JP3183558B2 - リンク式移動ロボットの制御装置 - Google Patents

リンク式移動ロボットの制御装置

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JP3183558B2
JP3183558B2 JP13626292A JP13626292A JP3183558B2 JP 3183558 B2 JP3183558 B2 JP 3183558B2 JP 13626292 A JP13626292 A JP 13626292A JP 13626292 A JP13626292 A JP 13626292A JP 3183558 B2 JP3183558 B2 JP 3183558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はリンク式移動ロボット
の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、移動ロボットに関する技術として
は車輪式、クローラ式、脚式などのロボットが提案され
ている。その中で、脚式移動ロボットの制御技術に関す
るものとして、1脚のロボットに関する技術(Raibert,
M.H., Brown, Jr.H.B.,"Experiments in Balance With
a 2D One-Legged Hopping Machine", ASME, J of DSM
C,vol.106, pp.75-81 (1984)), 2脚のロボットに関す
る技術(日本ロボット学会誌vol.l, no.3, pp.167-203,
1983)、4脚のロボットに関する技術(日本ロボット学
会誌vol.9, no.5, pp.638-643, 1991)、6脚のロボット
に関する技術(Fischeti, M.A.,"Robot Do the Dirty W
ork,"IEEE, spectrum, vol.22. no.4, pp.65-72 (198
5). Shin-Min Song, Kenneth J. Waldron, "Machines T
hat Walk; TheAdaptive Suspension Vehicle", The MIT
Press Cambridge, Massachusetts, London. England)
が多数提案されている。更には、比較的低自由度のロボ
ットでリアルタイムに力学的に安定な移動(歩行)パタ
ーンを生成する技術(下山、”竹馬型2足歩行ロボット
の動的歩行”、日本機械学会論文集 C篇、第48巻、第 4
33号、pp.1445-1454, 1982. および"Legged Robots on
Rough Terrain; Experiments in Adjusting Step Lengt
h", by Jessica Hodgins. IEEE, 1988) や、比較的多自
由度のロボットでオフラインで安定な移動(歩行)パタ
ーンを生成する技術(特開昭62-97006号、特開昭63-150
176 号)も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記リンク式移動ロボ
ットは、車輪式など他の形態の移動ロボットと比較する
と、自重を支持し、駆動力を発生し、またリンクを振る
ために大出力の関節駆動装置を必要とする。一方、段
差、階段、不整地などの踏破性に優れるが、安定に移動
するためには高度の制御を必要とするといった特徴があ
る。ここで、ロボットの移動のための運動パターン(以
下、歩容と呼ぶ)が適切でない場合、自重とその慣性力
を支持するため、またはイナーシャの大きいリンクを振
るために関節負荷が増加し、一層大出力の関節駆動装置
が必要となる。すると自重とリンクのイナーシャが増加
して、さらに大出力の関節駆動装置が必要となるといっ
た悪循環が発生し、移動ロボットそのものが成立しなく
なる。また、安定性の見地から見ても、歩容が適切でな
いと、リンクを振ることの反力や重心の慣性力が不必要
に大きくなったり、振動的になったりして、所期の安定
性が得られなかったり、外乱に対する復元力が弱くなっ
たりする。またさらに、消費エネルギという観点からみ
ても、歩容が適切でないと無駄なエネルギ消費が避けら
れず、特に、自立型のロボットであれば搭載するエネル
ギ源には限りがあるので、行動できる時間や距離が少な
くなってしまう。
【0004】したがって、本発明の目的は適切な歩容を
生成できる装置を提供することによって、上記した問題
の発生を未然に防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ためにこの発明は以下の如く構成した。後述する符合を
付して説明すると、請求項1項にあっては基体(筐
体)24とそれに接続される2本の脚部リンクを有
ると共に前記脚部リンクで自重を支持しつつアクチ
ュエータ(電動モータ)で駆動されて動す2足歩行
型のリンク式移動ロボットの制御装置において、前記
ロボットの姿勢または姿勢の時系列に関する姿勢目標値
を設定する姿勢目標値設定手段(制御ユニット26,S
10からS18)、前記設定された姿勢目標値に従っ
て、前記アクチュエータの目標操作量を決定する目標操
作量決定手段(制御ユニット26,S20,S306,
S308)、及び前記決定された目標操作量となるよう
前記アクチュエータを動作させアクチュエータ制御
手段(制御ユニット26,S310)、を備えると共
に、前記姿勢目標値設定手段は、前ロボット重心
および加速度の少なくともいずれかの任意の期間にお
けるその絶対値の最大値(例えば重心加速度の最大値G
zツー・ドット.max)が、その実効値例えば重心加速
度の実効値Gzツー・ドット.rms)に所定の比率(係
数)αを乗じた値未満となるよう、前記姿勢目標値を
設定する(制御ユニット26,S22,S100からS
114)ように構成した。また請求項2項にあっては、
前記最大値が減少する方向に、前記姿勢目標値を決定ま
たは修正する手段(制御ユニット26,S22,S3
0,S100からS114)を備えるように構成した。
また請求項3項にあっては、前記最大値が所定の範囲以
内(例えば−Gzツー・ドット.max〜Gzツー・ドッ
ト.max)になるように、前記姿勢目標値を決定または修
正する手段(制御ユニット26,S22,S30,S1
00からS106)を備えるように構成した。 また請求
項4項にあっては、前記最大値が、その実効値に所定の
比率を乗じた値未満になるように、前記姿勢目標値を決
定または修正する手段(制御ユニット26,S22,S
30,S100からS114)を備えるように構成し
た。 また請求項5項にあっては、前記最大値が減少する
方向に、前記アクチュエー タの目標操作量を修正する手
段(制御ユニット26,S24,S28,S200から
S220)を備えるように構成した。 また請求項6項に
あっては、基体(筐体)24とそれに接続される2本の
脚部リンク2を有すると共に、前記脚部リンクで自重を
支持しつつ、アクチュエータ(電動モータ)で駆動され
て移動する2足歩行型のリンク式移動ロボット1の制御
装置において、前記ロボットの姿勢または姿勢の時系列
に関する姿勢目標値を設定する姿勢目標値設定手段(制
御ユニット26,S10からS18)、前記設定された
姿勢目標値に従って、前記アクチュエータの目標操作量
を決定する目標操作量決定手段(制御ユニット26,S
20,S306,S308)、及び前記決定された目標
