JP3172236B2 - 有機スルフイド類の銅腐食性の減少法 - Google Patents

有機スルフイド類の銅腐食性の減少法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、硫黄−含有の極圧剤または抗摩
耗剤、例えばジヒドロカルビルポリスルフィド類および
硫化されたオレフィン類、の銅腐食性の減少に関するも
のである。
【0002】日本公開59−10559は、ジアルキル
ポリスルフィドを硫化ナトリウムの水溶液で30−80
℃において1−5時間にわたり処理する方法を記載して
いる。処理された生成物は減じられた銅腐食性を有する
ことが示されており、そして出願人は該公開出願の中で
銅腐食性における減少はジアルキルテトラスルフィドお
よびジアルキルペンタスルフィドがそれより腐食性の小
さいジアルキルトリスルフィドに転化される化学反応に
よるものであるという彼らの意見を述べている。
【0003】米国特許番号4,827,040は、ジアル
キルポリスルフィド類を元素状硫黄を溶解させることの
できる種々の物質、例えばアルカリ金属、アルカリ土類
およびアンモニウム性塩基類、ヒドロスルフィド類、ア
ルカリ金属亜硫酸塩類、苛性ソーダ、苛性カリ、石灰、
ナトリウム、カリウム、カルシウムもしくはアンモニウ
ムの硫化物類など、で処理する方法を記載している。そ
のような無機処理剤を用いる時の処理は水溶液中で行わ
れ、そして該方法ではジアルキルポリスルフィド類は減
じられた硫黄含有量を有するジアルキルポリスルフィド
類に変換される。この方法の最も望ましい生成物は、特
許権者によると、ジメチルジスルフィドであり、その理
由は天然ガス導管の清掃中の硫黄用の溶媒としてのそれ
の有用性である。
【0004】本発明 本発明は特に、ジアルキルポリスルフィドの銅腐食性を
日本公開59−10559中に記されているNa2Sの
水溶液の使用により得られる水準より低い水準まで減少
させられるという発見を含んでいる。さらに、本発明は
元素状硫黄を溶解させることのできる物質−−すなわち
米国特許番号4,827,040中に記されている型のア
ルキル金属含有およびアルキル土類金属含有物質−−を
使用してジアルキルポリスルフィドの銅腐食性を減少さ
せることができそして溶媒系を変えることによりさらに
低水準の銅腐食性が得られるという発見も含んでいる。
さらに、ジアルキルポリスルフィド類以外のジヒドロカ
ルビルポリスルフィド類および例えば硫化されたオレフ
ィン類の如き他の硫黄−含有物質の銅腐食性も本発明の
実施により効果的に減じられる。
【0005】本発明の一態様に従うと、本発明は潤滑剤
組成物中の極圧添加剤または抗摩耗添加剤として一般的
に使用されている硫黄−含有物質、例えばジヒドロカル
ビルポリスルフィド、硫化されたオレフィンまたは同様
な物質、の銅腐食性を減少させる方法を提供するもので
あり、それは該物質を元素状硫黄を溶解させることので
きる物質を含有しているアルカリ金属−含有またはアル
カリ土類金属−含有物質で処理することからなってお
り、該処理は水および少なくとも1種のケトンの混合物
からなる実質的に均質な液体媒体中で実施される。
【0006】例えば日本公開59−10550および米
国特許番号4,827,040中に記されているものの如
き先行方法と比べると、本発明はジアルキルポリスルフ
ィドを元素状硫黄を溶解させることのできるアルカリ性
無機物質で処理する方法を提供するものであり、改良点
は該処理を水および少なくとも1種のケトンからなる液
体反応媒体中で実施して生じたジアルキルポリスルフィ
ドが減じられた銅腐食性を示すことからなっている。実
際には、以下の実施例で示されているように、本方法の
使用により銅腐食性を同じ最初のジアルキルポリスルフ
ィドを水だけからなる液体媒体中で同じ方法で処理する
ことにより製造される生成物により示される水準より低
い水準まで減少させることができる。
【0007】本発明のさらに別の態様は本発明の処理方
法により製造されるジヒドロカルビルポリスルフィド
(最も好適にはジアルキルポリスルフィド)であり、該
生成物は同じ最初のジヒドロカルビルポリスルフィドか
ら同じ処理方法を使用するがケトンまたはケトン類の混
合物の不存在下で製造された生成物より低い銅腐食性を
示すことにより特徴づけられている。
【0008】本発明のさらに特別な態様は、通常は銅に
対する腐食性を示している硫化されたオレフィン系極圧
剤または抗摩耗剤の銅腐食性の減少を含んでいる。これ
は、そのような極圧剤または抗摩耗剤を元素状硫黄を溶
解させることのできるアルカリ金属−含有またはアルカ
リ土類金属−含有物質で処理することにより行われ、該
処理は水および1種以上のケトンの混合物からなる液体
媒体中で実施される。
【0009】本発明のこれらのおよび他の態様、特徴お
よび利点は以下の記載および特許請求の範囲からさらに
明白となるであろう。
【0010】本発明は、銅に対する過度の腐食性を示す
という不利な性質を有するいずれのジヒドロカルビルポ
リスルフィドおよびいずれの硫化されたオレフィンにも
適用可能であると考えられる。銅腐食性の測定で使用す
るための一般的な試験工程は下記の如くである:約70
×15mmでありそして厚さが約1.25mmである銅
片をスチールウール(0000等級)の使用により清浄
化し、ヘプタンおよび次にアセトンで洗浄し、乾燥し、
そして重量測定して約0.1mgとした。清浄化された
片を試験管中に入れ、そして試験しようとする組成物で
完全に覆い、そして系を121℃の温度に保たれている
油浴により121℃に加熱した。系を121℃に3時間
保った後に、銅片を試験管から除去し、ヘプタンおよび
次にアセトンで洗浄した。乾燥した片を次にアセトンで
湿らされている紙タオルでこすって、銅腐食により生じ
た表面薄片を除去した。次に片を空気乾燥し、そして重
量測定して約0.1mgとした。最初の銅片と試験後の
片との間の重量の差が、試験条件下で銅が腐食された程
度を表している。従って、重量差が小さければ小さいほ
ど、銅の腐食は少ないこととなる。
【0011】本発明は従って、例えば、各場合ともポリ
スルフィド部分の少なくとも一部は少なくとも4個の硫
黄原子を含有しておりそしてここではヒドロカルビル基
がアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアル
キルアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルケニ
ル、などである個々のジヒドロカルビルポリスルフィド
類および2種以上のジヒドロカルビルポリスルフィド類
の混合物に適用することができる。化合物または化合物
の混合物が例えば上記の銅腐食試験において見られるよ
うな銅に対する腐食性を示す限り、そのようなヒドロカ
ルビル基の各炭素数はいくつであってもよく、例えば1
00以上、好適には50以下、最も好適には約18以
下、であってよい。特に好適なジヒドロカルビルポリス
ルフィド類は各アルキル基中の炭素数が3−約18のジ
アルキルポリスルフィド類であり、本発明に従い特に最
適に処理されるポリスルフィド生成物は少なくともジア
ルキルテトラスルフィドおよび/またはジアルキルペン
タスルフィドを含んでいる。
【0012】該方法で使用されるポリスルフィド類のヒ
ドロカルビル基は無害な置換基、すなわち本発明の実施
により多分生じる銅腐食性の減少を妨害または邪魔しな
い置換基、により置換されていてもよい。例えば、ジヒ
ドロカルビルポリスルフィド類のヒドロカルビル置換基
はエーテル酸素原子、チオエーテル硫黄原子、窒素原
子、などを含むことができる。従って、本発明の方法で
使用されるポリスルフィド類にはアルコキシ−アルキル
および(ポリアルコキシ)アルキル−置換されたポリス
ルフィド類、アルキル−チオアルキル−置換されたポリ
スルフィド類、アリールオキシアルキルポリスルフィド
類、ジアルキルアミノアルキルポリスルフィド類、ジア
リールアミノアルキルポリスルフィド類、並びに一般的
には式R−Sn−R′(ここでnの平均値は3より大き
い(好適には3.5以上))のポリスルフィドが包含さ
れる。従って、nに関する平均値は相当変動することが
できるが、一般的には約3.5−約12以上である。こ
の式において、RおよびR′のそれぞれは独立して、炭
素および水素並びに任意に1種以上の酸素、硫黄、窒
素、および/またはハロゲン原子を含有している有機基
(環式または非環式)であり、但し条件として各有機基
は炭素−硫黄結合によりポリスルフィド部分と結合され
ておりそして該化合物は銅に対して腐食性でありそして
本発明に従う処理を受けることができるものである。
【0013】本発明は極圧性質または抗摩耗性質のため
に潤滑剤添加物として一般的に使用されている他の硫黄
−含有物質にも適用可能であり、但し条件としてそのよ
うな物質は上記の銅腐食試験において見られるような充
分な腐食性を示して該腐食性の減少を実行するための処
理を保証するものである。そのような腐食性を示す物質
は例えば、硫化されたオレフィン類、硫化された油類、
および硫化された脂肪酸エステル類の如き種類の物質中
で見られる。硫化されたオレフィン類には、炭素数が約
6までのオレフィン(例えばイソブチレン)またはそこ
から誘導される低分子量ポリオレフィン、例えばジイソ
ブチレン、を硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄、硫化水素
またはそれらの組み合わせを用いて硫化することにより
製造される生成物が包含される。硫化された油類には、
硫化された天然および合成油類、例えば鉱油類およびラ
ード油類、が包含される。硫化された脂肪酸エステル類
は、種々の脂類および油類、例えばトール油、アマニ
油、オリーブ油、ヒマシ油、落花生油、ナタネ油、魚
油、などから製造される。
【0014】本発明の方法で使用されるアルカリ金属−
含有物質またはアルカリ土類金属−含有物質は、元素状
硫黄を溶解させることのできるいずれのそのような化合
物または該化合物の混合物である。米国特許番号4,8
27,040中に多くが記載されているような該化合物
には、アルカリ金属酸化物類、アルカリ金属水酸化物
類、アルカリ金属ヒドロ硫化物類、アルカリ金属メルカ
プチド類、および対応するアルカリ土類金属化合物が包
含される。2種以上の該アルカリ金属−含有化合物の混
合物または2種以上の該アルカリ金属−含有化合物の混
合物または1種以上の該アルカリ金属−含有化合物と1
種以上の該アルカリ土類金属−含有化合物との混合物を
使用することもできる。該化合物の数例は、LiOH、
NaOH、KOH、Na2O、K2O、CsOH、MgO、C
aO、Mg(OH)2、Sr(OH)2、BaO、Ba(OH)2、Na
SH、NaSCH3、NaSC25、NaSC65、KS
H、Na2SO3、K2SO3、Na2S、K2S、などであ
る。公知の如く、上記の酸化物類は水の存在下で水酸化
物類に転化され、従って該酸化物類を使用する時には処
理を行う反応媒体は酸化物と水との相互反応により製造
される水酸化物イオンを含有するであろう。酸化ナトリ
ウム、酸化カリウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化
カリウム、または2種以上のこれらの成分類の組み合わ
せの使用が本発明の好適態様を構成している。他の好適
態様は処理剤としての硫化ナトリウムもしくは硫化カリ
ウムまたは両者の混合物の使用を含んでいる。
【0015】該方法で使用される処理剤の量は広く変え
ることができる。生じる処理された有機硫黄−含有物質
が本発明の処理方法にかけられていない同じ最初の物質
と比べて減じられた銅腐食性を有するようにさせるのに
充分な量を使用することだけが必要である。従って、最
適量は数回の試験を実施する簡単な手段により指示され
た状況下で容易に決めることができる。ほとんどの場合
には、処理工程は100重量部の処理しようとする最初
の有機硫黄化合物当たり少なくとも約15重量部の処理
剤の使用を含んでいる。100重量部の処理しようとす
る有機硫黄化合物当たり約25−約300重量部の範囲
の量の処理剤が代表的なものである。しかしながら、適
切であるかまたは望ましいと思われるならこれらの範囲
からの逸脱も許容可能でありそして本発明の範囲内であ
る。
【0016】本発明の実施において使用される混合溶媒
系の製造においては、種々のケトン類のいずれを使用す
ることができる。従って、飽和非環式脂肪族ケトン類、
不飽和非環式脂肪族ケトン類、脂環式ケトン類、環式ケ
トン類、ジケトンなどの使用を行うことができる。最良
の結果のためには溶媒系中で使用されるケトンまたはケ
トン類の混合物は水中に少なくとも部分的に可溶性でな
ければならないか、または処理工程で使用される主要温
度(類)において水がケトン(類)中に少なくとも部分
的に可溶性でなければならない。水中に混和性であるか
または少なくとも高度に可溶性であるケトン類、例えば
アセトン、メチルケトン、およびジアセトンアルコール
など、が好適である。しかしながら、他のケトン類、例
えばアセトフェノン、2−ヘプタノン、2−ヘキサノ
ン、3−ヘキサノン、メチルイソプロピルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ペ
ンタノン、3−ペンタノン、プロピオフェノン、ジイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、酸化メシチル、イソ
フォロン、イソブチルヘプチルケトンおよび2,4−ペ
ンタンジオン、を使用することもできる。相互溶解性を
得るためには、水中での相対的に低い溶解度または水に
対する相対的に低い溶媒性を有するケトン類を高い水溶
性を有する他のケトンまたはケトン類の混合物と組み合
わせて最も良く使用する。一方、相対的に低い水溶性を
有するケトン(類)を高い水溶性を有する他の溶媒、例
えば低級アルコール類、テトラヒドロフランなど、と組
み合わせて使用することもでき、それにより使用される
処理温度において実質的に均質な液体媒体が供される。
【0017】一般的に述べると、使用されるケトン類は
望ましくは20℃において測定された少なくとも約1重
量%の(そしてより好適には少なくとも約3重量%の)
水中での溶解度を有するものである。最も適しているも
のは、分子中の炭素数が約6までの水溶性ケトン類であ
る。
【0018】上記の如く、本発明の方法は少なくとも主
として1種以上のケトン類および水からなっている液体
反応媒体の中で実施される。混合物が処理剤および有機
硫黄−含有物質に関する充分な溶解度を与えて処理方法
を効率的に且つ有効に進行させることのできる限り、ケ
トン(類)および水の間の相対的割合は広く変えること
ができる。従って一般的に述べると、液体反応媒体は約
5−約95容量%の水を含有しており、残りは1種以上
のケトン類(並びに使用される場合には例えばエタノー
ル、イソプロパノール、またはテトラヒドロフランの如
き相互溶解用の共溶媒)である。
【0019】処理温度は一般的には約35−約150℃
の範囲内、そして好適には約50−約90℃の範囲内、
である。
【0020】本発明の実施法および利点を下記の実施例
によりさらに説明するが、それらは本発明の範囲を限定
しようとするものではない。
【0021】
【実施例】実施例1 ジ−ターシャリー−ブチルポリスルフィドの合成 オレイルアミン(1.3g)を416g(13モル)の
硫黄に加えた。これに4.25時間にわたり合計900
g(10モル、1123mL)のターシャリー−ブチル
メルカプタンを20−30℃において撹拌しながら滴々
添加した。325mLのメルカプタンが加えられた時に
硫化水素の発生速度が遅くなったことが、見られた。さ
らに1.3gのオレイルアミンをこの時点で加えた。メ
ルカプタンの添加が完了した後に、温度を0.5時間に
わたり40℃に高めた。温度を70℃に高め、そしてこ
の温度に1.5時間保った。高真空を適用し、そして温
度を40分間にわたり100℃に高めた。濾過により微
細な黒色沈澱を除去した。透明な黄色の可動性液体生成
物の重量は982.7g(85.7%収率)であった。
【0022】実施例2 水−ケトン媒体中での水酸化ナトリウムを用いるジアル
キルポリスルフィドの処理 300mLの水中に溶解されている66.67gの水酸
化ナトリウムに300mLのアセトン中に溶解されてい
る100gの実施例1の如くして製造されたジ−ターシ
ャリー−ブチルポリスルフィドを加えた。熱を適用し、
そして混合物を約1時間にわたり加熱還流させた。次に
生成物を放置すると、それにより二相が生じた。底の水
相を傾斜させ、そして有機相を100mL量の水で2回
洗浄した。次に有機相を回転蒸発にかけ、それにより8
4.26gのジ−ターシャリー−ブチルポリスルフィド
生成物が生じた。
【0023】実施例1および2からのジ−ターシャリー
−ブチルポリスルフィド類の試料を上記の銅腐食試験
(121℃における3.3時間)にかけた。表Iはこれ
らの結果をまとめたものである。
【0024】
【表1】 表I−銅腐食試験 使用されたジ−ターシャリー− 銅重量損失 銅減少ブチルポリスルフィド mg % 実施例1(未処理) 467.5 −− 実施例2(本発明により処理) 9.6 97.9実施例3(比較例) 水中での水酸化ナトリウムを用いるジアルキルポリスル
フィドの処理 600mLの水中に溶解されている66.67gの水酸
化ナトリウムからなる溶液に100gの実施例1の如く
して製造されたジ−ターシャリー−ブチルポリスルフィ
ドを加えた。混合物を80℃に加熱し、そしてこの温度
に約1時間保った。有機相を分離漏斗により回収し、そ
して100mLの水で洗浄した。生成した有機相(底の
層)を分離し、そして回転蒸発にかけて少量の残存して
いる水を除去した。合計98.21gの曇ったジ−ター
シャリー−ブチルポリスルフィド生成物が得られた。こ
れを濾過して残存している水を除去し、それにより9
3.88gの生成物が生じた。
【0025】上記の工程を使用する別の組の銅腐食試験
(121℃における3時間)は表IIにまとめられている
結果を与えた。
【0026】
【表2】 表II−銅腐食試験 使用されたジ−ターシャリー− 銅重量損失 銅減少ブチルポリスルフィド mg % 実施例1(未処理) 502.6 −− 実施例3(本発明により処理) 491.2 2.3実施例4 水−ケトン媒体中での水酸化ナトリウムを用いる硫化さ
れたイソブチレンの処理 66.7gの水酸化ナトリウムの300mLの水中溶液
に100gの硫化されたイソブチレンおよび300mL
のアセトンを加えた。生じた混合物を加熱還流させそし
て1時間にわたり再還流させた。有機層および水層を分
離し、そして有機層を濾過し、その後に溶媒を回転蒸発
により除去して、91.44gの赤色生成物を生じた。
【0027】この処理された生成物の試料を上記の銅腐
食試験(121℃における3時間)にかけた。さらに、
未処理の硫化されたイソブチレンの試料もこの方法で試
験した。未処理の硫化されたイソブチレンは69.3ミ
リグラムの銅重量損失を与えた。処理された硫化された
イソブチレンに関する重量損失は55.8ミリグラムで
あり、未処理の物質と比べて約20%の減少であった。
【0028】実施例4の工程を硫化されたジイソブチレ
ンにも同等に良好に適用することができた。そして、実
施例2および4の工程をNaOHの代わりにKOHまた
はNa2SまたはK2Sを使用して行うこともできた。
【0029】本発明の処理された生成物は潤滑油用の極
圧添加剤として有用である。それらは潤滑剤中での抗酸
化および抗摩耗性質も示した。
【0030】本発明は付記されている特許請求の範囲の
精神および範囲内においてそれの実施をかなり変動させ
ることができ、ここに記載されている形態はそれの好適
な態様である。
【0031】本発明の主なる特徴および態様は以下のと
おりである。
【0032】1.銅に対して腐食性である有機の硫黄−
含有物質の銅腐食性を減少させる方法において、該硫黄
−含有物質を元素状硫黄を溶解させることのできるアル
カリ金属−含有またはアルカリ土類金属−含有物質で処
理し、該処理を水および20℃において測定された少な
くとも約1重量%の水中での溶解度を有する少なくとも
1種のケトンからなる液体反応媒体中で実施し、それに
より処理された有機硫黄−含有物質が銅に対する腐食性
が小さくなるような方法。
【0033】2.該処理にかけられる有機の硫黄−含有
物質が銅に対して腐食性であるジヒドロカルビルポリス
ルフィドである、上記1の方法。
【0034】3.該処理にかけられるジヒドロカルビル
ポリスルフィドが各アルキル基中の炭素数が少なくとも
3であるが約18以下であるジアルキルポリスルフィド
である、上記2の方法。
【0035】4.該処理にかけられる有機の硫黄−含有
物質が本質的に少なくとも1種のジアルキルトリスルフ
ィド、ジアルキルテトラスルフィドおよびジアルキルペ
ンタスルフィドを含んでいるジアルキルポリスルフィド
からなっている、上記1の方法。
【0036】5.該処理にかけられる有機の硫黄−含有
物質が銅に対して腐食性である硫化されたオレフィンで
ある、上記1の方法。
【0037】6.該処理にかけられる硫化されたオレフ
ィンが硫化されたイソブチレンである、上記5の方法。
【0038】7.該処理で使用される該金属−含有物質
が本質的にアルカリ金属酸化物もしくは水酸化物または
両者からなっている、上記1−6のいずれかの方法。
【0039】8.該処理で使用される該金属−含有物質
が本質的にアルカリ金属硫化物からなっている、上記1
−6のいずれかの方法。
【0040】9.該処理で使用される該金属−含有物質
が本質的に酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸化カ
リウム、もしくは水酸化カリウム、または前記のものの
2種以上の混合物からなっている、上記1−6のいずれ
かの方法。
【0041】10.該処理で使用される該金属−含有物
質が主としてまたは全部が水酸化ナトリウムである、上
記1−6のいずれかの方法。
【0042】11.該処理で使用される該金属−含有物
質が本質的に硫化ナトリウムもしくは硫化カリウム、ま
たは前記のものの混合物からなっている、上記1−6の
いずれかの方法。
【0043】12.該処理で使用される該金属−含有物
質が本質的に硫化ナトリウムからなっている、上記1−
6のいずれかの方法。
【0044】13.該反応媒体中で使用されるケトンが
主としてまたは全部が分子中の炭素数が約6までの水溶
性ケトンまたは該ケトン類の2種以上の混合物である、
上記1−12のいずれかの方法。
【0045】14.該ケトンが20℃において測定され
た少なくとも約3重量%の水中での溶解度を有する、上
記1−12のいずれかの方法。
【0046】15.該反応媒体中で使用されるケトンが
本質的にアセトン、メチルエチルケトン、またはジアセ
トンアルコールからなっている、上記1−12のいずれ
かの方法。
【0047】16.該反応媒体中で使用されるケトンが
本質的にアセトンからなっている、上記1−12のいず
れかの方法。
【0048】17.処理の少なくとも大部分を約50−
約90℃の範囲内の温度において実施する、上記1−1
6のいずれかの方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヨン・フレデリツク・シーバース アメリカ合衆国ルイジアナ州70815バト ンルージユ・モンタレイブールバード 965 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 11/18 C07C 321/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄−含有物質を元素状硫黄を溶解でき
    るアルカリ金属−含有またはアルカリ土類金属−含有物
    質で処理することからなる銅に腐食性の有機の硫黄−含
    有物質の銅腐食性を減少させる方法であって、該処理は
    水及び20℃で約1重量%以上の水中溶解度を有する少
    くとも1種のケトンで構成される液状反応媒体中で実施
    され、これによって処理された有機の硫黄−含有物質は
    銅に対しより少ない腐食性となることを特徴とする
    法。
JP04054792A 1992-01-31 1992-01-31 有機スルフイド類の銅腐食性の減少法 Expired - Fee Related JP3172236B2 (ja)

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