JP3174821B2 - 血液中の選択的な細胞不活性化用医薬組成物 - Google Patents

血液中の選択的な細胞不活性化用医薬組成物

Info

Publication number
JP3174821B2
JP3174821B2 JP50004594A JP50004594A JP3174821B2 JP 3174821 B2 JP3174821 B2 JP 3174821B2 JP 50004594 A JP50004594 A JP 50004594A JP 50004594 A JP50004594 A JP 50004594A JP 3174821 B2 JP3174821 B2 JP 3174821B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
cells
blood
body fluid
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP50004594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08501278A (ja
Inventor
ノース、ジャニス
ジー レヴィ、ジュリア
Original Assignee
キューエルティー インク.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by キューエルティー インク. filed Critical キューエルティー インク.
Publication of JPH08501278A publication Critical patent/JPH08501278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3174821B2 publication Critical patent/JP3174821B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/40Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/40Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil
    • A61K31/409Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil having four such rings, e.g. porphine derivatives, bilirubin, biliverdine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K41/00Medicinal preparations obtained by treating materials with wave energy or particle radiation ; Therapies using these preparations
    • A61K41/0057Photodynamic therapy with a photosensitizer, i.e. agent able to produce reactive oxygen species upon exposure to light or radiation, e.g. UV or visible light; photocleavage of nucleic acids with an agent
    • A61K41/0071PDT with porphyrins having exactly 20 ring atoms, i.e. based on the non-expanded tetrapyrrolic ring system, e.g. bacteriochlorin, chlorin-e6, or phthalocyanines
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses
    • A61P31/18Antivirals for RNA viruses for HIV
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/06Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • AIDS & HIV (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ある種の疾病の進行において重要な細胞を
血液又は骨髄から選択的に欠乏状態とする(消滅させ
る)ためのフォトダイナミック的療法において投与する
新規な医薬組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、
自己免疫疾患をもつ患者又はHIVに感染した患者などの
免疫機能障害をもった被検者の血液又は骨髄中の活性化
した白血球のポピユレーシヨン(集群)を選択的に減少
させる医薬組成物に関する。
背景技術 自己免疫疾患、同種異系移植拒絶などを特徴付け、ま
た免疫機構に直接影響を及ぼす疾病などの、望ましくな
い免疫応答は、活性化した白血球特に活性化したT細胞
の存在により特徴付けられる。活性化したリンパ球を制
御するための種々の方法が記述されている。例えば、米
国特許第5011684号には、同種異系移植拒絶及び自己免
疫を制御するための活性化T細胞の特徴であるIL−2レ
セプタに向けられたモノクローナル抗体の使用が記載さ
れている。米国特許第5152380号には、アレルギー反応
を制御するためのトキシンコンジユゲート(toxin conj
ugate)のような同種の物質が記載されている。活性化
T−リンパ球のためのマーカーが高親和力のIL−2受容
体(レセプタ)の存在であることは、一般に認識されて
いる。
ヒトの免疫不全ウイルス(HIV)によって生ずる免疫
障害が研究されているが、この疾病の進行の性質につい
てはなお不確かである。しかし、未感染のCD4+細胞を溶
解させて循環性の細胞毒性Tリンパ球をHIV感染者がも
つことが示されている(J.M.Zarling等、J.Immunol(19
90)144:2992)。またHIV感染は、CD4+細胞のレベルを
欠乏させるが、CD8+、DR+及びIL−2R+白血球のレベルは
増大させることが、一般に理解されている。前述したよ
うに、IL−2R+は、活性化マーカーと考えられており、D
Rは、HLAマーカーであり、これらは、CD4、CD8のような
補足的なマーカーと共に細胞上に存在していることがあ
りうる。
この感染と結果として生ずる免疫抑制との進行を妨げ
る1つのアプローチは、免疫機構の種々の成分に関する
血液の組成を変更する方策の使用である。これを解決す
る1つの試みにおいて、米国特許第4960408号には、AID
S関連複合体を示す被検者を全身的(systemically)に
プソラレンで処理した後、プソラレン化合物によって吸
収され波長の紫外線照射によってTリンパ球を体外的に
処置することから成る方法を開示している。この照射さ
れたT細胞は次に体内へ返却される。この処置は、一様
にではないが、CD3+細胞、CD4+細胞及びCD8+細胞のレベ
ルを明らかに高くする。
1992年3月10日付で許可された米国特許第5095030号
(引用によってその全体を本明細書の一部に組入れる)
は、一般的に「緑色ポルフィリン」として記述すること
のできる、長波長の吸収極大を示す種類の化合物の員で
ある、種々の波長特性の細胞毒性の剤を開示し、特許請
求の範囲に記述している。この米国特許に開示された化
合物は、吸収波長がより長波長へシフトさせるようにデ
ィールズ・アルダー(Diels Alder)反応により改善さ
れたポリフィリン誘導体である。その結果として、一般
にフォトダイナミック的療法に用いられる、例えばヘマ
トポルフィリン化合物と比較して好ましい性状が得られ
る。この米国特許に記載されているように、これらの細
胞毒性の剤は、全身的に投与された場合、不所望の細
胞、特に腫瘍細胞もしくは病原性ウイルスに“戻り”
(home)、後にこれらの化合物により吸収される光を照
射することによって、細胞毒を生ずるように、これらを
変化させる。これらの化合物自体がこのプロセスによっ
て化学的に変化するとは考えられない。
HIV感染又は他の免疫機能障害に関連した活性化され
た白血球のサブセットのレベルを、前述したもののよう
な緑色ポリフィリン化合物を用いて選択的に減少させう
ることが見出された。この欠乏は、正常に機能している
B細胞、CD4+細胞、CD8+細胞又はNK細胞のポピユレーシ
ヨンに対する副作用なしに実現される。赤血球からの分
離後に、本発明の医薬組成物による処置方法を用いて白
血球を処理してもよく、また全血をこの処理にかけても
よい。
発明の開示 本発明は、高レベルの白血球活性化マーカーを示す被
検体において活性化白血球のポピユレーシヨンを選択的
に減少させる医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成
物により処置する方法は、体液即ち骨髄又は血液又はそ
の一部分を、フォトダイナミック的療法において本発明
の医薬組成物を投与した後、その薬剤によって吸収され
る少くとも一の波長によって血液又はその一部分を照射
することを含む。この処置は、in vivoで、又は完全に
体外的に、又は部分的にin vivoかつで部分的にex vivo
的に行うことができる。
本発明の医薬組成物による処置方法は、その1つの局
面において、活性化白血球の減少を必要とする被検体の
体液中の活性化白血球細胞のポユレーシヨンを選択的に
減少させる方法において、前記活性化白血球含有体液又
は活性化白血球含有体液の一部分を有効量の緑色ポリフ
ィリン(Gp)化合物によって処理し、該Gp化合物によっ
て吸収される少くとも1つの波長を含む光を処理された
前記体液又はその一部に照射する方法に向けられる。
本発明の医薬組成物による処置方法は、別の局面にお
いて、HIVに感染した患者又は他の免疫機能障害をもっ
た患者の、消滅させるべき細胞を含む体液又はその一部
分を、有効量のGpにて処理した後、照射を行うことから
成る、前記患者処置方法に向けられる。
本発明の医薬組成物による処置によれば、更に別の局
面において、活性化された白血球、HIV感染細胞又は遊
離HIVが減少した、白血球活性化された血液、血漿又は
そのサブフラクションを得ることができる。
図面の簡単な説明 図1A、1Bは、2人のHIV感染患者の血液中のB細胞、C
D4+細胞、CD8+細胞、DR+細胞及びIL−2R+細胞を含む種
々のマーカーを有する白血球の種々のサブセットに対す
るGp及び照射の効果を示す。
図2は、1人の正常なドナー及び2人のHIV感染患者
からの血液中の白血球のサブセットの相対濃度を示す。
図3A、3Bは、BPDによる処理及び照射の前後において
の1人ずつの正常なドナー及びHIVドナーの血液中の白
血球のサブエットの相対濃度をそれぞれ示す。
図3Cは、正常な被検体及びHIV感染被検体において、
特にBPDによる処理及び照射の前後のIL−2R+細胞のレベ
ルを示す。
図4は、BPDによる処理及び照射による細胞関連(cel
l associated)HIVの不活性化を示す。
図5は、本発明の医薬組成物において有用な種々の緑
色ポルフィリンの一般的構造を示す。
図6は、好ましい緑色ポルフィリン、特にBPD−MA、M
PD−MD、BP−DA及びEPD−DBの構造を示す。
発明の実施の態様 本発明の医薬組成物により処置する方法は、異常に上
昇したレベルの活性化白血球を含む体液例えば骨髄、血
液又はその適切な一部分を、緑色ポルフィリン化合物で
処理した後、緑色ポルフィリンによって吸収される光を
体液又はその一部分に照射することにより行うことがで
きる。当該処置方法は、種々のプロトコルにおいて実施
でき、その2つの主要な要素は、そのポピユレーション
を減少させようとしている細胞に緑色ポルフィリンが結
合されることと、これらの細胞と結合した緑色ポルフィ
リンが適切な波長で照射されることと、である。本明細
書において「体液」とは、消滅させようとするHIV感染
細胞のような活性化白血球やその他の細胞を高レベルに
含有する体液を意味する。これらの体液は、典型的に
は、骨髄又は血液又はその一部分である。
本発明の医薬組成物において使用される緑色ポルフィ
リンは、670nm以上において最大の吸収を示すように化
学的に改質された、ポルフィリン基化合物(porphyrin
based compounds)である。緑色ポルフィリンの使用に
よって、赤血球細胞のような背景細胞及び組織による吸
収が最小の放射波長を使用することができる。そのため
本発明の医薬組成物による処置を行う場合、血漿と対照
されたものとしての全血の使用が可能となる。照射を含
む白血球泳動(leukophoresesis)には、光を吸収しう
る他の化合物例えばプソラレンも用いられているが、こ
れらの方法において血漿を用いることは、必要とする吸
収波長に支配される。全血を使用することによる便利さ
は、本発明の医薬組成物、緑色ポルフィリンの使用によ
って供与されるたいせつな利点である。
骨髄も本発明の医薬組成物により処置する方法におい
て基質として使用できるが、患者の血液を用いることが
より便利なことが多い。従って、1つのプロトコルにお
いては、血液を被検者から取出し、緑色ポルフィリンを
所望の標的細胞と結合させるに足る時間のあいだ適切な
濃度の緑色ポルフィリンで処理する。次に全血に体外の
容器又は装置中において、適切な波長の光を照射し、次
に処理され照射された血液を患者に戻す。
別の方法として、適切な剤形の緑色ポルフィリン又は
その混合物を、通常は注射によって、しかし、経口投与
や経粘膜投与によっても、患者に投与する。リポソーム
の溝組成物は特に有用である。緑色ポルフィリンに、血
漿に入る十分な時間が与えられた後、適切な照射源を、
患者の身体に適用することができる。一例として、血流
中の適切な位置に挿入し得るカテーテル式の光ファイバ
ーを患者の身体に適用することができる。また経皮露光
(external transcutaneous light exposure)を用いて
もよい。その場合血液は生体内照射される。
別の方法として、患者から取出した血液は、別々の部
分、通常は、赤血球部分と白血球リッチの血漿部分とに
分離し、白血球リッチ血漿部分は、緑色ポルフィリンで
処理、照射した後、血漿(及び所望ならば赤血球も)を
患者に戻すことができる。もちろん、各部分への分離
は、体外処理中の任意の時点において行えばよく、Gpを
全血に添加し、次に血液を赤血球と白血球リッチの部分
とに分離した後、白血球リッチの部分の照射を行うよう
にしてもよい。
本発明の医薬組成物による処置に適した被検者には、
高レベルの活性化された白血球例えばDR+特にIL−2R+
胞を血液中にもつことが示された、HIV感染患者があ
る。これらのレベルは、本発明の医薬組成物による処置
方法によって選択的に減少させることができる。これら
の細胞の増大したレベルを示すものと期待される他の患
者には、例えば臓器又は骨髄移植の結果としての移植片
対宿主(graft−versus− host)病又は臓器移植の拒絶
反応を示す患者のような、不所望の免疫活性化を示す患
者、並びに、 リウマチ性関節炎、紅斑性狼瘡(エリテマトーデ
ス)、筋ジストロフィー又は重症筋無力症のような自己
免疫状態を示す患者が含まれる。移植のためには、ドナ
ーの臓器の体液又は受容者となる患者の体液を処理する
ことができる。
典型的には、緑色ポルフィリンは、処理される体液も
しくは体液部分の最終濃度が約0.05−5μg/ml、好まし
くは約0.1−1μg/ml、特に好ましくは約0.5μg/mlとな
るように投与される。処理された体液もしくは体液部分
には、レーザーダイオード、LED、光ファイバーをつた
って伝送されるレーザー光、その他の適宜の光源からの
光が照射される。典型的な波長は、約600−790nm、好ま
しくは630−710nm、特に好ましくは690−780nmであり、
典型的な強度は、約1−50J/cm2、好ましくは約5−25J
/cm2、特に好ましくは約8−15J/cm2である。これらの
強度に対しては、685−695nmの範囲の波長が好ましい。
照射は、緑色ポルフィリンの性質及び濃度、処理された
体液の量、患者の細胞の感受性、光の強度及び波長、照
射の方法(生体内か生体外か)によって変動し、約2−
180分、好ましくは約15−120分継続される。Gpの濃度及
び照射パラメータの適切な最適化は、当業者が随時選択
することができる。
本発明の医薬組成物に用いられる緑色ポルフィリンの
単なる詳細については、典型的な緑色ポルフィリンの一
般的構造が図5に示されている。特に好ましい形態は、
図6に示されている。
このGpのセットは、プロトポルフィリン−IX環系に存
在する2つの使用可能な共役即ち非芳香ジエン構造(環
A、B)のうちの1つのみにおいて反応を行わせる条件
の下に、プロトポルフィリンとの、アセチレン誘導体の
ディールズ・アルダー反応によって得たポルフィリン誘
導体の部属の中から選択される。図5に示した式は、本
発明の医薬組成物において典型的な緑色ポルフィリンを
表わしている。これらの化合物は、水素が環内の窒素を
占有しているように図示されている。しかしカチオンが
これらの水素の一方又は両方に代えた金属化形態を用い
てもよい。また、これらの化合物は、構造中の1以上の
原子をその放射活性形態によって代えるか、又は、放射
性金属もしくはヨウ素の放射性同位体のような放射性同
位体に結合させることによって標識することができる。
便宜上、図5の式3、4の化合物に言及するために、
ヒドロモノベンゾポルフィリン誘導体の略語BPDが一般
に用いられる。これらは、Gpの好ましい形態である。図
5に示すように、R1、R2、R3、R4は、化合物の示す吸収
極大に大きくは影響しない、容易に感知できる非干渉置
換基(non−interfering substituents)である。最も
典型的には、R1、R2は、カルボアルコキシ基、典型的に
は、メチルもしくはエチルカルボキシエステルである。
極く一般的には、R3は2−カルボキシエチル又はそのア
ルキルエステルであり、R4はビニルである。これらの好
ましい実施例は、天然の(native)ポルフィリンが使用
可能なことに基づくもので、生物学的効率の考慮によっ
て指令されるものではない。「非干渉性置換基」(non
−interferring substituents)とは、670nmより短波長
側に最大吸収波長を下げず、緑色のポルフィリンが活性
化白血球に戻る能力を破壊せず、生物学的組織に対する
光による化合物の活性化の効果に干渉しない置換基を意
味する。
Gpの二量体形態も供することができ、それにより、1
モル当りの基準において光を吸収するGp化合物の能力を
高めることができる。Gp/ポルフィリンの組合せの二量
体及び多量体形式も使用でき、それにより余分の吸収波
長を与えることができる。
緑色ポルフィリンは、受容体特異のリガンド、イムノ
グロブリンもしくはイムノグロブリンの免疫特異部分の
ような標的と反応する特異リガンドと共役結合(コンジ
ュゲート)させることができ、それにより所望の標的組
織又は標的物質中においてのその濃度を高めることがで
きる。この共役結合は、所望の用量レベルを更に低下さ
せることを可能とする。その理由は、その破壊は全く望
ましくなく避ける必要のある他の組織に向ってこの物質
が不用に分配されないためである。
Gpが可視吸収範囲内の光を用いてそのまま照射された
場合、光活性化によって周囲の組織への細胞毒性がおこ
る。吸収スペクトルは、より短い波長も含むが、670−7
80nmの範囲に特に有用な吸収極大が存在する。
ここに用いられる「緑色ポルフィリン」とは、670nm
以上に吸収極大をもつ波長を達成するように改質された
ポルフィリン核を意味する。吸収極大は、ポルフィリン
核の共役π構造によって制御される。プロトポルフィリ
ン−IXにおいては、2つのピロールがビニル置換基を含
むため、環外π構造は、環内の2つのπ結合のうち1つ
と共役結合する。これらの共役系の1つとアセチレン誘
導体ジエノフィル(dienophile)とのディールズ・アル
ダー反応の結果として、式1、2に示すように、環A又
はBに融合した融合シクロヘキサジエン(本明細書中に
おいて「ヒドロベンゾ」と呼ぶ)が生成する。ヘキサジ
エン環のπ構造の再配列によって、式3、4の化合物が
生成する。また還元によって式5、6の化合物が生成す
る。これらの化合物の全ては、吸収極大が所望の色を集
める方へ(bathochromic)シフトする。
本発明の医薬組成物において用いられるGp化合物の部
属の特定の調製は、前出の米国特許第5095030号に詳述
されている。
図5、6に示した化合物において、一般に、R1、R
2は、各々独立して、緩和な電子吸引置換基であり、最
も普通には、カルボアルコキシ、アルキル、又はアリー
ルスルホニル、又は他の任意の電子吸収性が十分でない
活性化置換基であり、その結果として、環A、Bの一方
例えばシアノ又は−CONR5CO−(ここにR5はアリール又
はアルキルである)のみとでなくその両方と反応が生ず
る。R1、R2のうち一方は、Hであってもよく、他のもの
は、ディールズ・アルダー反応を容易に促進するに足る
強さの電子吸引置換基である。
本明細書において、カルボキシは、普通に定義される
ように、−COOHであり、カルボアルコキシは、−COOR
(ここにRはアルキルである)であり、カルボキシアル
キルは、置換基−R′−COOH(R′はアルキレンであ
る)であり、カルボアルコキシアルキルは、−R′−CO
OR(ここにR′、Rは、それぞれアルキレン及びアルキ
ルである)である。アルキルは、メチル、n−ヘキシ
ル、2−メチルペンチル、t−ブチル、n−プロピルそ
の他のような、1−6個の炭素原子を有する飽和の直鎖
状又は分岐状の炭化水素である。アルキレンは、2価で
あることを除いては、アルキルである。アリール又はア
ルキルスルホニル部分は、式SO2R(Rは前記のアルキル
又はアリールであり、アリールは、ハロ(フルオロ、ク
ロロ、ブロモもしくはヨード)、低級アルキル(1−4
C)もしくは低級アルコキシ(1−4C)から独立して選
択された1−3個の置換基によって任意に置換されてい
るフェニルである)を有する。また、R1、R2のどちらか
一方又は両方は、それ自体アリール即ち前記のように定
義された、任意に置換されたフェニルである。
図5に示すように、プロトポルフィリン−IX環系とR1
−C≡C−R2との反応によって生成した付加物(R3は2
−カルボキシエチルの保護基であり、例えば2−カルボ
メトキシエチル又は2−カルボエトキシエチル、R4はCH
=CH2である)は、式1、2の化合物であり、式1の化
合物は、環Aへの付加によって、また式2の化合物は、
環Bへの付加によって、それぞれ生ずる。式1、2のこ
れらの結果生成物において、R4はCH=CH2を維持する
が、このビニル基は、式1の環B又は式2の環Aのビニ
ル環置換基への付加又はその酸化によって、R4の他の形
態に容易に誘導される。付加生成物又は酸化生成物は、
付加置換基が脱離性官能基(functional leaving group
s)であれば、更に置換可能であり、例えばBrは、−O
H、−OR(Rは前記のように1−6Cアルキルである)又
は−NH2、−NHR、−NR2、その他により置換される。好
ましい実施態様によれば、付加置換基の1つは、水素で
あり、他のものは、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモも
しくはヨード)、ヒドロキシ、低級アルキル、アミノも
しくはアミド、スルフビドリル又は有機スルフィドから
成る群中より選択され、又は、それ自身水素でありう
る。ビニル基への付加は、結果化合物の吸収スペクトル
を大きくは変更しない。水のマルコニコフ付加の生成物
は、関連する環においてヘマトポルフィリン環系と同様
の置換構造を与える。従って本発明の医薬組成物に使用
する化合物は、以下に詳述するように、付加的なポルフ
ィリンもしくはポルフィリン関連環構造を与える置換基
を含むいろいろの基をR4として含む。
プロトポルフィリン−IXのR3は、2−カルボキシエチ
ル(−CH2CH2COOH)である。しかし(環のπ結合に共役
結合されたπ結合を含まない限り)R3の性質はディール
ズ・アルダー反応の進行にも、結果生成物の吸収スペク
トル及び有効性にも通常関係していない。即ちR3は一例
として、低級アルキル(11−4C)、1−カルボキシアル
キル(2−6C)又はそのエステルもしくはアミドであっ
てもよい。また置換基R3は、前記のハロゲン又は他の非
反応性置換基により置換されていてもよい。しかし本発
明の医薬組成物に使用するGp化合物のための好適な出発
物質は、自然に発生するポルフィリンであるから、R3
好ましい置換基は、CH2CH2COOH又は−CH2CHR2COOR(こ
こにRはアルキル(1−6C))である。
本発明の医薬組成物に使用するBPD化合物において
は、−CH2CH2COOR中のエステル化カルボキシ基を加水分
解又は部分的に加水分解すると有利なことが見出され
た。加水分解は、R1、R2のエステル基よりも著しく速い
速度で生じ、結果化合物の溶解度及び生物分布特性は、
非加水分解形のものよりも更に有利である。加水分解に
よって二塩基塩の生成物又は一塩基酸の生成物(もしく
はその塩)を生ずる。
前出の各刊行物に記載されたディールズ・アルダー反
応から直接生じるヒドロ−モノベンゾポルフィリンは異
性化して、図5の式3、4の化合物とすることもでき
る。
図5の式3、4の描写は、置換基R2体についての環外
メチル基(式3の環A及び式4の環B)の相対位置を示
さない。どちらの異性体も使用することができる。
また、ディールズ・アルダー生成物は、環A、Bのそ
れぞれのディールズ・アルダー生成物に対応する、図5
の式5、6に示した飽和環類縁物を与えるように、活性
炭上パラジウムの存在下に水素で処理ことによって選択
的に還元することができる。これらの還元された生成物
は、式1−4の化合物に比べてより好ましい態様のもの
でなく、また本発明にとってより有用でもない。
残留ビニル置換基(R4)の転化による誘導可能性(de
rivatization)についての式1、2の化合物に関し、又
は−R3の可能性についての以上の説明は、式3、4、
5、6の化合物にも適用される。
式3、4の化合物(BPD)及び特にR3中のカルボアル
コキシ基を加水分解もしくは部分的に加水分解した化合
物は、最も好ましい。−COOHを含有する本発明の化合物
は、遊離酸として、又は、有機もしくは無機の塩基との
塩の形で調製することができる。
ところで、図5の多くの化合物は、少くとも1つのキ
ラル中心をもち、従って光学異性体として存在してい
る。本発明のコンジユゲート及び方法は、キラル炭素の
両方の形態をもった化合物を、これらの化合物が単一の
ステレオ異性体の単離物(isolate)として供給される
か又はエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混
合物であるかにかかわりなく包含する。ジアステレオマ
ー混合物の分離は、どんな既知の手段によってもよい。
エナンチオマー混合物は、これらを光学活性調製物と反
応させて、生成するジアステレオマーを分離する従来の
技術によって分離することができる。
反応生成物は、A及びB環付加物の未分離混合物、例
えば式1、2又は式3、4又は式5、6の各混合物であ
ってもよい。分離された形式即ち式3単独、式4単独又
は任意の比による混合物を本発明の医薬組成物として、
ここに示した治療方法及び診断方法に使用することがで
きる。
図6は、従来の技術に示されていない本発明の医薬組
成物として特別に好ましい4種の化合物を示している。
これらの化合物は、式3又は4を有するGpの形態をもつ
ので、集合的に、ベンゾポルフィリン誘導体(BPD)と
称される。これらは、式3、4の再配列された生成物の
加水分解形態もしくは部分加水分解形態である(R3の保
護されたカルボキシル基の一方又は両方が加水分解され
ている)。R1、R2のエステル基は相対的に徐々に加水分
解されるので、図6に示した形態への転化は容易に達せ
られる。
この明細書の目的のために、R3は−CH2CH2COOR3′で
ある。図6に示すように、各々のR3′は、好ましい化合
物BPD−DAにおいてHであり、R1とR2はカルボアルコキ
シであって誘導部分は環Aである。BPD−DBは、環Bの
ところに誘導部分がある化合物に相当する。BPD−MA
は、BPD−DAの部分加水分解形態、BPD−MBは、BPD−DB
の部分加水分解形態である。従って、これらの後者の化
合物において、R1、R2は、カルボアルコキシ、一方の
R3′はHであり、他方のR3′はアルキル(1−6C)であ
る。式BPD−MA、BPD−MBの各化合物は、C環のカルボア
ルコキシエチルのみか又はD環のカルボアルコキシエチ
ルのみが加水分解される、同質のものでも、またC環及
びD環の置換基の加水分解生成物の混合物でもよい。ま
た、BPD−MA、−MB、−DA及び−DBのうち2種以上のも
のの混合物を本発明の医薬組成物において用いてもよ
い。
R4がビニルと異なりR3が不活性な置換基である他の形
態も、本発明の医薬組成物に使用されるGpに含まれる。
一般に、各々のR1、R2は、カルボアルコキシ(2−6
C)、アルキル(1−6C)、スルホニル、アリール(6
−10C)、スルホニル、アリール(6−10C)、シアノ及
び−CONR5CO−(R5はアリール(6−10C)又はアルキル
(1−6C)である)から成る群中から独立に選択され
る。
各々のR3は、独立に、カルボキシアルキル(2−6
C)、又は塩、アミド、エステル又はそのアシルヒドラ
ゾンであるか、又はアルキル(1−6C)である。
R4は、 CHCH2、CHOR4、−CHO、−COOR4、CH(OR4)CH3、CH(OR
4)CH2OR4、−CH(SR4)CH3、−CH(NR4 2)CH3、−CH
(CN)CH3、−CH(COOR4)CH3、−CH((OOCR4)CH3
−CH(halo)CH3、or−CH(halo)CH2(halo)、 である。
R4′は、H、アルキル(1−6C)(親水性置換基によ
り任意に置換されていてもよい)である。
R4は、ビニルの直接的もしくは間接的な誘導化により
生成する<12Cの有機基である。
あるいはR4は、本明細書中において定義した式−L−
Pの1−3テトラピロール型の核を含む基である。
式3、4の化合物及びその混合物は特に好ましい。
R1、R2が同一であり、カルボアルコキシ特にカルボエト
キシである化合物も好ましい。更に、R4が−CHCH2、−C
H(OH)CH3又は−CH(ハロ)CH3又は式−L−P(以下
に定義する)の1−3テトラピロール型の核を含む基で
ある化合物も好ましい。
本明細書において「テトラピロール型の核」とは、下
記の骨格の4環系 並びに、強い共役結合を含むその塩、エステル、アミド
又はアシルヒドラゾンを表わす。これは、実際には完全
に共役結合した系であるポルフィリン系、実際にはポル
フィリンのジヒドロ形態であるクロリン系及び完全に共
役結合した系のテトラヒドロ形である還元クロリン系を
含む。「ポルフィリン」を特定する場合、完全に共役結
合した系が指示される。Gpは、実効的には、ポルフィリ
ン系のジヒドロ形態である。
ある化合内の部属は、置換基R4が少くとも1つの追加
のテトラピロール型の核を含む部属である。本発明の結
果化合物は、テトラピロール型の環系のうちの1つがGp
であるダイマーもしくはオリゴマーである。Gp部分から
R4の位置を経て別のテトラピロール型のリング系への結
合は、エーテル、アミンもしくはビニル結合としてもよ
い。R4に対応する(環A、Bの両方においての)2つの
使用可能な置換基の位置を有するポルフィリン環系の場
合の、付加的な誘導部分(additional derivatizatio
n)も、後述するように生成させることができる。
前述したように、図5に示した式の化合物には、最初
のGp生成物のビニル基への付加によってR4の形態が生成
される化合物が含まれる。従ってR4は、簡単な付加反応
によって生成されるものに合致するどんな置換基であっ
てもよい。従って、両方の付加された置換基は、一例と
して、OH又はハロ基でもよく、これらの置換基は、更に
置換されていてもよく、又は、付加剤は、 の形式のR4を与えるように、環隣接炭素にHが付加され
たHX形式であってもよい。
ビニル基は、CH2OH、−CHO又はCOOH並びにその塩及び
エステルとしてR4を得るように酸化されていても良い。
従って一般にR4は、ビニル基−CH=CH2が開裂又は付
加によって容易に転化されるいずれかの置換基を表し、
また付加部分と脱離基の反応による別の結果物も含む。
典型的なR4置換基は CH(OH)Me、−CHBrMe、−CH(OMe)Me、−CH(ピリジ
ニウムブロマイド)Me、−CH(SH)Me並びにそのジスル
フィド、−CHOHCH2OH、−CHO及び−COOH又は−COOMeを
含む。
R4が−L−Pである場合、置換基の式“−L−P"は、
−L−が より成る群中より選択され、Pが、図5に示す式1−6
をもつがR4が欠如し、R4により占有された図5に示す位
置を経てLに共役結合されているGpと、式 (式中R3、R4は上記定義と同様である)、未占有の結合
は次にLと共役結合されるポルフィリンとから成る群中
から選択される置換基を表わしている。なお略記法 (式中各々のRは独立してH又は低級アルキル(1−4
C)を表わす) を有するポルフィリンを表わすものとする。
(なお、−L−が式(e)又は(f)をもつ場合、二
重結合が結合される環系は、二重結合が図示のように結
合されている環中の に対応する共鳴系をもつであろう。) ダイマー及びオリゴマーの調製 本発明に使用されるダイマー及びオリゴマー化合物
は、ポルフィリン自身のダイマー化及びオリゴマー化の
ための反応と同様の反応を用いて調製することかでき
る。緑色ポルフィリン又は緑色ポルフィリン/ポルフィ
リン結合は、直接に形成してもよく、またポルフィリン
を結合させた後、一方又は両方の末端ポルフィリンのデ
ィールズ・アルダー反応により、対応の緑色ポルンフィ
リンに転化させることができる。
一般に、緑色ポルフィリンは、波長の極大値を所要の
レベルまでシフトさせるようにポルフィリン核のπ共有
結合系を変更する任意の反応のセット(集合)によって
調製される。このように波長の極大値をシフトさせるた
めにポルフィリンを改善する方法は、当該技術分野では
周知となっている。
次に、いくつかの実施例について説明するが、これら
は本発明を限定するものではない。
実施例1 BPD及び照射に対する種々の白血球の応答 HIVに感染していることが示された2人の患者から血
液を採取した。各々の患者からの全血を種々の濃度のBP
D−MAを添加した後、LEDから送出される690nmの光を用
いて10.8J/cm2の光を4分間照射した。T細胞のいろい
ろのサブセットのポピュレーションを未処理の対照との
対比によって、フロー血球計算(flow cytometry)によ
って評価し、対照の百分率として存在する細胞の百分率
をBPD−MAの関数としてプロットした。
図1A、1Bに結果を示す。図示したように、大部分の細
胞ポピユレーションは、B細胞及びCD4+細胞を含めて、
比較的一定に保たれた。CD8+細胞及びDR+細胞において
多少の減少が見られた。IL−2R+細胞は、図1Aに示した
患者の結果において、著しい減少(BPD−MAに用量依存
する)を示した。
図1Aに示すように、IL−2R+細胞は著しく減少した
が、DR+及びCD8+細胞も有意な減少を示した。図1Bの2
番目の患者については、DR+細胞に対する効果は一層顕
著に示された。
1人の正常な被検者と2人のHIV患者とを用いて、BPD
−MAの濃度を一定(0.5μg/ml)として同様の研究を行
った。図2は、3人のドナーからの未処理血液中の白血
球のサブポピユレーシヨン(sub population)を示して
いる。図2に示すように、B細胞及びNK細胞は、正常な
被検者についてもHIV患者についてもほぼ同一のレベル
を示す。しかしARC患者は共に、CD4+レベルの減少とCD8
+、DR+及びIL−2R+レベルの増大とを一致して示してい
る。
図3A、3B、3Cは、本発明の医薬組成物による処置の効
果を示している。図3Aに示すように、正常な血液中の白
血球のサブポピュレーションの処理は、図示したどのポ
ピユレーションにも、ほとんど効果をもたない。図3B
は、HIV感染血液がこの処理を受けた場合、CD8+が多少
減少し、DR+が多少減少し、IL−2R+細胞が著しく減少す
ることを示している。図3Cは、特に正常な被検者と2人
のHIV患者についてのIL−2R+細胞のこれらの結果を示し
ている。やはり顕著な減少が示されている。
即ち、690nmを中心とする10.8J/cm2の光の存在の下に
4分間0.5μg/mlのBPDにて処理した後、正常な被検者の
全ての細胞型の細胞ポピユレーションと、HIV患者のIL
−2R+を除く全ての細胞型とは、比較的一定に保たれ
る。DR+及びCD8+の各細胞はわずかに減少した。BPD/光
による処理は、白血球の多くのサブクラスに対して、ほ
とんどか又は全く効果をもたないと思われる。しかしIL
−2R+細胞の増大レベルは正常値に回復している。
実施例2 実施例1に述べたものと同様のプロトコルにおいて、
BPDの種々の濃度及び種々の光の強度を用いて、HIV患者
の全血を処理し、細胞関連(cell−associated)HIVの
不活性化に対する効果を試験した。結果を図4に示す。
図示したように、13J/cm2の強度は、約0.5μg/ml以下の
BPD濃度でウイルスの顕著な不活性化を示した。放射の
強さを低下すると、ウイルスの不活性化のために、より
高濃度のBPDが必要となった。
実施例3 CEM細胞の組織培養物中の遊離HIV(LAV−1株)の不
活性化についても試験した。このアッセイでは、LAV−
1株を組織培養基で希釈し、0.25μg/ml又は0.5μg/ml
のどちらかの濃度のBPDを添加した。この培養基を1時
間インキュベートし、強度10.8J/cm2の、690nmを中心と
する光を3分間照射した。この培養基を次にCEM細胞に
添加し、標準p24アッセイを用いて、6日間の培養後に
アッセイを行った。結果はpg/ml単位で読取った。
結果を表1に示す。表に示されるように、p24の高レ
ベルを与えたLAVの希釈系列においては、0.25μg/ml又
は0.5μg/mlの濃度のBPDで処理することによって、p24
のレベルを実質的に低下させることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レヴィ、ジュリア ジー カナダ ブイ5ゼット 4エイチ5、ブ リティッシュ コロンビア、バンクーバ ー、ウェスト シックススアヴェニュー 520 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 41/00 A61P 31/18 A61P 37/06 A61K 31/409 C07D 487/16 BIOSIS(STN) CAPLUS(STN) MEDLINE(STN) EMBASE(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緑色ポルフィリン(Gp)化合物を含有する
    ことを特徴とする、フォトダイナミック療法において投
    与し、活性化白血球含有体液中の活性化白血球細胞のポ
    ピュレーションを選択的に減少させる医薬組成物。
  2. 【請求項2】当該組成物が体液又はその一部に投与され
    る請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】緑色ポルフィリン(Gp)化合物を含有する
    ことを特徴とする、当該Gp化合物によって吸収される少
    なくとも1つの波長を含む光の照射との組み合わせにお
    いて投与し、活性化白血球含有体液中の活性化白血球細
    胞のポピュレーションを選択的に減少させる医薬組成
    物。
  4. 【請求項4】当該組成物が体液又はその一部に投与され
    る請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】当該組成物が免疫機能障害をもった患者投
    与用である請求項1又は3記載の組成物。
  6. 【請求項6】当該組成物が自己免疫疾患者投与用である
    請求項1又は3記載の組成物。
  7. 【請求項7】当該組成物が移植受容者投与用である請求
    項1又は3記載の組成物。
  8. 【請求項8】当該組成物がHIV患者投与用である請求項
    1又は3記載の組成物。
  9. 【請求項9】当該体液が血液である請求項1〜4何れか
    記載の組成物。
  10. 【請求項10】当該Gpが式 (式中R1、R2、R3、R4は非干渉置換基である)から成る
    群中より選択された式を有する請求項1又は3記載の組
    成物。
  11. 【請求項11】当該Gpが式3又は4を有し、R1、R2がカ
    ルボメトキシ又はカルボエトキシであり、各々のR3は−
    CH2CH2COOH−又はその塩、アミド、エステル若しくはア
    シルヒドラゾンであり、R4はビニルである請求項10記載
    の組成物。
  12. 【請求項12】当該Gpが式 (式中R1、R2は、カルボメトキシ及びカルボエトキシか
    ら独立に選択され、Rはメチル又はエチルである) から成る群中より選択された式を有する請求項11記載の
    組成物。
  13. 【請求項13】HIVウイルスの不活性化用医薬組成物で
    ある請求項1又は3記載の組成物。
JP50004594A 1992-05-27 1993-05-27 血液中の選択的な細胞不活性化用医薬組成物 Expired - Fee Related JP3174821B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/889,707 US5776966A (en) 1992-05-27 1992-05-27 Selective cell inactivation in blood
US889,707 1992-05-27
PCT/CA1993/000215 WO1993024127A1 (en) 1992-05-27 1993-05-27 Selective cell inactivation in blood

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08501278A JPH08501278A (ja) 1996-02-13
JP3174821B2 true JP3174821B2 (ja) 2001-06-11

Family

ID=25395640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50004594A Expired - Fee Related JP3174821B2 (ja) 1992-05-27 1993-05-27 血液中の選択的な細胞不活性化用医薬組成物

Country Status (23)

Country Link
US (1) US5776966A (ja)
EP (1) EP0642342B1 (ja)
JP (1) JP3174821B2 (ja)
KR (1) KR950701522A (ja)
AT (1) ATE194491T1 (ja)
AU (1) AU687734B2 (ja)
CA (1) CA2136447C (ja)
CZ (1) CZ283846B6 (ja)
DE (1) DE69329026T2 (ja)
DK (1) DK0642342T3 (ja)
ES (1) ES2147754T3 (ja)
FI (1) FI945586A (ja)
