JP3180134B2 - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JP3180134B2
JP3180134B2 JP35880492A JP35880492A JP3180134B2 JP 3180134 B2 JP3180134 B2 JP 3180134B2 JP 35880492 A JP35880492 A JP 35880492A JP 35880492 A JP35880492 A JP 35880492A JP 3180134 B2 JP3180134 B2 JP 3180134B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原図基板上に形成され
た原図パタンを投影レンズを介して被露光基板上に投影
露光して転写する投影露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から半導体集積回路などの微細パタ
ンを有する原図基板を短波長可視光,紫外光,遠紫外光
により照明し、投影レンズを用いて原図基板上の微細パ
タンの像を被露光基板上に塗布したレジストなどの感光
性材料に形成し、原図基板上の微細パタン形状を被露光
基板上に転写する方法が広く用いられている。
【0003】図5は、従来の投影露光装置の構成を示す
模式図である。同図において、この投影露光装置は、水
銀ランプ,エキシマレーザなどの露光光源23から出る
光を第1の集光光学系24により集光して照明均一化に
ための光学系25に導き、射出光を第2の集光光学系2
6により集光して原図基板27を照明する。照明均一化
のための光学系25はフライアイレンズもしくは光ファ
イバなどにより構成され、原図基板27を照明する見掛
け上の光源、すなわち2次光源を多点化してその各々が
原図基板27を照明するようになすことにより、2次光
源の強度むらを平均化し、原図基板27の照明均一化を
図る光学系である。
【0004】原図基板27を照明する見掛け上の光源で
ある2次光源は、この場合、照明均一化のための光学系
25の射出口であり、この2次光源面は一般に投影レン
ズ28の開口絞り29の位置近辺に結像するように構成
されている。
【0005】原図基板27上の半導体集積回路などの微
細パタンの像が、投影レンズ28によりレジストなどの
感光性材料を塗布した被露光基板30上に形成されるた
め、原図基板27上の半導体集積回路などの微細パタン
形状に応じて被露光基板30上の感光性材料が露光さ
れ、原図基板27上のパタンが、被露光基板30上に転
写される仕組みとなっている。
【0006】なお、図中の細い線は、露光光源23から
照明均一化のための光学系25に入る迄は露光光線の範
囲を概念的に示している。また、照明均一化のための光
学系25の射出側から原図基板27までは、照明均一化
のための光学系25の代表的な射出点から出る光が原図
基板27を照射する代表的な経路を概念的に示し、原図
基板27より下は、原図基板27の代表的な点から出る
光が被露光基板30上に収束して像を形成する光線の経
路を概念的に示している。
【0007】このような投影露光装置では、転写可能な
最小線幅である解像度が、投影レンズ28の開口絞り2
9の大きさ、すなわち開口数NAと露光波長λとに大き
く左右される。解像度をdとすれば、この解像度dは、
大略次式で示され、開口数NAと露光波長λとに直接比
例するためである。 d=kλ/NA
【0008】しかし、ここで、開口数NAおよび露光波
長λ以外の要因の効果をまとめて示している係数kが掛
かっている。この係数kは、被露光基板上に形成される
光像のパタン形成に必要なコントラストの許容限界に対
応した数値であり、被露光基板上に塗布する感光性材料
や露光後の現像プロセスによって低コントラストでもパ
タンが形成できるようにすれば、係数kを小さくでき
る。
【0009】ここで、コントラストCとは、同じ幅の遮
光ラインがこの遮光ラインと同じ透光スペースを隔てて
無限に続くパタン(ライン&スペースパタン)の光強度
において、図6に示すように透光部の光強度をImax
遮光部の光強度をIminとするとき、次式で定義される
量である。 C=(Imax−Imin)/(Imax+Imin
【0010】ところで、原図基板27の照明方法を工夫
して同じ開口数NAと露光波長λとに対し、被露光基板
上に形成される光像のコントラストが高くなるようにし
ても係数kを小さく、すなわち解像度を向上することが
できる。
【0011】従来技術Aには、原図基板27を「照射す
る光線に対して投影レンズの開口数に対応した角度の傾
きを光軸に対して与える」ことにより、高解像化が図れ
ることが開示されている。また、この従来技術Aには
「投影レンズの開口部に傾斜照射の範囲を対応させたと
