JP3208610B2 - 荷電粒子ビームブロック露光法及び露光装置 - Google Patents

荷電粒子ビームブロック露光法及び露光装置

Info

Publication number
JP3208610B2
JP3208610B2 JP00229993A JP229993A JP3208610B2 JP 3208610 B2 JP3208610 B2 JP 3208610B2 JP 00229993 A JP00229993 A JP 00229993A JP 229993 A JP229993 A JP 229993A JP 3208610 B2 JP3208610 B2 JP 3208610B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mask
deflector
round aperture
mask deflector
deflection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00229993A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06208945A (ja
Inventor
義久 大饗
智彦 阿部
克彦 小林
樹一 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP00229993A priority Critical patent/JP3208610B2/ja
Publication of JPH06208945A publication Critical patent/JPH06208945A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3208610B2 publication Critical patent/JP3208610B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electron Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビーム、イオンビ
ーム等の荷電粒子ビームを、マスクステージの移動また
はビームの偏向によって、ブロックマスクに形成された
任意形状の開口を選択的に通し、荷電粒子ビームをブロ
ックマスクの開口と同じ形状に整形し、この整形された
荷電粒子ビームを試料の上の所定の位置に連続的に投影
することによって、微細な連続パターンを能率よく形成
する荷電粒子ビームブロック露光法およびその露光法を
実施する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路が高密度化されるに伴
い、長年にわたって微細パターン形成法の主流であった
可視光あるいは紫外光を用いたフォトリソグラフィーに
代わり、荷電粒子ビーム、特に電子ビームを用いる新し
い露光法が検討され、実用化の段階を迎えている。
【0003】この電子ビーム露光法は、電子ビームを用
いてパターンを露光するため、ミクロンオーダーまたは
それより微細なサブミクロンオーダーのパターンを形成
することができるという大きな特徴を有している反面、
微細な径の電子ビームによって露光領域を塗りつぶす、
いわゆる「一筆書き」露光法であるため、その処理能力
に限界がある。
【0004】そこで、矩形状の開口を有する2枚のマス
クを平行に配置し、この2枚のマスクをその平面上で相
対的に移動して、2枚のマスクの開口が重なり合う領域
の形状と大きさを制御し、電子ビームをこの開口の重な
り合った領域を通して整形することによって、1ショッ
トで目的とする形状と大きさの矩形パターンを露光する
可変矩形露光法が提案されている。
【0005】また、目的とする集積回路パターンにおい
て繰り返して使用される長方形、正方形、三角形等の開
口を有するマスクを用い、電子ビームをステージの移動
またはビームの偏向によって所望の形状の開口を選択的
に通して、その開口の形状に整形した電子ビームを、偏
向器および電磁レンズを用いて偏向集束して試料上に繰
り返して投影することによって、目的とする集積回路パ
ターンの露光を効率的に行うブロック露光法が提案され
ている。
【0006】ところが、この電子ビームを用いた可変矩
形露光法において、電子ビームを精度よく矩形状に整形
するためには、下記のような経時変化による矩形サイズ
の変動を定期的に較正することが必要であった。
【0007】a 矩形電子ビームのサイズの変化率
(X,Y方向、ゲイン) b 第2整形用矩形開口に対する第1整形用矩形開口に
よって整形された電子ビームの偏向方向(X,Y方向、
ローテーション) c 電子ビームの結像位置に対する偏向電極の実効偏向
中心位置(X,Y方向、オフセット) 従来の可変矩形露光法においては、これらの較正を5分
間に一度程度の頻度で行うことによって、矩形電子ビー
ムのサイズを所望の精度内に収めることが可能であっ
た。
【0008】前記の較正が必要となる主な要因として以
下の事項を挙げることができる。 a 装置自体の発熱や気温の変化による装置の寸法変化 b 偏向器や電磁レンズ等のアナログアンプ系のドリフ
ト c 矩形開口のチャージアップ d 静電偏向型偏向器のチャージアップ
【0009】ところで、前記の、温度変化による装置の
寸法変化、偏向器や電磁レンズ等のアナログアンプ系の
ドリフト、矩形開口のチャージアップ、静電偏向型偏向
器のチャージアップ等は、偏向量が数100μm□に過
ぎない可変矩形露光法においても、電子ビーム位置の変
動や偏向能率の変動を引き起し、電子ビームの整形精度
を劣化させ、試料上の電子ビームの位置変動をも引き起
こすが、ブロックマスク板上での偏向量が数mmに達す
る電子ビームブロック露光法においては、より大きい影
響を受けるため、さらに精度の高い偏向特性の較正が必
要になる。
【0010】ここで、本発明の前提をなす荷電粒子ビー
ムブロック露光装置の典型的な例として電子ビームブロ
ック露光装置の全体構成を簡単に説明する。
【0011】図5は、従来の電子ビームブロック露光装
置の構成説明図である。この図において、30は露光
部、31はカソード電極、32はグリッド電極、33は
アノード電極、34は荷電粒子ビーム発生源、35は矩
形状の開口を有するスリット板、36は第1の電子レン
ズ、37はスリット偏向器、38は第2のレンズ、39
は第3のレンズ、40はブロックマスク、41は第1の
偏向器、42は第2の偏向器、43は第3の偏向器、4
4は第4の偏向器、45はブランキング電極、46は第
4のレンズ、47はアパーチャ板、48はリフォーカス
コイル、49は第5のレンズ、50はフォーカスコイ
ル、51はスティグコイル、52は第6のレンズ、53
はメイン偏向器、54はサブ偏向器、55はX−Yステ
ージ、56は第1のアラインメントコイル、57は第2
のアラインメントコイル、58は第3のアラインメント
コイル、59は第4のアラインメントコイル、70は制
御部、71は記憶媒体、72はCPU、73はインター
フェイス、74はデータメモリ、75はパターン制御コ
ントローラ、76はアンプ部、77はマスク移動機構、
78はブランキング制御回路、79はアンプ部、80は
シーケンスコントローラ、81はステージ移動機構、8
2はレーザ干渉計、83は偏向制御回路、84,85は
アンプ部である。
【0012】この荷電粒子ビームブロック露光装置は、
露光部30と制御部70によって構成されている。露光
部30は、カソード電極31、グリッド電極32および
アノード電極33を有する荷電粒子ビーム発生源34
と、荷電粒子ビームを矩形状の開口を有する第1のスリ
ット板35は、矩形状断面に整形された荷電粒子ビーム
を集束する第1の電子レンズ36と、修正変更信号S1
に応じて荷電粒子ビームの位置を修正変更するためのス
リット偏向器37と、対向して設けられた第2のレンズ
38、第3のレンズ39と、この第2のレンズ38と第
3のレンズ39の間に水平方向に移動可能で、任意形状
の開口をもつブロックマスク40と、このブロックマス
ク40の上下方向に配置されており、各々位置情報P1
〜P4 に応じて第2のレンズ38と第3のレンズ39の
間の荷電粒子ビームを偏向し、ブロックマスク40の複
数の開口の一つを選択する第1の偏向器41、第2の偏
向器42、第3の偏向器43、第4の偏向器44と、荷
電粒子ビームを遮断するブランキング電極45と、第4
のレンズ46とアパーチャ板47と、リフォーカスコイ
ル48と、第5のレンズ49と、フォーカスコイル50
と、スティグコイル51と、第6のレンズ52と、露光
位置決定信号S2 ,S3 に応じてウェハ上の荷電粒子ビ
ームの位置決めをするメイン偏向器53およびサブ偏向
器54と、ウェハを搭載してX−Y方向に移動するX−
Yステージ55と、第1のアラインメントコイル56、
第2のアラインメントコイル57、第3のアラインメン
トコイル58、第4のアラインメントコイル59を有し
ている。
【0013】一方、制御部70は、集積回路装置の設計
データを記憶した記憶媒体71と、荷電粒子ビーム露光
装置全体を制御するCPU72と、CPU72によって
取り込まれた例えば描画情報、そのパターンを描画すべ
きウェハW上の描画位置情報およびブロックマスク40
のマスク情報などの各種の情報を転送するインターフェ
イス73と、インターフェイス73から転送された描画
パターン情報およびマスク情報を保持するデータメモリ
74と、この描画パターン情報およびマスク情報に従っ
て例えばブロックマスク40の開口の一つを指定し、そ
の指定開口のブロックマスク40上での位置を示す位置
データを発生するとともに、描画すべきパターン形状と