操作量となるように前記アクチュエータを動作させるア
クチュエータ制御手段(制御ユニット26,S31
0)、を備えると共に、前記ロボットの重心の鉛直方向
の速度および加速度の少なくともいずれかが所定の範囲
以内(例えば−Gzツー・ドット.max〜Gzツー・ドッ
ト.max)になるように、前記姿勢目標値を決定または修
正する(制御ユニット26,S22,S30,S100
からS106)ように構成した。
【0006】
【作用】歩容を適切に設定することにより、適切な歩容
で移動することができる様になり、前記した悪循環を未
然に防止でき、重量の増加、リンクイナーシャの増加、
消費エネルギの増加、安定性の低下などの問題点が解決
される。
【0007】
【実施例】以下、脚式移動ロボットとして2足歩行のロ
ボットを例にとってこの発明の実施例を説明する。図1
はそのロボット1を全体的に示す説明スケルトン図であ
り、左右それぞれの脚部リンク2に6個の関節を備える
(理解の便宜のために各関節をそれを駆動する電動モー
タで示す)。該6個の関節は上から順に、腰の脚部回旋
用の関節10R,10L(右側をR、左側をLとする。
以下同じ)、腰のロール方向(x軸まわりに回転)の関
節12R,12L、同ピッチ方向(y軸まわりに回転)
の関節14R,14L、膝部のピッチ方向の関節16
R,16L、足首部のピッチ方向の関節18R,18
L、同ロール方向の関節20R,20Lとなっており、
その下部には足平(足部)22R,22Lが取着される
と共に、最上位には筐体(基体)24が設けられ、その
内部には制御ユニット26が格納される。筐体24の上
面にはルーフキャリア28が設けられ、そこに必要に応
じて貨物30を積載することができる。ルーフキャリア
28は、図示の如く、筐体24の上面の四隅に対抗的に
配設された4個のスライダからなり、各スライダはそれ
ぞれx方向またはy方向に滑動して貨物を挟持した後、
その位置にロックすることができ、ロボット1が歩行す
るとき貨物30が移動、回転しない様な構成となってい
る。
【0008】上記において腰関節は関節10R(L),
12R(L),14R(L)から構成され、また足関節
は、関節18R(L),20R(L)から構成される。
また、腰関節と膝関節との間は大腿リンク32R,32
Lで、膝関節と足関節との間は下腿リンク34R,34
Lで連結される。ここで、脚部リンク2は左右の足につ
いてそれぞれ6つの自由度を与えられ、歩行中にこれら
の6×2=12個の関節(軸)をそれぞれ適宜な角度に
駆動することで、足全体に所望の動きを与えることがで
き、任意に3次元空間を歩行することができる様に構成
される。先に述べた様に、上記した関節は電動モータか
らなり、さらにはその出力を倍力する減速機などを備え
るが、その詳細は先に本出願人が提案した出願(特願平
1−324218号、特開平3−184782号)など
に述べられており、それ自体はこの発明の要旨とすると
ころではないので、これ以上の説明は省略する。
【0009】図1に示すロボット1において、足首部に
は公知の6軸力センサ36が設けられ、足平を介してロ
ボットに伝達されるx,y,z方向の力成分Fx,F
y,Fzとその方向まわりのモーメント成分Mx,M
y,Mzとを測定し、足部の着地の有無と支持脚に加わ
る力の大きさと方向とを検出する。また足平22R
(L)の四隅には静電容量型の接地スイッチ38(図1
で図示省略)が設けられて、足平の接地の有無を検出す
る。さらに、筐体24には傾斜センサ40が設置され、
x−z平面内のz軸に対する傾きとその角速度、同様に
y−z平面内のz軸に対する傾きとその角速度を検出す
る。また各関節の電動モータには、その回転量を検出す
るロータリエンコーダが設けられる。さらに、図1では
省略するが、ロボット1の適宜な位置には傾斜センサ4
0の出力を補正するための原点スイッチ42と、フェー
ル対策用のリミットスイッチ44が設けられる。これら
の出力は前記した筐体24内の制御ユニット26に送ら
れる。
【0010】図2は制御ユニット26の詳細を示すブロ
ック図であり、マイクロ・コンピュータから構成され
る。そこにおいて傾斜センサ40などの出力はA/D変
換器50でデジタル値に変換され、その出力はバス52
を介してRAM54に送られる。また各電動モータに隣
接して配置されるエンコーダの出力はカウンタ56を介
してRAM54内に入力されると共に、接地スイッチ3
8などの出力は波形整形回路58を経て同様にRAM5
4内に格納される。制御ユニット内にはCPUからなる
第1、第2の演算装置60,62が設けられており、第
1の演算装置60は後述の如くROM64に格納されて
いる歩行パターンを読み出して目標関節角度(関節駆動
パターン)を算出してRAM54に送出する。また第2
の演算装置62は後述の如くRAM54からその目標値
と検出された実測値とを読み出し、各関節の駆動に必要
な制御値を算出してD/A変換器66とサーボアンプを
介して各関節を駆動する電動モータに出力する。
【0011】続いて、この制御装置の動作を説明する。
【0012】図3はこの制御装置の動作の中の目標軌道
設定手順を示すフロー・チャートである。設定されたデ
ータが図2に示す制御ユニット26のROM64に格納
され、それに基づいて今述べた様に、制御ユニット26
で関節駆動制御が行われる。
【0013】先ず目標軌道設定手順を説明すると、重心
軌道などの位置情報を用いて関節角度を決定してロボッ
トの姿勢を一意に決めるには、その自由度と同数の姿勢
決定パラメータを用いる必要がある。即ち、実施例にか
かるロボット1の場合、12個の関節を備えて12個の
自由度を有することから、12個のパラメータを用いて
各関節を変数とする12元1次連立方程式を解いて各関
節の関節駆動パターン(目標角度)を決定する。この制
御においては、そのため、12個のパラメータとして図
4に示す様に、 筐体24の回転角度φx,φy,φz 遊脚足平22R(L)の回転角度θx,θy,θz 重心の座標Gx,Gy,Gz 遊脚足関節18,20R(L)の交点座標Ax,Ay,
Az を用いる。ここで回転角度は図示の如く、その添字が示
す方向まわりの角度を示す。また重心などの3次元座標
は、支持脚の足平先端位置を原点とする。
【0014】ここで、この制御を概括すると、これら1
2個のパラメータを一定値または初期値に仮に固定した
上で重心軌道、遊脚軌道などをチェックし、その(加)
速度成分のピーク値を修正して関節トルクが低減する様
に、パラメータとそれから決定される関節駆動パターン
とを補正する様にした。また、いわゆるzmpの概念を
導入して重心軌道を設定することも特徴とする。ここ
で、zmp(zero mome-nt point) とは周知の如く、足
裏をある1点で地面に固定したと考えたとき、歩行動作
によってその点にモーメントが発生しない様な点を意味
する。即ち、図5に示す如く、ロボットに働く外力は重
力mgと路面反力Fである。即ち、重心Gには重力によ
る鉛直方向の力が加わると共に、重心が加速度を受ける
ことによって生ずる慣性力−mGツー・ドットも働き、
その2つの力の合力と地面から受ける路面反力F、さら
には、各リンクの慣性モーメントと角加速度によって発
生するモーメントの総和M=Σ(Ii・θiツー・ドッ
ト)とが釣り合ってロボットは歩行する。この路面反力
Fを集中荷重としたときの作用点がzmpである。この
zmpがロボット全体の接地点の外周を結んだ安定領域
(支持多角形)の外に出ると、ロボットは転倒する。従