きの開口部周辺の透過率を調整した投影レンズ開口を有
する」ようになすことにより、コントラストが向上し、
結像特性が大幅に良くなることが開示されている。
【0012】さらに従来技術Bには、原図基板27を
「照射する光線に対して投影レンズの開口数に対応した
角度の傾きを光軸に対して与える」とともに「投影光学
系の開口絞り部に照明系の光源の像に対応する開口周辺
部の振幅透過率を0.2〜0.6とし、その他の開口中
央部の振幅透過率を1に設定したフィルタを配置する」
ようになすか、または「開口絞り部に結ぶ光源の像全体
が開口絞り部位置に設けられたフィルタ周辺部の透過率
を0.2〜0.6に調整された領域内に対応するように
照明系とフィルタとが構成される」ようになすことによ
り、必要とするコントラストに応じて良い特性が得られ
ることが示されている。
【0013】また、従来技術Cには「入射瞳の半径を投
影レンズ開口数で規格化して1と置いた場合、開口絞り
部に結ぶ光線の像が内半径,外半径を持つ円環光源を有
し、かつ投影レンズの開口絞り部にこの開口絞り部に結
ぶ光線の像と同一の内半径で外半径が1なる光強度調整
用フィルタを有する」ようになし、さらには上述した
「円環光源において、内半径,外半径をそれぞれR1
2としたとき、内半径R1 >0.5でかつ外半径R2
≦1の円環光源である」ようにするか、上記「光強度調
整用フィルタにおいて、フィルタの振幅透過率Tが0.
2<T<1の値を有する」ようにするか、「光強度調整
用フィルタにおいて、内半径,外半径をそれぞれR1
2としたとき、フィルタの振幅透過率が、内半径R1
ら外半径R2の部分と、内半径R2 から外半径1の部分
とで異なる」ようにすることにより、「LSIプロセス
のパタン形成で必要とするデフォーカス量とコントラス
トとを満足し、かつ光学系の解像性を最大とする円環光
源の配置と光強度調整用フィルタの設定条件とを得る」
ことができると開示されている。これらの従来技術に共
通してのは、投影レンズの開口絞り部に透過率調整用の
フィルタを配置する点である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術A,
B,Cのいずれの実施例とも、透過率調整用のフィルタ
は、投影レンズの開口絞り部の周辺部を限定して透過率
を調整することが示されており、投影レンズの開口絞り
部の中心部の透過率は調整しない。
【0015】また、従来技術Cの実施例では、透過率を
内半径R2から外半径R2の部分と、内半径R2 から外半
径1の部分とで異なるようにすることが開示されている
が、その場合も内半径R1より内側の中央部は透過率を
調整しない。
【0016】上述した従来の実施例においては、透過率
調整用フィルタの形成方法については説明されていない
が、上述したように投影レンズの開口絞り位置に配置す
る瞳フィルタとして場所により透過率調整用フィルタの
存在する部分と、存在しない部分とがある光学部材を形
成すると、透過率調整用フィルタの存在する部分と、存
在しない部分とで透過光の強度のみならず、位相も変わ
ってしまう。場所により透過率が異なる透過率調整用フ
ィルタを有する光学部材を形成した場合も、透過率が異
なる場所毎に透過率の位相が変わってしまう。
【0017】上述した実施例のように投影レンズ開口絞
り部の透過率を調整しても、このように透過率調整部を
通過してくる光の位相が、透過率調整用フィルタの透過
率の場所的な分布に応じて異なると、被露光基板上でこ
れらの位相がずれた光が干渉し合って像が形成されるた
め、所期の解像性向上効果が得られず、逆に解像性が低
下してしまう。
【0018】図7は、位相変化の影響のシミュレーショ
ンの一例を示す図であり、投影レンズ開口絞り部の開口
の半径を規格化して1とするとき、内半径R1 =0.5
と外半径R2 =0.6との間の円環部に照明光源の像が
形成される円環照明の場合につき、投影レンズ開口の上
記内半径R1 =0.5と外半径R2 =0.6との間の円
環部に、振幅透過率0.4の透過率調整用フィルタと、
内半径R2 =0.6の外側から半径1までの円環部に振
幅透過率0.7の透過率調整用フィルタとを付けた瞳フ
ィルタを使用した際のパタン形成特性を、位相変化を考
慮した場合と考慮しない場合とで比較したものである。
【0019】投影レンズのNA=0.52,照明光はi
線とし、ジャストフォーカスの時の12本の0.4μm
ライン&スペースパタンの被露光基板面上の光像の光強
度分布をシミュレーションしている。透過率調整用のフ
ィルタを反射形の透過率調整用フィルタ膜にしたと仮定
し、瞳フィルタへの入射光の一部を反射させて透過率を
調整する場合について透過率調整用フィルタ膜での反射
による位相ずれが上記振幅透過率0.4の部分で66.
