JP3211269B2 - 船外機の吸気装置 - Google Patents
船外機の吸気装置Info
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Description
る。
場合の一般的な吸気装置は、所定容量を持つサージタン
クから気筒数分の吸気管が延出して各吸気ポートに接続
され、上記吸気ポート、若しくは吸気ポート近傍の吸気
管に燃料噴射装置が設置され、上記サージタンクに吸入
空気量を制御するスロットルバルブが取り付けられたも
のである。このような吸気装置において、吸気管は全て
等長とされ、吸気慣性効果を発揮させて混合気の充填効
率が高まるようにされている。
ャフトが直立する姿勢でエンジンが搭載され、例えば直
列多気筒エンジンではシリンダが縦に並ぶように配列さ
れる。このような船外機のエンジンに上記のような吸気
装置を装着する場合、各吸気管を全て等長とするために
はサージタンクがエンジンの側面に配置されなければな
らない。
のエンジン側面にサージタンクが配置された場合、特に
上方の吸気ポートに接続される吸気管はサージタンクか
ら上向きに延出されるため、例えば燃料噴射のタイミン
グがずれるなどして吸気ポートに燃料が溜った場合、こ
の燃料はたやすく吸気管を下り、サージタンクへ逆流し
て他の吸気管に吸い込まれてしまい、各吸気ポートへの
燃料供給量が揃わなくなるおそれがある。このことは特
に船外機のチルトアップ時に顕著になる。さらに逆流し
た燃料やスロットルバルブから吸入された水分がサージ
タンク内に溜まり、サージタンクを汚染したり、サージ
タンクの付属部品等に悪影響を与えることもある。
時、スロットルバルブを全閉にし、サージタンクに設け
たアイドル回転速度制御バルブから適量の空気を吸入さ
せ、アイドリング運転時の回転速度を安定させる方法が
採られるが、このアイドル回転速度制御バルブの防水性
を充分に考慮しないと、アイドル回転速度制御バルブ内
に水が侵入して誤動作を起こさせ、アイドリング運転中
のエンジン5への空気供給量が変動する懸念がある。
ンジンに供給される混合気の空燃比を不適当若しくは不
安定にし、エンジンの不調や燃費の悪化、さらには有害
ガスの放出を招くおそれを持つものである。
ので、複数の吸気管を等長化して吸気効率を向上させつ
つ、船外機の正立時およびチルトアップ時における吸気
管からサージタンクへの燃料の逆流や、サージタンク内
における燃料、若しくは水分の残留を防止するととも
に、アイドル回転速度制御バルブの防水性を確保し、総
合的に混合気の空燃比を最適かつ安定的に保つことので
きる船外機の吸気装置を提供することを目的とする。
め、本発明に係る船外機の吸気装置は、クランクシャフ
トが直立し、シリンダブロックの内部に軸方向が水平な
複数のシリンダが上下方向に多段配列され、シリンダヘ
ッドの一側面に各シリンダに連通する吸気ポートが開口
した4サイクルエンジンのクランクケース側面に所定容
量を備えたサージタンクが設けられ、このサージタンク
から一体的に延出してシリンダブロック側方を通る複数
の吸気管が各々上記吸気ポートに接続され、サージタン
クの上流側にスロットルバルブが設置された船外機の吸
気装置において、上記サージタンクの最上部を最上段の
吸気ポートよりも上方に配置し、サージタンクの最下部
を最下段の吸気ポートよりも上方に配置するとともに、
各吸気管の少なくとも吸気ポートへの接続部分を降下傾
斜させ、その各々の降下傾斜角度を異ならしめた。
前記複数の吸気管の最上部の吸気管と最下部の吸気管と
で前記降下傾斜角度を異ならるとともに、各吸気管の降
下傾斜角度を船外機の最大トリム角度よりも大きくし、
かつ最下部の吸気管を前記サージタンクの最下部から延
出させた。
は、クランクシャフトが直立し、シリンダブロックの内
部に軸方向が水平な複数のシリンダが上下方向に多段配
列され、シリンダヘッドの一側面に各シリンダに連通す
る吸気ポートが開口した4サイクルエンジンのクランク
ケース側面に所定容量を備えたサージタンクが設けら
れ、このサージタンクから一体的に延出してシリンダブ
ロック側方を通る複数の吸気管が各々上記吸気ポートに
接続され、サージタンクの上流側にスロットルバルブが
設置され、その下流側にアイドル回転速度制御バルブが
設けられた船外機の吸気装置において、上記アイドル回
転速度制御バルブを前記サージタンクの最上部に設置
し、このアイドル回転速度制御バルブの吸入孔および排
出孔が、船外機の正立状態および最大チルトアップ状態
に拘らず下向きとなるようにし、上記吸入孔につながる
吸入流路の最上流部を下方に向けて大気に開口させた。
により、複数の吸気管を等長化させ、かつそれぞれスロ
ットルバルブに指向させて吸気効率を向上させるととも
に、船外機の正立時およびチルトアップ時における吸気
管からサージタンクへの燃料の逆流や、サージタンク内
における燃料、若しくは水分の残留を防止することがで
きる。また、アイドル回転速度制御バルブが効果的に防
水され、誤動作が防止される。
しながら説明する。
備えた船外機の右側面図である。この船外機1は、本体
ケーシング2の最上部に載置された略平板状のエンジン
ホルダ3の上に、クランクシャフト4を直立させる姿勢
でエンジン5を搭載し、エンジン5の出力を本体ケーシ
ング2内に垂設されたドライブシャフト6と前後進切換
装置7を介してプロペラシャフト8に伝達し、プロペラ
9を正逆回転させる一般的なレイアウトを持つものであ
る。なお、11はエンジン5を防水保護するため着脱自
在に被装されるエンジンカバーである。
着されたクランプブラケット12は船体13の船尾部に
固定され、船外機1は船体13に対して左右回動自在に
取り付けられ、船体13を推進させるとともに操舵を行
なう。また船外機1は図2に示すようにクランプブラケ
ット12のピボット軸14廻りに最大トリム角度αまで
チルトアップさせることができ、浅瀬航行等が可能とな
っている。
ン5右側面の略図であり、図4は図3のIV−IV線に
沿う断面図である。
HC型式で、燃料噴射により燃料を供給され、シリンダ
ブロック15の内部に上下方向に多段配列された軸方向
が水平な4つのシリンダ16内を摺動自在なピストン1
7の往復運動が、コンロッド18によってクランクシャ
フト4の回転運動に変換され、エンジン5の出力とな
る。
る吸気ポート22と排気ポート23は、それぞれシリン
ダヘッド19の一側面(例えば右側面)とシリンダブロ
ック15との合面とに開口し、それぞれ吸気バルブ24
および排気バルブ25によって開閉され、これらバルブ
24,25の開弁はシリンダヘッド19内で回転自在に
軸支されたカムシャフト26のカム27,28が、ロッ
カシャフト29,31廻りに揺動自在のロッカアーム3
2,33を介して行なう。
内の長手方向に設けられた排気チャンネル34に連通
し、この排気チャンネル34は下方に延びて図示しない
排気通路に繋り、排気ガスは例えば水中に放出される。
側面には、本発明に係る吸気装置35が取り付けられて
いる。この吸気装置35は、所定容量を持つサージタン
ク36がエンジン5の右側面に設けられ、このサージタ
ンク36の下流側となる後面および下面からエンジン5
の気筒数分(4本)の吸気管37が一体的に後方に延出
する一方、サージタンク36の上流側となる前面にスロ
ットルバルブ38がボルト39で固定されている。
の右側方を通って吸気ポート22に達し、各々ボルト4
1で吸気ポート22に接続固定される。一方、サージタ
ンク36はボルト42でエンジン5のクランクケース4
3の右側面に固定されている。また、吸気管37の末端
部分に設けられた取付穴44には燃料噴射装置45が吸
気バルブ24に向けて設置されている。
は、例えばバタフライ方式の弁体47が設けられ、吸入
空気の流量が調節される。また燃料噴射装置45は、上
記弁体47の開度やエンジン5の回転速度などに応じ
て、適量の燃料を吸気ポート22内に噴射する。
36は、各吸気ポート22までの距離をほぼ均等にし、
4本の吸気管37を等長化して吸気慣性効果を発揮させ
るため、前述の如く必然的にエンジン5の側面に配置さ
れ、かつサージタンク36の最上部(上面)が最上段の
吸気ポート22よりも上方に位置し、サージタンク36
の最下部(下面)が最下段の吸気ポート22よりも上方
に位置している。
吸気管37は、それぞれ降下傾斜角度β1,β2,
β3,β4を持って各吸気ポート22に接続される。こ
れらの降下傾斜角度β1,β2,β3,β4は、全て前
述した船外機1の最大トリム角度αより大きくされ、か
つ各々異ならしめられ、特に最上部の吸気管37の降下
傾斜角度β1が急な角度に設定されているのに対し、最
下部の吸気管37の降下傾斜角度β4はβ1よりも浅い
角度に設定されている。
気管37は、上記降下傾斜角度β1,β2,β3を持た
せるためにサージタンク36から一旦上方に向って延
び、中間部分を下方に向けて湾曲させられている。また
最下の吸気管37は、サージタンク36の最下部である
底面48から直線的に、斜め下方へ延びている。そして
各吸気管37の上流側は全てスロットルバルブ38に指
向している。
である上に、その上流側がそれぞれスロットルバルブ3
8に指向しているため、スロットルバルブ38からの新
気の流れがスムーズになり、優れた吸気効率が得られ
る。また、最上部の吸気管37の降下傾斜角度β1と最
下部の吸気管37の降下傾斜角度β4とが異なる設定で
あるため、レイアウト面で各吸気管37の等長化に貢献
することができる。
び最大トリム状態(図2)に拘らず、各吸気管37が降
下傾斜角度を持って各吸気ポート22に接続されるた
め、燃料噴射のタイミングがずれるなどしていずれかの
吸気ポート22に燃料が溜まっても、この燃料が吸気管
37を逆流してサージタンク36に流れ込むことはな
く、よって他の吸気管37がこの余剰燃料を吸引するそ
おれもなくなり、全ての吸気ポート22に供給される燃
料の量が均一に保たれる。
部とが、それぞれ最上段と最下段の吸気ポート22より
も上方に位置していることと、最下の吸気管37がサー
ジタンク36の最下部から導出されていることから、万
一サージタンク36内に余剰燃料若しくは外部から吸入
された水分があっても、この余剰燃料および水分は速や
かに最下の吸気管37に吸入され、サージタンク36内
に溜まることはない。このためサージタンク36内の汚
染や、サージタンク付属部品への悪影響が回避される。
アイドル回転速度制御バルブ51が設けられている。こ
のアイドル回転速度制御バルブ51は、エンジン5のア
イドリング運転時において全閉となる前記スロットルバ
ルブ38の代りに開弁し、スロットルバルブ38よりも
下流側のサージタンク36内に新気を導入させ、その開
弁量を運転状況に応じて細かく制御することによりアイ
ドリング回転速度を一定に保つものである。
51の取着状態を示す断面図で、図6は図5のVI−V
I線に沿う断面図である。
は、図示しないステップモータあるいはソレノイドなど
の駆動装置と、この駆動装置によって開弁量を制御され
るアイドル弁とがあり、アイドル弁の上流側となる吸入
孔52と、下流側となる排出孔53はサージタンク36
に面して開口している。
ば固定用フランジ54を有し、この固定用フランジ54
は防水材55,56に挟まれた上にブラケット57で押
さえられ、ビス58などでサージタンク36に固定され
る。このときアイドル回転速度制御バルブ51の固定姿
勢は、上記吸入孔52および排出孔53が、船外機1の
正立状態および最大トリム状態に拘らず下向きとなるよ
うにされている。
致するようサージタンク36には吸入流路61と排出流
路62とが形成されており、上記吸入流路61の最上流
部は例えばエルボ管63とされ、このエルボ管63の開
口部64は下方に向けられている。
1を配置し、吸入流路61を配設したため、エンジン5
のアイドリング運転時においてアイドル回転速度制御バ
ルブ51の周辺に万一水が掛かっても、アイドル回転速
度制御バルブ51内に水が吸入されるおそれはなく、内
部に水分が残留することもない。よってアイドル回転速
度制御バルブ51が誤動作するおそれはなくなり、アイ
ドリング運転時のエンジン5への空気供給量が安定す
る。
のVII−VII線に沿う断面図であり、図8は図7の
VIII矢視図である。
部65には、ゴムなどの弾性材料でなる筒状の吸気ガイ
ド66が装着され、固定バンド67で締め付けられて抜
脱を防止されている。
ブ38の付属部品である保護ネット68やエアーテンプ
センサ69、あるいは図3にも示すブリーザパイプ71
若しくは揮発燃料パイプ72などの未燃焼ガス還元パイ
プ接続用のユニオン73,74などが弾性支持されてい
る。
ンサ69、ユニオン73,74などが船外機1の振動に
よって抜脱してしまうおそれはなく、確実に作用するこ
とができるとともに、これらの部品68,69,73,
74をスロットルバルブ38に直接取り着ける必要がな
いため、スロットルバルブ38の加工コストが高くなら
ない。
数の吸気管37が等長化されるとともにスロットルバル
ブ38に指向しているので吸気効率が向上するととも
に、吸気管37からサージタンク36への燃料の逆流
や、サージタンク36内における燃料、若しくは水分の
残留が防止され、かつアイドル回転速度制御バルブ51
が防水されて正確に作動し、またスロットルバルブ38
の付属部品(68,69,73,74)の取付が確実に
行なわれ、抜脱したりエンジン5の吸気負圧による影響
を受けることなく有効に作用するため、総合的にエンジ
ン5に供給される混合気の空燃比は適当かつ安定的に保
たれ、燃料の完全燃焼が促される。
たれ、燃費が向上すると同時に排気ガス中の有害成分が
減少し、未燃焼ガス等の有害ガスの放出も防がれる。
機の吸気装置によれば、複数の吸気管を等長化して吸気
効率を向上させつつ、船外機の正立時およびチルトアッ
プ時における吸気管からサージタンクへの燃料の逆流
や、サージタンク内における燃料、若しくは水分の残留
を防止するとともに、アイドル回転速度制御バルブの防
水性を確保し、総合的に混合気の空燃比を最適かつ安定
的に保つことができる。
の右側面図。
図。
断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 クランクシャフトが直立し、シリンダブ
ロックの内部に軸方向が水平な複数のシリンダが上下方
向に多段配列され、シリンダヘッドの一側面に各シリン
ダに連通する吸気ポートが開口した4サイクルエンジン
のクランクケース側面に所定容量を備えたサージタンク
が設けられ、このサージタンクから一体的に延出してシ
リンダブロック側方を通る複数の吸気管が各々上記吸気
ポートに接続され、サージタンクの上流側にスロットル
バルブが設置された船外機の吸気装置において、上記サ
ージタンクの最上部を最上段の吸気ポートよりも上方に
配置し、サージタンクの最下部を最下段の吸気ポートよ
りも上方に配置するとともに、各吸気管の少なくとも吸
気ポートへの接続部分を降下傾斜させ、その各々の降下
傾斜角度を異ならしめたことを特徴とする船外機の吸気
装置。 - 【請求項2】 前記複数の吸気管の最上部の吸気管と最
下部の吸気管とで前記降下傾斜角度を異ならせた請求項
1に記載の船外機の吸気装置。 - 【請求項3】 前記複数の吸気管の前記降下傾斜角度を
船外機の最大トリム角度よりも大きくした請求項1およ
び請求項2に記載の船外機の吸気装置。 - 【請求項4】 前記複数の吸気管の最下部の吸気管を前
記サージタンクの最下部から延出させた請求項1〜請求
項3に記載の船外機の吸気装置。 - 【請求項5】 クランクシャフトが直立し、シリンダブ
ロックの内部に軸方向が水平な複数のシリンダが上下方
向に多段配列され、シリンダヘッドの一側面に各シリン
ダに連通する吸気ポートが開口した4サイクルエンジン
のクランクケース側面に所定容量を備えたサージタンク
が設けられ、このサージタンクから一体的に延出してシ
リンダブロック側方を通る複数の吸気管が各々上記吸気
ポートに接続され、サージタンクの上流側にスロットル
バルブが設置され、その下流側にアイドル回転速度制御
バルブが設けられた船外機の吸気装置において、上記ア
イドル回転速度制御バルブを前記サージタンクの最上部
に設置し、このアイドル回転速度制御バルブの吸入孔お
よび排出孔が、船外機の正立状態および最大チルトアッ
プ状態に拘らず下向きとなるようにし、上記吸入孔につ
ながる吸入流路の最上流部を下方に向けて大気に開口さ
せたことを特徴とする船外機の吸気装置。
Priority Applications (1)
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1991
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