って、この制御においてはzmpが所定の領域に位置す
る様に、歩容パラメータを設定する。別言すれば、ロボ
ットが路面その他の環境と接触している部分を頂点とし
て構成される多面体又は多角形と、環境からロボットに
作用する全ての外力の合力ベクトルとの交点の集合がz
mpである。
【0015】以下、図3フロー・チャートを参照して説
明すると、先ずS10において筐体24の回転角度φ
x,φy,φzを設定する。この場合には常に零と設定
した。以下、その理由を述べる。
【0016】質点系については角運動量の法則、即ち、
質点系のある固定点に関する角運動量の時間的変化の割
合は、外力のその点に関するモーメントの和に等しく、
従って外力の作用しない質点系の角運動量は不変であ
る、なる法則が妥当するが、図6に示す様にロボット1
のx−z平面についてこれを示すと、数1に示す様にな
る。
【0017】
【数1】
【0018】ここで、ロボット1のある瞬間におけるz
mpに関して角運動量の法則を適用すると、ロボット1
に作用する外力は重力と路面反力であるが、路面反力は
zmpを通るので、外力のモーメントは重力によるもの
だけとなる。従って、数1にzmpの座標を加えて変形
した数2を解くことによってzmpの位置を求めること
ができる。
【0019】
【数2】
【0020】ロボット1が安定に歩行するためには、こ
のzmpが安定領域内にあることが必要条件であり、ロ
ボット1の歩容は、この条件式を満足する様に決定され
なければならない。しかし、数2にはロボット1を構成
する各部材の質量、重心位置、イナーシャなどが含まれ
ているために、これらのパラメータをロボット1が歩行
する以前に求めておかなければならない。さらに、ロボ
ット1に貨物30を積載して歩行させる場合、安定条件
式には、貨物の質量、その重心位置、貨物の重心まわり
のイナーシャも含まれる。このうち質量、重心位置につ
いては前記した6軸力センサ36を通じて容易に検出す
ることができるが、貨物の重心まわりのイナーシャに関
しては動的な測定が必要となることから、測定困難であ
る。そこで、この制御においては、貨物を実質的に回転
させない歩容でロボット1を歩行させることとした。そ
の結果、貨物相当リンクについてのIωの項を無視する
ことができ、貨物の重心まわりのイナーシャを予め知る
(測定する)必要がなく、単にその質量と重心位置のみ
を測定すれば良いことになって演算が簡略となる。さら
には、貨物を回転させないこととした結果、荷くずれや
貨物の落下、それに伴う貨物の破損などを未然に防止す
ることができるなどの副次的な効果も生じる。尚、回転
角度φx,φy,φzを零とするとしたが、φx,φ
y,φzは、特に零である必要はなく、その微分値であ
る角速度ωx,ωy,ωzが実質的に無視できる程度の
大きさであれば、φx,φy,φzはどのような値でも
よい。
【0021】3フロー・チャートにおいては続いてS
12に進み、遊脚足平の回転角度θx,θzを設定す
る。ここではθx,θzを共に零に設定した。続いてS
14に進み、遊脚足関節の座標のうちのAyを設定す
る。図1に示したロボットにおいて、両脚部リンク2の
足関節の歩隔(即ち、足関節のy方向の離間距離)を2
00mmに設定したことから、ここではAyを200m
mに設定する。
【0022】続いてS16に進んでzmp軌道の目標値
を設定する。先にも述べた様に、ロボットが安定に歩行
するためには、片脚支持期にzmpはロボット全体の接
地点の外周を結んだ安定領域内部に、即ち、支持脚の足
裏内に位置しなければならない。人間の歩行も同様にこ
の条件を満足している。そのときのzmpの位置に注目
してみると、zmpは離床の瞬間に次の片脚支持期の安
定領域の後端にあり、片脚支持期間に安定領域内を移動
して着地の瞬間には前記の安定領域の前端にある。人間
の歩行は着地位置や着地のタイミングを絶妙に調整する
などの方法で歩行の安定化を図っており、非常に高い安
定性を有している。それ故この様なzmp軌道が合理的
であると推測され、実際に重心の加減速が小さく、また
関節にかかる負荷も小さいことが確かめられた。一方、
運動性能が人間よりも劣る、特に安定性が人間に比較し
て低いと言わざるを得ない現状のロボットでは、zmp
を人間と同じ様にすると、離床の直後と着地の直前とで
zmpが安定領域の端にあったのでは、十分に安定な歩
行を実現することができない。しかし、ロボットには図
1に示した様に足平の面積を比較的大きくすることがで
きる、また関節トルクを大きくすることができる、など
人間にはない特徴があり、これらを活用してzmp軌道
の目標値を設定することにより、歩行の安定性を向上さ
せることができる。
【0023】以上から、この制御においては、zmpが
図7、図8に示す位置にある様にzmp軌道の目標値を
設定した。即ち、 1.離床の瞬間のzmpが、直後の片脚支持期の安定領
域内にあること。 2.離床の瞬間のzmpが、直後の片脚支持期の安定領
域内にあり、かつその後端と左右端に対して少なくとも
所定の余裕を持つこと。 3.着地の瞬間のzmpが、直前の片脚支持期の安定領
域内にあること。 4.着地の瞬間のzmpが、直前の片脚支持期の安定領
域内にあり、かつその前端と左右端に対して少なくとも
所定の余裕を持つこと。 5.片脚支持期のzmpが、安定領域に対して少なくと
も所定の余裕を持つこと。 尚、言うまでもなく、上記で前(後)端はx軸方向の、
左右端はy軸方向の位置を示す。
【0024】即ち、歩行中、種々の外乱などによってロ
ボットが倒れそうになると、zmpは目標位置から外れ
て移動し、安定領域の境界まで達するとロボットは倒れ
始める。しかしながら、上記の如く構成したことによ
り、離床と着地の瞬間を含む片脚支持期の全ての瞬間に
おいて、zmpの位置は安定領域の端に対して少なくと
も所定の余裕を持つので、zmpを安定領域の端まで移
動させるほどの大きい外乱が加わらなければ、ロボット
は傾かない。従って、この余裕が大きいほど安定である
と言える。このとき、各関節は、外力によって生じる負
荷に抗して姿勢を保持するために、能動的にトルクを発
生している。また、姿勢の安定を回復する方向にzmp
を移動させる様に、積極的に関節トルクを発生すれば、
ロボットに作用する安定性回復力の力積を大きくするこ
とができるので、さらに安定な歩行を実現することがで
きる。このときのzmpの移動量が大きいほど安定性の
回復能力が大きいと言う関係が成立するが、zmpは安
定領域の外側に出られないので、外乱などがない状態に
おけるzmpを安定領域の十分内側に位置させること
が、安定性を高める要因となる。上記の如く、この制御
においては、足平面積が大きい、関節トルクが大きいと
言う特徴を生かして歩行の安定性を高める様にした。S
16で設定するzmpの軌跡の目標値を歩行中に上方か
ら見ると、平面的に示すと、図9に示す様になる。尚、
この明細書では「軌道」は時間に依存した表現を、「軌
跡」は時間に依存しない表現を、意味するものとして使
用する。
【0025】続いてS18に進んで重心の位置Gx,G
y,Gzの初期値を設定する。これについては後で重心
軌道の最適化を図ることから、ここでは単に歩行する姿
勢がとれれば良いと言う程度の値に設定する。続いてS
20に進んで遊脚軌道の初期値を設定する。即ち、遊脚
について未だ設定されていない足関節の座標Ax,Az
と足平の回転角度θyについて、とりあえずは遊脚が地
面に接触しない程度の値に設定する。続いてS22に進
み、重心軌道のうちの上下(重力)方向成分Gzについ
