名を表わす三つの漢字Mnemonicsを示す説明図 図5の前半の漢字列の読み上げ用の仮名文字を付記した韻文を示す説明図 図5の後半の漢字列の読み上げ用の仮名文字を付記した韻文を示す説明図 読み札の表面に漢字Mnemonicsを表示したかるたを示す説明図 とり札の表面に漢字Mnemonicsを表示したかるたを示す説明図 従来の百人一首の暗記カードを示す説明図 同様、従来の百人一首の暗記カードを示す説明図
百人一首の上の句、下の句および歌人名について、それぞれ記憶変換するMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キーとすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首を表すそれぞれ3種類の10×10の漢字列を作り、これら漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示されている。
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本考案に係る百人一首のかるたにおける上の句の記憶キーの一実施形態を示す説明図、図2aは、上の句の漢字列を示す説明図、図2bが、図2aの経文読みを示す説明図、図3は、同様、下の句の漢字列を示す説明図、図4は、同様、歌人名の漢字列を示す説明図、図5は、上の句、下の句および歌人名を表わす三つの漢字Mnemonicsを示す説明図、図6aは、図5の前半の漢字列の読み上げ用の仮名文字を付記した韻文を示す説明図、図6bは、図5の後半の漢字列の読み上げ用の仮名文字を付記した韻文を示す説明図、図7は、読み札およびとり札の表面に漢字Mnemonicsを表示したかるたを示す説明図である。
図1に示す記憶キーは、1番から10番まで歌の上の句の中で漢字が決められていく様子を示し、百人一首の記憶を容易にするために、選ばれた漢字を10個配列してこれを10首のMnemonicsとして漢字で構成されている。具体的には上の句、下の句、歌人名をそれぞれ連想しやすい漢字一字を選び出し、三つの漢字Mnemonics(三つの記憶キー)で上の句、下の句、歌人名を表現する記憶キーとしている。
例えば、歌番号第1番の天智天皇の歌、すなわち、「秋(あき)の田(た)のかりほの庵(いほ)の苫(とま)をあらみ 我(わが)ころも手(て)は露(つゆ)にぬれつつ」なる歌は、頭文字あるいは連想し易い漢字として、「秋、我、天」の三つの漢字が上の句、下の句、歌人名を表す漢字Mnemonicsとして選択される。図1に歌番号第1番から第10番までの上の句1の記憶キー2を示す。以下同様にして、歌番号第100番の「百敷(ももしき)や古(ふる)き軒端(のきば)のしのぶにも なほあまりあるむかしなりけり」なる歌は、「百、猶、順」が選択され、全ての歌に3つの漢字Mnemonicsからなる記憶キー2が付与されている。
次に、歌番号第1番から第10番までの上の句を表す記憶キー2を10個並べ、「秋春足田奥鵲天我花是」として、これを「しゅうしゅんそくでんおっかてんがかこ」と音読みで経文の如く読み上げて10首の上の句を表現する。この漢字列3を歌番号1番から10番までの10首の上の句を表すそれぞれの記憶キーとする。これは一種の100首の上の句の目次機能をも備えている。以下同様にして10×10の漢字列を作成し、図2aに、この100文字からなる漢字列からなる上の句、図2bに、図2aの経文読みを示す上の句を表す。これは100首までの漢字を10×10の漢字列としている。これから各首の歌番号が視覚的に把握でき、その歌のトポス(特定の場所)にある漢字から、上の句の連想や記憶の再生に効果を示すようになった。また、このマトリクスは百人一首の番号に対応した上の句を示し、書物の目次のような役割を果たすことができる。また、このマトリクスを経文のように読み上げて使うのも効果的であり、やがてすべての漢字が暗記できて、百人一首の面白さが増して行くと思われる。
以下、同様にして、下の句、歌人名を表す10×10の漢字列を作成し、それぞれが下の句、歌人名を表すようにする。図3、4に下の句と歌人名をそれぞれ表す漢字列を示す。ここで、符号4は100首の下の句の記憶キー、符号5はその漢字列、符号6は100首の歌人(歌人名)の記憶キー、符号7はその漢字列を示す。
漢字選択の方法として、
