JP3166108B2 - 冷却剤のパージおよび回収をする冷却方法 - Google Patents

冷却剤のパージおよび回収をする冷却方法

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JP3166108B2
JP3166108B2 JP24842091A JP24842091A JP3166108B2 JP 3166108 B2 JP3166108 B2 JP 3166108B2 JP 24842091 A JP24842091 A JP 24842091A JP 24842091 A JP24842091 A JP 24842091A JP 3166108 B2 JP3166108 B2 JP 3166108B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2345/00Details for charging or discharging refrigerants; Service stations therefor
    • F25B2345/002Collecting refrigerant from a cycle

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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却方法に関するもの
である。特に本発明は、冷却剤/空気混合物を冷却サイ
クルからパージしそして膜分離工程により処理して冷却
剤を回収し、大気汚染を抑制するようにした、冷却方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷却は、冷やす目的のために機械的なあ
るいは熱活性化した装置類を使用して行うものである。
冷却は通常、実用装置の製作が可能であるように適当な
圧力および温度において蒸発および濃縮する液体を冷却
剤として使用することにより、逆Carnotサイクル
においてなされる。気体圧縮冷却サイクルにおいては、
代表的な例として、気体を圧縮し、ついでこれを空気ま
たは水で冷却して濃縮し、さらについで膨張バルブを通
して低圧でしかもそれに相応した低温状態に膨張させ
る。この冷却剤をついで蒸発させることにより冷却がお
こなわれる。吸収冷却サイクルにおいては、高圧の気体
を低圧の領域内に膨張させても冷却がおこなえる。こう
して得られた低圧気体は水中に吸収され、ついで分離装
置により高圧において水中から分離される。
【0003】適当な条件下において冷却剤として使用可
能な多くの液体が知られている。冷却剤は一般に、それ
らの毒性および可燃性によって、三つのグループにわけ
られる。第三番目のグループの冷却剤は毒性および可燃
性が高く、したがって例えばその冷却剤がその場で化学
方法生成物として得られしかもその存在の危険性がそれ
を使用することにより激化しないような特殊な環境にお
いてのみ使用されるものである。そのような冷却剤の例
としては、メタン、プロパンおよびブタンのような炭化
水素があげられる。第二番目のグループの冷却剤は毒性
および可燃性がわずかなものであり、その例としては、
なお広い範囲で使用されているアンモニア、ならびに二
酸化硫黄があげられる。第一番目のグループの冷却剤は
非毒性および非可燃性のものであり、したがってこれは
最も広範な冷却目的に広く使用されるものである。第一
番目のグループの冷却剤の多くは、その構造中に一個ま
たはそれ以上の塩素、フッ素または臭素原子を含有する
ハロゲン化炭化水素である。例えば、工業用冷却装置は
大量のCFC−12およびそのほかの塩化フッ化炭素
(CFC)を使用する。そしてこれらは非毒性でありま
た非可燃性であるが、いまや重大な環境破壊をひきおこ
すと考えられている。
【0004】冷却は閉サイクル又は開サイクルのいずれ
かとして行うことができる。開サイクル操作はほとんど
の化学方法工業において使用されている。この方法は、
冷却剤としても使用できる生成物を化学方法において作
り出す利点がある。例えば、天然原料ガスを冷却しそし
て圧縮することにより取り除いた天然液体ガスは冷却サ
イクルにおいて膨張させてその原料ガスの温度を更に低
くし、そしてより重い炭化水素を回収することができ
る。アンモニア合成プラントにおいては冷却アンモニア
保存タンクへの生成物流を使用する。
【0005】その外のほとんどの工業用途においては、
閉サイクル冷却装置が使用されている。冷却剤は実質的
に閉ループ中にいれてあり、ここでその冷却剤は高圧気
体から高圧液体、低圧液体、低圧気体へと循環する。こ
の系の低圧の蒸発部分はその冷却剤の熱力学的性質およ
び冷却温度に依存して、大気圧であってもよくあるいは
大気圧より低い圧力であってもよい。実用的理由から、
CFC冷却剤を使用する冷却系は2ー5psiaという
低い蒸発圧力で操作されることが多い。
【0006】冷却系の大部分は亜大気圧であるので、そ
の低気圧側から空気が入り込む。空気の進入は大型の工
業用冷却期においてはほとんど不可避的であり、したが
って気体状冷却剤で汚染された空気を定期的に系からパ
ージしなくては成らない。従来のパージ系では冷却剤お
よび空気を含むガス流をそのサイクルの高圧側から取り
だしていた。その冷却剤損失をすくなくするためにこの
ガス流を高パージ圧に保持しそしてついで、例えば−5
0°F又はそれ以下の温度に冷却する。低温冷却剤はこ
の冷却を行うのに都合よく使用できる。こうした条件下
に、このガス流中に含まれる冷却剤の体積は濃縮されて
冷却装置に戻される。残りは大気中に放出される。この
パージ操作を行う頻度と程度はエネルギー的なまた経済
的な側面から決定すればよい。ループ中の空気含有量を
長期間にわったて増加状態にしておくと、系中の空気の
分圧が高くなる。その結果、冷却剤の分圧を適当なレベ
ルに保持するのに必要なコンプレッサーの全圧はより高
くなり、そしてエネルギー消費量とコストもそれに伴い
増加する。
【0007】冷却装置中の空気含有量は、連続パージを
行うことにより一定の低いレベルに保つことができる。
例えば、パージガスを冷却すると、90%又はそれ以上
の冷却剤を濃縮によりパージ流から回収することができ
る。それでも環境中に放出される空気は15%もの冷却
剤を含んでいる。実質的に冷却剤の損失がないような圧
力および温度条件に於てパージガス処理濃縮装置を運転
すると濃縮装置に過剰の重負荷がかかり、過剰のエネル
ギーを消費し、そして経済的に実施不可能となる。大気
中へのCFC放出を厳しく抑制しあるいは禁止する必要
性は世界中で認められ、そしてますます切迫した法規制
のテーマとなっている。CFC冷却剤はそれらが環境上
受け入れることができないものである上に、ますます高
価なものと成っている。冷却装置放出物は重大な環境問
題をもたらし、また資源の浪費でもある。5%以上のC
FCを含む10scfm濃縮装置放出流は、例えば、食
品および薬品産業全体において見られる多くの代表的な
ものである。このような放出物は、0.16lb/分、
すなわち、約80,000lb/年のCFC損失に相当
する。全国的規模では何百もの工業用冷却プラントが使
用されておりこれらを総計すると、この損失の割合はC
FC汚染の大きな源となりまた資源の浪費ともなる。こ
のため、CFC放出を厳しく減少させあるいは無くすよ
うな冷却技術の改良が急務である。更に厳しく言えば、
同様のことがその他の冷却剤にも当てはまる。冷却サイ
クルの操作にたいして逆効果であるという理由から、該
サイクルの空気含有量をできるだけ低く保持するための
改良法も又必要である。
【0008】濃縮の外に種々の手段を用いて冷却操作か
らのパージ流を監視し、そして/または処理する試みが
なされてきた。例えば、Loflandの米国特許第
4,485,286号には冷却装置パージ流からCFC
を回収するための蒸留法が記載されている。又、Zin
smeyerの米国特許第4,531,375号には冷
却装置パージ系を監視しそしてパージガスの過剰の放出
を補正する手段を含む冷却系が記載されている。Nie
ssの米国特許第4,484,453号には、アンモニ
アを濃縮する温度を関知することにより、アンモニア冷
却装置中の非濃縮ガスをあらかじめ定めた濃度に制御す
る方法が記載されている。
【0009】選択透過性膜の使用によりガス又は気体混
合物を分離できることは何年も前から知られていた。そ
して膜を使用したガス分離システムが多くの分野におい
て従来の分離技術にとって変わろうとしている。膜は空
気から有機又は無機の気体を分離する能力を持っている
ことが知られている。例えば、本発明を共有する米国特
許第4,553,983号は、高い有機選択性を有する
膜を使用して、低濃度(2%以下)の有機気体を含有す
る空気流を空気から分離する方法を記載している。又、
Aineの米国特許第3,903,694号は、エンジ
ン排気ガス中の非燃焼炭化水素をリサイクルするための
濃縮作動膜法を記載している。Jonesの米国特許第
2,617,493号は、濃縮炭化水素供給流からの窒
素の分離を記載している。本発明を共有する米国特許出
願中(Ser.No.327,860)の明細書は、C
FCのようなフッ素化炭化水素を含有する空気又はその
他のガス流を処理する膜分離法を記載している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷却サイク
ル、冷却装置から空気又はその他の非濃縮性のガスを除
去するパージ操作、および冷却剤を回収するための膜分
離システムによるパージガス処理の組合せを含んでな
る、改良冷却方法に関するものである。
【0011】冷却サイクルは、冷却剤を例えば気体圧縮
又は吸収により低温にする閉サイクル操作で行うことが
好ましい。この冷却サイクルは、(a)単一サイクル中
を循環する単一の冷却剤を使用する、単一サイクル、
(b)一個より多くの圧縮/膨張サイクルを使用し、た
だし通常の冷却剤をそれらのサイクル中に循環させるよ
うな、複合サイクル、あるいは、(c)一連の異なる冷
却サイクルを使用して順次低温を達成する様な、カスケ
ードサイクル、のいずれの形態をも取りうる。
【0012】又、当分野におい公知のいかなる冷却剤も
使用することができ、例えば、アンモニア、二酸化硫黄
又は二酸化炭素のような無機化合物、プロパン、ブタ
ン、エチレン又はプロピレンのような飽和又は不飽和炭
化水素、ならびに多くの塩化フッ化炭素(CFC)や水
素化塩化フッ化炭素(HCFC)のようなハロゲン化炭
化水素をあげることができる。パージ操作の目的は、冷
却系に混入した空気又はその他の非濃縮性のガスを除去
することである。冷却剤と一緒に循環する空気の量は極
めて低いレベルに保持することが望ましい。その理由
は、気体状冷却剤中に空気が存在すると圧縮装置を必要
以上の高圧で操作しなくてはならなくなるからである。
系中の空気のレベルが高くなると、系はますます非能率
的と成る。パージ操作では気体状冷却剤の一部を連続的
にまたは周期的に取りだすことも行う。例えば、気体状
冷却剤は、サイクルの高圧気体部に接続されていてそし
て系中の圧力がある一定の値を越えると自動的に開くよ
うな圧力作動バルブを通して取り出すことができる。こ
のパージ気体は、例えば1%より少ないような非常に少
量から、例えば5%,10%,15%又はそれ以上のよ
うな多い割合の、非濃縮性のガスを含有していてもよ
い。
【0013】パージ流の処理は、できるだけ大量の冷却
剤を回収し、そしてこのパージ流を環境に悪影響を及ぼ
すことなく大気中に放出できるくらい十分にきれいな残
留空気流とすることができるように設計する。パージ流
の処理操作は、冷却剤にたいして選択的に透過性のある
膜を通してパージガス流を透過させることにより冷却剤
と空気を分離することにより行う。こうして冷却剤は膜
を透過した流中に濃縮され、したがって、透過しなかっ
た残流物流中の冷却剤の量はこれに相応して減少するこ
ととなる。膜を透過させるための駆動力は、その供給側
と透過側との圧力差によるものである。パージ流が通常
の様にサイクルの高圧部から取り出される場合は、膜透
過に必要な駆動力をさらに加えることはない。まく分離
工程により供給流に比べて冷却剤に富んだ透過流と、冷
却剤を含有しない残留流とが生成する。
【0014】供給流、透過流および残留流中の冷却剤お
よび空気の相対割合に関しての上記工程の効率は、多く
の要因、例えば、圧力差、膜の選択性、膜を透過する供
給流の割合、および膜厚、によって決定される。本発明
は、広範な濃度の冷却剤を含む供給流に適応できる。膜
の選択性があまり高くない場合でも効果的な膜分離が可
能である。一つの可能な具体的態様として、この工程で
はさらにそれを冷却および/又は圧縮することによりそ
れから純水な液状冷却剤を回収できる透過流を作り出す
ことができる。この液状冷却剤は、ついで冷却サイクル
にその液体部に戻してもよい。別の所望の態様として
は、透過ガスを直接冷却サイクルにその低圧気体側に戻
すこともできる。
【0015】膜透過工程は多くの可能な方法によって行
うことができ、例えば、単一膜を使用する方法や、二個
又はそれ以上のユニットを順流又は向流配置したアレイ
を使用する方法がある。適当に設計した膜分離法を使用
して、膜系への供給流の冷却剤含量の80%ないし90
%またはそれ以上を除去し、そしてごくわずかな痕跡量
の冷却剤を含む残留流を作りだすことができる。代表的
な例として、透過流は例えば供給流に比べて5倍ないし
100倍に濃縮される。
【0016】以上は、空気から冷却剤を分離するのに使
用する膜が冷却剤に対して優先的に透過性を有する場合
の本発明の態様を説明したものである。本発明の別の態
様として又、膜が空気に対して選択的に透過性である場
合も可能である。この場合は、非透過性の残留流は冷却
剤に富んだものとなる。この操作法の特別な利点として
は、膜の選択性、冷却剤の性質、及び操作パラメターに
応じて、冷却剤選択性膜のオプション装置を使用して経
済的に達成可能な冷却装置中のかなり低くした空気レベ
ルを保持することができることである。又この場合は、
まく分離工程は単一のまたは複数の操作として行うこと
もできる。
【0017】冷却剤選択性膜を使用する場合は、本発明
の一つの好ましい態様としては、パージガスを膜分離ユ
ニットに導入するまえに濃縮装置を通過させるパージガ
ス処理工程を行う。パージガス流は前もって濃縮により
処理され、そしてこの目的のために多くの工業用冷却装
置にはあらかじめすでに濃縮装置をそなえつけてある。
冷却装置から取りだされたパージガスは普通、例えば1
00psi程度の高圧であり、したがって、単にそのパ
ージガスを冷却するのでは冷却剤の部分が濃縮により析
出することがある。従来の冷却装置に取り付けてある濃
縮ユニットはそこを通過する冷却剤の約90%までを除
去することができるものである。この濃縮装置に膜分離
ユニットを接続させるとその濃縮装置による除去の程度
をより高めることを容易に行うことができる。この濃縮
装置はそれほど低い温度で操作する必要がないので、エ
ネルギーおよびコストの節約ができ、そしてなおかつ冷
却剤のほとんど完全な回収もできる。この膜系は、例え
ば、濃縮装置からの冷却剤の90ないし95 %を除去
することができる。このようにして、濃縮装置および膜
分離装置の組合せにより、濃縮装置のみの場合よりもよ
り高い冷却剤回収率を達成することができる。例えば、
濃縮工程での冷却剤の除去率を50%とし、そして冷却
剤の80%を除去できる膜分離工程をその濃縮工程に引
き続いて行うとすると、この方法による全除去率は90
%となる。又、濃縮工程での冷却剤の除去率を80%と
し、そして同様に冷却剤の80%を除去できる膜分離工
程をその濃縮工程に引き続いて行うとすると、この方法
による全除去率は96%となる。又、濃縮工程で80%
を除去し、そしてつぎの膜分離工程で90%を除去する
と、その場合は全除去率は98%となる。
【0018】本発明の方法は、従来の冷却方法に比べて
多くの利点を有する。膜分離系は別の分離技術に比べて
エネルギー消費量が低い特徴を持っている。膜を透過す
るための駆動力は、まくの供給側と透過側との圧力差に
よって与えられる。本発明の方法においては、冷却装置
からのパージガスはすでに大気圧よりも高圧であるの
で、更にこれになんらかのエネルギーを補給することな
く膜分離操作をいろいろな方法で行うことができる。回
収される冷却剤の付加価値は、特にCFCおよびHCF
Cの場合に、高いものである。このように、本発明の方
法によれば、冷却剤の回収率を非常に改良することがで
き、例えば、80%から95%、あるいは90%から9
9%より以上にまで高めることができ、結局正味操作コ
ストを低くすることになる。もう一つの重要な利点は、
これも又CFCやHCFCにとって特に重要な事である
が、排気ガスとして環境中に放出される冷却剤の量を9
0%以上も減少することができるのである。又、本発明
はより効率的なパージサイクルを提供することから、本
発明の方法では循環空気量をより少なく保持することが
より容易でありまた最も効果的であるので、冷却サイク
ルにおいて圧縮装置が必要とするエネルギーの量をへら
すこともできる。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、大気中
への冷却剤の放出をなくしあるいは最小限度とした冷却
方法を提供するものである。
【0020】又本発明の目的は、冷却装置パージガスを
処理する改良法を提供するものである。又本発明の目的
は、省エネルギー的冷却方法を提供するものである。
【0021】又本発明の目的は、空気から冷却剤を分離
することである。又本発明の目的は、冷却サイクルにお
いて使用する圧縮装置の負荷を減らすことである。
【0022】又本発明の目的は、パージ冷却剤を回収す
るための濃縮装置の負荷を減らすことである。本発明の
その他の目的ならびに利点は、本明細書の記載から当業
者には容易に明らかと成ろう。
【0023】又、本文中の上記記載ならびに下記の記載
は本発明の態様を説明するものであり、これにより本発
明の範囲はなんら限定されるものではない。 「発明の具体的構成」本文において、「気体」とは、そ
の臨界温度より以下においてガス状相である無機化合物
又は有機化合物を意味する。
【0024】又、「CFC」とは、少なくとも一個のフ
ッ素原子と少なくとも一個の塩素原子とを含有する炭化
水素を意味する。又、「HCFC」とは、少なくとも一
個のフッ素原子と少なくとも一個の塩素原子と少なくと
も一個の水素原子とを含有する炭化水素を意味する。
【0025】又、「炭化水素」とは、飽和または不飽和
の炭化水素を意味する。又、「選択的透過性(膜)」と
は、混合物中の少なくとも一つのガス又は気体がその混
合物の他の成分に対して選択的透過性を示し、そしてそ
れらの成分間の分離を可能とするようなポリマー又は該
ポリマーで作った膜を意味する。
【0026】又、「ポリマーフイルムの透過性」とは、
単位駆動力条件下での単位厚の該フイルムの単位断面積
を透過するガス又は気体の割合を意味する。又、「選択
性」とは、二つのガス又は気体の透過性の割合を意味
し、そしてその透過性とは実際の膜分離系の濃度および
操作条件でのガス又は気体混合物をもって決定されるも
のである。
【0027】又、「空気選択性」とは、冷却剤と比べて
それ以上の窒素の選択性および酸素の選択性を意味す
る。又、「複数層(多層)」とは、支持体膜と一層又は
それ以上の被覆層からなる層を意味する。
【0028】又、「残留物流」とは、膜を透過しない供
給流の部分を意味する。又、「透過流」とは、膜を透過
した供給流の部分を意味する。又、「段ーカット」と
は、膜供給物体積流にたいする膜透過物体積流の割合を
意味する。
【0029】又、「膜ユニット」とは、それに導入され
る流体がそれぞれを透過するようにたがいに平衡に配置
した一個又はそれ以上の膜モジュールを意味する。又、
「順流配置」とは、一つのモジュール又はユニットから
の残留物流がつぎの供給流となるようにたがいに複数の
膜モジュール又はユニットを接続して配置したものを意
味する。
【0030】又、「カスケード(向流)配置」とは、一
つのモジュール又はユニットからの透過流がつぎの供給
流となるようにたがいに複数の膜モジュール又はユニッ
トを接続して配置したものを意味する。
【0031】又、「膜アレイ」とは、順流配置、カスケ
ード(向流)配置、又はこれらの組合せで接続した一個
又はそれ以上の個個の膜モジュール又は膜ユニットの一
組を意味する。
【0032】又、「残留生成物流」とは、膜分離工程の
完了時に膜アレイ中に存在する残留物流を意味する。こ
の「残留生成物流」は、一個の膜ユニットから得られる
場合もあり、又、数個の膜ユニットからの複数のプール
した残留物流であってもよい。
【0033】又、「透過生成物流」とは、膜分離工程の
完了時に膜アレイ中に存在する透過流を意味する。この
「透過生成物流」は、一個の膜ユニットから得られる場
合もあり、又、数個の膜ユニットからの複数のプールし
た透過流であってもよい。
【0034】本文中、特に記載のないかぎり「%」はす
べて「体積%」である。本発明の冷却方法は、冷却サイ
クル、パージ流の取出、およびそのパージ流の処理の組
合せから成る。本発明の冷却サイクルは、気体又は吸収
型のいずれかの通常の機械的サイクルである。気体サイ
クルは、基本的要素として、順に、圧縮装置、濃縮装
置、膨張バルブおよび蒸発装置から成っている。圧縮装
置では、冷却剤気体の圧力を上げて、その飽和温度が濃
縮装置中の冷却剤の温度より高くなるようにする。ここ
でこの冷却剤気体から濃縮装置中の冷却剤への熱交換が
おこなわれ、そして前者が濃縮される。こうして濃縮さ
れた液体は、膨張バルブを通ってこのサイクルの低温領
域へと送られる。ここではその飽和温度は冷却される物
質の温度より低い。熱交換は冷却剤に対して行われ、そ
してその冷却剤は蒸発する。低圧気体は圧縮装置により
除去され、こうしてこのサイクルは継続する。この冷却
サイクルにおいてしようされう圧縮装置および濃縮装置
は、この分野において公知のいかなる形式のものであっ
てもよい。例えば、圧縮装置は往復運動型又は遠心力利
用型のいずれであってもよい。直列に又は並列に配置し
た複数の圧縮装置を用いてもよい。濃縮装置は、例え
ば、基本的なシエル/管式濃縮装置のような水冷式装
置、あるいはプロペラーフアンにより濃縮装置内に空気
を吹き込む形式の空冷式装置が便利である。蒸発装置も
またシエル/管式の形式のものであってよく、ここでは
交換表面は液状の冷却剤に浸されているか又はこれで噴
霧されている。
【0035】吸収サイクルにおいては、冷却剤は通常ア
ンモニアであって、そして水中に交互に吸収され、つい
で高圧で水中から取りだされる。このサイクルは、取出
装置、濃縮装置、膨張バルブ、蒸発装置、および吸収装
置からなる。高圧のアンモニアは取出装置の頂部から取
りだされ、濃縮され、そして膨張バルブを通過して低圧
の液体を生成する。ついでそこの液体和、気体サイクル
の場合と同様に、蒸発装置を通過する。こうして生成し
た低圧の気体は通常の吸収装置の中の水中に吸収され、
そして生成した液体はポンプによって取出装置へと戻さ
れる。
【0036】冷却サイクルの構成と操作は当分野におい
てよく知られている。詳細は、例えば、“the Am
erican Society of Heatin
g,Refrigerating and Venti
lating Engineers“ (Atlant
a, Georgia、米国)の出版部から出版された
四巻構成の便覧に冷却装置の形態の事例や設備について
のたくさんの情報が記載されている。
【0037】本発明の方法において使用する冷却サイク
ルは、単純型、複合型、あるいはまたカスケード型のい
ずれであってもよい。本発明の方法においてはいかなる
冷却剤をも使用できる。代表的な冷却剤としては、例え
ば、第一番目のグループからは、二酸化炭素、CFC−
11、CFC−12、CFC−13、CFC−22、C
FC−23、CFC−113およびCFC−114、H
CHF−123、HCFC−142bおよびHCFC−
134a;第二番目のグループからは、四塩化炭素、ア
ンモニア及びに酸化硫黄;そして第三番目のグループか
らは、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタ
ン、エチレンおよびプロピレンを挙げることができる。
【0038】冷却サイクルに入った冷却剤と空気とを含
むパージ流は、連続的にあるいは定期的に冷却サイクル
から取りだされる。その取出速度は、系への空気の侵入
量およびサイクル中の空気含有量のレベル(そこまで減
らされるべきレベルまたはその状態を維持すべきレベ
ル)によって決めることができる。できればパージ流を
連続的に又は長期間にわたって取りだすことが好まし
い。こうすることによって、膜ユニットはまた頻繁に停
止させそして開始させる必要なく操作できる。冷却剤の
取出をコントロールするためにバルブを使用する。この
バルブは、例えば、適当な間隔をおいてあるいは定めら
れた圧力下において手動操作又は自動操作される。パー
ジ流は冷却剤と空気とを含み、そして必ずしもそうでな
くてもよいがこのましくはこのパージ流は少量成分とし
て空気を含む。例えば、パージ流の空気含有量は1%以
下から50%までの範囲とすることができる。好ましく
は、パージ流は冷却サイクルの高圧気体部分から取りだ
す。カスケードサイクルの場合は、異なる複数のパージ
流を各段から取りだすことができる。
【0039】パージ流を処理するのに膜系を使用する。
膜を透過するガスまたは気体の透過率は、拡散係数
(D)とヘンリー(Henry)則収着係数(k)の積
である。Dはポリマー中での透過剤の運動性の尺度であ
り、kはポリマー中への透過剤の収着性の尺度であっ
て、幾分か気体の濃縮性に依存するものである。拡散係
数は透過物の分子量が増加すると減少する傾向にある。
その理由は、大きな分子はポリマー鎖のより多くのセグ
メントと相互反応しその結果運動性が無くなるからであ
る。ポリマーの性質によって、その透過性成分の拡散か
または収着かのいずれかが優勢と成る。剛性なガラス状
のポリマー物質においては、拡散性が通常は透過性をコ
ントロールする主要因であり、したがってガラス状の膜
は窒素又は酸素を、例えば、より大きな有機分子よりも
速く透過する傾向にある。空気選択性の膜を必要とする
ような本発明の態様においては、したがってガラス状の
ポリマーから作った膜が好ましい。
【0040】エラストマー膜物質においては、収着係数
の効果が優勢であり、したがって濃縮可能な冷却剤は窒
素や酸素よりもはるかに速くその膜を透過しうる。した
がって、冷却剤選択性の場合の本発明の態様には、エラ
ストマー膜物質が好ましい。疎水性の冷却剤には疎水性
のエラストマーが好ましく、又、例えばアンモニア、二
酸化炭素および二酸化硫黄のような親水性の冷却剤には
より親水性の物質がより適当である。
【0041】本発明の方法においては、冷却装置サイク
ルからのパージ流(これは場合によっては冷却剤の一部
を回収するために濃縮されていてもよく、又気体状冷却
剤と空気とをふくんでいる)を選択透過性の薄膜を透過
させる。この選択透過性の膜はそのパージ流の一成分に
対しては相対的に透過性であるがその他の成分にたいし
ては相対的に非透過性であるバリヤーを形成する。この
膜は均質膜、又はゲル又は液体層を含む膜、またはその
他の当分野において知られているあらゆる膜の形態を取
りうる。
【0042】透過成分の十分な流れを達成するために、
この選択透過性の膜はできるだけ薄くなくては成らな
い。本発明の好ましい態様として、微孔性支持体とその
上に選択透過性層を超薄被覆として被着してなる複合膜
を使用することができる。この微孔性支持体膜は選択透
過性層と比べて非常に小さい流れ抵抗性を有するもので
なくては成らない。好ましい支持体膜としては、薄く緻
密な細かい孔を有する表皮層とかなりの開孔を有する基
質とから成る非対称性の膜がある。非対称性の膜をつく
るための適当なポリマーとしては、例えば、ポリスルホ
ン、ポリイミド、ポリアミドおよび塩化ポリビニリデン
が挙げられる。限外ろ過用に市販品として入手可能な非
対称性のポリスルホンおよびポリイミド膜も又支持体と
して適当である。例えば微孔性のポリプロピレン又はポ
リテトラフルオロエチレンのような等方性支持体膜も又
場合によっては使用することもできる。支持体膜の厚さ
は限定的なものではない。というのは、その透過性は選
択透過層のそれに比べて高いからである。しかしなが
ら、その厚みは普通100ないし300ミクロンであ
り、約150ミクロンが好ましい値である。
【0043】場合によっては、支持体膜はポリエステル
等から作った布又は紙ウエブ上に注型することにより強
化してもよい。こうして多層膜はそのウエブと、微孔性
の膜と、選択透過性の超薄膜とから成るものとなる。
【0044】選択透過性膜は、支持体膜の緻密な表皮層
上に、例えばデイップ被覆により被着される。デイップ
被覆法は、例えばRileyらの米国特許第4,24
3,701号に記載されている。代表的なデイップ被覆
法においては、まず供給ロールからの支持体膜を被覆ゾ
ーンを通過させ、ついで乾燥オーブン、そしてついで製
品ロール上に巻き取る。被覆ゾーンは、希釈ポリマー又
はプレポリマーの溶液を含有するタンクであってよく、
そしてここでは、例えば、50ないし100ミクロンの
厚みの被覆を支持体上に被着させる。1%濃度のポリマ
ー溶液を使用する場合、蒸発後に0.5ないし1ミクロ
ンの厚みのフイルムが支持体上に形成される。
【0045】又別法として、ポリマー溶液の薄膜を水浴
の表面上に展開することによって注型により選択透過性
膜をつくることもできる。溶媒の蒸発後に、選択透過性
の層を微孔性の支持体上につまみ上げればよい。この方
法は実際はより難しいが、所望の支持体が使用した溶媒
により侵されて選択透過性物質を溶かしてしまうような
場合に有用な方法である。
【0046】選択透過性層の厚みは、普通1.0ないし
20ミクロン、好ましくは5ミクロン以下、より好まし
くは0.1ないし2ミクロンの範囲である。冷却剤選択
性膜として使用するのに好ましいポリマーとしては、例
えばゴム状非結晶性ポリマー、すなわち系の通常の操作
温度より低いガラス転移点をもつものが挙げられる。
又、熱可塑性エラストマーも使用できる。これらのポリ
マーはそのポリマー構造中に硬および軟セグメント又は
領域を組み合せて有している。その軟セグメントが本発
明の温度及び操作条件においてゴム状である場合には、
このタイプのポリマーからは本発明に使用するのに適当
な膜を作ることができる。使用可能なポリマーとして
は、例えば、限定的な意味ではなく、ニトリルゴム、ネ
オプレン、ポリジメチルシロキサン(シリコーンゴ
ム)、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリシリコー
ンカーボネートコポリマー、フルオロエラストマー、可
塑化塩化ポリビニル、ポリウレタン、シスーポリブタジ
エン、ポリ(ブテンー1)、ポリスチレンーブタジエン
コポリマー、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック
コポリマー、スチレン/エチレン/ブチレンブロックコ
ポリマー、熱可塑性ポリオレフィネラストマー、および
ポリエーテル、ポリアミドおよびポリエステルのブロッ
クコポリマーが挙げられる。透過成分流を最大とするた
めに、選択透過性層の厚みはできるだけ薄くしなくては
ならない。しかしながら、選択透過性層はまた大きな体
積のガス流を透過させることによる膜の選択性を破壊す
るようなピンホールやその他の欠陥を持たないことが必
要である。本発明においては、特に好ましいゴムはシリ
コーンゴムである。シリコーンゴム溶液は細かい微孔性
の支持体をぬらすことができそして溶媒蒸発後には均一
な欠陥のない被覆を形成することができる。したがっ
て、好ましい膜は、選択透過性被覆を直接に微孔性の支
持体状に被着させて作成したものである。しかしながら
本発明の所望の態様として、この選択透過性層の上また
は下にさらにシール層又は保護層を設けてもよく、これ
も又本発明の範囲に含まれるものである。
【0047】空気選択性膜として使用するのに好ましい
ポリマーとしては、例えば、ポリスルフォン、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリフェニレン オキシド、ポリカー
ボネート、エチルセルロース又は酢酸セルロースのよう
な、ガラス状物質が挙げられる。ガラス状物質はエラス
トマーよりも複合薄膜を作るのが困難である。空気選択
性膜を使用する本発明の方法の好ましい態様において
は、非対称的ガラス状膜(ここではその薄い緻密な表皮
層が透過選択性層として機能する)を使用する。このよ
うな膜はガス分離技術の分野においては公知であり、例
えば、Loeb−Souriajan法の種々の変法に
より作ることができる。Loeb−Souriajan
法とは、適当な溶媒中のポリマーの溶液を作り、薄いフ
ィルムを注型し、そしてついでこのフィルムを沈降浴中
に浸すことからなる。こうしてできた膜は、支持体表面
上の開放微細孔状態から表皮層側の無孔性のまたは非常
に細かい微細孔状態までから成る非対称的構造を持って
いる。このようなガス分離膜は、その細孔又はその他の
欠陥を通って大量のガス流がそれを透過するのを防ぐた
めにその表皮層側においてシール層によって被覆されて
いることが多い。非対称的ガス分離がの製法とその性質
については、例えば、HenisおよびTripodi
の米国特許第4,230,463号又はDow Che
micalの米国特許第4,840,646号に記載さ
れている。
【0048】本発明で使用する選択的透過膜は、好まし
くは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10、そ
して最も好ましくは少なくとも20の冷却剤/窒素、又
は窒素/冷却剤の選択性を持たなくてはならない。表1
はたくさんの通常の冷却剤の選択性を実験的に測定した
結果を示す。それぞれの場合、使用した膜はシリコーン
ゴム選択的透過層を有する複合薄膜である。測定は20
°Cにおいて行った。一般に、温度を下げると選択性が
増加し、又その逆も言える。CHF3 の様な冷却剤は、
膜選択性が室温においてたったの4であり、膜分離操作
を低温において行うことによりはるかによい結果が得ら
れる。この表に示すように、その膜選択性は−39°C
において14に増加する。
【0049】
【表1】
【0050】本発明において使用する膜の形態は限定的
なものではない。例えば、平旦なシート又はデイスク、
被覆中空繊維、又はらせん状モジュール等の様な当分野
において知られているあらゆる形態のものを使用するこ
とができる。なかでもらせん状モジュールが好ましい。
らせん状モジュールの製法については、例えば、S.
S.Kremanの「Technology and
Engineeringof ROGA Spiral
Wound Reverse Osmosis Me
mbrane Modulus」(Reverse O
smosisand Synthetic Membr
ane,S.Sourirajan(編者)、Nati
onal Research Council(Can
ada)発行、1997年);および米国特許第4,5
53,983号の第4欄、40−60ページに記載され
ている。又これとは別に、選択透過性のポリマー物質で
被覆された微孔性の中空繊維を作り、ついでこれをモジ
ュールとすることにより膜を作成してもよい。
【0051】ポリマー膜を透過するガス又は気体の流量
は当該膜を透過する当該ガス又は気体の圧力差に比例す
る。透過成分の流量を多くするためには、その選択透過
性膜を非常に薄くするだけでなく、膜を通しての圧力降
下を大きくしてその系を操作することが望ましい。パー
ジガス流を冷却サイクルの高圧気体領域から取りだす。
したがってパージガス流は通常実質的に大気圧より高い
圧力であり、そして100psia又は200psia
ほどの高い圧力であってもよい。この結果、膜の透過側
を大気圧に保ち、そして冷却サイクル中において本質的
に可能な高圧を使用することにより、本発明の多くの態
様に使用されているちょうどよい駆動力を得ることがで
きる。膜系の効率は、膜選択性およびその膜を通しての
圧力降下だけでなく、供給物圧/透過物圧の割合にも依
存する。非常に選択性の高い膜であっても、その膜の透
過物側への優先的に透過する成分の濃度は絶対に供給物
中の濃度のφ倍よりも大きくはならないということが理
論的に示されている。ここでφは供給物圧/透過物圧で
ある。透過物圧を大気圧として適当な圧力比を得るため
には、供給物圧は好ましくは約60psiより高い圧力
である必要がある。多くの場合、冷却サイクルから取り
だすパージガス流は約60psiより実質的に高い圧力
である。膜への供給物圧が有益な圧力比を生み出すのに
十分に高くない場合には、その膜を通しての圧力降下は
膜の透過物側を部分真空に減圧することによって行えば
よい。又場合によっては、透過物側の大気圧以下の圧力
は単に連続的に透過物流を濃縮しそして取りだすことに
より保持することもできる。冷却剤選択性膜を使用する
態様においては、残留物流は空気流であってよい。その
空気中の冷却剤含量は、冷却剤の損失あるいは環境汚染
を最小に押さえてその空気を大気中に放出できるレベル
にまで減少させるべきである。好ましくは、残留物流は
膜ユニットへ供給された供給物中に含まれた冷却剤の1
0%より少ない、より好ましくは5%より少ない量の冷
却剤を含有するべきである。空気選択性膜を使用する場
合は、透過物は空気流であってよく、そして同様に放出
できるほどにきれいでなくてはならない。
【0052】本発明の方法は、膜ユニットへの供給物の
組成、並びに残留物および透過物流の所望の組成に関し
てそれらの必要な特性を満足する様に設計した膜系を使
用して実施することができる。パージガス流は所望によ
っては濃縮工程に付して冷却剤の大部分を回収しそして
ついで膜処理工程に付してもよい。つぎに、本発明のい
くつかの代表的な態様を記載する。ただし、これらの態
様は本発明の実施を具体的に開示するに過ぎず、これに
よって決して本発明の範囲を限定するものではない。冷
却ならびにその膜技術の分野の当業者ならば、これら以
外の多くの本発明の態様が可能であることを容易に理解
できるはずである。
【0053】冷却剤選択性膜を使用する本発明の代表的
態様 1、濃縮とついで膜分離とからなるパージガス処理工
程。 本発明を実施する好ましい態様に於ては、取り出したパ
ージガスを濃縮工程に付し、ついで膜処理工程に付す。
パージガスが高割合の冷却剤を含有しそして高圧である
場合(そしてこのパージガスはその両者の場合であるこ
とが通常である)は、そのガス流を冷却すると冷却剤の
部分が濃縮析出される。この処理スキームを使用する冷
却法を第一図に示した。この第一図において、冷却サイ
クル1は、単一の気体サイクルである。圧縮装置2は、
高圧冷却剤気体3の領域を作りだす。この気体は熱交換
ゾーン4に送り込まれ、ここで熱はそこの冷却剤物質に
与えられそしてこの気体は濃縮されて高圧の液体ゾーン
5をつくりだす。ついで冷却剤は膨張バルブ6を通過し
て低圧液体ゾーン7へと送られる。冷却される物質と冷
却剤との間の熱交換は、蒸発ゾーン8で行われる。こう
して生成したゾーン9中の低圧気体は再び圧縮されてそ
してこのサイクルが再度行われる。高圧パージ流12
は、取り出し口10およびバルブ11を通って冷却サイ
クルから取りだされる。パージ流は濃縮装置13を通過
する。この濃縮装置13は、簡単な0°Cより高い温度
で作動する水冷または空冷式の濃縮装置であるか、ある
いは、この冷却サイクルを使用するか又は別のより小さ
い冷却装置を使用して冷却されるものであってもよい。
約−45°Cにまでさげる濃縮装置の温度は、単一サイ
クルの冷却操作によって達成することができる。より低
い濃縮装置温度を使用する場合は、複合又はカスケード
システムを使用すればよい。しかしこれは、冷却サイク
ル自体がそれを通してパージ流を容易に供給できるよう
な複合又はカスケードサイクルでない場合は、複雑であ
り又エネルギーの消費量が多いという理由から非常に好
ましくないやり方である。膜処理ユニットの使用は濃縮
装置により除去される冷却剤の量がその形式では限定的
な要因ではないことを意味している。濃縮工程/膜分離
処理工程の組合せは濃縮工程を0°Cより高い温度で行
えるように設計すればよい。これは、濃縮工程の霜取り
を定期的に行う必要が無くなるという理由から、例え
ば、吸収冷却サイクルを使用する態様においてパージガ
ス流が水蒸気を含むような場合に有利である。一方にお
いて、空気に対する有機気体への選択性を持つある種の
ポリマーのその選択性は、温度の低下とともに増加す
る。室温における冷却剤選択性が小さい場合には、した
がって、パージガスをそれが膜ユニットを通過するまえ
に比較的低い温度に冷却することによって、膜分離工程
におけるより効率的な分離を行うことができる。濃縮工
程後にパージガス流中に残存する冷却剤の割合は、濃縮
工程を行う操作条件での気体/液体平衡に依存する。濃
縮工程を行う場合は、一般に、取り出されたパージ流中
に存在する冷却剤の少なくとも50%がその濃縮工程で
除去できるように該工程を設計することが好ましい。9
5%以上もの冷却剤を除去するような極端な条件での操
作は、膜処理工程を行うことから、普通不必要である。
濃縮工程/膜分離工程の組合せによって達成される濃縮
除去および回収の全割合は、それぞれの工程によって達
成される除去割合の倍数である。例えば、濃縮工程で冷
却剤を50%除去する場合、その濃縮工程の後にそこに
到達する冷却剤の80%を除去する膜分離工程を行う
と、この一連のプロセスにおける全除去率は90%と成
る。又、濃縮工程で80%を除去し、そして同様に80
%を除去する膜分離工程を引き続いて行うとすると、こ
のプロセスにおいて達成される全除去率は96%とな
る。又、濃縮工程で80%を除去し、そして膜分離工程
で90%を除去すると、その全除去率は96%である。
【0054】以上の説明では、本発明の方法が高い効率
で冷却剤の所望の回収率を達成するように設計できるこ
とを示した。そしてその設計は必要エネルギーと製作コ
ストとの見積り額と、系の形態のいくつかの組合せと操
作条件とを比べることにより実施できる。例えば、5
0、75又は90%の冷却剤成分を除去する最初の濃縮
工程とこれに続く90、80又は50%の残留冷却剤を
除去する膜分離工程を使用して、95%の全除去率を達
成するために必要な製作コストとエネルギーを比べる。
【0055】冷却装置からの液状冷却剤流14は、冷却
サイクルにおいて再使用するために抜き出される。流1
5は大気にくらべて高圧でありそして非濃縮冷却剤と空
気とを含んでおり、そしてこれは、冷却剤にたいして選
択的に透過性のある一つまたはそれ以上の膜からなる膜
ユニット16に送入される。透過流18は、従って流1
5に比べて冷却剤に富んでいる。その選択性が高いと、
そして又濃縮装置からの流がそれほど希釈されていない
と、透過流18は十分に濃縮されて冷却サイクルに戻さ
れる。図2、および図3はその所望工程を図示するもの
である。ここでは、膜操作からの残留物流17(これは
なお大気圧より以上の圧力でありうる)を、その冷却剤
濃度を十分に低くして、これを大気中に放出できるよう
にする。好ましくは、この残留物流は1%より少ない、
より好ましくは0.5%より少ない量の冷却剤を含む。
【0056】2、透過気体を冷却サイクルに戻す。 図3において、透過流20は圧縮装置20中で圧縮され
そして濃縮装置15へ戻される。これは透過気体を直接
冷却サイクルへ戻すやり方より好ましい。なぜならば、
圧縮装置20は比較的小さく、そしてこの方法では冷却
サイクルに空気がまったく戻されないからである。この
系の全エネルギー消費量は従って図2の場合よりも少な
い。
【0057】空気選択性膜を使用する本発明の代表的態
1、空気選択性膜での処理のみの場合。 本発明の他の態様として、あらかじめ濃縮工程に付する
ことなく、空気選択性膜を使用してパージガス流を直接
処理する膜処理工程を挙げることができる。この態様の
基本系を図4に示した。この図4においては、冷却サイ
クルとパージの取り出しは図1、図2および図3の場合
と同様にして操作する。すなわち、パージ流12(これ
は大気圧よりも高圧である)は、空気選択性膜を含有す
る膜ユニット22に直接送られる。透過流24はこうし
て流12に比べて窒素および酸素に富んだものとなる。
残留物流は、濃縮された冷却剤を含む。パージガス濃
度、膜選択性及び操作パラメーターがこの簡略な一段膜
操作でもって非常によい分離成果を得られるようなもの
である場合は、前記の図2および図3の冷却剤選択性の
態様の場合と同様に、その透過流を排気しそして残留物
流をこれを液化するかまたはすることなしに冷却サイク
ルに戻すことが可能である。冷却剤に対する窒素の選択
性が200、500又はそれ以上でさえあるような非常
に選択性の高い膜が入手できない場合には、少なくとも
残留流は更に処理を素する必要があると考えられる。し
かしながら、膜分離プロセスにおいては、一般に高い分
離成果を得るために中途廃棄(stage−cut)を
少なくすることが好ましい。従って、透過流の量は、普
通、供給流および残留物流の量よりもはるかに少ない。
従って、図4の様な空気選択性の態様の利点は、濃縮す
るかあるいはその他の方法で処理しなくてはならない冷
却剤気体を含有する透過空気流の量が、全パージガス量
に比べてはるかに少ないということである。このこと
は、この冷却サイクルを、空気含有量を前よりも低いレ
ベルに保持しそして冷却剤サイクル圧縮装置によって達
成すべきヘッド圧力を低くして操作することが経済的に
実施可能となることを意味するものである。
【0058】2、空気選択性および冷却剤選択性膜の組
合せ。 冷却サイクルから取りだしたばかりのパージガス流は、
例えば、一例として90%の冷却剤と10%の空気を含
む。このパージ流を、例えば、約20の冷却剤に対する
窒素選択性を有する膜を透過させると、たとえ中途廃棄
をすくなくしたとしても、透過流はなお20ないし30
%の冷却剤を含む。このレベルはあまりに高くてこの透
過流を大気中にそのまま放出することはできない。しか
しながら、この投下流24をここで冷却剤選択性膜ユニ
ットを透過させると、その冷却剤濃度を放出が可能なポ
イントにまで減少させることができる。冷却剤選択性膜
操作からの残留物流はこうして放出可能となり、そして
冷却剤選択制ユニットからの透過流は空気選択性ユニッ
トの供給側へとリサイクルすることができよう。
【0059】空気選択性膜ユニットとこれに続く冷却剤
選択性膜ユニットとを使用する態様においては、普通
は、冷却剤選択性ユニットの透過側の圧力を大気圧より
も低くする必要がある。その理由は、このユニットへの
供給流は大気圧であるかあるいはそれに近い圧力である
からである。
【0060】3、空気選択性膜および濃縮手段の組合
せ。 a)パージガス処理工程が膜処理工程とそれに続く濃縮
工程とからなる場合 このプロセスは、冷却サイクル、パージガス取出工程お
よび空気選択性膜の透過に関しては上記の態様1に記載
の場合と同様である。ただしこの場合は、透過流24は
所望により再圧縮されそしてついで、好ましくは冷却サ
イクルの冷却部を使用して、冷却され、こうして冷却サ
イクルへ戻すのに適当な液状冷却剤流を回収する。ほん
のわずかな量の冷却剤気体を含む非濃縮ガスはこうして
放出可能となる。
【0061】b)パージガス処理工程が濃縮工程とそれ
に続く膜処理工程とからなる場合。 膜処理工程において空気選択性膜を使用する上記の本発
明の態様の利点を最大とするために、冷却剤気体に対す
る高い窒素選択性を有する膜を使用することが非常に好
ましい。
【0062】しかしながら、例えば、10又は20の冷
却剤に対する窒素選択性を有する膜が入手できるなら
ば、図5に示すような有用な態様を設計することもでき
る。この図5において、冷却剤サイクルおよびパージガ
ス取出操作は図4と同様である。ただしこの場合は、パ
ージ流12は大気圧に比べて光圧でありこれを濃縮装置
13へと送る。冷却剤選択性の態様と同様に、この濃縮
装置は0°Cより高い温度で作動する水冷式又は空冷式
の濃縮装置であるか、あるいはそこの冷却サイクルを使
用するか又は別のより小さい冷却装置を使用して冷却さ
れるものであってもよい。約−45°Cまで下げる濃縮
装置温度調整は単一サイクル冷却操作により行うことが
できる。そしてより低い温度とするには、複合系又はカ
スケード系が必要である。冷却剤選択性の所望手段を用
いる場合のように、そこの冷却サイクルを使用して濃縮
装置を冷却することが便利でありまた安価でもある。濃
縮装置からの液状冷却剤流14は再使用するのに適当で
ある。濃縮装置からの非濃縮画分15(これは大気圧よ
りも高圧である)は、空気選択性膜を含有する膜ユニッ
ト16に送られる。膜ユニットからの透過流28は、大
部分が空気でありそして非常に低濃度の冷却剤気体を含
んでいる。残留物流29は冷却剤を含みそして大気圧よ
り高い圧力である。図5は所望の工程を図示するもので
あり、ここではこの流は冷却サイクルの高圧気体部分に
戻される。再循環気体流の流れを適当なものとするため
に、所望によっては循環送風機又はポンプを使用しても
よい。又これとは別に、流29は液化して冷却サイクル
の液体部分に戻してもよいであろう。
【0063】上記の記載から、パージガス処理操作には
多くのいろいろな方法があり、そして高い効率的なしか
も経済的な冷却剤の回収をするために、又使用済冷却剤
気体の大気中への放出を最小限に押さえるためにいろい
ろに設計することができるものであることがわかるであ
ろう。そして、使用する冷却剤、冷却サイクルの操作条
件、および併用する圧縮装置および/又は濃縮装置の能
力によって、多くのいろいろな実施可能な実用的な態様
を設計することができよう。すべての操作形態の最終目
標は、パージガス処理操作により二つの流だけを生成す
ることである。そして、その一つはそれを大気中へ放出
しても環境に悪影響を与えないような、冷却剤気体を含
まない排気ガス流であり、もう一つは、冷却サイクルへ
戻すことのできる十分に純粋な冷却剤を含む生成物流で
ある。
【0064】ここでは簡単のために、上記のすべての冷
却プロセスを簡略な一段膜操作について説明した。当業
者には自明のように、膜分離操作には多くのいろいろの
方法があり、例えば、単一膜による一段操作やあるいは
順流又は向流配置した二個またはそれ以上のユニットか
らなるアレイを使用する操作などである。一例として、
二段向流(カスケード)配置の膜アレイを図式的に図6
に示した。このタイプの膜配置は、例えば、パージ流を
最初に濃縮し、そして膜ユニットを一回通過させただけ
では冷却剤気体を冷却剤サイクルへ戻すのに適当な程に
濃縮しえない程度に濃縮装置からの非濃縮ガスが低濃度
の冷却剤を含んでいる場合に使用できる。
【0065】図6において、送入されるパージ流30は
冷却剤と空気とを含み、そしてこれは冷却剤にたいして
選択的透過性を有する膜を含む第一の膜分離ユニット3
1へ送られる。ここで透過しない残留物流32は、従っ
て冷却剤を含まない。投下流33は冷却剤に富んだもの
となるが、しかしなおかなりの量の窒素と酸素とを含ん
でいる。第一の膜ユニットからの透過物は大気圧とな
り、そして第二の膜ユニット34へと送られる。第二の
膜ユニットとの圧力差は真空ポンプ35によりもたらさ
れる。第二の膜ユニットからの透過流36中では、冷却
剤は十分に濃縮されておりそして更にこの流は濃縮装置
37において濃縮され液状冷却剤流38を作りだす。非
濃縮画分39がある場合には、これを第二の膜ユニット
へ再循環すればよい。第二の膜ユニットからの残留物流
40は、流30に比べて冷却剤の含有量が少なく、これ
は所望によっては第一の膜ユニットの供給側に再循環し
てもよい。このようにして、この膜操作では、冷却サイ
クルへ戻すことのできる液体冷却剤流38と、放出され
る実質的にきれいな残留物流32とからなる、二つの流
のみが作られる。
【0066】二工程順流配置からなる膜アレイの第二の
具体例を図7に図式的に示した。このタイプの膜ユニッ
トは、例えば、排気するまえに実質的に完全な冷却剤の
除去が必要な場合に使用できる。例えば、二工程プロセ
スではそこに送入される冷却剤の99%以上が除去され
る。図7において、送入されるパージガス42は冷却剤
と空気とを含み、そしてこれは冷却剤にたいして選択的
透過性を有する膜を含む第一の膜分離ユニット43へ送
られる。透過流49は冷却剤に富んだものとなり、そし
て所望によっては圧縮装置50および濃縮装置51によ
って液化されて液体冷却剤流52としてもよい。この流
52は冷却サイクルへ戻すのに適したものである。残留
物流44は流42に比べて冷却剤の含有量が少ないが、
これはなお大量の冷却剤を含んでおり放出するのに適当
でない。従って、流44は第二の膜ユニット45へと送
られる。第二の膜ユニットからの残留物流46はこうし
て十分にきれいになり放出される。第二の膜ユニットか
らの透過流48は流42に比べて冷却剤に富んでおり、
これは圧縮装置47によって再圧縮されて第一の膜ユニ
ットの供給側に再循環することができる。このようにし
て、この膜操作では、液体冷却剤流52と、かなりきれ
いな空気流46とからなる、二つの流のみが作られる。
【0067】多段および多工程膜操作、並びにこれらの
組合せは、冷却剤選択性又は空気選択性の膜を使用する
態様と併用することができる。
【0068】
【実施例】つぎに、本発明を以下の実施例により更に詳
しく説明する。これらは本発明の実施態様を具体的に開
示するものであって、決して本発明の範囲およびその基
礎となる技術思想を限定するものではない。実施例は二
つのグループに別けて記載した。第一のグループの実施
例1ないし13は、代表的な複合薄膜フイルムを使用し
たいろいろな通常の冷却剤用の分離プロセスを実施した
ものである。第二のグループの実施例14ないし27
は、パージ流処理操作を実施した代表例である。
【0069】第一のグループの実施例 実施例1ないし13:冷却剤選択性膜を使用した場合の
実験結果実験方法 すべての供給流サンプルは、膜面積約2,000cm2
の選択透過性シリコーンゴム膜を有する一個の膜モジユ
ールを有する実験室用試験系を使用して評価した。供給
サイクル中の空気は実験に先立って圧力ボンベからの窒
素で置換した。透過物中の損失窒素を補充するために、
実験の間、系中に連続的に窒素を供給した。気体状溶媒
を、シリンジポンプを使用して残留物ライン中に液体状
溶媒をポンプで圧入しそしてこれを更に加熱することに
よりその溶媒を気化させるか、あるいは残留物のバイパ
ス流を液体状溶媒を含有する洗浄びんを通してを送り込
むことにより、系中に連続的に供給した。供給物および
残留物中の有機濃度は、適当なラインからシリンジでサ
ンプルを取り出しこれらをガスクロマトグラフィー(G
C)分析に付することにより測定した。ライン中から高
められた圧力の代わりに大気圧でサンプルを取り出せる
ように、小さなバイパス流を使用した。透過流中の溶媒
を濃縮するために二つの液体窒素トラップを使用した。
長時間実験の場合には、モジュールの透過側に潤滑油を
必要としないロータリータービン真空ポンプを使用し
た。透過流からのサンプルは、透過物のバイパス流によ
り一定にパージした着脱可能なガラス容器を使用して取
りだした。サンプリングの際には、この容器を取り外し
そして空気をこの容器の中にいれた。容器中の濃度はガ
スクロマトグラフィーにより測定した。こうして透過濃
度を下記の式から算出した。
【0070】透過濃度=(容器中の濃度)X[(76c
mHg)/(透過圧力cmHg)] この系を使用した試験法はつぎの通りである。 1.最大透過真空下に溶媒を使用しないで系を運転し、
ループ中の空気を窒素で置換した。
【0071】2.真空ポンプ排気流速を測定することに
より窒素透過流速を求めた。これによりモジュールの質
のチェックができる。 3.供給物流、供給物圧力および透過物圧力を所望の値
に調節した。冷却トラップを液体窒素で満たした。
【0072】4.溶媒導入を開始し、そして供給物をG
Cへ頻繁に注入することにより供給濃度を監視した。必
要に応じて透過物圧力を調節した。 5.供給物分析により定常状態となったことが明らかと
されるまでこの系を運転する。
【0073】6.すべてのパラメーターを記録しそして
透過物サンプルを取りだして分析する。 7.10ないし20分後に工程6を繰り返した。各パラ
メーター変かにより定常状態となったことが明らかにな
った後に供給濃度を監視した。
【0074】実施例1(CFC−11、低濃度物) 100ppmないし2,000ppmの濃度のCFC−
11(CCl3F)を含む供給流を使用して、上記の実
験プロセスを実施した。結果を図8および図9にまとめ
て示した。計算したモジュールのCFC/N2 選択性
は、100ppmにおいて22から2,000ppmに
おいて28へとわずかに上昇した。図6からわかるよう
に、非常に簡略な一工程プロセスにおいて非常に希薄な
流からでも、約4lb/m2 .日までのCFC−11が
回収可能である。
【0075】実施例2(CFC−11、高濃度物) 1vol%ないし35vol%の濃度のCFC−11
(CCl3 F)を含む供給流を使用して、上記の実験プ
ロセスを実施した。結果を図10および図11にまとめ
て示した。計算したモジュールのCFC/N2 選択性
は、1vol%において30から35vol%において
50へと上昇した。この効果は収着炭化水素による膜物
質の塑性化に起因するものである。炭化水素供給濃度の
増加にともない炭化水素流および窒素流の両方が増加し
た。
【0076】実施例3(CFC−113、低濃度物) 500ppmないし2,000ppmの濃度のCFC−
113(C2 Cl3 3 )を含む供給流を使用して、上
記の実験プロセスを実施した。結果を図12にまとめて
示した。計算したモジュールのCFC/N2 選択性は、
その供給濃度範囲において約20の一定値を保った。
【0077】実施例4(CFC−113、高濃度物) 0.5vol%ないし6vol%の濃度のCFC−11
3(C2 Cl3 3 )を含む供給流を使用して、上記の
実験プロセスを実施した。結果を図13にまとめて示し
た。計算したモジュールのCFC/N2 選択性は、その
供給濃度範囲において約25の一定値を保った。
【0078】実施例5(HCFC−123、低濃度物) 500ppmないし2,000ppmの濃度のHCFC
−123(C2HCl2 3 )を含む供給流を使用し
て、上記の実験プロセスを実施した。結果を図14にま
とめて示した。計算したモジュールのCFC/N2 選択
性は、その供給濃度範囲において約25の一定値を保っ
た。
【0079】実施例6(HCFC−123、高濃度物) 0.5vol%ないし8vol%の濃度のHCFC−1
23(C2 HCl2 3 )を含む供給流を使用して、上
記の実験プロセスを実施した。結果を図15にまとめて
示した。計算したモジュールのCFC/N2 選択性は、
その供給濃度範囲において約25の一定値を保った。
【0080】実施例7(HCFC−142b) 300ppmないし3,500ppmの濃度のHCFC
−142b(C2 3 ClF2 )を含む供給流を使用し
て、上記の実験プロセスを実施した。結果を図16にま
とめて示した。計算したモジュールのCFC/N2 選択
性は、その供給濃度範囲においてきわめてわずかに13
から15へと増加した。
【0081】実施例8(CFC−114) 2vol%ないし25vol%の濃度のCFC−114
(C2 Cl2 4 )を含む供給流を使用して、上記の実
験プロセスを実施した。結果を図17にまとめて示し
た。計算したモジュールのCFC/N2 選択性は、その
供給濃度範囲においてきわめてわずかに9から12へと
増加した。
【0082】実施例9(ハロンー1301) 0.1vol%ないし5vol%の濃度のハロンー13
01(CF3 Br)を含む供給流を使用して、上記の実
験プロセスを実施した。約4のハロン/窒素選択性が得
られた。
【0083】実施例10(二酸化炭素) 空気からの二酸化炭素、二酸化硫黄およびアンモニアの
分離に特に適した膜を市販のポリ(エーテルアミドエス
テル)ブロックコポリマーから作ることができる。ブタ
ノール中のPebax−4011(Atochem社の
製品)の1−3%溶液をポリスルフォンの黴孔性支持体
膜上に被覆することにより複合薄膜フィルムを作成し
た。空気混合物中に8%の二酸化炭素を含む供給流を使
用して透過性実験を行った。61°Cの二酸化炭素流透
過は6.05×10-4cm3 (STP)/cm2 .s.
cmHgであった。計算した(二酸化炭素)/(窒素)
選択性は26であった。
【0084】実施例11(二酸化硫黄) 実施例10と同様にして複合薄膜フィルムを作成した。
空気混合物中に0.33%の二酸化硫黄を含む供給流を
使用して透過性実験を行った。61°Cの二酸化硫黄流
透過は6.12×10-3cm3 (STP)/cm2
s.cmHgであった。計算した(二酸化硫黄)/(窒
素)選択性は251であった。
【0085】実施例12(空気選択性膜) 47.9%の塩化メチレンと、24%の1,1,2−ト
リクロロエタンと、6%の蟻酸と、7.7%のブタノー
ルとに溶解した14.4wt%のポリエーテルスルフォ
ン(Victrex52009,ICIAmerica
s社製品)の注型溶液を使用して、非対称Loeb−S
ouriajan膜を作成した。まず、手動式展開ロー
ラーを使用して注型溶液をガラス板の上に展開した。つ
いでこのガラス板メタノール浴中に浸漬してポリマーを
沈積させた。沈積完了後に、生成した膜をはがして乾燥
した。この膜の上にオクタン中に溶解したシリコーンゴ
ムの0.5ないし2ミクロンの厚さの層を被覆した。こ
のシリコーンゴムの層は膜の欠陥をカバーし、こうして
この膜の透過性は、該ポリマーでできた厚い等方性フィ
ルムの場合に得られる固有値に近いものであった。
【0086】空気中のCFC−11の種々の希釈混合物
を使用して、上記の透過実験を行った。この膜は、2.
85×106 cm3 (STP)/cm2 .s.cmHg
の酸素流透過、および4.75×10-8cm3 (ST
P)/cm2 .s.cmHgのCFC−11流透過を示
した。この(窒素)/(CFC−11)選択性は16で
あった。
【0087】実施例13(空気選択性膜) 実施例12と同様にして、ただし85%の1,1,2−
トリクロロエチレンおよび5%のオクタノール中に溶解
した10wt%のポリフェニレンオキシドの注型溶液を
使用して、非対称Loeb−Souriajan膜を作
成した。まず、手動式展開ローラーを使用して注型溶液
をガラス板の上に展開した。ついでこのガラス板メタノ
ール浴中に浸漬してポリマーを沈積させた。沈積完了後
に、生成した膜をはがして乾燥した。この膜の上にオク
タン中に溶解したシリコーンゴムの0.5ないし2ミク
ロンの厚さの層を被覆した。このシリコーンゴムの層は
膜の欠陥をカバーし、こうしてこの膜の透過性は、該ポ
リマーでできた厚い等方性フィルムの場合に得られる固
有値に近いものであった。
【0088】空気中のCFC−11の種々の希釈混合物
を使用して、上記の透過実験を行った。この膜は、1.
20×106 cm3 (STP)/cm2 .s.cmHg
の酸素流透過、および3.68×10-9cm3 (ST
P)/cm2 .s.cmHgのCFC−11流透過を示
した。この(窒素)/(CFC−11)選択性は79で
あった。
【0089】第二のグループの実施例 実施例14ないし18:種々のパージガ処理操作の形態
および分析 以下の実施例は、CFC−11積載流の処理について、
濃縮処理のみの場合と本発明のパージガス処理操作によ
る場合とを比較したものである。実施例14ないし16
は本発明の方法ではない。実施例14ないし16のすべ
ての場合において、流は10scfmの流速を有しそし
て50%のCFC−11を含有している。膜計算はすべ
て第一のグループの実施例に記載のタイプの単一モジュ
ール実験において測定されたCFC−11選択性に基ず
くものである。又、計算は、Shindoらの「Cal
culation Methods for Mult
icomponent Gas Separation
by Permeation」(Sep.Sci.T
echnol.20,445−459(1983))に
記載の横断流条件でのガス透過等式に基ずいたコンピユ
ータープログラムを使用して行った。必要な膜面積はコ
ンピユータープログラムにより求めた。冷凍装置能力
は、Filtrine Manufacturing
Company(ハリスビレー、ニユーハンプシャー)
により提供された文献値からの外挿法により求めた。
【0090】又、真空ポンプと圧縮装置の能力は各メー
カーの仕様書チャートおよびその他のデータから求めあ
るいはそれらからの外挿法により求めた。エネルギー計
算は、断熱理想圧縮仕事を計算しそしてこれを各単位の
効率で割ることにより行った。圧縮装置効率は60%と
し、又、真空ポンプ効率は35%とした。
【0091】実施例145気圧への圧縮と7°Cへの冷却 CFC−11積載パージ流は5気圧の圧力であると考え
られ、そしてこれを7°Cに冷却して濃縮する。その実
施プロセスは表2に示す通りである。
【0092】
【表2】
【0093】実施例1525気圧への圧縮と7°Cへの冷却 CFC−11積載パージ流を25気圧に圧縮し、そして
ついで7°Cに冷却して濃縮する。その実施プロセスは
表3に示す通りである。
【0094】
【表3】
【0095】実施例165気圧への圧縮と−27°Cへの冷却 ここでは、5気圧のパージガスを使用し、そして冷却温
度を更に低く−27°Cとする以外は実施例15と同様
の方法を行った。その実施プロセスは表4に示す通りで
ある。
【0096】
【表4】
【0097】実施例17本発明の態様によるパージガス処理操作 実施例15および実施例16と同様の実施レベルを達成
するようプロセスを設計した。すなわち、このプロセス
は濃縮工程とそれに続く膜分離工程からなる。濃縮工程
においては、5気圧のCFC−11積載流を7°Cに冷
却しそして濃縮する。濃縮工程からの非濃縮排出ガス
は、ついで30の空気に対するCFC−11の選択性を
有する膜を使用する膜分離工程に付する。膜を通しての
圧力降下は圧縮流の圧力を高めることによってのみ行
う。膜分離工程からの透過流は、濃縮工程での処理のた
めに戻す。その実施プロセスは表5に示す通りである。
【0098】
【表5】
【0099】本実施例と実施例15および実施例16と
を比較すると、本発明の方法は、98%のCFCを取り
除きそして回収する処理系に要するエネルギーを、7.
46hp又は6.14hpから3.91hpへと減少す
ることができることがわかる。言いかえれば、本発明の
方法での使用エネルギーは、比較例の濃縮工程のみから
なる方法の52%又は64%にすぎない。
【0100】実施例18本発明の方法によるパージガス処理操作 実施例17と同様の方法を行った。ただし、ここでは膜
の透過側に小さな真空ポンプを取りつけて透過物圧力を
15cmHgにまで低くしたことだけが実施例17と異
なる。その実施プロセスは表6に示す通りである。
【0101】
【表6】
【0102】本実施例と実施例17とを比較すると、い
くつかの違いが明らかである。実施例17においては、
残留物濃度を2.18%に減少させるためにかなり高い
割合の途中廃棄(40%)が必要であった。透過物流の
体積は大きくて3.33scfmであり、そのため膜ユ
ニットから戻される追加負荷を処理するのにより強力な
圧縮装置が必要である。又、膜面積の4.17m2 も大
きい。透過側の圧力を下げるのに真空ポンプを使用する
のは、はるかに小さい膜面積(0.81m2 )とはるか
に小さい途中廃棄量(18%)でもって同程度のCFC
の除去ができることを意味する。しかしながら、真空ポ
ンプに要するエネルギーがあるので、結局これらの両方
のケースとも系の全体の必要エネルギーはほとんど同じ
である。そしてこれらの両方のケースのプロセスとも、
比較例の濃縮工程のみのプロセスに比べて格段の改良が
あった。
【0103】実施例19〜21 以下の実施例は、空気中に二酸化硫黄を含むガス流の処
理について、濃縮処理のみの場合と本発明による代表的
なパージガス処理操作による場合とを比較したものであ
る。これらの実施例のすべての場合において、流は10
scfmの流速を有しそして50%の二酸化硫黄を含有
している。計算は上記のCFC−11の実施例の場合と
同様に行った。膜計算はポリアミドーポリエーテルブロ
ックコポリマーからなる選択的透過性層を有する複合膜
の性能に基ずいて行った。空気に対する二酸化硫黄の膜
選択性は100であり、そして正常化二酸化硫黄流透過
は6×10-3cm3 (STP)/cm2 .s.cmHg
であった。
【0104】実施例198気圧への圧縮と6°Cへの冷却 二酸化硫黄積載パージ流は8気圧の圧力において入手可
能であると考えられ、そしてこれを6°Cに冷却して濃
縮する。二酸化硫黄の沸点は−10°Cであり、従って
この条件下では25%の二酸化硫黄が濃縮装置からの排
出ガス中に残留する。本実施例の実施プロセスは表7に
示す通りである。
【0105】
【表7】
【0106】実施例2040気圧への圧縮と6°Cへの冷却 二酸化硫黄積載流を40気圧に圧縮し、そしてついで6
°Cに冷却して濃縮する。排出ガス中の二酸化硫黄含有
量はこの条件下で5%に減少するが、しかしこの系の必
要エネルギーと経費とは実施例19の場合の二倍以上で
ある。その実施プロセスは表8に示す通りである。
【0107】
【表8】
【0108】実施例21本発明の方法によるパージガス処理操作 実施例19とまったく同様の濃縮工程を使用し、そして
つぎに、100の空気に対する二酸化硫黄の選択性を有
する膜を使用して先の濃縮工程からの排出ガス流を処理
する膜分離工程を行うプロセスを設計した。膜を通して
の圧力降下は圧縮流の圧力を高めることによってのみ行
う。その実施プロセスは表9に示す通りである。
【0109】
【表9】
【0110】膜分離工程からの透過物流は、処理される
もとのガス流よりも二酸化硫黄含量において富んでお
り、これは濃縮工程による処理のために戻すことができ
る。この方法によると、更にいかなる余分なエネルギー
消費をも必要とせずに排出ガス流中の二酸化硫黄の濃度
を25%から1%に減少させることができる。その理由
は、膜透過のための運転力はそのすでに圧縮された供給
物のかなり高い圧力より得られるからである。
【0111】実施例22(プロピレン/エチレンカスケ
ード冷却サイクル) エチレンおよびプロピレンを使用する二段カスケード冷
却サイクルを使用して−145°Fに冷却する。このタ
イプの系は、「Chemical Process E
quipment Handbook」(Butter
worth’sSeries in Chemical
Engineering)の226ページの第8.2
6図に記載されている。この系において、第一段のプロ
ピレン気体は245ないし250psiaに圧縮され、
そして水で116°Fにまで冷却されて液体プロピレン
を作りだす。ついでこの液体プロピレンは16psia
に膨張されて冷気体を作る。この冷気体はカスケード系
の第二段において熱交換機を通過して230ないし24
0psiaの圧力で冷却してエチレン気体を液化する。
この液体エチレンは12psiaに膨張して−145°
Fにおいてエチレン気体を生成する。エチレンサイクル
の低圧部は空気漏れの原因になり安い。エチレンサイク
ルからのパージ流が2ないし10%の空気を含んでいる
場合を想定して述べよう。一例として、このパージ流は
最初にパージガス濃縮装置において−140°Fに冷却
される。240psiaのパージガス圧力において濃縮
操作を行うと、約10scfmの速度で液体エチレン流
と90%の空気と10%のエチレンからなる非濃縮流と
ができる。この圧力をかけられた排出ガスは最も経済的
な方法としてシリコーン膜の表面を通過させる。この膜
は窒素よりもエチレンに対して8倍透過性があり、また
酸素よりもエチレンにたいして8倍透過性がある。こう
してこの膜はこのガスを、99%の空気と1%のエチレ
ンとを含む5.2scfmの残留物流(これは大気中に
放出できる)と、19.7%のエチレンと80.3%の
空気とを含む低圧透過流とに分画する。この透過流は冷
却サイクルの低圧側にそのまま直接戻されるか、あるい
は240psiaに再圧縮されて−140°Fのパージ
ガス濃縮装置の前面に導入されてもよい。
【0112】実施例23(アンモニア冷却サイクル) アンモニアは、20ないし−50°Fの範囲に冷却する
ような圧縮冷却系中の冷却剤としてしばしば使用され
る。これらの系においては、非濃縮性のガスがサイクル
の高圧側に集まりそしてこれらのガスはパージ流として
取り除かなくてはならない。例えば、高圧側の濃縮装置
の液体アンモニアの温度が95°Fであるようなアンモ
ニアを使用する冷却装置について述べよう。この温度に
おいてアンモニアの気体圧は197psiaである。し
かしながら、実際の操作圧力は210psiaの水準で
あり、これは一般的でなくはない。この余分な13ps
iaは6%の非濃縮性ガス(空気、水素、窒素、等)で
ある。このガスは、冷却サイクル中の非濃縮性ガスの発
生率によって決定される速度でパージされなくてはなら
ない。仮りに、6%の空気またはその他の非濃縮性ガス
を含むパージガス流を最初に濃縮工程(ここでは冷却サ
イクルによって−40°Cへの冷却がなされる)にふす
る場合について述べよう。その濃縮装置からだされる排
出ガス中のアンモニア濃度は4.9%になる。そして、
濃縮装置からの排出ガスは、シリコーンゴムの選択透過
性層を持つ複合薄膜フィルムを含有する膜分離ユニット
を通過させる。その膜は20の窒素にたいするアンモニ
アの選択性および10の酸素にたいするアンモニアの選
択性を有する。途中廃棄量にもよるが、この膜操作によ
り、0.5%のアンモニアを含む残留物流と16%のア
ンモニアを含む透過流から、下は0.05%のアンモニ
アを含む残留物流と10%のアンモニアを含む透過流と
が生成する。二工程法を使用することによって、必要な
らば残留物流中のアンモニア濃度を更に減少することも
できる。
【0113】実施例24(CFC−12回収) 図1に示した本発明の態様に関して、CFC−12を冷
却剤として使用した場合について述べる。ここでは本発
明者らの実験データに基ずいて、空気に対するCFC−
12の膜選択性を6ないし10とする。又、10scf
mの空気を含みそして67scfmのCFC−12で汚
染されたパージバス流から87%のCFC−12流を作
り出す場合を考える。このCFC−12流は90psi
aにおいてパージを取りだす操作から生成するものであ
り、そしてこれは最初に−60°Fで駆動する濃縮装置
を通過させる。この濃縮装置ではこのガスのCFC含有
量を5%CFC−12にまで減少させる。こうして処理
された流は膜ユニットへと送られ、ここでCFCが選択
的に透過される。その結果、0.5%のCFC−12を
含む10scfmの流が生成しそして放出される。この
膜分離操作からの透過流は11%のCFC−12を含
み、そして小さな圧縮装置で再圧縮されて冷濃縮装置に
戻すことができる。
【0114】又別法として、放出流のCFC−12含有
量は、図7に示すような二工程膜分離操作を使用して
0.05%のまで減少させることもできる。この場合
は、第二工程からの透過流は第一工程の入口に戻しても
よい。従って、このパージ流処理操作は二つの流のみを
生成する。その一つは0.05%のCFC−12を含む
放出ガス流であり、もう一つは濃縮工程からの液状CF
C−12流である。
【0115】実施例25(空気選択性膜工程を使用する
パージガス処理) 図4に示した本発明の態様に関して、これを、9.4%
の窒素と0.6%の酸素とを混入してなりそして90%
の不特定冷却剤を含有する100psigの圧力のパー
ジガス流を処理するのに使用する場合について述べる。
窒素に対する酸素の膜選択性を4とし、そして膜ユニッ
トを途中廃棄率を1%として運転するものとする。又、
膜を通しての圧力差を作りだすために、膜の透過側に真
空ポンプを使用して透過側の圧力を1cmHgに下げる
ものとする。Shindo等のコンピユーター制御法
(Shindo等、「Calculation Met
hods for Multicomponent G
as Separationby Permeatio
n」(Sep.Sci.Technol.20,445
−459(1985))に基ずくコンピユーターモデル
を使用して、膜ユニットからの透過流中に残存する冷却
剤の量を膜選択性の関数として計算した。結果を表10
にまとめて示した。
【0116】
【表10】
【0117】以上の結果から、パージガス中の冷却剤の
含有量を一回で合格するレベルにまで減少させるために
は非常に空気選択性の高い膜が必要なことがわかる。
【0118】実施例26(空気選択性膜処理工程および
濃縮工程を使用するパージガス処理) 図5に示した本発明の態様に関して、膜分離工程に先立
ってパージガス流を処理するのに濃縮工程を行う場合に
ついて述べる。ここでは、これらの工程の組合せにより
膜分離操作に送られる流中の冷却剤の含有量は5%に減
少するものとする。又、膜分離工程への供給流は100
psigであり、そしてあらかじめ透過流の圧力を1c
mHgに下げるのに真空ポンプを使用するものとする。
実施例22のような計算をした。その結果を表11にま
とめてしめした。
【0119】
【表11】
【0120】上記の表の結果から明かであるように、放
出ガス中の残留冷却剤は、あまり大きくない選択性を持
つ膜を使用した場合でもこの方法によると非常に低いレ
ベルにまで減少する。
【0121】実施例27(空気選択性膜処理工程および
濃縮工程を使用するパージガス処理) 真空ポンプを使用しないことのみを除いて、実施例26
と同じ方法を繰り返した。従ってこの場合、まくの投下
側の圧力は76cmHgであった。結果を表12にまと
めて示した。
【0122】
【表12】
【0123】上記の表の結果から明かであるように、放
出ガス中の残留冷却剤は、あまり大きくない選択性を持
つ膜を使用した場合でもこの方法によると非常に低いレ
ベルにまで減少し、しかも圧力低下もより小さくてす
む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 濃縮装置および冷却剤選択性膜を使用した本
発明の態様を図式的に示すものである。
【図2】 膜透過気体を直接冷却サイクルに戻す本発明
の態様を図式的に示すものである。
【図3】 膜透過流を濃縮装置に戻す本発明の態様を図
式的に示すものである。
【図4】 窒素選択性膜を組み込んだ本発明の態様を図
式的に示すものである。
【図5】 濃縮装置とそれに続く窒素選択性膜装置を組
み込んだ本発明の態様を図式的に示すものである。
【図6】 二段膜系の所望の形態を示す模式図である。
【図7】 二工程膜系の所望の形態を示す模式図であ
る。
【図8】 低濃度でのCFC供給において、供給流と透
過流とのCFC−11の濃度の関係を示すグラフであ
る。
【図9】 低濃度でのCFC供給において、CFC−1
1流と供給流濃度との関係を示すグラフである。
【図10】 約35vol%までのCFC供給濃度で
の、供給流と透過流とのCFC−11の濃度の関係を示
すグラフである。
【図11】 約35vol%までのCFC供給濃度で
の、膜選択性とCFC−11の供給濃度との関係を示す
グラフである。
【図12】 低濃度でのCFC供給において、供給流と
透過流とのCFC−113の濃度の関係を示すグラフで
ある。
【図13】 約6vol%までのCFC供給濃度での、
供給流と透過流とのCFC−113の濃度の関係を示す
グラフである。
【図14】 低濃度でのCFC供給において、供給流と
透過流とのHCFC−123の濃度の関係を示すグラフ
である。
【図15】 約8vol%までのCFC供給濃度での、
供給流と透過流とのHCFC−123の濃度の関係を示
すグラフである。
【図16】 低濃度でのCFC供給において、供給流と
透過流とのHCFC−142bの濃度の関係を示すグラ
フである。
【図17】 約25vol%までのCFC供給濃度で
の、供給流と透過流とのCFC−114の濃度の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1,冷却サイクル 2,圧縮装置 3,高圧冷却剤気体 4,熱交換ゾーン 5,高圧の液体ゾーン 6,膨張バルブ 7,低圧液体ゾーン 8,蒸発ゾーン8 9,ゾーン 10,取り出し口 11,バルブ 12,高圧パージ流 13,濃縮装置 14,液状冷却剤流 15,流 16,膜ユニット 17,残留物流 18,透過流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・ダヴル・ベイカー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94301、パロ・アルト、キングスレイ・ アヴェニュー 120 (56)参考文献 特開 平4−180811(JP,A) 特開 昭61−42319(JP,A) 特開 平5−60430(JP,A) 特開 平1−179881(JP,A) 実開 平3−48677(JP,U) 実開 昭55−164480(JP,U) 特表 平5−508105(JP,A) 米国特許4906256(US,A) 米国特許4942741(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/22 F25B 43/04 F25B 45/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)冷却剤を圧縮および膨張させるこ
    とからなり、しかも冷却系中で行われる冷却工程、
    (b)該冷却剤および空気からなるパージガスを該冷却
    系から取りだすことからなる、パージ工程、および
    (c)該パージガスを膜分離工程に付することからな
    る、パージガス処理工程、からなる方法であって、該膜
    分離工程が、該冷却剤および空気からなる供給ガスを供
    給側および透過側を有する膜を透過させ、そして該供給
    ガスに比べて該冷却剤に富んだ透過流を該透過側から取
    り出すことからなるものである、前記方法。
  2. 【請求項2】 該透過流を該冷却工程にリサイクルす
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該膜が微孔性支持体層および薄い選択透
    過性被覆層からなる、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該濃縮工程が該パージガスを冷却するこ
    とから成る、請求項1特許に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該膜分離工程が大気温度以下の供給ガス
    温度において行われるものである、請求項1に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 該供給ガスを、これを前記の膜を透過さ
    せる前に前記の冷却工程での熱交換を行なわせることに
    より大気温度以下の温度に冷却する、請求項5に記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 該パージガス処理工程が、(i)濃縮工
    程、およびそれに続く(ii)該膜分離工程から成るも
    のであり、そして該濃縮工程が、該パージガスを、該冷
    却剤の濃度がその条件下においてその飽和濃度よりも大
    きいことを特徴とする条件に付してその冷却剤の一部を
    濃縮させ、液状の該冷却剤からなる濃縮流を取り出し、
    そして該パージガスに比べて該冷却剤をほとんど含まな
    い非濃縮流を取り出すことから成り、そして該膜分離工
    程が、供給側および透過側を有する膜を設け、該濃縮工
    程からの該非濃縮流を該供給側から通過させ、そして該
    非濃縮流にくらべて該冷却剤に富んだ透過流を該透過側
    から取り出すことから成るものである、請求項1に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 該膜分離工程が、膜アレイを設け、そし
    て該アレイ中の各々の膜が供給側および透過側を有する
    ものであり、前記冷却剤および空気からなる供給ガスを
    該膜アレイを通して通過させ、そして、該供給ガスに比
    べて該冷却剤に富んだ生成物透過流を該膜アレイから取
    りだすことから成る、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該膜分離工程が、大気圧において該供給
    ガスを供給して行うものであり、そして該透過側におい
    て部分真空を作り出すことにより膜を通しての冷却剤流
    を誘発するものである、請求項1に記載の方法。
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