GR (1) GR3034529T3 (ja)
HU (1) HUT78021A (ja)
IL (1) IL105815A (ja)
MX (1) MX9303127A (ja)
NO (1) NO308506B1 (ja)
NZ (1) NZ252085A (ja)
PT (1) PT642342E (ja)
SK (1) SK143994A3 (ja)
TW (1) TW257674B (ja)
WO (1) WO1993024127A1 (ja)
ZA (1) ZA933723B (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5807881A (en) * 1992-05-27 1998-09-15 Quadra Logic Technologies, Inc. Method for selectively reducing activated leukocyte cell population
US5756541A (en) 1996-03-11 1998-05-26 Qlt Phototherapeutics Inc Vision through photodynamic therapy of the eye
CA2221912A1 (en) * 1997-11-21 1999-05-21 David Dolphin Photosensitizers with improved biodistribution and light-absorbing properties
US6117862A (en) 1998-10-09 2000-09-12 Qlt, Inc. Model and method for angiogenesis inhibition
US6602274B1 (en) 1999-01-15 2003-08-05 Light Sciences Corporation Targeted transcutaneous cancer therapy
US7022843B1 (en) 1999-04-14 2006-04-04 The University Of British Columbia β,β′-dihydroxy meso-substituted chlorins, isobacteriochlorins, and bacteriochlorins
US6734192B1 (en) 1999-08-23 2004-05-11 Mp-1 Inc. Treatment of viral infections
US7572631B2 (en) 2000-02-24 2009-08-11 Invitrogen Corporation Activation and expansion of T cells
US7541184B2 (en) 2000-02-24 2009-06-02 Invitrogen Corporation Activation and expansion of cells
AU2002233092A1 (en) 2001-02-15 2002-08-28 Qlt Inc. Reduction or prevention of pdt related inflammation
WO2002100326A2 (en) 2001-05-01 2002-12-19 The General Hospital Corporation Photoimmunotherapies for cancer using photosensitizer immunoconjugates and combination therapies
JP2005502618A (ja) * 2001-06-04 2005-01-27 ザ・ジェネラル・ホスピタル・コーポレイション 光力学的化合物を用いて脆弱なプラークを検出および治療する方法
US20050084967A1 (en) 2002-06-28 2005-04-21 Xcyte Therapies, Inc. Compositions and methods for eliminating undesired subpopulations of T cells in patients with immunological defects related to autoimmunity and organ or hematopoietic stem cell transplantation
US20040175373A1 (en) * 2002-06-28 2004-09-09 Xcyte Therapies, Inc. Compositions and methods for eliminating undesired subpopulations of T cells in patients with immunological defects related to autoimmunity and organ or hematopoietic stem cell transplantation
WO2004003142A2 (en) * 2002-06-28 2004-01-08 Xcyte Therapies, Inc. Compositions and methods for restoring immune repertoire in patients with immunological defects related to autoimmunity and organ or hematopoietic stem cell transplantation
US7220778B2 (en) * 2003-04-15 2007-05-22 The General Hospital Corporation Methods and devices for epithelial protection during photodynamic therapy
US7659301B2 (en) * 2003-04-15 2010-02-09 The General Hospital Corporation Methods and devices for epithelial protection during photodynamic therapy
KR100604350B1 (ko) 2004-07-15 2006-07-25 학교법인 인제학원 광역학 치료용 광민감성 물질로 유용한 사이클릭테트라피롤 고분자와 이의 제조방법
ES2454974T3 (es) 2007-06-27 2014-04-14 The General Hospital Corporation Aparato para la inhibición óptica de la terapia fotodinámica
US10328085B2 (en) 2014-05-09 2019-06-25 Uniwersytet Jagiellonski Cobalt porphyrins for the treatment of blood-related disorders
PL233504B1 (pl) 2014-05-09 2019-10-31 Univ Jagiellonski Protoporfiryna IX kobaltu do stosowania w leczeniu neutropenii i białaczek

