JP3204022U - カーボンパイプ麺棒 - Google Patents

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Abstract

【課題】麺棒の硬さや麺棒に荷重をかけた時の撓み具合に関して、麺棒の場所によるバラつきが無く均等であり、しかも撓み量自体を調節することができるカーボンパイプ麺棒を提供すること。【解決手段】カーボン繊維を素材とするカーボンパイプを使用した蕎麦打ち用のカーボンパイプ麺棒10とした。【選択図】図1

Description

本考案は、蕎麦打ち時に使用するカーボン製のパイプを利用したカーボンパイプ麺棒に関する。さらに言えば、麺棒の硬さや麺棒に荷重をかけた時の撓み具合に関して、麺棒の場所によるバラつきが無く均質であり、しかも撓み量自体を調節することができるカーボンパイプ麺棒に関する。
蕎麦打ちの基本的な一連の流れは、「蕎麦粉をふるう作業→水回し作業→捏ねる作業→丸めてから伸ばす作業→四角く広げる作業→畳んで切る作業」であるが、この中で「丸めてから伸ばす作業→四角く広げる作業」は蕎麦打ち用麺棒を使用して行う。一般的に蕎麦打ち用麺棒は木製であることが多いのであるが、木材は天然素材であるために、例えば、木目(年輪や節)によって硬さが場所によって異なる等の不均質が生じてしまうし、麺棒に荷重をかけて撓ませたときに、年輪と平行方向と直交方向では撓み量が異なる。要するに硬さや撓み量が麺棒の各場所によって異なり、蕎麦打ち時における微妙な扱いが難しい。
さらに、木製の麺棒は温度や湿気の影響により変形してしまうことがある。蕎麦打ちの時の蕎麦生地には水分が多く含まれるので、木製の麺棒は、最適な状態を維持するために定期的に胡桃オイル等の乾性油での表面処理を必要としており、メンテナンスが大変であった。蕎麦打ちで重要なのは、蕎麦生地の厚みを、生地全体から見て均一にすることであり、蕎麦打ち作業は、このことを最優先とすべきであるが、従来の木製の麺棒は、麺棒の各箇所における硬さや撓み量の違いに起因したバラつきがあることにより、蕎麦を打つために使用するのには、麺棒を使いこなすために相当な熟練が必要であるという問題があった。
特許文献1には、「家庭で少量の麺を打つための道具を再検討し、高齢者や女性でも容易に手打ちそばを作ることができる道具および手順を開発、衛生性を配慮した道具を提供する。」ことを課題として、「そば等の生地をのす際に用いる「延し板」において、「延し板」の上面の両方の側縁部に所望の生地の厚さに相当する取り外し可能なL字アルミサッシ(材質は他の金属、プラスチックでもよい)、等を設けた「のし板」(特許文献1:段落0005)。」が開示されている。
特開2003−125954号公報
特許文献1に係る考案は、熟練を必要とせず、高齢者や女性でも容易に手打ち蕎麦を打つことができるようにする道具(麺棒ではない)であって、蕎麦等の生地のように、柔らかい生地を麺棒で均一な厚さに延ばすことは、両手に加える力のバランス加減が難しく熟練を要するという課題を解決するためのものであり、麺棒自体に工夫を施すような技術では無かった。要するに、本格的に蕎麦打ちを楽しみたい人に対する要求を満たすための道具では無かった。かかる状況の中で出願人らは、木製の麺棒は、麺棒の各箇所における硬さや撓み量の違いに起因したバラつきを無くし、麺棒自体の均質性を担保すべく鋭意研究開発を行い本考案に到達したのである。
本考案の目的は、麺棒の硬さや麺棒に荷重をかけた時の撓み具合に関して、麺棒の場所によるバラつきが無く均等であり、しかも、撓み量自体を調節することができるカーボンパイプ麺棒を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願請求項1に記載した考案は、カーボン繊維を素材とするカーボンパイプを使用した蕎麦打ち用のカーボンパイプ麺棒であることを特徴とするものである。
本願請求項2に記載した考案は、請求項1に記載した考案において、両端にエンドキャップを備えるカーボンパイプ麺棒であることを特徴とするものである。
本願請求項3に記載した考案は、請求項1または請求項2に記載した考案において、パイプの長手方向にカーボン繊維の長軸が配置されたカーボン縦繊維層と、パイプの円周方向にカーボン繊維の長軸が配置されたカーボン円周繊維層を備えており、さらに、表面層に布目カーボン繊維層を備えるカーボンパイプ麺棒であることを特徴とするものである。尚、本明細書において、布目カーボン繊維層とは、複数のカーボン繊維を纏めた束を交互に編み重ねることにより構成されるカーボン繊維層のことである。
本考案に係るカーボンパイプ麺棒は、木製の麺棒の三分の一から二分の一程度の重量であり、非常に軽いため蕎麦打ち時の取り廻し作業が行い易く、麺棒の各箇所における硬さや撓み量の違いに起因したバラつきが無いため均等な撓み量を得ることが可能であり、撓んだ反作用としての反発力が木製の麺棒より大きくすることができるようになった。しかも、パイプの長手方向にカーボン繊維の長軸が配置されたカーボン縦繊維層と、パイプの円周方向にカーボン繊維の長軸が配置されたカーボン円周繊維層を備えているので、カーボン縦繊維層と、カーボン円周繊維層の厚さを変える(具体的には重ねるカーボンシートの枚数もしくは厚さを変える)ことで、パイプに横からの荷重をかけたときの撓み量を調節することができるようになった。この結果、蕎麦麺帯をより均等に延し易くなった。そして、カーボン麺棒は木製の麺棒のように定期的な表面処理を必要とせず、強度や硬度も充分にあるため、作業中に誤って傷になることが少なくなった。さらに、木製麺棒では変形する恐れがあるために水拭きは行い難かったが、本考案に掛かるカーボンパイプ麺棒は、蕎麦打ち作業等によって麺棒が汚れた場合であっても、濡れたタオル等で拭くだけで簡単に清潔な状態を保つことができるようになった。
表面層に布目カーボン繊維層が形成されているので、蕎麦打ちの際には、布目カーボン繊維層の窪みに打ち粉(蕎麦打ちの時に蕎麦が「延し板」等に付着しないようにするための粉)が入り込むため摩擦が減少することで、麺棒を軽く廻し易くなり、カーボン繊維の表面に凹凸があるため、打ち粉がその凹凸に入り込み、蕎麦打ち時に麺棒の表面に蕎麦生地等が付着し難くなった。
本考案に係るカーボンパイプ麺棒の全体図、及び切断面拡大図である。
<カーボンパイプ麺棒の構造>
以下、本考案に係るカーボンパイプ麺棒10について、図1を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本考案に係るカーボンパイプ麺棒10の全体図(a)、及び切断面拡大図(b)である。
本考案に係るカーボンパイプ麺棒10は、図1(b)に記載したように、内側がカーボン縦繊維層20(パイプの長手方向にカーボン繊維の長軸を配置させたカーボンシート積層体)、外側がカーボン円周繊維層30(パイプの円周方向にカーボン繊維の長軸を配置させたカーボンシート積層体)から構成されている。そして、最外側(表面層)には、布目カーボン繊維層40が形成されている。尚、カーボン縦繊維層20とカーボン円周繊維層30の配置は逆であっても構わない。さらに、図1(a)に記載したように、カーボンパイプ麺棒10の両端にはエンドキャップが取り付けられている。
本考案に係るカーボンパイプ麺棒10の試作したサイズは、カーボンパイプ麺棒10の直径27.5mm、長さ920mm(カーボンパイプ部900mm、エンドキャップ部両端で20mm)であり、重量は、135g程度である。ただし、カーボンパイプ麺棒10の直径は25.0mm〜30.0mm、長さ750mm〜1200mmの範囲で自由に選択することもできる。エンドキャップの材質は衛生的であり、加工が容易で、適当な強度を兼ね備えていれば特に問わない。
<カーボンパイプ麺棒の製造方法>
次に、本考案に係るカーボンパイプ麺棒10の製造方法について説明する。本考案に係るカーボンパイプ麺棒10は、簡単に説明すると、金属棒等に樹脂に含浸させたカーボン繊維を巻いて、熱を加えて硬化させてから金属棒等を抜くという作業を行うことで製造する。まず、金属棒等にカーボン単繊維に樹脂を含浸させたUDプリプレグ材シートを任意の枚数を重ねることによって得られるカーボン縦繊維層20(パイプの長手方向にカーボン繊維の長軸が配置)を巻き、次に、カーボン単繊維に樹脂を含浸させたUDプリプレグ材シートを任意の枚数を重ねることによって得られるカーボン円周繊維層30(パイプの円周方向にカーボン繊維の長軸が配置)を巻き、最後に装飾カーボンクロスプリプレグ材シートを任意の枚数を重ねることによって得られる布目カーボン繊維層40を巻く。
その後、熱を加えて硬化させてから金属棒等を抜き取り、最終的に表面を研磨して塗装し、両端にエンドキャップを取り付けて完成するという流れになる。この時、使用するUDプリプレグ材シート等の枚数や厚さ、巻く順序は限定されない。好みに合わせて、UDプリプレグ材シートの枚数や厚さを変更することで撓み量を調整することができる。尚、カーボン縦繊維層20とカーボン円周繊維層30の配置は逆であっても構わない。
<カーボンパイプ麺棒の効果>
本考案に係るカーボンパイプ麺棒10は、木製の麺棒の三分の一から二分の一程度の重量であり、非常に軽いため蕎麦打ち時の取り廻し作業が行い易く、麺棒の各箇所における硬さや撓み量の違いに起因したバラつきが無いため均等な撓み量を得ることが可能になった。そして、撓んだ反作用としての麺棒の反発力が木製の麺棒より大きくなった。しかも、パイプの長手方向にカーボン繊維の長軸が配置されたカーボン縦繊維層20と、パイプの円周方向にカーボン繊維の長軸が配置されたカーボン円周繊維層30を備えているので、カーボン縦繊維層20と、カーボン円周繊維層30の厚さを変える(具体的には重ねるカーボンシートの枚数若しくはカーボンシートの厚さを変える)ことで、パイプに荷重をかけたときの撓み量を調節することができるようになった。この結果、蕎麦生地をより均等に延し易くなった。
そして、カーボンパイプ麺棒10は、木製の麺棒のように定期的な表面処理を必要とせず、強度や硬度も充分にあるため、作業中に誤って傷になることが少なくなった。さらに、木製麺棒では変形する恐れがあるために水拭きは行い難かったが、本考案に掛かるカーボンパイプ麺棒は、蕎麦打ち作業等によって麺棒が汚れた場合であっても、濡れたタオル等で拭くだけで簡単に清潔な状態を保つことができるようになった。
さらに、表面層には布目カーボン繊維層40が形成されている。布目カーボン繊維層40は、3Kカーボン束(極細のカーボン線維を3000本程度纏めた束)が交互にクロスして重なる構造をしているために、表面は布目の凹凸ができており、しかも、鏡面研磨まですることなく多少の窪みを残す程度に研磨されているので、蕎麦打ちの際には、窪みに打ち粉(蕎麦打ちの時に蕎麦が「延し板」等に付着しないようにするための粉)が入り込むため、摩擦が減少することで麺棒と掌との抵抗が減少し、麺棒が廻しやすくなる。また、カーボン繊維には表面に凹凸があるため、打ち粉がその凹凸に入り込み、蕎麦打ち時に麺棒の表面に蕎麦生地等が付着しなくなるという効果もある。
<カーボンパイプ麺棒の変更例>
本考案に係るカーボンパイプ麺棒は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、カーボン縦繊維層20、カーボン円周繊維層30、布目カーボン繊維層40等の構成を、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
本考案に係るカーボンパイプ麺棒は、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、に蕎麦打ち用麺棒に関する分野等で好適に用いることができる。
10・・カーボンパイプ麺棒
20・・カーボン縦繊維層
30・・カーボン円周繊維層
40・・布目カーボン繊維層

Claims (3)

  1. カーボン繊維を素材とするカーボンパイプを使用した蕎麦打ち用のカーボンパイプ麺棒。
  2. 両端にエンドキャップを備えることを特徴とする請求項1に記載のカーボンパイプ麺棒。
  3. パイプの長手方向にカーボン繊維の長軸が配置されたカーボン縦繊維層と、
    パイプの円周方向にカーボン繊維の長軸が配置されたカーボン円周繊維層を備えており、
    さらに、表面層に布目カーボン繊維層を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカーボンパイプ麺棒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019037748A (ja) * 2017-08-23 2019-03-14 若菜 塩谷 めん棒

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