4゜、振幅透過率0.7の部分で45.5゜であるとし
て計算した。透過率調整用フィルタ膜の厚さによる位相
変化は無視している。位相変化量の具体的な計算方法は
後述する式(6),式(7)による。
【0020】図7中の矩形形状の光強度分布が原図基板
透過率の相対分布に相当し、三角関数的な波状の曲線が
被露光基板面上の光像の光強度分布を示す。図7(a)
が位相変化を補償した場合、図7(b)が位相ずれをそ
のままにした場合である。図7より明かなように透過率
調整用フィルタ部で透過率の場所的な分布に応じて異な
る位相変化が起きると、遮光部の光強度が上がり、逆に
透光部の光強度が下がるため、コントラストが低下す
る。
【0021】上記の計算は、透過率調整用フィルタ膜の
厚さによる位相変化を無視して行っている。しかし、実
際には透過率調整用フィルタ膜部でこの膜の厚さ分だけ
さらに位相が変化するため、透過率調整用フィルタの無
い透過部を通過してくる光との間の位相差はさらに大と
なり、コントラストの変化は一層顕著となる。このよう
にコントラストが低下することは、遮光部の光強度と透
光部の光強度との差が少なくなることから、解像度の低
下が生ずることを意味する。
【0022】したがって本発明は、上述した従来の課題
を解決するためになされたものであり、その目的は、透
過率調整用フィルタ部での位相変化による解像性の劣化
を防止し、解像度を大幅に向上させることができる投影
露光装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、瞳フィルタ内での場所による透過率
調整の度合に応じて位相も調整し、瞳フィルタを通過す
る光の位相が透過率調整用フィルタの存在する部分と透
過率調整用フィルタの存在しない部分とであるいは透過
率が異なる透過率調整用フィルタ部同士で異なることが
ないようにするものである。
【0024】
【作用】本発明においては、透過率調整用フィルタの存
在の如何もしくは透過率調整用フィルタ透過率の場所に
よる相違の如何に係わらず、瞳フィルタを透過する光の
位相が同じとなり、コントラストの低下が防止されて高
解像性が得られる。
【0025】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に
説明する。図1は、本発明による投影露光装置の一実施
例による構成を説明する瞳フィルタの断面図である。同
図において、透光性の基板1に例えばクロムからなる遮
光膜2により開口絞りの口径を決定する円形状の開口を
設ける。この円形状開口の半径を規格化して1とする。
また、照明2次光源が円環形状で開口絞り円形開口の内
半径R1 と外半径R2 との間に光源の円環像ができると
する。
【0026】半径R1 と半径R2 との間の部分に振幅透
過率T1 のフィルタ膜3を設け、半径R2 と半径1との
間の部分に振幅透過率T2 のフィルタ膜4を設ける。こ
れらのフィルタ膜3,フィルタ膜4はいずれもクロムか
らなる反射形のフィルタ膜であり、このフィルタ膜3,
フィルタ膜4に直入射した光は、所定の振幅透過率
a,Tb相当量が透過し、残りの光が反射するものとす
る。
【0027】ここで、フィルタ膜での位相変化をξ、振
幅透過率をtと置けば、複素振幅透過率Tは、 T=t・exp(iξ) ・・・(1) と表せる。また、複素反射率をRとすれば、 R=T−1=t・exp(iξ)−1 ・・・(2) である。
【0028】エネルギロスが無いと仮定すれば、 |R|2 +|T|2 =1 ・・・(3) であるから、式(1),式(2)を式(3)に代入すれ
ば、 {t・exp(iξ)−1}{t・exp(−iξ)−1}+t2 =1 t2−t{exp(iξ)−exp(−iξ)}+1+t2 =1 2t2 −2tcosξ=0 ・・・(4) t≠1の場合を考えているので、 t=cosξ ・・・(5) したがってフィルタ膜3,フィルタ膜4での反射による
位相角の変化をそれぞれξa,ξbとすれば、吸収が無い
とした場合、 ξa=cos-1a ・・・(6) ξb=cos-1b ・・・(7) となる。
【0029】また、フィルタ膜3,フィルタ膜4の厚さ
をそれぞれha,hbとし、屈折率をそれぞれna,nb
すれば、フィルタ膜3,フィルタ膜4を通過することに
よる位相変化ζa,ζbは、露光光の波長をλとすると
き、 ζa =(naa/λ)2π ・・・(8) ζb =(nbb/λ)2π ・・・(9) である。
【0030】したがってフィルタ膜3,フィルタ膜4の
存在によるそれぞれ位相角変化δa,δbは、 δa =ξa +ζa ・・・(10) δb =ξb +ζb ・・・(11) となる。
【0031】瞳フィルタを通過する光の位相が、この瞳
フィルタ上のどこでも同じになるようにするためには、
中央の透過部における基板厚さを基準とするとき、フィ
ルタ膜3,フィルタ膜4の部分の厚さを上記位相角変化
δa,δbを補償する厚さだけ薄くすれば良い。
【0032】基板の屈折率ns1とすれば、位相角変化δ
a,δbを補償するために薄くする量は、フィルタ膜3,
フィルタ膜4のそれぞれの場所について、 da1=δaλ/2πns1 ・・・(12) db1=δbλ/2πns1 ・・・(13) である。
【0033】上記の説明では、フィルタ膜3,フィルタ
膜4を反射膜と仮定し、膜中での光の減衰は生じないと
仮定した。しかし、一般には、フィルタ膜3,フィルタ
膜4において、反射と吸収との両方が起こる。その場合
には、膜通過による位相角変化δa′,δb′を求め、こ
の位相角変化δa′,δb′を補償するために薄くする基
板の厚さda1′,db1′を、 da1′=δa′λ/2πns1 ・・・(14) db1′=δb′λ/2πns1 ・・・(15) より計算すれば良い。
【0034】第1の誘電媒質から厚さh,複素屈折率n
2(1+iκ2)の金属吸収薄膜を透過して第2の誘電媒
質へ透過する光の位相変化、すなわち上記説明の
δa′,δb′に相当する位相変化δtは、例えばマック
ス・ボルン,エミル・ウォルフ著、草川徹、横田英嗣訳
「光学の原理」III(東海大学出版会)の924〜93
1ページ(単元13.4.1)を参照すれば、928ペ
ージの式(25) tan(δt−χ12−χ23+u2η)={exp2v2η・sin2u2η} −ρ12ρ23sin(φ12+φ23)}/ {exp2v2η・cos2u2η +ρ12ρ23cos(φ12+φ23)} ・・・(16) より求まる。
【0035】ここで、第1の誘電媒質から入射角θ1
入射した光が金属吸収薄膜中に進む角度、すなわち第2
の誘電媒質への入射角度θ2 とするとき、u2,v2は、 u2+iv2=n2(1+iκ2)cosθ2 ・・・(17) で決まる量、ρij,φij,χij(i=1〜3、j=1〜
3)は、ui,vi,θi,ni(i=1〜3)、κ2の関
数、ηは、 η=2πh/λ0 ・・・(18) で決まる量である。
【0036】なお、上述した第1の誘電媒質,金属吸収
薄膜および第2の誘電媒質とは、図1の場合、光の入射
が図1のフィルタ膜3,フィルタ膜4が付いた側からで
ある場合には第1の誘電媒質は空気,金属吸収薄膜はフ
ィルタ膜3またはフィルタ膜4,第2の誘電媒質は基板
1であり、光の入射が基板1側からである場合には第1
の誘電媒質は基板1,金属吸収薄膜はフィルタ膜3また
はフィルタ膜4,第2の誘電媒質は空気の関係に相当す
る。
【0037】また、図1では、基板1に設ける厚さの調
整は、フィルタ膜3,フィルタ膜4を付けるのと同じ側
の面としているが、基板1の反対側の面、すなわち基板
1の下面としても良い。
【0038】ところで、瞳フィルタを通過する光の位相
がこの瞳フィルタ内でどこでも同じになるようにするに
は、上記図1とは逆に最も位相が大きく変化する場所に
合わせて他の領域に透過率の高い位相補償用の膜を付け
ても良い。
【0039】図2は、このような考え方で本発明の他の
実施例による瞳フィルタの断面図を示したものである。
図1と同様に透光性の基板5に遮光膜6により開口絞り
の口径を決定する円形の開口を設ける。この円形開口の
半径を規格化して1とする。また、照明2次光源が円環
形状で開口絞り円形開口の内半径R1と外半径R2との間
に光源の円環像ができるとする。半径R1と半径R2との
間の部分に振幅透過率Ta のフィルタ膜7を設け、半径
2と半径1との間の部分に振幅透過率Tbのフィルタ膜
8を設ける。
【0040】フィルタ膜7,フィルタ膜8の部分での位
相変化量をそれぞれδa′,δb′とし、便宜上δa′>
δb′とすれば、フィルタ膜8の部分には(δa′−
δb′)に相当する位相変化を与える位相補償用の透過
膜9を付与し、フィルタ膜の付いていない中央部には、
δa′に相当する位相変化を与える位相補償用の透過膜
10を付与すれば良い。
【0041】位相補償用の透過膜9,透過膜10の屈折
率をそれぞれnc1,nc0とすれば、透過膜9の厚さdb2
および透過膜10の厚さdc2は、 db2=(δa′−δb′)λ/2πnc1 ・・・(19) dc2=δa′λ/2πnc0 ・・・(20) となる。
【0042】なお、位相補償用の透過膜9,透過膜10
を同じ材料としても良いことは言うまでもない。この場
合には、nc1=nc0となる。また、位相補償用の透過膜
9,透過膜10にも僅かであるが、反射および/または
吸収が有って余分な位相変化を生ずる恐れがあるので、
それも考慮して透過膜9,透過膜10の厚さを決定すれ
ばなお良い。
【0043】さらに図2では、フィルタ膜8の上に位相
補償用の透過膜9を付けたが、上下逆の順でも良い。ま
た、図2では、位相補償用の透過膜9,透過膜10を付
ける面をフィルタ膜7,フィルタ膜8を付けるのと同じ
側の面としているが、基板5の反対側の面、すなわち基
板5の下面としても良い。
【0044】図3は、本発明のさらに他の実施例による
瞳フィルタの断面図を示したものである。同図において
も図1と同様に透光性の基板11に遮光膜12により開
口絞りの口径を決定する円形の開口を設ける。この円形
開口の半径を規格化して1とする。また、照明2次光源
が円環形状で開口絞り円形開口の内半径R1 と外半径R
2 との間に光源の円環像ができるとする。半径R1 と半
径R2 との間の部分に振幅透過率Ta のフィルタ膜13
を設け、半径R2 と半径1との間の部分に振幅透過率T
b のフィルタ膜14を設ける。
【0045】フィルタ膜13,フィルタ膜14の部分で
の位相変化量を、それぞれδa′,δb′とするとき、こ
の位相変化をフィルタ膜13,フィルタ膜14を付した
上記基板11とは別の透光性基板15の厚さを変えて補
償し、基板11と基板15とを合わせて1つの瞳フィル
タとする。基板15の厚さに対応する分だけ基板11の
厚さを薄くする。基板15の屈折率をns2とするとき、
基板15の中央部の厚さを基準として半径R1 と半径R
2 との間の部分の厚さをda3′,半径R2 と半径1との
間の部分の厚さをdb3′薄くするとすれば、 da3′=δa′λ/2πns2 ・・・(21) db3′=δb′λ/2πns2 ・・・(22) が位相補償のための基板15の厚さ調整量である。
【0046】なお、基板15は、言うまでもなく、基板
11と同じ材料であっても何等問題ない。また、位相補
償用の基板15の反射および/または吸収も考慮して基
板15を薄くする量を決定すれば良い。また、図3で
は、基板15に設ける厚さの調整は、フィルタ膜13,
フィルタ膜14と向き合う面としているが、基板15の
反対側の面、すなわち基板15の上面としても良い。
【0047】図4は、本発明の他の実施例による瞳フィ
ルタの断面図を示したものである。同図においても図1
と同様に透光性の基板16に遮光膜17により開口絞り
の口径を決定する円形の開口を設ける。この円形開口の
半径を規格化して1とする。また、照明2次光源が円環
形状で開口絞り円形開口の内半径R1 と外半径R2 との
間に光源の円環像ができるとする。半径R1 と半径R2
との間の部分に振幅透過率Ta のフィルタ膜18を設
け、半径R2 と半径1との間の部分に振幅透過率Tb
フィルタ膜19を設ける。
【0048】図4では、図2で示した位相補償のための
透過膜9,透過膜10の代わりに基板16とは別の透光
性基板20に位相補償用の透過膜21,透過膜22を付
け、基板16と基板20とを合わせて1つの瞳フィルタ
とする。基板20の厚さに対応する分だけ基板16の厚
さを薄くする。
【0049】フィルタ膜18,フィルタ膜19の部分で
の位相変化量を、それぞれδa′,δb′とし、便宜上δ
a′>δb′とすれば、フィルタ膜19の部分には
(δa′−δb′)に相当する位相変化を与える位相補正
用の透過膜21を付与する。また、フィルタ膜の付いて
いない中央部にはδa′ に相当する位相変化を与える位
相補償用の透過膜22を付与する。
【0050】位相補償用の透過膜21,透過膜22の屈
折率を、それぞれnc1,nc0とすれば、透過膜21の厚
さdb4′および透過膜22の厚さdc4′は、 db4′=(δa′−δb′)λ/2πnc1 ・・・(23) dc4′=δa′λ/2πnc0 ・・・(24) となる。
【0051】この場合も、位相補償用の透過膜21,透
過膜22を同じ材料としても良い。この場合には、nc1
=nc0となる。また、位相補償用の透過膜21,透過膜
22にも僅かであるが、反射および/または吸収が有っ
て余分な位相変化を生ずる恐れがあるので、それも考慮
して透過膜21,透過膜22の厚さを決定すればなお良
い。さらに位相補償用の透過膜21,透過膜22を付け
る面を、図4ではフィルタ膜18,フィルタ膜19を付
けるのと同じ面としているが、基板20の反対側の面、
すなわち基板20の上面としても良い。
【0052】図3,図4で説明したように2枚の基板を
合わせて瞳フィルタを構成すると、透過率調整用フィル
タ膜13,14,18,19の形成,加工と、位相補償
用の基板15の加工と、位相補償用の透過膜21,22
の形成,加工とをお互いに独立できるため、瞳フィルタ
の製作が容易になる効果が得られる。
【0053】ところで、以上の図1〜図4の実施例で
は、照明2次光源が円環状で開口絞りの位置に円環状の
光源像ができる場合についてこの円環状の光源像に対応
した透過率調整用フィルタ膜を置く場合について説明し
た。しかし、照明2次光源の形状、すなわち開口絞りの
位置にできる光源像の形状に依らず、また、開口絞りの
位置に設ける透過率調整用フィルタ膜の透過率の分布の
如何に依らず、任意の透過率調整用フィルタ膜の存在に
よって変化する露光光線の位相が瞳フィルタ内の全域で
同じになるようにすれば良いことは明かである。瞳フィ
ルタの全域に透過率調整用フィルタが設けられていても
同様である。
【0054】また、例えば特開平4−225357号公
報,特開平4−267515号公報に開示されているよ
うな多点照明などの任意の傾斜照明に対し、透過率調整
用フィルタを有する瞳フィルタを用いる場合に適用でき
る。
【0055】また、透過率調整用フィルタの位置が開口
絞りの位置にできる光源像の形状に対応せずにこの透過
率調整用フィルタが開口絞りの位置にできる光源像を含
む領域に存在する場合にも適用できる。
【0056】さらに以上の説明では、瞳フィルタの透過
