JP3171313B2 - 繊維状固体電解質の製造方法および製造装置 - Google Patents

繊維状固体電解質の製造方法および製造装置

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正 内藤
典明 佐藤
隆司 山岸
繁雄 近藤
高田和典
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/06Manufacture of glass fibres or filaments by blasting or blowing molten glass, e.g. for making staple fibres
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は全固体電池、コンデ
ンサ、固体エレクトロクロミック表示素子等の固体電気
化学素子の電解質として利用される短繊維状硫化物系リ
チウムイオン伝導性固体電解質の製造方法およびその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR、CDプレー
ヤー、ラップトップ型コンピューター、携帯用電話など
のポータブル電子機器が広く一般ユーザーに普及してお
り、これらの電子機器の小型・軽量化が進められてい
る。その中で電池に対する性能向上の要求も高まり、ま
た経済性の観点からも二次電池の期待は大きい。特にリ
チウム電池は高性能の電池システムとして注目され、リ
チウムイオン伝導性固体電解質を用いた全固体化に関す
る研究が盛んに行なわれている。
【0003】このようなリチウムイオン伝導性固体電解
質のひとつとして、Li2S-X(XはSiS2、Ge
2、P25、B23のうち少なくとも一種の硫化物)
系硫化物ガラスが存在する。硫化物系リチウムイオン伝
導性ガラスはガラス化が難しく、超急冷を必要とする。
そのため一般には、硫化物融液を液体窒素中に投入する
か、または高速で回転する1対の冷却ローラーで圧延す
ることにより、融液を超急冷してガラスを作製してい
る。いずれの場合も作製された固体電解質は、通常フレ
ーク状または破片状として得られ、非常に取り扱いの困
難なものとなっている。樹脂等のバインダーを使用し
て、シート状の固体電解質にする方法もあるが、その特
性を充分に発揮させることができていない。
【0004】そこでリチウムイオン伝導性固体電解質
を、遠心法、吹き付け法などより短繊維状に成形し、こ
れを加圧成形して不織布としたり、ロッド法、ポット法
などにより長繊維状に成形し、これを織布にすることに
より、高い可撓性を有し加工性に優れている繊維状固体
電解質シートが提案されている(特開平6−27531
1号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記吹き付け法で繊維
を作製する方法として、ガラス原料を坩堝中で加熱熔融
し、坩堝のノズルより流下するガラス融液に液体窒素か
ら発生させた高圧窒素を吹き付けることが行なわれてい
る。
【0006】この方法において、坩堝のノズルよりガラ
ス融液を流下させるが、硫化物系リチウムイオン伝導性
ガラスは金属のように表面張力が大きく、スムーズな流
下が起こらない。すなわち流下量が多くすると、急冷す
ることが困難で繊維化のみならず、ガラス化することが
難しくなる。また、流下量を少なくすると断続的な液滴
の落下が起こり、その滴下融液に高圧窒素を吹き付けて
も、繊維に引き延ばすための支点が存在しないため、ほ
とんどが繊維にならず、フレーク状ガラス、ボール(球
状ガラス)、ショット(所望の直径よりも非常に太い繊
維)などになってしまう。
【0007】その他の繊維形状物を作製する方法とし
て、上記遠心法は、回転するディスクあるいはスピナー
の周辺の穴または突起から、遠心力によって融液を吹き
出す製法であり、この遠心法は上記吹き付け法と同様の
理由で、固体電解質硫化物ガラスを繊維にするには適し
ていない。
【0008】本発明は、前記従来技術の問題点を解決
し、フレーク状ガラス、ボール、ショットなどの欠点の
ない、短繊維状硫化物系リチウムイオン伝導性固体電解
質を連続的に製造すること、およびその装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器内で固体
電解質を所定温度で熔融し、前記容器端部に設けられた
開口部から前記固体電解質の熔融物を不活性ガス雰囲気
中に流出させ、前記開口部の周りに周方向に間隔を置い
て配置した少なくとも3本の気体噴出ノズルから、前記
温度よりも少なくとも500℃低い温度の不活性ガスの
高速気体流を、その気体流の各々が、前記熔融物の中心
軸線を横断する断面の外周に沿う接線方向の成分と、前
記熔融物の流出方向に向ってまず前記熔融物の中心軸線
に徐々に接近し次に前記中心軸線から徐々に離れていく
成分とを有するように吹き出させ、それにより、前記熔
融物の流出流れを引き伸ばしながら急冷することを特徴
とする繊維状固体電解質の製造方法である。
【0010】旋回ガスジェット法は、融液の円柱状流外
周の接線方向にガスジェットを吹き付け、ガラス融液を
高速で旋回させ、細い糸状物質とし、それを遠心力によ
って引き出す方法である(特公昭58−57374
号)。この方法は、大きな熱的エネルギーを必要とせ
ず、グローブボックスなどの不活性雰囲気中で使用する
ことが簡単であり、ガスジェットも不活性ガスとするこ
とができるため、短繊維状硫化物系リチウムイオン伝導
性固体電解質の作製に適している。また、旋回不活性ガ
スジェットで作られる遠心力によって融液を引き出すた
め、金属のように表面張力が大きい硫化物系リチウムイ
オン伝導性ガラスの繊維化に適している。
【0011】そこで本発明ではガスノズル部と坩堝の間
を断熱し、低温ガスジェットを吹き付け、ガラス融液と
ガスジェットの温度差を少なくとも500℃に保つこと
により、連続的にガラス熔融物を流出させながら急冷、
ガラス化を行ない短繊維状硫化物系リチウムイオン伝導
性固体電解質を作製する。
【0012】本発明においては、まず固体電解質の熔融
物を連続的に流出または放出させる。この熔融物の流出
は坩堝またはポット内に固体電解質を熔融し、坩堝の一
端に設けた熔融物ノズルまたは開口部から引き出すこと
による。熔融に用いる坩堝は金属、合金、カーボン素
材、アルミナ等のセラミックスなどが挙げられるが、該
固体電解質と反応または該物質によって腐食しないよう
な素材として、カーボン製のものが好適に用いられる。
【0013】熔融方法は容器が導電性の材質であれば、
その容器に直接通電して電気抵抗加熱する方法でも良い
し、容器の周囲に加熱熔融するための発熱体、例えば白
金電気抵抗加熱体を設置した間接加熱方法でもかまわな
い。坩堝とガスノズルは一体型でも良いし、分離された
ものでも良い。固体電解質の物性と、坩堝またはガスノ
ズル形状の加工性などによって適切に選択することがで
きる。
【0014】熔融温度は熔融物によって異なるが、硫化
物系リチウムイオン伝導性ガラスの場合は、通常800
〜1200℃の温度で加熱熔融する。
【0015】熔融物は坩堝の一端に設けた熔融物ノズル
から、糸状をなして連続的に流出させる。糸状熔融物の
流出直後の断面直径は、保持温度における熔融物の粘性
および表面張力並びに熔融物ノズル先端の直径などに依
存するが、0.1〜10mmであることが好ましい。
0.1mm未満であると固体電解質を連続的に流出また
は放出させることが困難であり、10mmを越えると固
体電解質を短繊維化することが困難になる。より好まし
い糸状熔融物の流出直後の断面直径は、0.3〜3mm
である。熔融物は、通常坩堝下部に設けたノズルから下
向きに引き出されるけれども、坩堝のノズルを上向け、
水平方向または傾斜させてもよく、熔融物をそのノズル
から任意の方向に引き出してもよい。熔融物ノズル先端
の直径(内径)は、0.2〜15mmにすることが好ま
しく、より好ましくは0.5〜4mmである。
【0016】次に流出した熔融物の進行に沿う区域にお
いて、熔融物に対してガス流を接触させる。このガス流
は、進行する熔融物の中心軸を横断する断面の外周の接
線方向成分と、前記熔融物の流出方向に向ってまず前記
熔融物の中心軸線に徐々に接近し、次に前記中心軸線か
ら徐々に離れていく成分とを有するものであり、熔融物
が外力によって横方向に変位すること、すなわち中心軸
から半径方向外側に向かって変位することを妨げるよう
なものであればよい。このガス流は、単一の方向にのみ
ガスを噴出させるガスノズルを用いる場合には、少なく
とも3個の個数のガスノズルを熔融物流出口の周囲に間
隔を置いて配置させる。熔融物をガス流の中に閉じ込め
るためには、各ガスノズル中心軸間の角度は、熔融物中
心軸に垂直な面では180度より小さいことが必要であ
り、135度より小さいことが好ましく、60〜120
度であることがさらに好ましい。ガスノズル個数は3〜
6個が好ましい。
【0017】熔融物は、上記ガス流の中に閉じこめられ
て円錐形に保たれ、その先端はその中心軸線の周りに自
転しながら徐々に細まり、その後、渦巻き状に飛び出
し、中心軸線から徐々に離れていくガス成分により引き
伸ばされて繊維を形成する。
【0018】熔融物ノズルの中心軸に垂直な仮想平面と
ガス噴出ノズルの中心軸とがなす角度は20〜70度に
保つ。この角度が小さすぎるても大きすぎても、熔融物
をガス流の中に閉じ込めることができなくなって、フレ
ーク状ガラス、ボール、ショットなどの欠点が多くな
る。好ましい角度は35〜55度である。この範囲の中
で角度が小さいほど形成される繊維の曲がりが大きくな
り、この繊維を積重して形成したシートの弾力性が大き
くなるので好ましい。
【0019】ガス流を作る不活性ガスとしては、窒素、
ヘリウム、アルゴンなどが用いられるが、不活性ガス中
の酸素濃度は1000ppm以下であることが望まし
い。不活性ガス中に1000ppmを越える酸素ガスが
存在すると、繊維化中または繊維化後の硫化物系リチウ
ムイオン伝導性固体電解質中の硫化物で形成された3次
元的ネットワーク構造中に、酸化物のネットワークが形
成されイオン伝導率が低下する。
【0020】ガス流速としては、200〜1000m/
secであることが好ましい。200m/sec未満で
あると、熔融物を充分に延伸することができず、要望す
る短繊維を得られない場合がある。また、1000m/
secを越えると未繊維化物欠点の割合が多くなると共
に、後述のグローブボックス内での吹き付けを考える
と、グローブボックスの機械的強度を高くしなければな
らないという問題を生じるようになる。
【0021】吹き付けガス温度は、融液の温度より50
0℃以上低くする。その温度差は、大きい方がより好ま
しい。すなわち熔融ガラスの温度が800℃である場
合、吹き付けガス温度は300℃以下であることが望ま
しく、さらには100℃以下(融液の温度より700℃
以上低い)であることが望ましい。この温度差が500
℃未満であると、流出した融液がガスジェットにより引
き伸ばされても、まだ冷却が不十分であるために、その
表面張力により球状ガラスになってしまったり、ガラス
化が行なわれなくなる。このように冷却速度を大きくす
るために、できるだけ低温ガスを吹き付けることが好ま
しい。
【0022】上記低温ガスを吹き付けると、そのガスを
通過させる金属製の噴出ノズルが冷却され、噴出ノズル
に連接された坩堝先端も冷却され、そこを通過する融液
の温度が低下して粘性が高くなって流出が困難になる。
これを解決するために、坩堝とガスノズルの間を断熱す
るが、その方法は坩堝とガスノズルの間に0.5〜10
mmの間隙を設けてそこを空間にしても良く(この空気
が断熱材料となる)、その間隙に固体の断熱材を挟んで
も良い。断熱材は使用温度に耐えるものであれば限定さ
れるものではなく、アルミナやシリカ等のセラミック系
不織布、断熱レンガなどが挙げられる。
【0023】前記流出オリフィスから流出し、不活性ガ
スの旋回ジェットにより繊維化された繊維状固体電解質
は、それを収集する収集具の上に積み重ねられる。
【0024】上記繊維化装置(前記容器および前記噴出
ノズル)および収集具は、不活性雰囲気中に維持させる
ために箱(グローブボックス)の中に収納する。グロー
ブボックスは通常市販されているようなもので良いが、
不活性気体噴出ノズルから発生する多量のガスを排出す
るための、不活性ガス排出口をグローブボックスに設け
る必要がある。大きさは固体電解質を熔融する坩堝、発
熱体が収納できる大きさであれば問題はない。またグロ
ーブボックス内を、低湿度の不活性雰囲気に保つため
に、外部から不活性ガスを導入するための不活性ガス流
入口を、グローブボックスに設けることが好ましい。
【0025】上記方法によって、融液を急冷しなければ
ならないということと、融液の出口では熔融点以上の温
度を維持しなければならないという相反する問題を解決
し、連続的にガラス熔融物を流出させながら急冷、ガラ
ス化を行ない、通常の方法では作製の困難な短繊維状硫
化物系リチウムイオン伝導性固体電解質を作製すること
ができる。またこの方法によれば、作製された繊維の直
径が小さいため、他のガラス作製方法と比べて急冷する
ことが可能で、そのためムラの無い均一なリチウムイオ
ン伝導性固体電解質を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に実施例について説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。
【0027】
【実施例1】図1および図2に示すような装置を用い
て、Li2S-SiS2 系ガラスの繊維化を行なった。前
記ガラスにおいては金属に対する腐食性が強いため、熔
融用の坩堝としてカーボン製坩堝1を用いた。その周り
を白金ヒーター2で包み、約1000℃にて間接加熱し
た。カーボン製坩堝1の先端部(熔融ガラス流出部)に
は内径約1.0mmのガラス流出口11が設けられ、そ
こから流出する熔融ガラスを繊維化するための旋回ガス
ジェットノズル3をガラス流出口11の周りに取り付け
た。
【0028】旋回ガスジェットノズル3は図2に示され
るように、圧縮された不活性ガスが流入口12からリン
グ状導管を通じてつながっている旋回ガスジェット噴出
用ノズル4(噴出口10)に送られ、それらの噴出口
が、前記ガラス流出口から流出する熔融ガラスの中心軸
線を横断する断面の外周に沿う接線方向の成分と、熔融
ガラスの流出方向に向かって、まず該流出流れの中心軸
線に徐々に接近し、次に該中心軸線から徐々に離れてい
く成分とを有する方向を指向して、ガラス流出口11の
周囲にほぼ対称に旋回ガスジェット噴出用ノズル4が6
個配置されている。なお、熔融物ノズルの中心軸に垂直
な仮想平面とガス噴出ノズルの中心軸とがなす角度は約
40度であった。
【0029】固体電解質流出ノズル11近辺で、ガラス
の熔融物を連続的に流出させながら流出した熔融物の進
行に沿う領域において、熔融物に対して横断面外周の接
線方向成分と熔融物の進行方向に向かってガス流を作製
する。
【0030】このガス流によって、熔融物を限定された
位置に閉じ込めながら進行方向の中心軸の周りに回転さ
せ、固体電解質の繊維を連続的に作製する。
【0031】カーボン製坩堝1とガスジェットノズル3
の断熱には、図3に示すように断熱材12を用いた。使
用した断熱材は、厚みが約1mmのアルミナ−シリカ系
不織布である。図1における旋回ガスジェットノズル3
の下方には、作製されたガラス短繊維5を捕集する繊維
収集容器6を設けた。また、不活性雰囲気を維持する為
に図1に示すグローブボックス9を用い、ボックスの不
活性ガス流入口7から不活性ガスを毎分4000cm3
の割合で流入しておく。旋回ガスジェットノズル3から
は大量の不活性ガス吹き出されるため、不活性ガス吹き
出し口8から余剰のガスを排出する。本実施例で使用し
たボックスの不活性ガス流入口7から流入させる不活性
ガス、および旋回ガスジェットに用いる不活性ガスは共
に窒素ガスであり、旋回ガスジェット噴出用ノズル4か
ら吹き出された窒素ガスの温度は約20℃であった。
【0032】以上の方法によって、長さ10mm程度、
直径1μm程度で、曲がり比率約2.5のLi2S-Si
2 系ガラスの短繊維を連続的に得ることができた。こ
の曲がり比率はその繊維を直線に引き伸ばしたときの長
さと、曲げられた状態の繊維の両端間の距離との比率で
あり、ランダムに採取した100本の繊維状固体電解質
を一本づつ100倍の光学顕微鏡で繊維の曲がりに沿う
長さPi(真っ直ぐに伸ばしたときの長さ)、繊維の直
径Diおよび繊維の両端間の距離Qiを測定し、Piと
Diの値から各繊維状固体電解質の重量Wiを計算し
て、曲がりの比率Bは(Pi/Qi)Wiの合計値をW
iの合計値で除した値で定義する。
【0033】繊維収集容器6に代えて、走行ベルト方式
の集綿装置を設置した。この集綿装置により、上記の旋
回ガスジェット法で短繊維を集積してシートを形成し
た。得られたシートは、長さ数mm〜数cm(平均長さ
約10mm)、直径1μm〜10μm(平均直径約3μ
m)、曲がり比率約2.5の短繊維から構成される厚さ
200μm程度のシートであった。このシートは、88
%の空隙率と0.22g/cm3のみかけ密度を有して
いた。
【0034】この硫化物系リチウムイオン伝導性固体電
解質シートは引張り強度も強く、かつ充分な可撓性を有
し、シートの厚み方向に1440g/cm2 の荷重を掛
けると厚さ100μm程度に収縮し、荷重を解除する
と、もとの厚さに戻る弾力性を有するものであった。そ
してシート厚み方向のヤング率を測定すると、360g
/cm2であった。
【0035】作製された固体電解質シートのイオン伝導
率を、以下に述べる交流インピーダンス法により測定し
た。まず、作製された固体電解質シートを直径10mm
の円盤状に切り抜いた。この円盤の両面に同じく直径1
0mmのPt板を、シートの厚み方向に0.9kgの荷
重を掛けて固体電解質シートの厚みが100μmになる
ように、圧接してインピーダンス測定用の電極とし、イ
オン伝導率測定用セルを構成した。交流インピーダンス
は、ベクトルインピーダンスアナライザにより、10m
Vの交流(周波数値は10mHz〜1MHz)を入力し
て測定した。その結果得られた固体電解質シートのイオ
ン伝導率は、3.5×10-4S/cmであった。
【0036】
【実施例2】実施例1おける図3の断熱材12の代わり
に、カーボン製坩堝1とガスジェットノズル3の間に図
4に示すような、間隙が約1mmの空間13を設けた。
その他は実施例1と同様に、図1に示すような装置を用
いてLi2S-SiS2 系ガラスの繊維化を行なったとこ
ろ、実施例1で得られたと全く同等の短繊維を連続的に
得ることができた。
【0037】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によって融液
の急冷と融液の出口では熔融点以上の高温を維持しなけ
ればならないという相反する問題を解決し、通常の方法
では作製の困難な短繊維状硫化物系リチウムイオン伝導
性固体電解質を、連続的に作製することができる。
【0038】本発明で得られた均一な短繊維状固体電解
質の場合、素材そのものに柔軟性があるため、粉末の場
合と異なりペレット状に成形する必要がなく、シート、
マットなど様々な形状に加工しやすい。さらにはその結
果として薄型化、大面積化も容易となり、生産性も向上
させることができる。また、繊維径、繊維長を自由にコ
ントロールできるため、それに応じて特性も変化させる
ことができる。
【0039】また従来の粒子をパッキングした場合に
は、粒子間での接触抵抗が高くなることが予想される
が、本発明における繊維形状では、粒界のようなものは
存在せず、単一繊維内をリチウムイオンが移動できるた
め、イオン伝導率の高い固体電解質シートを作製するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用した装置の概念を示す側
面図。
【図2】図1の一部分を拡大した平面図。
【図3】図1の一部分を拡大した側面図。
【図4】本発明の他の実施例で使用した装置の一部分を
拡大した側面図。
【符号の説明】
1・・・カーボン製坩堝 2・・・白金ヒーター 3・・・旋回ガスジェットノズル 4・・・旋回ガスジェット噴出用ノズル 5・・・短繊維状硫化物系リチウムイオン伝導性固体電
解質 6・・・繊維収集容器 7・・・不活性ガス流入口 8・・・不活性ガス吹き出し口 9・・・グローブボックス 12・・断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01G 9/032 H01G 9/02 321 (72)発明者 山岸 隆司 三重県津市高茶屋小森町4902番地 日本 硝子繊維株式会社内 (72)発明者 近藤 繁雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 高田和典 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 岩本和也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−275311(JP,A) 特開 昭52−25113(JP,A) 特開 平4−175241(JP,A) 特開 昭62−226835(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/36 C03B 37/00 - 37/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内で固体電解質を所定温度で熔融
    し、前記容器端部に設けられた開口部から前記固体電解
    質の熔融物を不活性ガス雰囲気中に流出させ、前記開口
    部の周りに周方向に間隔を置いて配置した少なくとも3
    本の気体噴出ノズルから、熔融ガラスの温度よりも少な
    くとも500℃低い温度の不活性ガスの高速気体流を、
    その気体流の各々が、前記熔融物の中心軸線を横断する
    断面の外周に沿う接線方向の成分と、前記熔融物の流出
    方向に向ってまず前記熔融物の中心軸線に徐々に接近
    し、次に前記中心軸線から徐々に離れていく成分とを有
    するように吹き出させ、それにより、前記熔融物の流出
    流れを引き伸ばしながら急冷する方法であって、前記不
    活性ガス中の酸素濃度が1000ppm 以下である
    とを特徴とする繊維状固体電解質の製造方法。
  2. 【請求項2】 固体電解質熔融物を収容する容器と、そ
    の容器の端部に設けた前記熔融物を流出させるための開
    口部と、該開口部の周りに周方向に間隔を置いて配置し
    た少なくとも3本の気体噴出ノズルと、繊維化された固
    体電解質を収集する収集具を備え、前記気体噴出ノズル
    の各々は、それらの噴出口が、前記熔融物の中心軸線を
    横断する断面の外周に沿う接線方向の成分と、前記物質
    の流出方向に向ってまず前記物質の中心軸線に徐々に接
    近し次に前記中心軸線から徐々に離れていく成分とを有
    する方向を指向して設けられている短繊維状固体電解質
    の製造装置であって、前記容器と前記気体噴出ノズルの
    間に断熱材料を介在させており、そして前記容器、前記
    噴出ノズルおよび前記収集具が不活性ガスで満たされた
    箱中に設けられていることを特徴とする短繊維状固体電
    解質の製造装置。
JP31385395A 1995-12-01 1995-12-01 繊維状固体電解質の製造方法および製造装置 Expired - Fee Related JP3171313B2 (ja)

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