て最適化を図る。
【0026】これについて説明すると、歩行の1周期
(右(左)脚支持期から両足支持期を経て左(右)脚支
持期に至る期間)について重心の位置Gzの上下方向の
変化を見ると、図10に示す様になる(尚、重心位置の
変化は微小であり、また実際に得られる波形はもっと複
雑であるが、ここでは理解の便宜のため、変化を誇張す
ると共に、波形も滑らかに示す)。また、重心位置が変
位する速度(Gzドットで示す)、重心位置が変位する
加速度(Gzツー・ドットで示す)も併せて同図に示
す。
【0027】ここでロボットにかかる負荷を図11に示
す様に例えば膝関節16R(L)について見ると、 外力の負荷=路面反力F×距離L 路面反力F=mg+mGzツー・ドット 負荷の合計=外力の負荷(保持トルク)+内力の負荷
(加減速トルク) と示すことができる(上下方向についてのみ示す)。即
ち、ロボットの重心の加速度が大きいとロボットに働く
外力もそれに応じて大きくなる。それによって、ロボッ
トはそれに耐えるだけの強度と剛性、アクチュエータの
出力を必要として部材重量の増加、駆動系の重量増加と
なって総重量の増加を強いられ、結果としてロボットに
作用する外力がさらに増大すると言った悪循環が生まれ
る。また、消費エネルギも必要以上に大きくなるため
に、ロボットの作業時間が短縮されると共に、エネルギ
源も大型になり、悪循環に拍車をかける。この悪循環を
断ち切ってロボットの軽量化を図るためには、外力をで
きるだけ小さく抑えた重心軌道の運動パターンで歩行さ
せることが重要である。さらに、関節の保持トルクはそ
の角度を一定として考えれば外力に比例しているので、
外力が大きいときは保持トルクも大きくなる。特に、支
持脚の膝関節の保持トルクは曲げ角度にも強く影響を受
け、曲げ角度が大きくなると、前記した距離Lが大きく
なって保持トルクも増加する。また、加減速トルクは関
節の角加速度に比例する。さらに、加速度の変化が大き
いと言うことは、運動パターンとして無駄が多くて滑ら
かさに欠けており、歩行安定性の上からも望ましくな
い。
【0028】従って、膝関節にかかる負荷を低減するた
めには、重心の加速度を小さく抑え、ロボットに作用す
る外力(路面反力)を低減すること、ならびに重心の高
さを可能な限り高くして支持脚膝関節の曲げ角度(前記
した距離Lに比例)を大きくしないことが重要となる。
そこで、この制御においては重心の上下方向の運動パタ
ーンを最適に設定し、歩行中にロボットに作用する外力
の低減化、関節負荷の低減化、消費エネルギの低減化を
図ると共に、歩行安定性を向上させ歩容を人間のそれに
一層近づけて人間の作業動作環境への適応を容易にする
様にした。
【0029】以下、図12のサブルーチン・フロー・チ
ャートを参照して重心の鉛直方向軌道の最適化を説明す
る。まず図12のS100では図3のフロー・チャート
のS18で初期設定された、又はS22でこれから述べ
る様に修正されることになる重心の鉛直方向軌道を初期
値として、図3のフロー・チャートのS10,S12,
S14,S16,S18,S20で設定された他の歩容
パラメータ、又は後で述べる様にS24,S26で修正
されることになる遊脚軌道、重心の前後、左右方向の軌
道を前提とした時に取れる姿勢のなかで最も高い重心の
鉛直方向軌道を探索して、重心の鉛直方向限界軌道(G
z.lim軌道)とする。ここで得られた重心の鉛直方向限
界軌道(Gz.lim軌道)を図10の上段のグラフに一点
鎖線で示した。この重心の鉛直方向限界軌道(Gz.lim
軌道)では少なくとも左右どちらかの膝関節16R
(L)が伸び切った姿勢となっている。重心の鉛直方向
限界軌道(Gz.lim軌道)を重心の鉛直方向軌道(Gz
軌道)としてS102に進む。S102では重心の鉛直
方向軌道(Gz軌道)の最小値Gz.minを探索する。
【0030】続いてS104では鉛直方向の重心加速度
のリミット処理を行う。S102で探索したGz.minと
なる時刻から時間の進む方向と戻る方向の両方向に向け
て鉛直方向の重心加速度(図10の下段のグラフに一点
鎖線で表す)のチェックを行い、もしある時刻における
鉛直方向の重心加速度の絶対値が所定の鉛直方向の重心
加速度の最大値(Gzツー・ドット.max)を超えていた
場合には、その時刻における鉛直方向の重心加速度が所
定の鉛直方向の重心加速度の最大値(Gzツー・ドッ
ト.max)になるように、かつ重心の鉛直方向限界軌道
(Gz.lim軌道)を超えないように鉛直方向の重心軌道
(Gz軌道)に修正を加える。かように修正されたG
z.lim軌道のGzツー・ドット軌道を図10の下段のグ
ラフに実線で示す。また、同様に鉛直方向の重心速度
(Gzドット)のリミット処理を行ってもよい。これで
全ての時刻における鉛直方向の重心加速度(速度)が所
定の範囲内(−Gzツー・ドット.max〜Gzツー・ドッ
ト.max、−Gzドット.max〜Gzドット.max)にあると
いう条件を満足する軌道のなかでその平均高さが最も高
い鉛直方向の重心軌道が実現される。実施例では所定の
鉛直方向の重心加速度の最大値(Gzツー・ドット.ma
x)を0.2g〜0.7g(g:重力加速度)と設定し
た場合に良好な結果が得られた。
【0031】図12サブルーチン・フロー・チャートに
おいては続いてS106に進んで、図10の上段のグラ
フに示す様に、Gz軌道の最小値Gz.minに対して
所定の余裕Gz.margin を持たせる様に、下方に平行移
動させる(よって求められる値を図10の上段のグラフ
に「Gz軌道(最終値)」で示す)。即ち、例えば図1
3と図14に示す様に、膝関節が比較的大きく曲がった
状態(図13)と膝関節が大きく伸びた状態(図14)
とでは図15に示す様に、膝関節角度の変化分Δθ1,2
と重心位置の上下方向変化分Δzとの割合が大きく相違
する。即ち、図14の様に重心の高さが限界高さに近づ
くと、支持脚膝関節が伸び切った状態に近づくために重
心高さに対する支持脚膝関節の感度(Δθ2 /Δz)が
図13の場合のそれ(Δθ1 /Δz)に比較して大きく
なり、任意の時間内で重心高さGzをΔzだけ変化させ
るために必要な支持脚膝関節の加減速トルクが増大して
膝関節にかかる負荷が全体として増加するからである。
この理由から所定の余裕を持たせると共に、実施例では
その余裕Gz.margin を10mmとした。尚、この結
果、前記した曲げ角度(距離Lに比例)は大きくなり、
保持トルクは増加するが、それ以上に加減速トルクが減
少するので膝関節にかかる負荷の合計は減少することに
なる。
【0032】図3フロー・チャートに戻ると、続いてS
24に進んで遊脚軌道の最適化を行う。これは膝関節と
足関節とについて今述べたGz軌道の最適化と同様な処
理を行って関節駆動アクチュエータの負荷を軽減し、小
型軽量化を図るものである。即ち、先に述べた様に、ロ
ボットの歩容を一意に決定するためには、その自由度と
同数のパラメータを必要とすることになるから、遊脚の
位置と方向などを指定するためには、少なくとも6個の
パラメータを使用することになる。このとき、脚先端の
位置と方向とを単に指定しておき、それから各関節の駆
動パターンを決定するのみとすると、駆動パターンは歩
容決定パラメータに従属に決定されてしまい、場合によ
っては関節駆動パターンの角加速度、角速度、動作角度
が必要以上に大きくなることがあり得る。その結果、関
節を駆動するアクチュエータは必要以上の出力を要求さ
れて大型になり、高速で運動する脚部リンクやロボット
全体の重量も増加してGz軌道の最適化で述べたと同様
の不都合が生じ得る。また、歩行中はzmpが安定領域
内になければならないと言う条件を満足する必要がある
が、そのために遊脚の運動に不必要な加速度のピークを
持たせてしまった場合、この運動が重心の運動にも反映
されて重心の運動まで不要なピークを持ったものとなっ
たり、z軸まわりの回転モーメントを発生したりして歩
行を不安定にする。そこで、この制御において関節の駆
動パターンの角加速度、角速度のピーク値を抑制するこ
ととした。
【0033】図16サブルーチン・フロー・チャートを
参照してこの遊脚軌道の最適化について説明すると、ま
ずS200において足関節18R(L)の角加速度、角
速度の許容最大値θaツー・ドット.lim,θaドット.l
imと膝関節16R(L)の角加速度、角速度の許容最大
値θkツー・ドット.lim,θkドット.limを設定する。
次に、S202において設定されている歩容パラメータ
から図1に示した12個の関節について各関節の駆動パ
ターンを計算する。続いて、S204に進んで計算され
た関節駆動パターンのうち、足関節18R(L)の角加
速度θaツー・ドット、角速度θaドットを計算し、そ
れぞれの最大値θaツー・ドット.max,θaドット.max
を探索する。続いて、S206に進んで膝関節について
も足関節と同様に角加速度、角速度の最大値θkツー・
ドット.max,θkドット.maxを探索する。次にS208
に進んで足関節18R(L)の角加速度、角速度の最大
値θaツー・ドット.max,θaドット.maxがS200で
あらかじめ適切に設定されているそれぞれの許容最大値
θaツー・ドット.lim,θaドット.limを超えているか
どうか判定する。
【0034】もし、足関節18R(L)の角加速度、角
速度の最大値θaツー・ドット.max,θaドット.maxが
許容最大値θaツー・ドット.lim,θaドット.maxを超
えている場合は、S210に進みθyを修正する。これ
は、θyと足関節の駆動パターンに直接的な関係があ
り、θyを修正することにより足関節の駆動パターンの
角加速度、角速度を許容範囲内に収めることができるか
らである。以下、図17に沿ってその手順を説明する。
図17の左半分は歩容パラメータの内のθyの軌道を、
右半分は歩容パラメータから計算された足関節の駆動パ
ターンを表しており、上段は角度を、中段は角速度を、
下段は角加速度を表している。それぞれのグラフで実線
はS210で修正される前の軌道を、一点鎖線は修正さ
れた後の軌道を表している(但し、θy,θyドット、
及びθaのグラフにおいては実線と一点鎖線はほぼ重な
り合っている)。
【0035】実施例では初めに左側θyのグラフに実線
で示した軌道を初期値として図3のS20で与えた。θ
yの角速度θyドット、角加速度θyツー・ドットもそ
れぞれのグラフに実線で示した。他の歩容パラメータも
図3のS10,S12,S14,S16,18で与え
られている。これらの歩容パラメータに対して、計算さ
れた足関節の駆動パターンを右側θaのグラフに実線で
示した。とくに中段の角速度(θaドット)、下段の角
加速度(θaツー・ドット)のグラフに示したようにそ
れぞれ角速度、角加速度の最大ピーク値が大きく、また
角加速度ではその変化も激しい。そこで、足関節駆動パ
ターンの角加速度θaツー・ドットのグラフに破線で示
した許容最大値θaツー・ドット.limを設け、任意の時
刻における角加速度θaツー・ドットと比較を行ない、
後者が前者よりも大きいときは、それを超えた割合に応
じて同じ時刻におけるθyの角加速度を修正する。例え
ば、ある時刻における足関節駆動パターンの角加速度θ
aツー・ドットと足関節駆動パターンの角加速度の許容
最大値θaツー・ドット.limの比がθaツー・ドット/
θaツー・ドット.lim=1.2であったとすれば、同時
刻におけるθyの角加速度θyツー・ドットを(1/
1.2)倍に修正する。この修正を足関節駆動パターン
の角加速度θaツー・ドットが足関節駆動パターンの角
加速度の許容最大値θaツー・ドット.limよりも大きい
全ての時刻に対して行なうと、θyの角加速度はθyツ
ー・ドットのグラフ中の一点鎖線で示すように修正され
る。これを2回、積分して歩容パラメータθyの新しい
軌道とする。θyとθyドットはθyツー・ドットが積
分したものとなるので、θyツー・ドットが修正された
ことによる変化はグラフ中では明確になっていない。こ
の新しく修正された歩容パラメータθyから計算された
足関節駆動パターンをグラフ中に一点鎖線で示した。θ
yと同様の理由で足関節の駆動パターンθaでみるとほ
とんど変化がないように見えるが、足関節駆動パターン
の角速度で見ればその最大ピーク値が小さくなっている
こと、角加速度で見れば最大ピーク値が小さくなると共
にその変化が少なくなっていることが認められ、S20
8でのθy修正の効果が出ていることがわかる。
【0036】以上は角加速度に対する修正について説明
したが、角速度についても同様な処理を行なってもよ
い。これでS210のθyの修正処理は終了し、S20
2へ戻る。S202に戻る理由についてはS220から
S202へと戻る理由と併せて後記する。
【0037】また、足関節18R(L)の角加速度、角
速度の最大値θaツー・ドット.max,θaドット.maxが
許容最大値θaツー・ドット.lim,θaドット.limを超
えていない場合にはS212に進む。S212では、S
204で計算した膝関節の角加速度、角速度の最大値θ
kツー・ドット.max,θkドット.maxとあらかじめ適切
に設定されているそれぞれの許容最大値θkツー・ドッ
ト.lim,θkドット.limの比較を行ない、前者が後者よ
りも大きくないときは遊脚軌道は最適であると判断さ
れ、遊脚軌道の最適化処理は終了し図3のS26へと続
く。もし、前者が後者よりも大きいときはS214へ進
み、以降の処理を受ける。
【0038】S214では膝関節の駆動パターンを改善
する過程で必要になる遊脚腰関節の位置を算出する。S
216では、S202算出された膝関節の駆動パターン
に角加速度、角速度のリミットをかける処理を行なう。
以下、図18に沿ってその手順を説明する。図18の上
段は遊脚期の膝関節駆動パターンを、中段はその微分値
である角速度パターンを、下段は二階微分値である角加
速度パターンを示している。これらの図中ではS202
で算出された膝関節の駆動パターンに関するものを実線
で表示している。下段のグラフの破線はS200で設定
されたθkツー・ドット.limを示している。角加速度の
グラフでみると、S202で算出された膝関節の角加速
度パターンでは一部、許容最大値のθkツー・ドット.l
imを超えている。S216ではこの部分の角加速度にリ
ミットをかけて最大角加速度θkツー・ドット.maxが最
大許容角加速度θkツー・ドット.limを超えないように
膝関節駆動パターンの角加速度パターンを修正する。S
218ではS216で修正された角加速度パターンを積
分して角速度パターンを、さらにもう一度積分して膝関
節の駆動角度パターンを算出する。修正された膝関節駆
動角度パターン、角速度パターン、角加速度パターンを
図中に一点鎖線で示した。次に、S220に進みS21
4とS218で算出された遊脚腰関節12R(L)位置
と膝関節駆動角度パターンから図19に示したように、
遊脚腰関節と遊脚足関節を結ぶ直線の角度が変化しない
ように歩容パラメータである遊脚足関節18,20R
(L)の交点の座標(Ax,Ay,Az)の軌道を修正
し、S202へ戻る。
【0039】ここで、S210とS220からS202
へと戻る理由について記す。S210では足関節の駆動
パターンの改善をθy軌道を修正することにより、また
S220では膝関節の駆動パターンの改善を遊脚足関節
18,20R(L)の交点座標軌道(Ax,Ay,A
z)を修正することにより試みたが、足関節の駆動パタ
ーンはθyに単独に依存しているわけではなく、また膝
関節の駆動パターンは遊脚足関節軌道のみに依存してい
るわけでもないので、θy軌道や遊脚足関節軌道を一度
修正するだけでは足関節駆動パターンや膝関節駆動パタ
ーンが充分に改善されない場合がある。さらに、θyを
修正した影響は膝関節の駆動パターンにも、また遊脚足
関節軌道を修正した影響は足関節軌道パターンにも及ぶ
ので一旦、S208又はS212のどちらかの判定条件
を満足したとしても、他方の条件を満足させるために行
なった修正によって一旦は満足したほうの条件に再び適
合しなくなる場合がないとはいえないからである。その
ためにS202に戻り、S208,S212の判定条件
を満足するまでループをまわり歩容パラメータの修正を
行なう必要があるのである。
【0040】以上述べた遊脚軌道の最適化処理について
まとめると、即ち、初期設定された遊脚軌道から得られ
る足(膝)関節の角加速度は実際には図17、図18に
示す様に無駄が多いものであるが、かかる処理を繰り返
すことにより遊脚期間中の足関節及び膝関節の負荷を必
要最小限度になる様に適正に修正することができる。ま
た、先に述べた様に、関節駆動パターンを歩容を決定す
るための遊脚足関節の位置、遊脚足平の回転角度や他の
変数に従属させて決定すると、その角加速度、角速度の
ピーク値が大きくなる場合が生じ得ることから、この制
御においては関節の駆動パターンを主変数として取り上
げ、遊脚足関節の位置、遊脚足平の回転角度を従属変数
とし、関節の駆動パターンを陽に設定する如くした。以
上から、関節を駆動するアクチュエータの負荷を軽減す
ることができ、小型軽量化を実現することができる。ま
た、無駄な動作はなくなるので、不必要なエネルギ消費
も避けることができる。さらに、ロボット全体の運動が
滑らかになるので、脚部リンクを振ることによって発生
する反力も最小限となり、安定性に優れ、人間の作業動
作環境への適応性が高い歩行を実現することができる。
【0041】図16のS210とS220の両方の判定
条件を満足したときには遊脚軌道の最適化処理ルーチン
から抜け出して図3のS26へと続く。図3のS26で
は姿勢決定パラメータのである重心の前後、左右方向の
軌道(Gx,Gy)を算出する。即ち、Gx,Gy軌道
はこれまでの手順において設定された他の姿勢決定パラ
メータの軌道とS16で設定されたzmp軌道を満足す
るよう算出される。
【0042】図3フロー・チャートにおいては続いてS
28で遊脚軌道が最適条件(図16のS208,S21
2と同じ)を満足しているかどうかチェックする。この
チェックが必要な理由について述べると、S24で最適
化された遊脚軌道(Ax,Ay,Az,θx,θy,θ
z)はその時点において設定されていたほかの姿勢決定
パラメータの軌道を前提条件としていたが、その内のG
x,Gy軌道がS26において修正されたために遊脚軌
道の最適条件を満足しなくなることがあるからである。
もし、この最適条件を満足していない場合はS24に戻
り再び遊脚軌道の最適化を行なう。しかしここで、G
x,Gy軌道を修正しても、それが遊脚軌道の最適性、
即ちここでは足関節および膝関節の駆動パターン、に与
える影響は小さいので、S24→S26→S28→S2
4を巡るループは数回のうちに収束する。S28の判定
条件を満足したならばS30に進む。
【0043】S30ではS28で遊脚軌道の最適性をチ
ェックしたことと同様の理由からS22で最適化した際
の条件、より具体的には、S106で与えたはずの所定
の余裕Gz.margin が確保されているかどうかのチェッ
クを行なう。S22では最適化の条件として、他にも最
大加速度、最大速度の制約も与えたが、Gz軌道は姿勢
決定パラメータとなっているためこれらの条件に変化は
ないからである。所定の余裕Gz.margin が確保されて
いるかどうかのチェックを行なう必要がある理由は、S
22で最適化されたGz軌道はその時点において設定さ
れていた姿勢決定パラメータの軌道を前提条件として探
索されたGz.lim軌道に対してGz.margin が与えられ
ていたが、S22からS30にいたる過程で遊脚軌道、
並びにGx,Gy軌道に修正が加えられ前提条件が変わ
り、それに伴ってGz.lim軌道も変化している場合が考
えられるためである。この条件が満足されていない場合
にはS22へと戻って、再びGz軌道の最適化を行な
う。この、S24→S26→S28→S24のループを
含むS22・・・S30→S22を巡るループもS24
→S26→S28→S24のループでの修正がGz.lim
軌道に与える影響は小さいので数回のうちに収束する。
これで歩容、即ち、姿勢決定パラメータの軌道全ての設
定が終了する。
【0044】上記の如くして重心軌道、遊脚軌道を含む
ロボットの全ての目標姿勢が時系列に決定される。
【0045】続いて、図20フロー・チャートを参照し
て歩行時の制御について説明する。先ずS300でイニ
シャライズした後、S302で歩行終了ではないことを
確認してS304に進み、そこでタイマ割り込みを待っ
て時刻t=nとする。続いてS306に進んで図3フロ
ー・チャートに示した手順で設定された目標軌道を読み
出し、S308に進んで時刻tにおける関節駆動パター
ンに変換し、S310に進んで各関節がその駆動パター
ンになる様にモータの指令値を決定し、S312で時刻
をタイマ割り込み間隔に等しいΔtだけ更新し、S30
2を経てS304に戻って更新時刻のタイマ割り込みを
待機する。そして、割り込みがあったときは更新時刻に
ついて同様の処理を行い、以下、S302で歩行終了と
判断されない限り継続し、S302で歩行終了と判断さ
れるときはS314に進んで必要な後処理をして終わ
る。
【0046】この実施例は上記の如く、予め設定する歩
行パターンを関節角度ではなく、重心軌道、遊脚軌道な
どのロボットの姿勢で設定したので、脚式移動ロボット
の目標歩容を正確に表現することができる。さらに、重
心軌道については重心位置を大きく変えることなく、そ
の重力方向の加速度の最大値を0.2g〜0.7g以下
に抑制し、あるいはその重力方向の加速度の最大値をそ
の実効値の110%以下に抑制し、遊脚軌道についても
足関節と膝関節の角加速度をそれぞれ適宜設定する許容
値以下となる様に抑制したので、関節にかかる負荷を効
果的に低減して関節駆動系の小型軽量化、消費エネルギ
の低減化を図ることができる。さらに、これらの軌道が
滑らかで無駄のないものとなって関節の加減速トルクも
低減できて関節にかかる負荷をその意味からも低減する
ことができると共に、歩行安定性も増して人間の作業動
作環境への適応性を向上させることができる。
【0047】またzmpの概念を導入してzmpが所定
の軌跡を辿る様に重心軌道を設定する様にしたことか
ら、常に安定した歩行を確保することができる。また貨
物を積載して歩行するときも、貨物を回転させない歩容
に設定してzmpが所定の軌跡を辿る様に重心軌道を設
定する様にしたことから、貨物を積載するときも常に安
定した歩行を実現することができ、さらには貨物を落下
させるなどの不都合を生じることがない。
【0048】図21は図12に示したGz軌道の最適化
の別の例を示すサブルーチン・フロー・チャートであ
る。この例では、図21に示すように所定の鉛直方向の
重心加速度の最大値(Gzツー・ドット.max)を決定す
る指標として、鉛直方向の重心加速度の実効値(Gzツ
ー・ドット.rms(root me-an square value ))を参照
するようにしたところ、図12に示した例と同様に良好
な結果を得た。図21のサブルーチン・フロー・チャー
トに沿って図12に示した例と相違する点を中心に説明
すると、図12に示した例と同様のステップ(S100
〜S102)の後にS108を追加し、そこで後に追加
ステップS112で鉛直方向の重心加速度のリミット処
理が終了したことを判断するときに使用される所定の係
数αの設定と鉛直方向の重心加速度の最大値(Gzツー
・ドット.max)を大きめに設定する。次いでS104に
進み、図12に示した例と同様に加速度(速度)のリミ
ット処理を行い、次のS110で得られた鉛直方向の重
心軌道の加速度の実効値(Gzツー・ドット.rms)を求
める。続いて、S112では設定されている鉛直方向の
重心加速度の最大値(Gzツー・ドット.max)とS11
0で求められた重心軌道の加速度の実効値(Gzツー・
ドット.rms)にαを乗じた値の比較を行ない、もし前者
が後者よりも小さければS106に進み、図12に示し
た例と同様に鉛直方向の重心軌道に所定の余裕(Gz.m
argin )を与える処理を行なう。また逆に前者が後者よ
りも大きければS114に進み、鉛直方向の重心加速度
の最大値(Gzツー・ドット.max)をより小さい値に設
定し直してS104に戻り、S112の条件を満足する
までこれを繰り返す。実施例では、この所定の係数αの
値は1.1とした。この指標を導入することにより、鉛
直方向の重心軌道の平均高さの低下を最小限に抑え、か
つ、鉛直方向の重心加速度の最大ピーク値を必要最小限
度とした鉛直方向の重心軌道が達成される。よって、支
持脚関節、特に膝関節の負荷のうち保持トルクの軽減が
実現できる。尚、残余の構成は図12に示した例と同様
である。また、鉛直方向の重心速度(Gzドット)につ
いて同様の処理を行っても良い。
【0049】尚、上記において基体の上面に貨物を積載
する様にしたが、それに限られるものではなく、脚部リ
ンクなどに積載個所を設けても良い。要は、貨物積載部
位リンク系のイナーシャを無視できる様にすれば良い。
またx,y,z軸まわりの回転角速度ωx,ωy,ωz
を全て零または実質的に無視できる程度の大きさとした
が、それに限られるものではなく、任意の1軸または2
軸まわりの回転角速度のみを零または実質的に無視でき
る程度の大きさとして、歩容設計の自由度を考慮しつ
つ、貨物のイナーシャの測定作業、及び演算量を低減さ
せても良い。また回転角度を用いたが、回転角速度、角
加速度を用いても良い。
【0050】尚、上記においてはzmpを用いたが、ロ
ボットの移動速度が低速度のときは動的な成分であるロ
ボットの重心に働く慣性力、及び各リンクのイナーシャ
と角加速度により発生する慣性力を無視しても実質的に
安定性が低下することは無いので、zmpに代えて、こ
れと実質的に等価であるところのロボットの接地面への
重心の投影点を用いても良い。また、ロボットの全質量
に対する脚部リンクの質量の割合が非常に小さいとき、
あるいは脚部リンクのイナーシャが非常に小さいとき
は、同様の理由により、zmpに代えて、ロボットの重
心に作用する重力と慣性力のみの合力と接地面との交点
を用いても良い。
【0051】尚、上記の遊脚軌道の最適化においては、
膝関節及び足関節の関節角速度、角加速度の絶対値の最
大値が所定値を超えない様に構成したが、それに限られ
るものではなく、各関節角度の動作範囲の最大値が所定
値を超えない様に構成しても良く、また各関節に作用す
る負荷を直接検出し、その絶対値の最大値が所定値を超
えない様にしても良い。さらにこれらにおいて、図21
に示したGz軌道の最適化の別の例と同様に実効値を参
照する様に構成しても良く、あるいは絶対値の最大値ま
たは実効値が減少する様に構成しても良い。また、この
遊脚軌道の最適化の手法は、遊脚だけでなく支持脚にも
妥当するものである。
【0052】尚、上記において重心の位置を用いてきた
が、重心位置に代えてこれと実質的に置換可能な部位の
位置、例えば腰の位置(左右の腰関節の中点)を用いて
も良い。即ち、図4で示したロボット1の場合には、歩
行中に取られる全ての姿勢において重心位置が大きく変
化することはなく、およそ腰の位置にあるので、腰の位
置を用いることによっても本制御の目的を達成し得るか
らである。この様に、力学的な計算が必要となる重心位
置に代え単に幾何学的な計算のみにより求めることので
きる腰の位置を用いることにより、演算量を低減するこ
とが可能となる。
【0053】尚、上記において脚式移動ロボットの脚部
リンクについて説明してきたが、この発明は腕部リンク
についても妥当するものであり、例えばリンク式ロボッ
トが脚部リンクで路面を歩行しつつ腕部リンクで壁に寄
り掛かりながら移動する場合や、脚部リンクと共に腕部
リンクをも路面に接地させつつ移動する場合、さらには
腕部リンクのみにより、天井からの突起物にぶら下がり
ながら空間を移動する様な場合などにも妥当するもので
ある。
【0054】尚、この発明を2足歩行の脚式移動ロボッ
トを例にとって説明してきたが、それに限られるもので
はなく、3足以上の脚式移動ロボットにも妥当するもの
である。
【0055】
【発明の効果】請求項1項にあっては、基体とそれに接
続される2本の脚部リンクを有すると共に前記脚部リ
ンクで自重を支持しつつアクチュエータで駆動されて
動す2足歩行型のリンク式移動ロボットの制御装置
において、前記ロボットの姿勢または姿勢の時系列に
する姿勢目標値を設定する姿勢目標値設定手段、前記
定された姿勢目標値に従って、前記アクチュエータの目
標操作量を決定する目標操作量決定手段、及び前記決定
された目標操作量となるよう前記アクチュエータを
作させアクチュエータ制御手段、を備えると共に、前
記姿勢目標値設定手段は、前ロボット重心速度およ
加速度の少なくともいずれかの任意の期間における
絶対値の最大値が、その実効値所定の比率を乗じた
値未満となるよう、前記姿勢目標値を設定するよう
構成したので、適切な歩容、姿勢目標値が容易に設定で
き、それに応じたアクチュエータの目標操作量が決定で
き、さらにそれに応じてアクチュエータを駆動できる。
その結果、前記リンク式移動ロボットは適切な歩容で移
動することができるようになり、前記した悪循環を未然
に防止することができ、重量の増加、リンクイナーシャ
の増加、消費エネルギの増加、安定性の低下などの問題
が解決される。
【0056】請求項2項にあっては、前記最大値が減少
する方向に、前記姿勢目標値を決定または修正する手段
を備えるように構成したので請求項1項の効果に加
え、自動的に歩容をより良い方向に修正できる。
【0057】請求項3項にあっては、前記最大値が所定
の範囲以内になるように、前記姿勢目標値を決定または
修正する手段を備えように構成したので、同様に自動
的に歩容をより良い方向に修正できる。
【0058】請求項4項にあっては、前記最大値が、そ
の実効値に所定の比率を乗じた値未満になるように、前
記姿勢目標値を決定または修正する手段を備えるように
構成したので、同様に自動的に歩容をより良い方向に修
正できる
【0059】請求項5にあっては、前記最大値が減少
する方向に、前記アクチュエータの目標操作量を修正す
る手段を備えるように構成したので請求項1項の効果
に加え、アクチュエータの負荷などを減少することがで
きる
【0060】請求項6にあっては、基体とそれに接続
される2本の脚部リンクを有すると共に、前記脚部リン
クで自重を支持しつつ、アクチュエータで駆動されて移
動する2足歩行型のリンク式移動ロボットの制御装置に
おいて、前記ロボットの姿勢または姿勢の時系列に関す
る姿勢目標値を設定する姿勢目標値設定手段、前記設定
された姿勢目標値に従って、前記アクチュエータの目標
操作量を決定する目標操作量決定手段、及び前記決定さ
れた目標操作量となるように前記アクチュエータを動作
させるアクチュエータ制御手段、を備えると共に、前記
ロボットの重心の鉛直方向の速度および加速度の少なく
ともいずれかが所定の範囲以内になるように、前記姿勢
目標値を決定または修正するように構成したので、請求
項1項と同じ効果が得られると共に自動的に歩容をよ
り良い方向に修正できる。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る脚式移動ロボットの歩行制御装
置を全体的に示す概略図である。
【図2】図1に示す制御ユニットの説明ブロック図であ
る。
【図3】本制御装置の関節駆動制御で使用する歩行パタ
ーン(目標軌道)の設定作業を示すフロー・チャートで
ある。
【図4】図3フロー・チャートで使用する12個のパラ
メータを示す説明図である。
【図5】図1のロボットに作用する路面反力を示す説明
図である。
【図6】図1のロボットについて角運動量の法則を適用
する場合の説明図である。
【図7】この制御における離床の瞬間のzmpの位置を
示す説明図である。
【図8】この制御における着地の瞬間のzmpの位置を
示す説明図である。
【図9】この制御におけるzmp軌跡を歩行中に上方か
ら見た説明図である。
【図10】1歩行周期における重心の重力方向の位置、
その変位速度、その変位加速度の変化を示す波形図であ
る。
【図11】図1に示すロボット1に作用する外力による
負荷(関節保持トルク)を示す説明図である。
【図12】図3フロー・チャートのGz軌道の最適化作
業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図13】図1に示すロボット1の膝関節が比較的大き
く曲がった状態を示す説明図である。
【図14】図1に示すロボット1の膝関節が比較的大き
く伸びた状態を示す説明図である。
【図15】図13と図14における重心の重力方向の変
位と膝関節曲げ角度との関係を示す説明図である。
【図16】図3フロー・チャートの遊脚軌道の最適化作
業を示す説明図である。
【図17】右半分に歩容パラメータである遊脚足平のy
軸まわりの回転角度(θy)の、右半分に歩容パラメー
タから計算された足関節角度の歩行の1周期における角
度、角速度、角加速度の変化を示す波形図である。
【図18】歩容パラメータから計算された歩行の1周期
における膝関節の角度、角速度、角加速度の変化を示す
波形図である。
【図19】遊脚軌道の最適化の様子を表す、図1に示す
ロボットを側面から見た説明図である。
【図20】図2の制御ユニットが行う関節駆動制御を示
すフロー・チャートである。
【図21】図12と同様のサブルーチン・フローチャー
トで、Gz軌道の最適化作業の別の例を示すものであ
る。
【符号の説明】 1 脚式移動ロボット(2足歩行ロボ
ット) 2 脚部リンク 10R,10L 脚部回旋用の関節 12R,12L 股部のロール方向の関節 14R,14L 股部のピッチ方向の関節 16R,16L 膝部のピッチ方向の関節 18R,18L 足首部のピッチ方向の関節 20R,20L 足首部のロール方向の関節 22R,22L 足平(足部) 24 筐体 26 制御ユニット 28 ルーフキャリア 30 貨物 36 6軸力センサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 5/00 B25J 13/08 B62D 57/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体とそれに接続される2本の脚部リン
    クを有すると共に前記脚部リンクで自重を支持しつ
    アクチュエータで駆動されて動す2足歩行型の
    リンク式移動ロボットの制御装置において、 a.前記ロボットの姿勢または姿勢の時系列に関する姿
    目標値を設定する姿勢目標値設定手段、 b.前記設定された姿勢目標値に従って、前記アクチュ
    エータの目標操作量を決定する目標操作量決定手段、 及び c.前記決定された目標操作量となるよう前記アクチ
    ュエータを動作させ クチュエータ制御手段、 を備えると共に、前記姿勢目標値設定手段は、前ロボ
    ット重心速度および加速度の少なくともいずれかの任
    意の期間におけるその絶対値の最大値が、その実効値
    所定の比率を乗じた値未満となるよう、前記姿勢目標
    値を設定することを特徴とするリンク式移動ロボットの
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記最値が減少する方向に、前記姿勢
    目標値を決定または修正する手段を備えたことを特徴と
    する請求項1項記載のリンク式移動ロボットの制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記最値が所定の範囲以内になるよう
    に、前記姿勢目標値を決定または修正する手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1項記載のリンク式移動ロボッ
    トの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記最大値が、その実効値所定の比率
    を乗じた値未満になるように、前記姿勢目標値を決定ま
    たは修正する手段を備えたことを特徴とする請求項1項
    記載のリンク式移動ロボットの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記最値が減少する方向に、前記アク
    チュエータの目標操作量を修正する手段を備えたことを
    特徴とする請求項1項記載のリンク式移動ロボットの制
    御装置。
  6. 【請求項6】 基体とそれに接続される2本の脚部リン
    クを有すると共に、前記脚部リンクで自重を支持しつ
    つ、アクチュエータで駆動されて移動する2足 歩行型の
    リンク式移動ロボットの制御装置において、 前記ロボットの姿勢または姿勢の時系列に関する姿
    勢目標値を設定する姿勢 目標値設定手段、 前記設定された姿勢目標値に従って、前記アクチュ
    エータの目標操作量を決 定する目標操作量決定手段、 及びc前記決定された目標操作量となるように前記ア
    クチュエータを動作させるア クチュエータ制御手段、 を備えると共に、前記ロボットの重心の鉛直方向の速度
    および加速度の少なくともいずれかが所定の範囲以内
    なるように、前記姿勢目標値を決定または修正すること
    を特徴とするリンク式移動ロボットの制御装置。
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