率調整を透過率調整用フィルタ膜の付着によって行う場
合を示した。しかし、透過率の調整を他の方法によって
行う場合にも本発明が有効であることは明かである。
【0057】また、基板材料の中に不純物をイオン注入
により混在させて部分的に透過率を変えたり、色素を混
入して透過率を調整した基板材料を透光性の基板材料と
組み合わせたりした瞳フィルタの場合にも、透過率調整
用フィルタ部通過光と透光部通過光との位相差が無くな
るように図1〜図4に対応する方策をとることができ
る。
【0058】また、以上の説明では、瞳フィルタに一定
角度で露光光線が入射する場合について説明したが、実
際には瞳フィルタを各種の角度で露光光線がよぎる。露
光光線が瞳フィルタをよぎる角度により、反射率や瞳フ
ィルタを通過する光路長が異なるため、透過率調整用フ
ィルタの存在によって生ずる位相ずれの量が異なる。し
かし、露光光線が瞳フィルタをよぎる平均的角度の光線
について位相補償を行えば、平均的に位相ずれが補償さ
れて好結果となる。
【0059】また、瞳フィルタを露光光線がよぎる角度
は、垂直に対して高々10゜程度以内の小さな角度であ
り、透過率調整用フィルタ膜の厚さも一般に例えば数1
00Å以下と極めて薄いため、露光光線が瞳フィルタに
直入射すると考えても、透過率調整用フィルタ膜による
位相変化の量は小さな誤差で得られる。
【0060】また、吸収の有る瞳フィルタを露光光線が
角度を持ってよぎる場合の位相変化を求める前述した式
(16)は、極めて複雑であるが、露光光線が瞳フィル
タに直入射すると考えると、相当の位相変化の量が求め
易くなる。露光光線が瞳フィルタに直入射すると考えて
位相のずれを補償しても、補償を行わないよりは遥かに
良い結果が得られる。
【0061】また、図1〜図4では、瞳フィルタに付け
た膜の厚さおよび基板に付けた段差の大きさを、基板厚
さに対して誇張して大きく描いた。実際には、例えば数
100Å以下の極めて薄い膜または極めて浅い段差であ
る。なお、遮光膜の厚さは約1000Å程度である。
【0062】また、図1〜図4では、瞳フィルタの基板
に遮光膜を付けたが、遮光膜を付ける面は、基板のフィ
ルタ膜を付ける面と反対側の面でも良く、両方の面に付
けても良い。位相補償用に用いる基板の一方または両方
の面に付けても良い。さらに瞳フィルタの基板とは別に
開口を有する遮光板が設けられており、この開口によっ
て投影レンズの開口数NAが決まる投影露光装置におい
ても、本発明が有効であることは明らかである。
【0063】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
瞳フィルタの各部を透過する露光光線の位相のずれが減
じられるため、瞳フィルタで透過率を調整してもコント
ラストが低下することがなくなり、瞳フィルタの透過率
調整機能が有効となる。したがって露光光線の波長,投
影レンズ開口数および被露光基板上に塗布する感光性材
料や露光後の現像プロセスが一定の条件における解像度
を大幅に向上させることできるなどの極めて優れた効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の一実施例による構
成を説明する瞳フィルタの断面図である。
【図2】本発明による投影露光装置の他の実施例による
構成を説明する瞳フィルタの断面図である。
【図3】本発明による投影露光装置のさらに他の実施例
による構成を説明する瞳フィルタの断面図である。
【図4】本発明による投影露光装置の他の実施例による
構成を説明する瞳フィルタの断面図である。
【図5】従来の投影露光装置の構成を説明する模式図で
ある。
【図6】コントラスト定義のための光強度分布を説明す
る図である。
【図7】位相変化の影響のシミュレーション例を示す図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 遮光膜 3 フィルタ膜 4 フィルタ膜 5 基板 6 遮光膜 7 フィルタ膜 8 フィルタ膜 9 位相補償用の透過膜 10 位相補償用の透過膜 11 基板 12 遮光膜 13 フィルタ膜 14 フィルタ膜 15 基板 16 基板 17 遮光膜 18 フィルタ膜 19 フィルタ膜 20 基板 21 位相補償用の透過膜 22 位相補償用の透過膜 23 露光光源 24 第1の集光光学系 25 照明均一化のための光学系 26 第2の集光光学系 27 原図基板 28 投影レンズ 29 開口絞り 30 被露光基板
フロントページの続き (72)発明者 竹内 良亘 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−84746(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20 521 G02B 5/00 G03B 27/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原図基板上に形成された原図パタンを投
    影レンズを介して被露光基板上に投影露光して転写する
    投影露光装置において、 前記投影レンズ内の開口絞り位置に透過率調整用フィル
    タを設けた透光板からなる瞳フィルタを配置し、前記透
    過率調整用フィルタの存在に起因する前記瞳フィルタ透
    過光の位相ずれの分布に応じて前記透光板の板厚を変
    え、前記瞳フィルタ透過光の前記位相ずれが減ずるよう
    にしたことを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 原図基板上に形成された原図パタンを投
    影レンズを介して被露光基板上に投影露光して転写する
    投影露光装置において、 前記投影レンズ内の開口絞り位置に透過率調整用フィル
    タを設けた透光板からなる瞳フィルタを配置し、前記透
    過率調整用フィルタの存在に起因する前記瞳フィルタ透
    過光の位相ずれの分布に応じて膜厚を変化させた位相補
    償用の透光膜を前記瞳フィルタに付し、前記瞳フィルタ
    透過光の前記位相ずれが減ずるようにしたことを特徴と
    する投影露光装置。
  3. 【請求項3】 原図基板上に形成された原図パタンを投
    影レンズを介して被露光基板上に投影露光して転写する
    投影露光装置において、 前記投影レンズ内の開口絞り位置に透過率調整用フィル
    タを設けた第1の透光板と、前記透過率調整用フィルタ
    の存在に起因する前記透光板透過光の位相ずれの分布に
    応じて板厚を変化させた位相補償用の第2の透光板とを
    組み合わせた瞳フィルタを配置し、前記瞳フィルタ透過
    光の前記透過率調整用フィルタの存在に起因する位相ず
    れが減ずるようにしたことを特徴とする投影露光装置。
  4. 【請求項4】 原図基板上に形成された原図パタンを投
    影レンズを介して被露光基板上に投影露光して転写する
    投影露光装置において、 前記投影レンズ内の開口絞り位置に透過率調整用フィル
    タを設けた第1の透光板と、前記透過率調整用フィルタ
    の存在に起因する前記透光板透過光の位相ずれの分布に
    応じて膜厚を変化させた位相補償用の透光膜を形成した
    第2の透光板とを組み合わせた瞳フィルタを配置し、前
    記瞳フィルタ透過光の前記透過率調整用フィルタの存在
    に起因する位相ずれが減ずるようにしたことを特徴とす
    る投影露光装置。
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