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4610241A (en) * 1984-07-03 1986-09-09 Gordon Robert T Atherosclerosis treatment method
US5011684A (en) 1985-09-05 1991-04-30 Beth Israel Hospital Association Lysing or blocking unwanted cells with IL-2 receptor-specific binding substance
US5095030A (en) * 1987-01-20 1992-03-10 University Of British Columbia Wavelength-specific cytotoxic agents
US5171749A (en) * 1987-01-20 1992-12-15 University Of British Columbia Wavelength-specific cytotoxic agents
DE3821254A1 (de) 1988-06-23 1990-01-04 Hoffmann Elektrokohle Schleifstueck fuer stromabnehmer sowie verfahren zu seiner herstellung
US5190966A (en) * 1988-07-06 1993-03-02 Health Research, Inc. Purified hematoporphyrin dimers and trimers useful in photodynamic therapy
US5028594A (en) * 1988-12-27 1991-07-02 Naxcor Use of photodynamic compositions for cytotoxic effects
US4960408A (en) * 1989-01-10 1990-10-02 Klainer Albert S Treatment methods and vaccines for stimulating an immunological response against retroviruses
US5149708A (en) * 1989-06-07 1992-09-22 University Of British Columbia Photosensitizing Diels-Alder porphyrin derivatives
US5087636A (en) * 1990-02-20 1992-02-11 University Of British Columbia Method to destroy malignant cells in mononuclear cell populations
US5214036A (en) * 1990-03-08 1993-05-25 University Of British Columbia Benzoporphyrin derivatives for photodynamic therapy

Also Published As

Publication number Publication date
NO308506B1 (no) 2000-09-25
NO944537L (no) 1995-01-20
AU4057193A (en) 1993-12-30
IL105815A (en) 2000-01-31
HU9403385D0 (en) 1995-02-28
JPH08501278A (ja) 1996-02-13
AU687734B2 (en) 1998-03-05
TW257674B (ja) 1995-09-21
DE69329026T2 (de) 2001-03-22
NO944537D0 (no) 1994-11-25
ES2147754T3 (es) 2000-10-01
GR3034529T3 (en) 2000-12-29
US5776966A (en) 1998-07-07
EP0642342A1 (en) 1995-03-15
PT642342E (pt) 2000-11-30
FI945586A (fi) 1995-01-27
CA2136447C (en) 2001-06-19
WO1993024127A1 (en) 1993-12-09
ZA933723B (en) 1993-12-15
DK0642342T3 (da) 2000-10-09
NZ252085A (en) 1998-02-26
CZ283846B6 (cs) 1998-06-17
CA2136447A1 (en) 1993-12-09
KR950701522A (ko) 1995-04-28
EP0642342B1 (en) 2000-07-12
HUT78021A (hu) 1999-05-28
MX9303127A (es) 1994-06-30
SK143994A3 (en) 1996-07-03
DE69329026D1 (de) 2000-08-17
FI945586A0 (fi) 1994-11-28
IL105815A0 (en) 1993-09-22
ATE194491T1 (de) 2000-07-15
CZ291894A3 (en) 1995-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3174821B2 (ja) 血液中の選択的な細胞不活性化用医薬組成物
RU2166331C2 (ru) Фотодинамическая терапия для селективной инактивации клеток в крови и для лечения заболеваний с иммунной дисфункцией
CA2144327C (en) Transcutaneous in vivo activation of photosensitive agents in blood
US5945439A (en) Method for destroying or inhibiting growth of unwanted cells or tissues
CA2270558C (en) Treatment of autoimmune diseases by photochemotherapy
US4913907A (en) Porphycene anti-cancer agents and treatment methods
US5015478A (en) Porphycene anti-cancer agents and treatment methods
CA2199400C (en) Photodynamic therapy in selective cell inactivation in blood and treating immune dysfunction diseases

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080406

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090406

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees