JP3160623B1 - 傾斜組織を有する鋳鉄材料の製造方法 - Google Patents
傾斜組織を有する鋳鉄材料の製造方法Info
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Abstract
しつつ回転攪拌を行い、この回転攪拌にて、その際、晶
出する第二相粒子を機械的に粉砕するとともに該粒子と
鋳鉄溶湯との密度差に由来する遠心力の差にて該粒子の
分布形態に傾きをもたせ、目標とする固相率に到達した
時点で該回転攪拌を停止して制御された冷却速度のもと
で冷却する。
Description
けて異なる組織を分布させた傾斜組織を有する鋳鉄材料
の製造方法に関するものであって、とりわけ、鋳鉄や鋳
鋼あるいは鍛鋼を利用する分野として自動車製造分野の
構造部材に有利に適用される。
の内外を問わずどの領域においてもほぼ均一な特性を有
することが重要であって、鋳造において金属組織をその
内外で積極的に傾斜させ、例えば外部で高い硬度を有し
内部において靭性の強化を図る如き材料の製造に関する
提案は今のところ知られていない。
相粒子(鋳鉄溶湯の凝固過程において晶出する初晶γ粒
子)の分布形態を適宜に変更させた傾斜組織を有する新
規な鋳鉄材料の製造方法を提案するところにある。
凝固状態にて攪拌速度を制御しつつ回転攪拌を行い、こ
の回転攪拌にて、その際、晶出する第二相粒子を機械的
に粉砕するとともに該粒子と鋳鉄溶湯との密度差に由来
する遠心力の差にて該粒子の分布形態に傾きをもたせ、
目標とする固相率に到達した時点で該回転攪拌を停止
し、次いで、制御された冷却速度のもとで冷却すること
を特徴とする傾斜組織を有する鋳鉄材料の製造方法であ
る。
の溶湯とするのが好ましい。また、回転攪拌は、液相線
温度の直上で開始するのが望ましく、目標とする固相率
fsは0.2〜0.5程度、より好ましくは0.25〜
0.40とする。攪拌速度は100〜600rpmとする
のが望ましい。
相)で定義される。
的に説明する。図1は本発明を実施するのに好適な装置
の構成を模式的に示したものである。図において1は鋳
鉄溶湯Mを収容する例えばマグネシア製のるつぼ、2は
このるつぼ1を取り囲むように配置される炉(電気抵抗
炉等)であり、3はるつぼ1内に収容された溶湯Mを攪
拌するための円筒状攪拌子(アルミナ製等)であって、
この攪拌子3は溶湯Mの冷却、凝固過程で継続して攪拌
することができる回転速度の制御可能なモータの如き駆
動源4を備える。
湯の脱炭を抑制する黒鉛製の蓋、6は温度制御装置、7
は温度記録計、そして8は炉の内部を不活性ガス雰囲気
に保持するための不活性ガス(アルゴンガス等)供給通
路である。
大断面図と円筒状攪拌子3の平面形状をそれぞれ示す。
湯を用いて鋳造を行う場合、まず、るつぼ1内でかかる
鋳鉄を溶解したのち、冷却を開始し、その凝固過程の液
相線温度直上で円筒状攪拌子3による回転攪拌を開始す
る。
は、液相線温度直上は初晶γ粒子が晶出する温度だから
である。
ナイト粒子は、機械的に粉砕、微細化され、この時、該
粒子と溶湯との密度差(粒子の密度は溶湯(液体)の密
度よりも大きい)に起因した遠心力の差でもって該粒子
は外周部(鋳型の内壁面)に向けて移動することにな
り、目標とする固相率に到達した時点で攪拌を停止して
制御された冷却速度のもとで冷却するこにより、内外に
おいて傾斜化された組織が得られる。
た鋳片は、半凝固状態での遠心力の大きさやその際の冷
却速度あるいは攪拌停止後の冷却速度(水冷や空冷等)
の大きさによって、分散粒子の分布形態を種々に変更す
ることができる。
Si 2.01mass%、Mn 0.07mass%、P 0.008mass%、
S 0.006mass%)の溶湯の冷却、凝固過程で、攪拌速
度5.0r.p.s(攪拌中における冷却速度0.034K/s)
で攪拌し、目標固相率(fs=0.35)に到達した時点で水
冷した場合の鋳造鋳片の内外(厚さ方向)における初晶
粒子の分布状況をそれぞれ図3、図4に示す。
図5に示す如き組織をもとに画像解析にて求めた分布で
あり、図4は同じ鋳片につき、数値解析により求めた分
布である。初晶粒子の分布状況は図3、図4の比較にお
いてもほぼ一致するのが明らかである。
ほうが初晶粒子の分布の勾配は大きく、鋳片の内部では
初晶粒子は少ないが外部にいくにしたがい多くなり、攪
拌後の冷却において冷却速度を大きくすると初晶粒子の
分布の傾きが緩やかになる傾向にある。
速度は、晶出した初晶γ粒子を分散、移動させるため
2.0〜6.0K/minの範囲で調整するのが好まし
い。
散、移動させる力を確保するため2〜5r.p.sとするの
が好ましい。
鉄を対象とする場合、かかる鋳鉄の成分組成およびその
範囲は以下のようなものがとくに好適である。 C:2〜3mass% Si:1〜2mass% Mn:0.1〜0.5mass% P:0.1mass%以下 S:0.05mass%以下 を含み、残部がFeからなるもの。
由は以下の通りである。 C:Cは鋳造性の改善のためと、ある程度幅をもった未
凝固域を形成するために添加される元素であってそのた
めには、2〜3mass%(以下、単に%で記す)の範囲と
するのが好ましい。 Si:Siは黒鉛化を促進させるために添加される元素であ
ってそのためには、1〜2%の範囲とするのが好まし
い。 Mn:Mnはパーライトの安定化とMnSをつくるとによって
Sによる脆化を抑制するために添加される元素であって
そのためには、0.1〜0.5%の範囲とするのが好ま
しい。 P:Pは不純物として取り扱われる元素であり材料の伸
びや靭性を低下させるため本発明では0.1%以下とす
るのが望ましい。 S:SはPと同様、材料の伸びや靭性を低下させるため
本発明では、0.05%以下とするのが望ましい。
組織の特性を変化させるため、Cr、Niの少なくとも一種
を添加することができる。
湯を所定の成分組成に保持するため炉内の雰囲気を不活
性ガス雰囲気に保持し、るつぼ1の開孔部を黒鉛製の蓋
5で密閉する。
おいて液相線温度は、約1570K程度になる。
つき、さらに、強制的な空冷あるいは炉冷等の熱処理を
付加することもできる。
製のるつぼを、外径21mm、長さ100mmになるアルミ
ナ製円筒状攪拌子とともに電気抵抗炉内に配置した上掲
図1に示したような構成になる装置を用い、C:2.4
6%、Si:2.01%、Mn:0.07%、P:0.00
8%、S:0.006%、CE=3.13%(=C+1/
3(Si+P))の組成になる亜共晶鋳鉄の溶湯を、冷却、
凝固させ、得られた試料(サイズ:内径21mm、外径4
0mm、厚さ9.5mm)についての厚さ方向における組織
及び特性(ビッカース硬さ)について調査した。
6は、攪拌速度2r.p.s(攪拌中の冷却速度0.034
K/s)として固相率fs:0.35および固相率fs :
0.47からそれぞれ水冷した場合である。
硬度が高く、大きな耐摩耗性が得られることが明らかで
ある。
速度0.034K/s)として固相率fs:0.35から空
冷した場合である。
く硬さの低い組織であり、外側はパーライト組織であっ
て高い硬度を有する。
組織写真を示し、図9、図10に試料No1、2の厚さ方
向における初晶粒子の分布状況をそれぞれ示す。
斜した、傾斜組織を有する材料を比較的簡略化された工
程のもので製造することができ、これにさらに各種の熱
処理を付加することにより種々の傾斜機能を有る材料を
得ることが可能となり、素材の用途を著しく拡大するこ
とができる。
的に示した図である。
である。
析)を示した図である。
析)を示した図である。
である。
の変動状況を示した図である。
の変動状況を示した図である。
(b)は試料No2の金属組織写真であり、(c)は試料
No3の金属組織写真である。
況を示した図である。
状況を示した図である。
Claims (3)
- 【請求項1】鋳鉄溶湯の半凝固状態にて攪拌速度を制御
しつつ回転攪拌を行い、この回転攪拌にて、その際、晶
出する第二相粒子を機械的に粉砕するとともに該粒子と
鋳鉄溶湯との密度差に由来する遠心力の差にて該粒子の
分布形態に傾きをもたせ、目標とする固相率に到達した
時点で該回転攪拌を停止し、次いで、制御された冷却速
度のもとで冷却することを特徴とする傾斜組織を有する
鋳鉄材料の製造方法。 - 【請求項2】鋳鉄溶湯が亜共晶鋳鉄の溶湯である、請求
項1記載の製造方法。 - 【請求項3】回転攪拌は、液相線温度の直上で開始する
ものである、請求項1または2に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000090662A JP3160623B1 (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | 傾斜組織を有する鋳鉄材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000090662A JP3160623B1 (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | 傾斜組織を有する鋳鉄材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3160623B1 true JP3160623B1 (ja) | 2001-04-25 |
JP2001276963A JP2001276963A (ja) | 2001-10-09 |
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ID=18606240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000090662A Expired - Lifetime JP3160623B1 (ja) | 2000-03-29 | 2000-03-29 | 傾斜組織を有する鋳鉄材料の製造方法 |
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JP (1) | JP3160623B1 (ja) |
-
2000
- 2000-03-29 JP JP2000090662A patent/JP3160623B1/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JP2001276963A (ja) | 2001-10-09 |
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