JP3206755U - シュートライナー - Google Patents

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Abstract

【課題】交替作業が容易であり、耐食性及び耐摩耗性に優れた新たな構造及び素材からなるシュートライナーを提供する。【解決手段】エンボシング110処理され、固定部材200の挿入用孔120を含んで各々相互に同一に成形される複数のシート100と、各シート100の全体面に形成されるエンボシング110と、シュートライナーをシュートの内側壁に固定するための固定部材200が挿入されるように形成される孔120とを含み、エンボシング110と孔120は、各シート100ごとに同一の位置に形成され、シート100は、積層されてアライニングされた後に溶接で相互に接合される。【選択図】図1

Description

本考案は、火力発電所のように石炭を搬送するコンベアに適用されるシュートライナーに関するものである。
火力発電所では、大容量の石炭搬送のためにコンベアベルトシステムを設置し、移送方向の転換点にシュートを設置するようになる。シュートでは落差を用いて石炭を搬送するので、シュートを保護するライナーを追加設置する。しかしながら、石炭内に含有されている硫黄(sulfur)ガスと持続的な石炭の落下衝撃及びスクラッチによりライナーの摩耗がひどくなることによって、シュートライナーの交替が頻繁に発生するようになる。
シュートライナーは、シュートの内側壁面に設置され、たいてい鋼板を素材とするため、相当な重さを有する。シュートライナーは、厚い鋼板で製造され、適当なサイズに切断されたライナーシートに溶接で孔を形成し、この孔にはめ込むボルトなどの固部材により固定される。このような交替作業は、非常に狭く劣悪な環境内で手作業で実行されるため、数kmにかけた長い区間で交替作業がなされることは作業性が非常に悪いという問題点があった。また、石炭による硫黄のような有害ガスが発生する有害な環境で溶接作業を行うことは、労働強度が高いだけでなく、安全事故の危険率も高いという問題点もあった。
さらに、ライナーは、鉄系又はセラミック/ゴムあるいはプラスチックなどからなっており、摩耗が速く進行して交替周期が短いという問題点も有する。
したがって、本考案は上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、交替作業が容易であり、耐食性及び耐摩耗性に優れた新たな構造及び素材からなるシュートライナーを提供することにある。
上記のような目的を達成するために、本考案の一態様によれば、0.15〜0.9%の炭素を含む鉄(Fe)系素材からなるシュートライナー用シートを溶接で複数重畳し、このシート表面は高クロムからなるコーティング層を形成して耐摩耗性を向上させるシュートライナーが提供される。
本考案の他の態様によれば、複数のボルトを挿入するように予め孔を形成した数枚の薄いシートをアライニングして溶接で相互に接合し、作業者が容易に持つことができる重さで製造することにより、シュートライナー交替作業はシュートライナーに固定されているボルトをシュートの内壁面に加圧するシュートライナーの製造工程が提供される。
また、本考案は、砂利形状の石炭による耐衝撃性を強化するために、シュートライナーの表面にエンボス加工を形成する。
さらに、本考案は、クロムでコーティングされたエンボシング面の硬度は350〜420HVであり、エンボシング間の平坦な面は溶接処理部として溶接を通じて硬度が500〜900HVに一層向上し、それによってエンボシングのない部分は、衝撃吸収機能がなくても高硬度特性の強化により全体的な耐食性が強化されるシュートライナーを提供する。
本考案は、厚い鉄板を使用することなく、コーティングされて薄い板材を数枚重なるように設計して軽量素材を使用するシュートライナーを提供して設置及び交替作業が容易になる効果がある。
また、本考案は、シュートライナー自体を多重シートが溶接でアライニングされており、壁面作業用ボルトの挿入孔を形成しておくことにより、交替作業の際に溶接工程を必要とせず、単にボルトをシュートの内壁面に固定するように加圧することで作業が完了するので、作業性が大きく向上し、作業の安全性を向上させることができる。
さらに、本考案は、シュートライナーを構成するシートに対して実施した耐食性コーティングによりシュートライナーの重量を減少させる素材を使用しても耐食性が向上して交替周期を長くする効果がある。本考案による耐食性コーティングは、400HV以上の高硬度、0.4以下の低い摩擦係数、及び塩水噴霧試験に対して24時間以上の腐食が観察されない耐食性を示してシュートライナーの寿命を向上させることができる。
また、本考案は、シュートライナーの表面にエンボス加工を付加することにより、石炭などの落下物の衝撃を吸収し、突出されたエンボシング間の平坦な平面部はコーティングと溶接を通じて硬度を500〜900HVに高くすることにより、耐摩耗性を一層向上させて交替周期を長くする効果がある。