(1)歌の言葉が名詞や形容詞で始まる場合にはその名に該当する漢字を選択することを基本とするが、複数の漢字が選ばれることもあり、その時には認知度がより高く解りやすいと判断される代表的な漢字を選択するのが好ましい。
(2)掛け言葉のような二つの意味を有する言葉に対してはどちらかの言葉を意味する漢字を選ぶのが好ましい。
(3)歌の言葉が副詞、助詞、感嘆詞などで始まる場合には言葉に該当する名詞や形容詞のように具体的な意味をもたない言葉には、万葉仮名のような読みを表す漢字を探し、これを用いるのが好ましい。さらに、
(4)同じ言葉を表現する漢字でも複数の慣用的に用いられている漢字があるときにはより適当と思われる漢字を選択するのが好ましい。
なお、歌番号第1番から第100番までの各歌の上の句、下の句、歌人名を示すために選択される漢字に複数の候補が出て選択に迷うことがある。例えば、歌番号11番の上の句の「わたの原(はら)八十島(やそしま)かけて 漕ぎ出でぬと人(ひと)には告げよ あまのつり舟(ふね)」において、わだのはらを「和田の原」で「和」を選択しないで「海原」と解釈して「海」を選択する方が歌の情景のイメージは良く伝わるので、「海」を選択しても良い。すなわち、国語学上の文字使いを離れ、漢字を選ぶこともある。また、歌番号第16番の下の句、すなわち、「立(た)ち別(わか)れ いなばの山(やま)の 峰(みね)に生(お)ふる まつとしきかば 今(いま)かえりこむ」において、「まつ」は「待」もあるが、ここでは絵画的な「松」を選択する。このように、使用者の判断で漢字を選んでも良い。
次に、百人一首暗誦における、漢字列を構成する記憶キーを使用する場合の具体例とその使い方について説明する。
上の句、下の句および歌人名の漢字列を経文として暗誦する場合、図2〜4に示すような漢字列3、5、7を読みあげて暗誦し、それぞれの記憶キー2、4、6に該当する歌番号の歌の上の句、下の句および歌人名を連想できる暗記訓練に用いれば効果的である。
なお、図2〜4に示すように、暗記訓練に使用する漢字列3、5、7の書体は、ここではゴシック体で表示されているが、これに限らず、例えば、行書体、ポップ体、あるいは明朝体であっても良い。なお、本実施形態では、漢字列3、5、7は横書きであるが、実際の経文の如く縦書きにしても良い。また、暗記訓練用の漢字列を大きく拡大して旗やペナントとして部屋の壁に貼る等、常に目に付く場所に表示しておくことは無論のこと、例えば、手ぬぐい、ハンカチ、Tシャツ、扇子、文具等、奈良や京都、金沢等の百人一首が似合う温泉や観光地のお土産物に独創的なデザインとして印刷し、一般的に展開することも可能である。さらに、経文の如く暗誦して節をつけて暗記訓練をするだけでなく、相応しいメロディーをつけて数え歌のように老若男女が日常口ずさむようにしても良い。また、本考案の構成にしたがった百人一首、百人一首記憶フラッシュカード、コンピュータソフトやゲームに展開する可能性も多様である。
図5は、上の句、下の句および歌人名を表わす三つの漢字Mnemonicsで構成する記憶キーを使用した百人一首の暗記用100文である。すなわち、100首を、記憶キー8を用いて歌番号第1番から第100番まで表現する。これは本考案の記憶における百人一首の最終的なイメージを作る漢字列である。さらに、図6に示すように、記憶キー8に読み上げ用の仮名文字9を付記して、歌の連想や暗誦がし易い韻文10を作成するのも良い。これを読み上げることにより、上の句、下の句、歌人名を示唆する記憶キー8から受ける視覚効果と仮名文字9の日本語の音の響きやリズムの作る聴覚効果を意図して記憶キー8にひらがなを添えて、百人一首を人々により親しみやすく暗誦することを意図した、所謂「百人一首経文」と言える。この経文は競技かるたをする小中高の学生や愛好家の脳裏に既にある百人一首に絡む多くの言葉に重なることが多いため、親しみ愛されて普及が進むと思われる。
なお、韻文10の作成に当たっては歌人を表す最初の一字が例えば、中納言、権中納言、二条院等と、偕位や地名を表す漢字が来ることがあり、この場合は必ずしも、漢字が歌人名を直接示していないので、仮名文字読みでは偕位や地名をとばして歌人名を読むことも良い。そこで覚え易さを優先して、歌人名の最初の漢字の読みとは違った具体的な歌人名の読み上げには最終的に図6aおよび図6b中に()内にしめしたものを用いることが好ましい。いずれにしても、ここに示した韻文10は漢字列の一実施例として示したもので、使い方や韻文の内容は任意であることは言うまでもない。例えば、歌番号第6番の中納言藤原家持の「かささぎの渡(わた)せる橋(はし)におく霜(しも)の 白(しろ)きを見(み)れば夜(よ)ぞ更(ふ)けにける」なる歌では、「鵲白中」の漢字には、「かさしろちゅうな」に代わり「かさしろやかもち」の韻文を用いていると良い。
