JP3178971B2 - 眼球保持装置 - Google Patents

眼球保持装置

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JP3178971B2
JP3178971B2 JP18338094A JP18338094A JP3178971B2 JP 3178971 B2 JP3178971 B2 JP 3178971B2 JP 18338094 A JP18338094 A JP 18338094A JP 18338094 A JP18338094 A JP 18338094A JP 3178971 B2 JP3178971 B2 JP 3178971B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、摘出された眼球を保持する眼球
保持装置に係り、特に眼球角膜移植手術に際して、提供
者(ドナー)の眼球から角膜を切り出す場合等に有利に
用いられる眼球保持装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】角膜移植手術は、難治性の角結膜疾患に対
する有効な手術的療法として広く知られているが、かか
る手術に際しては、先ず、摘出された提供者の眼球から
角膜を切り出す必要がある。
【0003】そして、この角膜の切り出しは、従来、一
般に、眼球の全体を後部側から滅菌ガーゼで覆うように
して手で掴んで保持し、掴み強さを調節することによっ
て、眼圧を調節しながら、マイクロメス等で角膜の切開
や剥離等を行なっていた。
【0004】ところが、このような方法では、眼球を手
掴みしなければならないために、眼球が雑菌に汚染され
る可能性が高いという問題があった。
【0005】また、手での掴み強さの調節による眼圧調
節では、眼圧を充分な精度をもって及ぼすことが極めて
困難であり、しかも、手掴みによる保持では、眼球を充
分に固定することが困難であるために、角膜の切り出し
作業が極めて難しいという問題もあった。
【0006】なお、このような問題に対処するために、
例えば、特開昭62−4201号公報に開示されている
ような眼球観察用の収容容器を、角膜の切り出し等に際
しての眼球保持装置として用いることも考えられる。即
ち、かかる眼球観察用の収容容器は、両側開口部にそれ
ぞれ蓋体が螺着される円筒状の容器本体の内部中央に円
環状の当接板を固設すると共に、一方の蓋体の底壁内面
に受け台を立設し、かかる蓋体を容器本体に螺着するこ
とにより、蓋体の受け台と容器本体の当接板との間で眼
球を挟持せしめる構造とされていることから、これを角
膜の切り出し等に際しての眼球保持容器として用いれ
ば、蓋体の容器本体に対する螺入量を調節することによ
って眼圧を調節しつつ、容器本体に固設された当接板の
中央開口部を通じて、メス等によって角膜の切り出し作
業を行なうことも可能となる。
【0007】しかしながら、上記公報に開示されている
収容容器は、本来、摘出された眼球の保存および観察の
ための容器であって、角膜切り出し作業等に際しての眼
球の保持装置としては考慮されていないために、決して
満足できる使用性を有するものではなかった。
【0008】すなわち、かかる収容容器では、眼圧を調
節する際、蓋体を一方の手で把持せしめつつ、他方の手
で容器本体を相対回転させなければならないために、眼
圧調節のために角膜の切り出し等の作業を一時中断しな
ければならず、作業性が極めて悪いものであった。ま
た、容器本体を回転させると、眼球も容器本体と共に回
転してしまうために、眼圧調節の度に、メス等を入れて
作業している場所が移動することとなり、作業性が一層
悪化することも避けられない。
【0009】加えて、角膜の切り出し作業に際しては、
一般に、円形状乃至は円環形状の角膜を切り出すために
眼球を回転させる必要があるが、上述の如き収容容器で
は、眼球を回転させるために容器全体を回転させなけれ
ばならず、しかも、かかる回転によって容器全体が移動
することが避けられないために、顕微鏡下で行なわれる
角膜の切り出し等の作業が極めて面倒となるという問題
も内在するものであったのである。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、摘出眼球を、所定の眼圧を及ぼしめつつ固