さらに、本考案によるシュートライナーは、基本素材を軟鋼に代替し、効率的なコーティング処理工程によりコストを従来に比べて40%程度低くすることができる。
本考案のシュートライナーを製造する工程手順を示す概略図。 本考案のシュートライナーを構成するシートを示す斜視図。 本考案のシュートライナーに対するコーティング処理を説明するための概要図。 本考案の実施形態により、低合金鋼板材にコーティングされるクロム層を示すSEM写真。 本考案の実施形態により、高クロム層でコーティングされた板材シートを重畳して溶接した溶接面を示すSEM写真。 本考案の実施形態により、高クロム層でコーティングされた板材シートの摩擦係数を示すグラフ。 本考案のシュートライナーに対するコーティング処理による表面の微小硬度(microhardness)を示すグラフ。 本考案の実施形態により製造される各試片に対する塩水噴霧試験結果を示す図。 本考案の実施形態により製造される各試片の溶接後外観を示す図。
以下、本考案の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本考案のシュートライナーの製造及び設置に対する全般的なプロセスを概略的に示す。図2は、シュートライナーを構成する一つのシート100を示す。
加工が比較的容易で軽い素材としては、厚さ2mmの軟鋼(mild steel)板材のシートが挙げられる。本考案は、このような軟鋼又は低合金鋼で、エンボシング110が形成され、ボルト固定のための孔120が形成されるシート100を金型で成形する。エンボシングは、落下する石炭などの荷重衝撃を緩和するためのものであり、孔120は、ボルト200を固定するために形成される。孔の位置は、シート100の各頂点の近くが好ましい。
すなわち、本考案は、シュートライナーを製造する場合、シュートライナーを構成する金属シート自体にボルトが挿入される孔を予め形成してシュートライナーの交替作業の際に従来のように現場で溶接により孔をあけなければならない不便さと危険性を取り除く。
このようなシュートライナーを製造するために、まず、軟鋼シートを金型で成形する。エンボス加工された形態で、かつ一定位置に孔が形成された形態で軟鋼シートを成形製造する。
次に、成形された軟鋼シートを各々コーティング処理する。すなわち、シュートライナーが配置された環境は、石炭の衝撃と硫黄を含むガス濃度が高くて腐食されやすい。したがって、耐食性を向上させる高クロムコーティングを実施することが望ましい。本考案の実施形態のように、エンボシングと孔が形成されて単純でない形状の母材をコーティングする方法としてはパックセメンテーション(pack cementation)が適合できる。
それによって、本考案は、成形された軟鋼シートをチャンバーに入れて10−2Torr内外に真空化した後に、クロムを含む原料粉末、活性剤、及び充填剤を詰めてパックセメンテーション方法で高濃度のクロムをシート表面に吸着及び浸透させて高クロムコーティングを実施する。ここで、コーティング組成物は、クロム(Cr)粉末5〜15重量%、活性剤0.05〜5重量%、及び不活性充填剤80〜90重量%を含むことができる。活性剤は、メタルハライドガスを生成するようにハロゲン族元素を含む物質で構成されるものを使用する。本考案の実施形態では、NHCl、NaCl、NaFのうちいずれか一つ以上からなる活性剤を使用する。また、充填剤としてはアルミナ(Al)を使用する。
コーティング手順は、次のようである。
チャンバー内に水素(H)及びアルゴン(Ar)ガスを供給して700〜1050℃に温度を上昇させる場合、金属原料粉末(Cr)又はFe(70〜80重量%)−Cr(20〜30重量%)(フェロクロム)の組成の合金粉末を10〜40重量%に混ぜるが、原料金属Crのみ、あるいはCr5〜10重量%、Fe−Cr5〜30重量%を混ぜた合金組成を母合金(master alloy)とし、ここに活性剤を0.4〜3重量%程度を入れて活性ガスが反応してメタルハライドガスを生成するようになる。このとき、母合金のサイズがあまり小さいと、反応速度は速いが、反応後にクロム原料の再使用が難しい短所があるので、通常、クロム及びフェロクロムは、直径0.1〜5mmのサイズを使用する。このとき、このサイズは、コーティングされる製品の形態とサイズ及び反応温度に従って最適のサイズに変更して選択され得る。
このような工程は、シート表面と孔の内壁面で物質の分解/交換に拡散反応が発生しつつ、3次元的なコーティングがなされる一種のIn−Situ CVDである。このような工程を通じてシート素材の表面から拡散されて形成される形態として合金及び工程技術のガスを調節してクロム及び炭素、クロム及び窒素の化合物として形成され、代表的な物質であるクロム含有量は20〜60重量%程度の高クロムコーティング層が形成される。
したがって、母材自体が比較的軽い軟鋼からなっても硫黄成分による腐食又は石炭の落下衝撃による摩耗に対してすべて強い耐性を有する。コーティング層は、硬度1500HV程度、硬化深さ約200μm、摩擦係数0.4以下、衝撃強度30J、引張強度1300MPa程度で優れた物性を示す。