漢字と韻文が一致しないので最初は若干の抵抗感を与えることもあるが、習熟度が進み、歌人名や歌に慣れて記憶が完成してくると「中」の漢字から「中納言家持」が自然に思い出されてくるので、この方式を採用した。つまり、百人一首の暗誦の習熟度により遣い勝手が変わるものと理解する。
また、歌人名マトリクスを表す漢字を選ぶ時に、歌人名の最初の漢字でなく、例えば、この歌では「中納言家持」の最初の漢字を選ばないで4番目の漢字の「家」を用いると「家持」を一番よく表現できるが、歌人名を示すために選択すべき漢字の位置が一定せず混乱を招くため、Mnemonicsの決定に歌人名の最初の漢字を使うのが好ましい。さらに、仮名文字の中では、前述のような工夫を加え、歌人の名前を用いて解り易さを高めている。したがって、記憶キー8の読みと仮名文字9とは違うことが生じ最初違和感を感ずるが、慣れてくるとこれが取れてくることを経験的分かっている。すなわち、ここに挙げた事例はあくまでもMnemonicsとしての記憶キー8の使い方の事例で、その遣い方は暗誦のために自由であることが好ましい。
本実施形態では、前述したように、百人一首の上の句、下の句および歌人名のうち、少なくとも上の句を連想し易い漢字一字を選び出して記憶キーとすると共に、当該記憶キーが歌番号第1番から第100番までの100首の上の句を表す10×10の漢字列を作成し、この漢字列の順番に対応して当該漢字一字がかるたの表面にそれぞれ表示する。すなわち、図7aに示すように、オリジナルの百人一首の読み札の表面に、選択された記憶キー、具体的には、例えば、歌番号第1番から第10番までのかるたの表面に、上の句の「秋春足田奥鵲天我花是」の漢字列の記憶キー「秋」、「春」、「足」、…、「是」をそれぞれ表示することにより、暗記効率を格段に高めることができる。同様に、図7bに示すように、オリジナルの百人一首のとり札の表面に、選択された記憶キー、具体的には、例えば、歌番号第1番から第10番までのかるたの表面に、下の句の「我衣長富声白三世我知」の漢字列の記憶キー「我」、「衣」、「長」、…、「知」をそれぞれ表示することにより、暗記効率を格段に高めることができる。また、漢字として選んだMnemonicsを10×10の漢字列や経文あるいは歌の情景を説明する100文などに展開して漢字Mnemonicsを発展的かつ有効に利用することもできる。
以上、本考案の実施の形態について説明を行ったが、本考案が意図する主旨は、上の句、下の句、歌人名をそれぞれ漢字一字で表現して記憶キーとし、これにより暗誦の効率をあげようとすることであり、実際の漢字列の作成には複数の漢字の選択があり、必ずしも本文に挙げた漢字列に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本考案の範囲は、実用新案登録請求の範囲の記載によって示され、さらに実用新案登録請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本考案に係る百人一首のかるたに関するもので、暗記学習を助ける百人一首の暗記学習用教材や競技かるたの名人への出場を目指す百人一首のかるたに適用することができる。
詳しくは、実際の百人一首かるたの生産販売の市場や、今や年末年始の風物詩となっている百人一首の雑誌の特集および出版事業、あるいは、教育産業における文具や教育器具の分野、人間教育やAIの観点からのコンピュータ、新しい教育ソフトやゲーム、さらには、外国人を迎える日本文化、具体的には、和歌・俳句等を紹介する観光産業における多様な土産物の生産販売事業に適用することができる。
1 上の句
2 上の句の記憶キー
3 上の句の漢字列
4 下の句の記憶キー
5 下の句の漢字列
6 歌人(歌人名)の記憶キー
7 歌人(歌人名)の漢字列
8 記憶キー
9 仮名文字
10 韻文
A 暗記カードの表面
B 暗記カードの裏面
51 下の句表示欄
52 下の句
53 上の句表示欄
54 上の句
55 決まり字
56 決まり字一覧
