JP3194636U - カメラ用の明暗コントラストの露出制御カード - Google Patents

Abstract

【課題】ＧＮＤ（Ｇｒａｄｕａｔｅｄ Ｎｅｕｔｒａｌ Ｄｅｎｓｉｔｙ）フィルタの代替として用いるカメラ用の明暗コントラストの露出制御カードを提供する。【解決手段】カメラ用の明暗コントラストの露出制御カードは、くりぬかれたスリット１２が中間部に形成された矩形状の露出制御カード１０からなる。露出制御カード１０の表面が一層の黒パイル布１１により覆われている。露出制御カード１０の背面には、白色カード１３又は灰色カード１４が設けられているか、或いは白色カード１３及び灰色カード１４が設けられるのが好ましい。【選択図】図３

Description

本考案は、カメラ用の明暗コントラストの露出制御カードに関するものであり、さらに詳しくは、ＧＮＤ（Ｇｒａｄｕａｔｅｄ Ｎｅｕｔｒａｌ Ｄｅｎｓｉｔｙ）フィルタの代替として用いられるカメラ用の露出制御カードに関するものである。

日の出・日没のような素晴らしい風景を撮影するためには、従来のカメラでは光源を制御する必要があった。このような明暗コントラストが高い環境下でオートフォーカス撮影を行うと、地面が真っ黒に写ったり、空の露出が高すぎて真っ白に写ったりする虞があった。ＨＤＲ（Ｈｉｇｈ Ｄｙｎａｍｉｃ Ｒａｎｇｅ）は近年、一眼レフデジタルカメラにおいて人気が高い機能である。キヤノンＥＯＳ ６Ｄは、この機能を有し、ＨＤＲは、カメラに内蔵されたプログラムにより、露出が正確な写真を合成し、勿論、コンピューターのＰｈｏｔｏｓｈｏｐ（登録商標）と同様のことを行うことができて便利であるが、欠点もある。例えば、コントラストが非常に大きな風景（特に山岳の風景）の撮影にＨＤＲを使用しない場合、撮影者はＧＮＤフィルタを選択してもよい。このフィルタは、長方形のガラス上に特殊な処理を施して黒階調層が形成されており、その原理は、明るい場所ではフィルタの黒色部分により光線を減らし、暗い場所ではフィルタの透明部分により正常な露出を行い、空の撮影に階調効果を発生させたり、地面の撮影に輪郭又はディテールを与える効果を得ることができる。

しかし、ＧＮＤフィルタの種類は多く、例えば、色調には、グレースケール、ブルースケール及びオレンジスケールの３種類がある。色調が異なる以外には、ＧＮＤフィルタはソフト（ｓｏｆｔ）及びハード（ｈａｒｄ）の２種類の階調層に分けることができる。ソフト階調層は、階調層のレンズ面が暗部から次第に明るくなるとともに、色調が次第に柔らかくなるため、多数の高コントラスト場面で使用することができ、これも現在の所、最も多くの愛好家が購入する階調層フィルタ方式である。

ハード階調層に関しては、鏡面の明暗の分かれ目がはっきりしているため、山岳又は一般の景色を撮影するのには適していないが、海面などを撮影するのに適する。このように撮影過程では黒色の境界がはっきりしないため美しい画像を再現することは困難であった。現在市販されているＧＮＤフィルタのほとんどは長方形であり、Ｃｏｋｉｎ（フランス）、ＬＥＥ（英国）及びＴＩＦＦＥＮ（米国）の３つのブランドが最も有名であるが、現段階で愛好家が使用する程度によるとＣｏｋｉｎ及びＬＥＥが非常に多く、安価なＣｏｋｉｎは３つのブランドのなかで種類が一番充実しており、価格が最も安いフィルタであるが、採用しているプラスチック材料が傷つきやすいため、使用及び収納する際、特に気を付けなければならなかった。ＬＥＥも同様にプラスチック材料が用いられているが、カラーシフトが低めであるため（Ｃｏｋｉｎ色調は赤色になり易い）、価格はＣｏｋｉｎより４〜５倍高いが、依然として愛好家により愛されていた。ＴＩＦＦＥＮは階調フィルタのうちでも最高級であり、映画産業で使用される特製のものであるため、光透度が好ましくてカラーシフトが低い上、ガラス材料からなるため耐久性が高い。カメラのレンズは口径がそれぞれ異なるため、サイズが異なるＧＮＤフィルタとスタンドを準備しなければならず、多くのアタッチメントを携帯しなければならず多額のコストを要するものである。

そのため、簡単で安価な方式としては、１枚の黒色カードだけを準備する方式が提案されている。この方式は、レンズの前に設置して光を遮るのと同様の効果を得る。黒色カードは、以下（１）〜（３）の長所を有する。
（１）様々な口径の広角レンズに適用する。
（２）携帯に便利で柔軟に使用することができる。
（３）安価である。

黒色カードの原理は、ＧＮＤフィルタと同じである。即ち、明るい部分が遮られ、暗い部分が長めに露出されるため、写真全体の露出のバランスをとることができる。黒色カードを使用する際、それを揺らし、黒色カードが空の明るい場所を遮るため、それを揺らさない場合、黒色カードの下縁に１本の黒色カード線がはっきりと残り、線を消失させるためには黒色カードを揺らさなければならず、写真撮影のときの手の震えと同様に、画像が不鮮明となる悪影響が発生する。揺れの大きさ及び振動は同じであり、経験によって学習しなければならない。黒色カードを使用することが困難な点は、揺れの大きさ以外に、光を遮る時間の計算である。
初心者にとって簡単な方法としては、カメラの光を測定して高強度の光線の部分と低強度の光線の部分とに必要な露出時間を計算し、まず、高強度の光を測定してから低強度の光を測定し、続いて、カメラを調整して画面を構図に合致するようにした後、黒色カードの縁部が高強度の光の部分と低強度の光の部分との境界線を遮り、カメラを６０からＭ手動モードへ変え、シャッター速度を低強度の光線の秒数に設定し、シャッターが押されると秒読みを開始し、まず、高強度の光の露出を行ってから、黒色カードをシャッターが閉じるまで黒色カード線まで移動させ、これにより、光が低強度の部分の露出と、光が高強度の部分の露出とが異なる時間で正常に露出される。

従って、本考案の課題は、露出時間を柔軟に制御することができ、ゆっくりと順次移動して引き抜き、明暗コントラストの露出制御を行うことができ、操縦価値を有するカメラ用の明暗コントラストの露出制御カードを提供することにある。
また、他の課題は、カードの正面が黒色であり、写真の明るい部分と暗い部分とが均一に露出され、カード背面の一部分は白カードであり、一部分は灰色カードであり、異なる反射率及び色のカードを利用したカメラ用の明暗コントラストの露出制御カードを提供することにある。

そこで、本考案者は、上記課題を解決するための鋭意検討を重ねた結果、黒パイルスリット型制御カードに着目し、かかる知見に基いて、本考案に想到するに至った。
すなわち、本考案の主な目的は、黒パイルスリット型制御カードであり、スリット型制御カード（以下、簡単に「スリットカード」と称する。）と、黒色カードとの最大の違いは露出時間をより柔軟に制御し、黒色カードにより高強度及び低強度の光の露出時間を厳密に制御しなければならず、初心者は往々にして露出不足、露出過多又は黒色のカード線が残ってしまうことがある。スリットカードは、くりぬかれたスリットフレームを利用し、シャッター及び運動の過程をシミュレーションする。これは単なる手動であり、ゆっくりと順次移動して引き抜き、明暗コントラストの露出制御を行う。初心者にとっては、直感的に使用することができるとともに、上級者にとっては、上下・左右に変換することができる上、操縦価値を有する、カメラ用の明暗コントラストの露出制御カードを提供することにある。
本考案のもう一つの目的は、カードの正面が黒色の制御カードであり、写真の明るい部分と暗い部分とが均一に露出され、カード背面の一部分は白カードであり、一部分が灰色カードであり、異なる反射率及び色のカードを利用し、撮影の光測定により得た標準値として用い、自然光と人工的な光の色温度下で写真の色彩が光源の色彩により影響されないようにしてカードの使用機能を高める、カメラ用の明暗コントラストの露出制御カードを提供することにある。
かくして、本考案によれば、カメラ用の明暗コントラストの露出制御カードであって、くりぬかれたスリットが中間部に形成された短形状の制御カードであることを特徴とするカメラ用の明暗コントラストの露出制御カードが提供される。
上記カメラ用の明暗コントラストの露出制御カードにおいて、制御カードの表面が一層の黒パイル布により覆われていることが好ましい。
上記カメラ用の明暗コントラストの露出制御カードにおいて、制御カードの背面には、白色カード又は灰色カードが設けられていることが好ましい。
上記カメラ用の明暗コントラストの露出制御カードにおいて、制御カードの背面には、白色カード及び灰色カードが設けられていることが好ましい。

本考案は、上記の通りの構成からなり、簡便な機具および操作により、カメラ撮影において、明暗のコントラストの露出制御を効果的に行うことができる。

図１は、本考案の一実施形態に係るカメラ専用の明暗コントラストの露出制御カードを示す斜視図である。 図２は、本考案の一実施形態に係るカメラ専用の明暗コントラストの露出制御カードを別の角度から見たところを示す斜視図である。 図３は、本考案の一実施形態に係るカメラ専用の明暗コントラストの露出制御カードを使用するときの状態を示す概略図である。 図４は、本考案の一実施形態に係るカメラ専用の明暗コントラストの露出制御カードを示す斜視図である。 図５は、本考案の一実施形態に係るカメラ専用の明暗コントラストの露出制御カードを示す分解斜視図である。

以下、図面により、本考案をさらに具体的に説明する。もっとも本考案に係る図面に示す形態に限定されるものではない。
図１及び図２を参照する。図１及び図２に示すように、本考案の一実施形態に係るカメラ専用の明暗コントラストの露出制御カードは、１枚の矩形状の黒パイルスリット型制御カードである。制御カード１０は光を反射させない黒色の硬質カートン、プラスチック片又はその他の材料からなるカードでもよい。制御カード１０の表面は、一層の黒パイル布１１により完全に覆われているため光を反射させる虞はなく、その中間部分には、くりぬかれたスリット１２が形成されている。図３に示すように、制御カード１０がカメラ２０の前方に設置されると、スリット１２は画面上の高強度の光と低強度の光との異なる領域に対し、移動速度に依り明暗コントラスト及び露出時間の長さを制御することができる。

図４及び図５を参照する。図４及び図５に示すように、本考案の一実施形態に係るカメラ専用の明暗コントラストの露出制御カードは、制御カード１０の背面の上部に白色カード１３が貼り合わされ、背面の下部には灰色カード１４が貼り合わされ、この構成により、本考案は黒／白／灰色カードの三つの機能を有するカードを得ることができる。制御カード１０の正面の反射率は約２％であるため写真の明るい部分と暗い部分とに対して均一に露出を行う。制御カード１０の背面の白色カード１３は、９０％の反射率をホワイトバランスとして用い、自然光及び人工的な光の色温度下において、写真の色彩が光源の色彩により影響されないようにする。制御カード１０の背面の灰色カード１４は、１８％の反射率を撮影の光測定で得た標準値として用いる。

上述したことから分かるように、本考案のカメラ用の明暗コントラストの露出制御カードは、カメラ用の黒パイルスリット型制御カードであるとともに、白色カード及び灰色カードの機能を同時に備え、３つの機能を同時に有するカードを得ることができる。かかるカードを製造する際にはコストを下げることができるとともに、携帯が容易で多機能を有する特性を備えたものである。

１０ 露出制御カード
１１ 黒パイル布
１２ スリット
１３ 白色カード
１４ 灰色カード
２０ カメラ

Claims (4)

1. カメラ用の明暗コントラストの露出制御カードであって、くりぬかれたスリットが中間部に形成された短形状の制御カードであることを特徴とするカメラ用の明暗コントラストの露出制御カード。
2. 制御カードの表面が一層の黒パイル布により覆われていることを特徴とする請求項１に記載のカメラ用の明暗コントラストの露出制御カード。
3. 制御カードの背面には、白色カード又は灰色カードが設けられていることを特徴とする請求項１に記載のカメラ用の明暗コントラストの露出制御カード。
4. 制御カードの背面には、白色カード及び灰色カードが設けられていることを特徴とする請求項１に記載のカメラ用の明暗コントラストの露出制御カード。
   
   

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