このように、高クロム層でコーティングされたシート3〜4枚を重畳してシュートライナーを作る。すなわち、複数のシート100をスポット溶接(spot welding)で接着し、各シート100に形成される孔120にボルト200を挿入するようにする(ボルトイン(bolt−in)ライナーを製造)。元は、同一の金型を通じて成形されたシートであるため、シートの正確なアライニングによりエンボシング110と孔120の位置は、自然にアライニングされてボルト200を容易にはめ込むことができる。
このとき、溶接工程を経る部分の場合、溶融後に急冷の過程によりその強度が一層強化される。すなわち、エンボシングが形成された部分以外の平坦な部分を溶接面とするため、このような平坦な部分の硬度は500〜900HVであって、350〜450HVのエンボシング部分の硬度に比べて高い。それによって、エンボシング部分は、衝撃を緩和させ、平坦な部分は衝撃時に高硬度を持って摩耗されずによく耐えることができる。
このように製造されるシュートライナーは、現場で交替又は設置作業を行う場合、単にシュートの内壁面に接するようにした後、予め設置されているボルト200を加圧することにより設置完了するので、作業が非常に容易であり、迅速かつ安全になり得る。さらに、本考案の実施形態により製造されるシュートライナーの重量は9.36kgであって、14.01kgの同一サイズの従来のシュートライナーの重量に比べてずっと軽くて作業性を一層向上させる。高クロムコーティングによりステンレスのように耐食性に優れ、エンボシング110の部分は衝撃に対する耐久性にも優れる。
図4は、本考案の実施形態により、低合金鋼板材に高クロム層がコーティングされた状態を示し、クロム層は、板材に密着形成されることを確認できる。
図5は、クロム層でコーティングされた板材シート間の溶接接合面を示すSEM写真であって、境界面を区分できない程度に良好に融着されていることを確認することができる。
図6は、クロム層がコーティングされた板材シートの摩擦係数を測定するもので、表面での摩擦係数が0.1〜0.3の間に分布していることがわかる。板材素材SS400、SK5M、S45Cに対してコーティング処理を5時間又は20時間遂行したときの試片に対して測定することである。この数値は、コーティング前の数値が0.7程度であることを考慮すると、大きく低くなることにより耐摩耗性が向上する。
図7は、クロム層がコーティングされた板材シートの微小強度を測定するものである。軟鋼合金素材を使用する場合であっても、高クロムコーティング層により表面での強度は200〜300HV/0.025gを示して高く維持されることがわかる。
図8は、本考案により製造される各試片に対する塩水噴霧試験結果を示す。SK5MとS45Cに対して5時間コーティング処理した試片である場合、最も耐食性に優れることがわかる。それにより、過度なコーティング時間は、耐食性の向上に不利になり、適正時間のコーティング工程が最適の耐食性を付与することがわかる。
図9は、各試片の溶接後の外観を示す。コーティング処理しない試片に比べて溶接後の外観に非常に優れることがわかる。
このように、従来のシュートライナーに比べて改善された構造と物性により、本考案によるシュートライナーの寿命は、24カ月以上と従来に比べて2倍以上であり、それほど交替周期も長くなる。
以上、本考案の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められる本考案の範囲及び精神を逸脱することなく、形式や細部の様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
100:シート
110:エンボシング
120:孔
200:ボルト

Claims (4)

  1. エンボシング処理され、固定部材の挿入用孔を含んで各々相互に同一に成形される複数のシートと、
    前記各シートの全体面に形成されるエンボシングと、
    シュートライナーをシュートの内側壁に固定するための固定部材が挿入されるように形成される孔と、を含み、
    前記エンボシングと孔は、各シートごとに同一の位置に形成され、
    前記シートは、積層されてアライニングされた後に溶接で相互に接合されることを特徴とするシュートライナー。
  2. 前記シュートライナーを構成する各々のシートは、軽量素材である軟鋼を素材としてエンボシング及び孔を具備するように金型で製造された後に、コーティング処理されてクロムを含有するコーティング層を有することを特徴とする請求項1に記載のシュートライナー。
  3. 前記コーティング層は、クロム含有量が20〜60重量%であることを特徴とする請求項2に記載のシュートライナー。
  4. クロムでコーティングされたエンボシング面の硬度は350〜420HVであり、エンボシング間の平坦な面は溶接処理部として溶接されて硬度が500〜900HVであることを特徴とする請求項2に記載のシュートライナー。
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