JP3152892U - 兜 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄が容易で、清潔感が得られ、コンパクトでありながら重量感と立体感を醸しだす構成で、インテリアにもなりうる兜を提供する。【解決手段】構成材の殆どを一枚の金属薄板で構成し、これを折り紙の展開方式で折り曲げてサンドイッチ構造で3角形の本体、前立装着用化粧面、本体中心から左右に対称に伸びる鍬形、及本体下端に形成した厚手感のある化粧額縁とを一体に形成し、上記前立装着用化粧板の頂点部に前板を着脱自在に装着する構造とした。【選択図】図1
Description
本考案は、五月節句等で飾られる兜に係り、しかも金属薄板で構成し、その上、干支、その他の紋章に対応した前立を簡単に固定、若しくは交換できる兜に関するものである。
従来、この種、兜においては、5月節句に兜を飾ることが行われている。しかも、兜は鋳物等で堅牢に製造され、装飾されたしころ、吹き上げなども多々存在する。(特許文献1参照)また、兜飾り自体をより華美で、豪華に構成したものが提案され、例えば前立に麒麟の形状、全体形状が半立体的形状に見えるように、鍬形の表面に図柄を施しものがある。(特許文献2参照)さらに、簡単な構成で豪華さを出すと共に美観にすぐれ、しかも簡易にデザインを変更可能で、安価で安全な兜も提案されている。(特許文献3参照)
しかしながら、この種、兜においては、鉢を主体に特殊加工を施して怪我の危険性を防止する鍬形、豪華な吹き上げ、獅子がしらなどで構成されており、大きくて豪華さと華美、重量感、立体感は得られるが、高価と平常時も飾るようなインテリア的な要因の置物でなく、洗浄の際は錣(しころ)、吹き上げ等が繊維や金属などで複雑に編み込まれており困難で専門家に依頼するか、長時間の洗浄が必要であり、退色や素材の劣化し、しかも、兜は通常、櫃(はこ)に収納され、五月節句に取り出して飾るのが通例の兜であった。また、鍬形は板状で個別に形成されており、周縁が鋭利で怪我する危険性があった。さらに、鍬形取り付け台、及び前立取付け部を個々に装着する必要があった。
本考案の目的は、殆どの構成を金属薄板で構成し、かつ簡単な構成でありながら豪華さと美観を醸しだせ、しかも洗浄が素人でも、いつでも簡単にでるので清潔で素材感、色彩感を常に維持でき、さらに、前立も十二支や、武将の紋章、家紋など容易に交換でき、永年に亘り飾れるインテリア的な用途の兜として使用できると共に、構成を簡単なデザインでシンプル感がありながら構成材の良さを発揮でき、しかも、周知の兜の人形としての兜より極めて安価に製造できる兜を提供することである。
本考案は、前述したような課題を除去したものであり、兜の殆どを一枚の金属薄板で構成し、かつ本体を三角形状の金属薄板を対面させ、かつ少なくとも正面方向に彎曲したサンドイッチ構造に形成し、しかもサンドイッチ構造の内部空間が下端から上端に向かって縮小するような立体感がるコンパクトな兜とし、その上、金属薄板の特性を活かして鍬形を屈曲させ、これにエンボス加工でより厚みとふっくら観を醸し出させて立体感を持つデザインとし、更に前立を干支等にに合わせて固定、若しくは交換できる簡単な装着構造を前立化粧板の頂点部に設けると共に、兜の下端に豪華さと堅牢さ、重量感をと安定感を醸し出すため太鼓鋲で一体化した化粧額縁を設けたインテリア的な置物としても通常飾れる兜に構成したことを特徴とする。
本考案に係る兜は、一枚の金属薄板の屈曲加工で三角形の兜の殆どを形成したため、金属の素材感、塗装での色彩感、スッキリ感を容易に構成することができる。また、金属薄板であるため経年的な退色も無く、かつ洗浄が極めて容易であり、通常も清潔感を維持しながら飾れるのでインテリアとしての用途も可能になる。さらに、兜全体が三角形状の外観としてスッキリ感とコンパクト化を付加し、かつ、三角形の少なくとも正面方向に曲面状のふくらみを形成し、かつ内部に下端から上端に向かって縮小する空隙を形成し、しかも兜下端に額縁と太鼓鋲を付加して一体化し、重量感と安定感を得ることができる。また、鍬形はほぼコ字状的に屈曲すると共に、その正面にエンボス等を施して危険性の防止と機械的強度を付加したので立体感と柔らかさを倍加できる。また、前立は素材、色彩、干支、家紋、武将の紋などを時代の変化に対応して兜正面の表面に相似的に設けた三角形状の前立化粧板の頂点部に着脱自在に装着できるため意匠性、デザイン性を得ながら通常的に新鮮さを味わいながら飾れる。
以下に、本考案に係る兜の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。
図1から図3に示すように、1は兜で三角形、例えば2等辺三角形の本体2と前立装着用化粧板6と前立8と本体2の頂点を通る中心から左右に対称に設けた鍬形9と本体2の底辺に設けた化粧額縁10と化粧額縁10を本体2の下端に固定する締結具11、例えば太鼓鋲とを一体に、しかも殆どを一枚の金属薄板を屈曲加工して形成した構成である。
図1から図3に示すように、1は兜で三角形、例えば2等辺三角形の本体2と前立装着用化粧板6と前立8と本体2の頂点を通る中心から左右に対称に設けた鍬形9と本体2の底辺に設けた化粧額縁10と化粧額縁10を本体2の下端に固定する締結具11、例えば太鼓鋲とを一体に、しかも殆どを一枚の金属薄板を屈曲加工して形成した構成である。
さらに、詳細に説明すると、この場合は一枚の金属薄板、例えば板厚が0,15〜0,5位で折り曲げ加工が容易な板厚であり、折り紙の場合と同じような展開方式で一枚の薄板から折り曲げ加工した場合の実施例である。素材としては、銅板、真鍮板、鉄板、アルミニューム板等の一種以上からなり、色彩は任意に選択して塗装し、これを兜1の大きさに応じた金属薄板を裁断したものである。
本体2は2等辺三角形であり、折り紙のように薄板を正面方向に突出するような彎曲に屈曲した正面部3と合同形状で、かつ1平面かからなる2等辺三角形の背面部4とから図3,及び図5(a)に示すような蛤状の空隙5に形成し、しかも、本体2の下端から上端に向かって空隙5が縮小するようなサンドイッチ構造に形成する。なお、正面部3は中心3a(折り曲げ端)から左右へ対称に屈曲して直角三角形を2つ組み合わせた2等辺三角形である。また、空隙5は金属薄板でも兜1に安定性と立体感を醸し出すのに有用である。さらに、正面部3に本体2の頂点2aの中心から左右対称に鍬形9を本体2を折り曲げて形成する。
鍬形9は図1 、7図に示すように本体2の斜辺2bから突出させ兜1の吹き上げ的機能をも兼備させたものである。特に、素材の特性を活かして断面を図2,図5(b)及び図7に示すように半円状に屈曲した立体形状で、かつ上端縁にさざ波的な化粧波形9aを形成し、正面9bを変則的な三角形の曲面に形成し、下端縁は図5(a)、図7に示すように前立装着用化粧板6の根本6aと一体化したものである。また、鍬形9の表面には、任意模様9cのエンボスを施し、豪華さと立体感を助長させる。勿論、平面の場合も可能である。7は、補強化粧板であり、前立装着用化粧板6と対面するもので一枚の金属薄板から兜1を折り曲げて構成する際に生じる逃げ部である。
前立装着用化粧板6は、本体2の底面辺を折り曲げて本体2と相似の三角形を形成したものであり、本体2の高さの約4〜7割位に形成して本体2の立体感の付加と補強、及び三角形の頂点部で前立8の装着部として役立つものである。また、前立8は、干支、武将の紋章、家紋、その他、任意のものを着脱自在に装着できるもである。なお、固定する場合は、鋲やネジ等の締結具11,又は取付具12を前立8の正面、若しくは裏面に固定する。図1では鋲11で固定した場合を示す。また、前立の大きさは、任意であるがバランス的に本体2の頂点から約1cm位上方へ突出するのが好ましい。
取付具12は、図6(b)に示すように前立8の裏面に例えば、図6(c)、(d)に示すような三角形状の取付具12を接着剤や締結具11等で前立8に固定するものであり、差し込み溝12aを三角形の2辺の斜辺を折り曲げて形成する。隙間12bは、約0,8〜1,5mm位であり、前立装着用化粧板6と嵌合できる寸法に選択する。
化粧額縁10は、図1 、及び断面5(a)に示すように本体2の底面を折り曲げて一体に形成したものであり、兜1の重量感と豪華さと安定感を得るに設けたモノであり、高さHは本体2の2〜3割位であり、兜1全体のバランスをとるのに役立つ。勿論、厚さは図5(a)に示すように2層、または図示しないが3層に屈曲してふくらみを持たせることも可能である。固定具13は、構成材の一体化と兜1の下端部を固定するのに役立ち、立体感、柔らかさなども加味して太鼓鋲などを用いる。14は補強額縁で化粧額縁10と対面する位置に設けて、固定具13で本体2,補強化粧板7との一体化に役立つものである。
本考案に係る兜の作用、効果を説明する。
即ち、兜は金属薄板でほぼ全体を一体に構成し、かつ繊維等で形成される錣などが無いので洗浄が極めて容易で常に清潔に金属素材感などを醸し出しながら維持できる。また、前立を交換可能に装着したため干支に合わせて交換でき、長く使用できる。さらに、前立を季節感にマッチしたモノを装着するとインテリアとしての機能も発揮できる。しかも、金属薄板にも拘わらず全体にふくらみを設け、かつ化粧額縁と太鼓鋲の併用で重量感とスッキリ感のバランスをとり、その上、折り曲げ加工によるコンパクト化もはかった。なお、鍬形は屈曲したコ字状をアレンジした筒状に形成したため立体感が大幅に強化され、さらに端面を波状に形成して躍動感を付加して兜らしさを強化できる。また、鍬形の正面部分にエンボスによる模様を施して薄板の機械強度をアップさせることができる。また、構成部材を部品化して兜を一体に構成した際は、価格、量産、生産スピードが大幅に向上でいる。さらに、色彩の相違を加味した際は、兜にアクセントが強化されて新規な兜のイメージを醸し出すこともできる。
即ち、兜は金属薄板でほぼ全体を一体に構成し、かつ繊維等で形成される錣などが無いので洗浄が極めて容易で常に清潔に金属素材感などを醸し出しながら維持できる。また、前立を交換可能に装着したため干支に合わせて交換でき、長く使用できる。さらに、前立を季節感にマッチしたモノを装着するとインテリアとしての機能も発揮できる。しかも、金属薄板にも拘わらず全体にふくらみを設け、かつ化粧額縁と太鼓鋲の併用で重量感とスッキリ感のバランスをとり、その上、折り曲げ加工によるコンパクト化もはかった。なお、鍬形は屈曲したコ字状をアレンジした筒状に形成したため立体感が大幅に強化され、さらに端面を波状に形成して躍動感を付加して兜らしさを強化できる。また、鍬形の正面部分にエンボスによる模様を施して薄板の機械強度をアップさせることができる。また、構成部材を部品化して兜を一体に構成した際は、価格、量産、生産スピードが大幅に向上でいる。さらに、色彩の相違を加味した際は、兜にアクセントが強化されて新規な兜のイメージを醸し出すこともできる。
本実施例に係る兜は、図8に示すように取付け台αに、取付け台αに固定された取付け用金具βを介して、兜1の裏面の補強額縁14の上端部と嵌合して兜1を取付け台αに固定して設置することもできる。また、兜1は殆どを折り紙方式で1枚の金属薄板から折り曲げ加工し、その他は別部材を一体に装着した実施例を主に説明しましたが、図9に示すように各構成部材を部品化して製造し、それを一体に接着、取付具等で組み付けて兜を製造することも可能である。この場合は、より量産化とコストダウンが図れる。
また、前立8の素材と本体2の素材を異質なも、あるいは異色のもので形成して、より美観、印象をアップすることも可能である。特に、インテリ的な用途の兜では、クリスタル粉、ダイヤモンド粉、金粉などを前立8,化粧額縁10などに塗布してきらきら感を付加することもできる。更に、安定感を得るには、色彩の選択を活用してどっしり感を醸しだし、金属薄板感を排除するとさらに商品価値をアップできる。
また、前立8の素材と本体2の素材を異質なも、あるいは異色のもので形成して、より美観、印象をアップすることも可能である。特に、インテリ的な用途の兜では、クリスタル粉、ダイヤモンド粉、金粉などを前立8,化粧額縁10などに塗布してきらきら感を付加することもできる。更に、安定感を得るには、色彩の選択を活用してどっしり感を醸しだし、金属薄板感を排除するとさらに商品価値をアップできる。
本考案に係る兜は、五月節句の兜を主体に利用するが、前立模様の選択、色彩の組み合わせで日常の部屋の中、玄関などでのインテリア兜としても適用できる。
1 兜
2 本体
3 正面部
6 前立装着用化粧板
8 前立
9 鍬形
10 化粧額縁
11 締結具
2 本体
3 正面部
6 前立装着用化粧板
8 前立
9 鍬形
10 化粧額縁
11 締結具
Claims (5)
- 金属薄板を三角形状の正面部と背面部とが対面しサンドイッチ構造で、かつ下端から上端に向かって空隙が縮小する彎曲の本体と、正面部の三角形と相似形で、根本が同じである前立装着用化粧板と、該前立装着用化粧板の頂点部に着脱自在に装着する干支、武将等の紋章等の1種からなる前立と、該前立の左右に本体の中心から対称的に斜めに伸び、かつ先端が前記正面部から突出する曲面状の鍬形と、前記本体の下端部に形成した化粧額縁と、該化粧額縁を本体と一体化すると共に、立体感を醸し出す締結具とから構成したことを特徴とする兜。
- 鍬形がコ字状にアレンジしたような曲面状であり、かつ該正面にエンボスによる模様が付加されていることを特徴とするに請求項1記載の兜。
- 本体、化粧板、鍬形、及び化粧額縁を一枚の金属薄板から折り紙方式で折り曲げて構成したことを特徴とする請求項1、又は2項記載のいずれか1項からなる兜。
- 前板とそれ以外の構成材が異質材で構成されていることを特徴とする請求項1〜3項記載のいずれか1項からなる兜。
- 本体、化粧板、鍬形、前立て、化粧額縁をそれぞれを各部品として形成して締結、若しくは接着等で一体化したことを特徴とする請求項1〜4項記載のいずれか1項からなる兜。
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