定的に保持することができると共に、手指等からの雑菌
汚染も有効に防止され得、摘出眼球からの角膜の切り出
し等に際して好適に用いられる、新規な眼球保持装置を
提供することにある。
【0011】また、本発明は、片方の手での操作によっ
て、眼圧を容易に調節することのできる眼球保持装置を
提供することを、その課題としている。
【0012】更にまた、本発明は、眼球に所定の眼圧を
及ぼしめた状態下で、かかる眼球を一軸回りに容易に回
転させ、且つ任意の位置で固定的に保持することのでき
る眼球保持装置を提供することを、その課題としている
のである。
【0013】さらに、本発明は、眼圧の調節操作に際し
ても眼球が変位せず、固定的に保持され得る眼球保持装
置を提供することも、課題とする。
【0014】また、本発明は、軽い操作力によって、眼
圧を調節することのできる眼球保持装置を提供すること
も、その課題としている。
【0015】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、請求項1として明ら
かにするように、(a)基台と、(b)該基台によって
一軸回りに回転可能に支持された、先端部に球面凹状の
眼球受面を有する受け台と、(c)該受け台の前記基台
に対する一軸回りの回転を阻止して固定する、解除可能
な固定手段と、(d)眼球より小径の作業用孔を底壁部
に備えた逆カップ状を有し、前記受け台を覆うように装
着される蓋体と、(e)該蓋体と前記受け台との対応す
る内外周面に設けられて、該受け台に対する該蓋体の相
対回転により前記眼球受面と前記蓋体の底壁部との対向
面間距離を調節可能とし、それら眼球受面と蓋体の底壁
部との間で眼球を加圧保持せしめるねじ送り手段とを有
する眼球保持装置にある。
【0016】また、請求項2に記載の本発明の特徴とす
るところは、かくの如き請求項1に記載の眼球保持装置
において、上記(b)に記載の受け台の眼球受面に、凹
凸状の眼球変位阻止手段を形成したことにある。
【0017】さらに、請求項3に記載の本発明の特徴と
するところは、上記請求項2に記載の眼球保持装置にお
いて、前記眼球変位阻止手段を、前記受け台の眼球受面
の底面部位に設けられた凹凸部と、その開口部位に設け
られた棒状突起とによって構成したことにある。
【0018】更にまた、請求項4に記載の本発明の特徴
とするところは、上述した請求項1乃至3の何れかに記
載の眼球保持装置であって、前記蓋体と前記受け台との
対応する内外周面において、それらのいずれか一方の面
に形成された螺旋状の凹溝と、それらのいずれか他方の
面に形成された、該凹溝に係合する突起とによって、前
記(e)に記載のねじ送り手段を構成したことにある。
【0019】また、請求項5に記載の本発明の特徴とす
るところは、上記請求項4に記載の眼球保持装置におい
て、前記突起を、前記螺旋状の凹溝内に突出可能に構成
し、その突出作動により該凹溝に係止せしめて、前記受
け台に対する前記蓋体の相対回転を所定の位置にて阻止
せしめ得るように為したことにある。
【0020】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0021】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の眼球保持装置10が示されている。かかる眼球保持装
置10は、テーブル等の上に載置される基台12と、こ
の基台12によって支持されて上方に突出する受け台1
4と、かかる受け台14を覆うように上方から装着され
る蓋体16とを、含んで構成されている。
【0022】より詳細には、基台12は、全体として略
厚肉の円板形状を呈している。また、基台12の下面に
は、スベリ止め用のゴム座18が、外周縁部に沿って周
方向に連続して固着されており、下方に僅かに突出せし
められている。
【0023】さらに、かかる基台12の中心部には、支
持孔20が、軸方向に貫通して設けられている。この支
持孔20は、内径が軸方向で3段に変化せしめられた段
付内周面形状をもって形成されており、最も内径の小さ
い軸受部22を上下に挟んだ両側が、それぞれ、上面側
に開口する上部空所24および下面側に開口する下部空
所26とされている。
【0024】また、基台12の外周部分には、周上の一
か所に切欠部28が設けられていると共に、かかる切欠
部28から上部空所24に向かって半径方向に貫通して
延びる雌ねじ孔30が、形成されている。そして、この
雌ねじ孔30に、固定ボルト32が螺入されており、雌
ねじ孔30内にねじ込むことにより、先端部が上部空所
24内に突出せしめられるようになっている。なお、固
定ボルト32の頭部には操作用ハンドル34が取り付け
られている。
【0025】一方、前記受け台14は、全体として中実
の円形ロッド形状を呈している。また、この受け台14
の軸方向下部は、外径が軸方向で2段に変化せしめられ
て、軸方向下方ほど小径とされた段付外周面形状をもっ
て形成されており、それによって、中段部分が支持軸3
6とされると共に、下段部分が回転軸38とされてい
る。
【0026】そして、かかる受け台14は、基台12の
支持孔20に対して上方から装着され、その支持軸36
が基台12の上部空所24に挿入されると共に、回転軸
38が軸受部22に挿通されている。また、回転軸38
の先端部は、基台12の下部空所26側に突出してお
り、この突出先端部に止めリング40が嵌着固定されて
いる。
【0027】これによって、回転軸38の軸受部22か
らの抜け出しが阻止されており、以て、受け台14が、
基台12により、鉛直方向に立設、支持されていると共
に、中心軸回りに回転可能とされている。また、かかる
受け台14の支持軸36には、基台12に螺着された固
定ボルト32の先端部が当接されるようになっており、
この固定ボルト32のねじ込みによって、受け台14の
基台12に対する回転が阻止されて固定されるようにな
っている。なお、このことから、本実施例では、基台1
2に螺着された固定ボルト32によって、解除可能な固
定手段が構成されている。
【0028】また、受け台14の軸方向上部には、軸方
向上端部から下方に向かって、外周面上を周方向に延び
る螺旋溝42が形成されている。なお、かかる螺旋溝4
2は、図示されているように、両側内面が中心軸に対し
て略直角な矩形状断面とされていると共に、一般的なね
じ溝に比べて、溝幅およびピッチが大きく設定されてい
る。
【0029】更にまた、受け台14における上部先端面
の中心部には、球面凹状の眼球受面44が形成されてお
り、上方に向かって開口せしめられている。この眼球受
面44は、一般的な人の眼球の後部表面と略同一の曲率
を有している。また、眼球受面44の中央には、眼球の
視神経切断部を収容することのできる大きさで、凹部4
5が形成されている。
【0030】また、かかる眼球受面44には、その底面
部位において、凹凸部としての球状体46が、またその
開口部位において、棒状突起47が、それぞれ複数個
(ここでは、球状体46が8個、棒状突起47が周方向
に90°の間隔をもって4個)設けられている。そし
て、図2からも明らかなように、それらの球状体46と
棒状突起47は、その一部を眼球受面44上に突出せし
めた状態で、該眼球受面44の周方向に互いに等角度の
位相差をもって、配設、保持されている。即ち、本実施
例においては、これらの球状体46と棒状突起47とに
よって、凹凸状の眼球変位阻止手段が構成されているの
である。なお、球状体46と棒状突起47は、球状受面
44に対して、必ずしも固着されている必要はなく、球
状受面44に形成した凹部に嵌め込んで保持されている
だけでも良い。
【0031】そして、かくの如く、基台12によって支
持された受け台14に対して、その上方から、蓋体16
が装着されるようになっている(図1参照)。この蓋体
16は、全体として略逆カップ形状を呈しており、筒壁
部48の内径が、受け台14の外径と略同一か、僅かに
大きくされている。
【0032】また、蓋体16の底壁部51には、中央部
分に円形の貫通孔52が設けられており、この貫通孔5
2に、略円環形状の押えリング54が固着されている。
かかる押えリング54は、その内孔が、一般的な人の眼
球より小径の作業用孔56とされていると共に、軸方向
内側の面が、眼球の表面形状に略対応する球体曲面状の
押え面58とされている。
【0033】さらに、蓋体16には、筒壁部48に対し
て、それを貫通するように、係合ピン49が螺入せしめ
られている。また、かかる係合ピン49は、その内側先
端部が、筒壁部48内に突出されている一方、その外側
先端部に操作用レバー50が固着されて、筒壁部48か
ら外方に突出せしめられている。
【0034】そして、この蓋体16は、開口部60側か
