JP3191442U - 建設作業用足場板 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者の滑落や踏み外し等による人身事故を防ぐことのでき、設置場所の自由度が大きく、設置と取外しが簡便な建設作業用足場板を提供する。
【解決手段】板本体部2と、板本体部の長軸方向両端部に配設され、昇降器具と接続可能な係止具3とを備えるとともに、板本体部表面の長軸方向に平行な溝4が設けられ、溝の底部には板本体部を建物構成部分に固定するための固定具5が挿入可能な貫通孔6が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】板本体部2と、板本体部の長軸方向両端部に配設され、昇降器具と接続可能な係止具3とを備えるとともに、板本体部表面の長軸方向に平行な溝4が設けられ、溝の底部には板本体部を建物構成部分に固定するための固定具5が挿入可能な貫通孔6が形成されている。
【選択図】図1
Description
本考案は、建設作業中の建物の内部に設置するための建設作業用足場板に関するものである。
従来、木造建築では、高所における建設作業時の安全性を確保するために、建物の外壁、外構等の作業においては、単管、パイプクランプおよび固定ベース等で組まれた足場組の構架パイプ間に足場板が架け渡されており、建物内部の壁や床張りが未完成な開口部分においては、梁の下側に安全ネットを張ったり、開口部分の根太や梁の上に構造用合板や厚ベニヤ板等を敷き、仮設の作業床を設ける等して、人身事故の防止が図られている。ただ、従来の建設作業現場では、足場板の表面は平坦であってすべり止めが設けられておらず、また、単に根太や梁の上に板を敷いているに過ぎず、建物の軸組みに板は固定されていなかった。このため、作業者の滑落や踏み外し、物品の落下等による人身事故に対する防止策が強く求められている。
このような背景から、墜落および物品の落下防止を目的とした足場板(特許文献1)や根太上に載せて作業を容易にできるようにする作業床固定構造(特許文献2)等が提案されている。
特許文献1の提案では、長尺方向の両端に係止部を有する足場板をその係止部においてスチールパイプやアルミパイプ等により組み立てた足場組の構架パイプ間に架け渡し、さらには、足場板に埋め込まれたバネ付筒にピン付爪先板のピン部分を挿入して足場板用爪先板が固定されている。このような構造を備えることにより、爪先板のピン部分がバネ付き筒内のバネによって緊縛され、爪先板は、人力によって持ち上げられない限り足場板から脱落することはなく、作業者の滑落や踏み外し、物品の落下等による人身事故を防ぐことが可能とされている。
また、特許文献2の提案では、根太の間隔に合わせた幅の作業床を構成し、作業床の四隅にピン孔を開口し、少なくとも隣接する二つの作業床のピン孔間に、固定金具より突出したピンを挿入して、根太上に敷いた両作業床が固定されている。このような構造を備えることにより、二本のピンが根太を挟むように挿入され、作業床がズレることなく固定され、床を張る前の他の作業を安全に進めることが可能とされている。
しかしながら、特許文献1に記載された足場板では、両端係止部間が均一な長さの足場板が用いられ、しかもこの足場板には足場組のほぼ同じ距離の構架パイプ間に架け渡されるため、建物の外壁、外構等の作業用としては考慮されるものの、建物ベランダ部の作業や、建物構成の材部での2階以上の階での、そして屋根裏作業用として用いることはできず、足場板としての設置場所の自由度に乏しく、建物構成の内部などにおいても随時に移動させて設置、取外しを簡便に行うことができないという基本的な問題点があった。しかも前記の足場板用爪先板では、足場板自体の設置方法は、単管、パイプクランプおよび固定ベース等で組まれた足場の横架材に足場板を架け渡しているに過ぎず、足場板の固定が十分であるとは言い難い側面があった。また、特許文献2に記載された作業床固定構造では、前記と同様に足場板としての設置自由度に乏しく、しかも具体的には根太の太さ、および根太と根太との間隔と固定金具の二本のピンの間隔が一致している建材を用いていない場合、適用が困難であることが指摘される。
本考案は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、建物ベランダ部や、建物構成の内部での2階以上の階での、その屋根裏等の作業においても梁の上での不安定な作業ではなく、安定した足場上での作業を可能とし、足場板としての設置場所の自由度が大きく、随時に移動させて設置、取外しを簡便に行うことができ、作業者の滑落や踏み外し等による人身事故を防ぐことのできる安全性をより向上可能とする建設作業用足場板を提供することを課題とする。
本考案の建設作業用足場板は、板本体部と、板本体部において長軸方向の両端部に配設され、昇降器具と接続可能とされている係止具とを備えるとともに、板本体部表面の長軸方向に平行な溝が設けられ、溝の底部には板本体部を建物構成部分に固定するための固定具が挿入可能とされている貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本考案の建設作業用足場板においては、板本体部が木質板から形成されていることが好ましい。
また、前記溝は複数であることや、前記溝とともに前記貫通孔を有しない長軸方向に平行な溝が単数もしくは複数設けられていることが好ましい。
本発明の建設作業用足場板によれば、作業者の滑落や踏み外し等による人身事故を防ぐことのできる建設作業用足場板を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本明細書において「建物構成部分」の用語には、柱、梁、根太等の部材とこれらの部材を組み合せた建物の軸組みを含んでいる。
上記のとおり、図1は、本発明の建設作業用足場板の一実施形態を示した分解斜視図であり、図2は、図1に示した建設作業用足場板の斜視図である。また、図3は、図1に示した建設作業用足場板の端部の拡大図および側面図である。図4は、図1に示した建設作業用足場板の固定具を挿入可能な貫通孔周辺の拡大図およびA−A’断面図である。
図1、2に示すように、建設作業用足場板1では、板本体部2には、先端にフック14を取り付けたロープ15などの昇降器具13を接続可能としている係止具3が長軸方向の両端部に配設されている。板本体部2の表面には、長軸方向に平行な溝4が設けられている。この溝4のうちのより広幅の溝4bの底部に板本体部2を建物構成部分に固定するための固定具5を挿入可能な貫通孔6が形成されている。また、板本体部2の表面には、長軸方向の両端部近くであって、短軸方向の略中央付近に、ナット係合孔12が開孔されている。
係止具3は、フック14を係止可能な環状の頭部と雄ネジが切られた軸部を備えたボルトである吊具7と、吊具7を締結可能な雌ネジが切られた吊具固定ナット8と、断面略コの字状の金属製の部材である端部材9とを備えている。
吊具7は、図3(a)(b)に示すように板本体部の小口部に形成された吊具挿入孔10に挿入され、ナット係合孔12において吊具固定ナット8と締結されることによって固定される。
端部材9は、断面略コの字状の金属製の部材であって、板本体部2の両端を覆うように取り付けられ、端部材固定具11を用いて固定される。端部材固定具11は、端部材9を貫通するように上面に挿入されて、板本体部2と端部材9とを固定することができる。端部材固定具11としては、釘、ネジ等が例示されるが、固定力の観点からネジを用いることが好ましい。
このような係止具3を備えていることにより、本考案の建設作業用足場板1は、昇降器具13と係止具3とが接続され、建物ベランダ部や、建物構成の内部での2階以上の階での、その屋根裏等の高所に位置する建設作業現場まで容易に運搬可能となる。また、随時に移動させて設置を行うことができ、作業者の滑落や踏み外し等による人身事故を防ぐことで安全性をより向上可能とする。
昇降器具13は、通常の建設作業現場で資材の運搬、牽引に使用されるものであれば、何ら限定されるものではない。例えば、先端にフック14を取り付けたロープ15等が例示される。また、ロープ15に替えてワイヤー等を使用してもよい。
板本体部2の表面には、板本体部2の長軸方向に平行な溝4が少なくとも一本形成されている。この溝4は、すべり止めとして機能し、作業者の滑落を防止することができる。また、溝4は、複数形成されてもよく、幅や長さの異なる溝4が形成されていてもよい。図4(a)(b)に示すように、本考案の建設作業用足場板1の一実施形態においては、幅や長さの異なる溝4が複数形成されており、この溝4のうちのより幅狭の溝4aは板本体部2の短軸方向外側に形成され、より幅広の溝4bは板本体部2の短軸方向内側に形成されている。このように、板本体部2の表面に幅や長さの異なる溝4a、4bが複数形成されることにより、本考案の建設作業足場板1はより一層すべりにくいものとなる。
溝4のうちのより広幅の溝4bの底部には、板本体部2を建物に固定するための固定具5を挿入可能な貫通孔6が形成されている。
溝4の幅や長さについては、後述の貫通孔6に固定具5を挿入し、建設作業用足場板1と建物の軸組み16とを固定するための作業が可能であれば、特に限定されるものではない。また、溝4の幅は、溝4の底部と作業者の足裏とが接触しない限り、特に限定されるものではない。
本考案の建設作業用足場板1を用いて建物を施工する場合、従来と同様に柱を立てて梁上に一定間隔をおいて根太を横架して建物の軸組み16を構築し、その後、建設作業用足場板1の板本体部2の両端部に配設された係止具3に昇降器具13を接続し、建設作業用足場板1を梁および根太の上まで吊り上げる。根太上に吊り上げられた建設作業用足場板1は貫通孔6の直下に建物の軸組み16が位置するように開口部に架け渡される。そして、板本体部2の表面に形成された溝4のうち、より幅広の溝4bの底部の貫通孔6に、固定具5を挿入することによって、梁や根太等の建物の軸組み16に固定される。このような構成を備えていることにより、本考案の建設作業用足場板1は、建物と一体化し建設作業用足場板1が建物の軸組み16上から落下することがなくなる。
建設作業用足場板1の敷設は、建設作業用足場板1の長軸方向と根太等の長軸方向が平行であっても、直交していてもよいが、建設作業用足場板1の長軸方向と根太等の長軸方向が直交していれば、万一作業者が建設作業用足場板1を踏み外したとしても、高所から落下する恐れを大幅に低減することが可能となる。
貫通孔6は、図1、2においては、板本体部2の長軸方向の中央付近に開孔されているが、溝4bの底部であれば板本体部2の長軸方向のいずれの箇所において開孔されていてもよい。貫通孔6が、板本体部2の長軸方向の中央付近に開孔されていることによって、建設作業用足場板1の左右のバランスがとれるため、より安定した設置が可能となる。一方、貫通孔6が、板本体部2の長軸方向の端部付近に開孔されている場合、建物内部において貫通孔6に固定具5を挿入し、建物の軸組み16と固定することによって、屋外に建設作業用足場板1を大きく突出させることが可能になる。このように屋外に突出させた建設作業用足場板1を利用することによって、建物ベランダ部や軒先、屋根等の屋外側の高所における作業を安全に行うことができる。
また、貫通孔6は、屋根をかける前に降雨、降雪があった際等に、雨水等の水抜き孔としても機能する。
貫通孔6の開口部の外周は、後述の固定具5の撤去作業を簡便にするために座繰りされていてもよい。
固定具5としては、一般の建設現場で使用されている資材を用いることが出来る。例えば、釘、ネジ、アンカーボルト等が例示される。特に、固定作業と取り外し作業の簡便さの観点から釘を用いることが好ましい。固定具5として釘を用いることにより、簡便かつ確実に本考案の建設作業用足場板1と建物の軸組み16とを固定することが可能となる。
また、固定具5として釘を用いた場合、撤去作業を簡便にするため、釘頭は溝4bの底部と面一にならないようにわずかに突出させていてもよい。溝4bの幅は、溝4bの底部にまで作業者の足裏が入り込むことがない範囲とされているため、作業者の足裏は板本体部2の表面との接触にとどまり、わずかに突出している釘頭によって負傷することはない。
このような構成を備えていることにより、本考案の建設作業用足場板1は、建物ベランダ部や、建物構成の内部での2階以上の階での、その屋根裏等の作業においても梁の上での不安定な作業ではなく、安定した足場上での作業を可能とし、足場板としての設置場所の自由度が大きく、随時に移動させて設置、取外しを簡便に行うことができ、作業者の滑落や踏み外し等による人身事故を防ぐことができ、安全性をより向上可能とする。また、寒冷地においては、冬季の建設作業中に柱等の木材が凍結することがあり、従来品の足場板を固定することなく足場組の構架材に架け渡しただけでは、足場板上に作業者が乗った際に足場板が滑り、作業者の滑落事故が起こることが知られている。しかしながら、本考案の建設作業用足場板1では、固定具5である釘が建設作業用足場板1を貫通して、建物の軸組み16に直接釘打ち固定される構造のため、建設作業用足場板1を確実に固定することが可能となる。
なお、板本体部2は、通常建設作業現場で用いられている材質であれば何ら限定されない。例えば、木質板、断面略コの字状の金属板等が例示されるが、木質板から形成されていることが好ましい。板本体部2が木質板から形成されていれば、金属板と比較して軽量であるため、作業現場での取り回しが容易である。また、木質板は、現場加工性、リサイクル性等にも優れている。
本考案の建設作業用足場板1は、いずれの建築工法による建物の建設作業現場においても使用可能であるが、特に、軸組み工法やパネル工法等による木造建築の建設作業現場において有用である。
また、本考案の建設作業用足場板1は、上記の実施の形態によって何ら限定されるものではない。
本考案の建設作業用足場板は、作業者の滑落や踏み外し等による人身事故を防ぐことができる。
1 建設作業用足場板
2 板本体部
3 係止具
4、4a、4b 溝
5 固定具
6 貫通孔
7 吊具
8 吊具固定ナット
9 端部材
10 吊具挿入孔
11 端部材固定具
12 ナット係合孔
13 昇降器具
14 フック
15 ロープ
16 建物の軸組み
2 板本体部
3 係止具
4、4a、4b 溝
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9 端部材
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11 端部材固定具
12 ナット係合孔
13 昇降器具
14 フック
15 ロープ
16 建物の軸組み
Claims (4)
- 建設作業用足場板であって、
板本体部と、板本体部において長軸方向の両端部に配設され、昇降器具と接続可能とされている係止具とを備えるとともに、
前記板本体部表面の長軸方向に平行な溝が設けられ、前記溝の底部には板本体部を建物構成部分に固定するための固定具が挿入可能とされている貫通孔が形成されている
ことを特徴とする建設作業用足場板。 - 前記板本体部が木質板から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の建設作業用足場板。
- 前記溝は複数であることを特徴とする請求項1または2に記載の建設作業用足場板。
- 前記溝とともに前記貫通孔を有しない長軸方向に平行な溝が単数もしくは複数設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の建設作業用足場板。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3191442U true JP3191442U (ja) | 2014-06-19 |
Family
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112623922A (zh) * | 2020-12-18 | 2021-04-09 | 葛智力 | 一种水利工程施工用模板吊运装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112623922A (zh) * | 2020-12-18 | 2021-04-09 | 葛智力 | 一种水利工程施工用模板吊运装置 |
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