本考案は、百人一首の上の句、下の句を漢字一字で表現し、従来の百人一首かるたの読み札、とり札にこの漢字を大きく付記して効果的な暗記学習を目的とした百人一首のかるたを備え、同時に、その作成には、記憶効果を高めるために世界記憶選手権等で駆使される記憶の宮殿の手法の根底にある記憶理論が用いられた暗記学習用教材に関するものである。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、2500年前に古代ギリシャ時代から発祥し、現在でも記憶術として評価の一番高い、後述する「記憶の宮殿(Memory Palace)、または場所記憶(Method of Loci)」の手法でいわれる記憶理論を利用することに着眼し、Mnemonics(記憶キー)として漢字一字をかるたの表面に表示して効果的な暗記学習を助けることができる暗記学習用教材を提供することを目的としている。具体的には、記憶術の中でよく使われる手法に、記憶の再生を容易にするため、記憶する物を直接覚えないで、情報量を濃縮かつ簡素化して記憶の対象を暗示できる文字、言葉、あるいはヒントイメージに変換したり連結してこれを覚えていくことがなされる。例えば、数字の記憶の時に「1」という数字を電信柱に変換し、「2」という数字を白鳥に変換して「12」という数字を電信柱と白鳥を組み合わせた絵やストーリを作って記憶する手法である。
さらに、FATは、目的とする情報の所在位置を提供するので、情報がどこにあるかを探す手間を省略することができる。一般の業務においても、精通した人は必要な道具や物品を定位置において、それが頭の中であたかも記憶チップに保存されいるかの如く振る舞い業務の高速処理を可能としている。良く力説される整理整頓は、将に至適な物品の空間配置であり、ものを探さなくても良いというストレスの解消や作業時間の短縮をもたらすのであるが、コンピュータではFATがその役割を担う。一方、記憶のような頭脳の活動においてもやはり整理整頓が大切で、頭脳の中でも前述のFATや記憶チップのような機能を果たすものが潜在的に求められている。本考案の漢字Mnemonicsが二次的に作る10×10の漢字列は前述のような観点から百人一首の情報を提供するFATまたは記憶チップとして働き、この漢字列を詠みあげたり耳にしたり、また書き下す五感経験を積むことにより、脳裏に自然とFATに相当するものが完成して高速かつ平易な記憶処理が可能になると考えられた。このような観点から漢字列の作成とその利用は有効であった。また、今後、人工知能(AI)の開発やメモリーの省略、あるいは高速処理のために、前述してきた記憶の宮殿の手法の根底にある情報の空間配置等の記憶理論と、その具体的なAIやその実践結果の比較検討がこの分野で重要となる。
係る目的を達成すべく、本考案のうち請求項1に記載の考案は、百人一首の上の句、下の句および歌人名のうち、少なくとも前記上の句を表すMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キーとすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首の上の句を表す10×10の漢字列からなる暗記カードと、前記漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示された百人一首のかるた、とを備えている。
このように、百人一首の上の句、下の句および歌人名のうち、少なくとも前記上の句を表すMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キーとすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首の上の句を表す10×10の漢字列からなる暗記カードと、前記漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示された百人一首のかるた、とを備えているので、上の句や下の句を漢字にすることを覚え、また逆に漢字から上の句や下の句を思い出すことにより、変換という記憶術の基本を体得することができると共に、直接覚えるよりも漢字を介して変換して覚える方が覚え易いことが判ってくると、記憶術や百人一首の興味が一層増してくる。FATを備えた漢字列を百字よりなる百人一首経文として暗記することにより経文が覚えられて百人一首の暗誦が易しくなると共に、暗記歌100文の暗記により和歌への愛着が普及し、今までに多数出版されている出版物にこの漢字の記憶キーが作る漢字による100個の韻文を付加することにより、出版物の理解が容易になる。また、教育への効果、算数の掛算九九のように、言わば百人一首漢字経文の暗誦が普及展開され、日本文学古典の教育の便利な小道具として利用され、また、和歌俳句等の普及の一助となり、さらには、西洋文化にはない日本の漢字や和歌に興味のある外国人の方にとってはこの漢字列はよい小道具となり日本語文化、漢字文化、和歌等のひらがな文化紹介の有力な手法となり、百人一首への興味や理解が外国人の間でも展開が期待される。
また、請求項3に記載の考案のように、前記記憶キーが、複数の漢字からなる場合には認知度がより高く解りやすい漢字から選択されていても良い。
また、請求項4に記載の考案のように、前記記憶キーが、歌の言葉が副詞、助詞、感嘆詞で始まる場合には言葉に該当する名詞や形容詞のように具体的な意味をもたない言葉には、万葉仮名のような読みを表す漢字から選択されていても良い。
本考案に係る百人一首のかるたでは、百人一首の上の句、下の句および歌人名のうち、少なくとも前記上の句を表すMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キーとすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首の上の句を表す10×10の漢字列からなる暗記カードと、前記漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示された百人一首のかるた、とを備えているので、上の句や下の句を漢字にすることを覚え、また逆に漢字から上の句や下の句を思い出すことにより、変換という記憶術の基本を体得することができると共に、直接覚えるよりも漢字を介して変換して覚える方が覚え易いことが判ってくると、記憶術や百人一首の興味が一層増してくる。FATを備えた漢字列暗記によって百人一首の暗誦が易しくなると共に、暗記歌100文の暗記により和歌への愛着が普及し、今までに多数出版されている出版物にこの漢字の記憶キーが作る漢字による100個の韻文を付加することにより、出版物の理解が容易になる。また、教育への効果、算数の掛算九九のように、言わば百人一首漢字経文と、さらに経文から派生する漢字3言詩様韻文の暗誦が普及展開され、日本文学古典の教育の便利な小道具として利用され、また、和歌俳句等の普及の一助となり、さらには、西洋文化にはない日本の漢字や和歌に興味のある外国人の方にとってはこの漢字列はよい小道具となり日本語文化、漢字文化、和歌等のひらがな文化紹介の有力な手法となり、百人一首への興味や理解が外国人の間でも展開が期待される。
百人一首の上の句、下の句および歌人名について、それぞれ記憶変換するMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キーとすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首を表すそれぞれ3種類の10×10の漢字列からなる暗記カードと、前記漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示された百人一首のかるた、とを備えている。

Claims (5)

  1. 百人一首の上の句、下の句および歌人名のうち、少なくとも前記上の句を表すMnemonicsとして頭文字あるいは連想し易い漢字一字の記憶キーとすると共に、当該記憶キーから歌番号第1番から第100番までの100首の上の句を表す10×10の漢字列を作り、この漢字列の順番に対応して当該記憶キーがかるたの表面にそれぞれ表示されていることを特徴とする百人一首のかるた。
  2. 前記記憶キーが、歌の言葉が名詞や形容詞で始まる場合にはその名に該当する漢字から選択されている請求項1に記載の百人一首のかるた。
  3. 前記漢字キーが、複数の漢字からなる場合には認知度がより高く解りやすい漢字から選択されている請求項1に記載の百人一首のかるた。
  4. 前記漢字キーが、歌の言葉が副詞、助詞、感嘆詞で始まる場合には言葉に該当する名詞や形容詞のように具体的な意味をもたない言葉には、万葉仮名のような読みを表す漢字から選択されている請求項1に記載の百人一首のかるた。
  5. 記憶キーが、前記上の句、下の句および歌人名をそれぞれ表わす三つの漢字キーからなり、当該記憶キーに読み上げ用の仮名文字が付記された韻文を備えている請求項1乃至4いずれかに記載の百人一首のかるた。
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