ら、受け台14の眼球受面44を覆うように、上方より
被せられて装着されている。また、その際、蓋体16の
係合ピン49が、受け台14の螺旋溝42に係合せしめ
られている。これにより、蓋体16を回転させることに
よって、係合ピン49が螺旋溝42にて案内され、以
て、受け台14の蓋体16内への入り込み量(螺入深
さ)が調節され得るようになっているのである。また、
操作用レバー50を回転せしめて、係合ピン49をねじ
込むことにより、該係合ピン49が螺旋溝42内に突出
作動せしめられて、その先端部において、該螺旋溝42
の底壁部に当接して、係止せしめられ、以て蓋体16の
受け台14に対する相対回転が阻止され得るようになっ
ているのである。なお、このことから明らかなように、
本実施例では、受け台14の螺旋溝42と蓋体16の係
合ピン49とによって、受け台14の眼球受面44と蓋
体16の底壁部51との対向面間距離を調節可能とする
ねじ送り手段が構成されているのである。
【0035】上述の如き構造とされた眼球保持装置10
によって眼球を保持するに際しては、先ず、操作用ハン
ドル34にて固定ボルト32を回転させて、受け台14
を基台12に固定する。そして、受け台14から蓋体1
6を離脱させた状態で、受け台14の眼球受面44に、
摘出された眼球を載置する。なお、一般に、眼球は、角
膜側を上にし、視神経切断部を凹部45内に収容せしめ
る。
【0036】次いで、図3に示されているように、受け
台14に蓋体16を被せ、かかる蓋体16を回転させ
て、受け台14の螺旋溝42と蓋体16の係合ピン49
とのねじ送り作用によって、蓋体16を受け台14に締
め込む。そして、操作用レバー50を回転させて、係合
ピン49をねじ込み、その先端部を螺旋溝42の底壁部
に係止せしめる。これによって、眼球62を、受け台1
4の眼球受面44と蓋体16の押えリング54との間で
挟圧保持せしめると共に、その状態で、蓋体16の受け
台14に対する相対回転を所定の位置にて阻止せしめ
る。
【0037】また、このような眼球62の保持状態下で
は、眼球受面44に配された球状体46と棒状突起47
とが、眼球62の下部と中間部とに対して、押圧して陥
入する。それによって、眼球受面44上での眼球62の
変位を阻止し、眼球62を、眼球受面44に対して相対
移動不能に支持せしめる。
【0038】そして、このように眼球62を保持せしめ
ることにより、蓋体16に取り付けられた押えリング5
4の作業用孔56を通じて、かかる作業用孔56内に露
呈された眼球62に対して、角膜の切り出し等の操作が
加えられることとなる。
【0039】従って、かくの如き眼球保持装置10によ
る眼球62の保持状態下では、操作用レバー50を介し
て、蓋体16を受け台14に対して相対回転させること
により、眼球62に及ぼされる眼圧を調節することがで
きるのであり、またその際、操作用レバー50を回転せ
しめることによって、眼球62に及ぼされる眼圧を一定
に保持することが可能となるのである。そこにおいて、
受け台14は、大型の基台12によって回転および移動
不能に支持されていることから、片手で、操作用レバー
50を操作することによって、眼圧の調節操作及び保持
操作を容易に行なうことが可能となる。
【0040】なお、特に、本実施例では、基台12の底
面にゴム座18が設けられていることから、基台12の
テーブル等の支持面上での移動が有効に防止されて、受
け台14がより安定して支持され得ることとなる。
【0041】また、本実施例の眼球保持装置10におい
ては、受け台14の眼球受面44の底面部位と開口部位
に、それぞれ配された球状体46と棒状突起47とによ
って、眼球62の眼球受面44上での変位が防止される
ことから、眼圧調節に際しても、眼球62が、蓋体16
と連れ回ることがなく、一定位置に有利に保持され得る
のである。
【0042】なお、受け台14の眼球受面44上に、滅
菌ガーゼ等を載置し、その上に眼球62を載置すること
も可能である。そうすることによって、眼球受面44に
凹凸が付されていない場合でも、眼球62の眼球受面4
4上での変位が有効に防止されると共に、滅菌ガーゼ等
の緩衝作用に基づき、眼圧の急激な変化も緩和され得る
こととなる。
【0043】さらに、上述の如き眼球保持装置10にお
いては、係合ピン49を螺旋溝42に係止せしめた状態
で、操作用ハンドル34によって固定ボルト32を緩め
ることにより、蓋体16と受け台14とが一体的に回転
可能となることから、そのような状態下、操作用レバー
50を介して、蓋体16を回転させることにより、眼圧
を一定に保持せしめたまま、眼球62を一軸回りに回転
させることが可能であり、角膜切り出し等に際しての優
れた作業性が発揮され得る。
【0044】しかも、かかる眼球保持装置10において
は、そのような眼球62の回転操作を、眼圧の調節操作
及び保持操作と同様、片手で、操作用レバー50を操作
することによって、容易に行なうことが可能であること
から、優れた操作性が発揮され得るのである。
【0045】そして、それ故、このような眼球保持装置
10を用いれば、摘出眼球からの角膜の切り出しや豚眼
等を用いた眼内レンズ挿入術の練習等、摘出眼球に何等
かの操作を加えるに際して、摘出眼球を保持すると共
に、眼圧の調節や眼球の回転操作等を、特別な補助者を
必要とすることなく、極めて容易に行なうことができる
のであり、作業性の飛躍的な向上が達成され得ることと
なる。
【0046】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0047】例えば、受け台14の外周面に、螺旋溝4
2の代わりに螺旋状の凸条を形成し、かかる凸条に、蓋
体16の係合ピン49を係合させることによってねじ送
り手段を構成することも可能であり、或いは、蓋体16
に複数個の係合ピン49を設けたり、螺旋状に延びる係
合凸部を形成することも可能である。更に、蓋体16の
筒壁部48の内周面に螺旋溝または螺旋状の凸条を形成
する一方、受け台14の外周面に、かかる螺旋溝又は凸
条に係合するピンを立設することにより、ねじ送り手段
を構成することも可能である。
【0048】また、係合ピン49を螺旋溝42内に突出
可能に構成する場合においても、その構造は、例示の如
きものに何等限定されるものではなく、例えば、係合ピ
ン49を楔形形状と為すと共に、蓋体16の筒壁部48
に、それに対応する貫通孔を設けて、該貫通孔内に係合
ピン49を挿通、配置せしめるようにしても良い。
【0049】さらに、基台12に対する受け台14の回
転を阻止する固定手段としても、例示の如き固定ボルト
32によるものの他、カム機構を利用したものや挿通ピ
ンによるもの等、公知の手法が適宜に採用可能である。
【0050】更にまた、受け台14の眼球受面44に設
けられる凹凸状の眼球変位阻止手段は、球状体46や棒
状突起47により構成されるものの他、各種の構造が採
用され得、例えば、ゴルフボールのように複数のディン
プルを設けたり、径方向に延びる凹溝や凸条を形成する
こと等によって、かかる眼球変位阻止手段を構成するこ
とも可能である。
【0051】加えて、基台12や受け台14,蓋体1
6,球状体46,棒状突起47等を形成する材質は、特
に限定されるものではなく、例えば、フッ素樹脂等の各
種の合成樹脂材料や耐蝕性に優れたステンレス鋼等が、
いずれも採用可能である。
【0052】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において、実施され得るものであり、ま
た、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない
限り、いずれも、本発明の範囲内に含まれることは、言
うまでもない。
【0053】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた眼球保持装置においては、蓋体の作
業用孔を通じて眼球の一部が外部に露出された状態で、
所定の眼圧を及ぼしめつつ、眼球を保持できることか
ら、角膜の切り出し等に際して、手指等からの雑菌汚染
を防止しつつ、摘出眼球を有利に保持せしめることが可
能となる。
【0054】また、かかる眼球保持装置においては、固
定手段により、受け台が基台に対して固定されることか
ら、片方の手で蓋体のみを回転させることにより、ねじ
送り手段の作用に基づいて、眼圧を容易に調節すること
ができる。
【0055】しかも、かかる眼球保持装置においては、
固定手段を解除することにより、受け台の一軸回りの回
転が許容されることから、蓋体と受け台を一体的に回転
させることにより、眼球に所定の眼圧を及ぼしめた状態
下で、眼球の向きを一軸回りに自由に変えることができ