指定開口形状との形状差に応じた補正値Hを演算する処
理を含む各種処理を行う指定手段、保持手段、演算手段
および出力手段としてのパターン制御コントローラ75
と、上記補正値Hから修正変更信号S1 を生成するアン
プ部76と、必要に応じてブロックマスク40を移動さ
せるマスク移動機構77と、ブランキング制御回路78
と、ブランキング信号Sbを生成するアンプ部79とを
備えてるとともに、インターフェイス73から転送され
た描画位置情報に従って描画処理シーケンスを制御する
シーケンスコントローラ80と、必要に応じてステージ
を移動させるステージ移動機構81と、ステージ位置を
検出するレーザ干渉計82と、ウェハ上の露光位置を演
算する偏向制御回路83と、露光位置決定信号S2 ,S
3 を生成するアンプ部84,85を具えている。
【0014】本発明者らは、先に電子ビーム等の荷電粒
子ビームを用いたブロック露光装置において、装置全体
の発熱や気温の変化による装置の寸法変化、マスク偏向
器、電磁レンズ等を駆動するアナログアンプ系のドリフ
ト、開口のチャージアップ、静電偏向型偏向器のチャー
ジアップ等による荷電粒子ビームの偏向特性の経時変化
を、マスク偏向器に加える電圧によって較正する方法を
提案した。
【0015】図6、図7、図8は、先に提案した荷電粒
子ビームブロック露光装置の偏向特性の経時変化を補正
する方法の説明図である。この図において、91はスリ
ット偏向器、92は多角形整形板、93は第1のマスク
偏向器、94は第2のマスク偏向器、95はブロックマ
スク、96は第3のマスク偏向器、97は第4のマスク
偏向器、98はレンズ光学系、99はラウンドアパーチ
ャである。以下、これらの図によって本発明者らが先に
提案した荷電粒子ビームブロック露光装置における荷電
粒子ビームの偏向特性の経時変化を較正する方法を説明
する。
【0016】本発明者らが先に提案した荷電粒子ビーム
露光装置の経時変化を較正する方法においては、スリッ
ト偏向器91によって偏向された荷電粒子ビームが通過
する位置に荷電粒子ビームを整形する矩形、正方形等の
開口を有する多角形整形板92と、任意形状の開口が1
個以上形成されているブロックマスク95が配置され、
このブロックマスク95の上方に荷電粒子ビームを偏向
するための第1のマスク偏向器93と第2のマスク偏向
器94が配置され、また、ブロックマスク95の下方に
荷電粒子ビームを偏向するための第3のマスク偏向器9
6と第4のマスク偏向器97が配置され、これらの第1
のマスク偏向器93、第2のマスク偏向器94、第3の
マスク偏向器96、第4のマスク偏向器97とブロック
マスク95の上下にわたって形成された電子レンズ光学
系98が、ブロックマスク95を挟んで鏡面対称に配置
されており、さらに第4のマスク偏向器97の直下の光
軸上にラウンドアパーチャ99が配置されている。
【0017】そして、ブロックマスク95よりも上に位
置するマスク偏向器によって荷電粒子ビームを偏向し
て、ブロックマスク95の所望の形状の開口を通して整
形した後に、この荷電粒子ビームを電子レンズ光学系9
8とブロックマスク95よりも下に位置するマスク偏向
器によって無偏向のときの光軸上にあるラウンドアパー
チャ99に戻す方法が採られている。
【0018】また、マスク偏向器をブロックマスク95
の上下に2段ずつ配置し、内側の2つのマスク偏向器、
すなわち第2のマスク偏向器と第3のマスク偏向器によ
って荷電粒子ビームがブロックマスクに垂直に入射し垂
直に出射するように偏向している。さらに、ブロックマ
スク95に入射する荷電粒子ビームの拡散を防ぎ、平行
な軌道をとらせることと、偏向量を大きくするために、
第1のマスク偏向器93、第2のマスク偏向器94、第
3のマスク偏向器96、第4のマスク偏向器97とレン
ズ光学系98をブロックマスク95に対して鏡面対称に
配置している。このようにすることにより、荷電粒子ビ
ームをブロックマスク95上の広い範囲にわたって偏向
し、所望の開口を選択して、大きな歪を伴うことなく整
形することができる。
【0019】本発明者らが先に提案した荷電粒子ビーム
露光装置においては、上記の構成を有する荷電粒子ビー
ム露光装置を用いて、次に記載する各工程を加えること
によって露光ビームパターンの経時変化を較正してい
る。
【0020】第1工程 マスク偏向器をすべてオフにした状態で、ラウンドアパ
ーチャ99を透過する電流値が最大になるように図示さ
れていないアラインメントコイル等を調整した後に、第
1のマスク偏向器93のみに電圧V1 を印加してオンに
し、第1のマスク偏向器93によるラウンドアパーチャ
99の上でのクロスオーバー像の偏向量G1 および偏向
位相θ1 を記憶する。
【0021】第2工程 第2のマスク偏向器94のみに電圧V2 を印加し、第2
のマスク偏向器94によるラウンドアパーチャ99の上
でのクロスオーバー像の偏向量G2 および偏向位相θ2
を記憶する。
【0022】第3工程(図6参照) 上記の第1工程と第2工程によって得られたクロスオー
バー像の偏向量G1 ,G2 と偏向位相θ1 ,θ2 から、
第1のマスク偏向器93と第2のマスク偏向器94に同
時に電圧V1 ,V2 を印加したときに、ラウンドアパー
チャ99上でクロスオーバー像の偏向能率を0にする第
1のマスク偏向器93と第2のマスク偏向器94の偏向
位相差(θ1 +θ2 )と偏向量比(G1 /G2 )を決定
する。
【0023】この場合、荷電粒子ビームのブロックマス
ク95への半径方向の入射角と出射角は共にθRM=90
°となりブロックマスク95を垂直に透過しているが、
円周方向には垂直入射していない。また、ラウンドアパ
ーチャ99への入射角はθRA≠90°であって垂直に入
射していない。
【0024】図中の実線は荷電粒子ビームがラウンドア
パーチャ99に振り戻された場合の軌跡を示し、2点鎖
線は第1の偏向器93と第2の偏向器94の偏向量の比
が適切でないために、荷電粒子ビームがラウンドアパー
チャ99に振り戻されない場合を示している。
【0025】第4工程 第3のマスク偏向器96のみに電圧V3 を印加し、第3
のマスク偏向器96によるラウンドアパーチャ99の上
でのクロスオーバー像の偏向量G3 および偏向位相θ3
を記憶する。
【0026】第5工程 第4のマスク偏向器97のみに電圧V4 を印加し、第4
のマスク偏向器97によるラウンドアパーチャ99の上
でのクロスオーバー像の偏向量G4 および偏向位相θ4
を記憶する。
【0027】第6工程(図7参照) 上記の第3工程と第4工程によって得られたクロスオー
バー像の偏向量G3 ,G4 と偏向位相θ3 ,θ4 から、
第3のマスク偏向器96と第4のマスク偏向器97に同
時に電圧V3 ,V4 を印加してオンにしたときの、ラウ
ンドアパーチャ99上でのクロスオーバー像の偏向能率
を0にする第3のマスク偏向器96と第4のマスク偏向
器97の偏向位相差(θ3 +θ4 )と偏向量比(G3
4 )を決定する。
【0028】図の実施線a、1点鎖線b、2点鎖線c
は、ラウンドアパーチャ99上でのクロスオーバー像の
偏向能率を0にする軌跡の例を示している。この場合
は、ラウンドアパーチャ99への入射角はθRA≠90°
であって垂直に入射していない。
【0029】第7工程(図8参照) 第1のマスク偏向器93、第2のマスク偏向器94、第
3のマスク偏向器96、第4のマスク偏向器97に同時
に電圧V1 ,V2 ,V3 ,V4 を印加してオンにした場
合に、偏向量比(G1 /G2 ),(G3 /G4 )と偏向
位相差(θ1 +θ2 ),(θ3 +θ4 )を変えないで、
荷電粒子ビームをラウンドアパーチャ99に最も垂直に
入射させるための、第1のマスク偏向器93と第2のマ
スク偏向器94、および、第3のマスク偏向器96と第
4のマスク偏向器97の相対偏向位相を求める。
【0030】図の実線aは理想的な荷電粒子ビームの軌
跡を示し、1点鎖線bと2点鎖線cは、第3のマスク偏
向器96と第4のマスク偏向器97の偏向量が適当でな
い場合の軌跡を示している。なお、破線xは、ブロック
マスク95に対称にスリット偏向器91の中心のクロス
オーバー像からラウンドアパーチャ99のクロスオーバ
ー像が対称的に配置されていることを示している。
【0031】第8工程 第1のマスク偏向器93、第2のマスク偏向器94、第
3のマスク偏向器96、第4のマスク偏向器97に同時
に電圧V1 ,V2 ,V3 ,V4 を印加してオンにした場
合に、偏向ゲイン比(G1 /G2 ),(G3 /G4 )と
偏向位相差(θ 1 +θ2 ),(θ3 +θ4 )を変えない
で、荷電粒子ビームをラウンドアパーチャ99に最も垂
直に入射させるための、第1のマスク偏向器93と第2
のマスク偏向器94、および、第3のマスク偏向器96
と第4のマスク偏向器97の相対偏向量を求める。
【0032】第9工程 第1のマスク偏向器93、第2のマスク偏向器94、第
3のマスク偏向器96、第4のマスク偏向器97の相対
偏向量と相対偏向位相を用いて、ブロックマスク95上
の偏向座標の偏向量と偏向方向を一致させてブロックマ
スク95上のパターンを選択する。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の発明
者らが先に提案した荷電粒子ビームブロック露光装置に
は以下のようなさらに改善すべき余地があることがわか
った。
【0034】(1)各マスク偏向器による個別の偏向が
行われた場合、ラウンドアパーチャ99上での電子ビー
ムの位置ずれは不可避であり、その較正手順である第1
工程(第1のマスク偏向器93のみに電圧V1 を印加し
てオンにし、第1のマスク偏向器93によるラウンドア
パーチャ99の上でのクロスオーバー像の偏向量G1
よび偏向位相θ1 を記憶する。)、第2工程(第2のマ
スク偏向器94のみに電圧V2 を印加し、第2のマスク
偏向器94によるラウンドアパーチャ99の上でのクロ
スオーバー像の偏向量G2 および偏向位相θ2 を記憶す
る。)、第4工程(第3のマスク偏向器96のみに電圧
3 を印加し、第3のマスク偏向器96によるラウンド
アパーチャ99の上でのクロスオーバー像の偏向量G3
および偏向位相θ3 を記憶する。)、第5工程(第4の
マスク偏向器97のみに電圧V4 を印加し、第4のマス
ク偏向器97によるラウンドアパーチャ99の上でのク
ロスオーバー像の偏向量G4 および偏向位相θ4 を記憶
する。)は、装置自身による調整ができないため、人手
に頼らなくてはならず、露光中に較正する場合のように
高速性が要求され、かつ5分に一度というように頻繁に
較正を行う必要がある場合は現実問題として実施不可能
である。
【0035】(2)較正手順である、第3工程(第1工
程と第2工程によって得られたクロスオーバー像の偏向
量G1 ,G2 と偏向位相θ1 ,θ2 から、第1のマスク
偏向器93と第2のマスク偏向器94に同時に電圧
1 ,V2 を印加したときに、ラウンドアパーチャ99
上でクロスオーバー像の偏向能率を0にする第1のマス
ク偏向器93と第2のマスク偏向器94の偏向位相差
(θ1 +θ2 )と偏向量比(G 1 /G2 )を決定す
る。)と第6工程(第3工程と第4工程によって得られ
たクロスオーバー像の偏向量G3 ,G4 と偏向位相
θ3 ,θ4 から、第3のマスク偏向器96と第4のマス
ク偏向器97に同時に電圧V3 ,V4 を印加してオンに
したときの、ラウンドアパーチャ99上でのクロスオー
バー像の偏向能率を0にする第3のマスク偏向器96と
第4のマスク偏向器97の偏向位相差(θ3 +θ4)と
偏向量比(G3 /G4 )を決定する。)は、ラウンドア
パーチャ99上でのビーム位置ずれが僅かであるため装
置による調整が可能で、第1のマスク偏向器93と第2
のマスク偏向器94の場合を考えると、第1のマスク偏
向器93と第2のマスク偏向器94による偏向ベクトル
を合成することによって如何なる場合においても、ラウ
ンドアパーチャ99上でのビームの位置ずれを0にする
ことができる。
【0036】すなわち、第1のマスク偏向器93によっ
て生じたずれを第2のマスク偏向器94によって補正し
てもよいし、第2のマスク偏向器94によって生じたず
れを第1のマスク偏向器93によって補正してもよいこ
とになる。
【0037】しかし、第1のマスク偏向器93によって
生じたずれは、そのずれを発生した第1のマスク偏向器
93の偏向特性を較正することによって荷電粒子ビーム
の軌跡を補正し、また、第2のマスク偏向器94によっ
て生じたずれは、第2のマスク偏向器94自体の偏向特
性を較正することによって荷電粒子ビームの軌道を補正
して、全軌跡にわたって、本来あるべき荷電粒子ビーム
の軌跡を描くように調整することが正しい較正である。
【0038】第3のマスク偏向器96と第4のマスク偏
向器97の場合もこれと同様であり、各マスク偏向器自
体の偏向位相および偏向量を、本来あるべき状態で正確
に較正していることにならない。
【0039】(3)また、その手順である第3工程(第
1工程と第2工程によって得られたクロスオーバー像の
偏向量G1 ,G2 と偏向位相θ1 ,θ2 から、第1のマ
スク偏向器93と第2のマスク偏向器94に同時に電圧
1 ,V2 を印加したときに、ラウンドアパーチャ99
上でクロスオーバー像の偏向能率を0にする第1のマス
ク偏向器93と第2のマスク偏向器94の偏向位相差
(θ1 +θ2 )と偏向量比(G1 /G2 )を決定す
る。)と第6工程(第3工程と第4工程によって得られ
たクロスオーバー像の偏向量G3 ,G4 と偏向位相
θ3 ,θ4 から、第3のマスク偏向器96と第4のマス
ク偏向器97に同時に電圧V3 ,V4 を印加してオンに
したときの、ラウンドアパーチャ99上でのクロスオー
バー像の偏向能率を0にする第3のマスク偏向器96と
第4のマスク偏向器97の偏向位相差(θ3 +θ4 )と
偏向量比(G3 /G4 )を決定する。)は、ブロックマ
スク95上においてR(半径)方向に対しては垂直入射
しているが、θ(円周)方向に対しては垂直入射してい
ないことになる。
【0040】現実にθ方向に対して垂直入射にするため
には、第2のマスク偏向器94、第3のマスク偏向器9
6の偏向量R3 ,R4 と偏向位相θ3 ,θ4 を変化させ
る必要があり、このことはラウンドアパーチャ上に第1
のマスク偏向器93、第2のマスク偏向器94、第3の
マスク偏向器96、第4のマスク偏向器97、それぞれ
で荷電粒子ビームを固定することに相反するため、完全
垂直入射を実現する際には適用できない。
【0041】(4)その手順である第9工程(第1のマ
スク偏向器93、第2のマスク偏向器94、第3のマス
ク偏向器96、第4のマスク偏向器97の相対偏向量と
相対偏向位相を用いて、ブロックマスク95上の偏向座
標の偏向量と偏向方向を一致させてブロックマスク95
上のパターンを選択する。)は、ブロックマスク95上
で荷電粒子ビームの位置を較正するために、ブロックマ
スク95の上流にある第1のマスク偏向器93と第2の
マスク偏向器94を使用して較正することはできるが、
第3のマスク偏向器96と第4のマスク偏向器97の較
正はできず、結局垂直入射性の較正である第7工程(第
1のマスク偏向器93、第2のマスク偏向器94、第3
のマスク偏向器96、第4のマスク偏向器97に同時に
電圧V1 ,V2 ,V3 ,V4 を印加してオンにした場合
に、偏向量比(G1 /G2 ),(G 3 /G4 )と偏向位
相差(θ1 +θ2 ),(θ3 +θ4 )を変えないで、荷
電粒子ビームをラウンドアパーチャ99に最も垂直に入
射させるための、第1のマスク偏向器93と第2のマス
ク偏向器94、および、第3のマスク偏向器96と第4
のマスク偏向器97の相対偏向位相を求める。)を実施
して、第3のマスク偏向器96、第4のマスク偏向器9
7の相対偏向量と偏向位相を決定せざるをえない。
【0042】(5)前記の工程を始めから終わりまで行
えば各マスク偏向器の較正はできるが、かなりの較正時
間がかかり、露光中の装置較正のように高速性が要求さ
れ、かつ、5分間に1度のように頻繁に較正を行うよう
な場合は実施不可能になる。
【0043】本発明は、マスク偏向器またはマスク偏向
器群によって発生する経時的な偏向フィールドの歪み
を、その歪みを発生するマスク偏向器または各マスク偏
向器群ごとに、その電気的条件を定期的に較正すること
によって、マスク偏向器による偏向歪みを容易に補正す
ることができる荷電粒子ビームブロック露光法および露
光装置を提供することを目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる荷電粒子
ビームブロック露光法においては、荷電粒子ビームが通
過する位置に該荷電粒子ビームを整形する矩形整形板
と、任意形状の開口が1個以上形成されているブロック
マスクが配置され、該ブロックマスクの上方に該荷電粒
子ビームを偏向するための少なくとも第1のマスク偏向
器と第2のマスク偏向器が配置され、また、該ブロック
マスクの下方に該荷電粒子ビームを偏向するための少な
くとも第3のマスク偏向器と第4のマスク偏向器が配置
され、各マスク偏向器と該ブロックマスクの上下の電子
レンズ光学系が該ブロックマスクを挟んで鏡面対称に配
置されており、さらに各マスク偏向器の直下に第1のラ
ウンドアパーチャが配置された荷電粒子ビーム露光装置
を用い、第1のラウンドアパーチャとほぼ等しい高さの
平面上の第1のラウンドアパーチャとは異なる位置に第
2のラウンドアパーチャが配置され、該マスク偏向器を
すべてオフにした状態で、第1のラウンドアパーチャを
透過する電流値が最大になるように電子レンズ光学系を
調整した後に、a第1のマスク偏向器のみをオンにし、
第1のマスク偏向器の電気的条件を調節して第2のラウ
ンドアパーチャを透過する電流値を最大にしたときの第
1のマスク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電気的条
件を記憶する工程と、b第2のマスク偏向器のみをオン
にし、第2のマスク偏向器の電気的条件を調節して第2
のラウンドアパーチャを透過する電流値を最大にしたと
きの第2のマスク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電
気的条件を記憶する工程と、c第3のマスク偏向器のみ
をオンにし、第3のマスク偏向器の電気的条件を調節し
て第2のラウンドアパーチャを透過する電流値を最大に
したときの第3のマスク偏向器の偏向位相と偏向量に関
する電気的条件を記憶する工程と、d第4のマスク偏向
器のみをオンにし、第4のマスク偏向器の電気的条件を
調節して第2のラウンドアパーチャを透過する電流値を
最大にしたときの第4のマスク偏向器の偏向位相と偏向
量に関する電気的条件を記憶する工程と、を経てブロッ
クマスクによる露光を開始し、適宜の時間ごとに、各マ
スク偏向器に前記a,b,c,dの工程を加えて第2の
ラウンドアパーチャを透過する電流値を最大にする各マ
スク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電気的条件を決
定し、直前に第2のラウンドアパーチャを透過する電流
値が最大になるように調節したときの各マスク偏向器の
偏向位相と偏向量に関する電気的条件と今回第2のラウ
ンドアパーチャを透過する電流値が最大になるように調
節したときの各マスク偏向器の偏向位相と偏向量に関す
る電気的条件の間の変動量を求め、この変動量によって
各マスク偏向器に与える電気的条件を較正する。
【0045】この場合に、aブロックマスク上流の第1
のマスク偏向器と第2のマスク偏向器のみをオンにし、
第1のマスク偏向器と第2のマスク偏向器の相対偏向位
相と相対偏向量を一定に保った状態で第1のマスク偏向
器と第2のマスク偏向器の電気的条件を調節して第2の
ラウンドアパーチャを透過する電流値を最大にしたとき
の第1のマスク偏向器と第2のマスク偏向器の偏向位相
と偏向量に関する電気的条件を記憶する工程と、bブロ
ックマスク下流の第3のマスク偏向器と第4のマスク偏
向器のみをオンにし、第3のマスク偏向器と第4のマス
ク偏向器の相対偏向位相と相対偏向量を一定に保った状
態で第3のマスク偏向器と第4のマスク偏向器の電気的
条件を調節して第2のラウンドアパーチャを透過する電
流値を最大にしたときの第3のマスク偏向器と第4のマ
スク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電気的条件を記
憶する工程とを経てブロックマスクによる露光を開始
し、適宜の時間ごとに、前記a,bの工程を加えて第2
のラウンドアパーチャを透過する電流値を最大にする第
1のマスク偏向器と第2のマスク偏向器および第3のマ
スク偏向器と第4のマスク偏向器の偏向位相と偏向量に
関する電気的条件を決定し、直前に第2のラウンドアパ
ーチャを透過する電流値が最大になるように調節したと
きの第1のマスク偏向器と第2のマスク偏向器および第
3のマスク偏向器と第4のマスク偏向器の偏向位相と偏
向量に関する電気的条件と、今回第2のラウンドアパー
チャを透過する電流値が最大になるように調節したとき
の第1のマスク偏向器と第2のマスク偏向器および第3
のマスク偏向器と第4のマスク偏向器の偏向位相と偏向
量に関する電気的条件の間の変動量を求め、この変動量
によって各マスク偏向器に与える電気的条件を較正する
ことができる。
【0046】そしてまた、第1のラウンドアパーチャと
ほぼ等しい高さの平面上の第1のラウンドアパーチャを
取り囲む位置に第2のラウンドアパーチャ、第3のラウ
ンドアパーチャ、第4のラウンドアパーチャ、第5のラ
ウンドアパーチャが配置され、該マスク偏向器をすべて
オフにした状態で、第1のラウンドアパーチャを透過す
る電流値が最大になるように電子レンズ光学系を調整し
た後、a第1のマスク偏向器のみをオンにし、第1のマ
スク偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパ
ーチャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドア
パーチャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値
を最大にしたときの第1のマスク偏向器の電気的条件か
ら、第1のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台
形、オフセットの補正係数を算出し記憶する工程と、b
第2のマスク偏向器のみをオンにし、第2のマスク偏向
器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチャ、
第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパーチ
ャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値を最大
にしたときの第2のマスク偏向器の電気的条件から、第
2のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、オ
フセットの補正係数を算出し記憶する工程と、c第3の
マスク偏向器のみをオンにし、第3のマスク偏向器の電
気的条件を調節して第2のラウンドアパーチャ、第3の
ラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパーチャ、第5
のラウンドアパーチャを透過する電流値を最大にしたと
きの第3のマスク偏向器の電気的条件から、第3のマス
ク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、オフセット
の補正係数を算出し記憶する工程と、d第4のマスク偏
向器のみをオンにし、第4のマスク偏向器の電気的条件
を調節して第2のラウンドアパーチャ、第3のラウンド
アパーチャ、第4のラウンドアパーチャ、第5のラウン
ドアパーチャを透過する電流値を最大にしたときの第4
のマスク偏向器の電気的条件から、第4のマスク偏向器
のゲイン、ローテーション、台形、オフセットの補正係
数を算出し記憶する工程とを経てブロックマスクによる
露光を開始し、適宜の時間ごとに、各マスク偏向器に上
記a,b,c,dの工程を加えて各マスク偏向器のゲイ
ン、ローテーション、台形、オフセットの補正係数を決
定し、直前のゲイン、ローテーション、台形、オフセッ
トの補正係数と今回のゲイン、ローテーション、台形、
オフセットの補正係数の間の変動量を求め、この変動量
によって各マスク偏向器のフィールドを較正することが
できる。
【0047】
【作用】本発明によれば、各マスク偏向器ごとに偏向フ
ィールドを較正することが可能であるため、一度マスク
偏向器の相対角度と相対偏向量を決定すれば、それを乱
すことなくマスク偏向器の較正を行うことが可能にな
る。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (第1実施例)図1は、第1実施例の電子ビームブロッ
ク露光法の説明図である。この図において、1は電子
銃、2は電子ビーム、3,5,11,12,15,16
はレンズ、4は矩形アパーチャ、6は第1のマスク偏向
器、7は第2のマスク偏向器、8はブロックマスク、9
は第3のマスク偏向器、10は第4のマスク偏向器、1
3はマルチアパーチャ板、141 は第1のラウンドアパ
ーチャ、14 2 は第2のラウンドアパーチャ、17は主
偏向器、18は副偏向器、19は試料、20は電極、2
1は電流計である。
【0049】第1実施例の電子ビームブロック露光装置
の露光部の構成を説明する。電子銃1によって発生する
電子ビーム2はレンズ3によって集束され、矩形アパー
チャ4を透過することによって矩形状に整形され、レン
ズ5によって集束されて第1のマスク偏向器6、第2の
マスク偏向器7からなる上流偏向系を通過し、この上流
偏向系とレンズ11によってブロックマスク8の所望の
形状の開口に向けられ、この開口を透過して、その開口
の形状に整形された電子ビームは、第3のマスク偏向器
9と第4のマスク偏向器10からなる下流偏向系とレン
ズ11によって光軸方向に振り戻され、ブロック露光を
行っている場合は、レンズ12によって集束されてマル
チアパーチャ板13に形成された第1のラウンドアパー
チャ141 を通り、レンズ15、レンズ16によって集
束され、主偏向器17と副偏向器18によって試料19
面の上に投影され、マスク偏向器の較正のために電子ビ
ームが偏向される場合は、レンズ12によって集束され
てマルチアパーチャ板13に形成された第2のラウンド
アパーチャ142 を通り、レンズ15、レンズ16によ
って集束され、主偏向器17と副偏向器18によって試
料19の平面上に設けられている電極20に偏向され
て、第2のラウンドアパーチャ142を透過した電子の
量に対応する電流値として電流計21によって検出され
るようになっている。
【0050】また、全てのマスク偏向器をオフにして、
第1のラウンドアパーチャ141 を透過する電子ビーム
の量が最大になるように電子レンズ系を調節するとき
も、試料19の平面上に設けられている電極20によっ
て、第1のラウンドアパーチャ141 を透過した電子の
量を電流計21によって検出するようになっている。
【0051】この電子ビームブロック露光装置におい
て、マスク偏向器をすべてオフ(接地電位)にした状態
で、レンズ系を調節して、第1のラウンドアパーチャ1
1 を透過する電流値を最大にした後下記の工程を行
う。
【0052】第1工程 第1のマスク偏向器6のみをオンにし、他の偏向器をオ
フにした状態で第1のマスク偏向器6の電気的条件を調
節して、第2のラウンドアパーチャ142 を透過する電
子ビームの量が最大になるように調整し、そのときの第
1のマスク偏向器の偏向位相及び偏向量に関する電気的
条件を記憶する。なお、マスク偏向器は例えば縦長の8
個のセグメントを円形に配列した構造をもち、それぞれ
のセグメントに個別に電圧を印加するようになっている
ため、各セグメントに印加する電圧を調節することによ
って、電子ビームをR方向(偏向量)とθ方向(偏向位
相)に偏向することができる。
【0053】第2工程 第2のマスク偏向器7のみをオンにし、他の偏向器をオ
フにした状態で第2のマスク偏向器7の電気的条件を調
節して、第2のラウンドアパーチャ142 を透過する電
子ビームの量が最大になるように調整し、そのときの第
2のマスク偏向器の偏向位相及び偏向量に関する電気的
条件を記憶する。
【0054】第3工程 第3のマスク偏向器9のみをオンにし、他の偏向器をオ
フにした状態で第3のマスク偏向器9の電気的条件を調
節して、第2のラウンドアパーチャ142 を透過する電
子ビームの量が最大になるように調整し、そのときの第
3のマスク偏向器の偏向位相及び偏向量に関する電気的
条件を記憶する。
【0055】第4工程 第4のマスク偏向器10のみをオンにし、他の偏向器を
オフにした状態で第4のマスク偏向器10の電気的条件
を調節して、第2のラウンドアパーチャ142を透過す
る電子ビームの量が最大になるように調整し、そのとき
の第4のマスク偏向器の偏向位相及び偏向量に関する電
気的条件を記憶する。
【0056】第5工程 上記の第1工程から第4工程を経てブロックマスクによ
る露光を開始し、その後、5分間に1回程度定期的に各
マスク偏向器に別々に第1工程から第4工程までの工程
を加えて、第2のラウンドアパーチャ142 を透過する
電子ビームの量が最大になるように再調整し、この再調
整したときの各マスク偏向器の偏向位相に関する電気的
条件と直前に調整したときの偏向位相に関する電気的条
件との差である偏向位相変動量、および、再調整したと
きの偏向量に関する電気的条件と直前に調整したときの
偏向量に関する電気的条件との差である偏向量変動量を
演算し、この偏向位相変動量と偏向量変動量によって各
マスク偏向器の電気的条件を較正する。
【0057】この実施例によると、第1のラウンドアパ
ーチャ141 と第2のラウンドアパーチャ142 の位置
関係を基準にしてマスク偏向器のゲインとローテーショ
ンに関する経時変化を検出し較正することができる。
【0058】(第2実施例)この実施例においては、第
1実施例において説明した電子ビームブロック露光装置
を用い、第1実施例と同様に、マスク偏向器をすべてオ
フ(接地電位)にした状態で、レンズ系を調節して、第
1のラウンドアパーチャ141 での透過電流値を最大に
した後下記の工程を行う。
【0059】第1工程 第1のマスク偏向器6と第2のマスク偏向器7をオンに
し、第3のマスク偏向器9と第4のマスク偏向器10を
オフにして、第1のマスク偏向器6と第2のマスク偏向
器7の相対偏向位相と相対偏向量を一定に保った状態
で、第1のマスク偏向器6と第2のマスク偏向器7の電
気的条件を調節して第2のラウンドアパーチャ142
透過する電流値を最大にし、そのときの第1のマスク偏
向器6と第2のマスク偏向器7の偏向位相及び偏向量に
関する電気的条件を記憶する。
【0060】第2工程 第3のマスク偏向器9と第4のマスク偏向器10をオン
にし、第1のマスク偏向器6と第2のマスク偏向器7を
オフにして、第3のマスク偏向器9と第4のマスク偏向
器10の相対偏向位相と相対偏向量を一定に保った状態
で第3のマスク偏向器9と第4のマスク偏向器10の電
気的条件を調節して第2のラウンドアパーチャ142
透過する電流値が最大になるようにし、そのときの第3
のマスク偏向器9と第4のマスク偏向器10の偏向位相
及び偏向量に関する電気的条件を記憶する。
【0061】第3工程 上記の第1工程と第2工程を経てブロックマスクによる
露光を開始し、5分間程度の間隔をおいて定期的に、第
1工程と第2工程を加えて、第2のラウンドアパーチャ
を透過する電流値を最大にするブロックマスクの上流の
第1のマスク偏向器6と第2のマスク偏向器7およびブ
ロックマスク8の下流の第3のマスク偏向器9と第4の
マスク偏向器10の偏向位相と偏向量に関する電気的条
件を決定し、直前に第2のラウンドアパーチャ142
透過する電流値が最大になるように調整したときの、第
1のマスク偏向器6と第2のマスク偏向器7および第3
のマスク偏向器9と第4のマスク偏向器10の偏向位相
と偏向量に関する電気的条件と、今回第2のラウンドア
パーチャ142 を透過する電流値が最大になるように調
節したときの第1のマスク偏向器6と第2のマスク偏向
器7および第3のマスク偏向器9と第4のマスク偏向器
10の偏向位相と偏向量に関する電気的条件の間の変動
量を求め、この変動量によって各マスク偏向器に与える
電気的条件を較正する。
【0062】この実施例によっても、第1のラウンドア
パーチャ141 と第2のラウンドアパーチャ142 の位
置関係を基準にしてマスク偏向器のゲインとローテーシ
ョンに関する経時変化を検出し較正することができる。
【0063】(第3実施例)図2は、第3実施例の電子
ビームブロック露光法の説明図である。この図におい
て、141 ,141 ′,141 ″が第1のラウンドアパ
ーチャ、142 ,142 ′,142 ″が第2のラウンド
アパーチャ、143 ,143 ′,143 ″が第3のラウ
ンドアパーチャ、144 ,144 ′,144 ″が第4の
ラウンドアパーチャ、145 ,145 ′,145 ″が第
5のラウンドアパーチャであるほかは図1における符号
と同一である。
【0064】この実施例の電子ビームブロック露光法で
使用する装置は、第1のラウンドアパーチャ141 を中
心としてその回りに小間隔で形成された第2のラウンド
アパーチャ142 、第3のラウンドアパーチャ143
第4のラウンドアパーチャ144 、第5のラウンドアパ
ーチャ145 と、第1のラウンドアパーチャ141 ′を
中心としてその回りに中程度の間隔で形成された第2の
ラウンドアパーチャ142 ′、第3のラウンドアパーチ
ャ143 ′、第4のラウンドアパーチャ144′、第5
のラウンドアパーチャ145 ′と第1のラウンドアパー
チャ141 ″を中心としてその回りに大きな間隔で形成
された第2のラウンドアパーチャ142″、第3のラウ
ンドアパーチャ143 ″、第4のラウンドアパーチャ1
4 ″、第5のラウンドアパーチャ145 ″を有するマ
ルチアパーチャ板13を用いる他は図1に示された第1
実施例の電子ビームブロック露光装置と同様である。
【0065】この電子ビームブロック露光装置におい
て、マスク偏向器をすべてオフ(接地電位)にした状態
で、第2のラウンドアパーチャ142 、第3のラウンド
アパーチャ143 、第4のラウンドアパーチャ144
第5のラウンドアパーチャ14 5 によって小間隔で囲ま
れる第1のラウンドアパーチャ141 を図示されるよう
に光軸上に置いて、レンズ系を調節することによって、
第1のラウンドアパーチャ141 での透過電流値が最大
になるように調節した後下記の工程を行う。
【0066】第1工程 第1のマスク偏向器6のみをオンにし、第1のマスク偏
向器6の電気的条件を調節して、第2のラウンドアパー
チャ142 、第3のラウンドアパーチャ143、第4の
ラウンドアパーチャ144 、および、第5のラウンドア
パーチャ145を透過する電流値が最大になるようにし
たときの第1のマスク偏向器の電気的条件から、第1の
マスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、オフセ
ットの補正係数を算出し記憶する。
【0067】図3は、偏向歪みの説明図であり、(A)
〜(D)は偏向歪みの類型を示している。この図におい
て、Xは基準になるパターン、Yは偏向、集束等によっ
て歪みが生じたパターンである。図3(A)はローテー
ションによる歪みを示し、パターンYはパターンXより
反時計方向に回転している。図3(B)はゲインの不足
による歪みを示し、パターンYはパターンXより小さく
なっている。図3(C)は台形歪みを示し、台形のパタ
ーンYの上底はパターンXの辺より短く、パターンYの
下底はパターンXの辺より長くなっている。図3(D)
はオフセット歪みを示し、パターンYはパターンXから
平行移動している。
【0068】これらのローテーション、ゲイン、台形、
オフセット歪みの有無およびその程度は、第2のラウン
ドアパーチャ142 、第3のラウンドアパーチャ1
3 、第4のラウンドアパーチャ144 および第5のラ
ウンドアパーチャ145 の4点を透過する電流値を最大
にした場合の、第1のマスク偏向器6に印加されている
電圧(電気的条件)によって検出することができ、ま
た、歪んだパターンを正しいパターンに復元するために
要する補正係数を算出することができる。
【0069】第2工程 第2のマスク偏向器7、第3のマスク偏向器9、第4の
マスク偏向器10のゲイン、ローテーション、台形、オ
フセットの補正係数を、上記と同様に第2のラウンドア
パーチャ142 、第3のラウンドアパーチャ143 、第
4のラウンドアパーチャ144 、第5のラウンドアパー
チャ145 を透過する電流値が最大になるようにしたと
きの各マスク偏向器の電気的条件から算出し記憶する。
【0070】第3工程 上記の第1工程、第2工程を経てブロックマスクによる
露光を開始し、定期的に上記の第1工程と第2工程にお
けるゲイン、ローテーション、台形、オフセットの補正
係数を算出し、前回算出した補正係数と今回算出した補
正係数の差である変動量を用いて各マスク偏向器のフィ
ールドを較正する。
【0071】この実施例によると、第2のラウンドアパ
ーチャ142 、第3のラウンドアパーチャ143 、第4
のラウンドアパーチャ144 および第5のラウンドアパ
ーチャ145 の4点の位置関係を基準にしてマスク偏向
器のゲイン、ローテーション、台形、オフセットに関す
る経時変化を検出し補正することができる。
【0072】また、この実施例における第2のラウンド
アパーチャ142 、第3のラウンドアパーチャ143
第4のラウンドアパーチャ144 および第5のラウンド
アパーチャ145 の中間に適宜ラウンドアパーチャを追
加することによって、辺の湾曲を伴う糸巻型歪み、たる
型歪み等を検出し補正することができる。
【0073】前記のように、まず、第1のラウンドアパ
ーチャ141 を中心としてその回りに小間隔で形成され
た第2のラウンドアパーチャ142 、第3のラウンドア
パーチャ143 、第4のラウンドアパーチャ144 、第
5のラウンドアパーチャ14 5 を用いて小さい範囲の各
マスク偏向器のフィールドを較正した後に、第1のラウ
ンドアパーチャ141 ′を中心としてその回りに中程度
の間隔で形成された第2のラウンドアパーチャ1
2 ′、第3のラウンドアパーチャ143 ′、第4のラ
ウンドアパーチャ144 ′、第5のラウンドアパーチャ
145 ′を用いてやや広い範囲の各マスク偏向器のフィ
ールドを較正し、さらに、第1のラウンドアパーチャ1
1 ″を中心としてその回りに大きな間隔で形成された
第2のラウンドアパーチャ142 ″、第3のラウンドア
パーチャ143 ″、第4のラウンドアパーチャ1
4 ″、第5のラウンドアパーチャ145 ″を用いて広
い範囲の各マスク偏向器のフィールドを較正することに
よって、電子ビームの位置を容易に検出することができ
る。
【0074】(第4実施例)この実施例の露光方法は、
第3実施例で用いた電子ビームブロック露光装置を使用
して行われる。この電子ビームブロック露光装置におい
ては、第1のラウンドアパーチャ14 1 上での第1のマ
スク偏向器6、第2のマスク偏向器7、第3のマスク偏
向器9、第4のマスク偏向器10の偏向ベクトル和が完
全に0になる条件と、各マスク偏向器が作る偏向フィー
ルドの歪みが0になる条件とは一致しない。この場合、
各マスク偏向器の偏向ベクトル和が第1のラウンドアパ
ーチャ14 1 上で完全に0になる条件を優先させる必要
がある。そこで、この実施例においては、第3実施例の
第2工程において算出された第1のマスク偏向器6、第
2のマスク偏向器7、第3のマスク偏向器9、第4のマ
スク偏向器10についてのローテーション、ゲイン、台
形、オフセットに対する補正係数から、先ず、優先的に
第1のラウンドアパーチャ141 上での第1のマスク偏
向器6、第2のマスク偏向器7、第3のマスク偏向器
9、第4のマスク偏向器10の偏向ベクトル和が完全に
0になるように各マスク偏向器の電気的条件を算出し、
次いで、その電気的条件を前提にして、各マスク偏向器
が作る偏向フィールドが最も歪みの少ない相対偏向位
相、相対偏向量を計算して荷電粒子ビームを偏向する。
【0075】図4は、第1のアパーチャ上の偏向ベクト
ルの説明図である。この図は、第1のマスク偏向器、第
2のマスク偏向器、第3のマスク偏向器および第4のマ
スク偏向器による第1のアパーチャ上の偏向ベクトルと
それらの合成ベクトルを示している。
【0076】この図において、D1 は第1のマスク偏向
器による偏向ベクトル、D2 は第2のマスク偏向器によ
る偏向ベクトル、D3 は第3のマスク偏向器による偏向
ベクトル、D4 は第4のマスク偏向器による偏向ベクト
ルである。
【0077】この図において、クロスオーバー像を光軸
に振り戻し第1のラウンドアパーチャ141 を透過させ
るためには、(D1 +D2 +D3 +D4 )=0となる偏
向を行うことが必要である。これを分解すると、第1の
マスク偏向器による偏向ベクトルD1 と第2のマスク偏
向器による偏向ベクトルD2 の和(D1 +D2 )と、第
3のマスク偏向器による偏向ベクトルD3 と第4のマス
ク偏向器による偏向ベクトルD4 の和(D3+D4 )の
絶対値を可能な限り等しくし、その方向を可能な限り1
80°にするように、各マスク偏向器の電気的条件を調
節することが必要である。
【0078】また、第1のアパーチャからの距離である
R方向、回転方向であるθ方向とも垂直入射させるため
には、(D1 +D2 )=(D3 +D4 )=α(一定値)
にすることが必要である。そして、マスク上のR方向の
み垂直入射させるためには、(D1 +D2 )=(D3
4 )=0にすることが必要である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
各偏向器毎に広い範囲の偏向フィールドを補正すること
ができ、一度偏向器の相対角度と相対偏向量を決定する
と、それを乱すことなく短時間で偏向器の経時変化を較
正することができ、露光工程の効率を向上することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の電子ビームブロック露光法の説明
図である。
【図2】第3実施例の電子ビームブロック露光法の説明
図である。
【図3】偏向歪みの説明図であり、(A)〜(D)偏向
歪みの類型を示している。
【図4】第1のアパーチャ上の偏向ベクトルの説明図で
ある。
【図5】従来の電子ビームブロック露光装置の構成説明
図である。
【図6】先に提案した荷電粒子ビームブロック露光装置
の偏向特性の経時変化を補正する方法の説明図(1)で
ある。
【図7】先に提案した荷電粒子ビームブロック露光装置
の偏向特性の経時変化を補正する方法の説明図(2)で
ある。
【図8】先に提案した荷電粒子ビームブロック露光装置
の偏向特性の経時変化を補正する方法の説明図(3)で
ある。
【符号の説明】
1 電子銃 2 電子ビーム 3,5,11,12,15,16 レンズ 4 矩形アパーチャ 6 第1のマスク偏向器 7 第2のマスク偏向器 8 ブロックマスク 9 第3のマスク偏向器 10 第4のマスク偏向器 13 マルチアパーチャ板 141 ,141 ′,141 ″ 第1のラウンドアパーチ
ャ 142 ,142 ′,142 ″ 第2のラウンドアパーチ
ャ 143 ,143 ′,143 ″ 第3のラウンドアパーチ
ャ 144 ,144 ′,144 ″ 第4のラウンドアパーチ
ャ 145 ,145 ′,145 ″ 第5のラウンドアパーチ
ャ 17 主偏向器 18 副偏向器 19 試料 20 電極 21 電流計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 樹一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−30415(JP,A) 特開 昭54−100264(JP,A) 特開 昭53−57760(JP,A) 特開 昭58−3228(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームが通過する位置に該荷電
    粒子ビームを整形する矩形整形板と、任意形状の開口が
    1個以上形成されているブロックマスクが配置され、該
    ブロックマスクの上方に該荷電粒子ビームを偏向するた
    めの少なくとも第1のマスク偏向器と第2のマスク偏向
    器が配置され、また、該ブロックマスクの下方に該荷電
    粒子ビームを偏向するための少なくとも第3のマスク偏
    向器と第4のマスク偏向器が配置され、各マスク偏向器
    と該ブロックマスクの上下の電子レンズ光学系が該ブロ
    ックマスクを挟んで鏡面対称に配置されており、さらに
    各マスク偏向器の直下に第1のラウンドアパーチャが配
    置された荷電粒子ビーム露光装置において、 第1のラウンドアパーチャとほぼ等しい高さの平面上の
    第1のラウンドアパーチャとは異なる位置に第2のラウ
    ンドアパーチャが配置され、該マスク偏向器をすべてオ
    フにした状態で、第1のラウンドアパーチャを透過する
    電流値が最大になるように電子レンズ光学系を調整した
    後、 a 第1のマスク偏向器のみをオンにし、第1のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャを透過する電流値を最大にしたときの第1のマスク偏
    向器の偏向位相と偏向量に関する電気的条件を記憶する
    工程と、 b 第2のマスク偏向器のみをオンにし、第2のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャを透過する電流値を最大にしたときの第2のマスク偏
    向器の偏向位相と偏向量に関する電気的条件を記憶する
    工程と、 c 第3のマスク偏向器のみをオンにし、第3のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャを透過する電流値を最大にしたときの第3のマスク偏
    向器の偏向位相と偏向量に関する電気的条件を記憶する
    工程と、 d 第4のマスク偏向器のみをオンにし、第4のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャを透過する電流値を最大にしたときの第4のマスク偏
    向器の偏向位相と偏向量に関する電気的条件を記憶する
    工程と、 を経てブロックマスクによる露光を開始し、適宜の時間
    ごとに、各マスク偏向器に前記a,b,c,dの工程を
    加えて第2のラウンドアパーチャを透過する電流値を最
    大にする各マスク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電
    気的条件を決定し、直前に第2のラウンドアパーチャを
    透過する電流値が最大になるように調節したときの各マ
    スク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電気的条件と今
    回第2のラウンドアパーチャを透過する電流値が最大に
    なるように調節したときの各マスク偏向器の偏向位相と
    偏向量に関する電気的条件の間の変動量を求め、この変
    動量によって各マスク偏向器に与える電気的条件を較正
    することを特徴とする荷電粒子ビームブロック露光法。
  2. 【請求項2】 荷電粒子ビームが通過する位置に該荷電
    粒子ビームを整形する矩形整形板と、任意形状の開口が
    1個以上形成されているブロックマスクが配置され、該
    ブロックマスクの上方に該荷電粒子ビームを偏向するた
    めの少なくとも第1のマスク偏向器と第2のマスク偏向
    器が配置され、また、該ブロックマスクの下方に該荷電
    粒子ビームを偏向するための少なくとも第3のマスク偏
    向器と第4のマスク偏向器が配置され、各マスク偏向器
    と該ブロックマスクの上下の電子レンズ光学系が該ブロ
    ックマスクを挟んで鏡面対称に配置されており、さらに
    各マスク偏向器の直下に第1のラウンドアパーチャが配
    置された荷電粒子ビーム露光装置において、 第1のラウンドアパーチャとほぼ等しい高さの平面上の
    第1のラウンドアパーチャとは異なる位置に第2のラウ
    ンドアパーチャが配置され、該マスク偏向器をすべてオ
    フにした状態で、第1のラウンドアパーチャを透過する
    電流値が最大になるように電子レンズ光学系を調整した
    後、 a ブロックマスク上流の第1のマスク偏向器と第2の
    マスク偏向器のみをオンにし、第1のマスク偏向器と第
    2のマスク偏向器の相対偏向位相と相対偏向量を一定に
    保った状態で第1のマスク偏向器と第2のマスク偏向器
    の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチャを透
    過する電流値を最大にしたときの第1のマスク偏向器と
    第2のマスク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電気的
    条件を記憶する工程と、 b ブロックマスク下流の第3のマスク偏向器と第4の
    マスク偏向器のみをオンにし、第3のマスク偏向器と第
    4のマスク偏向器の相対偏向位相と相対偏向量を一定に
    保った状態で第3のマスク偏向器と第4のマスク偏向器
    の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチャを透
    過する電流値を最大にしたときの第3のマスク偏向器と
    第4のマスク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電気的
    条件を記憶する工程と、 を経てブロックマスクによる露光を開始し、適宜の時間
    ごとに、前記a,bの工程を加えて第2のラウンドアパ
    ーチャを透過する電流値を最大にする第1のマスク偏向
    器と第2のマスク偏向器および第3のマスク偏向器と第
    4のマスク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電気的条
    件を決定し、直前に第2のラウンドアパーチャを透過す
    る電流値が最大になるように調節したときの第1のマス
    ク偏向器と第2のマスク偏向器および第3のマスク偏向
    器と第4のマスク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電
    気的条件と、今回第2のラウンドアパーチャを透過する
    電流値が最大になるように調節したときの第1のマスク
    偏向器と第2のマスク偏向器および第3のマスク偏向器
    と第4のマスク偏向器の偏向位相と偏向量に関する電気
    的条件の間の変動量を求め、この変動量によって各マス
    ク偏向器に与える電気的条件を較正することを特徴とす
    る荷電粒子ビームブロック露光法。
  3. 【請求項3】 荷電粒子ビームが通過する位置に該荷電
    粒子ビームを整形する矩形整形板と、任意形状の開口が
    1個以上形成されているブロックマスクが配置され、該
    ブロックマスクの上方に該荷電粒子ビームを偏向するた
    めの少なくとも第1のマスク偏向器と第2のマスク偏向
    器が配置され、また、該ブロックマスクの下方に該荷電
    粒子ビームを偏向するための少なくとも第3のマスク偏
    向器と第4のマスク偏向器が配置され、各マスク偏向器
    と該ブロックマスクの上下の電子レンズ光学系が該ブロ
    ックマスクを挟んで鏡面対称に配置されており、さらに
    各マスク偏向器の直下に第1のラウンドアパーチャが配
    置された荷電粒子ビーム露光装置において、 第1のラウンドアパーチャとほぼ等しい高さの平面上の
    第1のラウンドアパーチャを取り囲む位置に第2のラウ
    ンドアパーチャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラ
    ウンドアパーチャ、第5のラウンドアパーチャが配置さ
    れ、該マスク偏向器をすべてオフにした状態で、第1の
    ラウンドアパーチャを透過する電流値が最大になるよう
    に電子レンズ光学系を調整した後、 a 第1のマスク偏向器のみをオンにし、第1のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパー
    チャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値を最
    大にしたときの第1のマスク偏向器の電気的条件から、
    第1のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、
    オフセットの補正係数を算出し記憶する工程と、 b 第2のマスク偏向器のみをオンにし、第2のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパー
    チャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値を最
    大にしたときの第2のマスク偏向器の電気的条件から、
    第2のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、
    オフセットの補正係数を算出し記憶する工程と、 c 第3のマスク偏向器のみをオンにし、第3のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパー
    チャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値を最
    大にしたときの第3のマスク偏向器の電気的条件から、
    第3のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、
    オフセットの補正係数を算出し記憶する工程と、 d 第4のマスク偏向器のみをオンにし、第4のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパー
    チャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値を最
    大にしたときの第4のマスク偏向器の電気的条件から、
    第4のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、
    オフセットの補正係数を算出し記憶する工程と、 を経てブロックマスクによる露光を開始し、適宜の時間
    ごとに、各マスク偏向器に上記a,b,c,dの工程を
    加えて各マスク偏向器のゲイン、ローテーション、台
    形、オフセットの補正係数を決定し、直前のゲイン、ロ
    ーテーション、台形、オフセットの補正係数と今回のゲ
    イン、ローテーション、台形、オフセットの補正係数の
    間の変動量を求め、この変動量によって各マスク偏向器
    のフィールドを較正することを特徴とする荷電粒子ビー
    ムブロック露光法。
  4. 【請求項4】 荷電粒子ビームが通過する位置に該荷電
    粒子ビームを整形する矩形整形板と、任意形状の開口が
    1個以上形成されているブロックマスクが配置され、該
    ブロックマスクの上方に該荷電粒子ビームを偏向するた
    めの少なくとも第1のマスク偏向器と第2のマスク偏向
    器が配置され、また、該ブロックマスクの下方に該荷電
    粒子ビームを偏向するための少なくとも第3のマスク偏
    向器と第4のマスク偏向器が配置され、各マスク偏向器
    と該ブロックマスクの上下の電子レンズ光学系が該ブロ
    ックマスクを挟んで鏡面対称に配置されており、さらに
    各マスク偏向器の直下に第1のラウンドアパーチャが配
    置された荷電粒子ビーム露光装置において、 第1のラウンドアパーチャとほぼ等しい高さの平面上の
    第1のラウンドアパーチャを取り囲む位置に第2のラウ
    ンドアパーチャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラ
    ウンドアパーチャ、第5のラウンドアパーチャが配置さ
    れ、該マスク偏向器をすべてオフにした状態で、第1の
    ラウンドアパーチャを透過する電流値が最大になるよう
    に電子レンズ光学系を調整した後、 a 第1のマスク偏向器のみをオンにし、第1のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパー
    チャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値を最
    大にしたときの第1のマスク偏向器の電気的条件から、
    第1のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、
    オフセットの補正係数を算出し記憶する工程と、 b 第2のマスク偏向器のみをオンにし、第2のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパー
    チャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値を最
    大にしたときの第2のマスク偏向器の電気的条件から、
    第2のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、
    オフセットの補正係数を算出し記憶する工程と、 c 第3のマスク偏向器のみをオンにし、第3のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパー
    チャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値を最
    大にしたときの第3のマスク偏向器の電気的条件から、
    第3のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、
    オフセットの補正係数を算出し記憶する工程と、 d 第4のマスク偏向器のみをオンにし、第4のマスク
    偏向器の電気的条件を調節して第2のラウンドアパーチ
    ャ、第3のラウンドアパーチャ、第4のラウンドアパー
    チャ、第5のラウンドアパーチャを透過する電流値を最
    大にしたときの第4のマスク偏向器の電気的条件から、
    第4のマスク偏向器のゲイン、ローテーション、台形、
    オフセットの補正係数を算出し記憶する工程と、 e 先ず、第1のマスク偏向器、第2のマスク偏向器、
    第3のマスク偏向器、第4のマスク偏向器による偏向ベ
    クトルの和が第1のラウンドアパーチャ上で完全に0に
    なるように計算し、次いで、補正係数により定められた
    各マスク偏向器の作る偏向フィールドが最も歪みの少な
    い相対偏向位相、相対偏向量を計算して荷電粒子ビーム
    を偏向する工程と、 を経てブロックマスクによる露光を開始し、適宜の時間
    ごとに、各マスク偏向器に上記a,b,c,d,eの工
    程を加えて各マスク偏向器のゲイン、ローテーション、
    台形、オフセットの補正係数を決定し、直前のゲイン、
    ローテーション、台形、オフセットの補正係数と今回の
    ゲイン、ローテーション、台形、オフセットの補正係数
    の間の変動量を求め、この変動量によって各マスク偏向
    器のフィールドを較正することを特徴とする荷電粒子ビ
    ームブロック露光法。
  5. 【請求項5】 荷電粒子ビームが通過する位置に該荷電
    粒子ビームを整形する矩形整形板と、使用頻度の高い任
    意形状の開口が1個以上形成されているブロックマスク
    が配置され、該ブロックマスクの上方に該荷電粒子ビー
    ムを偏向するための少なくとも第1のマスク偏向器と第
    2のマスク偏向器が配置され、該ブロックマスクの下方
    に該荷電粒子ビームを偏向するための少なくとも第3の
    マスク偏向器と第4のマスク偏向器が配置され、各マス
    ク偏向器と該ブロックマスクの上下のレンズ光学系が該
    ブロックマスクを挟んで鏡面対称に配置されており、さ
    らに各マスク偏向器の直下に第1のラウンドアパーチャ
    が配置され、第1のラウンドアパーチャとほぼ等しい高
    さの平面上に少なくとも第2のラウンドアパーチャが配
    置され、これらのラウンドアパーチャを透過する荷電粒
    子ビームの量を検出する手段を具えていることを特徴と
    する荷電粒子ビームブロック露光装置。
JP00229993A 1993-01-11 1993-01-11 荷電粒子ビームブロック露光法及び露光装置 Expired - Fee Related JP3208610B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00229993A JP3208610B2 (ja) 1993-01-11 1993-01-11 荷電粒子ビームブロック露光法及び露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00229993A JP3208610B2 (ja) 1993-01-11 1993-01-11 荷電粒子ビームブロック露光法及び露光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06208945A JPH06208945A (ja) 1994-07-26
JP3208610B2 true JP3208610B2 (ja) 2001-09-17

Family

ID=11525493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00229993A Expired - Fee Related JP3208610B2 (ja) 1993-01-11 1993-01-11 荷電粒子ビームブロック露光法及び露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3208610B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06208945A (ja) 1994-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5973332A (en) Electron beam exposure method, and device manufacturing method using same
JP4756776B2 (ja) 荷電粒子線露光装置、荷電粒子線露光方法およびデバイス製造方法
US5929454A (en) Position detection apparatus, electron beam exposure apparatus, and methods associated with them
US9105439B2 (en) Projection lens arrangement
US6566664B2 (en) Charged-particle beam exposure apparatus and device manufacturing method
US6104035A (en) Electron-beam exposure apparatus and method
JP2005268788A (ja) 粒子光学投影装置
JP2005136409A (ja) マスクレス粒子ビーム露光装置用パターン規定デバイス
US6657210B1 (en) Electron beam exposure method, a method of constructing exposure control data, and a computer-readable medium
JP2002217088A (ja) 荷電粒子線露光装置、荷電粒子線露光方法及び半導体デバイスの製造方法
US7041988B2 (en) Electron beam exposure apparatus and electron beam processing apparatus
JPH06103946A (ja) 可変軸スティグマトール
US6511048B1 (en) Electron beam lithography apparatus and pattern forming method
JPS6042825A (ja) 荷電ビ−ム露光装置
JP3208610B2 (ja) 荷電粒子ビームブロック露光法及び露光装置
US20180342366A1 (en) Charged particle beam writing method and charged particle beam writing apparatus
JP4143204B2 (ja) 荷電粒子線露光装置及び該装置を用いたデバイス製造方法
US6388261B1 (en) Charged-particle-beam microlithography apparatus and methods exhibiting reduced astigmatisms and linear distortion
JP3529997B2 (ja) 荷電粒子ビーム光学素子、荷電粒子ビーム露光装置及びその調整方法
JP2001332473A (ja) 荷電粒子線露光装置及び該装置を用いたデバイス製造方法
JP3919255B2 (ja) 電子ビーム露光装置及びデバイス製造方法
JPS5983336A (ja) 荷電粒子線集束偏向装置
JP2003017403A (ja) 電子ビームリソグラフィ装置のアレイメント方法
JP3080502B2 (ja) ステンシルマスクに対する荷電粒子ビーム偏向制御方法
JP2594660B2 (ja) 荷電粒子ビーム露光方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010522

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080713

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090713

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100713

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100713

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110713

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees