図1の電子装置10のような電子装置はワイヤレス回路を収容している。例えば、電子装置10は、セルラー電話帯域のようなロングレンジ通信帯域で動作するワイヤレス通信回路と;2.4GHzのBluetooth(登録商標)帯域、並びに2.4GHz及び5GHzのWiFi(登録商標)ワイヤレスローカルエリアネットワーク帯域(IEEE802.11帯域又はワイヤレスローカルエリアネットワーク通信帯域とも称される)のようなショートレンジ通信帯域で動作するワイヤレス回路と;を収容する。又、装置10は、近フィールド通信、60GHzの通信、光ベースのワイヤレス通信、衛星ナビゲーションシステム通信、又は他のワイヤレス通信を実施するためのワイヤレス通信回路も収容する。
装置10は、セルラー電話、メディアプレーヤ、ゲーム機、又は他の装置のようなハンドヘルド電子装置であるか;ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は他のポータブルコンピュータであるか;デスクトップコンピュータであるか;コンピュータディスプレイであるか;埋設コンピュータを収容するディスプレイであるか;テレビジョン又はセットトップボックスであるか;或いは他の電子装置である。ポータブルコンピュータのように装置10が回転可能な蓋を有する構成を一例としてここに時々述べる。しかしながら、これは、単なる例示に過ぎない。装置10は、適当な電子装置でよい。
図1の例に示すように、装置10は、ハウジング12のようなハウジングを有する。ハウジング12は、プラスチック、金属(例えば、アルミニウム)、炭素繊維のような繊維組成物、ガラス、セラミック、他の材料、及びこれら材料の組み合わせから形成される。ハウジング12又はハウジング12の一部分は、材料の一体化部片からハウジング構造体が形成されるユニボディ構造を使用して形成される。固定具、接着剤、及び他の取り付けメカニズムを使用して互いに取り付けられるフレーム構造体、ハウジング壁、及び他のコンポーネントからハウジング12又はハウジング12の一部分が形成される多部分ハウジング構造体も使用される。
ハウジング12の幾つかの構造体は、導電性である。例えば、金属ハウジング壁のようなハウジング12の金属部分は、導電性である。ハウジング12の他の部分は、プラスチック、ガラス、セラミック、非導電性組成物、等の誘電体材料から形成される。装置10のアンテナ構造体が適切に機能することを補償するために、アンテナ構造体をハウジング12の導電性部分に対して配置するときに注意を払わねばならない。必要に応じて、ハウジング12の一部分は、装置10のアンテナ構造体の一部分を形成する。例えば、導電性ハウジング側壁がアンテナ接地部の全部を形成してもよいし、又はその一部分を形成してもよい。アンテナ接地部は、キャビティを背部にもつアンテナのための1つ以上のキャビティを含む。キャビティを背部にもつアンテナのキャビティは、誘電体キャリア上の金属トレースから形成され、そしてハウジングの上部と下部との間のスロット形状開口付近でハウジング12の一部分に電気的に短絡される。
図1に示すように、装置10は、トラックパッド18及びキーボード16のような入力/出力装置を有する。又、装置10は、カメラ、マイクロホン、スピーカ、ボタン、除去可能なストレージドライブ、状態インジケータライト、ブザー、センサ、及び他の入力/出力装置のようなコンポーネントも有している。これらの装置は、装置10の入力を収集するのに使用されると共に、装置10のユーザに出力を供給するのにも使用される。装置10のポートは、嵌合コネクタ(例えば、オーディオプラグ、ユニバーサルシリアルバスケーブルのようなデータケーブル、ビデオ及びオーディオデータを取り扱うデータケーブル、例えば、装置10をコンピュータディスプレイ、テレビジョン又は他のモニタに接続するケーブル、に関連したコネクタ、等)を受け入れる。
装置10は、ディスプレイ14のようなディスプレイを備えている。ディスプレイ14は、液晶ディスプレイ(LED)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、又は他の表示技術を使用して実施されるディスプレイである。タッチセンサがディスプレイ14に合体されてもよいし(即ち、ディスプレイ14がタッチスクリーンディスプレイであってもよいし)、又はディスプレイ14がタッチに不感であってもよい。ディスプレイ14のタッチセンサは、抵抗性タッチセンサ、容量性タッチセンサ、音響タッチセンサ、光ベースのタッチセンサ、力センサ、又は他のタッチ技術を使用して実施されるタッチセンサである。
装置10は、一部片ハウジングを有してもよいし、又は多部片ハウジングを有してもよい。図1に示すように、例えば、電子装置10は、ポータブルコンピュータのような装置であるか、或いは上部ハウジング12Aのようなハウジング上部及び下部ハウジング12Bのようなハウジング下部から形成された2部分ハウジングを有する他の装置である。上部ハウジング12Aは、ディスプレイ14を備え、そしてディスプレイハウジング又は蓋とも称される。下部ハウジング12Bは、ベースハウジング又はメインハウジングとも称される。
ハウジング12A及び12Bは、下部ハウジング12Bの上縁及び上部ハウジング12Aの下縁に沿って領域20に配置されたヒンジ構造体を使用して互いに接続される。例えば、ハウジング12A及び12Bは、ヒンジ26により結合される。ヒンジ26は、ヒンジ軸22に沿ってハウジング12の左右の反対縁に配置される。スロット形状の開口、例えば、開口(スロット)30が上部ハウジング12Aと下部ハウジング12Bとの間に形成され、そしてヒンジ26により各端において境界定めされる。金属構造体のような導電性構造体から形成されるヒンジ26は、上部ハウジング12Aを、下部ハウジング12Bに対して方向24に軸22の周りで回転できるようにする。蓋(上部ハウジング)12Aの平面と、下部ハウジング12Bの平面は、蓋が閉じたときの0°と、蓋が完全に開いたときの90°、140°又はそれ以上との間で変化する角度で分離される。
1つ以上の柔軟なプリント回路31における金属トレースは、スロット30を二分し、従って、2つのスロット30−1及び30−2を形成する。スロット30−1及び30−2は、金属で取り巻かれる。例えば、スロット30−1及び30−2は、ハウジング12A及び12Bの上縁及び下縁の金属部分、ヒンジ26、及び柔軟な回路板31の両端のトレースによって取り巻かれる。スロット30−1及び30−2は、装置10の各アンテナ40のアンテナアパーチャーとして働く。これらのアンテナは、多入力・多出力(MIMO)アンテナアレイを形成するのに使用される。
装置10のスピーカは、ハウジング12内に配置される。ハウジング12は、装置10の内部から音を放出できるように、丸い穴のような穿孔を有してもよいし、又は他のスピーカ開口を有してもよい。スピーカ開口(丸い穴又は他のハウジング開口)のアレイは、ハウジング12Bの左右の縁(例えば、キーボード16の右側及び左側に並ぶ位置)に形成されるか、ヒンジ領域20に隣接してハウジング12Bの上縁に沿って形成されるか、又は他の適当な位置に形成される。装置10は、1つ以上のスピーカ、2つ以上のスピーカ、3つ以上のスピーカ、4つ以上のスピーカ、又は他の適当な数のスピーカを有する。図1の例では、スピーカ開口28は、4つのグループ(クラスター)で形成されており、その各々は、装置10の内部にマウントされた4つのスピーカのグループの各スピーカに重畳する。必要に応じて、ハウジング12内でスピーカ穴28の各グループ間にダミー開口(スピーカに重畳しないハウジング開口)を形成し、ハウジング12Bが、見掛け上、ヒンジ軸22の付近でハウジング12Bの上縁に沿って延びるスピーカ穿孔の単一の連続帯を有するようにしてもよい。スピーカ開口28が4つの異なるスピーカ位置に形成された図1の構成は、例示に過ぎない。
図2は、装置10に使用される規範的コンポーネントを示す概略図である。図2に示すように、装置10は、ストレージ及び処理回路30のようなコントロール回路を備えている。ストレージ及び処理回路30は、ハードディスクドライブストレージのようなストレージ、不揮発性メモリ(例えば、ソリッドステートドライブを形成するように構成されたフラッシュメモリ又は他の電気的にプログラム可能なリードオンリメモリ)、揮発性メモリ(例えば、スタティック又はダイナミックランダムアクセスメモリ)、等を含む。ストレージ及び処理回路30の処理回路は、装置10の動作を制御するのに使用される。この処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、等をベースとするものである。
ストレージ及び処理回路30は、インターネットブラウジングアプリケーション、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VOIP)電話コールアプリケーション、e−メールアプリケーション、メディアプレイバックアプリケーション、オペレーティングシステムファンクション、等のソフトウェアを装置10で実行するのに使用される。外部装置との相互作用をサポートするために、ストレージ及び処理回路30は、通信プロトコルを実施するのに使用される。ストレージ及び処理回路30を使用して実施される通信プロトコルは、インターネットプロトコル、ワイヤレスローカルエリアネットワークプロトコル(例えば、時々WiFi(登録商標)とも称されるIEEE802.11プロトコル)、他のショートレンジワイヤレス通信リンクのためのプロトコル、例えば、Bluetooth(登録商標)プロトコル、セルラー電話プロトコル、MIMOプロトコル、アンテナダイバーシティプロトコル、等を含む。
入力/出力回路44は、データを装置10へ供給できるようにすると共にデータを装置10から外部装置へ供給できるようにする入力/出力装置を含む。回路44の入力/出力装置は、ユーザインターフェイス装置、データポート装置、及び他の入力/出力コンポーネントを含む。例えば、回路44の入力/出力装置は、タッチスクリーン、タッチセンサ能力をもたないディスプレイ、ボタン、ジョイスティック、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、カメラ、ボタン、状態インジケータ、光源、オーディオジャック及び他のオーディオポートコンポーネント、デジタルデータポート装置、光センサ、モーションセンサ(加速度計)、キャパシタンスセンサ、接近センサ、マイクロホンやスピーカのようなオーディオ回路32、及び他のコンポーネントを含む。
入力/出力回路44は、外部装置とワイヤレス通信するためのワイヤレス通信回路34を備えている。このワイヤレス通信回路34は、1つ以上の集積回路から形成された高周波(RF)トランシーバ回路、電力増幅回路、低ノイズ入力増幅器、受動的RFコンポーネント、1つ以上のアンテナ、伝送線、及びRFワイヤレス信号を取り扱うための他の回路を含む。ワイヤレス信号は、光を使用して(例えば、赤外線通信を使用して)送信することもできる。
ワイヤレス通信回路34は、ボイスデータ及び非ボイスデータを種々の高周波通信帯域で取り扱うための高周波トランシーバ回路を含む。例えば、回路34は、WiFi(登録商標)(IEEE802.11)のための2.4GHz及び5GHz帯域を取り扱うと共に、2.4GHzのBluetooth(登録商標)通信帯域を取り扱うためのワイヤレスローカルエリアネットワークトランシーバ回路を含む。回路34は、700から960MHzの低い通信帯域、1710から2170MHzの中間帯域、及び2300から2700MHzの高い帯域、又は700MHzと2700MHzとの間の他の通信帯域、或いは他の適当な周波数のような周波数レンジにおけるワイヤレス通信を取り扱うためのセルラー電話トランシーバ回路を含む(一例として)。
ワイヤレス通信回路34は、必要に応じて、他のショートレンジ及びロングレンジワイヤレスリンクのための回路を含む。例えば、ワイヤレス通信回路34は、60GHzトランシーバ回路、テレビ及びラジオ信号を受信する回路、ページングシステムトランシーバ、近フィールド通信(NFC)回路、等を含む。又、ワイヤレス通信回路34は、1575MHzのGPS信号を受信するか又は他の衛星ポジショニングデータを取り扱うためのグローバルポジショニングシステム(GPS)受信回路のような衛星ナビゲーションシステム回路を含む。WiFi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)リンク及び他のショートレンジワイヤレスリンクでは、ワイヤレス信号は、典型的に、数十又は数百フィートにわたりデータを搬送するのに使用される。セルラー電話リンク及び他のロングレンジリンクでは、ワイヤレス信号は、典型的に、数千フィート又はマイルにわたりデータを搬送するのに使用される。
ワイヤレス通信回路34は、アンテナ40を備えている。このアンテナ40は、適当なアンテナ形式を使用して形成される。例えば、アンテナ40は、ループアンテナ構造、パッチアンテナ構造、逆F字アンテナ構造、スロットアンテナ構造、平面逆F字アンテナ構造、螺旋アンテナ構造、それら設計の混成、等から形成された共振素子をもつアンテナを含む。必要に応じて、アンテナ40の1つ以上は、キャビティを背部にもつアンテナである。異なる帯域及び帯域の組み合わせに対して異なる形式のアンテナが使用される。例えば、ローカルワイヤレスリンクアンテナを形成するのにある形式のアンテナが使用され、そしてリモートワイヤレスリンクアンテナを形成するのに別の形式のアンテナが使用される。
必要に応じて、アンテナ40は、寄生的共振素子をもつ1つ以上の逆F字アンテナを含む。この形式の規範的アンテナ構成が図3に示されている。図3に示すように、アンテナ40は、アンテナ共振素子50及びアンテナ接地部52を含む。アンテナ共振素子50は、岐路50−1及び50−2のような1つ以上の岐路を有する。岐路50−1は、低い周波数(例えば、2.4GHz)を取り扱い、岐路50−2は、高い周波数(例えば、5GHz)を取り扱い、又は岐路50−1及び50−2は、他の適当な通信帯域で共振する。寄生的アンテナ共振素子58は、接地部52に終端されたL字型金属素子である。素子58の存在は、アンテナ40の帯域巾を広げる上で役立つ(例えば、5GHz帯域のような高い周波数帯域において)。
アンテナ40は、アンテナ共振素子50と接地部52との間に結合された短絡路54のような戻り路を有する。アンテナフィード56は、正のアンテナフィード端子98、及び接地アンテナフィード端子100を有し、そして戻り路54に並列に共振素子50と接地部52との間に結合される。
伝送線92のような伝送線経路は、アンテナ構造体40をトランシーバ回路90のようなトランシーバ回路に結合するのに使用される。伝送線92は、正のアンテナフィード端子98に結合された経路94のような正の伝送線経路、及び接地アンテナフィード端子100に結合された経路96のような接地伝送線経路を有する。トランシーバ回路90は、2.4GHz及び5GHz帯域のようなワイヤレスローカルエリアネットワーク帯域、或いは他の適当なショートレンジ又はロングレンジ通信帯域で動作する。伝送線92のような装置10の伝送線は、同軸ケーブル経路、マイクロストリップ伝送線、ストリップライン伝送線、縁結合マイクロストリップ伝送線、縁結合ストリップライン伝送線、これらの形式の伝送線を組み合わせて形成した伝送線、等を含む。必要に応じて、伝送線内には、フィルタ回路、スイッチング回路、インピーダンスマッチング回路、及び他の回路が挿入される。例えば、キャパシタ102又は他の回路のような回路コンポーネントは、正の伝送線経路94に挿入されるか、又はトランシーバ回路90とアンテナ40との間の伝送線92内のどこかに挿入される。キャパシタ102は、装置10のある範囲の動作状態(例えば、ベース12Bに対する蓋12Aの種々の蓋角度での動作)にわたってアンテナ性能が満足であるようにアンテナ40の帯域巾を広げる上で役立つ。
図4は、図3のアンテナ40の動作周波数fの関数としてアンテナ性能(即ち、定在波比SWR)をプロットしたグラフである。曲線60は、(例えば、WiFi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)信号をサポートするために)2.4GHz帯域のような低い周波数帯域でアンテナ40がどのように動作するかを示す。低い帯域の性能(曲線60)は、アンテナ共振素子50の低帯域アーム50−1を使用してサポートされる。曲線62は、アンテナ40の高帯域アーム50−2によりサポートされるアンテナ40のカバレージに対応する(例えば、5GHzでのアンテナ共振素子50の応答)。曲線64は、寄生的アンテナ共振素子58を使用して、若干シフトした高帯域共振をどのようにサポートするかを示す。素子50は、伝送線92を使用してアンテナフィード56において直接フィードされる。寄生的素子58は、直接フィードされず、電磁近フィールド結合を通してアンテナ共振素子50に結合される。曲線66で表された、5GHzの高帯域におけるアンテナ40の全体的応答は、アンテナ共振素子50からの貢献(曲線62)、及び寄生的アンテナ共振素子58からの貢献(曲線64)の両方により特徴付けられる。素子58の存在は、高帯域を満足にカバーすることを保証するためにアンテナ40の高帯域応答を広げる上で役立つ。
アンテナ40は、誘電体支持構造体上の金属トレースから形成される。誘電体支持構造体は、セラミック、プラスチック、発泡材、ガラス、他の誘電体材料、又はそれらの材料の組み合わせから形成される。誘電体支持構造体がプラスチック支持構造体である規範的構成は、一例としてここに述べるものである。図5は、プラスチック支持体(アンテナキャリアとも称される)上のパターン化された金属トレースから形成された規範的アンテナの斜視図である。図5の例では、支持構造体76は、金属アンテナトレースのためのアンテナキャリアを形成する。金属トレースは、プラスチック表面の選択された部分を活性化しそしてその後の電気メッキ作業中に金属でコーティングする技術のようなレーザパターン化技術を使用してパターン化される。必要があれば、アンテナ40を形成する他の技術(例えば、パターン化された金属ホイルの加工、取り付け、パターン化された柔軟なプリント回路のマウント、等の技術)を使用してもよい。
図5の例では、プラスチック支持構造体76の金属アンテナトレースは、アンテナ接地部52、アンテナ共振素子50、及び寄生的アンテナ共振素子58を形成するトレースを含む。支持構造体76は、中空のボックス状構造体でもよいし、又は中空内部を取り巻く外面を有する他の構造体でもよい。構造体76は、例えば、六面ボックスである。金属トレースは、接地部52が接地アンテナキャビティを形成するように構造体76においてパターン化される。例えば、接地トレース52は、ボックスの六面のうちの5つに形成される。支持体76の前面(図5の方向で)は、接地トレースがなく、図5に示したように、アンテナ共振素子50及び寄生的素子58を形成する金属トレースを支持するのに使用される。この形式の構成では、金属トレース52がアンテナキャビティを形成し、そしてアンテナ40は、キャビティを背部にもつアンテナである(即ち、アンテナ40は、キャビティアンテナである)。伝送線92は、フィード56(端子98及び100)においてアンテナ40に結合された同軸ケーブルから形成される。
アンテナ40のアンテナキャリアとして働くのに加えて、支持構造体76は、スピーカエンクロージャー(スピーカボックスとも称される)としても働く。図5に示すように、支持構造体76は、一対のスピーカ70のためのスピーカエンクロージャーとして働く。スピーカ70は、構造体76の両端に配置されたスピーカドライバから形成される。構造体76の内部は、スピーカのための個別の容積部に分割される。スピーカ70の各々は、ポート72の各々を経て音響を放出する。ポート72は、開放セル発泡材の層、金属又はプラスチックメッシュ、又は構造体76の内部への埃の侵入を防止するための他の構造体で覆われてもよいし、或いは必要に応じて、ポート72は、スピーカ70から音響を放出できるようにする1つ以上のオープンエリア(即ち、メッシュで覆われないエリア)を有してもよい。
ハウジング12との満足な音響及び電気的シールを生成するために、各スピーカポート72は、ガスケット74のようなガスケットにより取り巻かれる。ガスケット74は、リング状の導電性圧縮性構造体である。例えば、スピーカポート72が長方形である場合には、ガスケット74が長方形リングの形状を有する。ガスケット74は、導電性発泡材、導電性織物、導電性ビア及び他の導電性構造体を含む層、導電性接着剤、及び他の導電性構造体のうちの1つ以上の層から形成され、前記他の導電性構造体は、ガスケット74でスピーカポート72の周りに音響シールを形成しながら、接地トレース52のようなアンテナトレースをハウジング12に電気的に短絡できるというものである。ガスケット74によってスピーカポート72の周りに形成されるシールは、埃や音響がハウジング12の内部へ入り込むのを防止する上で役立つ。又、ガスケット74は、支持構造体76のアンテナ接地トレース52を、アンテナ40の接地部の一部分として働く金属ハウジング12に接地する上でも役立つ。又、導電性ガスケット74の存在は、アンテナ40により放出された高周波アンテナ信号がハウジング12の内部に信号ノイズとして結合されるのを防止する上でも役立つ。
図6は、図5の線80に沿って方向82に見たアンテナ40の断面側面図である。図6に示すように、中空支持構造体76の内部は、内壁76Iのような分割構造体により個々のキャビティ130−1及び130−2に分離される。このキャビティ130−1及び130−2は、各スピーカ70のためのスピーカ容積部として働く。各スピーカ70は、各スピーカドライバ128を有する。このスピーカドライバ128は、コイル126と、磁石と、信号線122を経て受信した信号に応答してダイヤフラム84を動かすことのできる他の電磁構造体と、を有する。これにより発生された音響は、スピーカポート72のメッシュ78又は他の音響的に透過なスピーカポート材料を通して放出される。導電性ガスケット74は、支持体76の上面におけるスピーカポート72の周縁に延びる(例えば、ガスケット74は、図5の金属52に短絡される)。
信号線122は、柔軟なプリント回路120から形成された信号経路、又は他の適当な信号経路構造体上のキャリア76へ引き回される。必要に応じて、インダクタ86のような回路素子は、スピーカドライバ128に結合された信号経路に挿入される。インダクタ86は、可聴周波数信号をスピーカドライバ84へ妨げなく通過させる一方、アンテナ信号のような高周波信号及び他の高周波信号をブロックして、スピーカ70の望ましからぬノイズを低下させることのできるサイズとされる。図6の構造体76には、2つのスピーカ70がある。構造体76にはより多数のスピーカ容積部及びスピーカが形成されてもよいし、又は必要に応じて、構造体76にはより少数のスピーカ容積部及びスピーカが形成されてもよい。2つのスピーカドライバを含む中空アンテナキャリア構造体からアンテナ40が形成される図6の例は、例示に過ぎない。
必要に応じて、装置10には、2つ(又は他の適当な数)のアンテナ40と、4つ(又は他の適当な数)のスピーカ70がある。一例として、あるアンテナ40及びそれに関連した2つのスピーカのセットは、ハウジング12Bの左半分に配置され、そして別のアンテナ40及びそれに関連した2つのスピーカのセットは、ハウジング12Bの右半分に配置される。構造体76は、各スピーカポート72がスピーカ開口28の対応セットと整列されるようにマウントされる。
スロット30−1及び30−2は、各キャビティアンテナ40(例えば、図6の構造体76のような構造体を使用して各々形成されるアンテナ)のためのアンテナアパーチャーとして働く。スロット30−1及び30−2は、装置10の開放蓋及び閉止蓋の両構成に存在する。図1には、スロット30−1及び30−2が存在する規範的な開放蓋構成が示されている。スロット30−2のようなスロットが装置10の閉止蓋構成においてどのように存在するかを示すハウジング12の規範的な後面図が図7に示されている。図7に示すように、スロット30−2のようなスロット30は、軸22に平行に延びる細長い形状を有する。アンテナの動作中に、アンテナ40により送信されたワイヤレスアンテナ信号及びアンテナ40により受信されるワイヤレスアンテナ信号は、スロット30−1及び30−2により形成されたアンテナアパーチャーを通過する。
図8の装置10の規範的な内部図に示されたように、アンテナ40は、スロット30−1及び30−2により形成されたアパーチャーに整列される(即ち、右側のアンテナ40は、スロット30−2に整列され、そして左側のアンテナ40は、スロット30−1に整列される)。柔軟なプリント回路31は、カメラ信号を搬送するカメラ用の柔軟なプリント回路のような1つ以上の柔軟なプリント回路、表示データを搬送する1つ又は2つ又は3つ以上のディスプレイ用の柔軟なプリント回路、ディスプレイ14のバックライトのための電力及び制御信号を搬送する1つ以上のバックライトユニット用の柔軟なプリント回路、及び/又は他の柔軟なプリント回路(例えば、ディスプレイ14のタッチセンサ信号を搬送するタッチセンサ用の柔軟なプリント回路)を含む。
アンテナ40は、互いに分離されるのが好ましい(例えば、MIMO動作を最適にするために)。柔軟なプリント回路31は、ポリイミドの層のような柔軟な誘電体基板材料の1つ以上のシート、又は他の柔軟なポリマーのシート(基板132)を含む。回路31の中央領域138には、信号線136が形成される。領域138及び線136に境を接する柔軟なプリント回路31の左及び右の縁140は、接地トレース134を含む。接地トレース134の巾は、1から2mm、1mmより大きい、3mm未満、又は他の適当な厚みである。接地トレース134は、メタルスクリュー142を受け入れるスクリューホール開口を有する。メタルスクリュー142は、ハウジング12A及び12Bのねじ切りされた開口内に受け入れられ、従って、接地トレース134をハウジング12の上部及び下部に接地する。これらの接地された金属トレースが回路31に存在することは、スロット30を、個別の電磁的に分離されたアンテナアパーチャー(スロット30−1及び30−2)に分割する上で役立つ。これは、装置10の左右のアンテナ40が独立して動作することを保証する上で役立つ。
ガスケット74は、導電性発泡材、導電性織物、及び/又は他の導電性構造体(即ち、圧縮された後の近傍の構造体に対して外方に延びるエラストマ構造体)から形成される。ガスケット74を形成するのに使用される導電性発泡材構造体の規範的断面側面図が図9に示されている。図9に示すように、ガスケット74は、スタック状態で一緒に結合される層148のような1つ以上の発泡材層から形成される。開口156のような開口(例えば、長方形発泡材層のスタック内に形成された長方形開口)を使用して、層を、ガスケット74として働く構造体へと整形する。(図9において、開口領域156の材料は、まだ除去されていない。)
発泡材層148は、各々、発泡材基板層146を含む。層146の発泡材は、閉止セル発泡材であり、これは、ガスケット74が周囲のスピーカポート74に対して音響分離ガスケットとして働くことを保証する上で役立つものである。閉止セル発泡材は、発泡材の本体を通過する開口を有しておらず、従って、閉止セル発泡材は、音響を効果的にブロックする。しかしながら、閉止セル発泡材にセル壁を存在させることで、発泡材を通過する電流路を形成するように金属又は他の導電性材料を発泡材に堆積することに挑戦できるようにする。従って、発泡材層146には、閉止セル発泡材を通過するビア150のような金属ビアが設けられる。金属ビア150は、層148を導電性にさせる(即ち、ビア150を伴う層146は、ガスケット74の導電性発泡材層として働く)。導電性接着剤層152は、1つ、2つ以上、又は3つ以上の層148を一緒に且つ導電性織物154に結合するのに使用される。ガスケット74に使用すべき層148の枚数は、ガスケット74の希望の厚みにより決定される。層148は、0.5mmの厚み、0.5mmより大きな厚み、0.5mm未満の厚み、等である。織物154は、ガスケット74の導電率を高めるために層148の外面の若干又は全部に巻き付けられる。導電性織物154は、金属繊維、金属被覆のプラスチック繊維、金属粒子及び/又は他の導電性材料で処理された繊維、等で形成される。必要に応じて、層148は、金属又は他の適当な導電性エラストマ構造体がメッキされた開放セルプラスチック発泡材から形成される。金属ビアを伴う閉止セル発泡材を使用してガスケット74を形成することは、例示に過ぎない。
スロット30(例えば、スロット30−1又はスロット30−2)と整列してハウジング12内の規範的な位置にマウントされたアンテナ40の断面側面図が図10に示されている。図10に示すように、アンテナ共振素子50及び誘電体支持構造体76の前面は、方向146にスロット30に対向し、アンテナ40からのアンテナ信号がスロット30を通過するようにする。構造体160及び162のような導電性構造体は、アンテナ40のアンテナ接地トレース52を下部金属ハウジング12Bに接地するのに使用される。構造体162は、導電性接着剤又は他の導電性材料の層である。構造体160は、キャリア76の上面の接地部52と下部金属ハウジング12Bの上部の対向下面との間でガスケット74が圧縮されるようにアンテナ40を上方にプレスする上で役立つ導電性発泡材層である。ガスケット74の中央の開口は、ハウジング12Bのスピーカ開口28及びスピーカポート72に整列されるのが好ましい。スピーカ70を、開口28から形成されたハウジングスピーカポートに整列することで、スピーカポート72からの音響を、装置10から放射できるようにする(例えば、蓋12Aが開いているときに)。ガスケット74は、スピーカポート72の周りに音響シールを形成し、音響がアンテナ40とハウジング12Bとの間のギャップへと漏れるのを防止する。又、ガスケット74は、アンテナ40のアンテナ接地部52をハウジング12Bの上部の下面に短絡する導電性経路も形成し、これにより、アンテナ信号が経路166を経てハウジング12Bの内部へ入り込むのを防止する。これは、アンテナ40により送信されるアンテナ信号が、装置10の内部の回路、例えば、ディスプレイ14のディスプレイ回路、コントロール回路30、等と干渉しないことを保証する上で役立つ。
上部ハウジング12Aは、装置10が蓋閉じ構成にあるとき下部ハウジング12Bから充分な量分離されてギャップ30を形成し、それにより、アンテナ40がワイヤレス信号を送信及び受信できるようにする部分12ARのような後部を有する。図11は、上部ハウジング(蓋)12Aがヒンジ軸22の周りを開放位置へ回転された規範的蓋開放構成で装置10を示している。図11の規範的構成では、スロット30は、上部及び下部を有する(軸22に沿った異なる位置に配置された左右の部分に加えて)。アンテナ信号は、スロット30の上部を通るか、スロット30の下部を通るか、又は図11の上部及び下部の両スロット30を通る。この形式の構成では、各アンテナは、一対のアンテナアパーチャー(即ち、上部スロット及び下部スロット)に関連している。必要に応じて、各アンテナは、開蓋位置及び閉蓋位置の両方において単一のスロットを通して動作する。装置10の開蓋位置が各アンテナの一対のスロットアパーチャーを形成する図11の規範的構成は、例示に過ぎない。
アンテナ40に対するハウジング12Aの変化する位置は、アンテナ40に可変インピーダンス負荷を課する。その結果、ハウジング12Aの位置がユーザにより調整されるときにアンテナ性能を離調することができる(例えば、ハウジング12A内のディスプレイ14が最適に見えるように)。この作用は、2.4GHzの当該規範的通信帯域において動作周波数fの関数としてアンテナ性能(定在波比SWR)をプロットした図12のグラフに示されている。図12の曲線は、トランシーバ90とアンテナ40との間の信号経路にキャパシタ102を合体する影響を示すと共に、蓋位置の影響を示している。曲線170は、蓋12Aが水平に対して110°の角度に開けられ且つキャパシタ102が省略された構成におけるアンテナ40の性能を示す。曲線170’は、蓋12Aを閉じた(即ち、0°に方向付けされた)ときにこの形式のアンテナ構成体のアンテナ性能がどのように離調されるかを示す。曲線168は、キャパシタ102が存在し且つ蓋12Aが110°の開放位置にある構成におけるアンテナ40の動作に対応する。キャパシタ102の存在において、アンテナ40の帯域巾は、曲線170の形状に対するアンテナ共振曲線168の広げられた形状で示すように、広げられている。キャパシタ102のこの広げ作用は、蓋12Aが閉じたときでも(曲線170’)アンテナ40が2.4GHz帯域の望ましい周波数で満足に動作を続けることを保証する。
図13の規範的グラフでは、アンテナ効率が蓋位置(ハウジング12Bに対するハウジング12Aの位置)の関数としてプロットされている。曲線174は、キャパシタ102が省略されたアンテナ構成に対応する。低い蓋位置感度を示す曲線172は、キャパシタ102が含まれたアンテナ構成に対応する。
図12及び13の例で示すように、キャパシタ102の使用は、蓋位置離調作用に対するアンテナ40の感受性を低下させる上で有用である。必要に応じて、他の蓋離調感受性低下回路がトランシーバ90とアンテナ40のフィードとの間に結合されてもよい。キャパシタ102を使用してアンテナ40の応答を広げ、それにより、アンテナ離調の影響を低下させることは、例示に過ぎない。
蓋位置誘起アンテナ離調に対する装置10の感度を低下させる別の方法は、監視回路(例えば、インピーダンス監視回路、受信信号強度監視回路、等)を使用してアンテナ40の性能及び/又は蓋12Aの位置を監視することを含む。アンテナ40には、アンテナを再同調し、従って、アンテナ性能が望ましい程度以上に変化しないことを保証できる同調回路を設けることができる。
一例として、図14の構成について考える。図14に示すように、装置10は、同調回路を伴うアンテナを有する。アンテナ40の同調回路176は、調整可能なインダクタ、調整可能なキャパシタ、及び/又は他の調整可能な回路を含む。同調回路176は、アンテナ共振素子50、アンテナ接地部52の一部分、寄生的素子、アンテナフィード構造体、インピーダンスマッチング回路、又は他のワイヤレス回路に合体される。コントロール回路30は、アンテナ40を使用してデータを送信することを希望するときにトランシーバ回路90へデータを供給すると共に、アンテナ40を使用してトランシーバ回路90により受信されたワイヤレスデータを処理する。又、コントロール回路30は、アンテナ性能監視回路及び/又は蓋位置センサ178(例えば、ハウジング12Aと12Bとの間に結合される光学的、磁気的又は電気的にエンコードされる角度センサ)からデータを受信する。蓋12Aの位置に関する情報、又はアンテナ40の状態に関する他の情報に基づいて、コントロール回路30は、アンテナ40が希望通りに性能発揮することを保証するように同調回路176を調整することができる。
図15は、アンテナ共振素子50とアンテナ接地部52との間に結合された可変キャパシタを使用して同調回路176のような同調可能な回路をどのように実施できるかを示す図である。他の形式の同調回路(例えば、同調可能なインダクタ、等)を使用することもできる。図15の同調構成は、例示に過ぎない。
図16は、測定された蓋位置のような情報に基づいて同調回路176をどのように調整するかを示すグラフである。最初に、アンテナ40は、蓋12Aを第1の位置にして望ましい周波数f1で動作される。蓋12Aを第2の位置へ移動すると、アンテナ40は、望ましからぬ周波数f2における離調したアンテナ共振182で示されたように、離調状態になる可能性がある。角度センサ178のような蓋位置センサ、又はハウジング12Bに対する蓋12Aの位置を感知する他のセンサを使用することにより、コントロール回路30は、アンテナ40が離調する可能性があることを決定し、それ故、適切な補償量で同調回路176を調整することができる。これは、アンテナ40が(蓋12Aが取り外されても)望ましい周波数f1で共振184のようなアンテナ共振を示すようにアンテナ40を再同調させる。
一般的に、アンテナ40は、トランシーバ90からのデータ(例えば、受信信号強度又は他の適当なメトリック)に基づき、接近センサ、タッチセンサ、加速度計、コンパス、又は装置10の他のセンサからの情報に基づき、或いは蓋角度センサからの情報、等に基づいて、コントロール回路30により再同調される。角度センサ178を使用して、同調回路176を調整するための情報をコントロール回路30に与える図14の規範的な構成は、例示に過ぎない。
一実施形態によれば、ディスプレイを収容するハウジング上部を有すると共に、ハウジング下部を有し、前記ハウジング上部及びハウジング下部がスロット状開口により分離されている金属ハウジングと;前記スロット状開口の両端にあって、前記ハウジング上部を前記ハウジング下部に接続する第1及び第2のヒンジと;前記スロット状開口の少なくとも一部分に整列された前記ハウジング下部内の少なくとも1つのキャビティアンテナであって、誘電体支持構造体上のアンテナトレースを含むものであるキャビティアンテナと;を備えたポータブルコンピュータが提供される。
別の実施形態によれば、前記アンテナトレースは、アンテナ共振素子及びアンテナ接地トレースを含む。
別の実施形態によれば、前記誘電体支持構造体は、中空の誘電体支持構造体を含む。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記中空の誘電体支持構造体内の内部容積部に少なくとも1つのスピーカドライバを備え、前記中空の誘電体支持構造体は、前記スピーカドライバに整列されたスピーカポートを有する。
別の実施形態によれば、前記ハウジング下部は、前記中空の誘電体支持構造体のスピーカポートに整列された少なくとも1つのスピーカ開口を有する。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記スピーカポートを取り巻き且つ前記中空の誘電体支持構造体と前記ハウジング下部との間に圧縮されるリング状ガスケットを備えている。
別の実施形態によれば、前記リング状ガスケットは、導電性発泡材ガスケットである。
別の実施形態によれば、前記導電性発泡材ガスケットは、閉止セル発泡材を含む。
別の実施形態によれば、前記導電性発泡材ガスケットは、導電性ビアを含み、導電性織物が巻かれる。
別の実施形態によれば、前記アンテナ共振素子は、第1及び第2の通信帯域で共振する第1及び第2の岐路を有し、そして前記アンテナトレースは、前記第2の通信帯域で共振する前記誘電体支持構造体上の寄生的アンテナ共振素子を含む。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記キャビティアンテナに結合される同調回路;前記ハウジング上部が前記ハウジング下部に対してどれほどの角度にされるかを測定する蓋角度センサ;及び前記蓋角度センサからの測定値に少なくとも一部分応答して前記キャビティアンテナを調整するように前記同調回路を調整するコントロール回路;を備えている。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記アンテナ共振素子と前記アンテナ接地トレースとの間の同調可能なキャパシタ;第1及び第2のヒンジに関連したヒンジ軸の周りで前記ハウジング上部が前記ハウジング下部に対して回転されるときに変化する前記ハウジング上部と前記ハウジング下部との間の角度を測定するセンサ;及び前記センサからの角度測定値に少なくとも一部分応答して前記同調可能なキャパシタを調整するコントロール回路;を備えている。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記ハウジング上部にスクリューで短絡され且つ前記ハウジング下部にスクリューで短絡される第1及び第2の接地トレースを有する柔軟なプリント回路を備え、前記第1の接地トレース及び第1のヒンジは、前記キャビティアンテナのためのアンテナアパーチャーの第1及び第2の端を形成し、そして前記第1及び第2の接地トレース間で前記柔軟なプリント回路上に信号線が形成される。
一実施形態によれば、ディスプレイを収容するハウジング上部を有すると共に、ハウジング下部を有し、前記ハウジング上部及びハウジング下部がスロット状開口により分離されている金属ハウジングと;前記スロット状開口の両端にあって、前記ハウジング上部を前記ハウジング下部に接続する第1及び第2のヒンジと;前記スロット状開口を第1及び第2のスロットへと分割するように前記ハウジング上部及びハウジング下部に短絡された接地トレースを伴う柔軟なプリント回路と;前記第1及び第2のスロットに各々整列された前記ハウジング下部内の第1及び第2のキャビティアンテナであって、前記第1及び第2のスロットがこれら第1及び第2のキャビティアンテナのための各アンテナアパーチャーとして働くようにした第1及び第2のキャビティアンテナと;を備えたポータブルコンピュータが提供される。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、各々、一対のスピーカを収容する中空の誘電体支持構造体上のアンテナトレースを含み、各スピーカは、前記ハウジング下部におけるスピーカ開口の対応セットに整列されたスピーカポートを有する。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記スピーカポートの各1つを各々取り巻いてそのスピーカポートを前記ハウジング下部に音響的にシールするリング状の導電性ガスケットを備えている。
別の実施形態によれば、前記アンテナトレースは、接地アンテナトレースを含み、前記導電性ガスケットは、閉止セル発泡材を含み、そして前記接地アンテナトレースを前記ハウジング下部に電気的に短絡する。
別の実施形態によれば、前記ハウジング上部は、前記第1及び第2のヒンジで前記ハウジング下部に対してある角度に位置され、そして前記ハウジング上部が前記ハウジング下部に平行であるとき及び前記ハウジング上部が前記ハウジング下部に平行でないときの両方に前記ハウジング上部とハウジング下部との間に前記スロット状開口の少なくとも幾つかが形成される。
一実施形態によれば、キーボードを収容する金属ベースハウジングと;ディスプレイを収容する金属蓋と;前記金属ベースハウジングと金属蓋との間にスロット状開口が形成されるように前記金属蓋を前記金属ベースハウジングに結合するヒンジであって、前記スロット状開口の両端に配置されるヒンジと;前記金属ベースハウジング及び前記金属蓋に短絡されると共に、前記スロット状開口を横切って前記金属ベースハウジングと金属蓋との間に延びることにより前記スロット状開口を第1及び第2のスロットに分割する少なくとも1つの接地トレースを伴う柔軟なプリント回路と;前記第1スロットに整列された第1のアンテナであって、前記第1のスロットがこの第1のアンテナのためのアンテナアパーチャーとして働くようにした第1のアンテナと;前記第2スロットに整列された第2のアンテナであって、前記第2のスロットがこの第2のアンテナのためのアンテナアパーチャーとして働くようにした第2のアンテナと;を備えたポータブルコンピュータが提供される。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のアンテナは、各々、アンテナトレースで覆われる各中空プラスチック支持構造体を有する。
別の実施形態によれば、各中空プラスチック支持構造体は、その中空プラスチック支持構造体内の各スピーカポートに整列された一対のスピーカを有する。
別の実施形態によれば、前記金属ベースハウジングは、前記スピーカポートに重畳する複数のスピーカホールを有する。
別の実施形態によれば、各スピーカポートは、前記アンテナトレースの少なくとも幾つかを前記ハウジング下部に短絡すると共にそのスピーカポートを前記ハウジング下部に対して音響的にシールする導電性ガスケットによって取り巻かれる。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、少なくとも第1のアンテナに信号経路で結合された高周波トランシーバと;前記信号経路内に挿入されたキャパシタと;を更に備えている。
一実施形態によれば、ディスプレイを収容する上部金属ハウジングを有し且つキーボードを収容する下部金属ハウジングを有するハウジングと;閉止位置と開放位置との間で回転軸の周りを上部金属ハウジングが下部金属ハウジングに対して回転するように上部金属ハウジングを下部金属ハウジング接続するヒンジと;下部金属ハウジングの互いに反対の上部と下部との間、及びヒンジの間にマウントされたアンテナと;を備え、上部金属ハウジングは、上部金属ハウジングが閉止位置にあるときには第1スロットにより下部金属ハウジングから分離され、且つ上部金属ハウジングが開放位置にあるときには第2及び第3スロットにより下部金属ハウジング分離される金属後部を有し、そしてアンテナは、第1、第2及び第3スロットを通してアンテナ信号を送信及び受信する。
別の実施形態によれば、前記第1スロット、第2スロット及び第3スロットは、前記回転軸に平行に延びる。
別の実施形態によれば、前記アンテナは、前記上部金属ハウジングが閉止位置にあるときに前記第1スロットを通してアンテナ信号を送信及び受信する。
別の実施形態によれば、前記アンテナは、前記上部金属ハウジングが開放位置にあるときに前記第2及び第3スロットを通してアンテナ信号を送信及び受信する。
別の実施形態によれば、前記アンテナは、キャビティアンテナを含む。
別の実施形態によれば、前記キャビティアンテナは、前記ヒンジ間に配置された一対の第1及び第2のキャビティアンテナの1つである。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記第1のキャビティアンテナと第2のキャビティアンテナとの間で前記上部金属ハウジングと下部金属ハウジングとの間を通過する信号経路を備えている。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、二重帯域アンテナを含む。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、2.4GHz通信帯域及び5GHz通信帯域で動作するように構成される。
別の実施形態によれば、前記アンテナは、前記ヒンジ間に配置された一対の第1及び第2のアンテナの1つであり、そして前記ポータブルコンピュータは、前記第1のキャビティアンテナと第2のキャビティアンテナとの間で前記上部金属ハウジングと下部金属ハウジングとの間を通過する信号経路を備えている。
一実施形態によれば、ディスプレイと;ディスプレイがマウントされる上部金属ハウジングと;キーボードと;キーボードがマウントされる下部金属ハウジングと;閉止位置と開放位置との間で回転軸の周りを上部金属ハウジングが下部金属ハウジングに対して回転するように上部金属ハウジングを下部金属ハウジングに接続するヒンジと;前記ヒンジ間、及び前記下部金属ハウジングの互いに反対の上部と下部との間で前記下部金属ハウジングにマウントされた第1及び第2のアンテナと;を備え、前記上部金属ハウジングは、その上部金属ハウジングが閉止位置にあるときにスロットにより前記下部金属ハウジングから分離される金属後部を有する、ポータブルコンピュータが提供される。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のアンテナは、キャビティアンテナである。
別の実施形態によれば、前記上部金属ハウジングが閉止位置にあるときには前記金属後部を前記下部金属ハウジングから分離する前記スロットは、第1スロットであり、そして前記金属後部は、前記上部金属ハウジングが開放位置にあるときには第2スロットにより前記下部金属ハウジングから分離される。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のアンテナは、前記上部金属ハウジングが閉止位置にあるときに前記第1スロットを通してアンテナ信号を送信及び受信する。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のアンテナは、前記上部金属ハウジングが開放位置にあるときに前記第2スロットを通してアンテナ信号を送信及び受信する。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記上部ハウジングが開放位置にあるとき前記金属後部を前記下部金属ハウジングから分離する第3スロットを含む。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のアンテナは、前記上部ハウジングが開放位置にあるとき前記第2及び第3スロットを経てアンテナ信号を送信及び受信する。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のアンテナは、2.4GHz及び5GHzの通信帯域においてアンテナ信号を送信及び受信する。
一実施形態によれば、ディスプレイと;ディスプレイがマウントされる上部金属ハウジングと;キーボードと;キーボードがマウントされる下部金属ハウジングと;閉止位置と開放位置との間で回転軸の周りを上部金属ハウジングが下部金属ハウジングに対して回転するように上部金属ハウジングを下部金属ハウジングに接続するヒンジと;前記ヒンジ間、及び前記下部金属ハウジングの互いに反対の上部と下部との間で前記下部金属ハウジングにマウントされた第1及び第2のキャビティアンテナと;を備え、前記上部金属ハウジングは、その上部金属ハウジングが閉止位置にあるときに前記ヒンジ間に回転軸に沿って延びるギャップにより前記下部金属ハウジングから分離される金属後部を有し、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、前記上部金属ハウジングが閉止位置にあるときに前記ギャップを通してアンテナ信号を送信及び受信するようにした、ポータブルコンピュータが提供される。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のアンテナは、2.4GHz及び5GHzの通信帯域において動作するように構成される。
一実施形態によれば、ディスプレイを収容する上部金属ハウジングを有し且つキーボードを収容する下部金属ハウジングを有するハウジングと;閉止位置と開放位置との間で回転軸の周りを前記上部金属ハウジングが前記下部金属ハウジングに対して回転するように前記上部金属ハウジングを前記下部金属ハウジングに接続するヒンジと;前記ヒンジ間で前記下部金属ハウジングにマウントされた第1及び第2のキャビティアンテナであって、該第1及び第2のキャビティアンテナのための第1及び第2の各アンテナキャビティを形成する導電性接地部分を有する第1及び第2のキャビティアンテナと;前記第1及び第2のアンテナキャビティを前記下部金属ハウジングに短絡する第1及び第2の導電性ガスケットと;を備えたポータブルコンピュータが提供される。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、プラスチック構造体と、導電性接地部分を形成する部分を有する前記プラスチック構造体上の金属トレースとを備えている。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記プラスチック構造体内に第1及び第2のスピーカを備えている。
別の実施形態によれば、前記上部金属ハウジングは、前記第1及び第2のスピーカのための第1及び第2のポートを各々形成する開口を有する。
別の実施形態によれば、前記第1の導電性ガスケットは、前記第1ポートを取り巻くリング形状を有し、そして前記第2の導電性ガスケットは、前記第2ポートを取り巻くリング形状を有する。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、前記下部金属ハウジングの互いに反対の上部と下部との間に配置され、そして前記第1及び第2の導電性ガスケットは、前記導電性接地部分を前記下部金属ハウジングの上部の内面に短絡する。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記下部金属ハウジング内のコントロール回路、及び該コントロール回路とディスプレイとの間に結合された信号経路を備えている。
別の実施形態によれば、前記信号経路は、前記第1及び第2の接地トレースにより取り巻かれた信号経路を有する柔軟なプリント回路を含む。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2の接地トレースは、前記上部金属ハウジング及び下部金属ハウジングに短絡される。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、二重帯域アンテナである。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、2.4GHz及び5GHzの通信帯域において動作するように各々構成される。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記導電性接地部分を前記下部金属ハウジングの下部の上面に短絡する導電性構造体を備えている。
別の実施形態によれば、前記上部金属ハウジングは、該上部金属ハウジングが閉止位置にあるときにスロットによって前記下部金属ハウジングから分離される金属後部を有し、そして前記第1及び第2のキャビティアンテナは、前記スロットを通してアンテナ信号を受信する。
一実施形態によれば、ディスプレイを収容する上部金属ハウジングを有し且つキーボードを収容する下部金属ハウジングを有するハウジングと;前記上部金属ハウジングと下部金属ハウジングとの間に延びる柔軟なプリント回路であって、前記上部金属ハウジング及び下部金属ハウジングに短絡される金属トレースを有する柔軟なプリント回路と;回転軸の周りを前記上部金属ハウジングが前記下部金属ハウジングに対して回転するように前記上部金属ハウジングを前記下部金属ハウジングに接続するヒンジと;前記ヒンジ間で前記下部金属ハウジングにマウントされた第1及び第2のキャビティアンテナであって、前記下部金属ハウジングに短絡され且つその第1及び第2のキャビティアンテナのための第1及び第2の各アンテナキャビティを形成する導電性接地部分を形成する金属トレースを有する第1及び第2のキャビティアンテナと;を備えたポータブルコンピュータが提供される。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、逆F字型アンテナ共振素子を有し、前記金属トレースは、プラスチック支持構造体により支持され、前記ポータブルコンピュータは、前記下部金属ハウジングにおける第1及び第2セットの開口に整列してマウントされた第1及び第2のスピーカを前記プラスチック支持構造体に備えている。
別の実施形態によれば、前記ポータブルコンピュータは、前記下部金属ハウジングにおける第1及び第2セットの開口に整列して前記導電性接地部分を前記下部金属ハウジングに短絡する第1及び第2のリング状導電性ガスケットを備えている。
別の実施形態によれば、前記リング状導電性ガスケットは、発泡材を含む。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、2.4GHz及び5GHzの通信帯域においてアンテナ信号を送信及び受信する。
一実施形態によれば、ディスプレイを収容する上部金属ハウジングを有し且つキーボード及びコントロール回路を収容する下部金属ハウジングを有するハウジングと;前記上部金属ハウジングと下部金属ハウジングとの間に延びる柔軟なプリント回路であって、前記上部金属ハウジング及び下部金属ハウジングに短絡される第1及び第2の金属接地トレースを有し、且つそれら第1及び第2の金属接地トレース間にあって前記コントロール回路とディスプレイとの間で信号を搬送する信号トレースを有する柔軟なプリント回路と;回転軸の周りを前記上部金属ハウジングが前記下部金属ハウジングに対して回転するように前記上部金属ハウジングを前記下部金属ハウジングに接続するヒンジと;前記ヒンジ間で前記下部金属ハウジングにマウントされた第1及び第2のキャビティアンテナであって、これら第1及び第2のキャビティアンテナ間に前記柔軟なプリント回路が配置されるようにした第1及び第2のキャビティアンテナと;を備えたポータブルコンピュータが提供される。
別の実施形態によれば、前記第1及び第2のキャビティアンテナは、プラスチックスピーカエンクロージャー上の金属トレースから形成され、そしてこのプラスチックスピーカエンクロージャー上の金属トレースは、導電性構造体によって前記下部金属ハウジングに短絡される部分を有する。
以上の説明は、単なる例示に過ぎず、当業者であれば、前記実施形態の範囲及び精神から逸脱せずに種々の変更がなされ得る。前記実施形態は、個々に実施されてもよいし、又は任意の組み合わせで実施されてもよい。