る。
【0056】さらに、眼球受面に凹凸状の眼球変位阻止
手段が形成された請求項2に記載の眼球保持装置におい
ては、眼球受面上における眼球の変位が防止されること
から、上述の如き、蓋体の回転による眼圧の調節操作に
際しても、眼球の変位が有利に防止され得る。
【0057】また、かかる眼球変位阻止手段が、受け台
の眼球受面の底面部位に設けられた凹凸部と、その開口
部位に設けられた棒状突起とによって構成された請求項
3に記載の眼球保持装置においては、眼球受面上におけ
る眼球の変位がより効果的に防止され得ることとなる。
【0058】さらに、螺旋状の凹溝と該凹溝に係合する
突起によってねじ送り手段が構成された請求項4に記載
の眼球保持装置においては、蓋体の回転時における受け
台に対する摺動抵抗が有利に軽減され得ることから、軽
い操作力によって眼圧を調節することが可能となると共
に、凹溝のリード角を変更することにより、眼圧の調節
操作性を容易にチューニングすることができる。
【0059】また、かかるねじ送り手段を構成する突起
が、螺旋状の凹溝内において突出作動し得るような構造
とされた請求項5に記載の眼球保持装置においては、蓋
体の受け台に対する相対回転を所定の位置において阻止
することができることから、かかる相対回転によって調
節される眼圧を、より確実に、一定に保持することがで
き、またそれによって、眼球を受け台と共に、一軸回り
に回転させる際に、眼圧が変化するようなことが完全に
阻止され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての眼球保持装置を示す
縦断面図である。
【図2】図1に示された眼球保持装置を構成する受け台
の平面拡大説明図である。
【図3】図1に示された眼球保持装置の使用方法を説明
するための説明図である。
【符号の説明】
10 眼球保持装置 12 基台 14 受け台 16 蓋体 20 支持孔 32 固定ボルト 40 止めリング 42 螺旋溝 44 眼球受面 46 球状体 47 棒状突起 49 係合ピン 51 底壁部 54 押えリング 56 作業用孔 58 押え面 62 眼球
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 1/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台と、 該基台によって一軸回りに回転可能に支持された、先端
    部に球面凹状の眼球受面を有する受け台と、 該受け台の前記基台に対する一軸回りの回転を阻止して
    固定する、解除可能な固定手段と、 眼球より小径の作業用孔を底壁部に備えた逆カップ状を
    有し、前記受け台を覆うように装着される蓋体と、 該蓋体と前記受け台との対応する内外周面に設けられ
    て、該受け台に対する該蓋体の相対回転により前記眼球
    受面と前記蓋体の底壁部との対向面間距離を調節可能と
    し、それら眼球受面と蓋体の底壁部との間で眼球を加圧
    保持せしめるねじ送り手段とを、有することを特徴とす
    る眼球保持装置。
  2. 【請求項2】 前記受け台の眼球受面に、凹凸状の眼球
    変位阻止手段が形成されている請求項1に記載の眼球保
    持装置。
  3. 【請求項3】 前記眼球変位阻止手段が、前記受け台の
    眼球受面の底面部位に設けられた凹凸部と、その開口部
    位に設けられた棒状突起とによって構成されている請求
    項2に記載の眼球保持装置。
  4. 【請求項4】 前記蓋体と前記受け台との対応する内外
    周面において、それらのいずれか一方の面に形成された
    螺旋状の凹溝と、それらのいずれか他方の面に形成され
    た、該凹溝に係合する突起とによって、前記ねじ送り手
    段が構成されている請求項1乃至3の何れかに記載の眼
    球保持装置。
  5. 【請求項5】 前記突起が、前記螺旋状の凹溝内に突出
    可能に構成され、その突出作動により該凹溝に係止せし
    められて、前記受け台に対する前記蓋体の相対回転が所
    定の位置にて阻止せしめられ得るようになっている請求
    項4に記載の眼球保持装置。
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